JP2003184886A - 建設機械の旋回軸受 - Google Patents
建設機械の旋回軸受Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/37—Loose spacing bodies
- F16C33/3706—Loose spacing bodies with concave surfaces conforming to the shape of the rolling elements, e.g. the spacing bodies are in sliding contact with the rolling elements
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑用グリースを滲出する間座を従来より容
易に製作でき、転動体収容空間内に収容可能な転動体数
を増加させ得る建設機械の旋回軸受を提供する。 【解決手段】 内輪1とこの内輪1を囲むように配置さ
れる外輪2とを備え、両者の間に形成された環状の転動
体収容空間11内に多数の転動体3と間座24を交互に
配置し収容して、下部走行体等の基台とこの基台上を旋
回する上部旋回体等の旋回体との間に設けて旋回体を支
持しながら旋回させる油圧ショベル、クレーン等の建設
機械の旋回軸受において、間座24をガラス繊維24a
を添加したプラスチックグリースにより固形化して形成
して強化し、間座24が隣接する転動体3に挟まれて圧
縮されても、隣接する転動体3同士が接触しない程度の
最小の厚さをもつように形成した。
易に製作でき、転動体収容空間内に収容可能な転動体数
を増加させ得る建設機械の旋回軸受を提供する。 【解決手段】 内輪1とこの内輪1を囲むように配置さ
れる外輪2とを備え、両者の間に形成された環状の転動
体収容空間11内に多数の転動体3と間座24を交互に
配置し収容して、下部走行体等の基台とこの基台上を旋
回する上部旋回体等の旋回体との間に設けて旋回体を支
持しながら旋回させる油圧ショベル、クレーン等の建設
機械の旋回軸受において、間座24をガラス繊維24a
を添加したプラスチックグリースにより固形化して形成
して強化し、間座24が隣接する転動体3に挟まれて圧
縮されても、隣接する転動体3同士が接触しない程度の
最小の厚さをもつように形成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内輪とこの内輪を
囲むように配置される外輪とを備え、両者の間に多数の
転動体と間座を交互に配置し収容して、下部走行体等の
基台と上部旋回体等の旋回体との間に設けて旋回体を支
持しながら旋回させる油圧ショベル、クレーン、ホイー
ルショベル等の建設機械の旋回軸受に関する。
囲むように配置される外輪とを備え、両者の間に多数の
転動体と間座を交互に配置し収容して、下部走行体等の
基台と上部旋回体等の旋回体との間に設けて旋回体を支
持しながら旋回させる油圧ショベル、クレーン、ホイー
ルショベル等の建設機械の旋回軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回軸受は、旋回ベアリング
とも称し、自走式建設機械における上部旋回体等の旋回
体を支持しながら下部走行体等の基台に対して旋回させ
るための装置である。この旋回軸受は、自走式建設機械
としての油圧ショベルを例に採ると、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、この内輪を囲んで上部旋回体側に固定さ
れる外輪とを通常備えている。そして、上部旋回体を旋
回可能に支持するため、外輪と内輪との間に環状の転動
体収容空間を形成して、この転動体収容空間内に多数の
球状の転動体を収容し、これらの転動体を介して外輪を
内輪で回動可能に支持している。その転動体収容空間に
は、転動体同士を接触させないようにするための間座
(カンザ)と称するスペーサ部品を収容して間座を転動
体間に配置するようにしている。
とも称し、自走式建設機械における上部旋回体等の旋回
体を支持しながら下部走行体等の基台に対して旋回させ
るための装置である。この旋回軸受は、自走式建設機械
としての油圧ショベルを例に採ると、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、この内輪を囲んで上部旋回体側に固定さ
れる外輪とを通常備えている。そして、上部旋回体を旋
回可能に支持するため、外輪と内輪との間に環状の転動
体収容空間を形成して、この転動体収容空間内に多数の
球状の転動体を収容し、これらの転動体を介して外輪を
内輪で回動可能に支持している。その転動体収容空間に
は、転動体同士を接触させないようにするための間座
(カンザ)と称するスペーサ部品を収容して間座を転動
体間に配置するようにしている。
【0003】こうした建設機械の旋回軸受においては、
内輪や外輪と転動体との接触部を潤滑して、この接触部
に焼き付きやカジリが生じないように保護する必要があ
る。そのため、外輪の内周部と内輪の外周部との間の間
隙内に、潤滑油としてのグリースを供給するが、その場
合、これまでは、外輪の外周部の複数個所にグリースニ
ツブルを設け、このグリースニツプルを通じてその外輪
と内輪間の間隙に外部から定期的に給脂する方法が通常
採られていた。こうした方法により外輪と内輪間の間隙
にグリースを供給すると、グリースが外輪や内輪の壁面
と転動体の球面との間に浸潤して油膜を形成し、これら
の面を保護することができる。
内輪や外輪と転動体との接触部を潤滑して、この接触部
に焼き付きやカジリが生じないように保護する必要があ
る。そのため、外輪の内周部と内輪の外周部との間の間
隙内に、潤滑油としてのグリースを供給するが、その場
合、これまでは、外輪の外周部の複数個所にグリースニ
ツブルを設け、このグリースニツプルを通じてその外輪
と内輪間の間隙に外部から定期的に給脂する方法が通常
採られていた。こうした方法により外輪と内輪間の間隙
にグリースを供給すると、グリースが外輪や内輪の壁面
と転動体の球面との間に浸潤して油膜を形成し、これら
の面を保護することができる。
【0004】しかしながら、この従来の通常の建設機械
の旋回軸受では、作業員が外輪外側からグリースニツブ
ルを通じて定期的に給脂する必要があり、給脂作業が煩
雑なため、ややもすると給脂を怠りがちになって、給脂
間隔が規定通りに守られない事態も起こる。その結果、
内輪や外輪と転動体との接触部に送られたグリースが交
換されずに劣化して潤滑不良を招くという問題が生じ
る。こうした問題に対応可能な従来の技術として、実開
平5−92537号公報に記載の旋回軸受用間座を挙げ
ることができる。
の旋回軸受では、作業員が外輪外側からグリースニツブ
ルを通じて定期的に給脂する必要があり、給脂作業が煩
雑なため、ややもすると給脂を怠りがちになって、給脂
間隔が規定通りに守られない事態も起こる。その結果、
内輪や外輪と転動体との接触部に送られたグリースが交
換されずに劣化して潤滑不良を招くという問題が生じ
る。こうした問題に対応可能な従来の技術として、実開
平5−92537号公報に記載の旋回軸受用間座を挙げ
ることができる。
【0005】本発明は、この公開実用新案公報に記載の
従来の技術を改良しようとするものであるので、この従
来の技術の技術内容を図5及び図6に基づいて以下に説
明する。図5は、従来の技術に係る旋回軸受の平面図、
図6は、図5の旋回軸受を周方向に沿って垂直に切断し
た要部の拡大断面図である。
従来の技術を改良しようとするものであるので、この従
来の技術の技術内容を図5及び図6に基づいて以下に説
明する。図5は、従来の技術に係る旋回軸受の平面図、
図6は、図5の旋回軸受を周方向に沿って垂直に切断し
た要部の拡大断面図である。
【0006】これらの図において、1は自走式建設機械
の下部走行体等の基台側に固定される環状の内輪、2は
自走式建設機械の上部旋回体等の旋回体側に固定され内
輪1を同心円状に囲んで配置される環状の外輪、3はボ
ールベアリングの働きをする球状の転動体、4は転動体
3間に配置することにより隣接する転動体3同士を接触
させないようにするための間座、5は外輪2に設けられ
外輪2を旋回体側に固定するためのボルトを挿通するボ
ルト孔、6は旋回体側に設置した駆動装置で回転駆動さ
れる駆動ピニオン、7は内輪1の内周部に形成され駆動
ピニオン6と噛み合う内歯車(リングギヤ)である。
の下部走行体等の基台側に固定される環状の内輪、2は
自走式建設機械の上部旋回体等の旋回体側に固定され内
輪1を同心円状に囲んで配置される環状の外輪、3はボ
ールベアリングの働きをする球状の転動体、4は転動体
3間に配置することにより隣接する転動体3同士を接触
させないようにするための間座、5は外輪2に設けられ
外輪2を旋回体側に固定するためのボルトを挿通するボ
ルト孔、6は旋回体側に設置した駆動装置で回転駆動さ
れる駆動ピニオン、7は内輪1の内周部に形成され駆動
ピニオン6と噛み合う内歯車(リングギヤ)である。
【0007】図には明示されていないが、内輪1の外周
面には、その全周面に沿って横断面略半円状の凹部が形
成されており、外輪2の内周面にも、その全周面に沿っ
て内輪1の凹部と相対向するように横断面略半円状の凹
部が形成されている。これら内輪1の凹部と外輪2の凹
部とにより、転動体3を収容するための環状の転動体収
容空間が内輪1と外輪2との間に水平方向に環状に形成
されている。この環状の転動体収容空間内には、多数の
転動体3と間座4を収容して間座4を転動体3間に配置
している。すなわち、転動体収容空間内には、多数の転
動体3と間座4を交互に配置して収容していおり、これ
により、多数の転動体3を介して外輪2を内輪1で回動
可能に支持するとともに、隣接する転動体3同士を間座
4によって接触させないようにしている。
面には、その全周面に沿って横断面略半円状の凹部が形
成されており、外輪2の内周面にも、その全周面に沿っ
て内輪1の凹部と相対向するように横断面略半円状の凹
部が形成されている。これら内輪1の凹部と外輪2の凹
部とにより、転動体3を収容するための環状の転動体収
容空間が内輪1と外輪2との間に水平方向に環状に形成
されている。この環状の転動体収容空間内には、多数の
転動体3と間座4を収容して間座4を転動体3間に配置
している。すなわち、転動体収容空間内には、多数の転
動体3と間座4を交互に配置して収容していおり、これ
により、多数の転動体3を介して外輪2を内輪1で回動
可能に支持するとともに、隣接する転動体3同士を間座
4によって接触させないようにしている。
【0008】この従来の技術の特徴となっている間座4
の技術内容について説明すると、間座4は、大別する
と、間座本体4aとこの間座本体4aに充填されるプラ
スチックグリース4eとで構成されている。間座本体4
aは、ポリアミド系の合成樹脂で形成され、両側面が転
動体3と接触し合う凹面4bをなすように形成されてい
る。間座本体4aは、この凹面4bの個所で開口する孔
4cが中心部に形成されており、外周部には、鉄製の補
強リング4dを嵌着している。プラスチックグリース4
eは、間座本体4aの凹面4bに連なる凹球面4fを両
側面に有するように形成されて間座本体4aの孔4cに
充填されている。
の技術内容について説明すると、間座4は、大別する
と、間座本体4aとこの間座本体4aに充填されるプラ
スチックグリース4eとで構成されている。間座本体4
aは、ポリアミド系の合成樹脂で形成され、両側面が転
動体3と接触し合う凹面4bをなすように形成されてい
る。間座本体4aは、この凹面4bの個所で開口する孔
4cが中心部に形成されており、外周部には、鉄製の補
強リング4dを嵌着している。プラスチックグリース4
eは、間座本体4aの凹面4bに連なる凹球面4fを両
側面に有するように形成されて間座本体4aの孔4cに
充填されている。
【0009】このプラスチックグリース4eは、超高分
子量ポリエチレン等の樹脂材料とグリースとの混合物
を、樹脂材料が融解する適宜の温度に加熱した後、冷却
し固形化して生成したものであり、保油力が強く、油の
滲み出しが徐々に安定的に行われる。この従来の技術に
係る公開実用新案公報の記載によれば、こうした間座4
を旋回軸受に用いると、プラスチックグリース4eの凹
球面4fがその内部から滲み出した油によって油性面と
なっているため、転動体3がこの凹球面4fと接触する
ことにより転動体3に油が供給されて、良好な潤滑状態
が長期にわたって維持され、グリースの補給を要しない
とされている。
子量ポリエチレン等の樹脂材料とグリースとの混合物
を、樹脂材料が融解する適宜の温度に加熱した後、冷却
し固形化して生成したものであり、保油力が強く、油の
滲み出しが徐々に安定的に行われる。この従来の技術に
係る公開実用新案公報の記載によれば、こうした間座4
を旋回軸受に用いると、プラスチックグリース4eの凹
球面4fがその内部から滲み出した油によって油性面と
なっているため、転動体3がこの凹球面4fと接触する
ことにより転動体3に油が供給されて、良好な潤滑状態
が長期にわたって維持され、グリースの補給を要しない
とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この従来の技術に係る
間座4は、潤滑用グリースを滲出して定期的な給脂を要
しないという点で優れた効果を発揮するが、これを製作
する際、凹面4bを有する間座本体4aを形成する工程
のほかに間座本体4aの中心部に孔4cを形成する工程
を要するとともに、プラスチックグリース4eには、間
座本体4aの凹面4bに連なるように凹球面4fを両側
面に形成し、さらに、このプラスチックグリース4eを
間座本体4aの孔4cに充填する工程も要する。この従
来の技術に係る間座4は、このように多数の工程を経て
製作することを要することから、その製作を容易に行う
ことができず、ひいては、製作コストも割高になる。
間座4は、潤滑用グリースを滲出して定期的な給脂を要
しないという点で優れた効果を発揮するが、これを製作
する際、凹面4bを有する間座本体4aを形成する工程
のほかに間座本体4aの中心部に孔4cを形成する工程
を要するとともに、プラスチックグリース4eには、間
座本体4aの凹面4bに連なるように凹球面4fを両側
面に形成し、さらに、このプラスチックグリース4eを
間座本体4aの孔4cに充填する工程も要する。この従
来の技術に係る間座4は、このように多数の工程を経て
製作することを要することから、その製作を容易に行う
ことができず、ひいては、製作コストも割高になる。
【0011】こうしたことに加え、間座本体4aの孔4
cの径は、間座4の強度上それほど大きくすることがで
きないため、プラスチックグリース4eの充填量を必要
量だけ確保するには、孔4cの容積を増加できるように
間座本体4aの厚さを可成大きくすることが必要にな
る。このように間座本体4aの厚さを大きくすると、内
輪1と外輪2の間の環状の転動体収容空間を間座4が占
有する比率が増加して、その転動体収容空間内に収容可
能な転動体3の数が、その分少なくなる。
cの径は、間座4の強度上それほど大きくすることがで
きないため、プラスチックグリース4eの充填量を必要
量だけ確保するには、孔4cの容積を増加できるように
間座本体4aの厚さを可成大きくすることが必要にな
る。このように間座本体4aの厚さを大きくすると、内
輪1と外輪2の間の環状の転動体収容空間を間座4が占
有する比率が増加して、その転動体収容空間内に収容可
能な転動体3の数が、その分少なくなる。
【0012】建設機械の旋回軸受は、上部側の旋回体の
重量を支持するスラスト軸受であって、一般の軸受と異
なり著大な荷重がかかるが、こうした荷重は、転動体3
を介して支持される。建設機械の旋回軸受は、このよう
に著大な荷重がかかるため、転動体収容空間内に収容す
る転動体3の数をできるだけ増やして耐荷重容量を増加
させることが望まれているが、従来の技術では、間座本
体4aの厚さを前記のように大きくしなければならない
ため、前記転動体収容空間内に収容可能な転動体3の数
が制限されてこうした要求に応えることができない。
重量を支持するスラスト軸受であって、一般の軸受と異
なり著大な荷重がかかるが、こうした荷重は、転動体3
を介して支持される。建設機械の旋回軸受は、このよう
に著大な荷重がかかるため、転動体収容空間内に収容す
る転動体3の数をできるだけ増やして耐荷重容量を増加
させることが望まれているが、従来の技術では、間座本
体4aの厚さを前記のように大きくしなければならない
ため、前記転動体収容空間内に収容可能な転動体3の数
が制限されてこうした要求に応えることができない。
【0013】本発明は、以上のような問題を解消するた
めに創作されたものであって、その技術課題は、潤滑用
グリースを滲出する間座を従来の技術よりも容易に製作
することができ、転動体収容空間内に収容可能な転動体
の数を増加させることができる建設機械の旋回軸受を提
供することにある。
めに創作されたものであって、その技術課題は、潤滑用
グリースを滲出する間座を従来の技術よりも容易に製作
することができ、転動体収容空間内に収容可能な転動体
の数を増加させることができる建設機械の旋回軸受を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした技術
課題を達成するため、内輪とこの内輪を囲むように配置
される外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動
体収容空間内に多数の転動体と間座を交互に配置し収容
して、基台とこの基台上を旋回する旋回体との間に設け
て旋回体を支持しながら旋回させる建設機械の旋回軸受
において、間座をプラスチックグリースにより固形化し
て形成した。
課題を達成するため、内輪とこの内輪を囲むように配置
される外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動
体収容空間内に多数の転動体と間座を交互に配置し収容
して、基台とこの基台上を旋回する旋回体との間に設け
て旋回体を支持しながら旋回させる建設機械の旋回軸受
において、間座をプラスチックグリースにより固形化し
て形成した。
【0015】本発明の建設機械の旋回軸受は、間座それ
自体をプラスチックグリーチにより固形化して形成した
ので、潤滑用グリースを滲出する間座を製作するときに
は、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの
混合物を、製作しようとする間座の形状に合致した型に
充填して超高分子量ポリオレフィンの融点温度に加熱し
た後、冷却すれば製作することができ、簡単な成形によ
り製作することができる。したがって、本発明の建設機
械の旋回軸受によれば、潤滑用グリースを滲出する間座
を従来の技術よりも容易に製作することができる。
自体をプラスチックグリーチにより固形化して形成した
ので、潤滑用グリースを滲出する間座を製作するときに
は、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの
混合物を、製作しようとする間座の形状に合致した型に
充填して超高分子量ポリオレフィンの融点温度に加熱し
た後、冷却すれば製作することができ、簡単な成形によ
り製作することができる。したがって、本発明の建設機
械の旋回軸受によれば、潤滑用グリースを滲出する間座
を従来の技術よりも容易に製作することができる。
【0016】本発明の建設機械の旋回軸受は、間座それ
自体をプラスチックグリースにより形成したので、間座
の厚さを従来の技術より薄くしても、潤滑用グリースの
滲出量を必要量だけ確保することができる。また、この
ように間座それ自体をプラスチックグリースで形成した
ことにより、潤滑用グリースは、従来の技術のように間
座の側面からだけではなく周面からも滲出して全表面か
ら滲出し、転動体だけではなく、潤滑の最も必要な転動
体収容空間の壁面も直接的に潤滑する。そのため、プラ
スチックグリースの厚さを薄くしても、潤滑不足が生じ
るようなことはなくなり、こうしたことによっても、間
座の厚さを従来の技術より薄くすることが可能になる。
そして、プラスチックグリースは、硬質ゴム程度の硬さ
を備えているため、間座に使用しても、その使用に耐え
得るだけの強度を有している。
自体をプラスチックグリースにより形成したので、間座
の厚さを従来の技術より薄くしても、潤滑用グリースの
滲出量を必要量だけ確保することができる。また、この
ように間座それ自体をプラスチックグリースで形成した
ことにより、潤滑用グリースは、従来の技術のように間
座の側面からだけではなく周面からも滲出して全表面か
ら滲出し、転動体だけではなく、潤滑の最も必要な転動
体収容空間の壁面も直接的に潤滑する。そのため、プラ
スチックグリースの厚さを薄くしても、潤滑不足が生じ
るようなことはなくなり、こうしたことによっても、間
座の厚さを従来の技術より薄くすることが可能になる。
そして、プラスチックグリースは、硬質ゴム程度の硬さ
を備えているため、間座に使用しても、その使用に耐え
得るだけの強度を有している。
【0017】本発明の建設機械の旋回軸受は、以上の利
点が相俟って間座の厚さを薄くすることができるので、
間座の厚さを従来の技術よりも可成薄くすることが可能
になる。その結果、内輪と外輪の間の環状の転動体収容
空間を間座が占有する比率を減少させることができて、
その転動体収容空間内に収容可能な転動体の数を増加さ
せることができる。以上のようなことから、本発明によ
れば、潤滑用グリースを滲出する間座を従来の技術より
も容易に製作することができ、転動体収容空間内に収容
可能な転動体の数を増加させることができる建設機械の
旋回軸受を得ることができる。
点が相俟って間座の厚さを薄くすることができるので、
間座の厚さを従来の技術よりも可成薄くすることが可能
になる。その結果、内輪と外輪の間の環状の転動体収容
空間を間座が占有する比率を減少させることができて、
その転動体収容空間内に収容可能な転動体の数を増加さ
せることができる。以上のようなことから、本発明によ
れば、潤滑用グリースを滲出する間座を従来の技術より
も容易に製作することができ、転動体収容空間内に収容
可能な転動体の数を増加させることができる建設機械の
旋回軸受を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図4に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例に係る建設機械の旋
回軸受の平面図、図2は、図1の建設機械の旋回軸受を
径方向に垂直に切断した拡大断面図、図3は、図1の建
設機械の旋回軸受を水平に切断した要部の拡大断面図、
図4は、本発明の他の具体化例に係る建設機械の旋回軸
受の要部を示す図3と同様の図である。これらの図にお
いて前述の図5及び図6と同一の符号を付けた部分は、
これら両図と同等の部分を表すので、詳述しない。
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図4に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例に係る建設機械の旋
回軸受の平面図、図2は、図1の建設機械の旋回軸受を
径方向に垂直に切断した拡大断面図、図3は、図1の建
設機械の旋回軸受を水平に切断した要部の拡大断面図、
図4は、本発明の他の具体化例に係る建設機械の旋回軸
受の要部を示す図3と同様の図である。これらの図にお
いて前述の図5及び図6と同一の符号を付けた部分は、
これら両図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0019】本発明の具体化例に係る建設機械の旋回軸
受は、既述の従来の技術に係る旋回軸受と同様、内輪1
とこの内輪1を囲むように配置される外輪2とを備え、
両者の間に形成された環状の転動体収容空間11内に多
数の転動体3と間座14を交互に配置し収容して、下部
走行体等の基台とこの基台上を旋回する上部旋回体等の
旋回体との間に設けて旋回体を支持しながら旋回させる
ようにしており、基本的な構造は、従来の技術に係る旋
回軸受と変わらない。
受は、既述の従来の技術に係る旋回軸受と同様、内輪1
とこの内輪1を囲むように配置される外輪2とを備え、
両者の間に形成された環状の転動体収容空間11内に多
数の転動体3と間座14を交互に配置し収容して、下部
走行体等の基台とこの基台上を旋回する上部旋回体等の
旋回体との間に設けて旋回体を支持しながら旋回させる
ようにしており、基本的な構造は、従来の技術に係る旋
回軸受と変わらない。
【0020】まず、前述の従来の技術のところでは十分
に説明しなかった建設機械の旋回軸受に関する一般的な
事項について説明する。
に説明しなかった建設機械の旋回軸受に関する一般的な
事項について説明する。
【0021】1aは内輪1の外周面に形成されて転動体
収容空間11の壁面をなし転動体3が転動可能に接する
内輪の転動面(インナレース部)、2aは外輪1の内周
面に形成されて転動体収容空間11の壁面をなし転動体
3が転動可能に接する外輪の転動面(アウターレース
部)、11は転動体3や間座14を収容するための環状
の転動体収容空間、12は内輪1や外輪2に固着して内
輪1と外輪2の相対回転を許容するように環状間隙13
の底部や頂部を密封するシール部材、13は内輪1の外
周部と外輪2の内周部との間に形成された環状間隙、1
4は後に詳述する本発明独自の間座である。
収容空間11の壁面をなし転動体3が転動可能に接する
内輪の転動面(インナレース部)、2aは外輪1の内周
面に形成されて転動体収容空間11の壁面をなし転動体
3が転動可能に接する外輪の転動面(アウターレース
部)、11は転動体3や間座14を収容するための環状
の転動体収容空間、12は内輪1や外輪2に固着して内
輪1と外輪2の相対回転を許容するように環状間隙13
の底部や頂部を密封するシール部材、13は内輪1の外
周部と外輪2の内周部との間に形成された環状間隙、1
4は後に詳述する本発明独自の間座である。
【0022】内輪の転動面1aは、横断面略半円状をな
し、内輪1の外周面の全周面に沿って形成され、同じ
く、外輪の転動面2aは、横断面略半円状をなし、外輪
2の内周面の全周面に沿って形成されている。転動体収
容空間11は、こうした転動面1aと転動面2aを相対
向するように形成することにより、内輪1と外輪2との
間に水平方向に環状に形成されている。この環状の転動
体収容空間11内には、間座14を介して配置された多
数の転動体3が周方向に収容され、これらの転動体3を
介して外輪2を内輪1で回動可能に支持している。
し、内輪1の外周面の全周面に沿って形成され、同じ
く、外輪の転動面2aは、横断面略半円状をなし、外輪
2の内周面の全周面に沿って形成されている。転動体収
容空間11は、こうした転動面1aと転動面2aを相対
向するように形成することにより、内輪1と外輪2との
間に水平方向に環状に形成されている。この環状の転動
体収容空間11内には、間座14を介して配置された多
数の転動体3が周方向に収容され、これらの転動体3を
介して外輪2を内輪1で回動可能に支持している。
【0023】転動体収容空間11の下方には、環状間隙
13の底部をシール部材12で密封することによリグリ
ース溜リ15aを形成している。また、転動体収容空間
11の上方には、環状間隙13により転動体3や間座1
4の上部にグリース溜リ15bを形成し、ここでは、こ
のグリース溜リ15bの頂部をシール部材12で密封し
ている。転動体収容空間11の側方には、転動面1a,
2aを三日月状に凹ませることによリグリース溜リ15
cを形成している。
13の底部をシール部材12で密封することによリグリ
ース溜リ15aを形成している。また、転動体収容空間
11の上方には、環状間隙13により転動体3や間座1
4の上部にグリース溜リ15bを形成し、ここでは、こ
のグリース溜リ15bの頂部をシール部材12で密封し
ている。転動体収容空間11の側方には、転動面1a,
2aを三日月状に凹ませることによリグリース溜リ15
cを形成している。
【0024】以上、建設機械の旋回軸受に関する一般的
な事項について説明したが、本発明の最大の特徴は、こ
の種の建設機械の旋回軸受において、間座14それ自体
を、プラスチックグリースにより固形化して、潤滑用グ
リースを滲出する間座14を形成するようにした点にあ
る。この点について、まず、図3に示す例に基づき説明
する。
な事項について説明したが、本発明の最大の特徴は、こ
の種の建設機械の旋回軸受において、間座14それ自体
を、プラスチックグリースにより固形化して、潤滑用グ
リースを滲出する間座14を形成するようにした点にあ
る。この点について、まず、図3に示す例に基づき説明
する。
【0025】プラスチックグリースとは、超高分子量ポ
リエチレン等の超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグ
リースとの混合物である。すなわち、超高分子量ポリオ
レフィンと潤滑用のグリースとを混合して超高分子量ポ
リオレフィンの融点温度に加熱した後、冷却して固形化
した組成物である。超高分子量ポリオレフィンと潤滑用
のグリースとの混合物は、未焼成の状態では潤滑用のグ
リースと同様に流動状態にあるが、融点温度に加熱して
冷却すると、固化する性質を有する。
リエチレン等の超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグ
リースとの混合物である。すなわち、超高分子量ポリオ
レフィンと潤滑用のグリースとを混合して超高分子量ポ
リオレフィンの融点温度に加熱した後、冷却して固形化
した組成物である。超高分子量ポリオレフィンと潤滑用
のグリースとの混合物は、未焼成の状態では潤滑用のグ
リースと同様に流動状態にあるが、融点温度に加熱して
冷却すると、固化する性質を有する。
【0026】本明細書にいうグリースとは、狭義のグリ
ースだけを意味するものではなく、種々の合成油及び鉱
油やこれらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使
用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα一オレフ
ィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭
化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油及び鉱
油のような種々の油やこれらの何れかの油の混合体を含
む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、
磨耗防止剤等、所望の添加剤、さらには、強度を向上さ
せるための後述するガラス繊維等の添加材を予め添加し
てもよい。
ースだけを意味するものではなく、種々の合成油及び鉱
油やこれらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使
用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα一オレフ
ィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭
化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油及び鉱
油のような種々の油やこれらの何れかの油の混合体を含
む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、
磨耗防止剤等、所望の添加剤、さらには、強度を向上さ
せるための後述するガラス繊維等の添加材を予め添加し
てもよい。
【0027】このプラスチックグリースによる建設機械
の旋回軸受は、間座14それ自体をプラスチックグリー
スにより固形化して形成したので、潤滑用グリースを滲
出する間座を製作するときには、超高分子量ポリオレフ
ィンと潤滑用のグリースとの混合物を、製作しようとす
る間座14の形状に合致した型に充填して超高分子量ポ
リオレフィンの融点温度に加熱した後、冷却すれば製作
することができ、簡単な成形により製作することができ
る。したがって、この建設機械の旋回軸受によれば、潤
滑用グリースを滲出する間座14を従来の技術よりも容
易に製作することができる。
の旋回軸受は、間座14それ自体をプラスチックグリー
スにより固形化して形成したので、潤滑用グリースを滲
出する間座を製作するときには、超高分子量ポリオレフ
ィンと潤滑用のグリースとの混合物を、製作しようとす
る間座14の形状に合致した型に充填して超高分子量ポ
リオレフィンの融点温度に加熱した後、冷却すれば製作
することができ、簡単な成形により製作することができ
る。したがって、この建設機械の旋回軸受によれば、潤
滑用グリースを滲出する間座14を従来の技術よりも容
易に製作することができる。
【0028】この建設機械の旋回軸受は、このように間
座14それ自体をプラスチックグリースにより形成した
ので、間座14の厚さを従来の技術より薄くしても、潤
滑用グリースの滲出量を必要量だけ確保することができ
る。また、このように間座14をプラスチックグリース
で形成したことにより、潤滑用グリースは、従来の技術
のように間座14の側面からだけではなく周面からも滲
出して全表面から滲出し、転動体3だけではなく、潤滑
の最も必要な転動体収容空間11の壁面すなわち転動面
1a,2aも直接的に潤滑する。そのため、プラスチッ
クグリースの厚さを薄くしても、潤滑不足が生じるよう
なことはなくなり、こうしたことによっても、間座14
の厚さを従来の技術より薄くすることが可能になる。そ
して、プラスチックグリースは、硬質ゴム程度の硬さを
備えているため、間座14に使用しても、その使用に耐
え得るだけの強度を有している。
座14それ自体をプラスチックグリースにより形成した
ので、間座14の厚さを従来の技術より薄くしても、潤
滑用グリースの滲出量を必要量だけ確保することができ
る。また、このように間座14をプラスチックグリース
で形成したことにより、潤滑用グリースは、従来の技術
のように間座14の側面からだけではなく周面からも滲
出して全表面から滲出し、転動体3だけではなく、潤滑
の最も必要な転動体収容空間11の壁面すなわち転動面
1a,2aも直接的に潤滑する。そのため、プラスチッ
クグリースの厚さを薄くしても、潤滑不足が生じるよう
なことはなくなり、こうしたことによっても、間座14
の厚さを従来の技術より薄くすることが可能になる。そ
して、プラスチックグリースは、硬質ゴム程度の硬さを
備えているため、間座14に使用しても、その使用に耐
え得るだけの強度を有している。
【0029】この建設機械の旋回軸受は、以上の利点が
相俟って間座14の厚さを薄くすることができるので、
間座14の厚さを従来の技術よりも可成薄くすることが
可能になる。その結果、内輪1と外輪2の間の環状の転
動体収容空間11を間座14が占有する比率を減少させ
ることができて、その転動体収容空間11内に収容可能
な転動体3の数を増加させることができる。以上のよう
なことから、潤滑用グリースを滲出する間座14を従来
の技術よりも容易に製作することができ、転動体収容空
間11内に収容可能な転動体3の数を増加させることが
できる建設機械の旋回軸受を得ることができる。
相俟って間座14の厚さを薄くすることができるので、
間座14の厚さを従来の技術よりも可成薄くすることが
可能になる。その結果、内輪1と外輪2の間の環状の転
動体収容空間11を間座14が占有する比率を減少させ
ることができて、その転動体収容空間11内に収容可能
な転動体3の数を増加させることができる。以上のよう
なことから、潤滑用グリースを滲出する間座14を従来
の技術よりも容易に製作することができ、転動体収容空
間11内に収容可能な転動体3の数を増加させることが
できる建設機械の旋回軸受を得ることができる。
【0030】その結果、潤滑用グリースを滲出する間座
14を従来の技術よりも安価に製作することができて旋
回軸受の製作費を低減することができるとともに、旋回
軸受の耐荷重容量を従来の技術よりも増加させることが
可能となる。この建設機械の旋回軸受は、定期的に給脂
する必要がなく、給脂作業に伴ってグリースが旋回軸受
から漏出するようなことはなくなるので、都市部や田畑
のようなグリースの付着が嫌われる場所で使用するのに
好適である。
14を従来の技術よりも安価に製作することができて旋
回軸受の製作費を低減することができるとともに、旋回
軸受の耐荷重容量を従来の技術よりも増加させることが
可能となる。この建設機械の旋回軸受は、定期的に給脂
する必要がなく、給脂作業に伴ってグリースが旋回軸受
から漏出するようなことはなくなるので、都市部や田畑
のようなグリースの付着が嫌われる場所で使用するのに
好適である。
【0031】ところで、前述した従来の技術に係る旋回
軸受は、内輪1や外輪2と転動体3との接触部すなわち
転動面1a,2aを潤滑する場合に、間座4の側面の中
心部から滲出したプラスチックグリース4e内のグリー
スを一旦転動体3に付着させた後、旋回体を幾度か旋回
させて転動体を転動させながら転動体収容空間11の周
方向に移動させないと、転動面1a,2aにグリースが
行き渡らないため、建設機械の始動時に潤滑不良が生じ
る危険性があった。
軸受は、内輪1や外輪2と転動体3との接触部すなわち
転動面1a,2aを潤滑する場合に、間座4の側面の中
心部から滲出したプラスチックグリース4e内のグリー
スを一旦転動体3に付着させた後、旋回体を幾度か旋回
させて転動体を転動させながら転動体収容空間11の周
方向に移動させないと、転動面1a,2aにグリースが
行き渡らないため、建設機械の始動時に潤滑不良が生じ
る危険性があった。
【0032】しかるに、建設機械の初期の始動時にブー
ムやアーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を行う
ときには、その作業前に上部旋回体を十分に旋回させる
ことなく、直ちに建設作業を行うことが多いため、転動
面1a,2aにグリースが行き渡らずに潤滑不良が生じ
る恐れがある。そのため、建設機械の初期の使用時に旋
回軸受に大きな荷重が作用する建設作業を行うときに
は、潤滑不良により旋回軸受が損傷する恐れがある。例
えば、油圧ショベルで掘削作業を行うときには、掘削反
力により大きなモーメント荷重が旋回軸受に作用するた
め、内輪1や外輪2と転動体3との接触部にグリースが
十分に行き渡っていないと、その接触部に焼き付きやカ
ジリ等が生じて旋回軸受が頒傷する危険性が大きい。
ムやアーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を行う
ときには、その作業前に上部旋回体を十分に旋回させる
ことなく、直ちに建設作業を行うことが多いため、転動
面1a,2aにグリースが行き渡らずに潤滑不良が生じ
る恐れがある。そのため、建設機械の初期の使用時に旋
回軸受に大きな荷重が作用する建設作業を行うときに
は、潤滑不良により旋回軸受が損傷する恐れがある。例
えば、油圧ショベルで掘削作業を行うときには、掘削反
力により大きなモーメント荷重が旋回軸受に作用するた
め、内輪1や外輪2と転動体3との接触部にグリースが
十分に行き渡っていないと、その接触部に焼き付きやカ
ジリ等が生じて旋回軸受が頒傷する危険性が大きい。
【0033】これに対し、本発明に係る建設機械の旋回
軸受では、プラスチックグリース内のグリースが従来の
技術のように間座14の側面からだけではなく周面から
も滲出して全表面から滲出し、転動体3だけではなく、
内輪1や外輪2と転動体3との接触部となる転動面1
a,2aも直接的に潤滑するので、建設機械の始動時に
潤滑不良が生じる危険性はなく、建設機械の始動時の後
も、内輪1や外輪2と転動体3との接触部を従来の技術
よりも活発に潤滑することができる。
軸受では、プラスチックグリース内のグリースが従来の
技術のように間座14の側面からだけではなく周面から
も滲出して全表面から滲出し、転動体3だけではなく、
内輪1や外輪2と転動体3との接触部となる転動面1
a,2aも直接的に潤滑するので、建設機械の始動時に
潤滑不良が生じる危険性はなく、建設機械の始動時の後
も、内輪1や外輪2と転動体3との接触部を従来の技術
よりも活発に潤滑することができる。
【0034】さらに、グリース溜リ15a,15b,1
5cは、間座14から滲出したグリースの余剰分を蓄積
するとともに、間座14を形成しているプラスチックグ
リースは、その蓄積されたグリースを逐次吸収するの
で、間座14からグリースが滲出しても、消耗すること
はない。このように、転動面1a,2aに供給されるグ
リースは、グリース溜リ15a,15b,15cを通じ
て循環し、新陳代謝が行われるため、内輪1及び外輪2
と転動体3との接触部にフレッシュなグリースが随時供
給されて、その接触部の潤滑を良好に行うことができ
る。
5cは、間座14から滲出したグリースの余剰分を蓄積
するとともに、間座14を形成しているプラスチックグ
リースは、その蓄積されたグリースを逐次吸収するの
で、間座14からグリースが滲出しても、消耗すること
はない。このように、転動面1a,2aに供給されるグ
リースは、グリース溜リ15a,15b,15cを通じ
て循環し、新陳代謝が行われるため、内輪1及び外輪2
と転動体3との接触部にフレッシュなグリースが随時供
給されて、その接触部の潤滑を良好に行うことができ
る。
【0035】図4に示す例は、こうした建設機械の旋回
軸受において、間座24をプラスチックグリースにより
形成する場合に、例えばガラス繊維24aのような、強
度を向上させるための添加材をプラスチックグリース中
に添加して形成したものである。こうした添加材として
は、ガラス繊維24aのほか、炭素繊維やナイロン等の
プラスチックの粉末を挙げることができる。ガラス繊維
24aをプラスチックグリースに添加する場合、ガラス
繊維24aを5〜15%程度添加して混入するとよい。
このように強度を向上させるためのガラス繊維24a等
の添加材をプラスチックグリース中に添加すると、プラ
スチックグリース製の間座24の強度が添加材の添加に
より向上するので、間座24の厚さを従来の技術よりも
大幅に薄くすることが可能となって、転動体収容空間1
1内に収容可能な転動体3の数を一層増加させることが
できる。
軸受において、間座24をプラスチックグリースにより
形成する場合に、例えばガラス繊維24aのような、強
度を向上させるための添加材をプラスチックグリース中
に添加して形成したものである。こうした添加材として
は、ガラス繊維24aのほか、炭素繊維やナイロン等の
プラスチックの粉末を挙げることができる。ガラス繊維
24aをプラスチックグリースに添加する場合、ガラス
繊維24aを5〜15%程度添加して混入するとよい。
このように強度を向上させるためのガラス繊維24a等
の添加材をプラスチックグリース中に添加すると、プラ
スチックグリース製の間座24の強度が添加材の添加に
より向上するので、間座24の厚さを従来の技術よりも
大幅に薄くすることが可能となって、転動体収容空間1
1内に収容可能な転動体3の数を一層増加させることが
できる。
【0036】こうしたプラスチックグリース製の間座2
4を形成する場合に、間座24が隣接する転動体3に挟
まれて圧縮されても、隣接する転動体3同士が接触しな
い程度の最小限の厚さTをもつように形成すると、間座
24の厚さを更に薄くすることが可能となって、転動体
収容空間11内に収容可能な転動体3の数を飛躍的に増
加させることができる。その場合でも、その厚さTは、
少なくとも1mm以上は必要である。
4を形成する場合に、間座24が隣接する転動体3に挟
まれて圧縮されても、隣接する転動体3同士が接触しな
い程度の最小限の厚さTをもつように形成すると、間座
24の厚さを更に薄くすることが可能となって、転動体
収容空間11内に収容可能な転動体3の数を飛躍的に増
加させることができる。その場合でも、その厚さTは、
少なくとも1mm以上は必要である。
【0037】以上の説明を行うに当たっては、転動体3
がボールである場合を例にして説明したが、本発明は、
転動体3がころ(ローラベアリング)やクロスローラで
あっても適用することができ、その種類は限定されな
い。本発明に係る建設機械の旋回軸受は、油圧ショベ
ル、クレーン、ホイールショベル等の建設機械に使用す
ることができ、また、建設機械は、下部走行体によって
走行する自走式のものだけに限定されない。
がボールである場合を例にして説明したが、本発明は、
転動体3がころ(ローラベアリング)やクロスローラで
あっても適用することができ、その種類は限定されな
い。本発明に係る建設機械の旋回軸受は、油圧ショベ
ル、クレーン、ホイールショベル等の建設機械に使用す
ることができ、また、建設機械は、下部走行体によって
走行する自走式のものだけに限定されない。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の建設機械の旋回軸受は、間座それ自体をプラスチック
グリースにより固形化して形成したので、潤滑用グリー
スを滲出する間座を、従来の技術よりも容易に製作する
ことができ、かつ、転動体収容空間内に収容可能な転動
体の数を従来の技術よりも増加させることができる。そ
の結果、潤滑用グリースを滲出する間座を従来の技術よ
りも安価に製作することができて旋回軸受の製作費を低
減することができるとともに、旋回軸受の耐荷重容量を
従来の技術よりも増加させることが可能となる。この建
設機械の旋回軸受は、定期的に給脂する必要がなく、給
脂作業に伴ってグリースが旋回軸受から漏出するような
ことはなくなるので、都市部や田畑のようなグリースの
付着が嫌われる場所で使用するのに好適である。
の建設機械の旋回軸受は、間座それ自体をプラスチック
グリースにより固形化して形成したので、潤滑用グリー
スを滲出する間座を、従来の技術よりも容易に製作する
ことができ、かつ、転動体収容空間内に収容可能な転動
体の数を従来の技術よりも増加させることができる。そ
の結果、潤滑用グリースを滲出する間座を従来の技術よ
りも安価に製作することができて旋回軸受の製作費を低
減することができるとともに、旋回軸受の耐荷重容量を
従来の技術よりも増加させることが可能となる。この建
設機械の旋回軸受は、定期的に給脂する必要がなく、給
脂作業に伴ってグリースが旋回軸受から漏出するような
ことはなくなるので、都市部や田畑のようなグリースの
付着が嫌われる場所で使用するのに好適である。
【0039】従来の技術に係る旋回軸受は、内輪や外輪
と転動体との接触部を潤滑する場合に、間座側面の中心
部から滲出したプラスチックグリース内のグリースを一
旦転動体に付着させた後、旋回体を幾度か旋回させて転
動体を転動させながら転動体収容空間の周方向に移動さ
せないと、内輪や外輪と転動体との接触部にグリースが
行き渡らないため、建設機械の始動時に潤滑不良が生じ
る危険性があった。これに対し、本発明の建設機械の旋
回軸受では、プラスチックグリース内のグリースが従来
の技術のように間座の側面からだけではなく周面からも
滲出して全表面から滲出し、転動体だけではなく、内輪
や外輪と転動体との接触部となる転動体収容空間の壁面
も直接的に潤滑するので、建設機械の始動時に潤滑不良
が生じる危険性はなく、建設機械の始動時の後も、内輪
や外輪と転動体との接触部を従来の技術よりも活発に潤
滑することができる。
と転動体との接触部を潤滑する場合に、間座側面の中心
部から滲出したプラスチックグリース内のグリースを一
旦転動体に付着させた後、旋回体を幾度か旋回させて転
動体を転動させながら転動体収容空間の周方向に移動さ
せないと、内輪や外輪と転動体との接触部にグリースが
行き渡らないため、建設機械の始動時に潤滑不良が生じ
る危険性があった。これに対し、本発明の建設機械の旋
回軸受では、プラスチックグリース内のグリースが従来
の技術のように間座の側面からだけではなく周面からも
滲出して全表面から滲出し、転動体だけではなく、内輪
や外輪と転動体との接触部となる転動体収容空間の壁面
も直接的に潤滑するので、建設機械の始動時に潤滑不良
が生じる危険性はなく、建設機械の始動時の後も、内輪
や外輪と転動体との接触部を従来の技術よりも活発に潤
滑することができる。
【0040】本発明を具体化する場合、特に特許請求の
範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、プラスチ
ックグリース製の間座の強度が添加材の添加により向上
するので、間座の厚さを従来の技術よりも大幅に薄くす
ることが可能となって、転動体収容空間内に収容可能な
転動体の数を一層増加させることができる。
範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、プラスチ
ックグリース製の間座の強度が添加材の添加により向上
するので、間座の厚さを従来の技術よりも大幅に薄くす
ることが可能となって、転動体収容空間内に収容可能な
転動体の数を一層増加させることができる。
【図1】本発明の具体化例に係る建設機械の旋回軸受の
平面図である。
平面図である。
【図2】図1の建設機械の旋回軸受を径方向に垂直に切
断した拡大断面図である。
断した拡大断面図である。
【図3】図1の建設機械の旋回軸受を水平に切断した要
部の拡大断面図である。
部の拡大断面図である。
【図4】本発明の他の具体化例に係る建設機械の旋回軸
受の要部を示す図3と同様の図である。
受の要部を示す図3と同様の図である。
【図5】従来の技術に係る旋回軸受の平面図である。
【図6】図5の旋回軸受を周方向に沿って垂直に切断し
た要部の拡大断面図である。
た要部の拡大断面図である。
1 内輪
1a 内輪の転動面
2 外輪
2a 外輪の転動面
3 転動体
5 ボルト孔
6 駆動ピニオン
7 内歯車
11 転動体収容空間
12 シール部材
14 間座
24 間座
24a ガラス繊維
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 栗原 猛
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株
式会社土浦工場内
(72)発明者 関戸 慎一
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株
式会社土浦工場内
(72)発明者 井川 裕二
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株
式会社土浦工場内
(72)発明者 澁川 壮史
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株
式会社土浦工場内
Fターム(参考) 2D015 DA02
3J101 AA03 AA33 AA42 AA54 AA62
AA72 BA13 BA20 CA40 EA32
EA63 FA41 FA44 GA51
Claims (3)
- 【請求項1】 内輪とこの内輪を囲むように配置される
外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動体収容
空間内に多数の転動体と間座を交互に配置し収容して、
基台とこの基台上を旋回する旋回体との間に設けて旋回
体を支持しながら旋回させる建設機械の旋回軸受におい
て、間座をプラスチックグリースにより固形化して形成
したことを特徴とする建設機械の旋回軸受。 - 【請求項2】 請求項1に記載の建設機械の旋回軸受に
おいて、間座をプラスチックグリースにより形成する場
合に、強度を向上させるための添加材をプラスチックグ
リース中に添加して形成したこと特徴とする建設機械の
旋回軸受。 - 【請求項3】 請求項2に記載の建設機械の旋回軸受に
おいて、間座をプラスチックグリースにより形成する場
合に、間座が隣接する転動体に挟まれて圧縮されても、
隣接する転動体同士が接触しない程度の厚さをもつよう
に形成したこと特徴とする建設機械の旋回軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001387754A JP2003184886A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 建設機械の旋回軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001387754A JP2003184886A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 建設機械の旋回軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003184886A true JP2003184886A (ja) | 2003-07-03 |
Family
ID=27596488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001387754A Pending JP2003184886A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 建設機械の旋回軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003184886A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104454966A (zh) * | 2014-11-28 | 2015-03-25 | 安徽省宁国顺昌机械有限公司 | 一种挖掘机用回转支承及其隔离块的加工方法 |
US20150308501A1 (en) * | 2014-04-23 | 2015-10-29 | General Electric Company | Spacer assembly for a bearing |
-
2001
- 2001-12-20 JP JP2001387754A patent/JP2003184886A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150308501A1 (en) * | 2014-04-23 | 2015-10-29 | General Electric Company | Spacer assembly for a bearing |
US9447820B2 (en) * | 2014-04-23 | 2016-09-20 | General Electric Company | Spacer assembly for a bearing |
CN104454966A (zh) * | 2014-11-28 | 2015-03-25 | 安徽省宁国顺昌机械有限公司 | 一种挖掘机用回转支承及其隔离块的加工方法 |
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