JP2003026572A - 含カルシウム組織強化剤並びにその用途 - Google Patents

含カルシウム組織強化剤並びにその用途

Info

Publication number
JP2003026572A
JP2003026572A JP2002130154A JP2002130154A JP2003026572A JP 2003026572 A JP2003026572 A JP 2003026572A JP 2002130154 A JP2002130154 A JP 2002130154A JP 2002130154 A JP2002130154 A JP 2002130154A JP 2003026572 A JP2003026572 A JP 2003026572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
containing tissue
weight
strengthening agent
agent according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002130154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4390428B2 (ja
Inventor
Masaki Miyake
正樹 三宅
Shinpei Ushio
慎平 牛尾
Kanzo Iwaki
完三 岩城
Masashi Kurimoto
雅司 栗本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002130154A priority Critical patent/JP4390428B2/ja
Application filed by Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd filed Critical Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority to EP02807341.9A priority patent/EP1514540B1/en
Priority to PCT/JP2002/004407 priority patent/WO2003092666A1/ja
Priority to TW091109304A priority patent/TWI331032B/zh
Priority to US10/513,119 priority patent/US20050215493A1/en
Priority to KR1020047017557A priority patent/KR100946822B1/ko
Publication of JP2003026572A publication Critical patent/JP2003026572A/ja
Priority to US12/210,587 priority patent/US8778882B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4390428B2 publication Critical patent/JP4390428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 含カルシウム組織を強化する作用を持ち、安
全に使用できる剤とその用途を提供することを課題とす
る。 【解決手段】フラボン類、フラボノール類、フラバノン
類、フラバノノール類、アントシアニジン類、フラバノ
ール類、カルコン類又はオーロン類、又はその前駆体を
1種又は2種以上を含有することを特徴とする含カルシ
ウム組織強化剤を提供することによって上記課題を解決
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨又は歯の組織な
どの含カルシウム組織におけるカルシウム量を増加させ
ることに用いることができる含カルシウム組織強化剤、
並びにその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高齢化に伴い、骨や歯などの含
カルシウム組織の脆弱化が起こる。骨組織においては、
絶えず骨形成と骨吸収が営まれており、通常、若い時に
は骨形成と骨吸収のバランスがとれている。しかしなが
ら、極端なダイエットや加齢に伴うホルモンのアンバラ
ンスなど種々の原因により骨形成と骨吸収のバランスが
崩れ、骨吸収に傾いてくる。この状態が長く続くと、骨
や歯などの含カルシウム組織から重要な構成成分である
カルシウムが減少し、骨粗鬆症、骨折、腰痛等の骨疾
患、あるいは虫歯、歯周病などの歯疾患を生じやすくな
る。
【0003】生体内のカルシウムは、含カルシウム組織
においては、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシ
ウム塩の形態で固体状態として存在し骨及び歯を形成
し、それらの組織を強化する役割を担うだけでなく、身
体にとって必要なカルシウムイオンの供給源になってい
る。我国のカルシウム摂取量は不足気味であるといわれ
ており、カルシウムを強化した各種健康飲食物が市販さ
れている。しかしながら、単にカルシウムを摂取しただ
けでは、吸収効率の点からよい効果は望めず、また、摂
取しすぎた場合には高カルシウム血漿に陥る危険性もあ
り、カルシウムの摂取方法には慎重を要する。よって、
骨や歯などの含カルシウム組織にカルシウムを沈着させ
るために、栄養素として適度のカルシウムを摂取し、さ
らに吸収・代謝をよくするためにマグネシウムなど他の
ミネラルの摂取が推奨されている。しかしながらその効
果は充分ではない。また、前記ミネラルに加えて、ビタ
ミンD、カルシトニン製剤、エストロゲン製剤、蛋白質
同化ホルモン製剤、ビスホスホネートなどの油性ビタミ
ンやホルモン剤を投与することも行われている。この方
法は、単にミネラルを摂取することよりは効果的である
ものの、油溶性ビタミン剤やホルモン剤を使用する場
合、その投与スケジュールが煩雑であり、過剰投与等に
よる副作用の恐れもあり、必ずしも満足する方法とはい
えない状況である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無毒で安全
かつ作用効果の高い含カルシウム組織強化剤とこれを配
合してなる飲食物、化粧品及び医薬品などへの用途を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等が植物成分に
着目して鋭意検索したところ、意外にも、後述する一般
式1乃至5のいずれかで表される基本構造を有する物質
又はその前駆体(以後、本明細書では一般式1乃至5の
物質と記述することもある)は、動物のカルシウム代謝
をカルシウム沈着方向に誘導し、含カルシウム組織にカ
ルシウムを沈着させ組織を強化し、その結果骨重量を増
加させることを発見した。さらに、イソフラボン類を、
一般式1乃至5の物質と共に用いれば、動物のカルシウ
ム代謝をカルシウム沈着方向に誘導し、含カルシウム組
織にカルシウムを沈着させ組織を強化し、その結果骨重
量を増加させることを発見し、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は、有効成分として、一
般式1乃至5の物質、例えば、フラボン類、フラボノー
ル類、フラバノン類、フラバノノール類、アントシアニ
ジン類、フラバノール類、カルコン類又はオーロン類、
又はその前駆体を1種又は2種以上を含有する含カルシ
ウム組織強化剤を提供するものである。
【0007】さらに本発明は、上記物質とともにイソフ
ラボン類を含有する含カルシウム組織強化剤を提供する
ものである。
【0008】さらに本発明は、前記含カルシウム組織強
化剤を配合してなる飲食物、化粧品、医薬品などへの用
途を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について説
明するに、この発明に使用される一般式1乃至5の物質
は、元来、植物成分として広く分布しているフラボノイ
ドに属する物質である。一般式1の基本構造を有する物
質は、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、フ
ラバノノール類と呼称されるものであり、例えば、R
が水素原子であり、かつXが2重結合であることを特徴
とするフラボン類、Rがヒドロキシ基(若しくは何ら
かの糖類により配糖化されているものも含む)であり、
かつXが2重結合であることを特徴とするフラボノール
類、Rが水素原子であり、かつXが単結合であること
を特徴とするフラバノン類、Rがヒドロキシ基(若し
くは何らかの糖類により配糖化されているものも含む)
であり、かつXが単結合であることを特徴とするフラバ
ノノール類と呼称される。本発明では、一般式1の基本
構造を有する物質として表1に示される物質を用いるこ
とができる。なお、表1中、Hは水素原子、OHはヒド
ロキシ基、OCHはメトキシ基、OGluは配糖化さ
れたグルコース、ORhaは配糖化されたラムノース、
ORutは配糖化されたルチノースを示す。
【0010】
【化6】一般式1: (式中、Xは単結合又は2重結合を示し、R乃至R
10は任意の置換基を示す。)
【0011】
【表1】
【0012】一般式2の基本構造を有する物質は、アン
トシアニジン類と呼称される物質であり、本発明におい
ては、例えば、表2に示す化合物が用いられる。なお、
表2中、Hは水素原子、OHはヒドロキシ基、OCH
はメトキシ基、OGluは配糖化されたグルコースを示
す。
【0013】
【化7】一般式2: (式中、R乃至R10は任意の置換基を示す。)
【0014】
【表2】
【0015】一般式3の基本構造を有する物質は、フラ
バノール類と呼称される物質であり、本発明において
は、例えば、表3に示す化合物が用いられる。なお、表
3中、Hは水素原子、OHはヒドロキシ基を示す。
【0016】
【化8】一般式3: (式中、R乃至R10は任意の置換基を示す。)
【0017】
【表3】
【0018】一般式4の基本構造を有する物質は、カル
コン類と呼称される物質であり、本発明においては、例
えば、表4に示す化合物が用いられる。なお、表4中、
Hは水素原子、OHはヒドロキシ基を示す。
【0019】
【化9】一般式4: (式中、R乃至R11は任意の置換基を示す。)
【0020】
【表4】
【0021】一般式5の基本構造を有する物質は、オー
ロン類と呼称される物質であり、本発明においては、例
えば、表5に示す化合物が用いられる。なお、表5中、
Hは水素原子、OHはヒドロキシ基、OCHはメトキ
シ基を示す。
【0022】
【化10】一般式5: (式中、R乃至R10は任意の置換基を示す。)
【0023】
【表5】
【0024】本発明に用いられる一般式1乃至5の物
質、つまり、フラボン類、フラボノール類、フラバノン
類、フラバノノール類、アントシアニジン類、フラバノ
ール類、カルコン類及びオーロン類、又はその前駆体
は、通常は、アグリコンあるいは配糖体の形態のものが
用いられる。また、それらの重合体などの天然に存在す
る誘導体であっても、また、一般式1乃至5で表される
基本構造を有してなくとも、摂取後に生体内の代謝によ
り、構造が変化して一般式1乃至5で表される基本構造
を有する物質に変化する物質、いわゆる誘導体であって
もよく、含カルシウム組織のカルシウムを増強できるも
のであればよい。このようなものにアントシアニジン類
の一種のシアニジンの前駆体であるプロアントシアニジ
ンや、プロアントシアニジンの重合体であるプロアント
シアニジンポリマー(柿のタンニン)などがある。一般
式1乃至5の物質又はその誘導体は、その由来や純度は
問わず、必要に応じて、例えば、比較的多量に含まれる
植物材料を適宜の溶媒で抽出し、得られた抽出液をその
まま用いたり、さらに精製して純度を高めて用いること
ができる。また、人工的に合成されて得られたものであ
ってもよく、市販品も好適に用いることができる。ま
た、必要に応じて、適宜な化学的又は生化学的な手法に
より、メチル化、エチル化、メトキシ化、エトキシ化、
硫酸化、配糖化などの誘導体化や、ポリエチレングリコ
ールなどの水溶性高分子を結合させ、水溶性及び/又は
安定性を向上させた誘導体として利用することも有利に
実施にできる。このような例として、α−グルコシルル
チン(商品名『αGルチン』、株式会社林原商事販
売)、α−グルコシルヘスペリジン(商品名『αGヘス
ペリジン』、株式会社林原商事販売)、メチル化ヘスペ
リジン(アルプス薬品工業販売)、α−グリコシルケル
セチン、α−グリコシルナリンジンなどがある。水に溶
解しにくい物質を用いる場合には、必要に応じて、本発
明の効果を損ねない範囲内で、ジメチルスルホキシド、
エタノールなどの溶媒によって溶解したり、トレハロー
スなどの糖質とともに溶解して利用することも、懸濁状
態で利用することも有利に実施できる。
【0025】また、本発明に用いられる一般式1乃至5
の物質は、骨粗鬆症治療又は予防作用の知られているイ
ソフラボン類と併用した場合、含カルシウム組織を強化
する作用が相乗的に著しく増強されるという特徴を持っ
ている。イソフラボン類は、一般式6に示される構造を
有する物質の総称であり、本発明の含カルシウム組織強
化剤に配合される物質としては、そのアグリコン及び/
又はその配糖体が用いられる。例えば、本発明において
は、表6に示される物質が挙げられ、本発明の含カルシ
ウム組織強化剤に好適に配合される。イソフラボン類
は、本発明に用いられる一般式1乃至5の物質が発揮す
る含カルシウム組織へのカルシウム沈着作用をさらに増
強できるものであればよく、その由来や純度は問わず、
必要に応じて、例えば、比較的多量に含まれている植物
材料を適宜の溶媒で抽出し、得られた抽出液をそのまま
用いたり、さらに精製して純度を高めて用いることがで
きる。この例としては、大豆イソフラボンがある。ま
た、人工的に合成されて得られたものであってもよく、
さらには、市販品も好適に用いることができる。水に溶
解しにくい物質を用いる場合、必要に応じて、本発明の
効果を損ねない範囲内で、ジメチルスルホキシド、エタ
ノールなどの溶媒を用いて溶解して利用することも、
α,α−トレハロースなどの糖質とともに溶解させた
り、また、懸濁状態で利用することも有利に実施でき
る。また、必要に応じて、適宜な化学的又は生化学的な
手法により更に修飾して、例えば、メチル化、エチル
化、メトキシ化、エトキシ化、硫酸化、配糖化などの処
理を行ない、水溶性及び/又は安定性を向上させた誘導
体として利用することも有利に実施にできる。このよう
な例として、α−グリコシルイソフラボンがある。
【0026】
【化11】一般式6: (式中、R乃至R10は任意の置換基を示す。)
【0027】
【表6】
【0028】本発明でいう含カルシウム組織とは、固体
結晶状のカルシウム、例えば、ヒドロキシアパタイトな
どのリン酸カルシウム塩が比較的多量に存在する組織で
あり、このような組織として、骨組織、とりわけ硬骨組
織、及び歯の組織が挙げられ、これら組織において本発
明の含カルシウム組織強化剤の有する効果が発揮され
る。
【0029】本発明の含カルシウム組織強化剤は、有効
成分である一般式1乃至5の物質、又は、一般式1乃至
5の物質及びイソフラボン類以外に、必要に応じて、例
えば、無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乳糖、
α,α−トレハロース、α,β−トレハロース、アラビ
アゴム、コーンスターチ、結晶セルロース等の賦形剤、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等
の結合剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢
剤、澱粉、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の
崩壊剤、水、エタノール等の溶媒等を含有させることが
できる。また、これらによって、粉末、顆粒、錠剤、
顆、液状、ペースト状、懸濁状など、適宜な形態とする
ことができる。とりわけ、α,α−トレハロースについ
ては、特開2000−38343号公報及び特開200
0−198736号公報に開示されているように骨粗鬆
症予防、治療薬として有利に利用できることから、有利
に利用できる。
【0030】本発明の含カルシウム組織強化剤の有効成
分として含まれる一般式1乃至5の物質、又は、一般式
1乃至5の物質及びイソフラボン類は、有効成分のみの
配合、又は、有効成分と製剤上許容し得る担体又は希釈
剤との混合物の何れでも製剤として使用できる。製剤中
の有効成分の量は、無水物換算で、0.0001重量%
以上、望ましくは0.001重量%以上である。本発明
の含カルシウム組織強化剤は、経口、非経口何れでも投
与できる。本発明の含カルシウム組織強化剤の投与量
は、投与形態、投与対象者に応じて、本発明の効果が発
揮するのに十分な量を投与すべきであるので、投与量を
限定することは無意味であるものの、一般的な目安とし
て表記するならば、ヒトを対象にする場合、通常は、1
回又は数回に分けて投与し、1日あたり有効成分量とし
て0.1〜500mg/kg体重、好ましくは0.5〜
200mg/kg体重である。
【0031】本発明の含カルシウム組織強化剤の有効成
分として用いられる一般式1乃至5の物質、又は一般式
1乃至5の物質及びイソフラボン類は、食品添加物、化
粧品原料、医薬品原料などとして、既にその多くが、安
全性を確認されており、含カルシウム組織強化剤として
はもとより、これを配合してなる飲食物、化粧品又は医
薬品としても、極めて安全に投与、摂取若しくは使用す
ることができる。
【0032】本発明の含カルシウム組織強化剤の適用対
象としては、固体状のカルシウムを主成分とした骨組織
や歯組織を有する動物、つまり、人若しくは人以外の哺
乳類を含む脊椎動物全般に対して適用することができ
る。
【0033】本発明の含カルシウム組織強化剤は、骨粗
鬆症、骨折などの骨に関する疾患、虫歯及び歯周病に伴
う歯槽骨の弱体化などの歯に関する疾患の治療、回復促
進、または、それらの予防に効果を発揮する。さらに、
他の疾患の治療などに投与されたホルモン剤、サイトカ
イン剤などの薬剤の副作用による骨吸収や脱灰による骨
量低下の防止、天然骨又は人工骨の移植時の定着促進に
も用いられる。また、健常者においても、さまざまな骨
量低下を防止することに用いることができ、例えば、閉
経後又は産前産後の女性におけるホルモン分泌異常によ
る骨量の低下、過度のダイエットや栄養失調などに起因
するホルモン分泌異常による骨量の低下、高齢者の寝た
きり、上下肢の麻痺や長期入院などによる寝たきりによ
る運動不足による骨量の低下、宇宙や水中生活による無
重力若しくは低重力による骨量の低下、過度の運動トレ
ーニングなどに起因する骨量の低下を回復させたり、骨
量低下を事前に防止する効果を発揮する。また、幼少者
の成長時の骨形成促進、高齢者の骨量維持にも効果的で
ある。さらに、血漿中のカルシウムを含カルシウム組織
に沈着させるので、使用方法によっては、高カルシウム
血漿を改善する効果も期待できる。以上の効果は、人に
のみに限定されることはなく、例えば、イヌ、ネコ、ウ
シ、ブタ、ウマ、シカ、サイ、ゾウ、イノシシなどを含
む脊椎動物全般に対しても有利に適用できる。
【0034】医薬品に配合させる本発明の含カルシウム
組織強化剤は、本発明の含カルシウム組織強化剤の有効
量とともに、必要に応じて、従来知られている骨粗鬆症
治療薬を併用することにより、さらに高い効果が期待で
きる。骨粗鬆症治療薬としては、例えば、カルシトニン
製剤、エストロゲン製剤、ビスホスホネート製剤、ビタ
ミンD製剤、ビタミンK製剤などが挙げられる。また、
この他に医薬品に通常用いられる、例えば、麻酔剤、催
眠鎮痛剤、抗不安剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛消炎剤、
興奮剤、覚醒剤、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、中
枢神経用剤、骨格筋弛緩剤、自律神経用剤、鎮痙剤、眼
科用剤、耳鼻科用剤、鎮暈剤、強心剤、不整脈用剤、利
尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、冠血管拡張剤、末梢血
管拡張剤、高脂血症剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、気管
支拡張剤、アレルギー用剤、止瀉剤、整腸剤、消化性潰
瘍治療剤、健胃消化剤、制酸剤、利胆剤、脳下垂体ホル
モン剤、唾液腺ホルモン剤、甲状腺ホルモン剤、抗甲状
腺ホルモン剤、蛋白同化ステロイド剤、副腎皮質ホルモ
ン剤、男性ホルモン剤、卵胞ホルモン剤、黄体ホルモン
剤、混合ホルモン剤、泌尿生殖器剤、肛門剤、外科用殺
菌消毒剤、創傷保護剤、化膿性疾患用外用剤、鎮痛剤、
鎮痒剤、収斂剤、消炎剤、寄生虫皮膚疾患外用剤、皮膚
軟化剤、腐蝕剤、歯科・口腔用剤、ビタミン剤、無機質
製剤、補液剤、止血剤、血液凝固阻止剤、肝臓疾患用
剤、解毒剤、習慣性中毒用剤、痛風治療剤、酵素製剤、
糖尿病用剤、抗悪性腫瘍剤、抗ヒスタミン剤、刺激療法
剤、抗生物質、化学療法剤、生物学的製剤、駆虫剤、抗
原虫剤、調製用剤、X線造影剤及び診断用薬などの薬
剤、さらに、本発明の含カルシウム組織強化剤の摂取を
容易にさせる、例えば、補助剤、増量剤、希釈剤、賦形
剤、安定剤、防腐剤、着色剤、着香剤などの1又は複数
を適宜配合し、使用形態に応じて、例えば、エキス剤、
エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、
懸濁剤、乳剤、硬膏剤、坐剤、散剤、酒精剤、錠剤、シ
ロップ剤、浸剤、煎剤、注射剤、チンキ剤、点眼剤、ト
ローチ剤、軟膏剤、パップ剤、芳香水剤、リニメント
剤、リモナーデ剤、流エキス剤、ローション剤、ドリン
ク剤、さらには、必要に応じて、点鼻剤、鼻噴霧剤、下
気道用吸入剤、眼科用徐放剤、口腔粘膜貼付剤、浣腸剤
などに調製することができる。
【0035】本発明の含カルシウム組織強化剤は、その
調製が完了するまでの工程において、例えば、混和、混
捏、溶解、浸漬、散布、塗布、噴霧、注入などの方法に
より所定量の有効成分を含有させればよい。
【0036】また、本発明に用いられる一般式乃至5の
物質、又は、一般式1乃至5の物質及びイソフラボン
は、その有する作用効果、すなわち含カルシウム組織に
カルシウムを沈着させる作用を十分に発揮させるため
に、ミネラル、とりわけカルシウム化合物と同じに摂取
させることが望ましく、本発明の含カルシウム組織強化
剤に含有させるのが好ましい。また、この含カルシウム
組織強化剤を配合させた飲食物、化粧品又は医薬品に更
に配合することも有利に実施できる。カルシウム化合物
としては、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウ
ム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カル
シウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ニ水素カルシウ
ム、ホパンテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウ
ム、フッ化カルシウム、チオグリコール酸カルシウム、
硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酢酸カルシウム、
L−アスパラギン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、
リンゴ酸カルシウム、コハク酸カルシウム等が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0037】さらに、本発明の含カルシウム組織強化剤
の作用効果をさらに発揮させるためには、前記のカルシ
ウム化合物とともに、カルシウム以外のミネラル、例え
ば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、
リン、鉄、亜鉛などをバランス良く配合するのが好まし
い。特に、マグネシウム化合物は、高カルシウム血漿な
どを防止するうえでもカルシウムと同時に摂取するのが
望ましく、マグネシウム化合物の本発明の含カルシウム
組織強化剤への配合量は、カルシウム化合物に対して等
モル以下、望ましくは、カルシウム化合物1モルに対
し、0.5モル乃至0.05モルの範囲で配合される。
マグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、塩化
マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等
が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わ
せて用いることができる。
【0038】また、ミネラルは腸内において不溶化しや
すく、そのため吸収効率が低下しやすいことから、腸管
吸収を助け、生体への利用性を高めるミネラル吸収促進
作用を有する物質を本発明の含カルシウム組織強化剤に
含有させることも有利に実施できる。例えば、カゼイン
ホスホペプチドなどの蛋白質若しくはオリゴペプチド、
イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ
糖、ラクトスクロース、大豆オリゴ糖、α,α―トレハ
ロース、α,β−トレハロース、乳糖などのオリゴ糖、
乳酸、酢酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸などの有
機酸が挙げられ、有利に利用できる。
【0039】また、本発明の含カルシウム組織強化剤の
作用効果をさらに発揮させるためにビタミン類を、本発
明の含カルシウム組織強化剤に含有させることが望まし
い。ビタミン類としては、活性型ビタミンD、ビタミン
K、L−アスコルビン酸、又はそれらの誘導体などが挙
げられる。
【0040】以下、実験によって本発明を説明する。
【0041】
【実験1】<アルカリホスファターゼ活性を指標とする
各種有機化合物の検索>カルシウム沈着作用を有する骨
芽細胞を数的に増加させることが骨量増加において重要
であることから、マウス前骨芽細胞株MC3T3−E1
細胞(RCB1126、理研ジーンバンク)を骨芽細胞
へ分化させる物質を、植物成分として知られている有機
化合物について検索した。その指標として、前骨芽細胞
では活性が低く、前骨芽細胞が分化した骨芽細胞におい
ては活性が高いことが知られているアルカリホスファタ
ーゼ活性の測定を採用した。
【0042】<マウス前骨芽細胞の培養>マウス前骨芽
細胞株MC3T3−E1を10mMHEPES、10
(v/v)%牛胎児血清(ギブコ ビーアールエル社販
売)を含む表7に示す組成のα−MEM培地pH6.8
によって、細胞濃度5×10個/mlに調製し、24
穴プレート(ファルコン ベクトン ディッキンソン社
販売)に1穴当り1mlずつ5×10個の細胞を播種
し、細胞がプレート底面に付着するまで、37℃、5%
炭酸ガス雰囲気中で培養した。培地除去後、エタノール
に溶解した有機化合物、すなわち、インドメタシン(フ
ナコシ株式会社販売)(陽性対照)、ケンフェロール
(フナコシ株式会社販売)、没食子酸(ナカライテスク
株式会社販売)、カフェ酸(和光純薬工業株式会社販
売)、4−メチルウンベリフェロン(和光純薬工業株式
会社販売)、カフェイン(和光純薬工業株式会社販
売)、β−カロチン(シグマ社販売)、グリチルリチン
(片山化学工業株式会社販売)、メントール(和光純薬
工業株式会社販売)、テオフィリン(和光純薬工業株式
会社販売)、トコフェロール(シグマ社販売)、バニリ
ン(和光純薬工業株式会社販売)をそれぞれ20μMの
濃度で含有するα−MEM培地(10%(v/v)牛胎
児血清、10mMβ−グリセロホスフェートを含む)を
1mlずつ添加した。なお、培地中には最終濃度0.2
%(v/v)エタノールを含有するので、陰性対照とし
ては、0.2%(v/v)エタノールを含有するα−M
EM培地とした。3日おきに新鮮な各試料を含む培地、
又は含まない培地に交換しつつ8日間連続培養した。
【0043】
【表7】
【0044】<アルカリホスファターゼ活性の測定>ア
ルカリホスファターゼ活性の測定は、アルカリホスファ
B−テストワコー(和光純薬工業株式会社販売)を用い
て、カジイらの方法に準じて行った(アーチーブズ・オ
ブ・オーラル・バイオロジー(Archives of
OralBiology)、第44巻、233乃至2
41頁(1999))。すなわち、上記マウス前骨芽細
胞から培地を除去し、0.25Mスクロース溶液1ml
で3回洗浄し、1mM塩化マグネシウム、50mMスク
ロースを含む50mM炭酸塩緩衝液pH9.8を0.4
5ml、3.4mMp−ニトロフェニルリン酸ニナトリ
ウムを0.05ml順次添加し、25℃、5分間放置し
た後、0.6N水酸化ナトリウム1.5mlを添加する
ことで反応を停止させた。上記反応液中において、アル
カリホスファターゼの作用によって生成したp−ニトロ
フェノールの量を波長405nmの吸光度を測定し、そ
の値をアルカリフォスファターゼ活性とした。表8に
は、各試料におけるアルカリホスファターゼ活性と0.
2%(v/v)エタノールを含有する培地のみ添加した
陰性対照の活性との比を示した相対活性を纏めた。
【0045】
【表8】
【0046】表8の結果から、ケンフェロールは、陽性
対象であるインドメタシンよりも、マウス前骨芽細胞株
(MC3T3−E1)のアルカリホスファターゼ活性を
増強させた。この結果から、ケンフェロールは、マウス
前骨芽細胞のアルカリホスファターゼ活性を増強させる
ことから、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化させる作用を有
することが判明した。
【0047】
【実験2】<カルシウム沈着作用を指標にした各種有機
化合物の検索>実験1では、各種有機化合物を含有する
被験試料の有する前骨芽細胞から骨芽細胞への分化誘導
促進作用を調べた。次に、実際にカルシウム沈着作用を
増強させているかを調べた。有機化合物として、インド
メタシン(フナコシ株式会社販売販売)(陽性対照)、
ケンフェロール(フナコシ株式会社販売)、ヘスペレチ
ン(フナコシ株式会社販売)、没食子酸(ナカライテス
ク株式会社販売)、カフェ酸(和光純薬工業株式会社販
売)を用いた。これらをそれぞれ20μMの濃度で含有
するα−MEM培地(10%(v/v)牛胎児血清、1
0mMβ−グリセロホスフェートを含む)を1mlずつ
マウスMC3T3−E1細胞株に添加した。なお、培地
中には最終濃度0.2%(v/v)エタノールを含有す
るので、陰性対照としては、0.2%(v/v)エタノ
ールを含有するα−MEM培地とした。3日おきに新鮮
な各試料を含む培地、又は含まない培地に交換しつつ8
日間連続培養した。これらを常法にしたがって、アリザ
リンレッド−S染色法を行い、カルシウム沈着量を測定
した。すなわち、培養プレートから培地を除去した後、
ダルベッコ−リン酸緩衝生理食塩水1mlで2回洗浄
し、50(v/v)%エタノール水溶液を1ml添加し
て10分間室温で放置した。添加した50(v/v)%
エタノール水溶液を除去した後、蒸留水1mlを添加し
て再び10分間室温で放置した。添加した蒸留水を除去
した後、1%(w/v)アリザリンレッド−S(和光純
薬工業株式会社販売)溶液1mlを添加して10分間放
置した後、アリザリンレッド−S溶液を除去し、蒸留水
1mlで3回洗浄した。上記の処理によって、沈着した
カルシウムは培養プレート底面において赤色に染色され
るので、カルシウム沈着量を赤色化の度合いにより肉眼
判定した。判定基準は陰性対照(0.2%(v/v)エ
タノールを含む培地のみ)と同程度の染色を+、陽性対
照(インドメタシン)と同程度の染色を+++として、
陽性対照の染色の5割程度の染色の度合いを++とし
た。結果を表9に示す。
【0048】
【表9】
【0049】表9の結果から、ケンフェロールとヘスペ
レチンは、陽性対照として採用したインドメタシンとほ
ぼ同等のカルシウム沈着量であると判定された。この結
果から、ケンフェロールとヘスペレチンは、前骨芽細胞
のカルシウム沈着を増強する作用があることが判明し
た。
【0050】実験1及び2の結果から、ケンフェロール
は、前骨芽細胞のアルカリフォスファターゼ活性を増加
させる作用、つまり、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化させ
る作用を有すること、また、ケンフェロールやヘスペレ
チンはカルシウム沈着を増強させる作用を有することが
判明した。
【0051】
【実験3】<各種フラボノイドでの比較>ケンフェロー
ルやヘスペレチン以外の他のフラボノイドに属する化合
物についても同様の効果を有するかどうか調べた。フラ
ボン(関東化学株式会社販売)、アピゲニン(フナコシ
株式会社販売)、フラボノール(東京化成工業株式会社
販売)、ケルセチン(関東化学株式会社販売)、ケンフ
ェロール(フナコシ株式会社販売)、ルチン(関東化学
株式会社販売)、フラバノン(関東化学株式会社販
売)、ナリンゲニン(アルドリッチ販売)、ヘスペレチ
ン(フナコシ株式会社販売)、ヘスペリジン(関東化学
株式会社販売)、カルコン(メルク社販売)、フロレチ
ン(シグマ社販売)、カテキン(シグマ社販売)、イプ
リフラボン(ダイト株式会社販売)、タキシホリン(フ
ナコシ株式会社販売)、スルフレチン(フナコシ株式会
社販売)、シアニジン(フナコシ株式会社販売)を被験
試料として採用した。アルカリフォスファターゼ活性は
実験1の方法で測定した。一方、カルシウム沈着量の測
定は、カルシウムCテストワコー(和光純薬社製)を用
いて常法にしたがって行なった。すなわち、培養細胞か
ら培地を除去して、ダルベッコ−リン酸緩衝生理食塩水
1mlで3回洗浄した後、沈着したカルシウムを溶解さ
せるために、2N塩酸0.5mlを添加した。この溶解
液から5μlを採取し、0.88Mモノエタノールアミ
ン緩衝液(pH11)を0.5ml、69mM8−キノ
リノールを含む0.63mMオルトクレゾールフタレイ
ンコンプレクソン(カルシウムイオンとキレート複合体
を形成する。)0.05mlを添加・混合した。これ
を、波長570nmの吸光度を測定し、標準カルシウム
溶液を同波長で測定した値と比較して、プレート1穴あ
たりのカルシウム量を算出した。評価方法は、各試料に
おけるアルカリホスファターゼ活性及びカルシウム沈着
量について、それぞれ、0.2%(v/v)エタノール
を含有する培地のみ添加した陰性対照アルカリホスファ
ターゼ活性及びカルシウム沈着量に対する相対活性及び
相対量で比較することでおこなった。結果を表10に示
す。
【0052】
【表10】
【0053】表10の結果より、本発明の有効成分とす
るフラボノイドには、カルシウム沈着量の増加が認めら
れた。この結果から、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化さ
せ、カルシウムの沈着を増強する作用効果は、フラボン
類、フラボノール類、フラバノン類、フラバノノール
類、アントシアニジン類、フラバノール類、カルコン類
又はオーロン類に共通するものであることが判明した。
【0054】
【実験4】<アルカリフォスファターゼ活性増強におけ
るケンフェロール、ヘスペレチン又はイプリフラボンの
作用効果の比較>ケンフェロール又はヘスペレチンと、
すでに骨粗鬆症の治療薬として知られるイプリフラボン
を被験試料として用いて、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化
誘導させる作用の強度を比較した。各被験試料を含有す
る培地中での培養日数を3日、6日及び9日、培地中の
被験試料濃度を5、10、20μMとした以外は、実験
1の方法に準じて行った。培地のエタノール濃度は、各
披検試料濃度が5μMの時に0.05%(v/v)、1
0μMの時に0.1%(v/v)、20μMの時に0.
2%(v/v)となる。これらエタノール濃度と同一の
培地であって被験試料を含まないものを対照として設
け、対照の活性に対する相対活性を求めた。結果を図1
に示す。
【0055】図1の結果から、被験試料がケンフェロー
ルでは、濃度20μMの場合で、やや遅れて培養6日で
著しいアルカリホスファターゼ活性の増強が認められ、
また、被験試料がヘスペレチンでは、イプリフラボンに
比べてやや活性は劣るものの、培養3日で著しいアルカ
リホスファターゼ活性の増強が認められた。この結果か
ら、ケンフェロール及びヘスペレチンの、マウス前骨芽
細胞株(MC3T3−E1)のアルカリフォスファター
ゼ活性を増強させる効果は、骨粗鬆症剤としてのイプリ
フラボンの効果に匹敵することが判明した。
【0056】
【実験5】<カルシウム沈着増強におけるケンフェロー
ルとイプリフラボンの作用効果の比較>カルシウム沈着
量増強作用ついて、ケンフェロールとイプリフラボンと
を比較した。被験試料及び被験試料の添加方法は実験4
と同様にして行った。カルシウム沈着量の測定は、カル
シウムCテストワコー(和光純薬社製)を用いて常法に
したがって行なった。すなわち、培養細胞から培地を除
去して、ダルベッコ−リン酸緩衝生理食塩水1mlで3
回洗浄した後、沈着したカルシウムを溶解させるため
に、2N塩酸0.5mlを添加した。この溶解液から5
μlを採取し、0.88Mモノエタノールアミン緩衝液
(pH11)を0.5ml、69mM8−キノリノール
を含む0.63mMオルトクレゾールフタレインコンプ
レクソン(カルシウムイオンとキレート複合体を形成す
る。)0.05mlを添加・混合した。これを、波長5
70nmの吸光度を測定し、標準カルシウム溶液を同波
長で測定した値と比較して、プレート1穴あたりのカル
シウム量を算出した。ケンフェロールとイプリフラボン
の比較したものを図2に示す。なお、図には、対照のエ
タノールのみで処理したものも示してある。
【0057】図2の結果から、ケンフェロールはイプリ
フラボンよりも、優れたカルシウム沈着増強作用を示し
た。
【0058】実験4及び5から、ケンフェロール及びヘ
スペレチンは、マウス前骨芽細胞に対して、従来の抗骨
粗鬆症薬として知られているイプリフラボンと同様のア
ルカリホスファターゼ活性の上昇、及びカルシウム沈着
増強作用を有しており、含カルシウム組織を強化する作
用を有することが示された。
【0059】
【実験6】<カルシウム沈着増強におけるケンフェロー
ルとイプリフラボン、又はヘスペレチンとイプリフラボ
ンの併用効果>ケンフェロール又はヘスペレチンを用い
て、イソフラボン類であるイプリフラボンとの併用によ
るカルシウム沈着の増強作用を調べた。試料の調製方
法、細胞の培養方法は、各被験試料を含有する培地中で
の培養日数を5日間のみとした以外は実験1に準じて、
カルシウムの測定方法は実験3及び実験5に準じて行な
った。なお、各披検試料を含有する培地に含まれるエタ
ノール濃度は同一にした。被験試料として、ケンフェロ
ール5μM、10μM、20μM単独、イプリフラボン
5μM、10μM、20μM単独、又はケンフェロール
とともにイプリフラボンをそれぞれ5μM、10μM、
20μM併用したものを図3に、ヘスペレチン5μM、
10μM、20μM単独、イプリフラボン5μM、10
μM、20μM単独、又はヘスペレチンとともにイプリ
フラボンをそれぞれ5μM、10μM、20μM併用し
たものを図4に示した。
【0060】図3及び図4の結果から、前骨芽細胞に対
し、ケンフェロール及びヘスペレチンはイプリフラボン
と併用すると単独の場合より著しくカルシウム沈着が増
強され、併用による相乗効果が認められた。
【0061】
【実験7】<ラット大腿骨及び脛骨におけるカルシウム
沈着増強効果>3週齢雌性ウイスター系ラット6匹を1
群として用いた。各被験試料、すなわち、ヘスペレチン
(フナコシ株式会社販売)、ケルセチン(株式会社東京
化成販売)、α−グリコシルヘスペリジン(商品名『α
GヘスペリジンP』、林原商事株式会社販売)、α−グ
リコシルルチン(商品名『αGルチンP』、林原商事株
式会社販売)、イプリフラボン(ダイト株式会社販売)
(陽性対照)各1重量部を、表11に示す配合比率の高
スクロース添加飼料(表11における各数値は重量%を
示す)に配合し、それを餌としてラットに与えた。被験
試料の代わりにスクロース1重量部を添加した餌を与え
たラットを対照とした。水は自由摂取とした。試験開始
8週間後にラットを屠殺し、大腿骨及び脛骨を摘出し
た。摘出した大腿骨及び脛骨は100℃で約6時間乾燥
させた後、高精度分析用上皿電子天秤(商品名『HA1
80M/12QM』、株式会社エーアンドディー販売)
で乾燥重量を計測した。次に、大腿骨及び脛骨をるつぼ
に入れ、灰化炉で950℃、6時間処理して、十分に灰
化した後に塩酸液に溶解させ、これを試料液として、カ
ルシウム量を原子吸光光度計で定量した。カルシウム量
は、乾燥骨一本当りのカルシウム量を算出し、対照と比
較した。結果を表12に示す。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】表12の結果から、大腿骨及び脛骨のカル
シウム沈着量は各被験試料のいずれの場合も陰性対照に
比べて増強し、陽性対照のイプリフラボンと同等又は同
等以上であった。また、ヘスペリジン、α−グリコシル
ヘスペリジン及びα−グリコシルルチンといった配糖体
においても、カルシウム沈着量の増加が認められた。な
お、これらの配糖体を用いて、インビトロのアルカリホ
スファターゼ活性及びカルシウム沈着増強作用を調べた
ところ、有意な増強作用は認められなかった。したがっ
て、これらの効果を発揮するには、各フラボノイドがア
グリコンの形態をとっている必要があり、インビボ投与
では、腸管内若しくは生体内の酵素によって、糖の部分
が分解され、アグリコンとなって作用していることが推
察される。
【0065】
【実験8】<急性毒性試験>4週齢ウイスター系雌性ラ
ットを1群5匹使用した。被験試料として、実験3で用
いた各有機化合物、すなわち、フラボン(関東化学株式
会社販売)、アピゲニン(フナコシ株式会社販売)、フ
ラボノール(東京化成工業株式会社販売)、ケルセチン
(関東化学株式会社販売)、ケンフェロール(フナコシ
株式会社販売)、ルチン(関東化学株式会社販売)、フ
ラバノン(関東化学株式会社販売)、ナリンゲニン(ア
ルドリッチ販売)、ヘスペレチン(フナコシ株式会社販
売)、ヘスペリジン(関東化学株式会社販売)、カルコ
ン(メルク社販売)、フロレチン(シグマ社販売)、カ
テキン(シグマ社販売)、イプリフラボン(ダイト株式
会社販売)、タキシホリン(フナコシ株式会社販売)、
スルフレチン(フナコシ株式会社販売)又はシアニジン
(フナコシ株式会社販売)を各1重量部を5(w/v)
%アラビアゴム溶液25重量部に溶解若しくは懸濁し、
18時間絶食したラットに、胃ゾンデを用いて10ml
/kgラット体重の用量で強制経口投与した。以後、ラ
ットは恒温恒湿の条件で飼育し、餌と水は自由に与え
た。投与日を0日として各個体の体重を測定しつつ、1
4日間一般症状及び生死の状態を観察した。
【0066】2週間飼育した後、どの被験試料において
も死亡例はなく、また、体重減少はなく、外観は良好で
あり、一般症状として顕著なものは認められなかった。
よって、本発明の含カルシウム組織強化剤に有効成分と
して用いる一般式1乃至5の物質は極めて安全性が高い
ものと判断される。
【0067】以下、本発明の実施例を説明する。
【0068】
【実施例1】<液剤>α−グリコシルルチン(商品名
『αGルチンP』、株式会社林原商事販売)1重量部及
びケルセチン(フナコシ株式会社販売)0.1重量部を
エタノール50重量部に溶解させた後、さらに、水5,
000重量部、α,α−トレハロース(商品名『トレ
ハ』、株式会社林原商事販売)50重量部、乳酸カルシ
ウム3重量部、塩化マグネシウム1.5重量部及びカゼ
インホスホペプチド10重量部を添加し、混合溶解さ
せ、液状の含カルシウム組織強化剤を得た。
【0069】手軽に服用でき、吸収効率に優れるカルシ
ウムが配合されている本品は、含カルシウム組織を維持
・増強する効果があるため、骨粗鬆症、骨折などの治療
・予防又は回復促進などに有利に利用できる。
【0070】
【実施例2】<液剤>α−グリコシルヘスペリジン(商
品名『αGヘスペリジンPA』、株式会社林原商事販
売)1重量部及びヘスペレチン(フナコシ株式会社販
売)0.1重量部をエタノール50重量部に溶解させた
後、さらに、水5,000重量部、α,α−トレハロー
ス(商品名『トレハ』、株式会社林原商事販売)20重
量部、塩化カルシウム5重量部、塩化マグネシウム2.
5重量部及びラクトスクロース10重量部を添加し、混
合溶解させ、液状の含カルシウム組織強化剤を得た。
【0071】手軽に服用でき、吸収効率に優れるカルシ
ウムが配合されている本品は、含カルシウム組織を維持
・増強する効果があるため、骨粗鬆症、骨折などの治療
・予防又は回復促進などに有利に利用できる。
【0072】
【実施例3】<液剤>塩化ナトリウム6重量部、塩化カ
リウム0.3重量部、塩化カルシウム0.2重量部、乳
酸ナトリウム3.1重量部、α,β−トレハロース45
重量部及び特開平5−32690公報の実施例A−2の
方法で得た粉末状α−グルコシルケルセチン1重量部を
水1,000重量部に溶解し、常法にしたがって、精製
濾過してパイロジェンフリーとし、この溶液を滅菌した
25mlアンプルに充填して注射用の含カルシウム組織
強化剤を得た。
【0073】本品は、注射剤として、カルシウム組織を
維持・増強する効果があるため、骨粗鬆症、骨折などの
治療・予防又は回復促進などに有利に利用できる。
【0074】
【実施例4】<粉剤>α−グリコシルルチン(商品名
『αGルチンH』、株式会社林原商事販売)1重量部、
大豆イソフラボン(不二製油株式会社販売)5重量部、
α,α−トレハロース粉末(商品名『トレハ』、株式会
社林原商事販売)1000重量部、乳酸カルシウム1重
量部、硫酸マグネシウム0.5重量部を均一に混ぜ合わ
せたのち、乾燥し、粉末状の含カルシウム組織強化剤を
製造した。
【0075】安定な本品は、水に対して易溶であり、カ
ルシウム及びマグネシウムも含有するため、含カルシウ
ム組織を強化する優れた効果を有する。骨粗鬆症、骨折
などの治療・予防するための含カルシウム組織強化剤と
して、又は健康補助食品、保健機能食品などの健康食品
として有用である。
【0076】
【実施例5】<粉剤>α−グリコシルヘスペリジン(商
品名『αGヘスペリジンH』、株式会社林原商事販売)
1重量部、α,α−トレハロース粉末(商品名『トレ
ハ』、株式会社林原商事販売)1000重量部、乳酸カ
ルシウム1重量部、硫酸マグネシウム0.5重量部、L
−アスコルビン酸−2−グルコシド(商品名『AA2
G』、株式会社林原商事販売)3重量部を均一に混ぜ合
わせた後、乾燥し、粉末状の含カルシウム組織強化剤を
製造した。
【0077】安定な本品は、水に対して易溶であり、カ
ルシウム及びマグネシウムも含有するため、含カルシウ
ム組織を強化する優れた効果を有する。骨粗鬆症、骨折
などの治療・予防するための含カルシウム組織強化剤と
して、又は健康補助食品、保健機能食品などの健康食品
として有用である。
【0078】
【実施例6】<トローチ剤>α−グリコシルヘスペリジ
ン(商品名『αGヘスペリジンPA』、株式会社林原商
事販売)1重量部、及びヘスペレチン(フナコシ株式会
社販売)0.1重量部をエタノール1重量部に溶解し、
乳酸カルシウム2重量部、アラビアゴム10重量部、
α,α−トレハロース粉末(商品名『トレハ』、株式会
社林原商事販売)10重量部、スクラロース(三栄源エ
フ・エフ・アイ株式会社販売)5重量部、水3重量部を
よく混合し、常法により成形し、トローチ剤を得た。
【0079】安定な本品は、歯槽骨及び歯のカルシウム
量を維持・増強するトローチ剤として有用である。
【0080】
【実施例7】<トローチ剤>α−グリコシルルチン(商
品名『αGルチンP』、株式会社林原商事販売)1重量
部、及びケルセチン(フナコシ株式会社販売)0.1重
量部をエタノール1重量部に溶解し、これに乳酸カルシ
ウム2重量部、アラビアゴム10重量部、α,α−トレ
ハロース粉末(商品名『トレハ』、株式会社林原商事販
売)10重量部、糖転移ステビア2重量部、水3重量部
をよく混合し、常法により成形し、トローチ剤を得た。
【0081】安定な本品は、歯槽骨及び歯のカルシウム
量を維持・増強するトローチ剤として有用である。
【0082】
【実施例8】<健康補助食品>α,α−トレハロース粉
末(商品名『トレハ』、株式会社林原商事販売)52重
量部、コーンスターチ40重量部、α−グリコシルルチ
ン(商品名『αGルチンP』、株式会社林原商事販売)
0.5重量部、α−グリコシルヘスペリジン(商品名
『αGヘスペリジンPA』、株式会社林原商事販売)
0.5重量部、L−アスコルビン酸−2−グルコシド
(商品名『AA2G』、株式会社林原商事販売)塩化カ
ルシウム0.1重量部及び結晶セルロース2.5重量部
を混合し、常法にしたがって、適量の水を噴霧滴下しな
がら混練し、流動層造粒したのち、粉砕し、整粒して打
錠用粉体を得た。これに潤沢剤として蔗糖脂肪酸エステ
ル2重量部を均一に混合した後、直径11mmの杵を装
着した打錠機により打錠して錠剤(約300mg/錠)
を得た。
【0083】摂取し易く、消化管における崩壊性に優れ
た本品は、骨量を維持・増強する健康補助食品、保健機
能食品などの健康食品として有用である。
【0084】
【実施例9】<ドリンク剤>α−グリコシルルチン(商
品名『αGルチンP』、株式会社林原商事販売)1重量
部、特開平4−13691号公報実施例A−2に記載さ
れた方法に準じて製造したα−グリコシルナリンジン1
重量部、グレープフルーツ果汁20重量部、α,α−ト
レハロース粉末(商品名『トレハ』、株式会社林原商事
販売)2重量部、クエン酸2重量部、L−アスコルビン
酸−2−グルコシド(商品名『AA2G』、株式会社林
原商事販売)1重量部、異性化糖5重量部、海水6重量
部、塩化カルシウム2重量部及び水160重量部を混合
し、ガラス瓶に100mlずつ充填した後、密栓しドリ
ンク剤を得た。
【0085】本品は、風味良好のうえ、含カルシウム組
織を強化する作用があるので、骨粗鬆症、骨折などの治
療・予防するためのドリンク剤として有用である。
【0086】
【実施例10】<ドリンク剤>α−グリコシルヘスペリ
ジン(商品名『αGヘスペリジンPA』、株式会社林原
商事販売)1重量部、リンゴ果汁50重量部、異性化糖
5重量部、L−アスコルビン酸2重量部、α,α−トレ
ハロース(商品名『トレハ』、株式会社林原商事販売)
3重量部、L−アスパラギン酸ナトリウム2重量部、水
35重量部を混合し、ガラス瓶に100mlずつ充填し
た後、密栓しドリンク剤を得た。
【0087】本品は、風味良好のうえ、含カルシウム組
織を強化する作用があるので、骨粗鬆症、骨折などの治
療・予防するためのドリンク剤として有用である。
【0088】
【実施例11】<ペースト剤>常法にしたがって、第二
リン酸カルシウム45重量部、プルラン3重量部、ラウ
リル硫酸ナトリウム1.5重量部、グリセリン20重量
部、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート0.5重
量部、ソルビトール10重量部、マルチトール7重量部
及び精製水12重量部にα−グリコシルヘスペリジン
(商品名『αGヘスペリジンPA』、株式会社林原商事
販売)を0.4重量部及びヘスペレチン(フナコシ株式
会社販売)0.1重量部を含有するエタノール溶液1重
量部を配合してペースト剤を得た。
【0089】安定な本品は、歯槽骨及び歯のカルシウム
量を維持・増強する練歯磨として有用である。
【0090】
【実施例12】<ペースト剤>常法にしたがって、第二
リン酸カルシウム45重量部、プルラン3重量部、ラウ
リル硫酸ナトリウム1.5重量部、グリセリン20重量
部、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート0.5重
量部、ソルビトール10重量部、マルチトール7重量部
及び精製水12重量部にα−グリコシルルチン(商品名
『αGルチンP』、株式会社林原商事販売)を0.4重
量部及びケルセチン(フナコシ株式会社販売)0.1重
量部を含有するエタノール溶液1重量部を配合して練歯
磨を得た。
【0091】安定な本品は、歯槽骨及び歯のカルシウム
量を維持・増強する練歯磨として有用である。
【0092】
【発明の効果】一般式1乃至5の物質を含有する含カル
シウム組織強化剤は、前骨芽細胞若しくは骨芽細胞にお
いて、強いカルシウム沈着活性を示し、さらにその作用
はイソフラボン類を添加することによって相乗的に著し
く増強されるので、骨成長並びに骨形成促進効果及び骨
量増加効果を有し、健康補助食品、保健機能食品などの
健康食品に含有させて摂取することができるのみなら
ず、日常的に食する飲食物としても違和感なく容易に摂
取できる。本発明のカルシウム組織強化剤は、特に高齢
者の骨や歯の弱体化を防ぐとともに、骨粗鬆症の治療及
び予防にも有用である。さらに、若年層においても、食
生活の変調により生じる骨成長や骨形成の遅延を予防す
るのに高い効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルカリフォスファターゼ活性増強作用にお
けるケンフェロール、ヘスペレチン又はイプリフラボン
の各濃度での経日変化を示す図である。
【図2】 カルシウム沈着増強作用におけるケンフェロ
ール又はイプリフラボンの各濃度での経日変化を示す図
である。
【図3】 カルシウム沈着増強作用におけるケンフェロ
ールとイプリフラボンとの各濃度での併用効果について
示す図である。
【図4】 カルシウム沈着増強作用におけるヘスペレチ
ンとイプリフラボンとの各濃度での併用効果について示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/343 A61K 31/353 4C084 31/353 31/375 4C086 31/375 31/59 4C206 31/59 31/7016 31/7016 31/702 31/702 31/7048 31/7048 33/06 33/06 A61P 1/02 38/00 3/14 38/17 19/08 A61P 1/02 19/10 3/14 C07D 311/30 19/08 307/83 19/10 311/32 C07D 311/30 311/36 // C07D 307/83 311/62 311/32 C07H 17/07 311/36 A23L 2/00 F 311/62 A61K 37/18 C07H 17/07 37/16 (72)発明者 栗本 雅司 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LK01 LK06 LK11 LK16 LL09 4B018 LB08 LE01 LE05 MD01 MD07 MD23 MD31 ME05 4C037 AA01 QA04 4C057 BB03 DD01 KK08 4C062 EE49 EE50 EE54 EE56 EE76 EE90 FF56 FF59 4C084 AA02 AA03 BA43 MA17 MA23 MA28 MA35 MA41 MA43 MA52 MA55 NA14 ZA672 ZA962 ZA972 ZC212 4C086 AA01 AA02 BA06 BA08 BA18 DA14 EA11 HA04 MA01 MA17 MA23 MA28 MA35 MA41 MA43 MA52 MA55 NA14 ZA67 ZA96 ZA97 ZC21 4C206 CB14 CB28 MA01 MA03 MA04 MA13 MA22 MA28 MA30 MA37 MA43 MA48 MA55 MA61 MA63 MA72 MA75 NA14 ZA67 ZA96 ZA97 ZC21

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分として、一般式1乃至5のいず
    れかで表される基本構造を有する物質又はその前駆体を
    1種又は2種以上含有することを特徴とする含カルシウ
    ム組織強化剤。 【化1】一般式1: (式中、Xは単結合又は2重結合を表し、R乃至R
    10は任意の置換基を表す。) 【化2】一般式2: (式中、R乃至R10は任意の置換基を表す。) 【化3】一般式3: (式中、R乃至R10は任意の置換基を表す。) 【化4】一般式4: (式中、R乃至R11は任意の置換基を表す。) 【化5】一般式5: (式中、R乃至R10は任意の置換基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式1乃至5で表される基本構造を有
    する物質又はその前駆体が、フラボン類、フラボノール
    類、フラバノン類、フラバノノール類、アントシアニジ
    ン類、フラバノール類、カルコン類及び/又はオーロン
    類、又はその前駆体であることを特徴とする請求項1に
    記載の含カルシウム組織強化剤。
  3. 【請求項3】 フラボン類、フラボノール類、フラバノ
    ン類、フラバノノール類、アントシアニジン類、フラバ
    ノール類、カルコン類及び/又はオーロン類が、アグリ
    コン、配糖体、重合体及び/又は誘導体であることを特
    徴とする請求項2に記載の含カルシウム組織強化剤。
  4. 【請求項4】 フラボノール類がケンフェロール又はケ
    ルセチンである請求項2又は3に記載の含カルシウム組
    織強化剤。
  5. 【請求項5】 フラバノン類がヘスペレチン又はナリン
    ゲニンである請求項2又は3に記載の含カルシウム組織
    強化剤。
  6. 【請求項6】 アントシアニジン類又はその前駆体がシ
    アニジン又はプロアントシアニジンである請求項2又は
    3に記載の含カルシウム組織強化剤。
  7. 【請求項7】 フラバノール類がカテキンである請求項
    2又は3に記載の含カルシウム組織強化剤。
  8. 【請求項8】 さらに有効成分としてイソフラボン類を
    含有してなる請求項1乃至7の何れかに記載の含カルシ
    ウム組織強化剤。
  9. 【請求項9】 イソフラボン類がイプリフラボン又は大
    豆イソフラボンである請求項8に記載の含カルシウム組
    織強化剤。
  10. 【請求項10】 イソフラボン類が、アグリコン、配糖
    体、重合体及び/又は誘導体であるであることを特徴と
    する請求項8又は9に記載の含カルシウム組織強化剤。
  11. 【請求項11】 さらに、ミネラル、ミネラル吸収促進
    作用を有する物質、オリゴ糖及びビタミンから選ばれる
    1種又は2種以上を含有する請求項1乃至10の何れか
    に記載の含カルシウム組織強化剤。
  12. 【請求項12】 ミネラルが、カルシウム化合物及び/
    又はマグネシウム化合物であることを特徴とする請求項
    11に記載の含カルシウム組織強化剤。
  13. 【請求項13】 ミネラル吸収促進作用を有する物質
    が、カゼインホスホペプチド及び/又はオリゴ糖である
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の含カルシ
    ウム組織強化剤。
  14. 【請求項14】 オリゴ糖が、フラクトオリゴ糖、イソ
    マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラクトスクロース、
    大豆オリゴ糖、α,α−トレハロース及び/又はα,β
    −トレハロースであることを特徴とする請求項11乃至
    13のいずれかに記載の含カルシウム組織強化剤。
  15. 【請求項15】 ビタミンが、ビタミンD、ビタミン
    K、L−アスコルビン酸及び/又はその誘導体であるこ
    とを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の
    含カルシウム組織強化剤。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15の何れかに記載の含
    カルシウム組織強化剤を配合してなる飲食物、化粧品又
    は医薬品。
  17. 【請求項17】 飲食物が健康食品であることを特徴と
    する請求項16に記載の飲食物。
JP2002130154A 2001-05-01 2002-05-01 含カルシウム組織強化剤 Expired - Lifetime JP4390428B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002130154A JP4390428B2 (ja) 2001-05-01 2002-05-01 含カルシウム組織強化剤
PCT/JP2002/004407 WO2003092666A1 (fr) 2002-05-01 2002-05-02 Agents de renforcement de tissus contenant du calcium et utilisation correspondante
TW091109304A TWI331032B (ja) 2002-05-01 2002-05-02
US10/513,119 US20050215493A1 (en) 2002-05-01 2002-05-02 Calcium-containing tissue strengthening agents and use thereof
EP02807341.9A EP1514540B1 (en) 2002-05-01 2002-05-02 Calcium-containing tissue strengthening agents and use thereof
KR1020047017557A KR100946822B1 (ko) 2002-05-01 2002-05-02 칼슘 함유 조직 강화제 및 그 용도
US12/210,587 US8778882B2 (en) 2002-05-01 2008-09-15 Agent for strengthening calcium containing tissue and use thereof

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-134495 2001-05-01
JP2001134495 2001-05-01
JP2002130154A JP4390428B2 (ja) 2001-05-01 2002-05-01 含カルシウム組織強化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003026572A true JP2003026572A (ja) 2003-01-29
JP4390428B2 JP4390428B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=26614602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002130154A Expired - Lifetime JP4390428B2 (ja) 2001-05-01 2002-05-01 含カルシウム組織強化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4390428B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004030683A1 (ja) * 2002-10-01 2004-04-15 Takara Bio Inc. 治療剤
JP2005034135A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Meiji Seika Kaisha Ltd 一般食品、保健機能食品または健康補助食品の機能増強組成物及びその方法
JP2006067946A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Ito En Ltd ヘスペリジン含有飲料
JPWO2004096198A1 (ja) * 2003-05-02 2006-07-13 タカラバイオ株式会社 治療剤
JP2006213638A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Tokyo Univ Of Pharmacy & Life Science 微小重力環境下における骨量低下を抑制するための組成物
JP2009526748A (ja) * 2006-02-17 2009-07-23 ベリトロン・リミテッド カルシウム吸収促進剤
JP2009209066A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Toyo Seito Kk 生体吸収性に優れたヘスペレチン組成物
JP2009219394A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Seizo Fujikawa 過冷却飲料
JP2009256350A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Institute Of Physical & Chemical Research 骨分化誘導剤
JP2013542924A (ja) * 2010-09-17 2013-11-28 ストークリー−ヴァン キャンプ インコーポレイテッド 血中乳酸濃度を減少させる方法
JP2014051535A (ja) * 2013-12-19 2014-03-20 Fujifilm Corp 鉄、カルシウム、又はマグネシウムの吸収を促進する方法
JP2015017123A (ja) * 2007-05-25 2015-01-29 株式会社林原 α−グリコシルヘスペリジンを含有する経口投与・摂取用のSCF産生抑制剤
WO2018079715A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 サントリーホールディングス株式会社 Foxo1活性阻害用組成物
WO2019059275A1 (ja) * 2017-09-21 2019-03-28 学校法人北陸大学 骨のリモデリング促進剤

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004030683A1 (ja) * 2002-10-01 2004-04-15 Takara Bio Inc. 治療剤
JPWO2004096198A1 (ja) * 2003-05-02 2006-07-13 タカラバイオ株式会社 治療剤
JP2005034135A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Meiji Seika Kaisha Ltd 一般食品、保健機能食品または健康補助食品の機能増強組成物及びその方法
JP4553604B2 (ja) * 2003-06-30 2010-09-29 明治製菓株式会社 一般食品、保健機能食品または健康補助食品の機能増強組成物及びその方法
JP2006067946A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Ito En Ltd ヘスペリジン含有飲料
JP2006213638A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Tokyo Univ Of Pharmacy & Life Science 微小重力環境下における骨量低下を抑制するための組成物
JP2009526748A (ja) * 2006-02-17 2009-07-23 ベリトロン・リミテッド カルシウム吸収促進剤
JP2015017123A (ja) * 2007-05-25 2015-01-29 株式会社林原 α−グリコシルヘスペリジンを含有する経口投与・摂取用のSCF産生抑制剤
JP2009209066A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Toyo Seito Kk 生体吸収性に優れたヘスペレチン組成物
JP2009219394A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Seizo Fujikawa 過冷却飲料
JP2009256350A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Institute Of Physical & Chemical Research 骨分化誘導剤
JP2013542924A (ja) * 2010-09-17 2013-11-28 ストークリー−ヴァン キャンプ インコーポレイテッド 血中乳酸濃度を減少させる方法
US9198453B2 (en) 2010-09-17 2015-12-01 Stokely-Van Camp, Inc. Methods of reducing blood lactate concentration
JP2014051535A (ja) * 2013-12-19 2014-03-20 Fujifilm Corp 鉄、カルシウム、又はマグネシウムの吸収を促進する方法
WO2018079715A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 サントリーホールディングス株式会社 Foxo1活性阻害用組成物
WO2019059275A1 (ja) * 2017-09-21 2019-03-28 学校法人北陸大学 骨のリモデリング促進剤
JPWO2019059275A1 (ja) * 2017-09-21 2020-09-03 学校法人北陸大学 骨のリモデリング促進剤
EP3685836A4 (en) * 2017-09-21 2021-06-02 Hokuriku University BONE REMODELING ACCELERATOR
US11517603B2 (en) 2017-09-21 2022-12-06 Hokuriku University Bone remodeling accelerator
JP7190185B2 (ja) 2017-09-21 2022-12-15 学校法人北陸大学 骨のリモデリング促進剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP4390428B2 (ja) 2009-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8778882B2 (en) Agent for strengthening calcium containing tissue and use thereof
EP1072254B1 (en) Food compositions, compositions for oral cavity and medicinal compositions for preventing or treating periodontosis
US10918613B2 (en) Antioxidant compositions for treatment of inflammation or oxidative damage
JP4390428B2 (ja) 含カルシウム組織強化剤
US5478579A (en) Method for treatment of osteoporosis
ES2260293T3 (es) Composicion que comprende acido hidroxicitrico y garcinol para reduccion de peso.
JP3648587B2 (ja) 歯周病予防又は歯周病進行予防食品組成物
ES2390965T3 (es) Procedimiento para inhibir la resorción ósea alveolar y la pérdida de membrana periodontal y composición para la utilización interna destinada a su utilización en el mismo
AU2020324628A1 (en) Composition for cartilage regeneration promotion
JP2008088113A (ja) 美白組成物
JP3749978B2 (ja) 抗骨粗鬆症作用を発揮する骨形成増進組成物
JP2002029953A (ja) 歯周病の予防または治療用の食品組成物、口腔用組成物
WO2019098811A2 (ko) Chp(시클로-히스프로)를 포함하는 골 손실 질환의 예방, 개선 또는 치료용 조성물
JP4584453B2 (ja) バイオフラボノールの混合物を含む組成物
JP5133645B2 (ja) セトラキサートを含有する美白剤
JP3441411B2 (ja) コレステロール低減化ペプチド
JPH0651628B2 (ja) 栄養剤組成物
WO2023074893A1 (ja) 軟骨再生組成物
JP2007063223A (ja) しみ又はそばかす予防又は治療用経口組成物及び食品
RU2273492C1 (ru) Композиция для профилактики и лечения болезней, вызываемых дефицитом кальция (варианты)
JP2002121146A (ja) 歯周病予防用製剤
JP3523248B2 (ja) コレステロール低減化ペプチド
RU2271822C1 (ru) Композиция для профилактики и лечения болезней, вызываемых дефицитом кальция (варианты)
RU2273493C1 (ru) Композиция для профилактики и лечения болезней, вызываемых дефицитом кальция (варианты)
JP2024026806A (ja) ポリフェノールを含む食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090715

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091006

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4390428

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term