JP2003020685A - 建設機械の旋回軸受 - Google Patents

建設機械の旋回軸受

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JP2003020685A JP2001209676A JP2001209676A JP2003020685A JP 2003020685 A JP2003020685 A JP 2003020685A JP 2001209676 A JP2001209676 A JP 2001209676A JP 2001209676 A JP2001209676 A JP 2001209676A JP 2003020685 A JP2003020685 A JP 2003020685A
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慎一 関戸
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Isato Masuda
勇人 益田
Yuji Igawa
裕二 井川
Takeshi Kurihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定期給脂を必要とせず初期の使用時に建設作
業をしても潤滑不良が生じる危険性のない建設機械の旋
回軸受を提供する。 【解決手段】 駆動ピニオンと噛み合う内歯車12Bを
有し下部走行体側に固定される内輪12と、内輪12を
囲んで上部旋回体側に固定される外輪16とを備え、プ
ラスチックグリースを充填した間座と転動体20とを内
輪12と外輪16間の転動体収容空間18内に多数収容
した建設機械の旋回軸受において、内輪12と外輪16
間の環状間隙14をシール部材19で密封してグリース
溜り18A,18Bを形成し、転動体収容空間18の壁
面を凹ませてグリース溜り18Cを形成して、グリース
溜り18A,18B,18Cにグリースを予め充填して
内輪12や外輪16と転動体20との接触部にグリース
を行き渡らせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、内輪を囲んで上部旋回体側に固定される
外輪とを備え、外輪と内輪との間に多数の転動体と間座
を配設して上部旋回体を支持しながら旋回させる建設機
械の旋回軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回軸受は、旋回ベアリング
とも称し、油圧ショベル等の自走式建設機械の上部旋回
体を支持しながら下部走行体に対して旋回させるための
装置である。この旋回軸受は、通常、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、この内輪を囲んで上部旋回体側に固定さ
れる外輪とを備えている。そして、上部旋回体を旋回可
能に支持するため、外輪と内輪との間に環状の転動体収
容空間を形成して、この転動体収容空間内に多数の球状
の転動体を収容し、これらの転動体を介して外輪を内輪
で回動可能に支持している。また、その転動体収容空間
には、転動体同士を接触させないようにするための間座
(カンザ)と称するスペーサ部品を収容して間座を転動
体間に配置するようにしている。
【0003】こうした建設機械の旋回軸受においては、
内輪や外輪と転動体との接触部を潤滑して、この接触部
に焼き付きやカジリが生じないように保護する必要があ
る。そのため、外輪の内周部と内輪の外周部との間の間
隙内に、潤滑油としてのグリースを供給するが、その場
合、これまでは、外輪の外周部の複数個所にグリースニ
ップルを設け、このグリースニップルを通じてその外輪
と内輪間の間隙に外部から定期的に給脂する方法が通常
採られていた。こうした方法により外輪と内輪間の間隙
にグリースを供給すると、グリースが外輪や内輪の壁面
と転動体の球面との間に浸潤して油膜を形成し、これら
の面を保護することができる。
【0004】しかしながら、この従来の通常の建設機械
の旋回軸受では、作業員が外輪外側からグリースニップ
ルを通じて定期的に給脂する必要があり、給脂作業が煩
雑なため、ややもすると給脂を怠りがちになって、給脂
間隔が規定通りに守られない事態も起こる。その結果、
内輪や外輪と転動体との接触部に送られたグリースが交
換されずに劣化して潤滑不良を招くという問題が生じ
る。こうした問題に対応可能な従来の技術として、実開
平5ー92537号公報に記載の旋回軸受用間座を挙げ
ることができる。
【0005】この公開実用新案公報に記載の従来の技術
は、転動体と接触する間座本体の凹球面の個所で開口す
る孔を間座本体の中心部に形成し、この孔にプラスチッ
クグリースを充填して間座を構成したものである。この
間座に用いられるプラスチックグリースは、超高分子量
ポリエチレン等の樹脂材料とグリースとの混合物を、樹
脂材料が融解する適宜の温度に加熱した後、冷却し固形
化して生成したものであり、保油力が強く、油の滲み出
しが徐々に安定的に行われる。この従来の技術に係る公
開実用新案公報の記載によれば、以上のように構成され
た間座を旋回軸受に用いると、間座本体の凹球面が油性
面となるため、転動体がこの凹球面と接触することによ
り転動体に油が供給されて、良好な潤滑状態が長期にわ
たって維持され、グリースの補給を要しないとされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の技術は、こうした優れた効果を発揮する反面、建設
機械の初運転を行うときやその運転を長期間休止した後
に再開するときのような初期の使用時においてブームや
アーム等の作業装置で建設作業をしたときに、内輪や外
輪と転動体との接触部にグリースが行き渡らずに潤滑不
良が生じて、旋回軸受が損傷する危険性がある。以下、
この点について言及する。
【0007】従来の技術により旋回軸受を潤滑する場合
には、間座本体の中心部から滲出したプラスチックグリ
ース内のグリースを、一旦、間座本体の凹球面のところ
で転動体に付着させ、次いで、この転動体に付着したグ
リースを、転動体の転動や移動により内輪や外輪と転動
体との接触部に移送して接触部を潤滑する。このよう
に、従来の技術では、内輪や外輪と転動体との接触部を
潤滑する場合に、グリースをその接触部に直接的に供給
するのではなく、転動体を転動させながら内輪や外輪の
周方向に移動させてグリースを移送するため、内輪や外
輪と転動体との接触部にグリースを行き渡らせるには、
上部旋回体を事前に幾度か旋回させることにより、外輪
と内輪間の環状の転動体収容空間内で転動体を転動させ
たり周方向に移動させたりすることが必要である。
【0008】また、プラスチックグリース内のグリース
は、転動体が間座本体の凹球面と接触することにより転
動体に供給されるが、建設機械の旋回軸受では、多数の
転動体と間座を環状の転動体収容空間内に周方向に若干
の隙間が生じるように収容するため、転動体を転動体収
容空間内で周方向に移動させないと、転動体の全てを間
座と接触させることは不可能である。内輪や外輪と転動
体との接触部にグリースを行き渡らせるには、こうした
ことからも、上部旋回体を事前に旋回させることが必要
になる。
【0009】しかしながら、建設機械の初期の使用時に
ブームやアーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を
行うときには、その作業前に上部旋回体を十分に旋回さ
せることなく、直ちに建設作業を行うことが多いため、
内輪や外輪と転動体との接触部にグリースが行き渡らず
に潤滑不良が生じる恐れがある。そのため、建設機械の
初期の使用時に旋回軸受に大きな荷重が作用する建設作
業を行うときには、潤滑不良により旋回軸受が損傷する
危険性がある。例えば、油圧ショベルで掘削作業を行う
ときには、掘削反力により大きなモーメント荷重が旋回
軸受に作用するため、内輪や外輪と転動体との接触部に
グリースが十分に行き渡っていないと、その接触部に焼
き付きやカジリ等が生じて旋回軸受が損傷する危険性が
大きい。
【0010】本発明は、こうした問題を解消するために
創作されたものであって、その技術課題は、定期給脂を
必要とせず初期の使用時に建設作業をしても潤滑不良が
生じる危険性のない建設機械の旋回軸受を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした技術
課題を達成するため、上部旋回体側の駆動ピニオンと噛
み合う内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、
この内輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備
え、これら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を
形成するとともに、間座本体にプラスチックグリースを
充填して間座本体からプラスチックグリース内のグリー
スを外部に滲出できるように間座を構成し、転動体収容
空間内に多数の転動体と間座を収容して間座を転動体間
に配置した建設機械の旋回軸受において、内輪と外輪と
の間に間隙を設けてこの間隙の少なくとも下部をシール
部材で密封することにより、この間隙で転動体収容空間
の上方及び下方にグリース溜りを形成し、これらのグリ
ース溜りにグリースを予め充填して内輪及び外輪と転動
体との接触部にグリースを行き渡らせるように構成し
た。
【0012】間座本体内のプラスチックグリースにより
内輪及び外輪と転動体との接触部を潤滑する建設機械の
旋回軸受では、初期の使用時において作業装置で建設作
業をしたときに、内輪や外輪と転動体との接触部にグリ
ースが行き渡らずに潤滑不良が生じる恐れがある。本発
明の建設機械の旋回軸受も、間座本体内のプラスチック
グリースで内輪及び外輪と転動体との接触部を潤滑する
が、本発明の建設機械の旋回軸受では、特に、転動体収
容空間の上部及び下部にグリース溜りを形成してこれら
のグリース溜りにグリースを予め充填して、内輪及び外
輪と転動体との接触部にグリースを行き渡らせるように
構成しているので、建設機械の初期の使用時に、旋回軸
受に大きな荷重が作用する建設作業を行うときでも、潤
滑不良が生じて、旋回軸受が損傷するような危険性はな
い。
【0013】また、その後、建設機械による作業を継続
実施して上部旋回体を幾度か旋回させたときには、その
上部旋回体の旋回により、転動体が転動しながら環状の
転動体収容空間の周方向に移動して、間座本体から滲出
したプラスチックグリース内のグリースを移送するた
め、内輪及び外輪と転動体との接触部にグリースを行き
渡らせることができる。このように、初期の使用時以降
は、プラスチックグリース内のグリースを内輪及び外輪
と転動体との接触部に絶えず補給するので、ユーザは、
グリース溜りへのグリースの充填作業を行わなくても済
むとともに、定期給脂を行わなくても、内輪及び外輪と
転動体との接触部に、劣化したグリースが滞留すること
はなく、グリースの劣化による潤滑不良も生じない。
【0014】一方、グリース溜りは、間座本体から滲出
したグリースの余剰分を蓄積するとともに、間座本体内
のプラスチックグリースは、その蓄積したグリースを逐
次吸収するので、グリースが間座本体から滲出しても、
消耗することはない。このように、内輪及び外輪と転動
体との接触部に供給されるグリースは、グリース溜りを
通じて循環し、新陳代謝が行われるため、内輪及び外輪
と転動体との接触部にフレッシュなグリースが随時供給
されて、その接触部の潤滑が良好に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図6に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例の建設機械の旋回軸
受を設けた自走式建設機械の全体像を示す側面図、図2
は、本発明の具体化例の建設機械の旋回軸受周辺の縦断
面図、図3は、本発明の具体化例の建設機械の旋回軸受
の拡大縦断面図、図4は、図3の建設機械の旋回軸受に
使用する間座の拡大縦断面図、図5は、図4の間座の V
ーV 線断面図で転動体を装着するときの状態を示す図、
図6は、図3の建設機械の旋回軸受へのグリースの注入
方法に関する第1の例を示す拡大縦断面図、図7は、図
3の建設機械の旋回軸受へのグリースの注入方法に関す
る第2の例を示す拡大縦断面図である。
【0016】まず、図1に基づき、旋回軸受を設けた自
走式建設機械の全体像を説明する。図1には、自走式建
設機械の一例としてクローラ式の油圧ショベルを示して
いるが、本発明は、クローラ式のクレーン、ホイールシ
ョベル等他の自走式建設機械にも適用することができ
る。
【0017】1は自走式建設機械を走行可能にするため
のクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回
可能に搭載された旋回フレーム3とその上部に設置され
た諸装置からなる上部旋回体、3はこの上部旋回体2の
基盤となる旋回フレーム、4は運転室、5はエンジンル
ームを構成する建屋カバー、6は作業装置7での作業時
に自走式建設機械に作用する外力と釣り合わせるための
カウンタウエイト、7は土砂の掘削作業等を行う油圧シ
ョベルの作業装置、8は後に詳述する旋回軸受11やこ
れを駆動するための駆動機構で構成され上部旋回体2を
旋回させる旋回装置、11は上部旋回体2を支持しなが
ら旋回させる旋回軸受である。
【0018】旋回フレーム3上には、運転室4、建屋カ
バー5、カウンタウエイト6等の諸装置が設置されてい
る。また、上部旋回体2の前部側には、ブーム、アーム
及びバケットを備えた油圧ショベルの作業装置7が俯仰
動可能に設置されている。旋回装置8は、図2に示すよ
うに、例えば遊星歯車機構等からなり旋回フレーム3に
ボルトで取り付けられた減速機9とこの減速機9の上部
に取り付けられた油圧駆動の旋回モータ10と減速機9
で回転駆動される駆動ピニオン9Bとからなる旋回軸受
11の駆動機構を備え、旋回軸受11を含んで構成され
ている。
【0019】次に、図2乃至図5に基づいて旋回軸受1
1の細部の構造及びその周辺部の構造を説明する。
【0020】12は下部走行体1側の部材である丸胴1
3の上面に複数のねじ(図示せず)で固定される環状の
内輪、13はこの内輪12と略同径の環状形状をなす旋
回軸受11の取付座としての丸胴、14は内輪12の外
周部と外輪16の内周部との間に形成された環状間隙、
15は駆動ピニオン9Bと内歯車12Bの噛み合い部を
潤滑するためのグリースを貯溜するグリースバス、16
は上部旋回体2側の部材である旋回フレーム3の下面に
複数のねじ(図示せず)で固定され内輪12を同心円状
に囲んで配置される環状の外輪である。
【0021】旋回軸受11は、内輪12と外輪16とを
備え、上部旋回体2を支持しながら旋回させる。内輪1
2の内周部には、駆動ピニオン9Bと噛み合うリング状
の内歯車(リングギヤ)12Bを形成している。また、
内輪12の内部には、グリースバス15を設けて駆動ピ
ニオン9Bや内歯車12Bを収容しており、グリースバ
ス15内では、駆動ピニオン9Bと内輪12の内歯車1
2Bとが噛み合っている。外輪16は、内輪12を囲ん
で環状間隙14を設けるように配置することにより、旋
回軸受11の下部及び上部に、グリースを初期充填する
ことが可能な後述するグリース溜り18A,18Bを形
成できるようにしている。
【0022】17は後記の転動体20や間座21を外輪
16の外側から内部に組み込むための組込孔16Bを密
封する止め栓、18は転動体20を収容するための環状
の転動体収容空間、19は内輪12や外輪16に固着し
て内輪12と外輪16の相対回転を許容するように環状
間隙14の底部や頂部を密封するシール部材、20は転
動体収容空間18内に収容した球状の転動体、21は転
動体収容空間18内に収容して転動体20間に配置する
ことにより転動体20同士を接触させないようにするた
めの間座(スペーサ)、22は組込孔16Bに嵌入した
止め栓17を外輪16に固着するための固着部材として
のテーパピンである。
【0023】内輪12の外周面には、その全周面に沿っ
て、転動体20が転動可能に接する横断面略半円状の転
動面12Aを形成している。また、外輪16及び止め栓
17の内周面にも、その全周面に沿って、同様の横断面
略半円状の転動面16A及び転動面17Aを形成してい
る。なお、外輪16に形成された転動面16Aは、断面
の関係上、直接的には図3に表れていないので、その符
号を括弧内に示している。転動体収容空間18は、こう
した転動面16A,17Aと転動面12Aとを相対向す
るように形成することにより、内輪12と外輪16との
間に水平方向に環状に形成している。この環状の転動体
収容空間18内には、間座21を介して配置された多数
の転動体20が周方向に収容され、これらの転動体20
を介して外輪16を内輪12で回動可能に支持してい
る。なお、間座21の具体的構造については、独自の工
夫があるので、後に詳述する。
【0024】組込孔16Bは、転動体20や間座21を
外輪16の外側から入れ込んで転動体収容空間18内に
組み込むことが可能であれば、任意の断面形状に形成す
ることができ、止め栓17は、この組込孔16Bに密接
して嵌入できるような断面形状に形成している。止め栓
17の外側端部には、ボルトのような抜き出し治具を捩
じ込んで引っ張ることにより、組込孔16Bに嵌入した
止め栓17を抜き出せるようにするため、その抜き出し
治具を螺合するための螺子孔17Bを形成している。こ
の螺子孔17Bは、グリースニップル23を螺着して取
り付けるための取付口も兼ねている。止め栓17には、
この螺子孔17Bに連通するとともに転動体収容空間1
8内に開口するように給脂孔17Cを形成している。
【0025】転動体収容空間18の下方には、間隙14
の底部をシール部材19で密封することによりグリース
溜り18Aを形成し、転動体収容空間18の上方には、
間隙14により転動体20や間座21の上部にグリース
溜り18Bを形成している。ここでは、転動体収容空間
18上方側のグリース溜り18Bの頂部をシール部材1
9で密封しているが、この頂部側のシール部材19は、
転動体収容空間18に異物が浸入するのを防止するため
に設けたものであるから、グリース溜り18Bを形成す
る上で不可欠のものではない。転動体収容空間18の左
右の側方には、転動体収容空間の壁面(転動面16A,
17Aや転動面12A)を三日月状に凹ませることによ
り同壁面にグリース溜り18Cを形成している。これら
のグリース溜り18A,18B,18Cには、後に詳述
する方法により、旋回軸受11を組み立てる段階でグリ
ースを事前に初期充填する。
【0026】テーパピン22には、先端側(図3の下方
側)に向かって僅かずつ小径になるように周面にテーパ
が付けられており、外輪16及び止め栓17には、この
テーパピン22を嵌挿するためのテーパ孔を形成してい
る。テーパピン22の中央部には、テーパピン22をこ
のテーパ孔に所定の状態で挿通したときに給脂孔17C
に連通させることができる給脂孔17Cと略同径の給脂
用連通孔22Cを形成している。すなわち、テーパピン
22は、給脂用連通孔22Cの向きを図6のように給脂
孔17Cの向きに合わせるようテーパ孔に挿通したとき
に、給脂用連通孔22Cが給脂孔17Cに連通して給脂
孔17Cの流路を開放し、この状態から給脂用連通孔2
2Cの方向を図3のように略90°回動変位させたとき
に、給脂孔17Cの流路を遮断することができるように
構成されている。
【0027】図4及び図5に基づき、間座21の具体的
な構造について説明する。間座21は、大別すると、転
動体20同士を接触させないようにするためのスペーサ
の役割を果たす間座本体21Aと、この間座本体21A
に充填されて潤滑用のグリースを滲出する固形物として
のプラスチックグリース21Bとで構成されている。プ
ラスチックグリースとは、超高分子量ポリエチレン等の
超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの混合
物である。すなわち、超高分子量ポリオレフィンと潤滑
用のグリースとを混合して超高分子量ポリオレフィンの
融点温度に加熱した後、冷却して固形化した組成物であ
る。超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの
混合物は、未焼成の状態では潤滑用のグリースと同様に
流動状態にあるが、融点温度に加熱して冷却すると、固
化する性質を有する。プラスチックグリースに混合され
る潤滑用のグリースは、グリース溜り18A,18B,
18Cに充填されるグリースと同質のものである。
【0028】本明細書にいうグリースとは、狭義のグリ
ースだけを意味するものではなく、種々の合成油及び鉱
油やこれらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使
用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα−オレフ
ィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭
化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油及び鉱
油のような種々の油やこれらの何れかの油の混合体を含
む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、
摩耗防止剤等、所望の添加剤を予め添加してもよい。
【0029】間座本体21Aは、転動体20の球面と合
致する凹球面部21Cを両側面に有するとともに環状の
転動体収容空間18の径より若干小径の円筒状の外周面
をなす円筒面部21Dを有しており、プラスチックで形
成されている。図5には、間座本体21Aの凹球面部2
1Cの形状を表すため、転動体20の球面を鎖線で示し
ている。間座本体21Aの中心部には、プラスチックグ
リース21Bを充填して潤滑機能を果たすための中心部
グリース充填室を形成している。また、間座本体21A
の周辺部には、プラスチックグリース21Bを充填して
潤滑機能を果たすための周辺部グリース充填室を形成し
て放射状に複数個設けている。
【0030】中心部グリース充填室及び周辺部グリース
充填室には、それぞれ凹球面部21Cの個所で開口する
開口部を設けている。間座本体21Aの外周部には、周
辺部グリース充填室に充填したプラスチックグリース2
1B内のグリースを、転動体収容空間18の壁面をなす
転動面12A及び転動面16A,17Aに供給できるよ
うにするためのグリース供給路21Eを形成している。
このグリース供給路21Eは、円筒面部21Dの個所で
開口するとともに周辺部グリース充填室に連通させ、プ
ラスチックグリース21Bを充填している。ここに示す
例では、こうしたグリース供給路21Eを、図5に示す
ように各周辺部グリース充填室に対応して2個ずつ設け
ているが、その数は、設計上必要に応じて適宜選択すれ
ばよい。
【0031】転動体20は、間座本体21Aの凹球面部
21Cと常には接触していないが、中心部グリース充填
室は、転動体20が凹球面部21Cに接触したときに凹
球面部21Cの個所の開口部から転動体20の球面にプ
ラスチックグリース21B内のグリースを供給する働き
をする。このとき、このグリースは、転動面12Aや転
動面16Aには面しない側の転動体20の球面(潤滑を
必要としない凹球面部21C側の転動体20の球面)に
供給されるので、当初は転動体20の球面における凹球
面部21Cとの摺動部を潤滑して、直ぐには転動面12
A,16A,17A側を潤滑する機能を果たさないが、
転動体20が転動しながら転動体収容空間18の周方向
に移動する過程で所期の潤滑機能を果たす。また、周辺
部グリース充填室も凹球面部21Cの個所で開口してい
るので、この周辺部グリース充填室における凹球面部2
1C側の開口も、転動体20の球面にグリースを供給し
て同様に潤滑機能を果たす。
【0032】この間座21の従来の技術にみられない優
れた特徴は、間座本体21Aに、グリース供給路21E
に連通する周辺部グリース充填室を設けてこれらの個所
にプラスチックグリース21Bを充填し、このプラスチ
ックグリース21B内のグリースをグリース供給路21
Eを通じて特に間座本体21Aの外周部から供給できる
ようにした点にある。プラスチックグリース21B内の
グリースを、このように間座本体21の外周部から供給
できるようにしたことにより、上部旋回体2の旋回時や
作業装置7での作業時に、転動体20や間座21が接触
して大きな負荷のかかる転動面12A,16A,17A
に対し直接的にグリースで供給することができる。この
転動面12A,16A,17Aに供給されたグリース
は、内輪12や外輪16と転動体20との接触部に直ぐ
には行き渡らないが、上部旋回体2を旋回させると、そ
の接触部に満遍なく迅速に行き渡って、内輪12や外輪
16と転動体20との接触部に対する潤滑を活発に行う
ことができる。
【0033】プラスチックグリース21Bは、転動面1
2A,16A,17Aや転動体20の球面が接触する
と、その内部から徐々に滲み出たグリースがこれらの転
動面12A,16A,17Aや転動体20の球面に付着
する。このプラスチックグリース21Bは、負荷が加わ
ると、その負荷の増加に応じて、プラスチックグリース
21Bから滲出するグリースの量も増加する傾向になる
ため、特にグリース供給路21Eからの転動面12A,
16A,17Aへのグリースの供給を、負荷に応じて合
理的に行うことができる。しかしながら、プラスチック
グリース21Bから滲出したグリースは、上部旋回体2
を旋回させない限り、転動面12A,16A,17Aや
転動体20の球面に部分的に付着するだけであるので、
建設機械を初めて使用するときやその使用を長期に休止
した後に再開するときのような初期の使用時には、内輪
12や外輪16と転動体20との接触部に行き渡らずに
潤滑不良が生じる恐れがある。
【0034】この旋回軸受11は、こうした問題に対応
してグリース溜り18A,18B,18Cを形成し、こ
れらのグリース溜り18A,18B,18Cにグリース
を予め充填して内輪12及び外輪16と転動体20との
接触部にグリースを行き渡らせるように構成している。
そこで、旋回軸受11を組み立てる段階でこれらのグリ
ース溜り18A,18B,18Cにグリースを充填する
種々の方法を、図6及び図7を用いて以下に説明する。
まず、図6に基づき、グリース溜り18A,18B,1
8Cにグリースを充填する第1の方法について説明す
る。
【0035】旋回軸受11を組み立てる場合には、内輪
12と外輪16とにより、下部走行体1及び上部旋回体
2とは別個に組み立てる。まず、シール部材19を予め
取り付けた内輪12及び外輪16の転動面12A及び転
動面16Aを転動体収容空間18を形成するように位置
合わせした後、外輪16の組込孔16Bから転動体20
と間座21を交互に入れて転動体収容空間18内に組み
込む。次いで、図6に示すように、止め栓17を組込孔
16Bに嵌入した後、テーパピン22を外輪16及び止
め栓17のテーパ孔に嵌挿して止め栓17をテーパピン
22で外輪16に固着する。その場合、止め栓17は、
その給脂孔17Cを左側のグリース溜り18Cの個所で
開口させるように嵌入するとともに、テーパピン22
は、その給脂用連通孔22Cを止め栓17の給脂孔17
Cに連通させるように嵌挿する。次いで、グリースニッ
プル23を止め栓17の螺子孔17Bに螺着する。
【0036】こうした下準備をした後、グリースニップ
ル23からグリースをグリースガン等により左側のグリ
ース溜り18Cに注入する。グリース溜り18Cに注入
されたグリースは、内輪12や外輪16と転動体20と
の接触部(転動面12A,16A,17Aの個所)を潤
滑しながら下方のグリース溜り18A、上方のグリース
溜り18B及び右側のグリース溜り18Cにも導入され
て溜められる。潤滑油としてのグリースは、こうして内
輪12や外輪16と転動体20との接触部に満遍なく行
き渡る。こうしたグリースの注入作業を行う場合、内輪
12を適宜の回転駆動手段や人力で回転させながらグリ
ースを注入すると、転動体収容空間18の全周に行き渡
りやすい。グリース溜り18A,18B,18Cにグリ
ースを充填する場合、必ずしもグリースを充満させるよ
うに充填する必要はない。
【0037】こうして転動体収容空間18へのグリース
の初期充填作業が終了した後は、グリースニップル23
を止め栓17から取り外すとともに、テーパピン22を
一旦引き抜く。次いで、テーパピン22を当初の状態か
ら略90°回動させた後に押し込むようにして、テーパ
で阻止されて押し込み不能となる最終点まで確りと嵌挿
する。こうしてテーパピン22を再度嵌挿すると、止め
栓17は、外輪16に対し、テーパピン22により規定
位置に位置決めされた状態で固着され、その結果、外輪
16の転動面16Aと止め栓17の転動面17Aとが同
一の円弧状の面をなすように正確に揃えられるととも
に、外輪16及び止め栓17の両グリース溜り18Cも
連続するように正確に揃えられる。また、テーパピン2
2の給脂用連通孔22Cは、図3に示すように紙面直角
方向を向き、止め栓17の給脂孔17Cは、テーパピン
22で流路が遮断され、転動体収容空間18内に充填さ
れたグリースは外部に漏出することがない。
【0038】グリースニップル23は、取り外さなけれ
ば、外部へのグリースの漏出を防ぐ機能を備えているの
で、こうした方法を省力化するのであれば、テーパピン
22を一旦引き抜いて当初の状態から略90°回動させ
て再度挿入する工程及びグリースニップル23を取り外
す工程を省略して、グリースニップル23を止め栓17
に備え付けたままの状態で製品化することもできる。
【0039】次に、図7に基づき、グリース溜り18
A,18B,18Cにグリースを充填する第2の方法に
ついて説明する。この第2の方法では、テーパピン22
におけるような注入用連通孔22Cのないテーパピン2
4を用いる。第2の方法では、組込孔16Bに嵌入した
止め栓17にテーパピン24を外輪16及び止め栓17
のテーパ孔に嵌挿する場合、テーパピン24を、図7に
示すように止め栓17の給脂孔17Cをテーパピン24
で塞がないように途中の位置まで嵌挿する。その場合、
グリースが注入時に漏れないようにテーパ孔の下側を栓
等の閉塞部材で塞ぐ。次いで、グリースニップル23を
止め栓17の螺子孔17Bに螺着して、グリースをグリ
ースニップル23から注入する。
【0040】転動体収容空間18へのグリースの充填が
終了した後は、グリースニップル23を止め栓17から
取り外すとともに、栓等の閉塞部材をテーパ孔から抜き
ながらテーパピン24をそのまま完全に挿入する。そう
すると、図3に示すように、テーパピン24により、止
め栓17を外輪16に固着し、止め栓17の給脂孔17
Cの流路を遮断することができる。この第2の方法によ
れば、第1の方法にみられるようなテーパピン24を一
旦引き抜いて当初の状態から略90°回動させて再度挿
入する工程を省略できるため、旋回軸受11へのグリー
スの初期充填を能率的に行うことができる。また、テー
パピン24に、テーパピン22にみられるような注入用
連通孔22Cを加工する手間も要しない。
【0041】ここに示す例では、特に、止め栓17を設
けてこの止め栓17に螺子孔17Bや給脂孔17Cを設
けているので、止め栓17の着脱により、転動体20と
間座21を転動体収容空間18内に収容する作業が容易
に行えることに加え、外輪16に比べて格段に小さな部
品である止め栓17に螺子孔17Bや給脂孔17Cを形
成すれば済むので、螺子孔17Bや給脂孔17Cを外輪
16に直接設ける場合に比べてこれらの孔17B,17
Cの加工設備を簡素化することができて、その分、旋回
軸受11を安価に製作することができる。
【0042】ここに示す例では、組込孔16Bに嵌入し
た止め栓17を外輪16に固着するための固着部材とし
て、特にテーパピン22,24を用いているため、テー
パピン22,24を外輪16及び止め栓17のテーパ孔
に最終点まで押し込むという簡単な作業により、止め栓
17を外輪16に対して規定位置に正確に位置決した状
態で固着することができ、さらには、止め栓17の給脂
孔17Cの流路を遮断することもできる。このように、
止め栓17の固着手段としてテーパピン22,24を用
いたことにより、止め栓17の固着作業だけでなく、外
輪16への止め栓17の位置決め作業や止め栓17の給
脂孔17Cの流路の遮断作業も同時に果たすことができ
るので、部品点数を少なくすることができて旋回軸受1
1の製作費を節減することができるとともに、同一部品
を操作するだけで種々の作業目的を達成することができ
て、旋回軸受11の組立作業をきわめて能率的に行うこ
とができる。
【0043】こうして構成された建設機械の旋回軸受1
1の作用効果について説明する。
【0044】間座本体内のプラスチックグリースにより
内輪及び外輪と転動体との接触部を潤滑する建設機械の
旋回軸受では、初期の使用時において作業装置で建設作
業をしたときに、内輪や外輪と転動体との接触部にグリ
ースが行き渡らずに潤滑不良が生じる恐れがある。この
建設機械の旋回軸受11も、間座本体21A内のプラス
チックグリース21Bで内輪12及び外輪16と転動体
20との接触部を潤滑するが、この旋回軸受11では、
特に、転動体収容空間18の周辺にグリース溜り18
A,18B,18Cを形成してこのグリース溜り18
A,18B,18Cにグリースを予め充填して内輪12
及び外輪16と転動体20との接触部にグリースを行き
渡らせるように構成しているので、建設機械の初期の使
用時に、旋回軸受11に大きな荷重が作用する建設作業
を行うときでも、潤滑不良が生じて、旋回軸受11が損
傷するような危険性はない。
【0045】また、その後、建設機械による作業を継続
実施して上部旋回体2を幾度か旋回させたときには、上
部旋回体2の旋回により、転動体20が転動しながら環
状の転動体収容空間18の周方向に移動して、間座本体
21Aから滲出したプラスチックグリース21B内のグ
リースを移送するため、内輪12及び外輪16と転動体
20との接触部に、初期充填したグリースと同質のグリ
ースを行き渡らせることができる。このように、初期の
使用時以降は、プラスチックグリース21B内のグリー
スを内輪12及び外輪16と転動体20との接触部に絶
えず補給するので、ユーザは、グリース溜り18A,1
8B,18Cへのグリースの充填作業を行わなくても済
むとともに、定期給脂を行わなくても、内輪12及び外
輪16と転動体20との接触部に、劣化したグリースが
滞留することはなく、グリースの劣化による潤滑不良も
生じない。
【0046】一方、グリース溜り18A,18B,18
Cは、間座本体21Aから滲出したグリースの余剰分を
集めて蓄積するとともに、間座本体21A内のプラスチ
ックグリース21Bは、その蓄積したグリースを逐次吸
収するので、グリースが間座本体21Aから滲出して
も、消耗することはない。このように、内輪12及び外
輪16と転動体20との接触部に供給されるグリース
は、グリース溜り18A,18B,18Cを通じて循環
して、新陳代謝が行われるため、内輪12及び外輪16
と転動体20との接触部にフレッシュなグリースが随時
供給されて、その接触部の潤滑が良好に行われる。
【0047】このように、この建設機械の旋回軸受11
は、定期給脂を必要とせず、初期の使用時に建設作業を
しても、潤滑不良が生じる危険性がない。その結果、初
期の使用時に建設作業をしても、内輪12及び外輪16
と転動体20との接触部に焼き付きやカジリ等が生じて
旋回軸受11が損傷する恐れがない。また、初期の使用
時以降に、建設機械による作業を継続しても、内輪12
及び外輪16と転動体20との接触部に、劣化したグリ
ースが滞留することはなくフレッシュなグリースが随時
供給され、グリースの劣化による潤滑不良も生じない。
【0048】一般に、建設機械の旋回軸受においては、
例えば油圧ショベルのような使われ方をする場合に大き
なモーメント荷重が加わって転動体に大きな負荷がかか
ることがある。このように転動体に大きな負荷がかかる
と、内輪及び外輪と転動体との間に入り込むグリースが
不足して潤滑不良を起しやすい。ここに例示する建設機
械の旋回軸受11では、プラスチックグリース21B内
のグリースを特に間座本体21Aのグリース供給路21
Eを通じて間座本体21Aの外周部から供給できるよう
にしているので、転動体20にかかる負荷が大きい場合
でも、プラスチックグリース21B内のグリースを、間
座21が接触する転動面12A,16A,17Aの個所
に直接的に供給することができて潤滑不良の発生を防止
することができる。その場合、転動体20にかかる負荷
が増加すると、その負荷の増加に応じてプラスチックグ
リース21Bに加わる圧力も増加して、プラスチックグ
リース21Bから滲出するグリースの量が増加するた
め、プラスチックグリース21B内のグリースを負荷の
増加に応じて合理的に供給することができる。
【0049】ここに例示した建設機械の旋回軸受11で
は、転動体収容空間18の上方及び下方にグリース溜り
18A,18Bを形成しているほか、転動体収容空間1
8の左右の側方にもグリース溜り18Cを形成している
が、このグリース溜り18Cは、補助的なものであり、
グリース溜りにグリースを予め充填して内輪12及び外
輪16と転動体20との接触部にグリースを行き渡らせ
ておくことが肝要であるので、左右の側方のグリース溜
り18Cは、本発明にとって不可欠のものではない。
【0050】また、ここに例示した建設機械の旋回軸受
11では、間座本体21Aの中心部や周辺部にグリース
充填室を設けてプラスチックグリース21Bを充填して
いるが、プラスチックグリース21Bは、初期の使用時
以降、内部のグリースを内輪12及び外輪16と転動体
20との接触部に補給することを主目的にして間座本体
21A内に充填するものであるから、プラスチックグリ
ース21Bは、内部のグリースを転動体収容空間18内
に滲出させ得るように、間座本体21A内の何れかの個
所に充填すればよい。以上述べた旋回軸受11では、転
動体として球状の転動体20を用いているが、転動体
は、こうしたボールベアリングだけに限らず、コロのよ
うに転動するローラベアリングであってもよく、要は、
上部旋回体2を支持しながら転動して上部旋回体2を円
滑に旋回させる機能を果たすものであれば、その種類は
問わない。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の建設機械の旋回軸受は、「課題を解決するための手
段」の項に示したように構成されているので、定期給脂
を必要とせず、初期の使用時に建設作業をしても、潤滑
不良が生じる危険性がない。その結果、初期の使用時に
建設作業をしても、内輪及び外輪と転動体との接触部に
焼き付きやカジリ等が生じて旋回軸受が損傷する恐れが
ない。
【0052】また、初期の使用時以降に、建設機械によ
る作業を継続すると、上部旋回体の旋回により、プラス
チックグリース内のグリースが内輪及び外輪と転動体と
の接触部に絶えず補給されることとなるので、ユーザ
は、グリース溜りへのグリースの充填作業を行わなくて
も済むとともに、定期給脂を行わなくても、内輪及び外
輪と転動体との接触部に、劣化したグリースが滞留する
ことはなく、グリースの劣化による潤滑不良も生じな
い。
【0053】さらに、グリース溜りは、間座本体から滲
出したグリースの余剰分を蓄積するとともに、間座本体
内のプラスチックグリースは、その蓄積されたグリース
を逐次吸収するので、グリースが間座本体から滲出して
も、消耗することはない。このように、内輪及び外輪と
転動体との接触部に供給されるグリースは、グリース溜
りを通じて循環し、新陳代謝が行われるため、内輪及び
外輪と転動体との接触部にフレッシュなグリースが随時
供給されて、その接触部の潤滑を良好に行うことができ
る。
【0054】本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、転動体
と間座を転動体収容空間内に収容する作業が容易に行え
ることに加え、外輪に比べて格段に小さな部品である止
め栓に給脂孔を形成すれば済むので、給脂孔を外輪に直
接設ける場合に比べて給脂孔の加工設備を簡素化するこ
とができて、その分、旋回軸受を安価に製作することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例の建設機械の旋回軸受を設け
た自走式建設機械の全体像を示す側面図である。
【図2】本発明の具体化例の建設機械の旋回軸受周辺の
縦断面図である。
【図3】本発明の具体化例の建設機械の旋回軸受の拡大
縦断面図である。
【図4】図3の建設機械の旋回軸受に使用する間座の拡
大縦断面図である。
【図5】図4の間座の VーV 線断面図で転動体を装着す
るときの状態を示す図である。
【図6】図3の建設機械の旋回軸受へのグリースの注入
方法に関する第1の例を示す拡大縦断面図である。
【図7】図3の建設機械の旋回軸受へのグリースの注入
方法に関する第2の例を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 3 旋回フレーム 8 旋回装置 9B ピニオン 11 旋回軸受 12 内輪 12A 転動面 12B リング状の内歯車(リングギヤ) 14 環状間隙 16 外輪 16A,17A 転動面 16B 組込孔 17 止め栓 17B 螺子孔 17C 給脂孔 18 転動体収容空間 18A,18B,18C グリース溜り 19 シール部材 20 転動体 21 間座 21A 間座本体 21B プラスチックグリース 21C 凹球面部 21D 円筒面部 21E グリース供給路 22,24 テーパピン 22C 給脂用連通孔 23 グリースニップル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜沢 信夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 益田 勇人 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 栗原 猛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 DA01 DA02 3J016 AA01 AA02 AA03 BB03 CA02 3J101 AA02 AA33 AA42 AA54 AA63 BA13 BA15 BA20 CA01 CA08 CA14 EA63 FA31 FA32 FA48 GA51

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部旋回体側の駆動ピニオンと噛み合う
    内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、この内
    輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備え、こ
    れら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を形成す
    るとともに、間座本体にプラスチックグリースを充填し
    て間座本体からプラスチックグリース内のグリースを外
    部に滲出できるように間座を構成し、転動体収容空間内
    に多数の転動体と間座を収容して間座を転動体間に配置
    した建設機械の旋回軸受において、内輪と外輪との間に
    間隙を設けてこの間隙の少なくとも下部をシール部材で
    密封することにより、この間隙で転動体収容空間の上方
    及び下方にグリース溜りを形成し、これらのグリース溜
    りにグリースを予め充填して内輪及び外輪と転動体との
    接触部にグリースを行き渡らせるように構成したことを
    特徴とする建設機械の旋回軸受。
  2. 【請求項2】 外輪に、転動体や間座を外輪の外側から
    転動体収容空間内に組み込むための組込孔及びこの組込
    孔を密封する止め栓を設けるとともに、この止め栓に、
    外輪の外側から転動体収容空間内に開口する給脂孔を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の旋回
    軸受。
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