JP2003026801A - 架橋重合体の製造方法 - Google Patents

架橋重合体の製造方法

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JP2003026801A
JP2003026801A JP2001213921A JP2001213921A JP2003026801A JP 2003026801 A JP2003026801 A JP 2003026801A JP 2001213921 A JP2001213921 A JP 2001213921A JP 2001213921 A JP2001213921 A JP 2001213921A JP 2003026801 A JP2003026801 A JP 2003026801A
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JP
Japan
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crosslinked polymer
dicarboxylic acid
carbon atoms
water
producing
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Application number
JP2001213921A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Machida
勝彦 町田
Susumu Fukawa
進 府川
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸水性及び生分解性を有する吸水性架
橋重合体、またはその前駆体として有用な架橋重合体
を、より簡易な工程により製造する。 【解決手段】 ジカルボン酸(好ましくは炭素原子を4
個有するジカルボン酸)及び/又はその誘導体を含んで
なる単量体と、多価マレアミド化合物(好ましくは二価
マレアミド化合物)とを反応させることを特徴とする架
橋重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋重合体の製造方
法し、さらに詳しくは、優れた吸水性及び生分解性を有
する吸水性架橋重合体、またはその前駆体として有用な
架橋重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性架橋重合体は、自重の数十倍から
数千倍の水を吸収できる樹脂であり、従来より種々の用
途に使用されている。この吸水性架橋重合体として現在
使用されているのは、主にアクリル酸系の吸水性架橋重
合体である。しかし、このアクリル酸系の吸水性架橋重
合体は分解性をほとんど有しないので、使用後廃棄され
た場合に、様々な環境問題の原因となる可能性が指摘さ
れている。
【0003】そこで、近年、生分解性樹脂が注目されて
おり、従来の非生分解性樹脂の代替として、吸水性樹脂
においても生分解性を有する樹脂を使用することが提案
されている。その一つとして、ポリアミノ酸を架橋した
構造を有する樹脂が、生分解性に優れた吸水性樹脂とし
て注目されている。
【0004】また、ポリアミノ酸を、より安価な原料で
あるマレイン酸誘導体から製造する方法についても、多
くの検討が行われており、それらが文献や特許に開示さ
れている。しかし、その多くはマレイン酸誘導体をポリ
コハク酸イミドに転化する経路を経るものである。吸水
性架橋重合体を製造する場合、ポリコハク酸イミド経由
では、重合反応と架橋反応を分離して実施することにな
るので、工程が複雑化する。
【0005】一方、マレイン酸誘導体を原料に用いた、
より簡易な工程による共重合体の製造方法が開示されて
いる。例えば、特開昭60−203636号公報(米国
特許4,590,260号)には、酵素固定化用ポリマー
等への利用を目的とした、共重合体の製造方法が開示さ
れている。この製造方法では、原料として、リンゴ酸、
マレイン酸又はフマル酸の誘導体類と共にアミノ酸を使
用し、100〜225℃で加熱することにより、共重合
体を得る。しかし、その生成物については、赤外分光分
析法によって、それがイミド環、カルボン酸、アミド等
の構造を有することが開示されているのみであり、架橋
重合体及び吸水性架橋重合体に関する開示は無い。
【0006】また、特表平9−505614号公報(米
国特許5,408,029号)には、原料として、マレイ
ン酸、アンモニアと共に塩酸塩を中和したリジンを用
い、共重合体(架橋重合体)を合成する方法が開示され
ている。しかし、この製造方法による樹脂は、樹脂1質
量部当たり、水を20質量部吸水するに過ぎず、実用上
十分なものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した各
従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、優れた吸水性及び生分解性を有
する吸水性架橋重合体、、またはその前駆体として有用
な架橋重合体を、より簡易な工程により製造できる方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジカルボン酸
及び/又はその誘導体を含んでなる単量体と多価マレア
ミド化合物とを反応させることを特徴とする架橋重合体
の製造方法である。
【0009】さらに本発明は、上記方法により製造した
架橋重合体を、加水分解することを特徴とする吸水性架
橋重合体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、吸水性架橋重合
体とは、架橋ポリアスパラギン酸(塩)を含むものであ
る。ここで「酸(塩)」とは、酸とその塩の総称であ
る。架橋ポリアスパラギン酸(塩)の主鎖基本骨格の繰
り返し単位は、アスパラギン酸構造単位とアスパラギン
酸以外の構造単位からなる共重合体であっても構わな
い。共重合体である場合には、ブロック・コポリマー、
ランダム・コポリマー、グラフト・コポリマーの何れで
もよい。
【0011】吸水性架橋重合体中のアスパラギン酸構造
から成る繰り返し単位の割合は特に限定されないが、生
分解性の点では、分子を構成する繰り返し単位の総数に
対して、通常、1%以上が好ましく、10%以上がより
好ましい。
【0012】架橋ポリアスパラギン酸(塩)のアスパラ
ギン酸構造部分は、アミド結合が、α結合である場合
と、β結合である場合とがある。α結合とβ結合は、通
常、混在するが、本発明では、その結合様式は特に限定
されない。また、吸水性架橋重合体の主鎖部分の構造
は、線状構造であっても、分岐状構造を有するものであ
ってもよい。
【0013】吸水性架橋重合体の主鎖構造部分の分子量
は、特に限定されないが、分子量が高い方が好ましい。
主鎖構造部分の分子量が高いほど、吸水材、保水材等と
しての能力が高くなる。主鎖構造部分の重量平均分子量
(Mw)は、通常は5千以上、好ましくは1万以上、よ
り好ましくは3万以上、特に好ましくは5万以上、最も
好ましくは8万以上である。
【0014】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の側鎖は、
カルボキシル基を有する。また、吸水性架橋重合体は、
水酸基、アミノ基、アルキル基等を有する側鎖を含んで
いてもよい。これら側鎖は、生分解性のために、吸水性
架橋重合体のアスパラギン酸構造部分と、一般に、アミ
ド結合、エステル結合等で結合していることが好まし
い。
【0015】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の側鎖のカ
ルボキシル基は、フリーの状態でも塩を形成していても
よい。塩を形成するイオンの具体例としては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等の金属イオン;アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニ
ウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシ
ルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリ
メチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモ
ニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルト
リメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアン
モニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチ
ルプロピルアンモニウム、トリエチルブチルアンモニウ
ム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキ
シルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニ
ウム、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン等のアン
モニウムイオン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペン
チルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、
トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメ
チルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミ
ン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン等のアミンイオンを挙げることができる。
【0016】イオンの原子量又は分子量が大きくなる
と、相対的に単量体単位当たりの分子量が大きくなり、
単位質量当たりの吸水量が小さくなるので、イオンの分
子量は、小さい方が好ましい。また、人体等に接触する
可能性がある場合には、毒性が低い方が好ましい。これ
らの点から、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモ
ニウム、トリエタノールアミンを用いることが好まし
く、さらに、ナトリウム、カリウム、アンモニウムを用
いることが、コストの面でも特に好ましい。
【0017】吸水性架橋重合体の架橋部分の結合は、特
に限定されない。その具体例としては、アミド結合、エ
ステル結合から成る構造を挙げることができる。これら
は単独でもよいし、複数の構造が混在していても構わな
い。
【0018】吸水性架橋重合体中の架橋部分の量は特に
限定されない。架橋剤の官能数や分子量によって決まる
架橋度や、その用途によって適宜決定すればよい。ここ
で、架橋度とは、架橋間の距離又は構成単量体単位数、
もしくはポリマー主鎖に対する架橋部分の割合の度合い
を表す。
【0019】一般的には、架橋部分の量が多すぎると、
架橋度が高くなりすぎ、吸水性架橋重合体としての吸水
性能が低下する。逆に、架橋部分の量が少なすぎると、
架橋度が低くなりすぎ、最終的に水溶性で、吸水性能を
示さない樹脂が得られることとなる。したがって、架橋
剤の量は、適当な架橋度を実現し得るように適宜決定す
ればよい。架橋部分を有する繰り返し単位の数は、重合
体全体の繰り返し単位の総数を基準として、通常、0.
001〜50%、好ましくは0.01〜30%、より好
ましくは0.1〜20%、特に好ましくは0.5〜15
%、最も好ましくは1〜10%である。
【0020】本発明において、架橋重合体とは、前記吸
水性架橋重合体の構造、及び/又は、前記吸水性架橋重
合体を生成する前駆体構造を有するものである。
【0021】架橋重合体は、一般に、使用した単量体に
対応した構造、及び、架橋部分を有する。そして、架橋
重合体は、その単量体に対応した吸水性を発現する。ま
た、本発明において、架橋重合体は、通常、吸水性架橋
重合体と同等、又は、吸水性架橋重合体を下回る吸水性
を有する。
【0022】本発明では、架橋重合体を製造する為に、
ジカルボン酸及び/又はその誘導体を含んでなる単量体
と多価マレアミド化合物とを反応させる。ここで使用す
る単量体は、特に、炭素原子を4個有するジカルボン酸
及び/又はその誘導体を含んでなる単量体であることが
好ましい。
【0023】炭素原子を4個有するジカルボン酸とは、
生化学の技術分野において常用されている『C4ジカル
ボン酸』なる語の概念を包含する。また例えば、『コー
ン・スタンプ生化学(第5版)』(コーン・スタンプ、
ブルーニング・ドイ共著、東京化学同人、1988年)
の『第12章 トリカルボン酸サイクル』(346〜3
63頁)や、『15章12節 C4経路(Hatch−
Slack経路)』(437〜440頁)等に記載され
ている炭素原子数4個のジカルボン酸やこれらの酸無水
物を包含する。また例えば、『生化学)』(丸山工作
著、裳華房、1977年)の『4.3.2節セント−ジェ
ルジのC4−ジカルボン酸経路』(55〜56頁)や、
『4.3.3 クレブスの回路』(56〜57頁)等に記
載されている炭素原子数4個のジカルボン酸やこれらの
酸無水物を包含する。
【0024】本発明において、炭素原子を4個有するジ
カルボン酸、及び/又は、その誘導体を含んでなる単量
体としては、具体的には、以下の単量体群A〜Cより選
択される少なくとも1つ、もしくはその2以上の組み合
わせを含んでなる単量体が挙げられる。
【0025】単量体群A: (a−1)炭素原子を4個有するジカルボン酸の無水物
とアンモニア、(a−2)炭素原子を4個有するジカル
ボン酸とアンモニア、(a−3)炭素原子を4個有する
ジカルボン酸のモノアンモニウム塩及び/又はジアンモ
ニウム塩、(a−4)炭素原子を4個有するジカルボン
酸のモノアミド及び/又はジアミド、(a−5)炭素原
子を4個有するジカルボン酸のイミド、 単量体群B: (b−1)炭素原子を4個有するジカルボン酸のモノエ
ステル及び/又はジエステルとアンモニア、(b−2)
炭素原子を4個有するジカルボン酸のモノエステルモノ
アンモニウム塩、(b−3)炭素原子を4個有するジカ
ルボン酸のモノエステルモノアミド、 単量体群C: (c−1)炭素原子を4個有するジカルボン酸の金属塩
とアンモニア(c−2)炭素原子を4個有するジカルボ
ン酸のモノアンモニウム塩モノ金属塩(c−3)炭素原
子を4個有するジカルボン酸のモノアミドモノ金属塩。
【0026】さらに具体的には、炭素原子を4個有する
ジカルボン酸として、下記化学式(1)〜(5)
【0027】
【化5】 で表されるジカルボン酸の少なくとも1種を用いること
が好ましい。
【0028】さらに、炭素原子を4個有するジカルボン
酸のイミドとして、下記化学式(6)〜(9)
【0029】
【化6】 で表されるジカルボン酸のイミドの少なくとも1種を用
いることが好ましい。
【0030】また、炭素原子を4個有するジカルボン酸
のモノアミドとしては、下記化学式(10)
【0031】
【化7】 で表されるマレアミド酸が好ましく、炭素原子を4個有
するジカルボン酸のイミドとしては、前記化学式(6)
で表されるマレイミドが好ましい。このマレアミド酸及
びマレイミドを用いることで、吸水性架橋重合体として
好適なポリアスパラギン酸骨格を効率良く生成できる。
【0032】炭素原子を4個有するジカルボン酸のエス
テルとしては、好ましくは炭素原子数1〜30のエステ
ル基、より好ましくは炭素原子数1〜20のエステル
基、特に好ましくは炭素原子数1〜10のエステル基、
最も好ましくは炭素原子数1〜6のエステル基、を有す
るモノエステル及び/又はジエステルを使用する。エス
テル基は、所望の架橋度が得られるように、適宜選定す
れば良い。そのエステルの具体例としては、メチルエス
テル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プ
ロピルエステル、n−ブチルエステル、sec−ブチル
エステル、tert−ブチルエステル、フェニルエステ
ル等が挙げられる。
【0033】炭素原子を4個有するジカルボン酸の金属
塩において、その金属塩を形成する金属は特に限定され
ない。通常、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
を用いることが好ましい。具体的には、リチウム、ナト
リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等が挙げ
られる。これらのうち、生成物が直接吸水性架橋重合体
として使用可能となる、ナトリウム、カリウムが特に好
ましい。
【0034】本発明では、架橋剤として、多価マレアミ
ド化合物を使用する。多価マレアミド化合物は、複数の
マレアミド基を有する化合物であれば特に限定されな
い。また、複数のマレアミド基を有する化合物を任意の
連結基で結合した化合物であってもよい。複数のマレア
ミド基を有する化合物と連結基との結合部分の構造は、
特に限定されない。通常、生分解性の点から、アミド結
合及び/又はエステル結合からなる構造が好ましい。こ
れらは単独の構造でもよいし、複数の構造が混在してい
ても構わない。
【0035】多価マレアミド化合物としては、二価マレ
アミド化合物が好ましい。この二価マレアミド化合物と
しては、特に限定されないが、例えば、下記化学式(1
1)〜(13)
【0036】
【化8】 (各式中、Xは各々独立して、炭素原子数1〜30のメ
チレン鎖である。)で表される化合物が挙げられる。
【0037】上記式中のXのメチレン鎖は、直鎖状で
も、分岐していても構わない。メチレン鎖の炭素原子数
は1〜30であり、好ましくは1〜20、より好ましく
は2〜12、特に好ましくは4〜10、最も好ましくは
5〜8である。上記各範囲の上限値は、反応時の溶解性
の点などにおいて意義があり、下限値は、架橋度の調整
を容易にする点などにおいて意義がある。
【0038】好ましくは、多価マレアミド化合物のマレ
アミド基は単量体と反応して前記主鎖部分の少なくとも
一部を構成し、多価マレアミド化合物の連結基は前記架
橋部分の少なくとも一部を構成する。
【0039】この反応における多価マレアミド化合物の
使用量は、特に限定されず、所望の架橋度や吸水性等が
得られるように適宜決定すればよい。具体的には、多価
マレアミド化合物の使用量は、ジカルボン酸及び/又は
その誘導体を含んでなる単量体単位、及び、多価マレア
ミド化合物中のマレアミド構造単位の総数を基準とし
て、好ましくは0.001〜50%、より好ましくは0.
01〜30%、特に好ましくは0.1〜20%、最も好
ましくは0.5〜15%である。
【0040】反応を実施する際、触媒及び/又はラジカ
ル禁止剤を用いることにより、品質(吸水性、色相等)
の優れた架橋重合体及び/又は吸水性架橋重合体を得る
ことができる。
【0041】触媒としては、塩基性触媒を使用すること
が好ましく、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチ
ウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ter
t−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウ
ム、sec−ブトキシナトリウム、sec−ブトキシカ
リウム、n−ブチルリチウム等の金属アルコキシド;弗
化カリウム、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化セシ
ウム、弗化ルビジウム等のアルカリ金属弗化物;弗化カ
ルシウム、弗化バリウム等のアルカリ土類金属弗化物;
などが特に好ましい。
【0042】触媒は、単量体(群)100質量部に対し
て、通常、好ましくは0.01〜50質量部、より好ま
しくは0.1〜10質量部を使用する。適度な使用量と
することで、過大な触媒分離操作を防止し、品質(吸水
性、色相等)の優れた架橋重合体、及び/又は、吸水性
架橋重合体を得ることができる。
【0043】ラジカル禁止剤としては、単量体(群)の
ビニル重合を防止又は抑制できれば特に限定されず、例
えば、ヒドロキノン、フェニル−β−ナフチルアミン等
が好ましく用いられる。
【0044】ラジカル禁止剤は、単量体(群)100質
量部に対して、通常、好ましくは0.001〜10質量
部、より好ましくは0.01〜1質量部を使用する。適
度な使用量とすることで、単量体(群)が過度のビニル
重合を生じず、品質(吸水性、色相等)の優れた架橋重
合体、及び/又は、吸水性架橋重合体を得ることができ
る。
【0045】その反応を行う際の温度は、好ましくは4
0〜350℃、より好ましくは70〜200℃である。
上記各範囲の下限値は、反応を十分に進行させ、架橋重
合体の収率を向上させる点などにおいて意義がある。ま
た上限値は、生成物の顕著な着色や変性等を生じるのを
防止する点などにおいて意義がある。反応温度は、2段
階以上の異なる温度レベル、又は、連続的な勾配を持っ
た温度レベルに設定しても構わない。十分に反応が進行
した生成物は、分子量が高いことに起因して、溶媒不溶
性の生成物となる。
【0046】その反応は、任意の圧力下で実施でき、常
圧、減圧、加圧の何れでもよい。ただし、好ましくは
0.00001〜50MPa、より好ましくは0.000
1〜5MPa、特に好ましくは0.001〜0.5MPa
である。上記各範囲の下限値は、反応の過程での発泡等
を防止し、操作を容易に行う点などにおいて意義があ
る。また上限値は、高耐圧装置を不要とし、大量の製造
を行う為の装置設計を容易にする点などにおいて意義が
ある。
【0047】反応を行う時間は、反応温度や選択する単
量体(群)、及び/又は、多価マレアミド化合物により
適宜決定すればよい。通常、好ましくは50時間以下、
より好ましくは10時間以下、特に好ましくは3時間以
下である。このような適度な反応時間とすることで、変
性、着色が防止された架橋重合体を製造することができ
る。
【0048】反応時には、系内を、窒素、アルゴン、二
酸化炭素、空気等の不活性ガスで置換しておくことが好
ましい。特に、実質的に酸素の存在しない雰囲気下で反
応操作を実施することがより好ましい。不活性ガスは、
加熱用媒体として、反応物に接触させかつ連続的に流通
させて使用することもできる。また、反応物を均一に混
合するために使用することもできる。
【0049】反応は、溶媒の存在下で実施してもよい
し、溶媒の非存在下で実施してもよい。また、反応物が
固化する場合は、熱及び/又は物質移動の点から、反応
物を解砕又は粉砕して比表面積を増大させて、反応を継
続することが好ましい。
【0050】反応操作を実施する為の反応装置は、特に
限定されず、原料の混合及び加熱を連続式及び/又は回
分式で実施できる装置であればよい。また、原料の混合
と加熱を、2つ以上の装置に分割して行ってもよい。具
体的には、撹拌槽、解砕・粉砕機構付乾燥機、遊星運動
撹拌装置付乾燥機、撹拌乾燥機、1軸又は多軸混練機
等、任意の装置を用いることができる。
【0051】固体の粉砕が必要な場合は、乾式及び/又
は湿式の粉砕装置を用いて、連続式あるいは回分式操作
で実施することができる。場合によっては、乾式及び/
又は湿式の分級装置を用いて、分級を行ってもよい。ま
た、粉砕機構と分級機構を併せ持った装置を用いてもよ
い。さらに、粉砕された固体の平均粒径(平均粒子直
径)が小さすぎる場合には、自足造粒系及び/又は強制
造粒系の造粒操作を行っても構わない。
【0052】また、反応物が固体状となる場合、加熱操
作は、流動層反応器、移動層反応器、固定層反応器、攪
拌乾燥器等から選択される少なくとも1つ、もしくはそ
の組み合わせを反応装置に用いて、連続式あるいは回分
式操作で実施することができる。粒子同士の固着、又は
融着を生じる場合には、一般に、粒子に対する攪拌作用
や解砕作用を有する装置を用いることが好ましい。
【0053】本発明では、単量体として、前記単量体群
Aから選択される少なくとも1種、もしくはそれらを組
み合わせて使用した場合、得られる架橋重合体は、通
常、下記化学式(14)
【0054】
【化9】 で示される構造を少なくとも一部に有する。この場合、
得られた架橋重合体に対し、さらに加水分解操作を行う
ことで、架橋重合体よりもさらに高い吸水性を有する吸
水性架橋重合体を製造することができる。
【0055】また、単量体として、前記単量体群Bから
選択される少なくとも1種、もしくはそれらを組み合わ
せて使用した場合、得られる架橋重合体は、通常、下記
化学式(15)
【0056】
【化10】 で示される構造を少なくとも一部に有する。化学式(1
5)において、Rは、使用した単量体のエステル基に対
応する構造である。この場合、得られた架橋重合体に対
し、さらに加水分解操作を行うことで、架橋重合体より
もさらに高い吸水性を有する吸水性架橋重合体を製造す
ることができる。
【0057】また、単量体として、前記単量体群Cから
選択される少なくとも1種、もしくはそれらを組み合わ
せて使用した場合、得られる架橋重合体は、通常、下記
化学式(16)
【0058】
【化11】 で示される構造を少なくとも一部に有する。化学式(1
6)において、Mは、前記金属塩を構成する金属種に対
応する。この場合、得られた架橋重合体は、通常、加水
分解操作を実施すること無く、高い吸水性を有する吸水
性架橋重合体となる。なお、さらに加水分解操作を行う
ことで、さらに高い吸水性を有する吸水性架橋重合体を
製造することができる場合もある。
【0059】この加水分解操作は、通常、連続式及び/
又は回分式で実施する。加水分解操作では、主として、
架橋重合体中のイミド環及び/又はエステル基を加水分
解することによって、カルボン酸(塩)を生成させる。
【0060】加水分解操作は、通常、塩基性の条件下で
行うことが好ましい。加水分解操作のpHは、通常、ア
ルカリ溶液の濃度によって調節し、好ましくはpH7.
5〜13.5、より好ましくはpH9〜12とする。上
記各範囲の上限値は、アミド結合の加水分解を抑制し、
生成する樹脂の収率を向上させる点などにおいて意義が
ある。また下限値は、加水分解反応を速くする点などに
おいて意義がある。
【0061】加水分解操作に使用する、アルカリ溶液
は、特に限定されない。具体的には、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカ
リ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、
シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア等
を含んでなる溶液が挙げられる。この中で、安価な、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムを含んでなる溶液が好
ましい。
【0062】加水分解反応を実施する温度は、好ましく
は0℃〜300℃、より好ましくは10℃〜200℃、
特に好ましくは30℃〜100℃、最も好ましくは35
℃〜70℃である。適度な反応温度とすることで、副反
応を防止でき、吸水性及び/又は収率の良好な吸水性架
橋重合体を得ることができる。
【0063】加水分解反応を実施する圧力は、特に限定
されず、常圧系、加圧系、真空系の何れでも構わない。
圧力は、通常、好ましくは0.001〜10MPa、よ
り好ましくは0.01〜5MPa、特に好ましくは0.0
9〜1MPaである。適度な圧力条件とすることで、高
度な耐圧を要求されず装置設計が容易になる。
【0064】加水分解操作を行う時間は、所望の吸水性
架橋重合体が得られるように適宜選択されるが、一般
に、好ましくは1分〜30時間、より好ましくは5分〜
15時間、特に好ましくは10分〜7時間、最も好まし
くは30分〜3時間である。上記各範囲の下限値は、加
水分解を十分に進行させる点などにおいて意義がある。
また下限値は、アミド結合の加水分解を抑制し、生成す
る樹脂の収率を向上させる点などにおいて意義がある。
【0065】加水分解操作における溶媒は、所望の加水
分解操作が実施できれば特に限定されない。具体的に
は、水単独、有機溶剤単独、水と有機溶剤及び/又は塩
類との混合溶媒である。溶媒の使用量は、加水分解操作
が安定して実施できれば特に限定されないが、通常、容
積効率を高めるために、生成する吸水性架橋重合体の
0.1〜50質量倍が好ましく、特に1〜5質量倍が好
ましい。
【0066】有機溶剤は、特に限定されないが、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール等のアルコール類、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等
のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。吸水
性架橋重合体として乾燥する際に、特に乾燥が容易であ
り、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留しにくい点で、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ールが好ましい。
【0067】使用する塩類は、特に限定されないが、例
えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、有機スルホン
酸、有機カルボン酸等の金属塩もしくは有機塩基塩、酸
化物等が挙げられる。金属塩の金属は、リチウム、ナト
リウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム等が挙げ
られる。塩類は、加水分解操作の過程で、酸性触媒が中
和されて生成したものであっても構わない。
【0068】使用する溶媒中の水濃度は特に限定されな
いが、溶媒中の塩類を考慮せずに、水と有機溶剤の2成
分のみで評価した場合、その水濃度は、通常、0〜10
0質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは
30〜60質量%とする。ここで、0質量%とは有機溶
剤単独を意味し、100質量%とは水単独を意味する。
水濃度は、使用する単量体群の組成や架橋度に応じ、加
水分解操作時の反応物の性状(例えば粘性)を考慮して
適宜設定すればよい。
【0069】水と塩類、又は、水、貧溶媒及び塩類から
なる溶媒中における塩類濃度は、20質量%以下が好ま
しく、10質量%以下がより好ましい。塩類の濃度を高
くすれば塩類による効果が得られるが、濃度を適度に抑
えた方が、塩類が製品中に残存するという問題が生じ難
くなる。
【0070】加水分解操作後の吸水性架橋重合体の処理
については、特に限定されない。例えば、中和、塩交
換、乾燥、精製、造粒、表面処理等の操作を、必要に応
じて行ってもよい。以下、特に中和処理及び乾燥につい
て説明する。
【0071】(1)吸水性架橋重合体の中和処理 吸水性架橋重合体の中和処理は、必要に応じて行えばよ
い。ただし、加水分解操作後の吸水性架橋重合体を含む
反応液は、通常、アルカリ性である。人体等に接触する
可能性がある場合には、酸等を添加して、中和すること
が好ましい。中和度は、特に限定されないず、全てのカ
ルボン酸が中和されていても構わない。中和度は、一般
的には、架橋部分を除いた吸水性架橋重合体が有する分
子内の全アスパラギン酸構造単位の総数を基準として、
塩を形成するカルボキシル基の割合が、0〜95%が好
ましく、0〜90%がより好ましい。
【0072】中和処理の方法は特に限定されないが、加
水分解反応後に、酸を添加してpHを調整する方法が一
般的である。酸の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、
炭酸、リン酸、カルボン酸類等が挙げられる。
【0073】(2)吸水性架橋重合体の乾燥 吸水性架橋重合体の乾燥方法は特に制限されない。乾燥
は、常圧下又は減圧下において、回分式又は連続式操作
で行う。具体的には、材料静置型乾燥器、材料移送型乾
燥器、材料攪拌型乾燥器、熱風移送型乾燥器、円筒乾燥
器、赤外線乾燥器、高周波乾燥器からなる群より選択さ
れる少なくとも一つの装置を用いて乾燥操作を行う。
【0074】乾燥操作における材料温度は、一般的に、
20〜200℃が好ましく、50〜120℃がより好ま
しい。温度が高すぎると、通常、架橋度の低下が生じ、
吸水性能が低下する。逆に、温度が低すぎると、乾燥に
時間がかかり、大型の装置が必要になる。
【0075】乾燥操作後、吸水性架橋重合体中に含有さ
れる溶媒(水を含む)量は、用途によって適宜調整され
る。例えば、乾燥した状態で使用する場合には、吸水性
架橋重合体100質量部当たり、一般的には50質量部
以下、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質
量部以下、特に好ましくは2質量部以下、最も好ましく
は1質量部以下とする。
【0076】この乾燥処理を施した吸水性架橋重合体に
対して、場合により、さらに、造粒処理、表面架橋処理
等を施してもよい。
【0077】本発明により得られる吸水性架橋重合体
は、優れた吸水性を示す。具体的には、乾燥樹脂1質量
部当たり、生理食塩水を、望ましくは5〜200質量部
吸水する性能を有する。この吸水量の範囲の下限値は、
好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部
以上、特に好ましくは50質量部以上である。ここで、
生理食塩水とは、0.9質量%濃度の塩化ナトリウム水
溶液である。
【0078】また、もう一つの目安として、本発明によ
り得られる吸水性架橋重合体は、乾燥樹脂1質量部当た
り、蒸留水を、望ましくは10〜2000質量部吸水す
る性能を有する。この吸水量の範囲の下限値は、好まし
くは50質量部以上、より好ましくは100質量部以
上、特に好ましくは200質量部以上、最も好ましくは
400質量部以上である。
【0079】本発明により得られる吸水性架橋重合体は
優れた(生)分解性を示す。その(生)分解性は、例え
ば、(生)分解性試験中に生成した二酸化炭素による炭
素成分量を、元素分析で評価した吸水性架橋重合体サン
プル中の炭素成分量で除した、炭素基準の(生)分解率
[質量%−炭素]を定義し、評価することができる。そ
の評価法に基づく(生)分解率は、望ましくは10[質
量%−炭素]以上、好ましくは40[質量%−炭素]以
上、より好ましくは60[質量%−炭素]以上、特に好
ましくは80[質量%−炭素]以上、最も好ましくは1
00[質量%−炭素]以上である。
【0080】吸水性架橋重合体の形状は、不定形破砕
状、球状、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パ
ール状、微粉末状、繊維状、棒状、フィルム状、シート
状等、用途によって好ましい形状を選択して使用でき
る。また、繊維状基材や多孔質状や発泡体あるいは造粒
物であってもよい。
【0081】これらの吸水性架橋重合体の粒度(平均粒
子直径)は、特に限定されないが、用途によって調整す
ることも好ましい。例えば、紙オムツ用の場合は、高い
吸水速度とゲル・ブロッキングが起こらないことが望ま
れるので、平均粒子径100〜1000μmが好まし
く、150〜600μmがより好ましい。また、止水材
等、他の樹脂への練り混み等に用いる場合は、1〜10
μmが好ましく、農園芸用の保水材等に用いる場合に
は、土中への混合性を考慮すると100μm〜5mmが
好ましい。
【0082】吸水性架橋重合体の使用の形態は、特に限
定されるものではなく、単独でも、他の素材と組み合わ
せて使用してもよい。
【0083】吸水性架橋重合体の成型品としては、特に
限定されるものではなく、固形物、シート、フィルム、
繊維、不織布、発泡体、ゴム等として使用できる。ま
た、その成型方法も特に限定されるものではない。
【0084】また、吸水性架橋重合体は、他の素材との
組み合わせによる複合体でも構わない。複合体の構造は
特に限定されないが、例えば、パルプ層、不織布等には
さみ、サンドイッチ構造にする方法、樹脂シート、フィ
ルムを支持体として多層構造とする方法、樹脂シートに
キャストし、二層構造とする方法等がある。例えば、吸
水性架橋重合体をシート状に成形加工すれば、吸水性シ
ート(吸水性フィルムも包含する)が得られる。
【0085】吸水性架橋重合体は、必要により、1種以
上の他の吸水性架橋重合体と混合して用いてもよい。ま
た、必要により、食塩、コロイダルシリカ、ホワイトカ
ーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無機化
合物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構わな
い。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収
剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭剤、
顔料等を混合しても構わない。
【0086】吸水性架橋重合体は、ゲル状でも固体状と
しても使用できる。例えば、農園芸用保水材、切り花延
命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤等に使用する場合はゲル
状として用い、紙おむつ用吸収体等は固体状として用い
る。
【0087】吸水性架橋重合体の用途は、特に限定され
ないが、従来の吸水性架橋重合体が使用される用途の何
れでもよい。具体的には、例えば、紙おむつ、生理用
品、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護
用ドレッシング材、医療用アンダーパット、パップ剤等
の医療用品、ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル状芳
香剤、ゲル状消臭剤、高吸湿性繊維、使い捨てカイロ等
の生活用品、シャンプー、セット用ジェル剤、保湿剤等
のトイレタリー用品、農・園芸用の保水材、切り花の延
命剤、切り花の固定化材、育苗用苗床、水耕栽培植生シ
ート、種子テープ、流体播種用媒体、農業用結露防止シ
ート等の農・園芸用品、食品トレー用鮮度保持材、ドリ
ップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運
搬用吸水性シート等の運搬用資材、建築用結露防止材
料、土木・建築用のシーリング材、シールド工法の逸泥
防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パッキング
等の土木建築資材、光ファイバー、電子機器等のシール
材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用記録紙等
の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の
脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性
玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤、
湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0088】また、吸水性架橋重合体は、必要により、
1種以上の他の吸水性架橋重合体と混合して用いてもよ
い。また、必要により、食塩、コロイダルシリカ、ホワ
イトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の
無機化合物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構
わない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸
収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭
剤、顔料等を混合しても構わない。
【0089】吸水性架橋重合体は、ゲル状でも固形物と
しても使用できる。例えば、農園芸用保水材、切り花延
命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤等に使用する場合はゲル
として用い、紙おむつ用吸収体等は固形状として用い
る。
【0090】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。また以下の実施例において、「部」とは「質量
部」である。
【0091】[吸水量の評価]実施例中の吸水量は、生
理食塩水及び蒸留水を対象として、以下のティーバッグ
法にて測定した。蒸留水の場合は、乾燥した吸水性架橋
重合体約0.05gを、生理食塩水の場合は、乾燥した
吸水性架橋重合体約0.1gを、不織布製のティーバッ
グ(80mm×50mm)に入れ、過剰の対応する溶液
中(生理食塩水、又は蒸留水)に浸して該樹脂を40分
膨潤させ、ティーバッグを引き上げて10秒間水切りを
行い、さらに24枚重ねのティッシュペーパー上で10
秒間水切りを行い、膨潤した樹脂を含むティーバッグの
質量を測定した。その質量から、同様な操作をティーバ
ッグのみで行った場合のブランク質量と、吸水性架橋重
合体の質量を、減じた値を、吸水性架橋重合体の質量で
除した値、即ち、吸水性架橋重合体の単位質量当たり吸
水質量(g/g−吸水性架橋重合体)を評価した。ここ
で生理食塩水としては、0.9質量%塩化ナトリウム水
溶液を使用した。
【0092】[実施例1]マレアミド酸Na塩100部
と、1,6−ビスマレアミドヘキサン35.8部を反応容
器に仕込み、撹拌、混合した。次いで、窒素を流通させ
ながら、200℃まで昇温し、30分間加熱を続け、そ
の後室温まで冷却して、吸水性架橋重合体125部を得
た。粒径(粒子直径)100〜500μmのその吸水性
架橋重合体の吸水量を測定したところ、蒸留水に対する
吸水量は125(g/g−吸水性架橋重合体)、生理食
塩水に対する吸水量は38(g/g−吸水性架橋重合
体)であった。
【0093】[実施例2]マレアミド酸100部と、
1,6−ビスマレアミドヘキサン33.7部を反応容器に
仕込み、撹拌、混合した。次いで、窒素を流通させなが
ら、220℃まで昇温し、40分間加熱を続け、その後
室温まで冷却して、反応物(架橋重合体)を回収した。
【0094】回収した反応物を、水と共に加水分解反応
器に仕込み、スラリー化した。室温下、25質量%水酸
化ナトリウム水溶液を反応器中に導入し、pHを11.
0に調整しつつ、加水分解操作を行った。途中、反応器
内の粘度が増大してきたので、貧溶媒としてメタノール
を適宜導入し、ゲル化を防止した。1時間後、7質量%
塩酸水溶液を用いて、反応器内のpHが7.0となるま
で中和を行った。この中和後、さらにメタノールを加え
て生成物を沈殿させ、濾過を行った。その後、50℃の
真空乾燥機中で8時間乾燥を行い、吸水性架橋重合体1
24部を得た。粒径(粒子直径)100〜500μmの
その吸水性架橋重合体の吸水量を測定したところ、蒸留
水に対する吸水量は140(g/g−吸水性架橋重合
体)、生理食塩水に対する吸水量は40(g/g−吸水
性架橋重合体)であった。
【0095】[実施例3]マレアミド酸メチルエステル
100部と、1,6−ビスマレアミドヘキサン22.9部
を反応容器に仕込み、撹拌、混合した。次いで、窒素を
流通させながら、180℃まで昇温し、1時間加熱を続
け、その後室温まで冷却して、反応物(架橋重合体)を
回収した。以下、実施例2と同様の操作を行い、吸水性
架橋重合体121部を得た。粒径(粒子直径)100〜
500μmのその吸水性架橋重合体の吸水量を測定した
ところ、蒸留水に対する吸水量は150(g/g−吸水
性架橋重合体)、生理食塩水に対する吸水量は42(g
/g−吸水性架橋重合体)であった。
【0096】[比較例1〜3]1,6−ビスマレアミド
ヘキサンを用いずに反応を行ったこと以外は、実施例1
〜3の各々と同様の操作を繰り返したところ、得られた
生成物は水中でゲル状とならず、何れも水溶性ポリマー
であった。
【0097】[実施例と比較例の比較・考察]比較例1
〜3では、多価マレアミド化合物(1,6−ビスマレア
ミドヘキサン)を使用せずに、ジカルボン酸誘導体を含
んでなる単量体(マレアミド酸Na塩、マレアミド酸、
マレアミド酸メチルエステル)のみを使用して重合させ
たので、吸水性を示さない水溶性ポリマーが生成した。
対照的に、実施例1〜3では、ビスマレアミドを一緒に
反応させたので、高い吸水性を有する吸水性架橋重合体
を、簡便な反応操作で得ることができた。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた吸水性及び生分解性を有する吸水性架橋重合体、
またはその前駆体として有用な架橋重合体を、より簡易
な工程により製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA04 PA08 PA09 PA15 PA19 QB05 QB11 QB14 QB21 QC02 QC24 RA05 RA34 SA05 SA06 SA15 SA39 SA71 SB01 SB02 TA02 TA11 TA12 TA21 TA72 TA73 TB01 TB02 XA03 XB14 YB02 YB08 YB14 ZA04 ZB11 ZB51

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸及び/又はその誘導体を含
    んでなる単量体と、多価マレアミド化合物とを反応させ
    ることを特徴とする架橋重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸及び/又はその誘導体を含
    んでなる単量体が、炭素原子を4個有するジカルボン酸
    及び/又はその誘導体を含んでなる単量体である請求項
    1記載の架橋重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素原子を4個有するジカルボン酸及び
    /又はその誘導体を含んでなる単量体が、単量体群Aと
    して、(a−1)炭素原子を4個有するジカルボン酸の
    無水物とアンモニア、(a−2)炭素原子を4個有する
    ジカルボン酸とアンモニア、(a−3)炭素原子を4個
    有するジカルボン酸のモノアンモニウム塩及び/又はジ
    アンモニウム塩、(a−4)炭素原子を4個有するジカ
    ルボン酸のモノアミド及び/又はジアミド、(a−5)
    炭素原子を4個有するジカルボン酸のイミド、単量体群
    Bとして、(b−1)炭素原子を4個有するジカルボン
    酸のモノエステル及び/又はジエステルとアンモニア、
    (b−2)炭素原子を4個有するジカルボン酸のモノエ
    ステルモノアンモニウム塩、(b−3)炭素原子を4個
    有するジカルボン酸のモノエステルモノアミド、単量体
    群Cとして、(c−1)炭素原子を4個有するジカルボ
    ン酸の金属塩とアンモニア(c−2)炭素原子を4個有
    するジカルボン酸のモノアンモニウム塩モノ金属塩、及
    び(c−3)炭素原子を4個有するジカルボン酸のモノ
    アミドモノ金属塩からなる群より選択された少なくとも
    1種の単量体を含んでなる請求項2記載の架橋重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素原子を4個有するジカルボン酸が、
    下記化学式(1)〜(5)で表されるジカルボン酸の少
    なくとも1種である請求項2又は3記載の架橋重合体の
    製造方法。 【化1】
  5. 【請求項5】 炭素原子を4個有するジカルボン酸のイ
    ミドが、下記化学式(6)〜(9)で表されるジカルボ
    ン酸のイミドの少なくとも1種である請求項3記載の架
    橋重合体の製造方法。 【化2】
  6. 【請求項6】 炭素原子を4個有するジカルボン酸のモ
    ノアミドが、下記化学式(10)で表されるマレアミド
    酸であり、炭素原子を4個有するジカルボン酸のイミド
    が下記化学式(6)で表されるマレイミドである請求項
    3記載の架橋重合体の製造方法。 【化3】
  7. 【請求項7】 炭素原子を4個有するジカルボン酸のエ
    ステルが、炭素原子数1〜20のエステル基を有するも
    のである請求項3記載の架橋重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 炭素原子を4個有するジカルボン酸の金
    属塩が、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩
    である請求項3記載の架橋重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 多価マレアミド化合物が、二価マレアミ
    ド化合物である請求項1〜8の何れか一項記載の架橋重
    合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 二価マレアミド化合物が、下記化学式
    (11)〜(13)で表される二価マレアミド化合物の
    少なくとも1種である請求項9記載の架橋重合体の製造
    方法。 【化4】 (各式中、Xは各々独立して、炭素原子数1〜30のメ
    チレン鎖である。)
  11. 【請求項11】 触媒及び/又はラジカル禁止剤を用い
    る請求項1〜10の何れか一項記載の架橋重合体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 触媒が、塩基性触媒である請求項11
    記載の架橋重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れか一項記載の方
    法により製造した架橋重合体が、吸水性架橋重合体であ
    ることを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項3記載の方法において、炭素原
    子を4個有するジカルボン酸及び/又はその誘導体を含
    んでなる単量体として単量体群Cから選択される少なく
    とも1種を含んで成る単量体を使用し、吸水性架橋重合
    体を得ることを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12の何れか一項記載の方
    法により製造した架橋重合体を、さらに加水分解するこ
    とにより吸水性架橋重合体を得ることを特徴とする架橋
    重合体の製造方法。
  16. 【請求項16】 吸水性架橋重合体が、乾燥樹脂1質量
    部当たり、5〜200質量部の生理食塩水を吸水する性
    能を有するものである請求項13〜15の何れか一項記
    載の吸水性架橋重合体の製造方法。
  17. 【請求項17】 吸水性架橋重合体が、乾燥樹脂1質量
    部当たり、10〜2000質量部の蒸留水を吸水する性
    能を有するものである請求項13〜15の何れか一項記
    載の吸水性架橋重合体の製造方法。
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