JP2003025527A - 床材用化粧材 - Google Patents

床材用化粧材

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JP2003025527A
JP2003025527A JP2001209863A JP2001209863A JP2003025527A JP 2003025527 A JP2003025527 A JP 2003025527A JP 2001209863 A JP2001209863 A JP 2001209863A JP 2001209863 A JP2001209863 A JP 2001209863A JP 2003025527 A JP2003025527 A JP 2003025527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性に優れ、特に木
質系基材に設けた溝部形状を適切に再現することができ
る床材用化粧材を提供することである。 【解決手段】 少なくとも溝加工を施した表面を有する
木質系基材の表面形状に沿って、絵柄模様を設けた合成
樹脂製シートを貼合した床材用化粧材の前記合成樹脂製
シートの表面に電離放射線硬化型樹脂を塗布することに
より表面保護層を設けたことを特徴とする床材用化粧
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に溝部や表面
側辺部に面取り部を有する木質系基材の表面に表面形状
に沿って、絵柄模様を設けた合成樹脂製シートを貼合し
た床材用化粧材に関し、さらに詳しくは、耐擦傷性、耐
磨耗性、耐水性等の物性に優れると共に、特に木質系基
材に設けた溝部形状を適切に再現することができる床材
用化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の床面には合板、パーティ
クルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質系基材に
化粧シートを貼着した床材用化粧材が用いられている。
ところで、これらの床材用化粧材の中で、該床材用化粧
材の表面等にV字形状等の溝加工等を施したものが意匠
性に優れるといったことなどから多用されている。
【0003】しかし、表面に溝加工等を施した床材用化
粧材は、通常、木質系基材の表面に化粧シートを貼着し
て後に、V溝加工機等の切削加工機にて溝加工等が施さ
れ、その後に溝加工等を施した部位に透明あるいは着色
された塗料を塗布して、溝加工等を施した部位に耐水性
をもたせたり、あるいは、溝加工等を施した部位と化粧
シートを貼着した部位との色調節を行っている。
【0004】しかし、このような溝加工等を施した部位
に耐水性をもたせたり、あるいは、溝加工等を施した部
位と化粧シートを貼着した部位との色調節を行うための
透明あるいは着色された塗料を施す作業は、溝加工部位
などの選択的塗布作業であり、結構手間の掛かる煩雑な
作業であると共に、塗布した塗料が時間経過と共に剥げ
落ちることにより、色落ち問題が生じたり、この溝加工
等を施した部位の耐水性が低下して膨潤するといった問
題が生じる。
【0005】これを解決する一方法として、溝加工等を
施した木質系基材の表面に表面形状に沿って化粧シート
を接着剤を介してラッピングする方法が採られるが、通
常、化粧シートの表出面(化粧シートの木質系基材と貼
合する面の反対面)には、床材用化粧材として必要な耐
擦傷性、耐磨耗性、耐水性等の物性を備えるための表面
保護層が設けられる。そして、この表面保護層は、上記
諸物性を備えるために、一般的に硬化型樹脂により形成
されるが、この硬化型樹脂の硬さが災いして溝加工等を
施した木質系基材の表面に表面形状に沿って化粧シート
をラッピングすると、接着剤が安定した接着強度を発揮
するまでの間に溝部の底部においてラッピングした化粧
シートが部分的に浮きが生じる場合があり、意匠面で美
観を損なうという問題が生じる場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題に鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性に優れ、特に木質
系基材に設けた溝部形状を適切に再現することができる
床材用化粧材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな問題点を解決するために、まず、請求項1記載の本
発明の床材用化粧材は、少なくとも溝加工を施した表面
を有する木質系基材の表面形状に沿って、絵柄模様を設
けた合成樹脂製シートを貼合した床材用化粧材の前記合
成樹脂製シートの表面に硬化型樹脂を塗布することによ
り表面保護層を設けたことを特徴とするものである。こ
のように構成することにより、耐擦傷性、耐磨耗性、耐
水性、耐汚染性等の表面物性に優れ、木質系基材に設け
た溝部形状を適切に再現することができる床材用化粧材
とすることができる。
【0008】また、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載の床材用化粧材において、前記硬化型樹脂が電離放
射線硬化型樹脂であることを特徴とするものである。こ
のように構成することにより、物性や生産性の面で特に
優れた床材用化粧材とすることができる。
【0009】また、請求項3記載の本発明は、請求項2
記載の床材用化粧材において、前記合成樹脂製シートと
前記表面保護層との間に、アクリル樹脂とウレタン樹脂
の共重合体とイソシアネートとから形成されたプライマ
ー層を設けたことを特徴とするものである。このように
構成することにより、合成樹脂製シートに対する表面保
護層の接着強度を向上させることができる。
【0010】また、請求項4記載の本発明は、請求項1
〜3のいずれかに記載の床材用化粧材において、前記合
成樹脂製シートがオレフィン系熱可塑性樹脂からなるこ
とを特徴とするものである。このように構成することに
より、有害なガスの発生のない環境に優しい床材用化粧
材とすることができる。
【0011】また、請求項5記載の本発明は、請求項1
記載の床材用化粧材において、前記木質系基材の裏面に
合成樹脂製防湿シートが貼着されていることを特徴とす
るものである。このように構成することにより、裏面か
らの木質系基材の吸放湿を防止することができ、反りや
割れの生じ難い床材用化粧材とすることができる。
【0012】また、請求項6記載の本発明は、請求項5
記載の床材用化粧材において、前記合成樹脂製防湿シー
トがオレフィン系熱可塑性樹脂からなることを特徴とす
るものである。このように構成することにより、コスト
対効果(防湿性能)に優れると共に有害なガスの発生の
ない環境に優しい床材用化粧材とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面等を
用いて以下に詳しく説明する。図1は本発明にかかる床
材用化粧材の第1実施形態の構成を概略的に示す断面
図、図2は本発明にかかる床材用化粧材の第2実施形態
の構成を概略的に示す断面図、図3は本発明にかかる床
材用化粧材に用いる合成樹脂製シートの具体的な一実施
例を示す断面図、図4は本発明にかかる床材用化粧材に
用いる合成樹脂製シートの具体的な他の実施例を示す断
面図であり、図中の1,1’は床材用化粧材、2,
2’,2''は合成樹脂製シート、3は木質系基材、4は
表面保護層、5は合成樹脂製防湿シート、6は絵柄層、
7はベタ印刷層、8は接着剤層、20,20’はオレフ
ィン系熱可塑性樹脂シート、20”はオレフィン系熱可
塑性樹脂層、21は凹凸模様、22はワイピングイン
キ、23,24,25はプライマー層、30はV溝加
工、31は面取り加工、32は雌実、33は雄実をそれ
ぞれ示す。
【0014】まず、図1は本発明にかかる床材用化粧材
の第1実施形態の構成を概略的に示す断面図であって、
床材用化粧材1は、表面にV溝加工30と、表面側辺部
に面取り加工31とを施した木質系基材3の表面に接着
剤(図示せず)を介して前記木質系基材3の表面形状に
沿って前記木質系基材3の両側部を一部含むように絵柄
模様を設けた合成樹脂製シート2を貼合し、その後に前
記合成樹脂製シート2の表面にロールコート法等の塗布
手段により電離放射線硬化型樹脂を塗布して表面保護層
4を形成したものである。なお、前記木質系基材3の一
側部には雌実32を設けてあり、他側部には前記雌実3
2に嵌合し得る雄実33を設けてある。また、V溝加工
30および面取り加工31は、溝および面取り加工の一
例を示したものであってこれに限るものではなく、たと
えば、U溝やアール溝(溝部の断面形状が外方に突出す
る曲面形状からなる溝)であってもよいし、面取り加工
は接合したときに前記U溝ないし前記アール溝となるよ
うに面取りされた形状であってもよい。
【0015】また、図2は本発明にかかる床材用化粧材
の第2実施形態の構成を概略的に示す断面図であって、
床材用化粧材1’は、図1に示した床材用化粧材1の前
記木質系基材3の裏面に合成樹脂製防湿シート5を接着
剤(図示せず)を介して貼合したものであって、これ以
外は図1に示した床材用化粧材1と同じである。このよ
うに構成することにより、床材用化粧材1’は図1に比
べて前記木質系基材3の裏面からの吸放湿を防止するこ
とができ、反りや割れの生じ難い床材用化粧材とするこ
とができる。
【0016】前記合成樹脂製シート2としては、低密度
ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む),中密
度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,エチレンαオレ
フィン共重合体,ホモポリプロピレン,ポリメチルペン
テン,ポリブテン,エチレン−プロピレン共重合体,プ
ロピレン−ブテン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるい
は、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレ
ート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポ
リアリレート等の熱可塑性エステル系樹脂、ポリメタア
クリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアク
リル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱
可塑性樹脂、ナイロン−6,ナイロン−66等のポリアミ
ド系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂を挙げること
ができる。また、これらの熱可塑性樹脂は単独であって
も2種以上の混合物であってもよいし、これらの熱可塑
性樹脂を2層以上積層した積層体であってもよいが、前
記合成樹脂製シート2には床材用化粧材として後述する
印刷絵柄や凹凸模様などの絵柄模様が設けられるため
に、これらの適性が要求されると共に、昨今問題となっ
ている燃焼時に有害なガスを発生しないこと、あるい
は、コストなどからオレフィン系熱可塑性樹脂が好まし
い。
【0017】また、前記合成樹脂製シート2は、無延伸
の状態、あるいは、1軸ないし2軸方向に延伸した状態
のいずれの状態のシートであってもよいし、また、これ
らのいずれの状態のシートを2層以上積層した積層体か
らなるシートであってもよいのであって、種々の構成を
適宜採ることができるが、厚さとしては概ね60〜30
0μmが適当である。また、前記合成樹脂製シート2
は、必要に応じて顔料等を添加した着色シートであって
も構わないが、添加する顔料等としては有機系顔料でも
よいが耐熱性や耐候性を考慮すると無機系顔料がより好
ましい。さらに、前記合成樹脂製シート2は必要に応じ
て、必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン
処理等の易接着処理を施してもよい。さらにまた、前記
合成樹脂製シート2には、適宜、周知の酸化防止剤、光
安定剤、紫外線防止剤、あるいは、難燃性を付与するた
めの無機充填剤等の各種の添加剤を添加することができ
る。
【0018】次に、本発明の床材用化粧材1、1’に用
いる絵柄模様を設けた合成樹脂製シート2の具体的な実
施例について説明する。図3は本発明にかかる床材用化
粧材に用いる合成樹脂製シートの具体的な一実施例を示
す断面図であって、合成樹脂製シート2’は透明なオレ
フィン系熱可塑性樹脂シート20の一方の面にエンボス
加工を施して凹凸模様21を設け、その上からワイピン
グ処理を施して前記凹凸模様21の凹部内にワイピング
インキ22を充填した後に表出面全面にプライマー層2
3を設けると共に前記オレフィン系熱可塑性樹脂シート
20の他方の面にプライマー層24を介して絵柄層6、
ベタ印刷層7を形成したものである。この合成樹脂製シ
ート2’は該合成樹脂製シート2’の前記ベタ印刷層7
面と前記木質系基材3の一方の面とが接着剤(図示せ
ず)を介して貼合され、その後に、たとえば、ロールコ
ート法等の周知の塗工法で前記プライマー層23上全面
に電離放射線硬化型樹脂を塗工することにより表面保護
層4を形成して、図1に示すような本発明の床材用化粧
材を得ることができる。
【0019】図4は本発明にかかる床材用化粧材に用い
る合成樹脂製シートの具体的な他の実施例を示す断面図
であって、合成樹脂製シート2”は着色したオレフィン
系熱可塑性樹脂シート20’の一方の面にコロナ放電処
理、プラズマ処理、オゾン処理などの易接着処理を施し
て後に、該易接着処理面(図示せず)にプライマー層2
5を設け、該プライマー層25上にベタ印刷層7、絵柄
層6を順に印刷形成し、さらに前記絵柄層7上に2液硬
化型ウレタン樹脂等の周知のドライラミネーション用接
着剤で形成した接着剤層8を介して透明なオレフィン系
熱可塑性樹脂シート20ないし透明なオレフィン系熱可
塑性樹脂層20”を周知のドライラミネーション法ない
しTダイ押出し法で積層し、前記オレフィン系熱可塑性
樹脂シート20ないし前記オレフィン系熱可塑性樹脂層
20”の表出面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾ
ン処理などの易接着処理を施して後に、該易接着処理面
(図示せず)全面にプライマー層23を設け、さらに前
記プライマー層23側の面にエンボス加工を施して凹凸
模様21を設けたものである。この合成樹脂製シート
2”は該合成樹脂製シート2”の前記オレフィン系熱可
塑性樹脂シート20’と前記木質系基材3の一方の面と
が接着剤(図示せず)を介して貼合され、その後に、た
とえば、ロールコート法等の周知の塗工法で前記プライ
マー層23上全面に電離放射線硬化型樹脂を塗工するこ
とにより表面保護層4を形成して、図1に示すような本
発明の床材用化粧材を得ることができる。
【0020】前記プライマー層23は前記オレフィン系
熱可塑製性樹脂シート20ないし前記オレフィン系熱可
塑性樹脂層20”と前記表面保護層4との接着強度を向
上させる目的で設けることものであり、前記合成樹脂製
シート2を上記したようにオレフィン系熱可塑性樹脂で
構成する前記合成樹脂製シート2’、2”の場合には、
前記プライマー層23を設けることが望ましい。
【0021】前記プライマー層23としては、アクリ
ル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、イソシアネー
トとからなる樹脂で形成されたものである。すなわち、
のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端
に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末
端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分
B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応
させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジ
アミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長する
ことで得られるものである。この反応によりポリエステ
ルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分
子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリ
エステルウレタン共重合体が形成される。そして、この
アクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸
基をのイソシアネートと反応させて硬化させたもので
ある。
【0022】前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖
状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的に
は、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリ
レート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特
性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容
易である点から好ましい。前記成分Aは共重合体におい
てアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜70
00(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良
好であるために好ましく用いられる。また、前記成分A
は両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、
片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端
に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。共役二
重結合が残っているアクリル重合体を混合することによ
り、プライマー層23と接する層、たとえば、表面保護
層4の樹脂に電離放射線硬化型樹脂を用いた場合に、該
電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結合
が反応するために特に電離放射線硬化型樹脂との間の接
着性を向上させることができる。
【0023】前記成分Bは、ジイソシアネートと反応し
てポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウ
レタン樹脂成分を構成する。成分Bは両末端に水酸基を
有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエ
ステルジオールとしては、芳香族またはスピロ環骨格を
有するジオール化合物とラクトン化合物またはその誘導
体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基
酸とジオールとの縮合生成物、および環状エステル化合
物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることが
できる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタン
ジオール、ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール
等の短鎖ジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール
などの脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。ま
た、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポ
リエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分とし
てアジピン酸またはアジピン酸とテレフタル酸の混合
物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3
−メチルペンタンジオールおよび1,4シクロヘキサン
ジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルであ
る。
【0024】プライマー層23において、成分Bと成分
Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、該プラ
イマー層23に柔軟性を与え、オレフィン系熱可塑性樹
脂シート20ないしオレフィン系熱可塑性樹脂層20”
との接着性に寄与する。また、アクリル重合体からなる
アクリル樹脂成分は、前記プライマー層23において耐
候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂
において、成分Bの分子量は前記プライマー層23に柔
軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲で
あればよく、アジピン酸またはアジピン酸とテレフタル
酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,
4シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジ
オールの場合、500 〜5000(重量平均分子量)が好まし
い。
【0025】成分Cは、1分子中に2個のイソシアネー
ト基を有する脂肪族または脂環族のジイソシアネート化
合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、た
とえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,
4)-1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、4,4'ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、1,4'シクロヘキシルジイソシアネート等を挙
げることできる。ジイソシアネート成分としては、イソ
ホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点
で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアク
リル重合体、ポリエステルポリオール、および、後述す
る鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合も含める)
と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過
剰となるようにする。
【0026】上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2
〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシ
アネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反
応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共
にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付
加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および
水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。こ
のプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加
えてイソシアネート基を該鎖延長剤と反応させ、鎖延長
することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタン
の分子中に導入され、末端に水酸基を有するのアクリ
ル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができ
る。
【0027】こののアクリル−ポリエステルウレタン
共重合体に、のイソシアネートを加えると共に、塗工
法、塗工量(乾燥後の)を考慮して必要な粘度に調節し
た塗工液となし、たとえば、グラビアコート法、ロール
コート法等の周知の塗工法で塗工することにより、プラ
イマー層23を形成することができる。前記プライマー
層23の乾燥後の塗工量としては、1〜20g/m2が適当で
あり、好ましくは1〜5g/m2である。また、前記プライ
マー層23は、上記樹脂以外に必要に応じてシリカ微粉
末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加し
た層としてもよい。また、のイソシアネートとしては
のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基
と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよ
く、たとえば、2価以上の脂肪族または芳香族イソシア
ネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂
肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4'
- ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単
量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、
あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加
した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネート
などを挙げることができる。
【0028】また、図3、4に示した前記プライマー層
24、25はオレフィン系熱可塑性樹脂シート20ない
し20’と絵柄層6、ベタ印刷層7等の印刷層との接着
性を向上させる目的で設けるものであり、前記合成樹脂
製シート2を上記したようにオレフィン系熱可塑性樹脂
で構成する前記合成樹脂製シート2’、2”の場合に
は、前記プライマー層24、25を前記プライマー層2
3と同様の樹脂を用いて同様に形成するのが好ましい。
【0029】また、前記凹凸模様21は加熱プレスやヘ
アライン加工などにより形成することができる。凹凸模
様21としては、たとえば、導管溝、石板表面凹凸、布
表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝
等である。
【0030】また、前記絵柄層6および前記ベタ印刷層
7は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シル
クスクリーン印刷等の周知の印刷法でインキを用いて形
成することができる。前記絵柄層6としては、たとえ
ば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学
模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄であり、前記
ベタ印刷層7としては、隠蔽性を有する着色インキでベ
タ印刷したものである。図3、4においては、前記絵柄
層6および前記ベタ印刷層7の両方を設けた構成を示し
たが、いずれか一方の構成であっても構わない。
【0031】また、前記絵柄層6および前記ベタ印刷層
7に用いるインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレ
フィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールか
らなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セ
ルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種ないし2種
以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を
加えてインキ化したものを用いることができが、環境問
題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリ
オールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸
ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種
ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であ
り、より好適にはポリエステル、イソシアネートとポリ
オールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミ
ド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。
【0032】なお、図3、4に示した合成樹脂製シート
2’および2”は、本発明にかかる床材用化粧材に用い
る合成樹脂製シートの具体的な実施例を例示したもので
あって、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、これ
に限るものではない。
【0033】次に、図1に示す本発明の床材用化粧材の
合成樹脂製シート2の表面に設ける表面保護層4につい
て説明する。この表面保護層4は床材用化粧材1(図1
参照)に要求される耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性、耐汚
染性等の表面物性を付与するために設けられるものであ
り、この表面保護層4を形成する樹脂としては、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル
系樹脂等の硬化型樹脂、あるいは、これらの1種ないし
それ以上からなる混合樹脂等を用いて、たとえば、前記
樹脂を溶液化したものをロールコート法等の周知の塗工
法等を適宜用いて形成することができるが、電離放射線
硬化型樹脂で形成するのが物性面や生産性等から、特に
好適である。
【0034】電離放射線硬化型樹脂とは、電離放射線を
照射することにより架橋重合反応を起こし3次元の高分
子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波ま
たは荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギ
ー量子を有するものを意味し、可視光線、紫外線(近紫
外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があ
る。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫外線源とし
ては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボ
ンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドラ
ンプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通
常1900〜3800Åの波長域が主として用いられ、また、電
子線源としては、コックロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直
線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の各種電子線加速
器を用い、100 〜1000KeV、好ましくは100 〜300 K
eVのエネルギーをもつ電子を照射するものを使用でき
る。
【0035】前記表面保護層4を形成する電離放射線硬
化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル
基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性
不飽和基、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を
有する単量体、プレポリマー又はポリマー(以下、これ
らを総称して化合物と呼称する)からなる。これら単量
体、プレポリマー、及びポリマーは、単体で用いるか、
或いは複数種混合して用いる。尚、本明細書で(メタ)
アクリレートとは、アクリレート又はメタアクリレート
の意味で用いる。
【0036】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000 程
度以下のものが用いられる。分子量が10000 を超えると
硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱
性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタ
アクリレートは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化
速度という点ではアクリレートの方が速い為、高速度、
短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレー
トの方が有利である。
【0037】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系
樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテ
ル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエー
テル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、
スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
【0038】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイド
ロゲンテレフタレート等が挙げられる。
【0039】また、ラジカル重合性不飽和基を有する多
官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレン
オキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)
アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられ
る。
【0040】カチオン重合性官能基を有する単量体は、
上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量
体を用いることができる。
【0041】上記の電離放射線硬化型樹脂は電子線を照
射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させ
る場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラ
ジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開
始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキ
サントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジ
フェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジ
エチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソ
プロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単
独又は混合して用いることができる。又、カチオン重合
性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾ
インスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニ
ウムジアリルヨードシル塩等を単独又は混合物として用
いることができる。尚、これら光重合開始剤の添加量は
一般に、電離放射線硬化性樹脂100 重量部に対して、0.
1 〜10重量部程度である。また、この電離放射線硬化性
樹脂で保護層を形成する方法としては、たとえば、この
電離放射線硬化性樹脂を溶液化し、ロールコート法等の
周知の塗工法で塗工することにより形成することができ
る。この場合の塗工量としては、固形分として概ね5〜
30g/m2 が適当であり、より好ましくは15〜25g/m
2 である。
【0042】また、電離放射線硬化性樹脂から形成され
た表面保護層4に、より一層耐擦傷性、耐磨耗性を付与
する場合には、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、
二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、
マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸
化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイ
アモンド、金剛砂、ガラス繊維等の研磨材を加えること
により達成することができる。この研磨材の電離放射線
硬化性樹脂100重量部に対する割合は1〜80重量部が適
当である。
【0043】次に、合成樹脂製防湿シート5について説
明する。合成樹脂製防湿シート5としては、防湿性能と
コスト、あるいは、昨今問題となっている燃焼時に有害
なガスを発生しない等を考慮すると、オレフィン系熱可
塑性樹脂からなるシートが好ましい。具体的には、前記
合成樹脂製シート2で説明したオレフィン系熱可塑性樹
脂を用いることができ、その厚さとしては、用いるオレ
フィン系熱可塑性樹脂の種類により異なるが、透湿度と
して30g/m2・24hr(JISZ0208:カップ法によ
る測定)以下、より好ましくは20g/m2・24hr(JIS
Z0208:カップ法による測定)以下となるように設
定すればよく、概ね25〜50μmである。この合成樹
脂製防湿シート5についても必要に応じて、必要な面に
コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着
処理を施してもよい。また、前記合成樹脂製防湿シート
5は、木質系基材3等との接着を容易なものとするため
に、片面ないし両面に薄葉紙や紙間強化紙等の紙層を積
層したものとしても良い。また、両面に紙層を設ける構
成とすることにより下地材との接着も容易なものとする
ことができる。また、紙層を設ける構成とする場合、特
に、両面に紙層を設ける構成とする場合には、紙層間に
ポリエチレン等のオレフィン系樹脂をTダイ押出機で加
熱溶融押出しすれば良く、簡単に製造することができ
る。
【0044】また、前記合成樹脂製シート2および前記
合成樹脂製防湿シート5と前記木質系基材3とを接着す
る接着剤(図示せず)としては、たとえば、アクリル
系、酢酸ビニル系、ウレタン系、エポキシ系等の樹脂か
らなる接着剤を用いることにより、容易に両者を接着す
ることができる。
【0045】
【実施例】次に、本発明について、以下に実施例を挙げ
てさらに詳しく説明する。 実施例1 両面にコロナ放電処理を施した60μmの着色オレフィ
ン系熱可塑性樹脂シートの一方の面にアクリル−ウレタ
ン樹脂〔アクリルポリオール100重量部にヘキサメチ
レンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂〕溶液を
グラビア塗工法で固形分が1g/m2 となるように塗工
して印刷用プライマー層を形成し、該印刷用プライマー
層上にアクリル−ウレタン樹脂〔アクリルポリオール1
00重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部
を添加した樹脂〕からなる印刷インキを用いてグラビア
印刷法でベタ柄印刷層と木目模様の絵柄印刷層とを順に
形成した印刷シートを作製した。この印刷シートの印刷
面にウレタン系接着剤を固形分で10g/m2となるよ
うにロールコート法で塗工すると共に乾燥して接着剤層
を形成し、この接着剤層上に透明なプロピレン樹脂を8
0μm厚さとなるようにTダイ押出機で押出すと共に押
出した前記プロピレン樹脂表面にコロナ放電処理を施し
た積層体を作製し、次いで前記コロナ放電処理面にアク
リル−ウレタン樹脂〔アクリルポリオール100重量部
にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した
樹脂〕溶液をグラビア塗工法で固形分が1g/m2とな
るように塗工して表面保護層用プライマー層を形成し、
その後に表面保護層用プライマー層側から50μm深さ
の木目導管状エンボス版で凹凸模様を設けて本発明の床
材用化粧材に用いる絵柄模様を設けた合成樹脂製シート
を作製した。
【0046】上記で作製した本発明の床材用化粧材に用
いる合成樹脂製シートの着色オレフィン系熱可塑性樹脂
シートの他方の面にウレタン系接着剤を100g/m2
・wetとなるように塗工し、天面の長尺方向にテノー
ナーを用いてV溝加工(溝巾1.5mm、先端角度90
度)及び長尺方向に実加工を施した12mm厚さの合板
の天面にラッピング機を用いて前記合成樹脂製シートを
貼合すると共に、テノーナーを用いて短尺方向側を定寸
カット後に短尺方向に実加工を施した床材用化粧材(中
間製品)を作製し、該床材用化粧材(中間製品)の前記
合成樹脂製シートの表面全面に電離放射線硬化型樹脂
(ウレタンアクリレートオリゴマー/3官能モノマー/
シリカ=70重量部/30重量部/10重量部)を固形
分で15g/m2となるようにロールコート法で塗工・
乾燥して後に電子線(125kV、5Mrad)を酸素
濃度200ppm以下の条件下で照射して表面保護層を
形成した本発明の床材用化粧材を作製した。
【0047】比較例1 両面にコロナ放電処理を施した60μmの着色オレフィ
ン系熱可塑性樹脂シートの一方の面にアクリル−ウレタ
ン樹脂〔アクリルポリオール100重量部にヘキサメチ
レンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂〕溶液を
グラビア塗工法で固形分が1g/m2 となるように塗工
して印刷用プライマー層を形成し、該印刷用プライマー
層上にアクリル−ウレタン樹脂〔アクリルポリオール1
00重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部
を添加した樹脂〕からなる印刷インキを用いてグラビア
印刷法でベタ柄印刷層と木目模様の絵柄印刷層とを順に
形成した印刷シートを作製した。この印刷シートの印刷
面にウレタン系接着剤を固形分で10g/m2となるよ
うにロールコート法で塗工すると共に乾燥して接着剤層
を形成し、この接着剤層上に透明なプロピレン樹脂を8
0μm厚さとなるようにTダイ押出機で押出すと共に押
出した前記プロピレン樹脂表面にコロナ放電処理を施し
た積層体を作製し、次いで前記コロナ放電処理面にアク
リル−ウレタン樹脂〔アクリルポリオール100重量部
にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した
樹脂〕溶液をグラビア塗工法で固形分が1g/m2とな
るように塗工して表面保護層用プライマー層を形成し、
該表面保護層用プライマー層上全面に電離放射線硬化型
樹脂(ウレタンアクリレートオリゴマー/3官能モノマ
ー/シリカ=70重量部/30重量部/10重量部)を
固形分で15g/m2となるようにロールコート法で塗
工・乾燥して後に電子線(125kV、5Mrad)を
酸素濃度200ppm以下の条件下で照射して表面保護
層を形成し、さらに該表面保護層側から50μm深さの
木目導管状エンボス版で凹凸模様を設けて比較例の床材
用化粧材に用いる絵柄模様を設けた合成樹脂製シートを
作製した。
【0048】上記で作製した比較例の床材用化粧材に用
いる合成樹脂製シートの着色オレフィン系熱可塑性樹脂
シートの他方の面にウレタン系接着剤を100g/m2
・wetとなるように塗工し、天面の長尺方向にテノー
ナーを用いてV溝加工(溝巾1.5mm、先端角度90
度)及び長尺方向に実加工を施した12mm厚さの合板
の天面にラッピング機を用いて前記合成樹脂製シートを
貼合するとと共に、テノーナーを用いて短尺方向側を定
寸カット後に短尺方向に実加工を施した比較例とする床
材用化粧材を作製した。
【0049】上記で作製した実施例1、および、比較例
1の床材用化粧材について、一日放置後の溝部の合成樹
脂製シートの「浮き」状態を目視観察し、その結果を表
1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1からも明らかなように、実施例1に比
べて比較例1は溝部の底部に部分的に浮きが発生し、意
匠的に美観を損なうものとなった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、今まで縷々説明したように、
木質系基材に設けた溝部形状通りに溝部を再現すること
ができるために、美観に優れた溝部を有する床材用化粧
材を提供することができる。また、本発明は合成樹脂製
シートで木質系基材を被覆すると共に、床材用化粧材の
表面に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を設け
たことにより耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性、耐汚染性等
の表面物性に優れた床材用化粧材を提供することができ
る。さらにまた、木質系基材の裏面に合成樹脂製防湿シ
ートを設けたことにより、木質系基材の裏面からの吸放
湿を防止することができ、反りや割れの生じ難い床材用
化粧材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる床材用化粧材の第1実施形態
の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】 本発明にかかる床材用化粧材の第2実施形態
の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】 本発明にかかる床材用化粧材に用いる合成樹
脂製シートの具体的な一実施例を示す断面図である。
【図4】 本発明にかかる床材用化粧材に用いる合成樹
脂製シートの具体的な他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 床材用化粧材 2,2’,2'' 合成樹脂製シート 3 木質系基材 4 表面保護層 5 合成樹脂製防湿シート 6 絵柄層 7 ベタ印刷層 8 接着剤層 20,20’ オレフィン系熱可塑性樹脂
シート 20” オレフィン系熱可塑性樹脂
層 21 凹凸模様 22 ワイピングインキ 23,24,25 プライマー層 30 V溝加工 31 面取り加工 32 雌実 33 雄実
フロントページの続き Fターム(参考) 2B250 AA05 BA03 BA05 CA11 DA04 EA01 EA13 FA09 FA21 FA28 FA31 FA33 GA03 4F100 AK01B AK01C AK01E AK03B AK03E AK25D AK25J AK51D AK51J AL01D AP00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E DD05A EH46C EJ65D GB08 HB00B JB12C JB14C JB16B JD04E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも溝加工を施した表面を有する
    木質系基材の表面形状に沿って、絵柄模様を設けた合成
    樹脂製シートを貼合した床材用化粧材の前記合成樹脂製
    シートの表面に硬化型樹脂を塗布することにより表面保
    護層を設けたことを特徴とする床材用化粧材。
  2. 【請求項2】 前記硬化型樹脂が電離放射線硬化型樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の床材用化粧材。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂製シートと前記表面保護層
    との間に、アクリル樹脂とウレタン樹脂の共重合体とイ
    ソシアネートとから形成されたプライマー層を設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載の床材用化粧材。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂製シートがオレフィン系熱
    可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の床材用化粧材。
  5. 【請求項5】 前記木質系基材の裏面に合成樹脂製防湿
    シートが貼着されていることを特徴とする請求項1記載
    の床材用化粧材。
  6. 【請求項6】 前記合成樹脂製防湿シートがオレフィン
    系熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項5記載
    の床材用化粧材。
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