JP3434690B2 - 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法 - Google Patents

架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法

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JP3434690B2 JP32647497A JP32647497A JP3434690B2 JP 3434690 B2 JP3434690 B2 JP 3434690B2 JP 32647497 A JP32647497 A JP 32647497A JP 32647497 A JP32647497 A JP 32647497A JP 3434690 B2 JP3434690 B2 JP 3434690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂の製造方法に関する。より詳細には、分解
性及び/又は生分解性に優れ、且つ、高吸水能を有する
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を優れた生産性で提供す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命材、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去剤
等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等の
幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性を
利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の用
途にも期待されている。さらに、その親水性を利用して
湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への利
用も期待される
【0003】この様な用途に使用されている吸水性樹脂
の具体例としては、例えば、架橋ポリアクリル酸部分中
和物(特開昭55−84304号、米国特許4,62
5,001号)、澱粉−アクリロニトリル共重合体の部
分加水分解物(特開昭46−43995号)、澱粉−ア
クリル酸グラフト共重合体(特開昭51−125468
号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の加水
分解物(特開昭52−14689号)、2ーアクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共
重合架橋物(欧州特許0068189号)、カチオン性
モノマーの架橋体(米国特許4,906,717号)、
架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(米国特許
4,389,513号)等を挙げることが出来る。しか
しながら、これらの先行技術により製造された吸水性樹
脂組成物は分解性を有しないため、使用後の廃棄物処理
が重大な問題となる。
【0004】我が国では現在、吸水性樹脂の廃棄は、主
に焼却処理と埋立処理により行われている。例えば使用
後の使い捨て衛生材料(紙おむつ、生理用品等)や、開
梱後に不要になった包装材等の廃棄が挙げられる。焼却
処理の問題点として、吸水性樹脂廃棄物を焼却する際に
発生する熱による焼却炉の炉材の損傷のみならず、発生
する炭酸ガスや含硫化合物、含窒素化合物が、地球温暖
化や酸性雨の原因となったり、炉内の焼却温度の上昇を
阻害することによりダイオキシンの生成を惹起する事な
どが指摘されており、地球環境に及ぼす負荷が大きい。
また、埋立処理の問題点としては、これら吸水性樹脂廃
棄物は嵩高く、腐りにくい埋設物のため、埋立地の地盤
が安定しないのみならず、埋立に適した用地の確保が困
難となってきた事、更にはバイオハザード(例えば、一
旦感染してしまうと治療に困難を極める疾病の病原体
(HIV、MRSA、O−157、B型/C型肝炎ウィ
ルス、エボラ出血熱、クロイツフェルト−ヤコブ病や狂
牛病を発病させるプリオン等))が混入し得る糞便、体
液、血液等を吸収させた使い捨て衛生材料(紙おむつ、
生理用品等)を滅菌処理することなくそのまま埋立るこ
との危険性が指摘されている。また、使用済みの使い捨
て衛生材料(紙おむつ、生理用品等)から樹脂を回収し
て再生、リサイクルしようとすれば膨大な費用を要す
る。この様に、上記先行技術により製造された吸水性樹
脂組成物は、分解性又は生分解性を有さず、水中や土壌
中では半永久的に存在するので、廃棄物処理や環境保全
を考慮すると重大な問題を内在している。
【0005】農・園芸用保水材として架橋ポリアクリル
酸系樹脂を使用した場合、土壌中でCaイオン等の多価
イオンとコンプレックスを形成し、不溶性の層を形成す
るとの報告がある(松本ら、高分子、42巻、8月号、
1993年)。しかしながらこの様な層は、それ自体の
毒性は低いと言われてはいるが、自然界には本来存在し
ないものであり、この様な樹脂が土壌中に蓄積する事に
よる、生態系への影響は不明であり、十分に精査する必
要があると考えられる。同様に非イオン生の樹脂の場合
にはコンプレックスは形成しないが、分解性がないため
土壌に蓄積する可能性があり、やはり生態系への影響が
不明であり、十分に精査する必要がある。また、これら
の樹脂は、原料として生物に対して毒性のある単量体を
使用しているので、重合生成物中には未反応の単量体や
オリゴマーが残存している。従って、樹脂製品の用途に
よっては、樹脂製品から未反応の単量体やオリゴマーを
除去する必要があるが、この精製操作は、高いコストを
要し、場合によっては困難を極める。
【0006】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]近年、「地球にやさしい素材」として生分解性ポリ
マーが注目を集めてきた。特に、生分解性と吸水性を併
せ持つポリマーは、上記した吸水性樹脂の廃棄物に関す
る問題を解決する切り札として注目されたが、以下に述
べるように、必ずしも期待に応えるものではなかった。
具体例としては、例えば、ポリエチレンオキシド架橋体
(特開平6−157795号)、ポリビニルアルコール
架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体(米国特許
4,650,716号)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋
体、ポリアミノ酸架橋体等を挙げることができる。しか
しながら、ポリエチレンオキシド架橋体やポリビニルア
ルコール架橋体は吸水能が低い。また、カルボキシメチ
ルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体等
の糖類架橋体は、その分子内に強固な水素結合を多く含
むため、分子間、ポリマー間の相互作用が強く、そのた
め分子鎖が広く開くことができず、吸水能が低い。これ
らのポリマーは吸水能が低いので、特に、高吸水能が要
求される製品(例えば生鮮食品の鮮度保持材、紙おむ
つ、生理用品、使い捨て雑巾、ペーパータオル等)の素
材としては適当ではないという問題がある。また、これ
らのポリマーの多くは、ポリマーを生分解する微生物
が、特殊な菌株に限定されているので、埋立地等の一般
的な条件の生育環境(温度、pH、嫌気性/好気性、光
の強度、光の波長等)においては生分解の速度が非常に
遅く、また、ポリマーの分子量が大きいと生分解の速度
がさらに遅くなるという問題がある。
【0007】ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は生
分解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内
に吸収されても酵素により消化吸収され、しかも生体内
で抗原性を示さず、分解生成物も毒性が低いか又は無い
事が明らかにされており、人に対してもやさしい素材で
ある。具体的な例としては、例えば、ポリ−γ−グルタ
ミン酸にγ線を照射して高吸水能を有する樹脂を製造す
る方法(国岡ら;高分子論文集・50巻・10号・75
5頁〜(1993年))が挙げられる。しかしながら、
工業的観点からは、この技術に用いる60Coの照射設備
は、放射線の遮蔽を行うには大がかりな設備が必要であ
り、その管理にも充分な配慮が必要であるため現実的で
はない。また、出発物質であるポリグルタミン酸が高価
である事も問題である。ポリアミノ酸を架橋して得られ
る吸水性樹脂のその他の例としては、酸性アミノ酸を架
橋させてハイドロゲルを得る方法(Akamatsu
ら;米国特許第3,948,863号・特公昭52−4
1309号、岩月ら;特開平5−279416号)、架
橋アミノ酸樹脂を吸水性樹脂とする方法(Sikes
ら;特表平6−506244号・米国特許第5,24
7,068号・同第5,284,936号、鈴木ら;特
開平7−309943号等)が挙げられる。しかしなが
ら、これらの吸水性樹脂は吸水能が必ずしも十分なもの
ではなく、実用的ではなかった。
【0008】本発明者らは、既に、特開平7−2241
63号において、ポリコハク酸イミドを架橋剤と反応さ
せ、その反応液がゲル化する前に反応を終了する事によ
り、塩水吸水能の高い架橋ポリアスパラギン酸系吸水性
樹脂を製造する技術について開示した。また、本発明者
らは、特開平9−169840号において、ポリコハク
酸イミドを部分的に架橋した後、架橋ポリマーを単離す
ることなく、該反応液にアルカリ水溶液を添加して残り
のイミド環を加水分解することにより、塩水吸水能の高
い架橋ポリアスパラギン酸系吸水性樹脂を製造する技術
について開示した。本発明者らが開示したこれらの発明
は、新規性、進歩性、及び産業上利用可能性の観点から
極めて有意義なものである。
【0009】しかしながら、特開平7−224163
号、特開平9−169840号に開示した方法において
は、工程を充分に管理しないと架橋が充分に進行せず、
高い吸水能を有する吸水性樹脂が得られないことがあっ
た。また、工程を充分に管理しないと架橋反応時に反応
液全体が固化し攪拌が困難となることがあった。この様
に架橋ポリアスパラギン酸系吸水性樹脂は非常に有用で
はあるが、その中間体である架橋ポリコハク酸イミドの
製造工程管理上、改善の余地があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
記のような従来技術の問題点に鑑み、本発明者らが既に
開示している発明の技術的な思想を発展させることによ
り、優れた吸水能を有する架橋ポリアスパラギン酸系吸
水性樹脂を、簡便な操作により高い生産性で製造する方
法を提供することを課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリコハク酸イミドに
架橋剤を反応させてペンダント基として導入した後、分
散剤を装入して反応系を分散状態にし、次いで塩基を添
加して架橋反応を進行させ、その後、残りのイミド環を
加水分解する事により、高吸水能を有する架橋ポリアス
パラギン酸系吸水性樹脂を高い生産性で製造できること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、ポリコハク酸イミドを良溶媒に溶解した溶液に架
橋剤を添加してペンダント基として導入した後、分散剤
を装入して反応系を分散状態にし、次いで塩基を添加し
て架橋反応を進行させ、残りのイミド環を加水分解する
事を特徴とする、高吸水性および優れた吸水速度を有す
る架橋ポリアスパラギン酸系吸水性樹脂の製造方法であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるポリコハク酸イミドの製造方
法は、特に限定されない。ポリコハク酸イミドの製造方
法の具体例としては、例えば、ジャーナル・オブ・アメ
リカン・ケミカル・ソサエティー(J.Amer.Ch
em.Soc.)80巻、3361頁〜(1958年)
に記載されている製造方法を挙げることが出来る。即
ち、アスパラギン酸をリン酸の存在下150℃〜200
℃に加熱し、脱水縮合して製造することができる。
【0013】本発明において用いられるポリコハク酸イ
ミドの分子量(重量平均分子量)は特に限定されない
が、一般的には高い方が好ましい。選択する架橋剤にも
よるが、高い重量平均分子量のポリコハク酸イミドを使
用した方が、高い吸水能を有した架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂が得られ、通常、重量平均分子量1万以上のも
のが用いられる。
【0014】本発明において用いられるポリコハク酸イ
ミドは、線状構造を有するものであっても、分岐状構造
を有するものであっても構わない。また、部分的にアミ
ド結合を含んでいてもよい。更に、基本骨格に、アスパ
ラギン酸以外のアミノ酸誘導体との結合を含んでいても
よい(即ち、コポリマーであってもよい)。アスパラギ
ン酸以外のアミノ酸誘導体としては、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオ
ニン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、リジ
ン、オルニチン、システイン、シスチン、メチオニン、
プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン等の脂肪族
α−アミノ酸、チロシン、フェニルアラニン、トリプト
ファン、ヒスチジン等の芳香族α−アミノ酸、これらα
−アミノ酸の側鎖官能基が置換されたもの、β−アラニ
ン、γ−アミノ酪酸等のアミノカルボン酸、グリシル−
グリシン、アスパルチル−フェニルアラニン等のジペプ
チド(二量体)、グルタチオン等のトリペプチド(三量
体)が挙げられる。これらのアミノ酸誘導体は光学活性
体(L体、D体)でも、ラセミ体でもよい。また、これ
らの結合は、ランダムに存在して(ランダムコポリマ
ー)も、ブロック的に存在して(ブロックコポリマー)
もよい。
【0015】本発明において用いられる良溶媒は、ポリ
コハク酸イミドを実質的に完全に溶解できる有機溶媒を
意味する。具体例としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン等のアミ
ド系有機溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
含硫有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用い
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。良溶媒
の使用量は特に限定されず、溶媒の種類によって異なる
が、通常ポリコハク酸イミドに対して2重量倍〜100
重量倍が使用される。
【0016】本発明において用いられる分散剤は特に限
定されないが、ポリコハク酸イミドの貧溶媒を用いるこ
とが好ましい。本発明において用いられる貧溶媒とは、
ポリコハク酸イミドを実質的に完全には溶解できない有
機溶媒および水を包含する。具体例としては、水、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタ
ノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール等のグリコール類およびそのエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類、ジエチルエーテル、メチル−ter−ブチ
ルエーテル、 ジフェニルエーテル等のエーテル類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、石
油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベン
ゼン、キシレン、メシチレン、クメン、シメン、デカリ
ン等の炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、ジブロモエタン、クロロホルム、モノクロロベン
ゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジ
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、その他アニソ
ール、クレゾール等が挙げられる。これらは単独で用い
ても2種以上を混合して用いても良い。これらの貧溶媒
の使用量は特に限定されないが、通常、ポリコハク酸イ
ミドを溶解するのに用いた良溶媒に対して0.5重量倍
〜10重量倍が使用される。貧溶媒が少なすぎた場合に
は、ポリコハク酸イミドが分散状態とならず、架橋反応
中にゲル化する可能性がある。
【0017】本発明において使用される架橋剤は特に限
定されないが、その分子内にカルボキシル基を1個以上
有し、かつイミド環と反応し得る多官能化合物が好まし
い。具体例としては、例えば(ポリアミノ)ポリカルボ
ン酸を挙げることができる。より詳細な具体例として
は、リジン、シスチン、オルニチン等のタンパク質構成
アミノ酸、Nδ−(2−アミノ−2−カルボキシエチ
ル)オルニチン、Nδ−(2−アミノ−2−カルボキシ
エチル)リジン、o−(2−アミノ−3−ヒドロキシプ
ロピル)ホモセリン、キヌレニン、α,β−ジアミノコ
ハク酸、α,ε−ジアミノピメリン酸、2,6−ジアミ
ノ−7−ヒドロキシアゼライン酸、イソリジン、3,5
−ジアミノヘキサン酸、α,γ−ジアミノ酪酸、ジェン
コール酸、シスタチオニン、シスチンジスルホキシド、
α,ε−ジアミノ−β−ヒドロキシピメリン酸、ハイプ
シン、γ−ヒドロキシオルニチン、α−ヒドロキシリジ
ン、ランチオニン、リジノノルロイシン、リゾビトキシ
ン、ロゼアニン等のタンパク質構成アミノ酸以外のアミ
ノ酸等が挙げられる。また、これらのアミノ酸は、塩酸
塩、硫酸塩、臭化水素塩等の鉱酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、メチルエ
ステル、エチルエステル等のカルボン酸アルキルエステ
ル、ナトリウム塩、カリウム塩等のカルボン酸アルカリ
金属塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩
等のカルボン酸有機アミン塩等でも良い。これらの中で
はリジン、シスチン、オルニチン等のアミノ酸およびそ
のエステル、塩等の誘導体が好ましい。これらを用いた
場合、得られる架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の分解お
よび/または生分解後が良好である。これらは単独で用
いても、2種以上混合して用いても良い。
【0018】本発明における架橋剤においては、例え
ば、リジン、オルニチン等のアミノ酸の場合、二つのア
ミノ基の内の一方はカルボキシル基と水素結合してお
り、形式上は一官能のアミンである。これらは、架橋剤
としては機能しないが、ポリコハク酸イミドと反応させ
ることで、ペンダント基としてポリマーに導入すること
ができる。ペンダント基が導入されたポリコハク酸イミ
ドに対して塩基を添加すると、もう一つのアミノ基と水
素結合を形成していたカルボン酸が中和されてアミノ基
がフリーとなり、イミド環と反応する事で架橋反応が進
行する。そこで、本発明においては、上記アミノ酸類
は、その分子内の1個のアミノ基だけがフリーとなるよ
うな形態でポリコハク酸イミドの溶液に対して添加され
る。例えば、リジン等のジアミノモノカルボン酸を用い
る場合はそのままで、リジン・1塩酸塩等のジアミノモ
ノカルボン酸・鉱酸塩を用いる場合は鉱酸のみを中和す
ることで、1個のアミノ基がフリーとなりポリコハク酸
イミドに対してペンダント基として導入される。また、
例えば、シスチン等のジアミノジカルボン酸類を用いる
場合は、分子内に2個の分子内塩が存在するので、1個
分の塩基を添加してカルボン酸塩とすれば、1個のアミ
ノ基のみがフリーとなりポリコハク酸イミドに対してペ
ンダント基として導入できる。さらに、例えば、オルニ
チンメチルエステル等を用いる場合は、そのままでは架
橋反応が起こってしまい好ましくないため、モノ塩酸塩
として1個のアミノ基をふさいだ状態で反応に用いる。
【0019】本発明における、「ペンダント基」とは、
ポリコハク酸イミドのイミド環と反応し得る官能基を有
した化合物がイミド環を開環し、ポリコハク酸イミド主
鎖に対して「ぶら下がった」状態にあるものを意味す
る。
【0020】即ち、本発明の架橋方法は、 架橋剤をペンダント基として導入する。 架橋反応が進行しても反応系がゲル化する恐れのない
よう反応系を分散状態にする。 塩基を添加してペンダント基として導入された架橋剤
を活性化して架橋反応を開始する。 の3段階で架橋反応を行う。
【0021】本発明において使用される架橋剤の量は特
に限定されず、目的とする架橋度により適宜選択するこ
とができる。ここで、架橋度とは、ポリマー主鎖に対す
る架橋部分の割合を意味する。また、架橋剤の種類(官
能基の数、官能基間の長さ)、ポリコハク酸イミドの分
子量、目的とする用途によって異なるが、一般的には架
橋剤の使用量が多すぎると架橋度が高くなり、例えば吸
水性樹脂とした場合の吸水能が低下する。一方、架橋剤
の使用量が少なすぎると架橋度が低くなり、吸水性樹脂
とした場合、水溶性となり吸水性を示さなくなる。そこ
で本発明においては、実質的に架橋反応に使われる架橋
剤の使用量は、通常、ポリコハク酸イミド主鎖の単量体
単位に対して0.1〜30モル%程度になるように調整
される。
【0022】本発明においては、架橋剤をそのまま、も
しくは適当な有機溶媒または水に溶解した溶液を、ポリ
コハク酸イミドを良溶媒に溶解した溶液に対して添加す
る。ここで適当な有機溶媒とは、実質的に架橋剤を完全
に溶解できるものであれば特に限定されないが、好まし
くはポリコハク酸イミドの良溶媒が好ましい。水、また
はポリコハク酸イミドの貧溶媒を用いる場合は、添加し
た際に反応系が分散状態にならない程度の最小限の使用
量にする方が好ましい。通常、ポリコハク酸イミドを溶
解するのに用いた良溶媒の30分の1〜5分の1の量が
用いられる。
【0023】本発明において、ペンダント基として導入
された架橋剤を活性化するのに用いられる塩基は、アミ
ノ基とカルボキシル基の水素結合を解離させる事ができ
れば特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢
酸塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、
トリヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリプロ
パノールアミン、トリブタノールアミン、トリペンタノ
ールアミン、トリヘキサノールアミン、N−メチルモル
ホリン、ピリジン、キノリン、ピコリン等の3級アミン
を挙げることができる。
【0024】本発明において、ペンダント基として導入
された架橋剤を活性化するのに用いられる塩基の使用量
は、実質的にはペンダント基として導入された架橋剤中
のカルボキシル基と等モル必要であるが、その使用量を
調整する事で架橋度の調整が可能である。すなわち、ペ
ンダント基として導入された架橋剤のカルボキシル基よ
り少ない量の塩基を作用させた場合、用いた架橋剤の量
から算出される架橋度よりも低い架橋度となり、架橋剤
の一部はそのままペンダント基として作用することにな
る。即ち、上述した、好ましい架橋剤の使用量とは狭義
には、架橋剤を活性化するのに用いる塩基の使用量を意
味する。
【0025】本発明において、架橋剤をペンダント基と
して導入する反応、および塩基を添加して架橋する反応
の反応温度は特に限定されない。架橋剤の反応性、触媒
の有無、ポリコハク酸イミドの分子量等によっても異な
るが、通常、−10℃〜200℃で行われ、10〜80
℃が好ましい。
【0026】架橋反応後は、得られた反応液のまま次の
加水分解工程に進んでもよいし、固液分離操作により溶
媒を分離して、架橋ポリコハク酸イミドとして取り出し
た後、次の加水分解行程へ進んでもよい。架橋ポリコハ
ク酸イミドと溶媒の固液分離操作としては、化学一般に
用いられる方法を用いることができる。例えば、濾過、
デカンテーション、遠心分離等が挙げられる。得られる
架橋ポリコハク酸イミドは溶媒が付着したウェット・ケ
ーキのまま加水分解に用いてもよいし、乾燥して溶媒を
除いた状態で次の加水分解に用いてもよい。
【0027】本発明において架橋ポリコハク酸イミドの
残りのイミド環を加水分解して架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂を得る方法は、実質的に生産性の高いものであれ
ば特に限定されない。架橋ポリコハク酸イミドの残りの
イミド環を加水分解する方法の好ましい具体例として
は、例えば、水と水混和性有機溶媒との混合溶媒中、無
機または有機塩の水溶液中、または、40〜100℃の
温水中にてアルカリ加水分解を行う方法等が挙げられ、
これらの複数を組み合わせて使用しても構わない。これ
らの方法は、 .水と水混和性有機溶媒との混合溶媒中で処理を行う
ことにより、または、40℃〜100℃の温水中で処理
することにより吸水ゲル膨潤の程度を制御できること、 .塩水溶液中で処理を行うことにより、浸透圧を調整
し、吸水ゲルの膨潤の程度を制御できること、等の特徴
があるので、架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環
の加水分解において、例えば .水中でのゲル化が著しくなるため水を追加すること
による容積効率の低下を招いたり、 .水中でのゲル化で攪拌が困難となったり、 .有機溶媒中での沈殿物凝集により攪拌困難となった
り、 .加水分解の反応速度が著しく遅く、不十分となり、
その結果、生成樹脂の吸水量が低下する、等の問題点を
回避する事ができる。
【0028】本発明において、架橋ポリコハク酸イミド
の残りのイミド環の加水分解において使用する水の量
は、特に限定されない。原料ポリコハク酸イミドの分子
量、架橋剤の種類、架橋度の違いによる生成架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の吸水能によっても異なるが、通
常、生成する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の乾燥重量
に対して1〜10重量倍が用いられる。
【0029】本発明において、架橋ポリコハク酸イミド
の残りのイミド環の加水分解の際に水と有機溶媒との混
合溶媒を用いる場合は、水の使用量は、通常、混合溶媒
重量の5〜100重量%が用いられ、20〜80重量%
が好ましい。ここで、用いる有機溶媒は特に限定されな
い。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等を挙げることができる。これらの中では、
加水分解反応後の生成物である架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂を乾燥する操作において、乾燥しやすく、生成物
中へ残存しにくい、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン等の比較的低沸点の溶媒が好ましい。
【0030】本発明において、架橋ポリコハク酸イミド
の残りのイミド環を加水分解する際に、塩水溶液を用い
る場合の塩の種類は、無機塩であっても有機塩であって
も、また、それらの混合物でもよく、特に限定されな
い。無機塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化リ
チウム等の塩酸の金属塩、臭化ナトリウム、臭化リチウ
ム等の臭化水素酸の金属塩、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
カリウム等のヨウ化水素酸の金属塩、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム等の硫酸金属塩、硝酸ナトリウム、硝酸カ
リウム等の硝酸金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸と金
属の塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸
金属塩が挙げられる。また、有機塩の具体例としては、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、ト
リエチルアミン・酢酸塩、トリエタノールアミン・酢酸
塩、テトラエチルアンモニウム・酢酸塩等の酢酸塩、塩
化アンモニウム、トリエチルアミン・塩酸塩、トリエタ
ノールアミン・塩酸塩、テトラエチルアンモニウム・ク
ロライド等の塩酸と有機塩基の塩、臭化アンモニウム、
トリエチルアミン・臭化水素酸塩、トリエタノールアミ
ン・臭化水素酸塩、テトラエチルアンモニウム・ブロミ
ド等の臭化水素酸と有機塩基の塩、硫酸アンモニウム、
トリエチルアミン・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫
酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩等の硫酸と有
機塩基の塩、硝酸アンモニウム、トリエチルアミン・硝
酸塩、トリエタノールアミン塩・硝酸塩、テトラエチル
アンモニウム・硝酸塩等の硝酸と有機塩基の塩、炭酸ア
ンモニウム、トリエチルアミン・炭酸塩、トリエタノー
ルアミン・炭酸塩、テトラエチルアンモニウム・炭酸塩
等の炭酸と有機塩基の塩、リン酸アンモニウム、トリエ
チルアミン・リン酸塩、トリエタノールアミン・リン酸
塩、テトラエチルアンモニウム・リン酸塩等のリン酸と
有機塩基の塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p
−トルエンスルホン酸カリウム等のp−トルエンスルホ
ン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、ト
リエチルアミン・p−トルエンスルホン酸塩、トリエタ
ノールアミン・p−トルエンスルホン酸塩、テトラエチ
ルアンモニウム・硫酸塩等のp−トルエンスルホン酸と
有機塩基の塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼ
ンスルホン酸カリウム等のベンゼンスルホン酸金属塩、
ベンゼンスルホン酸アンモニウム、トリエチルアミン・
ベンゼンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・ベンゼ
ンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・ベンゼン
スルホン酸塩等のベンゼンスルホン酸と有機塩基の塩、
メタンスルホン酸ナトリウム、メタンスルホン酸カリウ
ム等のメタンスルホン酸金属塩、メタンスルホン酸アン
モニウム、トリエチルアミン・メタンスルホン酸塩、ト
リエタノールアミン・メタンスルホン酸塩、テトラエチ
ルアンモニウム・メタンスルホン酸塩等のメタンスルホ
ン酸と有機塩基の塩、トリフルオロメタンスルホン酸ナ
トリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム等の
トリフルオロメタンスルホン酸金属塩、トリフルオロメ
タンスルホン酸アンモニウム、トリエチルアミン・トリ
フルオロメタンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・
トリフルオロメタンスルホン酸塩、テトラエチルアンモ
ニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩等のトリフル
オロメタンスルホン酸と有機塩基の塩、安息香酸ナトリ
ウム、安息香酸カリウムなどの安息香酸金属塩、安息香
酸アンモニウム、トリエチルアミン・安息香酸塩、トリ
エタノールアミン・安息香酸塩、テトラエチルアンモニ
ウム・安息香酸塩等の安息香酸と有機塩基の塩等が挙げ
られる。
【0031】架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環
の加水分解反応に用いる塩の濃度は、特に限定はされ
ず、通常、0.01〜20重量%の範囲で使用される
が、濃度が高い場合には製品中に過剰の塩が混入する可
能性があり、0.1〜5重量%の範囲で使用するのが好
ましい。
【0032】架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環
のアルカリ加水分解に使用するアルカリの種類は特に限
定されないが、具体例としては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の
アルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸水素リチウム等のアルカリ金属炭酸水素
塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢
酸塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属シュウ酸
塩、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メ
チルモルホリン、ピリジン、ピコリン等の有機塩基が挙
げられる。これらの中では、経済的な観点から、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムを使用するのが好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は特に限定されない。
【0033】架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環
をアルカリ加水分解する際の反応液のpHは、使用する
アルカリ水溶液の濃度、アルカリ水溶液の添加速度、加
水分解速度(アルカリ消費速度)によって決まるが、一
般的には、7.5〜13、好ましくは9〜12がよい。
反応液のpHが高すぎると、イミド環のみならずポリマ
ー主鎖のアミド結合まで加水分解されることがある。ま
た、pHが低すぎると、加水分解反応速度が著しく遅く
なり、完結しない場合がある。
【0034】架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環
を加水分解する際の反応温度は特に限定されないが、通
常、0〜100℃、好ましくは10〜60℃で行われ
る。架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環を加水分
解して得られる架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の後処理
については特に限定されない。架橋ポリコハク酸イミド
の残りのイミド環を加水分解し架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂が生成した後は、反応系はアルカリ性となってお
り、通常、必要に応じて中和、塩交換等の操作をした後
に取り出しの操作を行う。得られた架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂を吸水性樹脂として使用する場合、その用途
にもよるが、例えば紙おむつ、生理用ナプキン等に用い
る場合には人体への安全性等を鑑み、中性付近のpHを
示すように中和、または塩交換が行われる。中和の方法
は特に限定されないが、通常、加水分解反応後に酸を添
加してpHを調整する。
【0035】pH調整に用いられる酸は特に限定されな
いが、具体例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、炭酸、リン酸、酢
酸、蟻酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、シュウ酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸等が挙げられる。
【0036】塩交換に用いられる対イオンとしては、ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ
る。具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等の
アルカリ金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペン
チルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、
トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ピ
リジン、N−メチルモルホリン、ピコリン、キノリン等
の3級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テト
ラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、
テトラヘキシルアンモニウム、エチルトリメチルアンモ
ニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ブチルトリ
メチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウ
ム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、シクロヘキシル
トリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、ベンジルトリエチルアンモニウム等のアンモニウ
ム塩が挙げられる。これらの中では、一般的には、対イ
オンの分子量が大きくなると相対的に単量体単位あたり
の分子量が大きくなり、単位重量当たりの吸水量が小さ
くなるので、対イオンの分子量は小さい方が好ましい。
また、人の肌等に直接触れる可能性がある場合には、毒
性が低い方が好ましく、無機塩またはアンモニウム塩が
好ましい。したがって、一般的には、ナトリウム塩、カ
リウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、トリエタノー
ルアミン塩等が特に好ましい。
【0037】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の乾燥方法は特に限定されず、例えば、熱風乾燥、特
定蒸気での乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムド
ライヤー乾燥等、公知の方法を挙げることができる。乾
燥温度も特に限定されず、通常、20〜200℃で行わ
れ、50〜150℃が好ましい。乾燥処理を施した架橋
ポリアスパラギン酸系樹脂は、さらに、精製処理、造粒
処理、表面処理等を施してもよい。
【0038】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の形状は、特に限定されない。例えば、不定形破砕
状、球状、粒状、顆粒状、リン片状、塊状、パール状、
微粉末状、繊維状、棒状、フィルム状、シート状等が挙
げられ、用途により好ましい形状を採用すればよい。ま
た、本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の形状
は、繊維状基材、多孔質状、発泡体、造粒物であっても
よい。
【0039】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の粒度(平均粒子径)は特に限定されない。例えば、
紙おむつ用途の場合には、一般的には、速い吸水速度と
ゲルブロッキングを起こさない事が望まれるので、10
0〜1000μmが好ましい。また、止水剤用途等の様
に他の樹脂への練り混みに用いる場合は、一般的には、
1〜10μmが好ましく、農園芸用の保水剤等に使用す
る場合は、一般的には、土との分散性を考慮して100
μm〜5mmが好ましい。
【0040】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の使用態様は特に限定されず、単独でも、他の素材と
の組み合わせによっても使用する事ができる。例えば、
熱可塑性樹脂と混練りして射出成形等にて成形する方法
等が挙げられる。また、成型品とすることもできる。成
形品としては、例えば、固形物、シート、フィルム、繊
維、不織布、発泡体、ゴム等を挙げることができる。ま
た、成型方法も特に限定されない。他の素材との組み合
わせによる使用の具体例としては、特に限定はされない
が、例えば、パルプ、不織布等にはさみサンドイッチ構
造にする方法、樹脂シート、フィルムを支持体として多
層構造とする方法、樹脂シートにキャストし、二重構造
とする方法等を挙げることができる。本発明の架橋ポリ
アスパラギン酸系樹脂をシート状に加工すれば吸水性シ
ート(吸水性フィルムを包含する)とすることができ
る。
【0041】本発明に係る架橋ポリアスパラアギン酸系
樹脂は、1種類以上の他の吸水性樹脂と混合して用いて
も良い。また、食塩、コロイダルシリカ、ホワイトカー
ボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無機化合
物、キレート剤等の有機化合物を添加してもよい。さら
に、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、抗菌
剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭剤、顔料等を
添加してもよい。
【0042】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂は、使用目的に応じ、ゲル状でも固形状でも使用でき
る。例えば、農園芸用保水剤、切り花延命剤、ゲル芳香
剤、ゲル消臭剤等に使用する場合はゲルとして用い、紙
おむつ、生理用品用吸収体に使用する場合には固形状と
して用いる。
【0043】本発明に係るポリアスパラギン酸系樹脂の
用途は特に限定されず、従来の吸水性樹脂が使用できる
用途のいずれにも使用することができる。具体的には、
紙おむつ、生理用品、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛
生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダーパ
ット、ハップ剤等の医療用品、ペット用シート、携帯用
トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨
てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェル
剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農園芸用保水剤、切
り花延命剤、フローラルフォーム(切り花の固定化
材)、育苗用苗床、植生シート、種子テープ、結露防止
用農業用シート等の農園芸用品、食品用トレー用鮮度保
持材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、
生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止
用建築用材料、土木・建築用のシーリング材、シールド
工法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・
パッキング等土木建築資材、光ファイバー等の電子機器
のシール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット記
録紙等の電気機器関連資材、汚泥凝固剤、ガソリン、油
類の脱水剤、水分除去剤等の水処理剤、捺印用のり、水
膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性
薬剤、湿度調整材、帯電防止剤などを挙げる事ができ
る。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
本発明において、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、以下のティーバッグ法にて測定した。
【0045】[ティーバッグ法] ティーバックの調製 不織布性のティーバッグ(80mm×50mm)に、予
め乾燥状態重量 (Wd)を秤量した乾燥状態の吸水性
樹脂を充填する。 浸漬 で調製した試料、および、吸水性樹脂を充填していな
いティーバッグ(ブランク)を、25℃に維持した大過
剰の蒸留水または生理食塩水に1時間浸漬した。尚、生
理食塩水(0.9wt%塩化ナトリウム水溶液)は、蒸
留水と塩化ナトリウムにより調製した。 秤量 浸漬終了後、浸漬により膨潤した試料、およびブランク
を引き上げ、1分間水切りを行い、それぞれ浸漬後試料
重量(Ww)と浸漬後ブランク重量(Wb)を秤量し
た。 吸水量の評価 次式[式1]により、吸水量(蒸留水または生理食塩水
[g]/乾燥樹脂 [1g])を評価した。
【0046】
【式1】[吸水量]=(Ww−Wd−Wb)/ Wd
【0047】また、吸水速度を比較する指標として、上
記同様の操作で蒸留水に対する10分後の吸水量(W1
0)を測定し、その1時間後の吸水量(W60)に対す
る割合を算出した。尚、樹脂の粒径による吸水速度のバ
ラツキを考慮して、ふるい分けにより100〜500μ
mの粒径の樹脂だけを測定に用いた。
【0048】実施例1 2.78g(0.015mol)のリジン・モノ塩酸塩
(以下Lys・HCl)を1.5gの蒸留水に溶解し、
24.5wt%NaOH水溶液2.44g(0.015
mol)を添加し中和した。該溶液を、重量平均分子量
9.6万のポリコハク酸イミド(以下PSI)9.71
g(0.10mol)を38.8gのN,N−ジメチル
ホルムアミド(以下DMF)に溶解した溶液に0.5h
rかけて滴下装入し、1hr反応させた。その後、3
8.8gのメタノールを装入して反応系を分散状態に
し、25℃で3hr熟成した。その後、24.5wt%
NaOH水溶液1.63g(0.01mol)を滴下装
入し、25℃で20hr架橋反応させた。得られた反応
マスを濾過、洗浄して架橋ポリマーの湿体を得た。該湿
体を83.1gの水及び116.5gのメタノールに懸
濁させ、24.5wt%NaOH水溶液を滴下装入し、
25〜35℃、pH=9〜11.5で加水分解を行っ
た。24.5wt%NaOHの消費量は13.8g
(0.085mol)であり、反応完結まで3hrを要
した。該加水分解マスに塩酸を添加してpH=7〜7.
5に調整し、得られた沈澱をデカンテーションにより取
り出した。得られた沈澱に水20gを添加してスラリー
とし、該スラリーをメタノール200gに排出して再沈
澱を行った。得られた沈澱を濾過、洗浄、乾燥して架橋
ポリアスパラギン酸系樹脂10.5gを得た。得られた
吸水性樹脂の吸水量は蒸留水に対して1090倍、生理
食塩水に対して96倍であった。また、W10/W60
×100=60.2%であった。
【0049】実施例2 2.78g(0.015mol)のLys・HClを
1.5gの蒸留水に溶解し、24.5wt%NaOH水
溶液2.44g(0.015mol)を添加し中和し
た。該溶液を、重量平均分子量9.6万のPSI9.7
1g(0.10mol)を38.8gのDMFに溶解し
た溶液に0.5hrかけて滴下装入し、1hr反応させ
た。その後、38.8gのメタノールを装入して反応系
を分散状態にし、25℃で3hr熟成した。その後、2
4.5wt%NaOH水溶液2.44g(0.015m
ol)を滴下装入し、25℃で20hr架橋反応させ
た。得られた反応マスを濾過、洗浄して架橋ポリマーの
湿体を得た。該湿体を83.1gの水及び116.5g
のメタノールに懸濁させ、13.5g(0.083mo
l)の24.5wt%NaOH水溶液を3hrかけて滴
下装入し、25〜35℃、pH=9〜11.5で加水分
解を行い、1hr熟成を行った。該加水分解マスに塩酸
を添加してpH=7〜7.5に調整し、得られた沈澱を
デカンテーションにより取り出した。得られた沈澱に水
20gを添加してスラリーとし、該スラリーをメタノー
ル200gに排出して再沈澱を行った。得られた沈澱を
濾過、洗浄、乾燥して架橋ポリアスパラギン酸系樹脂1
2.3gを得た。得られた吸水性樹脂の吸水量は蒸留水
に対して690倍、生理食塩水に対して75倍であっ
た。また、W10/W60×100=75.9%であっ
た。
【0050】実施例3 3.70g(0.020mol)のLys・HClを
1.5gの蒸留水に溶解し、24.5wt%NaOH水
溶液3.27g(0.020mol)を添加し中和し
た。該溶液を、重量平均分子量9.6万のPSI9.7
1g(0.10mol)を38.8gのDMFに溶解し
た溶液に0.5hrかけて滴下装入し、1hr反応させ
た。その後、38.8gのメタノールを装入して反応系
を分散状態にし、25℃で3hr熟成した。その後、2
4.5wt%NaOH水溶液1.63g(0.010m
ol)を滴下装入し、25℃で20hr架橋反応させ
た。得られた反応マスを濾過、洗浄して架橋ポリマーの
湿体を得た。該湿体を83.1gの水及び116.5g
のメタノールに懸濁させ、13.5g(0.083mo
l)の24.5wt%NaOH水溶液を3hrかけて滴
下装入し、25〜35℃、pH=9〜11.5で加水分
解を行い、1hr熟成を行った。該加水分解マスに塩酸
を添加してpH=7〜7.5に調整し、得られた沈澱を
デカンテーションにより取り出した。得られた沈澱に水
20gを添加してスラリーとし、該スラリーをメタノー
ル200gに排出して再沈澱を行った。得られた沈澱を
濾過、洗浄、乾燥して架橋ポリアスパラギン酸系樹脂1
2.3gを得た。得られた吸水性樹脂の吸水量は蒸留水
に対して600倍、生理食塩水に対して83倍であっ
た。また、W10/W60×100=61.9%であっ
た。
【0051】実施例4 4.63g(0.025mol)のLys・HClを
1.5gの蒸留水に溶解し、24.5wt%NaOH水
溶液4.08g(0.025mol)を添加し中和し
た。該溶液を、重量平均分子量9.6万のPSI9.7
1g(0.10mol)を38.8gのDMFに溶解し
た溶液に0.5hrかけて滴下装入し、1hr反応させ
た。その後、38.8gのメタノールを装入して反応系
を分散状態にし、25℃で3hr熟成した。その後、2
4.5wt%NaOH水溶液1.63g(0.010m
ol)を滴下装入し、25℃で20hr架橋反応させ
た。得られた反応マスを濾過、洗浄して架橋ポリマーの
湿体を得た。該湿体を83.1gの水及び116.5g
のメタノールに懸濁させ、13.5g(0.083mo
l)の24.5wt%NaOH水溶液を3hrかけて滴
下装入し、25〜35℃、pH=9〜11.5で加水分
解を行い、1hr熟成を行った。該加水分解マスに塩酸
を添加してpH=7〜7.5に調整し、得られた沈澱を
デカンテーションにより取り出した。得られた沈澱に水
20gを添加してスラリーとし、該スラリーをメタノー
ル200gに排出して再沈澱を行った。得られた沈澱を
濾過、洗浄、乾燥して架橋ポリアスパラギン酸系樹脂1
4.8gを得た。得られた吸水性樹脂の吸水量は蒸留水
に対して450倍、生理食塩水に対して48倍であっ
た。また、W10/W60×100=62.7%であっ
た。
【0052】比較例1 2.78g(0.015mol)のLys・HClを
1.5gの蒸留水に溶解し、24.5wt%NaOH水
溶液4.08g(0.025mol)を添加し中和し
た。該溶液を、9.71g(0.1mol)のPSIを
38.8gのDMFに溶解した溶液に対して0.5hr
かけて滴下装入した。装入の途中で粘度が著しく上昇
し、装入後、反応液全体がゲル化し、攪拌不能となった
ため、その後は無攪拌で25℃/30hr熟成した。得
られたゲルに対し100gのメタノールを加え、ゲルを
ほぐそうと試みたが、攪拌が困難であったため、ゲル全
体がほぐれるのに20hr程度を要した。得られた沈澱
を濾過、洗浄して架橋ポリマーの湿体を得た。得られた
湿体を90gの水および120gのメタノールに懸濁
し、24.5wt%NaOH水溶液13.1gを25〜
35℃、pH=9〜11の条件で滴下装入し、加水分解
を行った。沈澱の粒子径が大きいため反応が遅く、加水
分解に6hr程度要した。その後、9%塩酸を添加して
pH=7.5に調整し、得られた沈澱をデカンテーショ
ンにより取り出し、水20gを加えてスラリーとした。
得られたスラリーを200gのメタノールに排出して再
沈澱させ、濾過、洗浄、乾燥して架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂8.8gを得た。得られた吸水性樹脂の吸水量
は蒸留水に対して400倍、生理食塩水に対して53倍
であった。また、W10/W60×100=60.7%
であった。
【0053】比較例2 3.50g(0.015mol)のリジンメチルエステ
ル・2塩酸塩を100gのDMFに懸濁し、等量のトリ
エチルアミンで中和した。該溶液を、重量平均分子量
9.6万のPSI9.71g(0.10mol)を3
8.8gのDMFに溶解した溶液に対して滴下装入し、
1hr攪拌した。その後、3.03g(0.030mo
l)のトリエチルアミンを添加して25℃で40hr架
橋反応させた。反応液をエタノール300gに排出して
再沈澱させ、濾過、洗浄して架橋ポリマーの湿体を得
た。得られた湿体を水2000gに懸濁し、24.5w
t%NaOH水溶液を滴下装入し、pH=9〜11に調
整しながら加水分解を行った。得られた反応液(流動性
ゲル)をエタノール5000mlに排出して再沈澱さ
せ、濾過、洗浄、乾燥して架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂12.8gを得た。得られた吸水性樹脂の吸水量は蒸
留水に対して110倍、生理食塩水に対して30倍であ
った。また、W10/W60×100=61.2%であ
った。
【0054】[実施例と比較例の比較・考察]比較例1
においては、高い吸水量を有する架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂を製造しようとすると、反応液全体がゲル化す
る等、操作性が悪く、生産性が低下した。比較例2にお
いては、高い生産性で架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を
製造しようとすると、吸水量が低下してしまった。対照
的に、実施例1〜4では、いずれの場合でも、高い吸水
量を有する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を、高い生産
性で製造することができた。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る架橋ポリアスパラギン酸系
樹脂の製造方法により、高い吸水能を有する吸水性樹脂
を高い生産性で製造することができる。また、本発明に
係る架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法により、
(生)分解性と吸水性を併有する吸水性樹脂を、高い生
産性で提供し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 101/16 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリコハク酸イミドを良溶媒に溶解した溶
    液に、リジン、オルニチン、シスチンまたはそれらの
    塩、エステルからなる群から選択される少なくとも1種
    架橋剤を添加してペンダント基として導入した後、分
    散剤を装入して反応系を分散状態にし、次いで塩基を添
    加して架橋反応を行い、残りのイミド環を加水分解する
    事を特徴とする、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】分散剤が、ポリコハク酸イミドの貧溶媒で
    ある、請求項1記載の架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
    製造方法。
  3. 【請求項3】良溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミ
    ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−
    ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
    ン、ジメチルスルホキシド、スルホランからなる群から
    選択される少なくとも1種である請求項1〜記載の架
    橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法。
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