JP3888864B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転数又は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検出手段を有する車載用の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
検出された操舵トルクτに応じて、出力するアシストトルクTA の値を決定する電動パワーステアリング装置が一般に普及しており、これらの電動パワーステアリング装置の中には、制御系の安定性を得るために、位相補償フィルタを設けて伝達特性を調整している装置も多い。従来装置に見られるこの様な位相補償フィルタは、応答の遅れによって生じる振動や発振現象を緩和若しくは抑制するために用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ハンドルを軽くしようとした場合、アシストゲイン(α≡∂TA /∂τ)を大きくしておく必要が生じるが、このゲインαを大きく設定すると、制御系が不安定に成り易く、例えば後述の図8の上側の周波数応答性に係わるグラフに例示される様な所謂「ハンプ」等と呼ばれている現象が発生することがあり、これにより、モータへの通電に伴って車両のキャビン内に異音が生じたり、或いはハンドルに不快な振動が発生したりすることがある。
【0004】
この対策としては、例えば、位相補償フィルタのゲイン(以下、「位相補償ゲイン」と言う。)を高く設定する方法が考えられるが、この様な位相補償制御におけるチューニングだけではハンプの低減効果には限界があり、一般には、この様な方法による特性改善は困難な場合が多い。
また、位相補償ゲインを高く設定すると、制御系がノイズ等の振動成分に対する応答性も敏感となるため、ノイズ等の振動成分に起因する異音や振動が表面化或いは顕在化してしまう等の問題が派生する。
【0005】
図6及び図7は、上記の様な従来技術による電動パワーステアリング装置100の制御ブロックダイヤグラムであり、図6には、電動パワーステアリング装置100の一部である「直接DCモータを駆動制御する部分(100A)」が図示してある。また、例えば、図7のトルク慣性補償制御110、アシスト制御120、ハンドル戻し補償制御130、及びダンパ補償制御140等から構成される「出力トルク演算部」等は、周知の手段により図略のコンピュータシステムを用いてソフトウェアにより実現されている。
【0006】
この「出力トルク演算部」は、図6のDCモータが出力すべきトルクの値(指令値T)を次式(1)に従って算出する。
【数1】
T=TA +TI +TD +TR …(1)
(記号定義)
I : 制御110より算出される慣性補償トルク
A : 制御120より算出されるアシスト・トルク
R : 制御130より算出されるハンドル戻しトルク
D : 制御140より算出されるダンパー・トルク
【0007】
また、図8は、この様な従来の装置100における、トルクループ周波数に対する応答特性(アシストゲイン依存性)を例示するグラフである。
また、図9は、この装置100における、トルクループ周波数に対する応答特性(位相補償ゲイン依存性)を例示するグラフである。
【0008】
従来技術においては、例えば図8に例示する様に、アシストゲインを大きくすると、制御系が不安定になっていることを示す1つのバロメータである所謂「ハンプ」が大きくなってしまうという望ましくない現象が現れる。
また、アシストゲインをある程度大きく設定した場合にその制御系の安定性を確保するために、例えば図9に例示する様に、位相補償ゲインを大きくする方法等が考えられる。しかし、この方法による効果は本図9からも判る様にある程度のところで飽和し、それ以降は位相補償ゲインを大きくしても上記のハンプは十分には小さくならない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、アシストゲイン(α≡∂TA /∂τ)を大きくしても、上記の様な所謂「ハンプ」の発現を抑制若しくは緩和することができる、安定性の高い電動パワーステアリング装置を実現することである。
【0010】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、第1の手段は、操舵をアシストするモータの回転数又は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検出手段を有する車載用の電動パワーステアリング装置において、モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、角速度ωに関する負帰還制御をモータの出力トルクに対して実行する角速度高速負帰還制御手段を設けることである。
【0011】
ただし、本発明に係わる上記のモータは、交流モータであっても、直流モータであっても、或いはブラシレス直流モータであっても良い。本発明はこれらのモータの種類とは無関係に、任意の種類のモータに対して適用することが可能である。また、このことは、以下の各手段や、或いは後述の各実施例等についても同様である。
【0012】
また、第2の手段は、操舵をアシストするモータの回転数又は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検出手段と、単数または複数種類のトルク演算部とを有する車載用の電動パワーステアリング装置において、単数のトルク演算部が制御される制御周期ΔT1、又は複数種類のトルク演算部が各々制御される制御周期のうち最も長い制御周期ΔT1よりも短い制御周期Δt(<ΔT1)で、上記の角速度ωに関する負帰還制御をモータの出力トルクに対して実行する角速度高速負帰還制御手段を設けることである。
【0013】
また、第3の手段は、上記の第2の手段の角速度高速負帰還制御手段において、モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、上記の負帰還制御を出力トルクに対して実行することである。
【0014】
以上の第1乃至第3の何れか1つの手段によれば、所謂粘性感の強い操舵感が実現されると同時に、前述のハンプが低減されるため制御系を安定させることができる。したがって、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段によれば、上記の異音や振動の表面化若しくは顕在化を回避することが可能となる。
【0015】
また、第4の手段は、上記の第2または第3の手段において、単数又は複数種類の上記のトルク演算部を、アシスト・トルク演算部、慣性トルク演算部、ハンドル戻しトルク演算部、及びダンパー・トルク演算部から1個以上選択して構成することである。即ち、角速度ωに関する負帰還制御の制御周期Δtは、上記の各種のトルク演算部が制御される制御周期の中の最短の制御周期と同じ長さか、或いはそれよりも短くて良い。
【0016】
例えば、以下の様に制御周期の階層化を実施することができる。
(1)10ms周期で実行する処理
(a)ハンドル戻し・トルク演算(ハンドル戻し補償制御)
(b)ダンパ・トルク演算(ダンパ補償制御)
(2)500μs周期で実行する処理
(a)アシスト・トルク演算
(b)慣性トルク演算(慣性補償制御)
(3)400μs周期で実行する処理
(a)角速度ωに関する負帰還制御
例えば、この様な制御周期の設定によれば、「角速度ωに関する負帰還制御」を十分に短い制御周期で実行することができるので、例えば0.1kHz〜2kHz程度の異音を効果的に抑制又は緩和することができる。
【0017】
また、第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段において、上記の角速度ωの検出信号が含有する少なくとも操舵周波数帯域内の略中央周波数成分以外を除去又は減衰することにより、負帰還制御の過補償現象を緩和又は抑制するフィルタリング手段を設けることである。
【0018】
この様な手段によれば、速度フィードバック(角速度高速負帰還)の効果で、比較的高周波のトルク変動に起因するハンドルの振動やモータの異音等が低減できる上に、バンドパスすることによって操舵感に直接係わる低周波領域は、上記の速度フィードバックの制御対象周波数領域から外すことができる。例えば、バンドパス周波数の中心周波数は、上記のハンプのピーク周波数と略一致させれば良い。
この様な手段によれば、上記の速度フィードバック制御(角速度高速負帰還制御)の操舵感に対する悪影響(粘性感の増大)は抑制される。また、高周波領域の成分は減衰するため、実際の分解能以上の検出精度が得られ、これにより制御量の変動が抑制できる。
尚、バンドパス・フィルタのバンドパス周波数は、位相の遅れが無いため、位相遅れによる悪影響も発生しない。
【0019】
また、第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段において、操舵トルクτに依存して決定されるアシストトルクTA の操舵トルクτに対するゲインα(≡∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる制御量(X)の角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂ω)を決定する負帰還ゲイン決定手段を設けることである。
この様な手段により、負帰還させる制御量(X)を略過不足無く好適値に調整・制御することができる。
【0020】
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明の電動パワーステアリング装置を構成する各部の実現形態は、以下に示す実施例において具体的に例示される様態に限定されるものではない。
したがって、例えば、ACモータ、DCモータ、ブラシレスDCモータ等のモータの種類や、操舵角速度ωの算出方法や、或いは各種のトルク指令値等の決定方法等の各種の演算手段や演算方法等には、公知或いは任意の方法や手段を用いて実現することも勿論可能である。
【0022】
(第1実施例)
図1は、本第1実施例における電動パワーステアリング装置200の制御ブロックダイヤグラム(2−a)である。
本制御ブロックダイヤグラム(2−a)は、前述の図7の従来の制御ブロックダイヤグラム(2−c)の代わりに適用するものであり、従って前述の制御ブロックダイヤグラム(2−c)と同様に、図6の装置100(100A)の制御ブロックダイヤグラム(1)と組み合わせて用いることができる。
【0023】
従来の制御ブロックダイヤグラム(2−c)と、本第1実施例における電動パワーステアリング装置200の制御ブロックダイヤグラム(2−a)との唯一の差異は、操舵角速度ωにゲインKを乗じて、負帰還している点にある。即ち、本第1実施例では、前記の指令値Tは、前述の式(1)の代わりに、次式(2)、(3)に従って算出される。
【数2】
T=TA +TI +TD +TR −X …(2)
【数3】
X=K・ω …(3)
【0024】
ただし、操舵角速度ωは例えば以下の様に、次式(4)〜(6)に従って、図6の制御ブロックダイヤグラム(1)により求めることができる。
【数4】
ω= Ω/Gi …(4)
【数5】
Ω =(V−ZI)/Ke …(5)
【数6】
Z = R + LS …(6)
(記号定義)
Ω : モータの角速度
Gi : 減速比(モータとステアリング・シャフトとのギヤ比)
Ke : モータの逆起電力定数
V : モータ電圧(実時間測定値)
I : モータ電流(実時間測定値)
Z : モータのインピーダンス
R : モータの電気子抵抗
L : モータのインダクタンス
S : 時間微分演算子(≡d/dt)
【0025】
ただし、上記の操舵角速度ωの算出方法としては、その他にも例えば、モータ端子間電圧等から算出する方法や、或いはモータに設置された位置検出器の出力信号から算出する方法等も考えられる。
【0026】
この様に制御量「X=K・ω」を負帰還する演算手段(角速度高速負帰還制御手段)は、前述のソフトウェアにより実現される前記の「出力トルク演算部」を新規モジュール(新規プログラム)追加等の周知の手法で拡張することにより、容易に構成することができる。
【0027】
ただし、モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、操舵角速度ωに関する負帰還制御を実行する必要があるため、若干の注意を要する。この制御周期Δtとしては、概ね1/10f〜1/100f程度で良い。
【0028】
図2は、角速度高速負帰還制御手段を有する本第1実施例の電動パワーステアリング装置200の「出力トルク演算部」実現するフローチャートである。
本アルゴリズムは、上記の図略のコンピュータシステム上で実行するものであり、各トルク演算処理の制御周期は、以下の様に設定されている。
【0029】
(1)10ms周期で実行する処理
(a)ハンドル戻し・トルク演算(ハンドル戻し補償制御)
(b)ダンパ・トルク演算(ダンパ補償制御)
(2)500μs周期で実行する処理
(a)アシスト・トルク演算
(b)慣性トルク演算(慣性補償制御)
(c)角速度ωに関する負帰還制御
【0030】
このアルゴリズムにおいては、まず最初に、ステップ210において初期化処理を実行する。この初期処理では、前述の各制御110、120、130、140等の初期処理を行い、更に、操舵角速度ωを前述の式(4)〜(6)に従って算出する。
【0031】
次に、ステップ215では、図1の「トルク演算」の制御ブロックにて、操舵トルクτの値を算出し、更に、図1の「車速演算」の制御ブロックにて、車速uの値を算出する。
ステップ235では、図1のハンドル戻し補償制御130にて、ハンドル戻しトルクTR を算出する。
ステップ240では、図1のダンパ補償制御140にて、ダンパートルクTD を算出する。
【0032】
ステップ250では、操舵トルクτに対する位相補償処理を実行する。
ステップ252では、図1のトルク慣性補償制御110にて、慣性補償トルクTI を算出する。
ステップ254では、図1のアシスト制御120にて、アシストトルクTA を算出する。
【0033】
本第1実施例においては、ステップ260は、ダミーステップとしてスキップする。即ち、本第1実施例においては、ステップ260では何もしない。
ステップ265では、前記式(3)に従って、負帰還すべき制御量Xを求める。
ステップ270では、前記式(2)に従って、出力すべきトルクの値(指令値T)を求める。
【0034】
ステップ275では、前述の図6の「直接DCモータを駆動制御する部分(100A)」に対して、指令値Tを出力する。
ステップ280では、この負帰還ループの実行周期Δtだけ時間の経過を待つ。例えば、Δtの値は500μsec程度で良い。
ステップ285では、前述の式(4)〜(6)に従って、操舵速度ωの値を算出する。
ステップ290では、ダンパートルクTD の演算周期ΔT1が経過したか否かを判定し、その周期に至っていればステップ215へ、そうでなければステップ260へ処理を移す。例えば、ΔT1の値は10msec程度で良い。
【0035】
例えば、この様な負帰還制御により、所謂粘性感の強い操舵感が実現されると同時に、前述のハンプ(図8、図9)が低減されるため、制御系を安定させることができ、この結果、上記の異音や振動の表面化若しくは顕在化を回避することが可能となる。
【0036】
図3は、前記の従来の電動パワーステアリング装置100と、本第1実施例の電動パワーステアリング装置200と、更に後述の電動パワーステアリング装置300(第2実施例)に係わる、トルクループ周波数に対する応答特性を例示するグラフである。
本図3からも判る様に、上記の第1実施例の様な構成(角速度高速負帰還制御手段)を適用することにより、速度フィードバックの作用・効果に基づいて、トルク変動(振動成分)を低減することができる。
【0037】
また、上記の様な実施形態による角速度高速負帰還制御手段の追加は、例えば、図2のフローチャートに例示した様に、比較的簡単な機能拡張により、容易に実施することができるので、例えば、上記のダンパー補償手段やハンドル戻し手段等の既存のプログラムのアルゴリズムやテーブルデータ等は殆ど変更する必要が無い。即ち、この様な手段によれば、比較的容易に角速度高速負帰還制御手段を実現することができる。
【0038】
(第2実施例)
図4は、本第2実施例における電動パワーステアリング装置300の装置200(第1実施例)に対する拡張部分の制御ブロックダイヤグラム(2−b)である。本制御ブロックダイヤグラム(2−b)では、第1実施例の制御ブロックダイヤグラム(2−a)の負帰還部201の前段に、バンドパスフィルタ302が挿入されている。このフィルタリング手段は、前述の図2のステップ260のダミーステップを以下に示すバンドパスフィルタ(BPF)を実現する周知のフィルタリング処理で置き換えることにより実現することができる。
【0039】
図5は、上記の電動パワーステアリング装置300に係わる、バンドパスフィルタ(BPF)の周波数に対する応答特性を例示するグラフである。本図5からも判る様に、このバンドパスフィルタ(図4の302)の選択周波数(透過周波数)の中心周波数は、20Hz〜40Hz付近にあり、よって、この付近の周波数帯の振動成分だけが選択的に透過される。したがって、操舵周波数に対応する高々数Hz程度までの比較的低い周波数の信号成分は、このバンドパスフィルタ302を通過することがない。この様な構成により、操舵に対する粘性感(粘性抵抗)が望ましくないレベルにまで増大することが未然に防止されている。
【0040】
以上の様な構成により、以下の様な効果が得られた。
(効果1)前述の図3からも判る様に、第1実施例の電動パワーステアリング装置200と略同様に、速度フィードバックの効果により、トルク変動(振動成分)が低減できた。
(効果2)バンドパス・フィルタの挿入により、速度フィードバック制御(角速度高速負帰還制御)の操舵感に対する悪影響(強い粘性感)は抑制された。また、高周波領域の成分は減衰するため、実際の分解能以上の検出精度が得られ、これにより制御量の変動が抑制できた。
(効果3)バンドパス・フィルタのバンドパス周波数には、位相の遅れが無いため、位相遅れによる悪影響も抑制できた。
【0041】
また、操舵トルクτに依存して決定されるアシストトルクTA の操舵トルクτに対するゲインα(≡∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる制御量(X)の角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂ω)を決定する手段(負帰還ゲイン決定手段)を設けても良い。この様なゲインKの決定は、動的に実施しても良いし、静的に実施しても良い。
この様な手段により、負帰還させる制御量(X)を略過不足無く好適値に調整・制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における電動パワーステアリング装置200の制御ブロックダイヤグラム(2−a)。
【図2】電動パワーステアリング装置200の角速度高速負帰還制御手段を実現するフローチャート。
【図3】各装置100、装置200、装置300に係わる、トルクループ周波数に対する応答特性を例示するグラフ。
【図4】本発明の第2実施例における電動パワーステアリング装置300の装置200に対する拡張部分の制御ブロックダイヤグラム(2−b)。
【図5】電動パワーステアリング装置300に係わる、バンドパスフィルタ(BPF)の周波数に対する応答特性を例示するグラフ。
【図6】従来技術による装置100の制御ブロックダイヤグラム(1)。
【図7】従来技術による装置100の制御ブロックダイヤグラム(2−c)。
【図8】従来技術による装置100に係わる、トルクループ周波数に対する応答特性(アシストゲイン依存性)を例示するグラフ。
【図9】従来技術による装置100に係わる、トルクループ周波数に対する応答特性(位相補償ゲイン依存性)を例示するグラフ。
【符号の説明】
100,200,300 … 電動パワーステアリング装置
201 … 負帰還部
301 … バンドパス・フィルタ
τ … 操舵トルク
A … アシストトルク
ω … 角速度
Δt … 角速度ωに関する負帰還制御の制御周期

Claims (6)

  1. 操舵をアシストするモータの回転数又は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検出手段を有する車載用の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、前記角速度ωに関する負帰還制御を前記モータの出力トルクに対して実行する角速度高速負帰還制御手段を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 操舵をアシストするモータの回転数又は操舵速度に関する角速度ωを測定または推定する角速度検出手段と、単数又は複数種類のトルク演算部とを有する車載用の電動パワーステアリング装置において、
    前記単数のトルク演算部が制御される制御周期ΔT1、又は前記複数種類のトルク演算部が各々制御される制御周期のうち最も長い制御周期ΔT1よりも短い制御周期Δt(<ΔT1)で、前記角速度ωに関する負帰還制御を前記モータの出力トルクに対して実行する角速度高速負帰還制御手段を設けたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記角速度高速負帰還制御手段は、
    前記モータへの通電に伴って発現し得るキャビン内の異音又はハンドルの不快な振動の周波数帯域に臨む臨界周波数fに対応する周期(1/f)よりも短い制御周期Δt(<1/f)で、前記負帰還制御を前記出力トルクに対して実行することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 単数又は複数種類の前記トルク演算部は、アシスト・トルク演算部、慣性トルク演算部、ハンドル戻しトルク演算部、及びダンパー・トルク演算部から1個以上選択されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記角速度ωの検出信号が含有する少なくとも操舵周波数帯域内の略中央周波数成分以外を除去又は減衰することにより、前記負帰還制御の過補償現象を緩和又は抑制するフィルタリング手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 操舵トルクτに依存して決定されるアシストトルクTA の前記操舵トルクτに対するゲインα(≡∂TA /∂τ)に基づいて、負帰還させる制御量(X)の前記角速度ωに対するゲインK(≡∂X/∂ω)を決定する負帰還ゲイン決定手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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