JP2003026825A - 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム

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JP2003026825A
JP2003026825A JP2001221166A JP2001221166A JP2003026825A JP 2003026825 A JP2003026825 A JP 2003026825A JP 2001221166 A JP2001221166 A JP 2001221166A JP 2001221166 A JP2001221166 A JP 2001221166A JP 2003026825 A JP2003026825 A JP 2003026825A
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polyester film
laminating
white
polyester
film
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Eiji Kinoshita
英司 木下
Shinichiro Okada
真一郎 岡田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた成形加工性、耐熱性、耐レトルト性、
耐衝撃性を保持し、かつ、保味保香性、特にレトルト処
理後の保味保香性を改善した金属板貼合せ成形加工用ポ
リエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 平均粒径0.1μm以上0.5μm以下
の白色顔料10〜45重量%を含有し、エチレンテレフ
タレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルから
なるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルに
含有されるアルカリ金属元素、アンチモン元素およびゲ
ルマニウム元素の総量が5ppm以下であことを特徴と
する金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ成形加
工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属板
と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際に優れた成
形加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保味保香
性、耐衝撃性、隠蔽性、美麗性、印刷適性などに優れた
金属缶、例えば飲料缶、食品缶などを製造し得る金属板
貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐蝕防止として一般
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆
性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑
性フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。この熱
可塑性樹脂フィルムとしては、成形加工性、耐熱性、耐
衝撃性、保味保香性などの点で、共重合ポリエステルフ
ィルムが適していることが次第に明らかになりつつあ
る。しかしながら、このポリエステルフィルムは緑茶類
など極めて微妙な味わいが重要な飲料、さらには無味無
臭が要求されるミネラルウォーターを内容物とした場
合、必ずしも十分な保味保香性を示さず、臭気や味に対
する変化が感知される。これに対し、特開平6−116
376号公報では、特定量のアルカリ金属元素とゲルマ
ニウム元素を含有する共重合ポリエステルからなる、フ
レーバー性を向上せしめた金属板成形加工用ポリエステ
ルフィルムが提案されている。しかし、このフィルムを
用いた場合、コールドパックシステムのような内容物を
つめた段階で熱のかからない工程では優れた保味保香性
を示すが、レトルト処理のような内容物をつめた段階で
熱処理が行われる工程においては、必ずしも十分な保味
保香性が得られない。また、白色フィルムにおいて、高
隠蔽性を出すために高濃度の白色顔料を添加するが、こ
のフィルムを用いた場合、フィルムの結晶性が高すぎ
て、製膜性が悪化し、安定生産ができない場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解消し、ポリエステルフィルムが持って
いる優れた成形加工性、耐熱性、耐レトルト性、耐衝撃
性を保持し、かつ、保味保香性、特にレトルト処理後の
保味保香性を改善し、隠蔽性、美麗性、印刷適性、生産
性に優れた金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフ
ィルムを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、フィルムに含有さ
れる特定の金属元素の含有量を制限することにより、保
味保香性、特にレトルト処理後の保味保香性、隠蔽性、
美麗性、印刷適性、生産性が顕著に改善されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、平均粒径0.1μm
以上0.5μm以下の白色顔料10〜45重量%を含有
し、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
るポリエステルからなるポリエステルフィルムであっ
て、該ポリエステルに含有されるアルカリ金属元素、ア
ンチモン元素およびゲルマニウム元素の総量が5ppm
以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白
色ポリエステルフィルムである。
【0006】本発明は、好ましい態様として以下の態
様、すなわち、ポリエステルに含有されるアンチモン元
素およびゲルマニウム元素の総量が1ppm未満である
態様、ポリエステルの重合触媒としてチタン化合物を含
有し、そしてポリエステル中に含有される重合触媒に由
来するチタン金属元素濃度が4〜50ppmである態
様、ポリエステルの融点が210〜245℃である態
様、ポリエステルがイソフタル酸共重合ポリエチレンテ
レフタレートおよび/または2,6−ナフタレンジカル
ボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートである態様、
白色顔料がルチル型酸化チタンである態様、白色顔料が
硫化亜鉛である態様、白色顔料としてルチル型酸化チタ
ン及び硫化亜鉛の双方を含む態様、および白色顔料とし
てルチル型酸化チタンを含む本発明の金属板貼合せ成形
加工用白色ポリエステルフィルムの層を少なくとも1層
含む2層以上を積層してなる態様を含む。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0007】[ポリエステル]本発明で用いられるポリ
エステルとしては、種々のポリエステルのなかでも、優
れた成形加工性、耐熱性、保味保香性、隠蔽性、美麗
性、印刷適性、生産性を有することから、エチレンテレ
フタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを
使用する。
【0008】その中でも、特に優れた成形加工性を示す
ことから、共重合ポリエチレンテレフタレートを使用す
ることが好ましい。
【0009】この共重合ポリエステルの共重合成分とし
ては、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。こ
のジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカ
ンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示
でき、またジオール成分としては1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール
等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如
き芳香族ジオールが例示できる。これらは単独または二
種以上を使用することができる。
【0010】これらの共重合成分のうち、保味保香性、
特にレトルト処理後の保味保香性を改善することができ
ることから、イソフタル酸および/または2,6−ナフ
タレンジカルボン酸が特に好ましく用いられる。
【0011】共重合成分の割合は、その種類にもよる
が、結果としてポリマー融点が210〜245℃、さら
に215〜240℃の範囲になる割合であることが好ま
しい。融点が210℃未満では耐熱性が劣ることがあ
る。一方、融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶
性が大きすぎて成形加工性が損なわれることがある。
【0012】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0013】また、ポリエステルの固有粘度(オルトク
ロロフェノール中35℃にて測定)は0.50〜1.0
0であることが好ましく、さらに好ましくは0.52〜
0.80、特に好ましくは0.53〜0.62である。
この固有粘度が0.50未満の場合には耐衝撃性が不足
することがあり好ましくない。他方、固有粘度が1.0
0を超える場合には、成形加工性が損なわれることがあ
る。
【0014】本発明におけるポリエステルは、その製法
によって限定されることはない。例えば、テレフタル
酸、エチレングリコールおよび共重合成分をエステル化
反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合
度になるまで重縮合反応させてポリエステルとする方
法、あるいはテレフタル酸ジメチルエステル、エチレン
グリコールおよび共重合成分をエステル交換反応させ、
ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるま
で重縮合反応させてポリエステルとする方法を好ましく
挙げることができる。また、上記の方法(溶融重合)に
より得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態で
の重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高いポ
リマーとすることができる。
【0015】ポリエステルの製造においては、必要に応
じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色
相改良剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加
えることができる。
【0016】本発明において、ポリエステルに含有され
るアルカリ金属元素、アンチモン元素およびゲルマニウ
ム元素の総量は5ppm以下であることが必要であり、
3ppm以下であることが好ましい。また、アンチモン
元素およびゲルマニウム元素の総量は1ppm未満であ
ることが好ましい。ここで、アルカリ金属元素量は、原
子吸光分析により定量されるLi、Na、K元素のpp
m濃度の和である。また、アンチモン元素量およびゲル
マニウム元素量は、蛍光X線分析により定量する。アル
カリ金属元素、アンチモン金属元素およびゲルマニウム
金属元素の総量が5ppmを超えると、保味保香性、特
にレトルト処理後の保味保香性が劣ることになる。
【0017】本発明におけるポリエステルの重縮合反応
に使用する触媒としては、アンチモン化合物およびゲル
マニウム化合物以外の化合物を用いることが好ましい。
具体的には、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、
チタン化合物が挙げられる。そのなかでも、特に保味保
香性に優れることから、チタン化合物を用いることがよ
り好ましい。チタン化合物としては、例えばチタンテト
ラブトキシド、酢酸チタンなどが好ましく挙げられる。
チタン化合物を用いる場合、ポリエステル中に含有され
る、重縮合反応触媒に由来するチタン金属元素濃度が4
〜50ppmの範囲が好ましい。4ppm未満である
と、ポリエステルの重縮合反応の速度が低下し、所定の
固有粘度を有するポリエステルが製造できなくなり、他
方50ppmを超えるとポリエステルの耐熱性が低下す
る。
【0018】本発明においては、ポリエステルに含まれ
るアルカリ金属元素、アンチモン元素およびゲルマニウ
ム元素の総量を5ppm以下とする。そのために、本発
明では、ポリエステルの重縮合反応触媒として、アルカ
リ金属化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物
を実質的に使用しないことが肝要である。これらアルカ
リ金属化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物
を重縮合触媒として使用すると保味保香性が不充分であ
り、またゲルマニウム化合物は高価であるためフィルム
のコストが上昇することになる。
【0019】本発明では、実質的にアルカリ金属化合
物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物を用い
ずに、例えば重縮合触媒にチタン化合物を使用すること
で、上記問題を解決することができる。
【0020】[白色顔料]本発明では、フィルムの隠蔽
性を向上させる目的で平均粒径0.1μm以上0.5μ
m以下の白色顔料を10〜45重量%を添加する必要が
ある。白色顔料の種類は無機系、有機系の如何を問わな
いが、無機系が好ましい。無機系滑剤としては、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫化亜鉛などが例示
できる。その中でもコスト、分散性等を考慮すると、ル
チル型酸化チタンが最も好ましい。また、白色顔料とし
てルチル型酸化チタン及び硫化亜鉛の双方を含んでもよ
い。白色顔料の粒径が0.5μmを超えると、製膜性が
劣るようになり好ましくない。粒径が0.1μm未満で
は白色顔料の分散性が悪くなり好ましくない。白色顔料
の添加量は10〜45重量%添加することが必要であ
る。白色顔料の添加量は好ましくは15〜40重量%、
さらには好ましくは20〜35重量%である。白色顔料
が10重量%未満では、隠蔽性が不足し、45重量%を
超えると製膜性が極度に悪化する。
【0021】[厚み]本発明のポリエステルフィルム
は、好ましくは厚みが6〜75μmである。更に8〜7
5μm、特に10〜50μmであることが好ましい。厚
みが6μm未満では加工時に破れなどが生じ易くなり、
一方75μmを超えるものは過剰品質であって不経済で
あり好ましくない。
【0022】[積層]本発明のポリエステルフィルム
は、単層または2層以上の積層品であってもかまわな
い。本発明では、これまで説明した金属板貼合せ成形加
工用白色ポリエステルフィルムの層を少なくとも1層を
含む2層以上を積層してなる金属板貼合せ成形加工用白
色ポリエステルフィルムを好ましい態様として用いるこ
とができる。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは、特に食
品缶または飲料缶に用いられるものであるから、該フィ
ルムより溶出あるいは飛散する物質が少ないほど良い
が、それらの物質を全くなくすことは実質的に不可能で
ある。そこで、食品缶または飲料缶用途に使用するため
には、例えばイオン交換水で121℃、2時間抽出した
ときのフィルム1cm2当りの抽出量が0.08mg以
下であることが好ましく、0.02mg以下であること
が更に好ましい。上記抽出量を少なくするには、フィル
ムのガラス転移温度を高くすればよい。フィルムのガラ
ス転移温度は該フィルムを構成するポリマーのガラス転
移温度と配向度によって決まるが、配向度を上げると成
形加工性が悪化するので、ポリマー(共重合PET)の
ガラス転移温度を高くするのが好ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムが貼合せら
れる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティ
ンフリースチール、アルミニウム等の板が適切である。
金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、例えば下
記、の方法で行うことができる。
【0025】 金属板をフィルムの融点以上に加熱し
ておいてフィルムを貼合せた後冷却し、金属板に接する
フィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
【0026】 フィルムに予め接着剤層をプライマー
コートしておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層
としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、
エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を
用いることができる。
【0027】さらに、本発明のポリエステルフィルムに
おいては、必要に応じて、片側または両側に、他の追加
の層を積層させてもよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
なお、実施例中の特性は下記の方法で測定した。 (1)ポリエステルの固有粘度 オルトクロロフェノール中、35℃で測定する。
【0029】(2)ポリエステルの融点 Du Pont Instruments 910 D
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0030】(3)ポリエステル中のアルカリ金属元素
の総量 フィルムサンプルをオルトクロロフェノールに溶解し、
0.5規定塩酸で抽出操作を行った。この抽出液につい
て原子吸光分析によりNa、K、Liの定量を各元素ご
とに行い、それらの和から求めた。
【0031】(4)アンチモン元素量およびゲルマニウ
ム元素量 フィルムサンプルを240℃に加熱溶融して円形デイス
クを作成し、蛍光X線分析により、アンチモン元素量お
よびゲルマニウム元素量を定量した。
【0032】(5)重合触媒チタン金属元素濃度 フィルムサンプルを解重合実施し、遠心分離器にて白色
顔料粒子を除去し、上澄み液をICP発光分光分析によ
り、Ti元素の定量を行った。
【0033】(6)深絞り加工性 ポリエステルの融点以上に加熱した板圧0.25mmの
ティンフリースチールの両面にフィルムを貼合せ、水冷
した後150mm径の円板状に切り取り、絞りダイスと
ポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側
面無継目容器(以下、缶と略す)を作成した。この缶に
ついて以下の観察および試験を行い、各々下記の基準で
評価した。 深絞り加工性−1 ○:フィルムに異常なく、加工されたフィルムに白化や
破断が認められない。 △:缶上部のフィルムに白化が認められる。 ×:フィルムの一部に破断が認められる。 深絞り加工性−2 ○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験
(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶
体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定す
る。以下、ERV試験と略す)において0.2mA以下
を示す。 ×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
【0034】(7)耐衝撃性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、0℃に冷
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行
った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0035】(8)耐熱脆化性 深絞りが良好であった缶を200℃×5分間加熱保持し
た後、前述の耐衝撃性評価を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが
認められた。
【0036】(9)耐レトルト性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、蒸気滅菌
器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、
50℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつ
き10個ずつ高さ50cmから塩ビタイル床面に落とし
た後、缶内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0037】(10)保味保香性−1 深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填
し、常温下(20℃)2ヶ月間保管する。その浸漬液を
用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用
のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
【0038】(11)保味保香性−2 深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填
し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行
い、しかる後、常温下(20℃)2ヶ月間保管する。そ
の浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行
い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価し
た。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
【0039】(12)製缶後缶白度 17種の白色フィルムとティンフリースチールとを貼合
せる前に製缶後に缶外面となるティンフリースチール面
に、烏口を用いて、長さ50mm幅がそれぞれ0.2m
m、1.4mmの黒線(A)、(B)を記入しておいて
製缶後、白色フィルムを通して黒線を観察した。評価を
次の様通り行った。 ○:黒線(A)、(B)ともに見えない。 △:一方はかすかに見えるが、片方は見えない。 ×:一方は見え、片方もかすかに見える。
【0040】(13)製膜性 表1記載のフィルムについて製膜を実施し、評価を次の
ように行った。 ○:切断が全く発生しない。 △:1〜2回/日切断が発生する。 ×:3回/日以上切断が発生する。
【0041】(14)美麗性 17種の白色フィルムとティンフリースチールとを貼合
せて後、白色フィルムが外面となるように製缶し、缶表
面を観察して次のように評価した。 ○:缶表面が粗れておらず実用上問題ないレベルであ
る。 ×:缶表面が粗れており実用上問題があるレベルであ
る。
【0042】(15)顔料 顔料の酸化チタンにはテイカ製、商品名JR−405の
ルチル型酸化チタンを用いた。
【0043】[実施例1]表1に示す成分を共重合成分
とし、表1に示す成分を重縮合触媒として製造した共重
合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度が0.64)
を常法により乾燥し、280℃で溶融した後、押出し
て、急冷固化して未延伸フィルムを得た。
【0044】この共重合ポリエチレンテレフタレートに
は、顔料としてルチル型酸化チタンを表1記載(平均粒
径、重量割合)のとおり含有し、他に平均粒径1.8μ
m、粒径比1.09、相対標準偏差0.08の真球状単
分散シリカを0.06重量%含有する。
【0045】なお、共重合ポリエチレンテレフタレート
に含有されるアルカリ金属元素の総量、アンチモン金属
量、ゲルマニウム金属量、重合触媒チタン金属元素量
は、表1に示す通りであった。
【0046】次いで、この未延伸フィルムを115℃、
3.2倍で縦延伸した後、125℃、3.4倍で横延伸
し、更に160℃で熱固定して二軸延伸フィルムを得
た。
【0047】これらの各フィルムを、フィルムの融点+
5℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリースチー
ルの両面に貼合せ、水冷した後、55mm径の側面無継
目容器(缶)を作成した。これらの缶の評価結果を表2
に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】[実施例2〜7および比較例1〜10]実
施例1と同様に、表1に示す成分を共重合成分とし、表
1に示す成分を重縮合触媒として製造した共重合ポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度が0.64)を常法に
より乾燥し、280℃で溶融した後、押出して、急冷固
化して未延伸フィルムを得た。
【0051】この共重合ポリエチレンテレフタレートに
は、顔料としてルチル型酸化チタン(実施例7ではルチ
ル型酸化チタンおよび硫化亜鉛)を表1記載(平均粒
径、重量割合)のとおり含有し、他に平均粒径1.8μ
m、粒径比1.09、相対標準偏差0.08の真球状単
分散シリカを0.06重量%含有する。
【0052】なお、共重合ポリエチレンテレフタレート
に含有されるアルカリ金属元素の総量、アンチモン金属
量、ゲルマニウム金属量、重合触媒チタン金属元素量
は、表1に示す通りであった。
【0053】次いで、この未延伸フィルムを115℃、
3.2倍で縦延伸した後、125℃、3.4倍で横延伸
し、更に160℃で熱固定して二軸延伸フィルムを得
た。
【0054】これらの各フィルムを、フィルムの融点+
5℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリースチー
ルの両面に貼合せ、水冷した後、55mm径の側面無継
目容器(缶)を作成した。これらの缶の評価結果を表2
に示す。
【0055】表2の評価結果から明らかなように、本発
明のフィルムは、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性、保味
保香性に優れたものであった。
【0056】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエ
ステルフィルムは、金属板と貼合わせた後、製缶加工、
例えば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、共重
合ポリエステルが持っている優れた成形加工性、耐熱
性、耐レトルト性、耐衝撃性を保持しながら、保味保香
性、特にレトルト後の保味保香性が改善されるため、金
属容器用のフィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA43 AA44 AA45 AA46 AB17 AB23 AF23 AF30 AF45 AH05 BC02 4F100 AA11A AA11C AA21A AA21C AB01 AB01A AB01B AB01C AB02 AB12A AB12C AB22A AB22C AK41A AK41C AK42 BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C CA13A CA13C DE01A DE01C EJ38 GB16 GB23 JA04A JA04C JJ03 JK10 JL01 JL08A JL08C JL10A JL10C YY00A YY00C 4J002 CF001 CF051 CF061 CF071 DE086 DE136 DE146 DG026 FD096 GG01 GG02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.1μm以上0.5μm以下
    の白色顔料10〜45重量%を含有し、エチレンテレフ
    タレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルから
    なるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルに
    含有されるアルカリ金属元素、アンチモン元素およびゲ
    ルマニウム元素の総量が5ppm以下であることを特徴
    とする金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルに含有されるアンチモン元
    素およびゲルマニウム元素の総量が1ppm未満であ
    る、請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用白色ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルの重合触媒としてチタン化
    合物を含有し、そしてポリエステル中に含有される重縮
    合反応触媒に由来するチタン金属元素濃度が4〜50p
    pmである、請求項1または請求項2記載の金属板貼合
    せ成形加工用白色ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルの融点が210〜245℃
    である、請求項1または請求項3記載の金属板貼合せ成
    形加工用白色ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがイソフタル酸共重合ポリ
    エチレンテレフタレートおよび/または2,6−ナフタ
    レンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートで
    ある、請求項1または請求項4記載の金属板貼合せ成形
    加工用白色ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 白色顔料がルチル型酸化チタンである請
    求項1または請求項5記載の金属板貼合せ成形加工用白
    色ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 白色顔料が硫化亜鉛である請求項1また
    は請求項5記載の金属板貼合せ成形加工用白色ポリエス
    テルフィルム。
  8. 【請求項8】 白色顔料としてルチル型酸化チタン及び
    硫化亜鉛の双方を含む請求項1記載の金属板貼合せ成形
    加工用白色ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 白色顔料としてルチル型酸化チタンを含
    む請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用白色ポリエス
    テルフィルムの層を少なくとも1層含む2層以上を積層
    してなる金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィ
    ルム。
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