JP2658976B2 - モータの速度制御方式 - Google Patents

モータの速度制御方式

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JP2658976B2 JP7142495A JP14249595A JP2658976B2 JP 2658976 B2 JP2658976 B2 JP 2658976B2 JP 7142495 A JP7142495 A JP 7142495A JP 14249595 A JP14249595 A JP 14249595A JP 2658976 B2 JP2658976 B2 JP 2658976B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NC工作機械やロボッ
ト等のモータ応用システムに用いるモータの速度制御方
式に関し、特にデジタル制御の量子化誤差の影響を低減
し速度制御特性を広帯域化するフィードバック型のモー
タの速度制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サーボモータを利用したNC工作
機械、ロボット等の制御装置に、マイクロコンピュータ
を用いたデジタルサーボ制御装置が広く用いられてい
る。デジタルサーボ制御装置では、デジタル指令と、速
度等のアナログ量をサンプリングしたデジタルフィード
バックデータが用いられる。
【0003】このようなサンプル値制御系では、制御処
理周期が短いほど制御帯域を広くすることができるた
め、デジタルサーボ制御装置は、最近のマイクロコンピ
ュータの高速化にともない制御処理周期を短くするよう
にしている。
【0004】また、速度制御に用いるモータの回転速度
情報は、処理周期毎のエンコーダパルス数から求めるの
が一般的であり、回転速度の検出計算値ωe(rpm)
は(1)式で示される。
【0005】 ωe=Vp×(60/Ts)×1/E (1)
【0006】(1)式において、Vp:回転速度情報
(処理周期での差分パルス数、E:1回転当たりのエン
コーダパルス数、Ts:処理周期(s)である。
【0007】ところで、エンコーダの分解能は有限であ
るから、制御処理周期で取得するエこの量子化誤差の影
響は、モータの回転速度が低い程顕著になり、回転速度
情報に大きなノイズを伴う。そして、最低検出回転速度
より低い場合には処理周期内で回転速度情報が得られな
い場合も生ずる。
【0008】また、デジタルサーボ制御装置における最
低検出回転速度ωemは(1)式でVp=1の場合であ
るから、下記(2)式となる。
【0009】 ωem=1×(60/Ts)×1/E (2)
【0010】従って、モータが最低検出回転速度ωem
程度のごく低速で回転する場合、フィードバック情報の
精度が悪くなり、速度の変動が顕著に生じたり、ビビリ
振動等好ましくない現象が起きる。
【0011】また、(2)式は制御処理周期が短くなる
にしたがって最低検出回転速度ωemが大きくなること
を意味するから、量子化誤差の制御への影響が大きくな
り、最近問題となってきている。このような量子化誤差
の影響を回避するためには、エンコーダの分解能を高く
すればよいが、この場合にはエンコーダが高価格となり
実用性に欠ける。
【0012】そこで、一般的には速度オブザーバを用い
た補償法が用いられる。図2に一般的な速度オブザーバ
を応用した従来のモータの速度制御方式のブロック図を
示し(例えば特開平1−304501号参照)、図3に
一般的な速度オブザーバの伝達関数を考慮した原理図を
示す。
【0013】図2に示す従来のモータの速度制御方式
は、モータ21の回転速度を制御するための駆動回路2
2と、この駆動回路22に駆動指令(トルク電流指令)
Icを送る速度補償器23と、モータ21の回転速度を
検出するエンコーダ24と、駆動指令Icとエンコーダ
24の速度検出値ωe等から高周波数領域の回転速度を
推定する速度オブザーバ25と、速度オブザーバ25が
出力する速度推定値ωhと速度指令ωcとを加算して速
度補償器23に送出する加算器27とを備えている。速
度補償器23、速度オブザーバ25、加算器27の各動
作は、図示しないマイクロコンピュータで制御するよう
になっている。
【0014】次に、図3を参照してモータ21、速度オ
ブザーバ25の各伝達関数を考慮した原理説明を行う。
【0015】図3で、21aはモータ21の特性を示す
伝達関数を示すブロックであり、モータ21の伝達関数
は、Kt/Jm・sで表すことができる。
【0016】また、図3で速度オブザーバ25は、モー
タ21の理論モデルである内部モデルを、KthとJmhと
積分項1/sとから構成する。即ち、速度オブザーバ2
5は、伝達関数Kthの乗算器31、伝達関数1/Jmhの
乗算器32、伝達関数(1/s)の積分器33、加算器
34、加算器35及びエラー補正関数G(s)の帰還要
素36で表すことができる。
【0017】ここに、Ktはモータ21のトルク定数、
Jmはモータ21のロータイナーシャ、Kthはモータ2
1のトルク定数の理論値、Jmhはモータ21のロータイ
ナーシャの理論値である。また、ωはモータ回転速度の
真値、ωeは既述のエンコーダによる速度検出値、ωh
は速度オブザーバ25による速度推定値である。
【0018】ところで、速度オブザーバ25による補償
法では、その収束特性を考慮しなければならない。即
ち、速度オブザーバ25は、駆動指令Icから内部モデ
ルにより速度推定値ωhを推定し、処理周期でのエンコ
ーダパルス数から求める速度検出値ωeと、速度推定値
ωhとを比較し、速度検出値ωeに近づくようにエラー
補正関数G(s)により速度推定値ωhを補正する。速
度検出値ωeは、理想的には速度の真値ωに等しいが、
実際は量子化誤差が含まれる値である。
【0019】速度オブザーバ25を最低検出回転速度ω
em以下のごく低速回転の補償に用いる場合、速度検出
値ωeは周期を隔ててインパルス状に入力するので、ω
hにもインパルス状のノイズが生ずることになる。
【0020】図4に、極低速回転中のモータ速度の真値
ω、その時のエンコーダパルスによる速度検出値ωe1、
その時の速度オブザーバ25による速度推定値ωh1をそ
れぞれ示す。また、ωem1はその時の最低検出回転速度
である。
【0021】図4の下段に示す速度推定値ωh1は、速度
オブザーバ25のエラー補正関数G(s)により、イン
パルス状の速度検出値ωeのノイズを低減しているが十
分ではない。これに対して、(2)式により、速度オブ
ザーバ25の処理周期を長くして最低検出回転速度ωem
1をωem2に下げることで、速度検出値ωeを周期間で平
滑化する方式がある。
【0022】図4の中段に示すごく低速回転中のモータ
速度の処理周期を長くした時のエンコーダパルスによる
速度検出値ωe2、図4の下段に示すその時の処理周期を
長くした速度オブザーバ25による速度推定値ωh2を示
す。またωem2はその時の最低検出回転速度である。
【0023】図4の下段に示す速度推定値ωh2から、速
度オブザーバ25の処理周期を長くした方が滑らかな速
度推定が可能なことがわかる。
【0024】ところで、速度オブザーバ25の周波数特
性は、その処理周期によって制限され、一般的には、処
理周期の逆数の5分の1程度とされ、この方式では処理
周期間に生じる高い周波数での速度変化を検出できない
という問題が生じる。従って、速度オブザーバ25の処
理周期が長くなるほど、速度ループの帯域を高くできな
いことになる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
モータの速度制御方式では、速度検出の量子化誤差の低
減と、速度制御特性の広帯域化という相反する問題を有
している。
【0026】即ち、第1の問題点は、従来の技術では、
速度オブザーバ25を用いた速度ループの制御帯域を高
くとれないことである。その理由は、速度オブザーバ2
5の処理周期を量子化誤差の補償に合せると、速度制御
特性の帯域を広く取れないからである。
【0027】第2の問題点は、従来の技術では、高い周
波数帯域の速度オブザーバ25を用いて速度制御を行う
と、特に極低速回転で速度の変動を顕著に生ずることで
ある。
【0028】その理由は、エンコーダ24の分解能に起
因して速度検出に量子化誤差が生じ、特に極低速回転で
速度オブザーバ25による速度推定値にノイズが大きく
のるからである。
【0029】そこで本発明は、速度検出の量子化誤差の
低減と、速度制御特性の改善を図ることができるモータ
の速度制御方式を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
駆動回路により回転駆動されるとともに、回転速度を検
出する回転速度検出手段を備えたモータの速度制御方式
において、速度指令に基づき前記駆動回路を駆動する駆
動指令を生成する速度補償器と、この速度補償器からの
駆動指令と前記回転速度検出手段の回転速度検出値とを
基に低域から高域に亘る周波数帯域を推定した2以上の
速度推定値を出力する速度推定手段と、この速度推定手
段からの2以上の速度推定値を任意の周波数領域でフィ
ルタ処理して合成して速度計算値として出力する実速度
算出手段とによりフィ−ドバック制御系を構成し、前記
速度補償器により前記速度指令と実速度算出手段からの
速度計算値とに基づくフィードバック制御による駆動指
令を生成して前記モータを駆動制御することを特徴とす
るものである。
【0031】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記速度推定手段は、速度補償器からの駆
動指令と前記エンコーダの回転速度検出値とを基に速度
補償器と同程度の周期による処理により速度推定値を出
力する処理周期の短い短周期速度オブザーバと、速度補
償器からの駆動指令と前記エンコーダの回転速度検出値
とを基に速度補償器の処理周期よりも数十倍長い周期に
よる処理により速度推定値を出力する処理周期が長い長
周期速度オブザーバとからなり、前記実速度算出手段
は、長周期速度オブザーバからの速度推定値に対してこ
の長周期速度オブザーバが推定可能な周波数帯域までの
フィルタ処理を行うローパスフィルタと、短周期速度オ
ブザーバからの速度推定値に対して前記ローパスフィル
タの周波数帯域を下限とするフィルタ処理を行うハイパ
スフィルタと、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタ
の出力を合成して速度計算値として出力する加算器とか
らなることを特徴とするものである。
【0032】
【作用】以下に本発明の作用を説明する。請求項1記載
の発明に係るモータの速度制御方式は、速度補償器は速
度指令に基づきモータを回転駆動する駆動回路に対する
駆動指令を生成し、また、回転速度検出手段はモータの
回転速度を検出するが、このとき、速度推定手段は、速
度補償器からの駆動指令と前記回転速度検出手段の回転
速度検出値とを基に低域から高域に亘る周波数帯域を推
定した2以上の速度推定値を出力する。実速度算出手段
は、速度推定手段からの2以上の速度推定値を任意の周
波数領域でフィルタ処理して合成して速度計算値として
出力する。
【0033】前記速度補償器は、前記速度指令と実速度
算出手段からの速度計算値とに基づきフィードバック制
御による駆動指令を生成して駆動回路に送り前記モータ
を駆動制御する。
【0034】このような動作により、モータの速度検出
の量子化誤差の低減を図り、かつ、速度制御特性を改善
することができる。
【0035】請求項2記載の発明においては、請求項1
記載の発明における前記速度推定手段を構成する短周期
速度オブザーバが速度補償器からの駆動指令と前記エン
コーダの回転速度検出値とを基に速度補償器と同程度の
周期による処理により速度推定値を出力し、また、長周
期速度オブザーバが速度補償器からの駆動指令と前記エ
ンコーダの回転速度検出値とを基に速度補償器の処理周
期よりも数十倍長い周期による処理により速度推定値を
出力する。これにより、短周期速度オブザーバから、モ
ータの回転速度変動のうち高周波成分まで考慮した速度
推定値を出力でき、また、長周期速度オブザーバから、
速度検出精度の劣化を補償した速度推定値を出力でき
る。
【0036】前記実速度算出手段におけるローパスフィ
ルタは、長周期速度オブザーバからの速度推定値に対し
てこの長周期速度オブザーバが推定可能な周波数帯域ま
でのフィルタ処理を行う。また、ハイパスフィルタは、
短周期速度オブザーバからの速度推定値に対して前記ロ
ーパスフィルタの周波数帯域を下限とするフィルタ処理
を行う。加算器は、前記ローパスフィルタ及びハイパス
フィルタの出力を合成して速度計算値として出力する。
【0037】このような動作により、実速度算出手段か
ら低い周波数領域の量子化誤差を低減し、高い周波数領
域では速度制御特性の広帯域化に必要な高周波成分を兼
ね備えたフィードバック制御を行うために必要な速度計
算値を出力できる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳述する。図1に
示す本実施例のモータ1の速度制御方式は、駆動回路2
により回転駆動されるとともに、回転速度を検出する回
転速度検出手段であるエンコーダ4を備えたモータ1を
フィ−ドバック制御系により制御するようにしたもので
ある。
【0039】即ち、このモータ1の速度制御方式は、速
度指令ωcに基づき前記駆動回路2を駆動する駆動指令
(トルク電流指令)Icを生成する速度補償器3と、こ
の速度補償器3からの駆動指令Icと前記エンコーダ4
からの回転速度検出値とを基に低域から高域に亘る周波
数帯域を推定した2以上の速度推定値ωha、ωhbを
出力する速度推定手段5と、この速度推定手段5からの
2以上の速度推定値ωha、ωhbを任意の周波数領域
でフィルタ処理して合成して速度計算値ωfとして出力
する実速度算出手段6と、後述する加算器7とによりフ
ィ−ドバック制御系を構成し、前記速度補償器3により
前記速度指令ωcと実速度算出手段6からの速度計算値
ωfとに基づくフィードバック制御による駆動指令Ic
を生成して前記モータ1を駆動制御するものである。
【0040】前記速度推定手段5は、速度補償器3から
の駆動指令Icと前記エンコーダ4の回転速度検出値と
を基に速度補償器3と同程度の周期による処理により速
度推定値ωhaを出力する処理周期の短い短周期速度オ
ブザーバ5aと、速度補償器3からの駆動指令Icと前
記エンコーダ4の回転速度検出値とを基に速度補償器3
の処理周期よりも数十倍長い周期による処理により速度
推定値ωhbを出力する処理周期が長い長周期速度オブ
ザーバ5bとにより構成している。
【0041】前記実速度算出手段6は、長周期速度オブ
ザーバ5bからの速度推定値ωhbに対してこの長周期
速度オブザーバ5bが推定可能な周波数帯域までのフィ
ルタ処理を行うローパスフィルタ12と、短周期速度オ
ブザーバ5aからの速度推定値ωhaに対して前記ロー
パスフィルタ12の周波数帯域を下限とするフィルタ処
理を行うハイパスフィルタ11と、ローパスフィルタ1
2及びハイパスフィルタ11の出力を合成して速度計算
値ωfとして出力する加算器8とにより構成している。
【0042】また、モータ1の速度制御方式は、前記速
度指令ωcと、加算器8からの速度計算値ωfとの偏差
を求めて速度補償器3に送出する加算器7を備えてい
る。
【0043】前記速度補償器3、短周期速度オブザーバ
5a、長周期速度オブザーバ5b、実速度算出手段6、
加算器7は図示しないマイクロコンピュータにより制御
されるようになっている。
【0044】次に、本実施例の動作について、図1を参
照して説明する。このモータ1の速度制御方式は、速度
偏差を0にするフィードバック制御を行う。即ち、速度
補償器3は速度指令ωcと実速度算出手段6の速度計算
値ωfとの偏差を入力し、PI(比例積分)制御等を行
い駆動回路2に駆動指令Icを出力する。
【0045】駆動回路2は、駆動指令Icによりモータ
1に電流を流し回転駆動する。これによりモータ1は回
転するが、このモータ1の回転速度はモータ1に接続し
た回転速度検出手段であるエンコーダ4により計測され
る。
【0046】短周期速度オブザーバ5aは、駆動指令I
cとエンコーダ4からの回転速度検出値(パルス)を入
力し、速度補償器3と同周期程度の短い周期でモータ1
の回転速度の推定を行い速度推定値ωhaを出力する。
この短周期速度オブザーバ5aによれば、モータ1の回
転速度変動のうちの高周波数成分まで推定でき、高い周
波数帯域で速度ループの補償が可能となる。
【0047】長周期速度オブザーバ5bは、駆動指令I
cとエンコーダ4からの回転速度検出値(パルス)を入
力し、短周期速度オブザーバ5aの処理周期の数倍から
数十倍(好ましくは5倍から60倍、例えば30倍程
度)の長い周期で処理して回転速度推定を行い、速度推
定値ωhbを出力する。この長周期速度オブザーバ5b
によれば、速度ループの周波数帯域の低い範囲で量子化
誤差の影響による速度検出精度の劣化を補償できる。
【0048】また、前記(2)式で示された制御処理周
期が短くなるにしたがって最低検出回転速度が大きくな
る問題は、速度処理周期とは無関係に速度処理周期の数
十倍の遅い周期でエンコーダ4からの回転速度検出値を
処理し、回転速度推定を行う長周期オブザーバ5bによ
り補償される。
【0049】実速度算出手段6は、任意の周波数領域で
短周期速度オブザーバ5aからの速度推定値ωha、長
周期速度オブザーバ5bからの速度推定値ωhbを、そ
れぞれフィルタ処理し加算器63で合成して速度計算値
ωfとして加算器7に出力する。
【0050】即ち、長周期速度オブザーバ5bからの速
度推定値ωhbに対してのフィルタ処理では、ローパス
フィルタ12により、この長周期速度オブザーバ5bが
推定可能な周波数帯域までのフィルタ処理を行う。
【0051】短周期速度オブザーバ5aからの速度推定
値ωhaに対してのフィルタ処理では、ハイパスフィル
タ11により、上記のローパスフィルタ12の処理の周
波数帯域を下限としてフィルタ処理を行う。
【0052】この結果、実速度算出手段6は、低い周波
数領域の量子化誤差を低減し、高い周波数領域では速度
制御特性の広帯域化に必要な高周波数成分を兼ね備えた
モータ1の回転速度の速度計算値ωfを出力することに
なる。このような速度計算値ωfは、モータ1の回転速
度の如何を問わず、極低速から最高速に亘って得られる
ものである。
【0053】前記加算器7は、速度指令ωcと実速度算
出手段6からの速度計算値ωfとの偏差を求め、前記速
度補償器3に送る。速度補償器3は、前記偏差を入力
し、PI(比例積分)制御等を行い駆動回路2に駆動指
令Icを出力する。この結果、モータ1の回転速度の如
何を問わず、低周波数領域の量子化誤差が少なく、高い
速度制御特性を得ることができるフィードバック制御が
可能となる。
【0054】上述した本実施例によれば、デジタル制御
において、極低速で回転するモータ1の回転速度を安定
に制御でき、これにより、NC工作機械やロボットなど
のモータ応用システムで量子化誤差が顕著となる極低速
動作時の円滑な速度制御を行うことができる。これは、
エンコーダ4の分解能が有限であるためにおきる速度検
出精度の限界を低周波数領域で補償することができるか
らである。
【0055】また、デジタル制御において、モータ1の
回転速度の広い周波数領域での変動を制御することがで
き、これにより、NC工作機械やロボットなどのモータ
応用システムで高速制御が可能となる。これは、モータ
1の回転速度によらず常時高い周波数帯域で速度変動を
推定し補償することによる。
【0056】さらに、高価格な分解能の高いエンコーダ
4を用いなくても、高い分解能をもってより高い周波数
領域までモータ1の回転速度を検出することができる。
【0057】尚、本発明を一実施例によって説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0058】例えば、図1の実速度算出手段7はそのフ
ィルタ処理の特性の変形が可能であり、また、図1の短
周期速度オブザーバ5a及び長周期速度オブザーバ5b
を変形して実速度算出手段6の機能を含ませたり、これ
らの数及び周期を2つ以上、例えば3、4等にして組合
わせる等の種々の変形が可能であるが、これらは本発明
の要旨に従うものであり、これらを本発明の範囲から排
除するものではない。
【0059】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、以下の効
果を奏する。請求項1記載の発明によれば、モータの速
度検出の量子化誤差の低減を図り、かつ、速度制御特性
を改善することができるモータの速度制御方式を提供す
ることができる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、実速度算出
手段から低い周波数領域の量子化誤差を低減し、高い周
波数領域では速度制御特性の広帯域化に必要な高周波成
分を兼ね備えたフィードバック制御を行うために必要な
速度計算値を出力できるモータの速度制御方式を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すモータの速度制御方式
のブロック図である。
【図2】従来のモータの速度制御方式のブロック図であ
る。
【図3】速度オブザーバの原理を示すブロック図であ
る。
【図4】モータ速度と検出速度と推定速度との関係を示
す波形図である。
【符号の説明】
1 モータ 2 駆動回路 3 速度補償器 4 エンコーダ 5 速度オブザーバ 5a 短周期速度オブザーバ 5b 長周期速度オブザーバ 6 実速度算出手段 7 加算器 8 加算器 11 ハイパスフィルタ 12 ローパスフィルタ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動回路により回転駆動されるととも
    に、回転速度を検出する回転速度検出手段を備えたモー
    タの速度制御方式において、 速度指令に基づき前記駆動回路を駆動する駆動指令を生
    成する速度補償器と、この速度補償器からの駆動指令と
    前記回転速度検出手段の回転速度検出値とを基に低域か
    ら高域に亘る周波数帯域を推定した2以上の速度推定値
    を出力する速度推定手段と、この速度推定手段からの2
    以上の速度推定値を任意の周波数領域でフィルタ処理し
    て合成して速度計算値として出力する実速度算出手段と
    によりフィ−ドバック制御系を構成し、 前記速度補償器により前記速度指令と実速度算出手段か
    らの速度計算値とに基づくフィードバック制御による駆
    動指令を生成して前記モータを駆動制御することを特徴
    とするモータの速度制御方式。
  2. 【請求項2】 前記速度推定手段は、速度補償器からの
    駆動指令と前記エンコーダの回転速度検出値とを基に速
    度補償器と同程度の周期による処理により速度推定値を
    出力する処理周期の短い短周期速度オブザーバと、速度
    補償器からの駆動指令と前記エンコーダの回転速度検出
    値とを基に速度補償器の処理周期よりも数十倍長い周期
    による処理により速度推定値を出力する処理周期が長い
    長周期速度オブザーバとからなり、 前記実速度算出手段は、長周期速度オブザーバからの速
    度推定値に対してこの長周期速度オブザーバが推定可能
    な周波数帯域までのフィルタ処理を行うローパスフィル
    タと、短周期速度オブザーバからの速度推定値に対して
    前記ローパスフィルタの周波数帯域を下限とするフィル
    タ処理を行うハイパスフィルタと、ローパスフィルタ及
    びハイパスフィルタの出力を合成して速度計算値として
    出力する加算器とからなること、 を特徴とする請求項1記載のモータの速度制御方式。
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