JP2003026024A - 電動パワーステアリングの制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリングの制御装置

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JP2003026024A
JP2003026024A JP2001216225A JP2001216225A JP2003026024A JP 2003026024 A JP2003026024 A JP 2003026024A JP 2001216225 A JP2001216225 A JP 2001216225A JP 2001216225 A JP2001216225 A JP 2001216225A JP 2003026024 A JP2003026024 A JP 2003026024A
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Akio Okamura
彰夫 岡村
Tatsuya Mori
辰也 森
Takeshi Tada
剛 多田
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェールセーフ機能が信頼性高く実現され、
しかも回路構成が比較的簡素な電動パワーステアリング
の制御装置を提供する。 【解決手段】 モータ制御のための演算処理と入出力部
の異常監視を行うメインMCU31と、メインMCU3
1及び入出力部の異常監視を行うサブMCU32と、メ
インMCU31の異常監視を行う外部WDT回路(リセ
ット回路36)とを備えた制御部の構成(2CPU+1
WDTの構成)とし、その外部WDT回路(リセット回
路36)やHブリッジ駆動用の出力回路(ゲートロジッ
ク回路33、FET駆動回路34)などを一つのASI
Cで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の電動パワー
ステアリングの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動パワーステアリングシステ
ム(EPS)は、ハンドル操作によりステアリングシャ
フトに発生する操舵トルクをトルクセンサにより検出
し、この操舵トルクの検出値(或いは、さらに車速等の
検出値)に応じてステアリングシャフト等に取り付けら
れたアシストモータ(以下、場合により単にモータとい
う)に車両のバッテリーから電流を流して操舵補助トル
クを発生させるものである。そのためのモータの電流制
御には、通常四つのスイッチング素子(例えば、FE
T;電界効果トランジスタ)で構成されるHブリッジ回
路を用い、マイクロコンピュータ(以下、マイコンとい
う)を含む制御回路の制御で、このHブリッジ回路より
なるモータ駆動回路を介してモータをPWM(パルス幅
変調)方式で駆動する構成となっている。そして従来、
このEPSの制御回路は、モータ電流制御のための演算
処理を行う一つの処理回路(マイコンのCPUに相当す
る回路、或いはCPUを含む回路)と一つのWDT(ウ
オッチドッグタイマ)回路を備え、入力部と出力部の異
常(例えば、電源電圧の異常、前記モータ駆動回路の異
常など)を上記処理回路によって監視し、この処理回路
の暴走等の異常発生を上記WDT回路によって監視する
構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、EPSは、
軽自動車から小型車や普通車へと展開され市場は大幅に
拡大している。その中で、「走る」「曲がる」「止ま
る」の車の重要要素のうち、特に「曲がる」をアシスト
する重要保安装置として、EPSの制御装置(前記モー
タ駆動回路や制御回路を含む装置であり、通常一体のユ
ニット品として車両に搭載される)は、より高い信頼性
が要求されるようになってきている。しかしながら上記
従来の制御装置の構成は、このような状況において、フ
ェールセーフの点で十分とはいえなかった。というの
は、入力部、出力部、及び演算部の異常監視がそれぞれ
一つの回路によってのみ行われている構成(1重監視の
構成)であるため、その回路自身が異常を起こして異常
監視機能が不能になった場合には、異常発生が看過され
る可能性がある。例えば、まんがいちWDT回路によっ
て検出できない処理回路の異常が発生し、入力部又は出
力部の異常監視機能が不能になった場合、或いは、まん
がいちWDT回路と処理回路の両者が同時に異常になっ
た場合には、異常発生が認識されない恐れがある。その
ため、入力部、出力部、及び演算部の異常監視が二つの
別個の回路によって2重に行われる構成(2重監視の構
成)が望まれるが、上記従来の制御装置は、既述したよ
うに処理回路とWDT回路をそれぞれ1個だけ備える構
成であったため、この2重監視が実現できなかった。ま
た従来は、演算部に相当する処理回路の異常をWDT回
路でのみ検出し、このWDT回路が異常を検出した場
合、このWDT回路の出力として処理回路にリセット信
号を入力し、この処理回路よりなるマイコンの動作を単
純に再起動させる構成となっていた。このため、再起動
で解消できない処理回路の異常が発生した場合、再起動
後にWDT回路の異常検出で再びリセットされる動作が
繰り返され、この間にモータへの通電も不正常に繰り返
されるという、異常対応が確定しない状況が続く恐れが
あるという問題もあった。
【0004】なお、特開平5−213208号には、二
つの処理回路(メインCPUとサブCPU)と、これら
処理回路の異常をそれぞれ監視する二つの外部WDT回
路(第1ウオッチドッグタイマと第2ウオッチドッグタ
イマ)とを備えた制御装置が開示されている。このよう
な構成であると、各処理回路の暴走等の異常を各外部W
DT回路で検出して再起動をかけることが可能となると
ともに、モータ制御のための演算処理を行う一方の処理
回路(メインCPU)の異常や入力部及び出力部の異常
を、他方の処理回路(サブCPU)によっても監視し、
前述の2重監視を実現できる。しかしこの場合、回路構
成があまりに冗長で、部品点数が多くなり回路が大型化
し、大幅なコストアップが避けられないという問題があ
った。
【0005】また、特開平5−97042号には、二つ
の処理回路(メインCPUとサブCPU)を備え、これ
ら処理回路間でパルス信号の送受信を行い相互にパルス
信号の発生周期を監視する制御装置が開示されている。
この場合、外部WDT回路が全て削除されているため、
部品点数低減やコスト低減が図れるが、演算部(メイン
CPU)の2重監視が実現できないという欠点がある。
またこの場合、例えば処理回路が暴走したとしても、偶
然許容範囲の周期でパルス信号が発生し、異常として検
出されない恐れがあるという問題も残る。そこで本発明
は、フェールセーフ機能が信頼性高く実現され、しかも
回路構成が比較的簡素な電動パワーステアリングの制御
装置を提供することを目的としている。さらにいうと、
望ましくは、図4(a)及び(b)に示すフェールセー
フコンセンプトが達成できる制御装置を提供することを
目的としている。ここで、図4(a)は、二つの処理回
路(メインCPUとサブCPU)の相互監視と自己監視
(内部WDT回路による監視)を示している。また、図
4(b)は、入力部と出力部の2重監視(メインCPU
とサブCPUによる監視)と、演算部(メインCPU)
の2重監視(外部WDT回路とサブCPUによる監視)
を示している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明による電動パワ
ーステアリングの制御装置は、車両の操舵系に連結され
たアシストモータにより操舵補助トルクを発生させる電
動パワーステアリングの制御装置であって、前記アシス
トモータの各コイル端子を高電位電源ライン又は低電位
電源ラインに切り替え可能に接続するスイッチング素子
を含むモータ駆動回路と、前記操舵補助トルクが車両の
操舵トルクの検出値を含む検出値に対応した値になるよ
うに、前記モータ駆動回路を介して前記アシストモータ
の電流を制御するための演算処理を行うとともに、入出
力部の異常を監視し、異常検出時には異常対応処理を実
行する第1処理回路と、前記第1処理回路の異常及び入
出力部の異常を監視し、異常発生時に異常対応処理を実
行する第2処理回路と、前記第1処理回路の異常を検出
して前記第1処理回路にリセット信号を入力するする外
部ウオッチドッグタイマ回路(外部WDT回路)と、電
源投入時に前記第1処理回路及び第2処理回路にリセッ
ト信号を入力するパワーオンリセット回路とを有するも
のである。
【0007】ここで、「入出力部の異常」には、次のよ
うなものがあり得る。例えば、電源電圧の異常、モータ
駆動回路の異常(スイッチング素子の短絡故障や天絡又
は地絡故障)、回路部品や基板の過熱などがある。ま
た、「異常対応処理」としては、例えば、モータの通電
を停止するアシスト停止処理(具体的には、Hブリッジ
回路の全てのスイッチング素子を強制的にオフする処
理、又は/及び、Hブリッジ回路又はモータの通電ライ
ンに設けたリレーの接点をオフする処理)、モータの電
流を制限したり強制的に低下させる処理、音や光で警報
を出力する処理、或いはそれらを組み合わせた処理など
があり得る。但し、異常時の不正常な動作を確実に回避
して高い安全性を確保するためには、モータの通電を停
止する処理が含まれることが望ましい。
【0008】この発明によれば、入出力部の2重監視が
二つの処理回路(第1処理回路及び第2処理回路)によ
って行われるとともに、演算部(第1処理回路)の2重
監視が第2処理回路と外部WDT回路によって行われ、
図4(b)に示すフェールセーフコンセプトが実現され
るため、EPSの信頼性を十分高く確保できる。しか
も、外部WDT回路が1個だけ設けられた構成であるた
め、回路構成が比較的簡素となり、大幅なコストアップ
や大型化が回避される。
【0009】次に、本願発明の好ましい態様は、第1処
理回路及び第2処理回路が、双方向の通信ラインで接続
され、所定周期毎にそれぞれが正常であることを示す所
定のデータを互いに送受信し、所定のデータが受信でき
なかった場合、或いは所定のデータが所定時間内に受信
できなかった場合、相手方の処理回路が異常であると判
断して、異常対応処理を実行するものである。このよう
な構成であると、図4(b)に示す2重監視に加えて、
図4(a)に示す相互監視が実現される。またこの場合
の相互監視は、二つの処理回路間で送受信される信号の
周期のみならず、信号の内容(即ちデータ)が所定のデ
ータであるか否かをも監視するものであるため、より確
実に処理回路の異常発生を検出することができる。例え
ば、偶然許容範囲の周期で信号が発生しても、所定のデ
ータでなければ異常として検出される。このため、各処
理回路の異常をより確実に検出して異常対応処理を的確
に実行し、制御装置のフェールセール機能ひいてはEP
Sの信頼性をより高めることができる。
【0010】また、本願発明の好ましい別の態様は、第
1処理回路及び第2処理回路が、相手方の処理回路が異
常であると判断した場合、相手方の処理回路の異常を検
知したことを示す異常検知信号を相手方の処理回路に対
して送信し続け、前記異常検知信号を受信している場合
は、異常から正常に復帰しても異常対応処理を実行し続
け、第1処理回路及び第2処理回路が前記パワーオンリ
セット回路によって同時にリセットされた場合にのみ通
常動作に復帰するものである。このような構成では、異
常対応が確定しない状況が続く恐れがなくなる。例え
ば、第1処理回路が暴走し、外部WDT回路の機能によ
って第1処理回路がリセットされて再起動する場合で
も、前記暴走を検出した第2処理回路が異常検知信号を
第1処理回路に送信し続け、この異常検知信号を受信す
る第1処理回路は再起動後も異常対応処理(例えばモー
タの通電停止処理)を実行し続ける。そして、このよう
に異常検知信号が送信され異常対応処理の実行が継続さ
れる状態は、第1処理回路及び第2処理回路が同時にパ
ワーオンリセットされるまで変わらない。このため、処
理回路の再起動によって異常対応処理が実行されたりさ
れなかったり、不安定に変動する不具合が発生しない。
【0011】また、本願発明の好ましい別の態様は、第
1処理回路及び第2処理回路が、それぞれの処理回路自
身の異常を検出する内部ウオッチドッグタイマ回路を有
するものである。この場合、図4(b)に示す2重監視
に加えて、図4(a)に示す自己監視が実現され、さら
なる信頼性向上が図れる。
【0012】また、本願発明の好ましい別の態様は、第
1処理回路の演算処理に応じてモータ駆動回路を駆動す
る出力回路(例えば、ゲートロジック回路及びFET駆
動回路)と、外部ウオッチドッグタイマ回路と、パワー
オンリセット回路と、第1処理回路及び第2処理回路の
電源回路(例えば、定電圧回路)とが、一つのICチッ
プ(例えば、ASIC;特定用途向けIC)によって構
成されているものである。この構成であると、高い信頼
性が確保された構成でありながら、部品点数が減り、さ
らなる装置の小型化及びコストダウンが実現できる。ま
た、回路基板上の配線が減り、耐ノイズ性が向上するな
どの利点が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、電動パワーステアリングシ
ステム(制御装置含む)の回路構成の一形態例を、図1
により説明する。本システムは、車両の操舵系に連結さ
れて操舵補助トルクを発生するアシストモータ11(以
下、場合により単にモータ11という)と、このモータ
11を駆動回路12(Hブリッジ回路)を介して制御す
る制御回路13(後述する二つのMCU31,32より
なる制御部)と、車両の電源(バッテリー)14の出力
をもとにこの制御回路13に所定電力を供給する定電圧
回路15(電源回路)と、車両の操舵トルクを検出し操
舵トルクに応じたメイントルク信号とサブトルク信号を
出力するトルクセンサ16と、異常表示用のランプ17
と、エンジン回転数を検出する回転センサ18と、車速
を検出する車速センサ19とを備える。なお図1におい
て、符号20で示すものが、電動パワーステアリング装
置のコントロールユニット(以下、場合により単にユニ
ット20という)であり、本発明の制御装置に相当す
る。
【0014】また図1において、符号21で示すもの
は、車両のイグニションスイッチ(IGSW)であり、
本装置においては制御回路13の起動スイッチとして機
能する。また、符号22,23で示すものは、電磁リレ
ー(正確には電磁リレーの接点)であり、これら電磁リ
レーのコイルが制御回路13によって駆動制御される構
成となっている。電磁リレー22は、ユニット20の通
電ラインL1(高電位電源ライン)と電源の正極間を開
閉する電源リレーであり、電磁リレー23は、駆動回路
12とモータ11間の通電ラインL3を開閉するモータ
リレーである。これら電磁リレーは、装置の非稼働状態
において開状態に維持されて、例えばバッテリー逆接
(車両のバッテリーを反対の極性で接続すること)によ
る大電流の発生等を回避している。また、装置の稼働時
に地絡故障などの異常が起きた場合には、この故障に起
因する大電流の発生やモータの誤動作、或いは回生ロッ
クの回避のために、上記リレーをやはり開状態に切り換
えて各通電ラインL1,L3を遮断する構成となってい
る。なお、ここでいう回生ロックとは、駆動回路12
(Hブリッジ回路)を構成する後述のFETの短絡故障
(オン故障)などによって、モータのコイルの両端子が
接続された状態となり、モータにいわゆる回生制動力が
発生して、モータに連結されたハンドルが回転操作困難
になるか又は回転操作不能になる現象をいう。そして、
このような回生ロックの問題をリレーによって解決しよ
うとすれば、上記電磁リレー23のように、Hブリッジ
回路とモータ間の通電ラインにリレーを設ける必要があ
る。
【0015】また、符号24で示すものは、駆動回路1
2のグランド側に接続されたシャント抵抗であり、この
抵抗24の電圧降下分に相当する電圧が入力ラインL5
によって制御回路13(後述するMCU31,32)に
入力されている。なお、この入力ラインL5から入力さ
れる電圧値は、当然にモータ電流に比例するため、制御
回路13ではこの電圧値からモータ電流値を検知可能で
ある。また、符号25で示すものは、ノイズ発生を抑制
するためのノイズフィルタ(例えばチョークコイルより
なるもの)であり、通電ラインL1に直列に接続されて
いる。また、符号26で示すものは、駆動回路12やシ
ャント抵抗24などの発熱部に関連する温度を検出する
ためのサーミスタである。なお、駆動回路12、制御回
路13(後述するMCU31,32)やその周辺の入出
力回路等、定電圧回路15、電磁リレー23、シャント
抵抗24、チョークコイル25、サーミスタ26など
は、ユニット20内に設けられるユニット部品である。
電磁リレー22は、この場合ユニット20外(即ち、車
両側)に設けられているが、ユニット20内に設けられ
る場合もある。また、図1には示していないが、モータ
11の電流(以下、場合により単にモータ電流という)
が増大したときに電源をバックアップする電解コンデン
サ等が、通電ラインL1に接続されるのが一般的であ
る。
【0016】ここで、駆動回路12は、この場合4個の
電界効果トランジスタSW1〜SW4(以下、FETS
W1〜SW4という)をモータ31に対してHブリッジ
形に接続してなるHブリッジ回路よりなり、このHブリ
ッジ回路を構成するスイッチング素子である各FETS
W1〜SW4は、後述するFET駆動回路34から出力
されるPWM駆動信号によって動作する。各FETSW
1〜SW4のこの動作により、モータ11の各コイル端
子は、前記PWM駆動信号に応じたデューティ比で、通
電ラインL1(高電位電源ライン)又は通電ラインL2
(低電位電源ライン)に断続的に接続される。なお、各
FETSW1〜SW4は、例えば、Nチャンネルエンハ
ンスメント型MOSFETであり、その構造上、寄生ダ
イオードがドレイン・ソース間に作り込まれている。
【0017】次に、制御回路13は、主にモータ制御の
ための演算処理を行うメインMCU31(第1処理回
路)と、主に異常監視を行うサブMCU32(第2処理
回路)とを備える。また、これらMCUの周辺回路とし
ては、メインMCU31から出力されるモータ制御指令
(上段PWM信号、下段PWM信号、右方向信号、左方
向信号)をPWM駆動信号に変換するゲートロジック回
路33及びFET駆動回路34と、FET駆動回路34
に必要な電源電圧を生成する昇圧電源回路35と、各M
CU31,32に対するパワーオンリセット回路として
機能するとともに、メインMCU31に対する外部WD
T回路としても機能するリセット回路36と、PWM駆
動信号以外の信号入出力のための各種入力回路及び出力
回路とが設けられている。
【0018】そして入力回路としては、IGSW21の
端子電圧を検出し、この端子電圧がHレベルになると
(即ち、IGSW21がオンすると)各MCU31,3
2に起動信号を入力するIG電圧検出回路37と、トル
クセンサ16のメイントルク信号を増幅しモータ制御用
の操舵トルク検出信号としてメインMCU31に入力す
るトルク信号増幅回路38と、トルクセンサ16のメイ
ントルク信号を処理し異常監視用(フェール用)の操舵
トルク検出信号としてメインMCU31に入力するトル
ク信号処理回路39と、トルクセンサ16のサブトルク
信号を処理し異常監視用(フェール用)の操舵トルク検
出信号として各MCU31,32に入力するトルク信号
処理回路40と、回転センサ18の出力を処理しモータ
制御用のエンジン回転数検出信号としてメインMCU3
1に入力する回転信号処理回路41と、車速センサ19
の出力を処理しモータ制御用の車速検出信号として各M
CU31,32に入力する車速信号処理回路42と、モ
ータ11の各端子電圧(通電ラインL3,L4の各電
位)を平滑化して異常監視用のモータ端子電圧信号とし
て各MCU31,32に入力する端子電圧入力回路43
と、前述したシャント抵抗24の端子電圧を処理(リッ
プル成分の除去処理等)してモータ制御用及び異常監視
用のモータ電流信号として各MCU31,32に入力す
る電流検出回路44と、サーミスタ26の出力を処理し
て異常監視用の温度信号として各MCU31,32に入
力する温度入力回路45とが設けられている。また、ゲ
ートロジック回路33及びFET駆動回路34以外の出
力回路としては、各MCU31,32の制御でランプ1
7を点灯させるためのランプ駆動回路46と、各MCU
31,32の制御で電源リレー22とモータリレー23
をそれぞれ駆動するための電源リレー駆動回路47及び
モータリレー駆動回路48とが設けられている。
【0019】ここで、メインMCU31やサブMCU3
2は、いわゆるMCU(マイクロコントローラユニッ
ト)と呼ばれるワンチップのICよりなり、いわゆるC
PU,ROM,RAMなどのマイコンの構成要素(図示
省略)や、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変
換するA/Dコンバータ(図示省略)や、内部WDT回
路(図示省略)などを含むものであり、図示省略した外
部のクロック回路より入力されるクロック信号に基づい
て動作する。なお、これらMCU31,32の周辺回路
として、適宜設定変更する必要のあるプログラムデータ
や制御上のデータを書き換え可能に記憶するメモリ回路
(例えば、EEPROM)を設けてもよい。これらMC
U31,32は、IGSW21がオン操作されることに
よって初期化されて起動する。即ち、IGSW21がオ
ンすると、前述した起動信号がMCU31,32に入力
されるとともに、IGSW21を介して定電圧回路15
にバッテリ22の出力電圧が供給され、定電圧回路15
の出力電圧(Vdd)が立ち上がり、これに応じてリセ
ット回路36からリセット信号がMCU31,32に入
力されるため、各MCU31,32がリセットされて起
動する。
【0020】そして各MCU31,32は、起動する
と、異常が検出されていない正常状態である限り、電源
リレー22やモータリレー23をオンする制御を実行す
る。また、起動したメインMCU31は、正常状態であ
る限り、モータ11の通常の電流制御を行う。即ち、ト
ルク信号増幅回路38からの入力信号により検知される
操舵トルクの検出値、回転信号処理回路41からの入力
信号により検知されるエンジン回転数の検出値、及び車
速信号処理回路42からの入力信号により検知される車
速の検出値に応じた最適な操舵補助トルクを発生させる
べく、前記各検出値に応じたモータ電流の目標値(目標
電流値)を演算し、この目標電流値と電流フィードバッ
ク値(電流検出回路44からの入力値)に基づくモータ
制御指令(上段PWM信号、下段PWM信号、右方向信
号、左方向信号)を生成し、このモータ制御指令をゲー
トロジック回路33に対して更新して出力する処理を、
所定周期で繰り返し実行する。なお、モータ制御指令に
おける上段PWM信号は、上流側のFET(SW1,S
W3)のPWM駆動のためのデューティ比を指定する信
号であり、下段PWM信号は、下流側のFET(SW
2,SW4)のPWM駆動のためのデューティ比を指定
する信号である。また、右方向信号や左方向信号は、モ
ータ11の通電方向、即ち四つのFETのうちSW1及
びSW4を駆動するのか、又はSW3及びSW2を駆動
するのかを指定する信号である。
【0021】また、メインMCU31は、上述したモー
タ制御のための処理の他に、入出力部の異常を監視し、
異常検出時には異常対応処理を実行するフェールセーフ
機能を有する。例えば、電源電圧(例えば、ノイズフィ
ルタ25の後流側電圧VR)が許容範囲を超えたか否か
を所定周期で監視し、許容範囲を超えた場合には、各F
ETの駆動を強制停止する(前述の目標電流値に無関係
に各FETをオフ状態に維持する)とともに各リレー2
2,23をオフするアシスト停止処理を実行する。ま
た、端子電圧入力回路43から入力されるモータ端子電
圧信号に基づいて、モータ駆動回路12におけるFET
の短絡故障や天絡又は地絡故障の発生を判定し、故障発
生が判定された場合には、同様のアシスト停止処理を実
行する。また、電流検出回路44から入力されるモータ
電流信号に基づいて、モータ11の過電流や、モータ1
1等の過熱状態を判定し、異常な過電流や過熱状態と判
定した場合には、同様のアシスト停止処理を実行する。
また、温度入力回路45から入力される温度信号に基づ
いて、回路部品(例えば、各FETやリレー23)やそ
の半田付け部分等の過熱状態を判定し、異常な過熱状態
と判定した場合には、同様のアシスト停止処理を実行す
るといったフェールセーフ機能を実現する。なお、この
ような入出力部の異常検出時の異常対応処理としては、
上述したアシスト停止処理の代わりに、例えば過熱状態
を回避するための電流制限等を行ってもよい。また、上
述したアシスト停止処理や電流制限等の対応に加えて、
ランプ駆動回路46を介してランプ17を点灯(又は点
滅)させ、ユーザに異常を報知する動作を実行してもよ
い。
【0022】一方、サブMCU32は、モータ制御のた
めの演算処理は実行しないが、メインMCU31と同様
に入出力部の異常を監視し、異常検出時にはやはり同様
の異常対応処理を実行するフェールセーフ機能を有す
る。即ち、入力部と出力部の2重監視が二つのMCU3
1,32(即ち、二つのCPU)によって実現されてい
る。なお、各MCU31,32による異常監視は当然に
それぞれ別個に行われ、何れか一方のMCUが異常を検
出すれば、所定の異常対応処理が実行される構成となっ
ている。例えば、図1における信号ラインL6,L7
(サブMCU32からリレー駆動回路47,48やゲー
トロジック回路33への信号ライン)の電圧が、サブM
CU32の制御でアクティブになると、メインMCU3
1側の同様の信号ラインである信号ラインL8,L9や
前述したモータ制御指令の状態に無関係に、各リレー駆
動回路47,48が各リレー22,23をオフするとと
もに、ゲートロジック回路33が各FETのゲートを全
てオフする信号を出力するように、各リレー駆動回路4
7,48やゲートロジック回路33の構成が設定されて
いる。いいかえると、二つのMCU31,32が両方と
もモータ11の通電を許可している状態(アシスト停止
処理を指令していない状態)でなければ、モータ11の
駆動が実行されない構成となっている。また、ランプ駆
動回路46は、メインMCU31からの信号ラインL1
0と、サブMCU32からの信号ラインL11のうち、
いずれかの信号ラインの電圧がアクティブになると、ラ
ンプ17を点灯(又は点滅)させる構成(例えば、OR
回路よりなる構成)となっている。
【0023】また、各MCU31,32は、図示省略し
た内部WDT回路(例えば、規定時間内に各処理を終了
しないと、異常と判定してCPUをリセットする回路)
によって自身の異常をそれぞれ自己監視するとともに、
以下の如く相互に異常監視する構成となっている。即
ち、各MCU31,32は、図1に示すように双方向の
通信ラインL12(例えば、単方向シリアルデータ伝送
が可能な伝送路を逆向きに二つ設けてなるもの)で接続
されている。そして、送信要求が発生していないとき
は、図3(a)に示すように、メインMCU31が自身
が正常であることを示す所定のデータを含む信号(メイ
ン正常)を例えば5msec毎に1回送信し、同様にサ
ブMCU32が自身が正常であることを示す所定のデー
タを含む信号(サブ正常)を例えば5msec毎に1回
送信する。また、各MCU31,32は、所定周期毎に
(例えば1msec毎の更新タイミングで)更新するタ
イマ(監視タイマ)を内蔵しており、それぞれが起動後
に例えば図2に示すような処理を実行して相手方のMC
Uの異常(暴走等)を判定する。
【0024】まず、図2におけるステップS1で、通信
ラインL12を介してデータが受信されたか否か判定
し、受信された場合は、ステップS2でそのデータが前
記メイン正常又はサブ正常に相当する正常なものである
か否か判定する。そして、受信したデータが正常である
場合には、ステップS3で監視タイマをリセットし、次
の更新タイミングでステップS1から処理を繰り返す。
一方、ステップS1又はS2で判定結果が否定的な場合
(即ち、正常なデータが受信できていないときであり、
通信中の状態含む)には、ステップS4で監視タイマの
値を所定周期分(例えば1msec分)増加させ、ステ
ップS5で監視タイマがタイムアップしたか否か(即
ち、規定の満了時間、例えば20msecに到達したか
否か)判定し、タイムアップしていれば、ステップS6
に進んで異常確定処理を行う。一方、タイムアップして
いなければ、次の更新タイミングでステップS1から処
理を繰り返す。
【0025】ここで、ステップS6の異常確定処理で
は、前述の異常対応処理(例えば、前述したアシスト停
止処理)を実行するとともに、相手方のMCUの異常を
検知したことを示す異常検知信号を、この場合図1に示
す信号ラインL13又はL14を介して相手方のMCU
に送信し続ける(即ち、異常を検知したMCUがリセッ
トされるまで継続的に送信される)。そして、上記異常
検知信号を受信する側のMCUは、異常から正常に復帰
しても上記異常検知信号を受信することによって異常対
応処理を実行し、上記異常検知信号を受信している限
り、この異常対応処理を継続する。このため、異常とな
った一方のMCUが例えば内部WDT回路の働きで再起
動し、仮に正常状態に戻ったとしても、他方のMCUが
上記異常検知信号を出力しているために、その後は両方
のMCUが異常対応処理(例えば、前述したアシスト停
止処理)を実行している状態が継続され、例えばモータ
駆動が確実に停止された安全な状態が維持される。そし
てこの状態は、リセット回路36によるパワーオンリセ
ットによって各MCU31,32が同時にリセットされ
たとき(即ち本例では、IGSW21が再度オン操作さ
れたとき)にのみ解除されて、異常要因が無くなってい
れば正常状態に復帰する。なお、図3(b)は、メイン
MCU31が暴走した場合の通信動作の一例を示してい
る。この場合、メインMCU31が暴走してメイン正常
の信号が送信されなくなり、規定時間(例えば、20m
sec)が経過した時点で、サブMCU32が前述の処
理でこれを検知し、メインMCU31が暴走したことを
示すデータ(メイン暴走検知)を通信ラインL12から
送信している状況を示している。このように異常検知信
号は、上述したような別個の信号ラインL13,L14
によって送信されてもよいが、このメイン暴走検知の信
号のように、通信ラインL12を介して送信される信号
であってもよい。
【0026】次に、リセット回路36について説明す
る。リセット回路36は、信号ラインL15を介してサ
ブMCU32に対してリセット信号(RESET1)を
出力可能であり、信号ラインL16を介してメインMC
U31に対してリセット信号(RESET2)を出力可
能なもので、本発明のパワーオンリセット回路及び外部
ウオッチドッグタイマ回路に相当する。このリセット回
路36は、IGSW21のオン操作によって定電圧回路
15の出力が立ち上がると、各リセット信号(RESE
T1,RESET2)を両方とも所定期間だけアクティ
ブとして、各MCU31,32をリセットするパワーオ
ンリセット回路としての機能を有する。また、信号ライ
ンL17を介してメインMCU31から例えば周期的に
送信されるWDTクリアパルスが、例えば許容周期範囲
内で周期的に受信されない場合には、メインMCU31
の異常が発生したとしてリセット信号(RESET2)
のみを所定期間だけアクティブとして、メインMCU3
1のみをリセットする外部ウオッチドッグタイマ回路と
しての機能も有する。この結果、メインMCU31(演
算部)の異常は、このリセット回路36(外部ウオッチ
ドッグタイマ回路)とサブMCU32によって2重監視
されることになる。
【0027】次に、ユニット20の構造(回路の特徴的
構造含む)について説明する。ユニット20は、ユニッ
トの外壁を構成するとともに、基板の支持部材及び放熱
部材としても機能する例えばアルミ製の放熱ケース(図
示省略)と、アルミなどを基材とする金属基板(図示省
略)と、通常のプリント基板である絶縁基板(図示省
略)と、放熱ケースの開口側を覆うカバー(図示省略)
とよりなる。そして、放熱ケース内に金属基板と絶縁基
板を順次積層状態に取り付けて例えばバラ端子によって
相互に接続し、放熱ケースの開口側にカバーを取り付け
た構造となっている。ここで、例えば金属基板には、高
い放熱性が必要とされる駆動回路12(各FET含む)
やシャント抵抗24、及びこれら発熱源に関連する温度
を計測するサーミスタ26が実装される。一方、絶縁基
板には、各MCU31,32を含むそれ以外の全ての回
路要素(金属基板に実装されないもの)や外部配線のた
めのコネクタが実装される。そして本例の場合、上記絶
縁基板に実装される回路要素のうち、図1に示す定電圧
回路15、リセット回路36、昇圧電源回路35、ゲー
トロジック33、及びFET駆動回路34が、図1にお
いて一点鎖線で示すように、上記絶縁基板上に実装され
た一つのASICのチップによって構成されている。な
おここで、定電圧回路15は、本発明における第1処理
回路及び第2処理回路の電源回路に相当し、リセット回
路36は、外部ウオッチドッグタイマ回路及びパワーオ
ンリセット回路に相当し、ゲートロジック33及びFE
T駆動回路34は、第1処理回路の演算処理に応じてモ
ータ駆動回路を駆動する出力回路に相当する。
【0028】以上説明した制御装置(ユニット20)を
含むパワーステアリングシステムによれば、次のような
効果が得られる。即ち、入出力部の2重監視が二つの処
理回路(メインMCU31とサブMCU32)によって
行われるとともに、演算部(メインMCU31)の2重
監視がサブMCU32と外部WDT回路(リセット回路
36)によって行われ、図4(b)に示すフェールセー
フコンセプトが実現されるため、EPSの信頼性を十分
高く確保できる。しかも、外部WDT回路が1個だけ
(即ち、メインMCU31に対してだけ)設けられた構
成であるため、回路構成が比較的簡素となり、大幅なコ
ストアップや大型化が回避される。特に本例の場合に
は、パワーオンリセット回路の機能を併せ持つリセット
回路36によって外部WDT回路が構成されており、上
記外部WDT回路を設けるための部品点数増加は全くな
いから、既述した特開平5−97042号公報に開示さ
れた装置構成(外部WDT回路を持たない構成)に対し
ても、基本的な部品点数増加は全くなく、従来に対する
コストアップ等は極めて僅かに抑制できる。
【0029】また本実施の形態では、各MCU31,3
2が、双方向の通信ラインL12で接続され、所定周期
毎にそれぞれが正常であることを示すデータを互いに送
受信し、所定のデータが所定時間内に受信できなかった
場合、相手方のMCUが異常であると判断して、異常対
応処理を実行する。このため、図4(b)に示す2重監
視に加えて、図4(a)に示す相互監視が実現される。
またこの場合の相互監視は、二つのMCU間で送受信さ
れる信号の周期のみならず、信号の内容(即ちデータ)
が所定のデータであるか否かをも監視するものであるた
め、より確実にMCUの異常発生を検出することができ
る。例えば、偶然許容範囲の周期で信号が発生しても、
所定のデータでなければ異常として検出される。このた
め、各MCUの異常をより確実に検出して異常対応処理
を的確に実行し、ユニット20のフェールセール機能ひ
いてはEPSの信頼性をより高めることができる。
【0030】また、本実施の形態では、各MCU31,
32が、相手方のMCUが異常であると判断した場合、
相手方の異常を検知したことを示す異常検知信号を相手
方に対して送信し続け、この異常検知信号を受信してい
る場合は、異常から正常に復帰しても異常対応処理を実
行し続け、各MCU31,32がリセット回路36のパ
ワーオンリセット機能によって同時にリセットされた場
合にのみ通常動作に復帰する。このため、異常対応が確
定しない状況が続く恐れがなくなる。また、本実施の形
態では、各MCU31,32が、自身の異常を検出する
内部ウオッチドッグタイマ回路をそれぞれ有する。この
ため、図4(b)に示す2重監視に加えて、図4(a)
に示す相互監視と自己監視が実現され、さらなる信頼性
向上が図れる。
【0031】また、本実施の形態では、メインMCU3
1の演算処理に応じてモータ駆動回路12を駆動する出
力回路(ゲートロジック回路33、FET駆動回路3
4)と、外部ウオッチドッグタイマ回路及びパワーオン
リセット回路(リセット回路36)と、各MCU31,
32の電源回路(定電圧回路15)とが、一つのASI
Cによって構成されている。このため、高い信頼性が確
保された構成でありながら、部品点数が減り、さらなる
装置の小型化及びコストダウンが実現できる。また、回
路基板上の配線が減り、耐ノイズ性が向上するなどの利
点が得られる。さらに、ゲートロジック回路33及びF
ET駆動回路34を、別部品(いわゆるディスリート部
品)で構成する場合に比べて、低コストかつ小スペース
でICチップ内に構成でき、しかも前記FETSW1〜
SW4のゲート駆動立上り時の突入電流耐性を十分に確
保できる。このため、モータ駆動回路12の所望の電流
立上り特性が容易に確保できるとともに、ゲートロジッ
ク回路33及びFET駆動回路34を低コストかつ小型
なものとして、この点からも装置の小型化及びコストダ
ウンが図れる。
【0032】なお、本発明は上記形態例の態様に限られ
ず、各種の態様があり得ることはいうまでもない。例え
ば、サブMCU32が、上述した相互監視や前述した入
出力部の異常監視の処理以外にも、次のような異常監視
処理を実行する構成としてもよい。例えば、図1に示さ
ない信号ラインによって、各種制御情報(電流指令の状
態を示す信号等)がメインMCU31からサブMCU3
2に適宜送信され、サブMCU32では、例えばこの制
御情報と入出力部の情報(例えばトルク信号処理回路4
0から入力される信号、或いは電流検出回路44から入
力される信号)とを照らし合わせることによって、メイ
ンMCU31における演算処理が適正になされているか
否かを判定し、不適正であると判定した場合には、メイ
ンMCU31に異常が発生したとして、前述した異常対
応処理等を実行する構成でもよい。また本発明は、二つ
の処理回路と一つの外部WDT回路よりなる2CPU+
1WDTの構成(図4(b)に示す2重監視が達成でき
るもの)が基本であり、求められている信頼性の程度等
によっては、二つの処理回路間の相互監視や内部WDT
回路による異常監視の構成は不要である。
【0033】また、本発明における異常対応処理は、検
出された異常内容や異常を検出した回路の種類に応じ
て、具体的処理内容が異なることも当然にあり得る。例
えば、前記形態例において、サブMCU32がメインM
CU31の異常を検出したときには、いわゆるセルフア
シスト等の不具合を確実に回避するために、前述のアシ
スト停止処理(モータの通電を停止する処理)を含む処
理を確実に行い、逆にメインMCU31がサブMCU3
2の異常を検出したとき(メインMCU31は正常であ
るとき)には、即座にセルフアシスト等の不具合が発生
するわけではないので、例えばランプ17を点滅させて
走行の停止と速やかな修理をユーザに促す警報処理のみ
を行う態様でもよい。また、図1に示す構成において、
電磁リレー22(電源リレー)は、モータ駆動回路12
とグランド間の通電ラインL2に設けられていてもよ
く、また、電磁リレー23(モータリレー)は、モータ
駆動回路12とモータ11間の他方の通電ラインL4に
設けられていてもよい。また、電磁リレー23は必ずし
も必要ではなく、前述した回生ロックが問題とならない
場合(例えば、モータ11と操舵系との間にクラッチが
設けられ、モータ11と操舵系の連結が適宜解除できる
場合等)には、不要である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、入出力部の2重監視が
二つの処理回路(第1処理回路及び第2処理回路)によ
って行われるとともに、演算部(第1処理回路)の2重
監視が第2処理回路と外部WDT回路によって行われ、
図4(b)に示すフェールセーフコンセプトが実現され
るため、EPSの信頼性を十分高く確保できる。しか
も、外部WDT回路が1個だけ設けられた構成であるた
め、回路構成が比較的簡素となり、大幅なコストアップ
や大型化が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリングシステムの回路構成を
示す図である。
【図2】処理回路間の相互監視の処理を示すフローチャ
ートである。
【図3】処理回路間の相互監視のための信号送受信動作
を説明する図である。
【図4】フェールセーフコンセプトを示す図である。
【符号の説明】
11 アシストモータ 12 モータ駆動回路 13 制御回路 15 定電圧回路(電源回路) 16 トルクセンサ 20 コントロールユニット(制御装置) 31 メインMCU(第1処理回路) 32 サブMCU(第2処理回路) 33 ゲートロジック回路(出力回路) 34 FET駆動回路(出力回路) 36 リセット回路(外部WDT回路、パワーオンリセ
ット回路) SW1〜SW4 FET(スイッチング素子) L12 通信ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 剛 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町 801番地 オムロン株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC32 CC35 CC39 DA15 DA23 DA49 DD10 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA31 CA33 5H571 AA03 CC02 HA04 HA09 HC03 JJ03 KK05 LL14 LL22 LL45 MM02 MM08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操舵系に連結されたアシストモー
    タにより操舵補助トルクを発生させる電動パワーステア
    リングの制御装置であって、 前記アシストモータの各コイル端子を高電位電源ライン
    又は低電位電源ラインに切り替え可能に接続するスイッ
    チング素子を含むモータ駆動回路と、 前記操舵補助トルクが車両の操舵トルクの検出値を含む
    検出値に対応した値になるように、前記モータ駆動回路
    を介して前記アシストモータの電流を制御するための演
    算処理を行うとともに、入出力部の異常を監視し、異常
    検出時には異常対応処理を実行する第1処理回路と、 前記第1処理回路の異常及び入出力部の異常を監視し、
    異常発生時に異常対応処理を実行する第2処理回路と、 前記第1処理回路の異常を検出して前記第1処理回路に
    リセット信号を入力するする外部ウオッチドッグタイマ
    回路と、 電源投入時に前記第1処理回路及び第2処理回路にリセ
    ット信号を入力するパワーオンリセット回路とを有する
    ことを特徴とする電動パワーステアリングの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1処理回路及び第2処理回路は、
    双方向の通信ラインで接続され、所定周期毎にそれぞれ
    が正常であることを示す所定のデータを互いに送受信
    し、所定のデータが受信できなかった場合、或いは所定
    のデータが所定時間内に受信できなかった場合、相手方
    の処理回路が異常であると判断して、異常対応処理を実
    行することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステ
    アリングの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1処理回路及び第2処理回路は、
    相手方の処理回路が異常であると判断した場合、相手方
    の処理回路の異常を検知したことを示す異常検知信号を
    相手方の処理回路に対して送信し続け、前記異常検知信
    号を受信している場合は、異常から正常に復帰しても異
    常対応処理を実行し続け、前記第1処理回路及び第2処
    理回路が前記パワーオンリセット回路によって同時にリ
    セットされた場合にのみ通常動作に復帰することを特徴
    とする請求項2記載の電動パワーステアリングの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記異常対応処理には、アシストモータ
    の通電を停止する処理が含まれていることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載の電動パワーステアリン
    グの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記第1処理回路及び第2処理回路は、
    それぞれの処理回路自身の異常を検出する内部ウオッチ
    ドッグタイマ回路を有することを特徴とする請求項1乃
    至4の何れかに記載の電動パワーステアリングの制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1処理回路の演算処理に応じて前
    記モータ駆動回路を駆動する出力回路と、前記外部ウオ
    ッチドッグタイマ回路と、前記パワーオンリセット回路
    と、前記第1処理回路及び第2処理回路の電源回路と
    が、一つのICチップによって構成されていることを特
    徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動パワース
    テアリングの制御装置。
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