JP4055261B2 - ワニス含浸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワニス含浸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気用積層板、例えば、銅張積層板は、熱硬化性樹脂のワニスを繊維基材に含浸、乾燥してプリプレグとし、このプリプレグを所定枚数重ね、その両面又は片面に銅はくを配し、加熱加圧して製造されている。
【0003】
プリプレグの製造工程において、繊維基材へのワニス含浸工程は最も重要な工程とされている。従来は、連続帯状の繊維基材2を供給ロール1から第1ガイドロール3及び含浸ロール4a,4bによりワニス含浸槽5に導き、繊維基材2をワニス含浸槽5内のワニス6に浸漬することにより繊維基材2にワニス6を含浸させるようにしていた(図3参照)。
【0004】
ワニス含浸工程において肝要なことは、内部に気泡を残さないようにすることである。元来、繊維基材は繊維間の空隙に空気が含まれる構造である。ワニスを含浸するにあたって、この空気をワニスに置き換える必要がある。ワニスに置き換えられずに気泡として残存した空気は、プリプレグとしたときもそのまま残存し、いわゆるボイドとなる。ボイドを多く含むプリプレグを用いて製造した積層板は、電気特性や耐熱性が悪いことが知られている。
したがって、ボイドをできるだけ少なくする必要がある。
このため、図3に示されるように含浸ロールを2個設けて繊維基材2がワニス6中に浸漬される距離を長くし、繊維基材2の走行速度を遅く設定し、さらに、含浸槽を複数として、第2ガイドロール7及び第2含浸ロール8により第2ワニス含浸槽9内のワニス10に浸漬して乾燥炉11に送るようににしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法によってもワニスの含浸が良好でないことからプリプレグとしたときにボイドが残り、加えて繊維基材2の走行速度を遅く設定する必要がありこのためワニスの含浸に長時間を必要とすることから、生産性が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、繊維基材2の走行速度を速く設定してもワニスの含浸を良好にすることができるワニス含浸装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、繊維基材2がワニス中を走行するときに、繊維基材2の走行に随伴してワニスに流れが生ずることに着目し、このワニスの流れを利用することを検討して本発明に到達した。
【0009】
繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れはそのままでは繊維基材2と平行である。この流れを繊維基材2に向けて誘導することによりワニスが繊維基材に浸透する圧力として作用するからワニスの含浸が改善され、ボイドの少ないプリプレグを製造することができる。
【0011】
繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れは、例えば、繊維基材2の走行路側の縁が繊維基材2の走行方向に向くように板材を傾斜させたワニス流れ誘導体12を設けることにより繊維基材2に向けて誘導される。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明は、ワニス含浸槽5内に配設された2個の含浸ロール4a,4bを備え、該2個の含浸ロール4a,4b間に、繊維基材2の走行路側の縁が繊維基材2の走行方向に向くように板材を傾斜させてなるワニス流れ誘導体12を設けてなるワニス含浸装置である(図1参照)。
【0013】
ワニス流れ誘導体12を繊維基材2の走行路の両側に設けると繊維基材2の両面からワニスを浸透させる圧力が作用することからより好ましい。
【0014】
すなわち、請求項2に記載の発明は、ワニス流れ誘導体12が、繊維基材2の走行路の両側に設けられてなる請求項1に記載のワニス含浸装置である(図1及び図2参照)。
【0015】
また、ワニスを浸透させる圧力が繊維基材2の両面から交互に加えられると、繊維基材2の内部でワニスが揺動して残存する空気を繊維基材2から排出させるので好ましい。
【0016】
すなわち、請求項3に記載の発明は、ワニス流れ誘導体12が、繊維基材2の走行路の両側にそれぞれ複数枚設けられ、かつ、片側のワニス流れ誘導体12の繊維基材2の走行路側の縁が他の側のワニス流れ誘導体12の繊維基材2の走行路側の縁の中間に位置するように設けられてなる請求項2に記載のワニス含浸装置である(図1及び図2参照)。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される繊維基材2は、積層板用途に使用されるものならば、特に制限はなく、厚さ0.05〜0.3mmのガラス織布基材が一般的である。有機繊維の織布も使用できる。
【0018】
また、用いられるワニスとしては、一般に積層板用途に使用される熱硬化性樹脂のワニスであればよく、特に制限はない。例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのワニスが挙げられる。ワニスの溶剤も同様であり、例えば、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが使用される。
【0019】
ワニス流れ誘導体12として用いられる板材の材質は特に制限はなく、ステンレス板等の金属板、塩化ビニル板等のプラスチック板などが使用される。ワニス流れ誘導体12の厚さは、繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れに耐えうる厚さであればよく、特に制限はない。また、ワニス流れ誘導体12の長さは、繊維基材2の幅以上であればよく、特に制限はない。
【0020】
ワニス流れ誘導体12の傾斜角α(図2参照)は、小さいと繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れを繊維基材2に向けて誘導する作用が小さくなる傾向にあり、大きいとかえって繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れを遮る抵抗体として作用する傾向がある。このことから、ワニス流れ誘導体12の傾斜角αは、20〜70度の範囲であるのが好ましく、30〜60度の範囲であるのがより好ましく、45度であるのが最も好ましい。
【0021】
ワニス流れ誘導体12の縁と繊維基材2との距離b(図2参照)は、小さいと繊維基材2の走行に随伴して生ずるワニスの流れを妨げる傾向にあり、大きいとワニスを浸透させる圧力が小さくなる傾向にある。このことから、ワニス流れ誘導体12の縁と繊維基材2との距離は、0.5〜10mmの範囲であるのが好ましく、1〜5mmの範囲であるのがより好ましい。
【0022】
ワニス流れ誘導体12の幅c(図2参照)は、小さいとワニスの流れを誘導する作用が小さくなる傾向にある。このことから、ワニス流れ誘導体12の幅cは、20mm以上であるのが好ましく、50mm以上であるのがより好ましい。なお、ワニス流れ誘導体12の幅cの上限については特に制限はないが、ワニス流れ誘導体12全体がワニスの液面以下にあればよい。
【0023】
ワニス流れ誘導体12の間隔a(図2参照)は、小さいとワニスがその間を流れにくくなる傾向があり、大きいと誘導されたワニスの流れによる圧力が弱くなる傾向にある。このことから、ワニス流れ誘導体12のの間隔a(図2参照)は、10〜100mmの範囲であるのが好ましく、15〜75mmの範囲であるのがより好ましい。
【0024】
2個の含浸ロール4a,4b間の距離は、小さいと含浸不足となる傾向にあり、大きいと、繊維基材2に大きな張力を加える必要があるため、繊維基材2が切れたり、寸法安定性が悪化する傾向を示す。このことから、2個の含浸ロール4a,4b間の距離は、0.5〜5mの範囲であるのが好ましく、1〜3mの範囲であるのがより好ましい。
【0025】
繊維基材2の走行速度は、小さいとワニスの流れを生ずる力が弱くなる傾向にあり、大きいとワニスに浸漬される時間が短くなることから含浸不足となる傾向にある。このことから、繊維基材2の走行速度は、2〜30m/分の範囲であるのが好ましく、8〜15m/分の範囲であるのがより好ましい。
【0026】
本発明になるワニス含浸装置は単独で用いてもよく、図1に示される如く、従来公知のワニス含浸装置と組み合わせて用いてもよい。
また、ワニスを含浸した後の乾燥については従来公知の装置によることができ特に制限はない。
【0027】
【実施例】
実施例1
中心間距離2mで配設された2個の含浸ロール4a,4b(直径100mm)の間に、ワニス流れ誘導体12として、厚さ2mm、長さ1300mm、幅100mmのステンレス板を、繊維基材2の走行路の上側に30枚、下側に30枚、傾斜角α=45度、間隔50mmで設置した。また、下側のワニス流れ誘導体12は上側のワニス流れ誘導体12の中間に位置するようにした。
【0028】
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、DER−518(商品名)を使用した)100重量部及びジシアンジアミド3重量部を、エチレングリコールモノメチルエーテル5重量部及びメチルエチルケトン35重量部からなる混合溶剤に溶解してワニスとした。このワニスの30℃における粘度は100mPa・sであった。
【0029】
このワニスを第1含浸槽及び第2含浸槽に注入し、繊維基材2として、厚さ0.2mm、重量210g/cm2のガラス織布(日東紡績株式会社製を使用)を、走行速度10m/分で通過させてワニスを含浸、乾燥し、1050×1050mmに裁断してプリプレグを作製した。
【0030】
作製したプリプレグのたて方向中央でよこ方向の両端及び中央の3箇所、50×50mmの大きさの範囲について、実体顕微鏡を用いて、上面から観察したときのボイドが占める面積の比率(気泡面積率)を調べた。その結果、気泡面積率は30%であった。
【0031】
比較例
ワニス流れ誘導体12を取り除いたほかは、実施例1と同様にしてワニスを含浸させてプリプレグを作製した。
【0032】
得られたプリプレグについて実施例1と同様にして気泡面積率を調べたところ、48%であった。
【0033】
【発明の効果】
以上本発明によれば、繊維基材2の走行を速く設定してワニスの含浸を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例になるワニス含浸装置の断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】従来のワニス含浸装置の断面図である。
【符号の説明】
1 供給ロール
2 繊維基材
3 第1ガイドロール
4a,4b 含浸ロール
5 第1ワニス含浸槽
6 ワニス
7 第2ガイドロール
8 第2含浸ロール
9 第2ワニス含浸槽
10 ワニス
11 乾燥炉
12 ワニス流れ誘導体
Claims (3)
- ワニス含浸槽内に配設された2個の含浸ロールを備え、該2個の含浸ロール間に、繊維基材走行路側の縁が繊維基材の走行方向に向くように板材を傾斜させてなるワニス流れ誘導体を設けてなるワニス含浸装置。
- ワニス流れ誘導体が、繊維基材の走行路の両側に設けられてなる請求項1に記載のワニス含浸装置。
- ワニス流れ誘導体が、繊維基材の走行路の両側にそれぞれ複数枚設けられ、かつ、片側のワニス流れ誘導体の繊維基材走行路側の縁が他の側のワニス流れ誘導体の繊維基材走行路側の縁の中間に位置するように設けられてなる請求項2に記載のワニス含浸装置。
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- 1998-09-18 JP JP26504298A patent/JP4055261B2/ja not_active Expired - Fee Related
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