JP2003025476A - バリア性積層体 - Google Patents

バリア性積層体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、単独の酸化金属薄膜のみを有するバ
リア性積層体では得られないような、優れたバリア性を
有し、しかも金属箔や金属薄膜を有するバリア性積層体
等では得ることのできない透明性をも有するバリア性積
層体の提供を目的とする。 【解決手段】透明プラスチックからなる基材上に、酸化
アルミニウムや酸化錫等からなる第1の酸化金属薄膜
と、プラズマ活性化CVD法により形成されたシリコン
窒化膜、炭化シリコン膜等のシリコン化合物薄膜と、第
2の酸化金属薄膜を順次積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品、医薬品、精密
電子部品等の包装に用いられるバリア性積層体に関わ
り、特に透明性とガスバリア性に優れたバリア性積層体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や非食品及び医薬品等の包装
に用いられる包装フィルム等の包装材料は、内容物の変
質を抑制しそれらの機能、性質および品質を保持するた
めに、それを透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変
質させる気体による影響を阻止する必要があり、これら
の様々な気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備える
ことが求められている。そのため従来から、温度・湿度
などによる影響が少ないアルミニウム等の金属からなる
金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に
用いられてきた。
【0003】ところが、アルミニウム等の金属からなる
金属箔を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、
包装材料を透視して内容物を確認することができない、
使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならな
い、検査の際金属探知器が使用できないなどの欠点を有
しており、さらに近年の環境意識の高まりにより消費者
の脱アルミ箔の動きが活発なため使用しづらいと言う状
況にある。
【0004】そこで、これらの欠点を克服すべく、例え
ば米国特許第3442686号明細書、特公昭63−2
8017号公報等に記載されているような酸化珪素、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物から
なる蒸着膜を、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成
手段により高分子フィルム上に形成した蒸着フィルムが
開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性および
酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知ら
れ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリ
ア性の両者を有するバリア性積層体として好適とされて
いる。
【0005】上記のような、バリア性積層体の中でも酸
化アルミニウム蒸着フィルムは、透明性、バリア性に優
れるものとして、既に実用化されている。しかしなが
ら、実用化されたレベルの蒸着フィルムはプラスチック
フィルムとしては高いバリア性を有しているが、アルミ
ニウム箔代替としてはまだまだバリア性が不十分であ
り、さらなるハイバリアフィルムの開発が期待されてい
る。ハイバリア化の手段としては単純に金属酸化物の膜
厚を厚くする等の方法が考えられるが、堅くてもろい酸
化金属薄膜を厚くするとクラックや、ピンホール等が発
生してしまうため、バリア性の向上にはつながらず、あ
るバリアレベルで頭打ちとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なバリア性積層体に関する問題点を解決すべくなされた
ものであり、単層の酸化金属薄膜を有するバリア性積層
体では得られない優れたガスバリア性を有するバリア性
積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成すべくなされたものであり、請求項1に記載の発明
は、透明プラスチックからなる基材上に、第1の酸化金
属薄膜とプラズマ活性化CVD法(以下、PECVD法
という)により形成されたシリコン化合物薄膜と第2の
酸化金属薄膜とが順次積層されていることを特徴とする
バリア性積層体である。
【0008】さら、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のバリア性積層体において、第1と第2の各酸化
金属薄膜が酸化アルミニウムからなることを特徴とす
る。
【0009】さらにまた、請求項3に記載の発明は、請
求項1または請求項2に記載のバリア性積層体におい
て、PECVD法により形成されたシリコン化合物薄膜
が、酸化珪素層、炭化珪素層あるいは、窒化珪素層のい
ずれかからなることを特徴とする。
【0010】さらにまた、請求項4に記載の発明は、第
1の酸化金属薄膜、PECVD法により形成されたシリ
コン化合物薄膜、さらには第2の酸化金属薄膜が、同一
真空チャンバー内で積層されたものであることを特徴と
する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその一実施形態を
示す図1を用いて詳細に説明する。図1はバリア性積層
体の概略断面説明図である。
【0012】図1に示すバリア性積層体20は、透明プ
ラスチック材料からなる基材1上に第1の酸化金属薄膜
2、PECVD法により形成したシリコン化合物薄膜
3、さらに第2の酸化金属薄膜4が順次積層してある。
【0013】上述した基材1は透明プラスチック材料か
らなるものであり、後述する蒸着薄膜の透明性を活かす
ために透明なフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリル
フィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。これら
は延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸
法安定性を有するものが良く、フィルム状に加工して用
いる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテ
レフタレートが好ましく用いられる。またこの基材1に
対しては、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防
止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などにより所望の処
理をしても良く、さらにはこの上に形成する薄膜との密
着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温
プラズマ処理、イオンボンバード処理等を施しておいて
も良く、また薬品処理、溶剤処理等を施しても良い。
【0014】この基材1の厚さは特に制限を受けるもの
ではないが、包装材料としての適性を考慮すると、実用
的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30
μmとすることが好ましい。また、量産性を考慮すれ
ば、連続的に各薄膜を形成できるように長尺フィルムと
することが望ましい。
【0015】このような基材1上に、あるいは後述する
シリコン化合物薄膜3を介して設けてあるのが第1の酸
化金属薄膜2と第2の酸化金属薄膜4である。この第1
の酸化金属薄膜2および第2の酸化金属薄膜4は、酸化
アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、
あるいはそれらの混合物などの金属酸化物の蒸着膜から
なり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等に対するガスバ
リア性を有するものであれば良い。その中では、特に酸
化アルミニウムが好ましい。ただし本発明の第1の酸化
金属薄膜2および第2の酸化金属薄膜4は、上述した金
属酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれ
ば用いることができる。
【0016】金属酸化物からなる第1の酸化金属薄膜2
と第2の酸化金属薄膜4の厚さは、用いられる金属酸化
物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には
5〜100nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択
される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得
られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバ
リア材としての機能を十分に果たすことができない場合
がある。また膜厚が100nmを越える場合は薄膜にフ
レキシビリティを保持させることができず、成膜後に折
り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を
生じる恐れがある。酸化アルミニウムを用いる場合、好
ましくは、5〜20nmの範囲内である。
【0017】金属酸化物からなる第1の酸化金属薄膜2
を透明プラスチック材料からなる基材1上やシリコン化
合物薄膜3上に形成する方法としては種々在るが、通
常、真空蒸着法により形成する方法が採用できる。真空
蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加
熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜
と基材の密着性および薄膜の緻密性を向上させるため
に、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用
いることも可能である。また、酸化金属薄膜の透明性を
上げるために蒸着の際、酸素ガスなどを吹き込んだりす
る反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0018】次ぎに、PECVD法により形成するシリ
コン化合物薄膜3について説明する。このシリコン化合
物薄膜3は図示の如く、第1の酸化金属薄膜2と第2の
酸化金属薄膜4の間に設ける薄膜で、例えばSiO、S
iO2などのシリコン酸化膜(SiOX)、Si34など
シリコン窒化膜(SiNY)や、SiCなどの炭化シリ
コン膜(SiCZ)等であり、Si0XZやSi0XY
等の薄膜であっても構わない。形成に当たっては、直流
(CD)プラズマ、低周波プラズマ、高周波(RF)プ
ラズマ、パルス波プラズマ、3極構造プラズマ、マイク
ロ波プラズマ、ダウンストリームプラズマ、カラムナー
プラズマ、プラズマアシステッドエピタキシー等の低温
プラズマ発生装置が用いられる。プラズマの安定性の点
から高周波(RF)プラズマ方式がより好ましい。
【0019】原料ガスとしてはヘキサメチルジシロキサ
ン(HMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)、ヘ
キサメチルジシラン、テトラメトキシシラン(TMO
S)、テトラエトキシシラン(TEOS)等の有機シラ
ンモノマー単独または混合物をを気化させたものを用い
たり、O2、N2、Ar、He、H2、NO2、NH3等の
ガスの混合ガスを用いることができる。これらの原料ガ
スを前記方式にてプラズマ化させ、第1の酸化金属薄膜
2の上にさらに堆積させ、シリコン化合物薄膜3とす
る。
【0020】PECVD法により形成されるシリコン化
合物薄膜3の膜厚は、0.5〜100nmの範囲で良
く、好ましくは5〜15nmの範囲である。シリコン化
合物薄膜3を膜形成ポイントのみと見なすならば、0.
5nm程度の単分子層の様な膜でも良いが、シリコン化
合物薄膜自身に、さらに優れたバリア性を付与するため
には5〜15nm程度の膜厚が必要である。また100
nmを越えると膜のフレキシビリティーが損なわれ、ク
ラック、ピンホールが発生しやすくなりバリア性が低下
する恐れがある。
【0021】次ぎに本発明に係るバリア性積層体の製造
方法を図2に示す装置を使用した例で説明する。図2に
は本発明のバリア性積層体を製造するための装置の一例
を示している。この装置は真空蒸着兼PECVD成膜装
置5であり、物理蒸着による酸化金属薄膜を形成する真
空蒸着室9とPECVD法によりシリコン化合物の薄膜
を形成するPECVD蒸着室8を持ち、巻き出し部6と
巻き取り部7が反転可能になっていることを特徴とす
る。2つの蒸着室9と8はそれぞれ別々に成膜圧力等を
コントロールすることができるようにもなっている。こ
のような特徴を有する真空蒸着兼PECVD成膜装置5
において、まず透明プラスチック基材である、例えば厚
さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(以下PETフィルムと略す)を巻き出し部6に装
填する。このPETフィルムは真空蒸着室9に導かれ、
冷却ロール11に抱かれながら物理蒸着法にて第1の酸
化金属薄膜が積層された後、さらにPECVD蒸着室8
に導かれ、温調可能な金属ロール10に抱かれながらP
ECVD法によりシリコン化合物薄膜がさらに成膜さ
れ、巻き取り部7において巻き取られる。ここで、13
は蒸着源表面を加熱する熱源である電子銃、14は蒸着
源を入れるためのるつぼ、15は電子銃13からの電子
ビームを必要に応じて遮蔽するためのシャッター、16
は酸素導入パイプ、10は金属製の温調ロール、12は
電極をそれぞれ示している。
【0022】この装置は前記工程に引き続き、巻き取り
部7と巻き出し部6を反転し、真空蒸着室9にて前記工
程で成膜されたシリコン化合物薄膜の上に第2の酸化金
属薄膜を成膜して、所期のバリア性積層体が製造できる
ようになっている。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を、図2に示
す真空蒸着兼PECVD成膜装置5を用いた例で詳細に
説明する。 《実施例1》まず、真空蒸着兼PECVD成膜装置5の
全体を1.9×10-3Paとした後、PECVD蒸着室
8にHMDSO/O2=1/20の混合ガスを供給し、
6.6×10Paとした。同時に高圧電源(図示せず)
より周波数13.56MHzの高周波(RF)を5Kw
のパワーにて電極12に印可し、プラズマを発生させ
た。続いて、真空蒸着室9内のるつぼ14に入れてある
金属アルミニウムに電子銃13から電子ビームを照射
し、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素導入パイ
プ16より酸素ガスを導入した。その後、この真空蒸着
室9に巻き出し部6に装填されていた厚さ12μmのP
ETフィルムを送り出し、その上に厚さ20nmの酸化
アルミニウムからなる第1の酸化金属薄膜を形成した。
さらに、第1の酸化金属薄膜を形成したPETフィルム
をPECVD蒸着室8に通し、アノードとなる金属製の
温調ロール10上にて厚さ5nmのSiOXからなるシ
リコン化合物薄膜を積層し、巻き取り部7へさらに搬送
し、巻き取りロールに巻き取った。その後、PECVD
蒸着室8の混合ガスを排出し、さらに高周波電源を切
り、巻き取り部7を反転し、巻き取り部7に巻き取られ
ていた第1の酸化金属薄膜とシリコン化合物薄膜を積層
した透明プラスチック基材をもう一度、真空蒸着室9に
通すことにより、さらに酸化アルミニウムからなる第2
の金属酸化物薄膜を20nmの厚さで積層し実施例1に
係るバリア性積層体を得た。
【0024】《実施例2》PECVD蒸着室8にHMD
S/02の混合ガスの替わりにTMS/He=1/20
の混合ガスを供給してSiC膜を成膜した以外は実施例
1と同様の条件にて実施例2に係るバリア性積層体を得
た。
【0025】《比較例1》図2に示す真空蒸着兼PEC
VD成膜装置5において、PECVD成膜室8を用いず
に真空蒸着室9にて酸化アルミニウムからなる薄膜を厚
さ12μmのPETフィルム上に20nmの厚さで積層
し比較例1に係るバリア性積層体を得た。
【0026】《比較例2》真空蒸着兼PECVD成膜装
置5において、PECVD蒸着室8を用いずに真空蒸着
室9にて酸化アルミニウムからなる薄膜を厚さ12μm
のPETフィルム上に50nmの厚さで積層し比較例2
に係るバリア性積層体を得た。
【0027】《比較例3》真空蒸着兼PECVD成膜装
置5において、真空蒸着室9を用いずにPECVD蒸着
室8にてSi0Xからなる薄膜を厚さ12μmのPET
フィルム上に5nmの厚さで積層し比較例3に係るバリ
ア性積層体を得た。
【0028】《比較例4》厚さ12μmのPETフィル
ム上を巻き取り部7側から搬送し、まず真空蒸着室9に
おいて酸化アルミニウムからなる厚さ20nmの薄膜を
成膜し、巻き出し部6で巻き取った。その後、巻き出し
部6と巻き取り部7を反転させ、前記工程で酸化アルミ
ニウムの薄膜を成膜したPETフィルムを真空蒸着室9
とPECVD蒸着室8に順次搬送し、真空蒸着室9にお
いては厚さ20nmの酸化アルミニウム薄膜を、PEC
VD蒸着室8においてはPECVD法による厚さ5nm
のSiOX薄膜を積層し、比較例4に係るバリア成積層
体を得た。
【0029】以上のようにして作製した実施例、比較例
合計5例のバリア性積層体の酸素バリア性および、水蒸
気バリア性について、以下に示す測定方法にて評価を行
った。 酸素バリア性:モコン法(MOCON OXTRAN
10/50)30℃−70%Rh 水蒸気バリア性:モコン法(MOCON PERMAT
RAN−W 3/31)40℃−90%Rh 結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1からも分かるように、膜厚が20nm
と50nmの酸化アルミニウムからなる薄膜を有する比
較例1と比較例2に係るバリア性積層体のバリア性を比
較した場合、膜厚が倍以上になったとしてもバリア性は
さほど変わらない。また比較例3のPECVD法による
厚さ5nm程度の酸化珪素薄膜を有するバリア性積層体
では有効なバリア性は得られない。一方、酸化アルミニ
ウムからなる酸化金属薄膜の間にPECVD法による酸
化珪素膜または炭化珪素膜からなるシリコン化合物薄膜
を積層した実施例1、2に係るバリア性積層体は、比較
例1、2、3では得られないような高いバリア性が得ら
れている。これは酸化アルミニウムからなる酸化金属薄
膜の間に、PECVD法によりシリコン化合物薄膜を設
けることにより、堅くてもろい酸化金属薄膜のクラック
や、ピンホール等の発生を抑制できるためであり、これ
により酸化金属薄膜単層では達成出来ないようなハイバ
リア性を得ることが出来る。さらにPECVD法による
シリコン化合物の薄膜は膜質が緻密で架橋が進んでいる
こと、ドライ加工であるために粉塵等の異物の混入が少
なく、それ自体でも良好なガス遮断性があると同時に、
その薄膜上に物理蒸着法にて金属酸化物の薄膜を形成す
る際に膜形成ポイントが非常に多くなること、残留溶
剤、脱ガスがなく蒸発粒子の付着に妨害を与えない等か
ら、さらにその上に形成される金属酸化物薄膜の膜質も
向上すると考えられる。また、比較例4に係るバリア性
積層体は最後にPECVD法による酸化珪素薄膜を積層
したが、実施例でみられるようなバリア性は得られな
い。
【0032】以上に説明したように、本発明は、単独の
酸化金属薄膜のみを有するバリア性積層体では得られな
いような、優れたバリア性が付与され、しかも金属箔や
金属薄膜を有するバリア性積層体等では得ることのでき
ない透明性やガスバリア性の両者を有することが可能と
なり、その実用上の効果が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るバリア性積層体の断
面構成説明図である。
【図2】本発明のバリア性積層体を製造するための装置
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・基材 2・・第1の酸化金属薄膜 3・・PECVD法にて形成したシリコン化合物薄膜 4・・第2の酸化金属薄膜 5・・真空蒸着兼PECVD成膜装置 6・・巻き出し部 7・・巻き取り部 8・・PECVD蒸着室 9・・真空蒸着室 10・・金属製の温調ロール 11・・金属製の冷却ロール 12・・電極 13・・電子銃 14・・るつぼ 14・・シャッター 16・・酸素導入パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA17D AA19B AA19D AA20C AD05C AD08C AK01A AK42 BA04 BA07 BA10A BA10D EH66C GB16 JD02 JM02B JM02C JM02D JN01 JN01A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明プラスチックからなる基材上に、第1
    の酸化金属薄膜とプラズマ活性化CVD(Chemic
    al Vapor Deposition)法により形
    成されたシリコン化合物薄膜と第2の酸化金属薄膜とが
    順次積層されていることを特徴とするバリア性積層体。
  2. 【請求項2】前記第1と第2の各酸化金属薄膜が酸化ア
    ルミニウムからなることを特徴とする請求項1に記載の
    バリア性積層体
  3. 【請求項3】前記プラズマ活性化CVD法により形成さ
    れたシリコン化合物薄膜が、酸化珪素、炭化珪素あるい
    は、窒化珪素のいずれかからなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のバリア性積層体。
  4. 【請求項4】前記第1の酸化金属薄膜、プラズマ活性化
    CVD法により形成されたシリコン化合物薄膜、さらに
    は第2の酸化金属薄膜が、同一真空チャンバー内で積層
    されたものであることを特徴とする請求項1に記載のバ
    リア性積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02194944A (ja) * 1989-01-24 1990-08-01 Toppan Printing Co Ltd レトルト耐性を有する透明バリアー複合フィルム
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JPH11105189A (ja) * 1997-10-07 1999-04-20 Dainippon Printing Co Ltd 透明バリア性ナイロンフィルム、それを使用した積層体および包装用容器

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