JP2003026022A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

Info

Publication number
JP2003026022A
JP2003026022A JP2001211626A JP2001211626A JP2003026022A JP 2003026022 A JP2003026022 A JP 2003026022A JP 2001211626 A JP2001211626 A JP 2001211626A JP 2001211626 A JP2001211626 A JP 2001211626A JP 2003026022 A JP2003026022 A JP 2003026022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
angular velocity
negative feedback
electric power
power steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001211626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3888864B2 (ja
Inventor
Toshihiro Takahashi
俊博 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Koki KK filed Critical Toyoda Koki KK
Priority to JP2001211626A priority Critical patent/JP3888864B2/ja
Publication of JP2003026022A publication Critical patent/JP2003026022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3888864B2 publication Critical patent/JP3888864B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アシストゲインを大きくしても安定性の高い
出力特性を示す電動パワーステアリング装置により、異
音や振動の表面化若しくは顕在化を回避する。 【解決手段】 「出力トルク演算部」の特徴は、操舵角
速度ωにゲインKを乗じて、負帰還している点(角速度
高速負帰還制御手段)にある。即ち、出力トルクTの値
は、慣性補償トルクTI 、アシスト・トルクTA 、ハン
ドル戻しトルクT R 、及びダンパー・トルクTD を用い
て、式「T=TA +TI +TD +TR −K・ω」により
算出される。ただし、操舵角速度ωに関する負帰還制御
は、モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異
音等の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期
(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で実行
する。この制御周期Δtは、ダンパー・トルクTD 等の
演算周期よりも十分に短く設定する。例えば、概ね1/
10f〜1/100f程度が適正範囲と考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータの回転数又
は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速
度検出手段を有する車載用の電動パワーステアリング装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】検出された操舵トルクτに応じて、出力
するアシストトルクTA の値を決定する電動パワーステ
アリング装置が一般に普及しており、これらの電動パワ
ーステアリング装置の中には、制御系の安定性を得るた
めに、位相補償フィルタを設けて伝達特性を調整してい
る装置も多い。従来装置に見られるこの様な位相補償フ
ィルタは、応答の遅れによって生じる振動や発振現象を
緩和若しくは抑制するために用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ハンドルを軽くしよう
とした場合、アシストゲイン(α≡∂TA /∂τ)を大
きくしておく必要が生じるが、このゲインαを大きく設
定すると、制御系が不安定に成り易く、例えば後述の図
8の上側の周波数応答性に係わるグラフに例示される様
な所謂「ハンプ」等と呼ばれている現象が発生すること
があり、これにより、モータへの通電に伴って車両のキ
ャビン内に異音が生じたり、或いはハンドルに不快な振
動が発生したりすることがある。
【0004】この対策としては、例えば、位相補償フィ
ルタのゲイン(以下、「位相補償ゲイン」と言う。)を
高く設定する方法が考えられるが、この様な位相補償制
御におけるチューニングだけではハンプの低減効果には
限界があり、一般には、この様な方法による特性改善は
困難な場合が多い。また、位相補償ゲインを高く設定す
ると、制御系がノイズ等の振動成分に対する応答性も敏
感となるため、ノイズ等の振動成分に起因する異音や振
動が表面化或いは顕在化してしまう等の問題が派生す
る。
【0005】図6及び図7は、上記の様な従来技術によ
る電動パワーステアリング装置100の制御ブロックダ
イヤグラムであり、図6には、電動パワーステアリング
装置100の一部である「直接DCモータを駆動制御す
る部分(100A)」が図示してある。また、例えば、
図7のトルク慣性補償制御110、アシスト制御12
0、ハンドル戻し補償制御130、及びダンパ補償制御
140等から構成される「出力トルク演算部」等は、周
知の手段により図略のコンピュータシステムを用いてソ
フトウェアにより実現されている。
【0006】この「出力トルク演算部」は、図6のDC
モータが出力すべきトルクの値(指令値T)を次式
(1)に従って算出する。
【数1】 T=TA +TI +TD +TR …(1) (記号定義) TI : 制御110より算出される慣性補償トルク TA : 制御120より算出されるアシスト・トルク TR : 制御130より算出されるハンドル戻しトル
ク TD : 制御140より算出されるダンパー・トルク
【0007】また、図8は、この様な従来の装置100
における、トルクループ周波数に対する応答特性(アシ
ストゲイン依存性)を例示するグラフである。また、図
9は、この装置100における、トルクループ周波数に
対する応答特性(位相補償ゲイン依存性)を例示するグ
ラフである。
【0008】従来技術においては、例えば図8に例示す
る様に、アシストゲインを大きくすると、制御系が不安
定になっていることを示す1つのバロメータである所謂
「ハンプ」が大きくなってしまうという望ましくない現
象が現れる。また、アシストゲインをある程度大きく設
定した場合にその制御系の安定性を確保するために、例
えば図9に例示する様に、位相補償ゲインを大きくする
方法等が考えられる。しかし、この方法による効果は本
図9からも判る様にある程度のところで飽和し、それ以
降は位相補償ゲインを大きくしても上記のハンプは十分
には小さくならない。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、アシストゲイン(α≡
∂TA /∂τ)を大きくしても、上記の様な所謂「ハン
プ」の発現を抑制若しくは緩和することができる、安定
性の高い電動パワーステアリング装置を実現することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の
効果】上記の課題を解決するためには、以下の手段が有
効である。即ち、第1の手段は、モータの回転数又は操
舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検
出手段を有する車載用の電動パワーステアリング装置に
おいて、モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内
の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨
界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周
期Δt(<1/f)で、角速度ωに関する負帰還制御を
実行する角速度高速負帰還制御手段を設けることであ
る。
【0011】ただし、本発明に係わる上記のモータは、
交流モータであっても、直流モータであっても、或いは
ブラシレス直流モータであっても良い。本発明はこれら
のモータの種類とは無関係に、任意の種類のモータに対
して適用することが可能である。また、このことは、以
下の各手段や、或いは後述の各実施例等についても同様
である。
【0012】また、第2の手段は、モータの回転数又は
操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度
検出手段と、単数または複数種類のトルク演算部とを有
する車載用の電動パワーステアリング装置において、少
なくとも1種類のトルク演算部が制御される制御周期Δ
T1よりも短い制御周期Δt(<ΔT1)で、上記の角
速度ωに関する負帰還制御を実行する角速度高速負帰還
制御手段を設けることである。
【0013】また、第3の手段は、上記の第2の手段の
角速度高速負帰還制御手段において、モータへの通電に
伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快
な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期
(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、上
記の負帰還制御を実行することである。
【0014】以上の第1乃至第3の何れか1つの手段に
よれば、所謂粘性感の強い操舵感が実現されると同時
に、前述のハンプが低減されるため制御系を安定させる
ことができる。したがって、上記の第1乃至第3の何れ
か1つの手段によれば、上記の異音や振動の表面化若し
くは顕在化を回避することが可能となる。
【0015】また、第4の手段は、上記の第2または第
3の手段において、単数又は複数種類の上記のトルク演
算部を、アシスト・トルク演算部、慣性トルク演算部、
ハンドル戻しトルク演算部、またはダンパー・トルク演
算部から構成することである。即ち、角速度ωに関する
負帰還制御の制御周期Δtは、上記の各種のトルク演算
部が制御される制御周期の中の最短の制御周期と同じ長
さか、或いはそれよりも短くて良い。
【0016】例えば、以下の様に制御周期の階層化を実
施することができる。 (1)10ms周期で実行する処理 (a)ハンドル戻し・トルク演算(ハンドル戻し補償制
御) (b)ダンパ・トルク演算(ダンパ補償制御) (2)500μs周期で実行する処理 (a)アシスト・トルク演算 (b)慣性トルク演算(慣性補償制御) (3)400μs周期で実行する処理 (a)角速度ωに関する負帰還制御 例えば、この様な制御周期の設定によれば、「角速度ω
に関する負帰還制御」を十分に短い制御周期で実行する
ことができるので、例えば0.1kHz〜2kHz程度の
異音を効果的に抑制又は緩和することができる。
【0017】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
の何れか1つの手段において、上記の角速度ωの検出信
号が含有する少なくとも操舵周波数帯域内の略中央周波
数成分を除去又は減衰することにより、負帰還制御の過
補償現象を緩和又は抑制するフィルタリング手段を設け
ることである。
【0018】この様な手段によれば、速度フィードバッ
ク(角速度高速負帰還)の効果で、比較的高周波のトル
ク変動に起因するハンドルの振動やモータの異音等が低
減できる上に、バンドパスすることによって操舵感に直
接係わる低周波領域は、上記の速度フィードバックの制
御対象周波数領域から外すことができる。例えば、バン
ドパス周波数の中心周波数は、上記のハンプのピーク周
波数と略一致させれば良い。この様な手段によれば、上
記の速度フィードバック制御(角速度高速負帰還制御)
の操舵感に対する悪影響(粘性感の増大)は抑制され
る。また、高周波領域の成分は減衰するため、実際の分
解能以上の検出精度が得られ、これにより制御量の変動
が抑制できる。尚、バンドパス・フィルタのバンドパス
周波数は、位相の遅れが無いため、位相遅れによる悪影
響も発生しない。
【0019】また、第6の手段は、上記の第1乃至第5
の何れか1つの手段において、操舵トルクτに依存して
決定されるアシストトルクTA の操舵トルクτに対する
ゲインα(≡∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる
制御量(X)の角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂
ω)を決定する負帰還ゲイン決定手段を設けることであ
る。この様な手段により、負帰還させる制御量(X)を
略過不足無く好適値に調整・制御することができる。
【0020】以上の本発明の手段により、前記の課題を
効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。ただし、本発明の電動パワーステア
リング装置を構成する各部の実現形態は、以下に示す実
施例において具体的に例示される様態に限定されるもの
ではない。したがって、例えば、ACモータ、DCモー
タ、ブラシレスDCモータ等のモータの種類や、操舵角
速度ωの算出方法や、或いは各種のトルク指令値等の決
定方法等の各種の演算手段や演算方法等には、公知或い
は任意の方法や手段を用いて実現することも勿論可能で
ある。
【0022】(第1実施例)図1は、本第1実施例にお
ける電動パワーステアリング装置200の制御ブロック
ダイヤグラム(2−a)である。本制御ブロックダイヤ
グラム(2−a)は、前述の図7の従来の制御ブロック
ダイヤグラム(2−c)の代わりに適用するものであ
り、従って前述の制御ブロックダイヤグラム(2−c)
と同様に、図6の装置100(100A)の制御ブロッ
クダイヤグラム(1)と組み合わせて用いることができ
る。
【0023】従来の制御ブロックダイヤグラム(2−
c)と、本第1実施例における電動パワーステアリング
装置200の制御ブロックダイヤグラム(2−a)との
唯一の差異は、操舵角速度ωにゲインKを乗じて、負帰
還している点にある。即ち、本第1実施例では、前記の
指令値Tは、前述の式(1)の代わりに、次式(2)、
(3)に従って算出される。
【数2】 T=TA +TI +TD +TR −X …(2)
【数3】 X=K・ω …(3)
【0024】ただし、操舵角速度ωは例えば以下の様
に、次式(4)〜(6)に従って、図6の制御ブロック
ダイヤグラム(1)により求めることができる。
【数4】 ω= Ω/Gi …(4)
【数5】 Ω =(V−ZI)/Ke …(5)
【数6】 Z = R + LS …(6) (記号定義) Ω : モータの角速度 Gi : 減速比(モータとステアリング・シャフトとの
ギヤ比) Ke : モータの逆起電力定数 V : モータ電圧(実時間測定値) I : モータ電流(実時間測定値) Z : モータのインピーダンス R : モータの電気子抵抗 L : モータのインダクタンス S : 時間微分演算子(≡d/dt)
【0025】ただし、上記の操舵角速度ωの算出方法と
しては、その他にも例えば、モータ端子間電圧等から算
出する方法や、或いはモータに設置された位置検出器の
出力信号から算出する方法等も考えられる。
【0026】この様に制御量「X=K・ω」を負帰還す
る演算手段(角速度高速負帰還制御手段)は、前述のソ
フトウェアにより実現される前記の「出力トルク演算
部」を新規モジュール(新規プログラム)追加等の周知
の手法で拡張することにより、容易に構成することがで
きる。
【0027】ただし、モータへの通電に伴って発現し得
るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数
帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)より
も短い制御周期Δt(<1/f)で、操舵角速度ωに関
する負帰還制御を実行する必要があるため、若干の注意
を要する。この制御周期Δtとしては、概ね1/10f
〜1/100f程度で良い。
【0028】図2は、角速度高速負帰還制御手段を有す
る本第1実施例の電動パワーステアリング装置200の
「出力トルク演算部」実現するフローチャートである。
本アルゴリズムは、上記の図略のコンピュータシステム
上で実行するものであり、各トルク演算処理の制御周期
は、以下の様に設定されている。
【0029】(1)10ms周期で実行する処理 (a)ハンドル戻し・トルク演算(ハンドル戻し補償制
御) (b)ダンパ・トルク演算(ダンパ補償制御) (2)500μs周期で実行する処理 (a)アシスト・トルク演算 (b)慣性トルク演算(慣性補償制御) (c)角速度ωに関する負帰還制御
【0030】このアルゴリズムにおいては、まず最初
に、ステップ210において初期化処理を実行する。こ
の初期処理では、前述の各制御110、120、13
0、140等の初期処理を行い、更に、操舵角速度ωを
前述の式(4)〜(6)に従って算出する。
【0031】次に、ステップ215では、図1の「トル
ク演算」の制御ブロックにて、操舵トルクτの値を算出
し、更に、図1の「車速演算」の制御ブロックにて、車
速uの値を算出する。ステップ235では、図1のハン
ドル戻し補償制御130にて、ハンドル戻しトルクTR
を算出する。ステップ240では、図1のダンパ補償制
御140にて、ダンパートルクTDを算出する。
【0032】ステップ250では、操舵トルクτに対す
る位相補償処理を実行する。ステップ252では、図1
のトルク慣性補償制御110にて、慣性補償トルクTI
を算出する。ステップ254では、図1のアシスト制御
120にて、アシストトルクTA を算出する。
【0033】本第1実施例においては、ステップ260
は、ダミーステップとしてスキップする。即ち、本第1
実施例においては、ステップ260では何もしない。ス
テップ265では、前記式(3)に従って、負帰還すべ
き制御量Xを求める。ステップ270では、前記式
(2)に従って、出力すべきトルクの値(指令値T)を
求める。
【0034】ステップ275では、前述の図6の「直接
DCモータを駆動制御する部分(100A)」に対し
て、指令値Tを出力する。ステップ280では、この負
帰還ループの実行周期Δtだけ時間の経過を待つ。例え
ば、Δtの値は500μsec程度で良い。ステップ2
85では、前述の式(4)〜(6)に従って、操舵速度
ωの値を算出する。ステップ290では、ダンパートル
クTD の演算周期ΔT1が経過したか否かを判定し、そ
の周期に至っていればステップ215へ、そうでなけれ
ばステップ260へ処理を移す。例えば、ΔT1の値は
10msec程度で良い。
【0035】例えば、この様な負帰還制御により、所謂
粘性感の強い操舵感が実現されると同時に、前述のハン
プ(図8、図9)が低減されるため、制御系を安定させ
ることができ、この結果、上記の異音や振動の表面化若
しくは顕在化を回避することが可能となる。
【0036】図3は、前記の従来の電動パワーステアリ
ング装置100と、本第1実施例の電動パワーステアリ
ング装置200と、更に後述の電動パワーステアリング
装置300(第2実施例)に係わる、トルクループ周波
数に対する応答特性を例示するグラフである。本図3か
らも判る様に、上記の第1実施例の様な構成(角速度高
速負帰還制御手段)を適用することにより、速度フィー
ドバックの作用・効果に基づいて、トルク変動(振動成
分)を低減することができる。
【0037】また、上記の様な実施形態による角速度高
速負帰還制御手段の追加は、例えば、図2のフローチャ
ートに例示した様に、比較的簡単な機能拡張により、容
易に実施することができるので、例えば、上記のダンパ
ー補償手段やハンドル戻し手段等の既存のプログラムの
アルゴリズムやテーブルデータ等は殆ど変更する必要が
無い。即ち、この様な手段によれば、比較的容易に角速
度高速負帰還制御手段を実現することができる。
【0038】(第2実施例)図4は、本第2実施例にお
ける電動パワーステアリング装置300の装置200
(第1実施例)に対する拡張部分の制御ブロックダイヤ
グラム(2−b)である。本制御ブロックダイヤグラム
(2−b)では、第1実施例の制御ブロックダイヤグラ
ム(2−a)の負帰還部201の前段に、バンドパスフ
ィルタ302が挿入されている。このフィルタリング手
段は、前述の図2のステップ260のダミーステップを
以下に示すバンドパスフィルタ(BPF)を実現する周
知のフィルタリング処理で置き換えることにより実現す
ることができる。
【0039】図5は、上記の電動パワーステアリング装
置300に係わる、バンドパスフィルタ(BPF)の周
波数に対する応答特性を例示するグラフである。本図5
からも判る様に、このバンドパスフィルタ(図4の30
2)の選択周波数(透過周波数)の中心周波数は、20
Hz〜40Hz付近にあり、よって、この付近の周波数
帯の振動成分だけが選択的に透過される。したがって、
操舵周波数に対応する高々数Hz程度までの比較的低い
周波数の信号成分は、このバンドパスフィルタ302を
通過することがない。この様な構成により、操舵に対す
る粘性感(粘性抵抗)が望ましくないレベルにまで増大
することが未然に防止されている。
【0040】以上の様な構成により、以下の様な効果が
得られた。 (効果1)前述の図3からも判る様に、第1実施例の電
動パワーステアリング装置200と略同様に、速度フィ
ードバックの効果により、トルク変動(振動成分)が低
減できた。 (効果2)バンドパス・フィルタの挿入により、速度フ
ィードバック制御(角速度高速負帰還制御)の操舵感に
対する悪影響(強い粘性感)は抑制された。また、高周
波領域の成分は減衰するため、実際の分解能以上の検出
精度が得られ、これにより制御量の変動が抑制できた。 (効果3)バンドパス・フィルタのバンドパス周波数に
は、位相の遅れが無いため、位相遅れによる悪影響も抑
制できた。
【0041】また、操舵トルクτに依存して決定される
アシストトルクTA の操舵トルクτに対するゲインα
(≡∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる制御量
(X)の角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂ω)を
決定する手段(負帰還ゲイン決定手段)を設けても良
い。この様なゲインKの決定は、動的に実施しても良い
し、静的に実施しても良い。この様な手段により、負帰
還させる制御量(X)を略過不足無く好適値に調整・制
御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における電動パワーステア
リング装置200の制御ブロックダイヤグラム(2−
a)。
【図2】電動パワーステアリング装置200の角速度高
速負帰還制御手段を実現するフローチャート。
【図3】各装置100、装置200、装置300に係わ
る、トルクループ周波数に対する応答特性を例示するグ
ラフ。
【図4】本発明の第2実施例における電動パワーステア
リング装置300の装置200に対する拡張部分の制御
ブロックダイヤグラム(2−b)。
【図5】電動パワーステアリング装置300に係わる、
バンドパスフィルタ(BPF)の周波数に対する応答特
性を例示するグラフ。
【図6】従来技術による装置100の制御ブロックダイ
ヤグラム(1)。
【図7】従来技術による装置100の制御ブロックダイ
ヤグラム(2−c)。
【図8】従来技術による装置100に係わる、トルクル
ープ周波数に対する応答特性(アシストゲイン依存性)
を例示するグラフ。
【図9】従来技術による装置100に係わる、トルクル
ープ周波数に対する応答特性(位相補償ゲイン依存性)
を例示するグラフ。
【符号の説明】
100,200,300 … 電動パワーステアリング
装置 201 … 負帰還部 301 … バンドパス・フィルタ τ … 操舵トルク TA … アシストトルク ω … 角速度 Δt … 角速度ωに関する負帰還制御の制御周期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00 B62D 137:00 Fターム(参考) 2F051 AA01 AB06 AC01 BA03 3D032 CC08 CC30 DA10 DA15 DA63 DA64 DA65 DC03 DC08 DC09 DC14 DC17 EB04 EB11 EC22 GG01 3D033 CA13 CA16 CA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転数又は操舵速度に関する角速
    度ωを測定または推定する角速度検出手段を有する車載
    用の電動パワーステアリング装置において、 前記モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異
    音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周
    波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δ
    t(<1/f)で、前記角速度ωに関する負帰還制御を
    実行する角速度高速負帰還制御手段を有することを特徴
    とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】モータの回転数又は操舵速度に関する角速
    度ωを測定または推定する角速度検出手段と、単数又は
    複数種類のトルク演算部とを有する車載用の電動パワー
    ステアリング装置において、 少なくとも1種類の前記トルク演算部が制御される制御
    周期ΔT1よりも短い制御周期Δt(<ΔT1)で、前
    記角速度ωに関する負帰還制御を実行する角速度高速負
    帰還制御手段を設けたことを特徴とする電動パワーステ
    アリング装置。
  3. 【請求項3】前記角速度高速負帰還制御手段は、 前記モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異
    音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周
    波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δ
    t(<1/f)で、前記負帰還制御を実行することを特
    徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】単数又は複数種類の前記トルク演算部は、 アシスト・トルク演算部、慣性トルク演算部、ハンドル
    戻しトルク演算部、またはダンパー・トルク演算部であ
    ることを特徴とする請求項2、または請求項3に記載の
    電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】前記角速度ωの検出信号が含有する少なく
    とも操舵周波数帯域内の略中央周波数成分を除去又は減
    衰することにより、前記負帰還制御の過補償現象を緩和
    又は抑制するフィルタリング手段を有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】操舵トルクτに依存して決定されるアシス
    トトルクTA の前記操舵トルクτに対するゲインα(≡
    ∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる制御量(X)
    の前記角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂ω)を決
    定する負帰還ゲイン決定手段を有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電動パワー
    ステアリング装置。
JP2001211626A 2001-07-12 2001-07-12 電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP3888864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211626A JP3888864B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211626A JP3888864B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003026022A true JP2003026022A (ja) 2003-01-29
JP3888864B2 JP3888864B2 (ja) 2007-03-07

Family

ID=19046903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001211626A Expired - Fee Related JP3888864B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3888864B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059774A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
WO2006051786A1 (ja) 2004-11-09 2006-05-18 Jtekt Corporation 電動パワーステアリング装置
US7974752B2 (en) 2005-07-08 2011-07-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steering assistance device for vehicle
WO2012160850A1 (ja) 2011-05-25 2012-11-29 三菱電機株式会社 電動パワーステアリングの制御装置
US8326493B2 (en) 2007-12-14 2012-12-04 Mitsubishi Electric Corporation Motor driven power steering control apparatus for suppressing vibration
KR101835405B1 (ko) * 2011-10-13 2018-03-09 현대모비스 주식회사 전동식 조향장치의 모니터링 장치
US11312410B2 (en) 2019-02-21 2022-04-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electric power steering apparatus

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059774A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
EP2679468A3 (en) * 2004-11-09 2014-04-02 Jtekt Corporation Electric power steering apparatus
EP1816053A1 (en) * 2004-11-09 2007-08-08 JTEKT Corporation Electric power steering device
EP1816053A4 (en) * 2004-11-09 2009-04-08 Jtekt Corp DEVICE FOR CONTROLLING ELECTRIC POWER
US7826950B2 (en) 2004-11-09 2010-11-02 Jtekt Corporation Electric power steering apparatus
EP2679468A2 (en) 2004-11-09 2014-01-01 Jtekt Corporation Electric power steering apparatus
WO2006051786A1 (ja) 2004-11-09 2006-05-18 Jtekt Corporation 電動パワーステアリング装置
US7974752B2 (en) 2005-07-08 2011-07-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steering assistance device for vehicle
US8326493B2 (en) 2007-12-14 2012-12-04 Mitsubishi Electric Corporation Motor driven power steering control apparatus for suppressing vibration
WO2012160850A1 (ja) 2011-05-25 2012-11-29 三菱電機株式会社 電動パワーステアリングの制御装置
US9254862B2 (en) 2011-05-25 2016-02-09 Mitsubishi Electric Corporation Electric power steering control device
KR101835405B1 (ko) * 2011-10-13 2018-03-09 현대모비스 주식회사 전동식 조향장치의 모니터링 장치
US11312410B2 (en) 2019-02-21 2022-04-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electric power steering apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP3888864B2 (ja) 2007-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3189865B2 (ja) 機械振動検出装置および制振制御装置
JP3712876B2 (ja) 電動式パワーステアリング制御装置
JP6164371B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4475434B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP3847516B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置及びその制御方法
JP4134158B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JPH06225566A (ja) モータの速度制御装置
JP2008018825A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
KR100237306B1 (ko) 2관성 공진계의 진동 억제방법 및 장치
JPH07298667A (ja) モータ制御装置
JP2003026022A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4290670B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2001247049A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH06217578A (ja) 2慣性ねじり振動系の速度制御におけるイナーシャ推定方法
JPH10324262A (ja) 電動式パワーステアリングシステム
JP4660947B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH11313495A (ja) 電動機サーボ系の制御装置
JP2658976B2 (ja) モータの速度制御方式
JP2003267245A (ja) 電気式動力舵取装置
JPH1111341A (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2001106108A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5125283B2 (ja) 電動機の制御装置および電動機の制御プログラム
JP3826286B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008013094A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4618614B2 (ja) 電動式パワーステアリング制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040317

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061128

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees