JP2003026807A - ポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法

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JP2003026807A
JP2003026807A JP2001215893A JP2001215893A JP2003026807A JP 2003026807 A JP2003026807 A JP 2003026807A JP 2001215893 A JP2001215893 A JP 2001215893A JP 2001215893 A JP2001215893 A JP 2001215893A JP 2003026807 A JP2003026807 A JP 2003026807A
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Kimihiko Hattori
公彦 服部
Koichi Ito
伊藤  公一
Hideyuki Shigemitsu
英之 重光
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量平均粒子径が大きく、かつ粒子径分布の
狭いポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法を提
供する。 【解決手段】 オルガノシロキサンと、乳化剤と、水と
を含む原料混合物を攪拌し、乳化したオルガノシロキサ
ンラテックスに、ミセル形成能のない酸性化合物を混合
し、前記オルガノシロキサンを重合する。このようにし
て、重量平均粒子径(dw)と数平均粒子径(dn)との
比(dw/dn)が2.0以下であるポリオルガノシロキ
サンラテックスを得る。この際、前記オルガノシロキサ
ンには、オクタメチルシクロテトラシロキサンが60質
量%以上含まれることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維処理剤、接着
剤、シーラント剤、特に、樹脂強化剤等の各種高分子材
料に利用できるポリオルガノシロキサンラテックスの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノシロキサンを乳化重合して、ポ
リオルガノシロキサンを製造する方法は、例えば、特開
昭60−88040号公報、特公平4−71097号公
報、特開平4−261454号公報、特開平5−194
740号公報、特開平8−259696号公報、特開平
10−025345号公報、特開平11−293115
号公報、特開2000−72881号公報等に記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
4−71097号公報および特開平5−194740号
公報に記載された方法では、得られるポリオルガノシロ
キサン粒子の粒子径がそれぞれ150nm以下、100
nm以下であって、粒子径が小さいだけでなく、高含量
のポリオルガノシロキサンのラテックスを得ようとする
場合、重合途中でラテックスの粘度が上昇するので、撹
拌できなくなるという問題を有していた。また、特開平
11−293115号公報に記載された方法では、粒子
径分布を狭くできるが、数平均粒子径が0.1μmと小
さい。また、特開2000−72881号公報に記載さ
れた発明では、撹拌動力を特定して粒子径を制御してい
るが、粒子径分布に関する記述はない。また、特開昭6
0−88040号公報、特開平4−261454号公
報、特開平8−259696号公報、特開平10−25
345号公報に記述された発明においても、粒子径を大
きくし、かつ粒子径分布の狭いポリオルガノシロキサン
ラテックスを製造する方法についての記述はない。
【0004】本発明は、このような事情を鑑みて行われ
たものであり、粒子径が大きく、かつ粒子径分布の狭い
ポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオルガノシ
ロキサンラテックスの製造方法は、オルガノシロキサン
と、乳化剤と、水とを含む原料混合物を攪拌し、乳化し
たオルガノシロキサンエマルションに、ミセル形成能の
ない酸性化合物を混合し、前記オルガノシロキサンを重
合して、重量平均粒子径(dw)が150nm〜800
nmであり、重量平均粒子径(dw)と数平均粒子径
(dn)との比(dw/dn)が2.0以下であるポリオ
ルガノシロキサンラテックスを製造することを特徴とす
る。前記オルガノシロキサンには、オクタメチルシクロ
テトラシロキサンが60質量%以上含まれることが好ま
しい。前記ミセル形成能のない酸性化合物は、硫酸、塩
酸、硝酸からなる群より選ばれた一種以上であることが
好ましい。また、前記攪拌では、高圧乳化装置を使用す
ることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法
では、オルガノシロキサンと、乳化剤、水を含む原料混
合物を攪拌し、乳化してオルガノシロキサンエマルショ
ンを形成させる。次いで、オルガノシロキサンエマルシ
ョンに重合開始剤となるミセル形成能のない酸性化合物
を添加し、混合する。そして、オルガノシロキサンをミ
セル形成能のない酸性化合物によって重合して、重量平
均粒子径(dw)が150nm〜800nmであり、重
量平均粒子径(dw と数平均粒子径(dn との比
(dw/dn)が2.0以下であるポリオルガノシロキサ
ンラテックスを得る。
【0007】オルガノシロキサンとしては、鎖状オルガ
ノシロキサンを用いてもよいし、環状オルガノシロキサ
ンを用いてもよい。しかしながら、環状オルガノシロキ
サンの方が、重合安定性が高く、重合速度が大きいので
好ましい。環状オルガノシロキサンの中でも3〜6員環
のものが好ましい。3〜6員環のオルガノシロキサン系
環状体としては、具体的には、ヘキサメチルシクロトリ
シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デ
カメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロ
ヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリ
シロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラ
シロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等
が挙げられる。これらオルガノシロキサンは、単独で用
いてもよいし、二種以上混合して用いてもよいが、オル
ガノシロキサン中には、オクタメチルシクロテトラシロ
キサンが60質量%以上含まれることが好ましく、80
質量%以上含まれることがさらに好ましい。オルガノシ
ロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサン含有
量が60質量%未満であると、粒子径分布が広がる傾向
にある。
【0008】オルガノシロキサンには、架橋剤およびま
たはグラフト交叉剤を添加できる。なお、オルガノシロ
キサンと、架橋剤と、グラフト交叉剤との混合物をオル
ガノシロキサン混合物という。架橋剤はポリオルガノシ
ロキサンを架橋するものであり、シロキシ基を有し、ポ
リオルガノシロキサンを架橋するものであれば特に制限
はない。このような架橋剤としては、例えば、トリメト
キシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n
−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の3官能
性または4官能性のシラン系架橋剤が挙げられる。中で
も、4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエ
トキシシランが特に好ましい。架橋剤を添加する場合の
架橋剤の含有量は、オルガノシロキサン混合物中の0.
1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%
である。架橋剤の含有量が0.1質量%であると、ポリ
オルガノシロキサンを架橋できないことがあり、30質
量%を超えると、ポリオルガノシロキサンがゲル化し
て、物性が低下することがある。
【0009】グラフト交叉剤は、シロキシ基を有し、ビ
ニル重合性モノマーと重合可能な官能基を有するもので
ある。グラフト交叉剤を使用すると、得られたポリオル
ガノシロキサンにビニル重合性モノマーをラジカル重合
によってグラフトすることができる。このようにして得
られたグラフト共重合体は、樹脂強化剤として好適に利
用できる。グラフト交叉剤としては、下記式(I−1)
〜(I−3)で表される単位を形成しうる化合物などが
好ましく用いられる。
【0010】
【化1】
【0011】式(I−1)〜(I−3)において、R1
はメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基
を、R2 は水素原子またはメチル基を、nは0,1また
は2、pは1〜6の数を示す。式(I−1)の単位を形
成しうる化合物としては、メタクリロイルオキシシロキ
サンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサン
は、ビニル重合性モノマーとの反応性が高く、グラフト
効率を高くできるので、有効なグラフト鎖を形成でき
る。その結果、得られたグラフト共重合体を樹脂強化剤
として用いると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性をより
向上させることができる。
【0012】メタクリロイルオキシシロキサンの具体例
としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメト
キシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタク
リロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げ
られる。
【0013】式(I−2)の単位を形成しうる化合物と
しては、ビニルシロキサンが挙げられ、具体例として
は、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン
が挙げられる。式(I−3)の単位を形成しうる化合物
としては、γ−メルカプトプロピルジメトキメチルシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、
γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシランなどが
挙げられる。グラフト交叉剤を添加する場合のグラフト
交叉剤の含有量は、オルガノシロキサン混合物の0.0
5質量以上含まれることが好ましく、0.1質量%以上
含まれることが更に好ましい。グラフト交叉剤の含有量
が0.05質量%未満であると、グラフト効率が低下す
ることがある。
【0014】乳化剤としては、通常のアニオン系乳化剤
もしくはノニオン系乳化剤が使用できる。アニオン系乳
化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
硫酸エステルナトリウム、アルケニルカルボン酸カリウ
ム、N−ラウロイルザルコシンナトリウム、オレイン酸
カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、特にアル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ましい。ノニオ
ン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられ
る。
【0015】原料混合物中に含まれる乳化剤量は特に制
限はないが、オルガノシロキサン100質量部に対し
て、0.05〜10質量部含まれることが好ましい。オ
ルガノシロキサンに架橋剤およびまたはグラフト交叉剤
を添加する場合には、乳化剤は、原料混合物中に、オル
ガノシロキサン混合物100質量部に対して、0.05
〜10質量部含まれることが好ましい。乳化剤含有量が
0.05質量部未満であると、オルガノシロキサンラテ
ックス中におけるオルガノシロキサンの分散状態が不安
定となることがあり、10質量部を超えると、最終的に
得られるポリオルガノシロキサンラテックスにビニル重
合性モノマーをグラフト重合した際に、得られるグラフ
ト共重合体が着色することがある。
【0016】原料混合物中に含まれる水の量は特に制限
はないが、オルガノシロキサン量の10倍以下であるこ
とが好ましい。オルガノシロキサンに架橋剤およびまた
はグラフト交叉剤を添加する場合には、オルガノシロキ
サン混合物量の10倍以下であることが好ましい。水の
量がオルガノシロキサンの10倍を超えると、得られる
ポリオルガノシロキサンの濃度が低下する。そのため、
最終的に得られるポリオルガノシロキサンラテックスに
ビニル重合性モノマーをグラフト重合した場合には、一
回の重合で得られるグラフト共重合体量が少なくなるの
で、生産性が低下する。また、最終的に得られるポリオ
ルガノシロキサンラテックスを塗料の原料として用いる
場合には、塗料を塗布した後において、蒸発させなけれ
ばならない水分量が多くなるので、塗料の乾燥時間が長
くなる。
【0017】オルガノシロキサンと、乳化剤と、水とを
含む原料混合物を撹拌する方法は、原料混合物が乳化す
る程度に、原料混合物に剪断力を与えることができれば
特に制限されない。このような撹拌では、撹拌翼と槽を
有する一般的な撹拌装置を使用できるが、高圧乳化装置
を使用することが好ましい。ここで、高圧乳化装置と
は、原料混合物を高圧状態で撹拌し、剪断力を与えて乳
化する装置であり、例えば、ホモジナイザなどが挙げら
れる。このような高圧乳化装置を使用すると、安定なポ
リオルガノシロキサンラテックスを効率的に形成でき
る。
【0018】ミセル形成能のない酸性化合物は、疎水基
を有さないものであり、オルガノシロキサンを重合させ
る重合開始剤となれば特に制限されない。このようなミ
セル形成能のない酸性化合物は、硫酸、塩酸、硝酸、リ
ン酸などの鉱酸類、トリフルオロ酢酸などの有機酸から
なる群より選ばれた一種以上を用いることができ、重合
速度の観点から硫酸、塩酸、硝酸から選ばれた少なくと
も1種以上を用いることが好ましい。なお、酸性化合物
がミセル形成能を有している場合には、酸性化合物が形
成したミセル中でもオルガノシロキサンが重合し、粒子
が形成するので、粒子径分布が広くなる。
【0019】ミセル形成能のない酸性化合物の添加量
は、オルガノシロキサン100質量部に対して0.00
5〜5質量部であることが好ましい。ミセル形成能のな
い酸性化合物の添加量が0.005質量部未満である
と、重合速度が遅くなり、重合率が低くなることがあ
る。また、ミセル形成能のない酸性化合物の添加量が5
質量部を超えると、最終的に得られるポリオルガノシロ
キサンラテックスを中和する際に多量のアルカリ性化合
物が必要となり、そのためのコストが増加するおそれが
ある。
【0020】このようなミセル形成能のない酸性化合物
を、原料混合物を乳化したオルガノシロキサンエマルシ
ョンと混合することにより重合を開始する。混合方法と
しては、オルガノシロキサンエマルションに対してミセ
ル形成能のない酸性化合物を添加してもよいし、ミセル
形成能のない酸性化合物水溶液に対してオルガノシロキ
サンエマルションを添加してもよい。ポリオルガノシロ
キサンを重合する際の加熱温度は40〜100℃である
ことが好ましい。加熱温度が40℃未満であると、オル
ガノシロキサンの重合が開始しないことがあり、100
℃を超えると、水系で重合する場合に高圧重合設備が必
要となる。また、その添加の方法については、一括して
オルガノシロキサンラテックスに添加してもよいし、断
続的に滴下して添加してもよい。また、ミセル形成能の
ない酸性化合物は水溶液化してオルガノシロキサンラテ
ックスに添加してもよい。
【0021】上述したポリオルガノシロキサンラテック
スの製造方法にあっては、オルガノシロキサンと、乳化
剤と、水とを含む原料混合物を撹拌し、乳化したオルガ
ノシロキサンエマルションに、ミセル形成能のない酸性
化合物を混合するので、重量平均粒子径(dw )と数平
均粒子径(dn との比(dw/dn)を狭くすることが
できるまた、オクタメチルシクロテトラシロキサンが6
0質量%以上含まれるオルガノシロキサンを用いると、
重量平均粒子径(dw )と数平均粒子径(dn との比
(dw/dn)を更に狭くすることができる
【0022】また、前記ミセル形成能のない酸性化合物
は、硫酸、塩酸および硝酸からなる群より選ばれた一種
以上であると、これらの酸性化合物は安価であり、重合
速度が速いため、製造コストを低くできる。また、前記
攪拌では、高圧乳化装置を使用すると、安定なオルガノ
シロキサンラテックスを効率的に形成できるので、結果
的に、ポリオルガノシロキサンの製造が安定し、製造効
率が向上する。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。ポリオルガノシロキサンラテックス中のポリオ
ルガノシロキサンの粒子径は以下のように測定した。得
られたポリオルガノシロキサンラテックスを蒸留水で希
釈し、濃度約3%の希釈ラテックス0.1mlを試料と
し、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計
を用い、流速1.4ml/min、圧力約2.76MP
a(約4000psi)、温度35℃の条件下で測定し
た。測定では、粒子分離用キャピラリー式カートリッジ
およびキャリア液を用い、液性はほぼ中性にした。な
お、測定前には、米国DUKE社製の粒子径既知の単分
散ポリスチレンを標準粒子径物質とし、0.02μmか
ら0.8μmの合計12点の粒子径を測定して、検量線
を作成した。
【0024】[実施例1]オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン(D4)100部に、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1部が溶解した蒸留水150部を添加
し、これらをホモミキサーによって10,000rpm
で2分間攪拌した。その後、この混合物をホモジナイ
ザに30MPaの圧力で2回通し、安定なオルガノシロ
キサンエマルションを得た。冷却コンデンサを備えたセ
パラブルフラスコに上記オルガノシロキサンラテックス
251部を仕込み、0.40重量%濃度の硫酸水溶液5
0部を投入した。
【0025】得られた混合液を80℃に加熱し、滴下終
了後7時間、80℃を維持してオクタメチルシクロテト
ラシロキサンを重合した。次いで、得られた反応物を冷
却し、室温で12時間保持した後、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液で中和した。このようにして得られたポリオル
ガノシロキサンラテックスを170℃で30分間乾燥し
て固形分を求めたところ、29.3質量%であった。ま
た、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径測定を
行った。図1(a)に数基準の粒子径分布図を示し、図
1(b)に重量基準の粒子径分布図を示す。これらの図
の横軸はそれぞれ数基準粒子径、重量基準粒子径(n
m)であり、縦軸は粒子の割合(%)である。この実施
例1のポリオルガノシロキサンラテックスの重量平均粒
子径dw は420nmと大きく、かつ粒子径分布を示す
w/dnが1.06と狭かった。
【0026】[実施例2]実施例1におけるオルガノシ
ロキサンエマルションの組成を、架橋剤であるテトラエ
トキシシラン2部、グラフト交叉剤であるγ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5
部、オクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部と
した以外は実施例1と同様にしてポリオルガノシロキサ
ンラテックスを製造した。得られたポリオルガノシロキ
サンラテックスの固形分は29.2質量%、重量平均粒
子径dw は400nmであり、粒子径分布を示すdw
nが1.07と狭かった。
【0027】[実施例3]実施例1におけるオルガノシ
ロキサンの組成を、DMC1に変更した以外は実施例1
と同様にしてポリオルガノシロキサンラテックスを製造
した。得られたポリオルガノシロキサンラテックスの固
形分は29.4質量%、重量平均粒子径d w は200n
mであり、粒子径分布を示すdw/dnが1.28と狭か
った。なお、(DMC1)ジメチルサイクリックスは、
GE東芝シリコーン(株)製XF40−B4810であ
り、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン(D3)3質
量%、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)6
6質量%、デカメチルシクロテトラシロキサンが(D
5)31質量%からなる混合物である。
【0028】[比較例1]硫酸0.5部の代わりにドデ
シルベンゼンスルホン酸0.5部に変更した以外は実施
例1と同様にしてポリオルガノシロキサンラテックスを
製造した。このポリオルガノシロキサンラテックスの粒
子径分布を測定したところ、粒子径分布を示すdw/dn
が5.51であり、粒子径分布が広かった。
【0029】[比較例2]表1のように各組成を変更し
た以外は実施例1と同様にしてポリオルガノシロキサン
ラテックスを製造した。このポリオルガノシロキサンラ
テックスの粒子径分布を測定したところ、粒子径分布を
示すdw/dnが4.32であり、粒子径分布が広かっ
た。
【0030】[実施例4]実施例1におけるオルガノシ
ロキサンの組成を、DMC2に変更した以外は実施例1
と同様にしてポリオルガノシロキサンラテックスを製造
した。得られたポリオルガノシロキサンラテックスの固
形分は29.3質量%、重量平均粒子径d w は170n
mであり、粒子径分布を示すdw/dnは1.90であっ
た。なお、DMC2は、ヘキサメチルシクロテトラシロ
キサン(D3)3質量%、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン(D4)55質量%、デカメチルシクロテトラ
シロキサンが(D5)42質量%からなる混合物であ
る。このポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径分
布を測定したところ、粒子径分布を示すdw/dnが1.
90であり、粒子径分布が狭かった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オルガノシロキ
サンが乳化剤ミセルの中のみで重合するので、重量平均
粒子径(dw)が150nm〜800nmであり、重量
平均粒子径(dw と数平均粒子径(dn との比(d
w/dn)が2.0以下であり粒子径分布が狭いポリオル
ガノシロキサンラテックスを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のポリオルガノシロキサンラテック
スの粒子径分布を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 重光 英之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4J035 BA05 EA01 EB04 EB10 LA08 LB02 LB03 LB08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノシロキサンと、乳化剤と、水
    とを含む原料混合物を攪拌し、乳化したオルガノシロキ
    サンエマルションに、ミセル形成能のない酸性化合物を
    混合し、前記オルガノシロキサンを重合して、重量平均
    粒子径(dw)が150nm〜800nmであり、重量
    平均粒子径(dw)と数平均粒子径(dn との比(dw
    /dn)が2.0以下であるポリオルガノシロキサンラ
    テックスを製造することを特徴とするポリオルガノシロ
    キサンラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記オルガノシロキサンには オクタメ
    チルシクロテトラシロキサンが60質量%以上含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシロキ
    サンラテックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ミセル形成能のない酸性化合物は、
    硫酸、塩酸、硝酸からなる群より選ばれた1種以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオル
    ガノシロキサンラテックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記攪拌では、高圧乳化装置を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ
    オルガノシロキサンラテックスの製造方法。
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