JP2003025328A - プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置 - Google Patents

プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置

Info

Publication number
JP2003025328A
JP2003025328A JP2001211355A JP2001211355A JP2003025328A JP 2003025328 A JP2003025328 A JP 2003025328A JP 2001211355 A JP2001211355 A JP 2001211355A JP 2001211355 A JP2001211355 A JP 2001211355A JP 2003025328 A JP2003025328 A JP 2003025328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
roll
impregnating
resin varnish
fiber base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001211355A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Hara
貴士 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Kyocera Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Chemical Corp filed Critical Kyocera Chemical Corp
Priority to JP2001211355A priority Critical patent/JP2003025328A/ja
Publication of JP2003025328A publication Critical patent/JP2003025328A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維基材への樹脂の含浸を確実にするために
は、含浸時間を長くしなければならず、装置の大型化
や、繊維基材の搬送速度を低下させる必要があった。ま
た、厚めの繊維基材の場合には、このような方法によっ
ても完全に含浸させることは困難であった。 【解決手段】 繊維基材に含浸させる樹脂ワニスを収容
する含浸槽と、前記含浸層内に設置され表面部に前記樹
脂ワニスを吸引する孔部を有する吸引用含浸ロールと、
前記含浸層内に設置され表面部に前記樹脂ワニスを噴出
する孔部を有する噴出用含浸ロールと、前記吸引用含浸
ロール内に吸引される前記樹脂ワニスを前記噴出用含浸
ロール内へ輸送する手段とを具備するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線板材料
であるプリプレグの製造方法およびそれを利用したプリ
プレグ製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状に調整された樹脂ワニスの繊維基材
への含浸法としては、繊維基材を樹脂ワニス中に浸漬し
て行う浸漬法、ロールを用いてロールから間接的に繊維
基材へ樹脂ワニスを含浸させるスクイズ法および接触
(キッス)法、繊維基材を樹脂ワニス中に浸漬した後さ
らにスクイズすることにより行う浸漬・スクイズ法等が
一般的であるが、より均一に気泡等を含むことなく樹脂
ワニスを含浸させるために、それらの方法を組み合わせ
て複数回含浸させるようにすることも行われている。
【0003】このような繊維基材へ樹脂ワニスを含浸さ
せて作製されるプリプレグにおいては、繊維基材中のフ
ィラメント間に気泡が残っていると、プリント配線板成
形時のボイドやカスレの原因となり、プリント配線板の
信頼性を行うおそれがある。例えば、ボイドやカスレが
生じたプリント配線板に電圧が印加されると、導電層を
構成する銅イオンが移行して導電層間の絶縁層が低下す
ることがある。特に、多層プリント配線板や比較的低圧
で成形するプリント配線板では、プリプレグ内部に残存
する気泡を除くことが難しく、ボイドやカスレが発生し
やすい。
【0004】このため、繊維基材の開繊処理や表面処理
剤の変更、あるいは浸漬時間の延長などにより含浸性の
向上を図っている。
【0005】浸漬時間を延長する方法としては、樹脂ワ
ニスが収容される含浸槽の数を増やしたり、含浸槽の槽
長を延長したり、あるいは繊維基材の搬送速度を減少さ
せることなどにより、樹脂ワニスの含浸を促進すること
が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含浸槽
の数を増やしたり、含浸槽の槽長を延長する場合、装置
自体が大きくなってしまう。これに伴い、使用する樹脂
ワニスの量も多くなってしまい、樹脂ワニスを交換する
際に廃棄される樹脂ワニスの量も多くなってしまう。こ
れに対して、繊維基材の搬送速度を減少させる場合に
は、生産性が大きく低下してしまう。
【0007】また、例えば繊維基材の厚さが0.2mm
を超えるような場合には、上記した方法によっても繊維
基材へ樹脂ワニスを完全に含浸させることは困難であっ
た。
【0008】本発明は、上記したような課題を解決する
ためになされたものであって、装置を大型化させずに、
厚めの繊維基材を使用した場合においてもボイドやカス
レの発生が抑制されたプリプレグを作製する方法および
それを利用した製造装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプリプレグの製
造方法は、繊維基材に樹脂ワニスを含浸させてプリプレ
グを作製するにあたり、前記繊維基材の厚み方向に前記
樹脂ワニスの流れをつくり、前記繊維基材に前記樹脂ワ
ニスを含浸させる工程と、前記樹脂ワニスが含浸された
繊維基材を加熱乾燥させる工程とを具備することを特徴
としている。
【0010】繊維基材の厚み方向に樹脂ワニスの流れを
つくる方法としては、例えば表面部に孔部を有する含浸
ロールに繊維基材を接触させ、孔部より繊維基材を介し
て樹脂ワニスを吸引する方法や、表面部に孔部を有する
含浸ロールに繊維基材を接触させ、孔部より繊維基材を
介して樹脂ワニスを噴出させることにより行う方法が挙
げられる。
【0011】本発明のプリプレグ製造装置は、繊維基材
に含浸させる樹脂ワニスを収容する含浸槽と、前記含浸
層内に設置され、表面部に前記樹脂ワニスを噴出する孔
部を有する噴出用含浸ロールと、前記含浸槽内に収容さ
れた樹脂ワニスを噴出用含浸ロール内へ輸送する手段と
を具備することを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のプリプレグ製造装置は、繊
維基材に含浸させる樹脂ワニスを収容する含浸槽と、前
記含浸層内に設置され、表面部に前記樹脂ワニスを吸引
する孔部を有する吸引用含浸ロールと、前記吸引用含浸
ロール内へ吸引された樹脂ワニスを含浸槽内へ輸送する
手段とを具備するものである。
【0013】含浸層内に設置される含浸ロールは、全て
を吸引用含浸ロールまたは噴出用含浸ロールとする必要
はなく、例えば吸引用含浸ロールと噴出用含浸ロールと
を用いてもよい。この場合、吸引用含浸ロール内に吸引
された樹脂ワニスを噴出用含浸ロール内へ輸送するよう
な構成とすることが好ましい。
【0014】前記吸引用含浸ロールの繊維基材導入部お
よび排出部の少なくとも一方には、前記繊維基材が吸引
用含浸ロールに巻き込まれてしまうことを防止するため
に、板状または棒状の繊維基材巻込防止手段を設けるこ
とが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明に使用されるプリプレグ製
造装置の一例を概略的に示した図である。基材ロール1
に巻かれた繊維基材2は、ガイドローラ3に案内され含
浸槽4へと搬送される。
【0017】含浸槽4には繊維基材2に含浸されるべき
樹脂ワニスが収容されており、含浸槽4に搬送された繊
維基材2は、含浸槽4内に設けられた含浸ロール5によ
り案内され、含浸槽4内を移動中に樹脂ワニスが含浸さ
せられる。
【0018】含浸槽4を通過した繊維基材2は、ガイド
ローラ3に案内されて乾燥塔6へと搬送され、ここで乾
燥させられてプリプレグとなる。
【0019】上記含浸ロール5としては、例えば図2に
示されるような吸引用含浸ロール5aが挙げられる。吸
引用含浸ロール5aは、例えば円筒状のものであり、そ
の表面部には円周方向の全面にわたって孔部7が設けら
れている。樹脂ワニスをこの孔部7より吸引することに
より、図中矢印で示されるような円筒部外側より円筒部
内側への樹脂ワニスの流れをつくることができる。そし
て吸引用含浸ロール5aの円筒部外側に繊維基材2を接
触させた状態で樹脂ワニスを吸引することで、樹脂ワニ
スを繊維基材2の厚さ方向に強制的に通過させることが
でき、含浸効率を向上させることができる。
【0020】このような吸引用含浸ロール5aには、例
えば図3に示されるような繊維基材巻込防止手段8を繊
維基材導入部および排出部に設ける方法が挙げられる。
繊維基材導入部とは、繊維基材2が吸引用含浸ロール5
aに導入される側における、吸引用含浸ロール5aと繊
維基材2との間の部分である。繊維基材排出部とは吸引
用含浸ロール5aから繊維基材2が排出される側におけ
る、吸引用含浸ロール5aと繊維基材2との間の部分で
ある。
【0021】このような部分に、例えば板状、棒状など
の繊維基材巻込防止手段8を吸引用含浸ロール5aの軸
方向と平行に配置することで、たわみなどにより繊維基
材2が吸引用含浸ロール5aに巻き取られることを防止
することができる。
【0022】図4は、本発明に用いられる他の吸引用含
浸ロール5aの他の例を示したものである。吸引用含浸
ロール5aは、例えば図4に示されるようにロール表面
の円周方向の一部のみに孔部7を設けたものであっても
構わない。このような吸引用含浸ロール5aは、回転さ
せずに用いることで孔部7より樹脂ワニスを効率的に吸
引することができ、効率的に繊維基材2への樹脂ワニス
の含浸を行うことができる。
【0023】このような非回転型の吸引用含浸ロール5
aは、含浸槽4の底部側に配置される含浸ロールとして
用いることが好ましい。例えば、図4に示されるように
含浸槽4内に収容される樹脂ワニスの液量が少なく、吸
引用含浸ロール5aの一部が液面より露出してしまうよ
うな場合でも、非回転型とし、かつ孔部7を樹脂ワニス
が存在する底部側の一部円周上に設けることで、確実に
樹脂ワニスを吸引して繊維基材2へ樹脂ワニスを含浸さ
せることができる。
【0024】非回転型の吸引用含浸ロール5aには、例
えば図5に示すように、その外側に表面部に孔部8aを
有する回転可能な補助ロール8を設けてもよい。非回転
型の吸引用含浸ロール5aの場合、樹脂ワニスが吸引さ
れるに伴って繊維基材2が吸引用含浸ロール5aに引き
寄せらるため、繊維基材2と吸引用含浸ロール5aとの
摩擦抵抗が大きくなる。図に示すように、吸引用含浸ロ
ール5aの外側に回転可能な補助ロール8を設けること
で、前記したような摩擦抵抗の増大を抑制することがで
きる。
【0025】本発明では図1に示されるようなプリプレ
グ製造装置においては、必ずしも全ての含浸ロール5を
吸引用噴出ロール5aとしなくてもよく、含浸ロール5
の一部または全部を噴出用含浸ロールとしてもよい。噴
出用含浸ロールは、例えば図2や図3に示されるような
吸引用含浸ロール5aと同様な構造のものであり、樹脂
ワニスの流れを円筒部内側から円筒部外側へと変更した
ものである。
【0026】このような噴出用含浸ロールによっても、
吸引用含浸ロールと同様な効果を得ることができる。噴
出用含浸ロールの場合には樹脂ワニスの流れが円筒部内
側から円筒部外側へと向かうため、繊維基材が噴出用含
浸ロールに引き寄せられることがなく、噴出用含浸ロー
ルに繊維基材が巻き取られるようなことがない。このた
め、吸引用含浸ロールの場合のように繊維基材巻込防止
手段を設ける必要もない。
【0027】また、噴出用含浸ロールの場合には、噴出
された樹脂ワニスが繊維基材と噴出用含浸ロールとの間
に存在するため、非回転型としても繊維基材と噴出用含
浸ロールとの摩擦抵抗が増大しない利点もある。
【0028】吸引用含浸ロールまたは噴出用含浸ロール
の円筒部の表面に設けられる孔部の形状としては、例え
ば図6に示されるような円状のものや、図7に示される
ようなスリット状のものが挙げられる。
【0029】円状の孔部の場合は、例えば1段目として
ロール軸方向に孔部どうしが重なり合わないようにし
て、繊維基材の幅と同程度の孔部列を形成する。2段目
として、1段目と同様な孔部列を1段目の孔部列と重な
り合わないようにして、1段目の孔部列に対して円周方
向およびロール軸方向にずらして孔部列を形成する。以
下、同様にして円周方向全体に孔部列を形成する。
【0030】含浸ロールを非回転型とする場合には、円
周方向の一部について上記したように孔部列を設ければ
よい。例えば、図4に示されるように円周方向に3列の
孔部列を形成する場合、それぞれの孔部列と含浸ロール
の中心軸とを結ぶ直線が45度の角度(θ)をなすよう
に形成する方法が挙げられる。
【0031】スリット状の孔部の場合には、例えば1段
目として円周方向の長さが1cm以下、ロール軸方向の
長さが繊維基材の幅と同程度の長方形状の孔部を設け
る。2段目として、1段目のスリット状の孔部と重なり
合わないようにして、同様の長方形状の孔部を設ける。
同様に、円周方向全面にスリット状の孔部を設ける。
【0032】含浸ロールを非回転型とする場合には、円
周方向の一部について上記したように孔部列を設ければ
よい。例えば、図4に示されるように円周方向に3列の
孔部列を形成する場合、それぞれの孔部列と含浸ロール
の中心軸とを結ぶ直線が45度の角度(θ)をなすよう
に形成する方法が挙げられる。
【0033】なお、上記孔部の形状、大きさおよび孔部
どうしの間隔などは、繊維基材の種類、厚さなどにより
適宜変更することができる。
【0034】次に、吸引用含浸ロールと噴出用含浸ロー
ルとを用いたプリプレグ製造装置の一例を図8を参照し
て説明する。
【0035】基材ロール1に巻かれた繊維基材2は、ガ
イドローラ3に案内され含浸槽4へと搬送される。含浸
槽4には繊維基材2に含浸されるべき樹脂ワニスが収容
されており、繊維基材2が導入される側から1本目およ
び2本目の含浸ロールが吸引用含浸ロール5a、3本目
が通常の含浸ロール5c、4本目および5本目が噴出用
含浸ロール5bとなっている。
【0036】図9に示されるように、2本の吸引用含浸
ロール5aにはそれぞれに配管が接続されており、これ
らは途中で1本に接合されてポンプで吸引するように接
合されている。このポンプには、吸引された樹脂ワニス
を排出するための配管が接続されており、これは途中で
2本に分離され2本の噴出用含浸ロール5bのそれぞれ
に接続されている。
【0037】このように、ポンプにより吸引用含浸ロー
ル5aから樹脂ワニスを吸引すると共に、この吸引され
た樹脂ワニスを噴出用含浸ロール5bから噴出させるこ
とで、含浸槽4に収容された樹脂ワニスを循環させなが
ら、効率的に繊維基材へ樹脂ワニスを含浸させることが
できる。
【0038】含浸槽4を通過し樹脂ワニスが含浸された
繊維基材2は、ガイドローラ3に案内され乾燥塔6へ搬
送され、ここで乾燥させられてプリプレグとなる。
【0039】上記例では、吸引用含浸ロールおよび噴出
用含浸ロールを2本ずつ用いた例を示したが、本発明で
は必ずしも吸引用含浸ロールと噴出用含浸ロールの本数
を同じにする必要はない。また、これらの順序について
も特に制限はなく、噴出用含浸ロールを最初の位置に配
置してもよいし、これらを交互に配置しても構わない。
【0040】また、本発明に用いられる繊維基材は、熱
硬化性樹脂含浸プリプレグ用基材として知られるもので
あればよく、ガラスやアスベストなどの無機繊維、ポリ
エステル、ポリアミドなどの有機合成繊維、木綿などの
天然繊維からなる織布、不織布、マットなどが挙げられ
る。その他、クラフト紙やリンター紙なども使用するこ
とができる。
【0041】樹脂ワニスは、樹脂を溶剤に溶解または分
散させて粘度を調整したもので、例えばエポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ビニルエステル樹脂、それらの変性
物などが挙げられる。これらは単独または2種以上を混
合して使用するようにしてもよい。また、溶剤として
は、アセトン、水、メチルエチルケトン、メタンール、
エタノール、キシレン、トルエン、スチレン、ジメチル
フォルムアミド、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、3-メチル-3-メトキシブタノール、エチレングリコ
ールモノエチルアセテート、プロピレングリコールメチ
ルエーテル、N-メチルピロリドンなどが例示され、これ
らの樹脂は1種を単独で使用してもよく2種以上を混合
して使用するようにしてもよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施の形態について実施例を
参照して説明する。
【0043】(実施例1)プリプレグ作製装置として、
図1に示されるような装置を用いた。含浸槽4内に配置
される含浸ロール5として、図2に示されるような回転
可能な吸引用含浸ロール5aを5本設置した。この吸引
用含浸ロール5aは、直径100mm、長さ1350m
mからなる筒状のものとし、図6に示されるように、表
面部に直径(D)5mmの孔部7をロール軸方向に中心
間隔(Ia)10mmで設け、さらに円周方向およびロ
ール軸方向に位相をそれぞれ5mm(Ic、Ib)ずつ
ずらして同様な孔部7を設けた。
【0044】樹脂ワニスは、ブロム化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂100重量部、ジシアンジアミド2重量
部および2エチル4メチルイミダゾール0.2重量部
を、メチルエチルケトン30重量部およびジメチルホル
ムアミド18重量部からなる溶剤に溶解したものをさら
にアセトンにより希釈して、25℃における粘度が15
0mPa・sとなるように調整して使用した。
【0045】このような装置に幅1063mm、厚さ
0.2mm、重量210g/mのガラスクロス(st
yle:7628)を搬送速度10m/minで挿入し
て樹脂ワニスを含浸、乾燥させた後、1055×106
3mmに裁断してプリプレグを作製した。ワニス吸引ロ
ール1本当りのワニス吸引量は2000cm/min
とした。
【0046】次に、作製したプリプレグの縦方向に対し
中央で、横方向に対する両端及び中央の3箇所、50×
50mmの大きさの範囲について、光学顕微鏡を用い
て、上面から観察したときのボイド(気泡)が占める面
積の比率を測定した。その結果、気泡面積率は3%とな
り、ボイドの発生を大幅に抑制できることが認められ
た。
【0047】(実施例2)プリプレグ作製装置として、
図1に示されるような装置を用いた。含浸槽4内に配置
される含浸ロール5として、図4に示されるような構成
を有する非回転型の噴出用含浸ロール5bを5本設置し
た。噴出用含浸ロール5bは直径100mm、長さ13
50mmからなる筒状のものとし、含浸槽4の底面側に
配置される噴出用含浸ロール5bには、ロール軸から鉛
直方向に下ろした直線がロールの円筒部と交差する部分
にスリット部(孔部)を1つ設け、さらにこの直線と角
度(θ)が45度をなすような直線を引き、この直線が
ロールの円筒部と交差する部分にスリット部を設け、合
計で3つのスリット部を設けた。
【0048】非底面側に配置される噴出用含浸ロール5
bは、底面側に配置される噴出用含浸ロール5bとは逆
に、スリット部が上側になるように配置した。これらの
スリット部は、円周方向の長さ(Id)7mm、スリッ
ト部どうしの間隔(Ie)38mmとした。
【0049】次に、実施例1と同様の繊維基材、樹脂ワ
ニスを用い、ワニス噴出用ロール1本当りのワニス噴出
量を2000cm/minとし、他の条件を実施例1
と同じにしてプリプレグを作製し、ボイド(気泡)が占
める面積の比率を測定した。その結果、気泡面積率は2
%となり、ボイドの発生を大幅に抑制できることが認め
られた。
【0050】(実施例3)プリプレグ作製装置として、
図8および図9に示されるような装置を用いた。含浸槽
4内には繊維基材挿入側から順に吸引用含浸ロール5a
を2本、孔部を有しない含浸ロール5cを1本、噴出用
含浸ロール5bを2本を設置し、吸引用含浸ロール5a
から樹脂ワニスを吸引すると共に、吸引された樹脂ワニ
スを噴出用含浸ロール5bから噴出する構造とした。
【0051】なお、吸引用含浸ロール5aは実施例1と
同様な孔部を有するものとし、噴出用含浸ロール5bは
実施例2と同様な孔部を有するものとした。
【0052】次に、実施例1と同様の繊維基材、樹脂ワ
ニスを用い、ワニス吸引用ロールおよびワニス噴出用ロ
ール1本当りの吸引または噴出量を2000cm/m
inとし、他の条件を実施例1と同じにしてプリプレグ
を作製し、ボイド(気泡)が占める面積の比率を測定し
た。その結果、気泡面積率は2%となり、ボイドの発生
を大幅に抑制できることが認められた。
【0053】(比較例1)含浸ロールとして、表面部に
孔部を有しない従来の含浸ロールを用い、他の条件を実
施例1と同一の条件にしてプリプレグを作製し、ボイド
(気泡)が占める面積の比率を測定した。その結果、気
泡面積率は30%となり、本発明の実施例に比較して大
幅に気泡面積率が高くなることが認められた。
【0054】
【発明の効果】本発明のプリプレグの製造方法は、繊維
基材に樹脂ワニスを含浸させてプリプレグを作製するに
あたり、繊維基材の厚み方向に樹脂ワニスの流れをつく
り、繊維基材に樹脂ワニスを含浸させることで、装置を
大型化させたり、搬送速度を低下させずにボイドやカス
レの発生が抑制されたプリプレグを作製することができ
る。
【0055】また、本発明のプリプレグ製造装置は、樹
脂ワニスを含浸させるにあたり、少なくとも表面部に設
けられた孔部より樹脂ワニスを噴出する噴出用含浸ロー
ル、または表面部に設けられた孔部より樹脂ワニスを吸
引する吸引用含浸ロールを具備し、含浸層内においてこ
れらの含浸ロールを利用して繊維基材を案内することに
より、効率的に繊維基材に樹脂ワニスを含浸させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグ製造装置の一例を示した概
略図
【図2】吸引用含浸ロールの一例を示した断面図
【図3】吸引用含浸ロールの他の例を示した断面図
【図4】補助ロールの例を示した断面図
【図5】繊維基材巻込防止手段の一例を示した断面図
【図6】円状孔部を示した図
【図7】スリット状孔部を示した図
【図8】本発明のプリプレグ製造装置の他の例を示した
概略図
【図9】吸引用含浸ロールと噴出用含浸ロールとの接続
例を示した概略図
【符号の説明】
2…繊維基材 4…含浸槽 5a…吸引用含浸ロール 5b…噴出用含浸ロール 7…孔部 8…補助ロール 9…繊維基材巻込防止手段
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AB03 AB05 AB06 AB08 AB09 AB28 AB29 AB31 AD02 AD13 AD21 AD23 AD34 AD38 AD42 AD45 AG03 AG06 AG07 AH02 AH21 AH26 AH31 AH32 AH33 AH37 AH42 AH49 AH50 AJ04 AJ11 AK05 AL13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材に樹脂ワニスを含浸させてプリ
    プレグを作製するにあたり、 前記繊維基材の厚み方向に前記樹脂ワニスの流れをつく
    り、前記繊維基材に前記樹脂ワニスを含浸させる工程
    と、 前記樹脂ワニスが含浸された繊維基材を加熱乾燥させる
    工程とを具備することを特徴とするプリプレグの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記含浸は、表面部に孔部を有する含浸
    ロールに前記繊維基材を接触させ、前記孔部より前記繊
    維基材を介して前記樹脂ワニスを吸引することにより行
    うことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記含浸は、表面部に孔部を有する含浸
    ロールに前記繊維基材を接触させ、前記孔部より前記繊
    維基材を介して前記樹脂ワニスを噴出させることにより
    行うことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 繊維基材に含浸させる樹脂ワニスを収容
    する含浸槽と、 前記含浸層内に設置され、表面部に前記樹脂ワニスを噴
    出する孔部を有する噴出用含浸ロールと、 前記含浸槽内に収容された樹脂ワニスを前記噴出用含浸
    ロール内へ輸送する手段とを具備することを特徴とする
    プリプレグ製造装置。
  5. 【請求項5】 繊維基材に含浸させる樹脂ワニスを収容
    する含浸槽と、 前記含浸層内に設置され、表面部に前記樹脂ワニスを吸
    引する孔部を有する吸引用含浸ロールと、 前記吸引用含浸ロール内へ吸引された樹脂ワニスを前記
    含浸槽内へ輸送する手段とを具備することを特徴とする
    プリプレグ製造装置。
  6. 【請求項6】 繊維基材に含浸させる樹脂ワニスを収容
    する含浸槽と、 前記含浸層内に設置され表面部に前記樹脂ワニスを吸引
    する孔部を有する吸引用含浸ロールと、前記含浸層内に
    設置され表面部に前記樹脂ワニスを噴出する孔部を有す
    る噴出用含浸ロールと、 前記吸引用含浸ロール内に吸引された前記樹脂ワニスを
    前記噴出用含浸ロール内へ輸送する手段とを具備するこ
    とを特徴とするプリプレグ製造装置。
  7. 【請求項7】 前記吸引用含浸ロールの前記繊維基材導
    入部および排出部の少なくとも一方に、板状または棒状
    の繊維基材巻込防止手段を具備することを特徴とする請
    求項5または6記載のプリプレグ製造装置。
JP2001211355A 2001-07-11 2001-07-11 プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置 Withdrawn JP2003025328A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211355A JP2003025328A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211355A JP2003025328A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003025328A true JP2003025328A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19046685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001211355A Withdrawn JP2003025328A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003025328A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274195A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグの製造方法及びプリプレグ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274195A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグの製造方法及びプリプレグ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009079222A (ja) 硬化樹脂含浸基板及びその製造方法
KR20010032871A (ko) 유리 섬유 부직포 및 인쇄 배선 기판
JP2003025328A (ja) プリプレグの製造方法およびそれを利用したプリプレグ製造装置
CN100382949C (zh) 预浸基板的制造方法
JP2012178526A (ja) プリント配線板の製造方法及び搬送用ローラ
TW200942152A (en) Sheet material, electromagnetic shielding sheet material, wallpaper, and electromagnetic shielding tape for electrical wiring
JPH08259274A (ja) ガラスクロスの表面処理方法
US20130061401A1 (en) Process for treating woven glass cloth
KR101841024B1 (ko) 인쇄회로기판 습식 에칭 시스템
JP2000061939A (ja) 樹脂ワニス含浸方法、プリプレグの製造方法及び樹脂含浸装置
JP2002284908A (ja) プリプレグの製造方法
JPH10119044A (ja) 繊維基材へのワニス含浸方法及び含浸装置
KR102664950B1 (ko) 유리 섬유 직물의 개섬 장치 및 방법
JP2000158441A (ja) 樹脂含浸装置
JP2001192955A (ja) 耐熱性不織布およびその製造方法ならびに耐熱性不織布からなるプリント配線板用基材
JPH11188728A (ja) 織布基材へのワニス含浸方法及びワニス含浸装置
CN213500970U (zh) 浸润装置
JP6708311B1 (ja) 塗液含有強化繊維テープおよび塗液含有強化繊維テープパッケージの製造方法
JP5234570B2 (ja) プリプレグの製造方法
JP2611584B2 (ja) プリプレグの製造方法
TWI381925B (zh) 預浸材製造方法及預浸材
JPH02182408A (ja) 基材へのワニス含浸方法
JP2003034728A (ja) 低誘電率プリプレグ
JP4055261B2 (ja) ワニス含浸装置
JPH02182409A (ja) 基材へのワニス含浸方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007