JP2003020686A - 建設機械の旋回軸受及びその製造方法 - Google Patents

建設機械の旋回軸受及びその製造方法

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JP2003020686A
JP2003020686A JP2001209690A JP2001209690A JP2003020686A JP 2003020686 A JP2003020686 A JP 2003020686A JP 2001209690 A JP2001209690 A JP 2001209690A JP 2001209690 A JP2001209690 A JP 2001209690A JP 2003020686 A JP2003020686 A JP 2003020686A
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grease
rolling element
slewing bearing
outer ring
accommodating space
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Application number
JP2001209690A
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English (en)
Inventor
Akihiro Tanaka
章弘 田中
Shinichi Sekido
慎一 関戸
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Yuji Igawa
裕二 井川
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Soushi Shibukawa
壮史 澁川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定期給脂を必要とせず初期の使用時に建設作
業をしても潤滑不良が生じる危険性のない建設機械の旋
回軸受を提供する。 【解決手段】 駆動ピニオンと噛み合う内歯車12Bを
有し下部走行体側に固定される内輪12と、内輪12を
囲んで上部旋回体側に固定される外輪16とを備え、こ
れら内輪12と外輪16との間に環状の転動体収容空間
18を形成して、この転動体収容空間18内に多数の転
動体20と間座を収容した建設機械の旋回軸受におい
て、内輪12と外輪16との間に環状間隙14を設けて
グリース溜り18A,18Bを形成するとともに転動体
収容空間18の壁面にグリース溜り18Cを形成し、転
動体20や間座21と転動体収容空間18の壁面との間
の間隙及びグリース溜り18A,18B,18Cにプラ
スチックグリースを充填して構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、内歯車を
有し下部走行体側に固定される内輪と、内輪を囲んで上
部旋回体側に固定される外輪とを備え、外輪と内輪との
間に多数の転動体と間座を配設して上部旋回体を支持し
ながら旋回させる建設機械の旋回軸受及びその旋回軸受
を製造する建設機械の旋回軸受の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回軸受は、旋回ベアリング
とも称し、油圧ショベル等の自走式建設機械の上部旋回
体を支持しながら下部走行体に対して旋回させるための
装置である。この旋回軸受は、通常、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、この内輪を囲んで上部旋回体側に固定さ
れる外輪とを備えている。そして、上部旋回体を旋回可
能に支持するため、外輪と内輪との間に環状の転動体収
容空間を形成して、この転動体収容空間内に多数の球状
の転動体を収容し、これらの転動体を介して外輪を内輪
で回動可能に支持している。また、その転動体収容空間
には、転動体同士を接触させないようにするための間座
(カンザ)と称するスペーサ部品を収容して間座を転動
体間に配置するようにしている。
【0003】こうした建設機械の旋回軸受においては、
内輪や外輪と転動体との接触部を潤滑して、この接触部
に焼き付きやカジリが生じないように保護する必要があ
る。そのため、外輪の内周部と内輪の外周部との間の間
隙内に、潤滑油としてのグリースを供給するが、その場
合、これまでは、外輪の外周部の複数個所にグリースニ
ップルを設け、このグリースニップルを通じてその外輪
と内輪間の間隙に外部から定期的に給脂する方法が通常
採られていた。こうした方法により外輪と内輪間の間隙
にグリースを供給すると、グリースが外輪や内輪の壁面
と転動体の球面との間に浸潤して油膜を形成し、これら
の面を保護することができる。
【0004】しかしながら、この従来の通常の建設機械
の旋回軸受では、作業員が外輪外側からグリースニップ
ルを通じて定期的に給脂する必要があり、給脂作業が煩
雑なため、ややもすると給脂を怠りがちになって、給脂
間隔が規定通りに守られない事態も起こる。その結果、
内輪や外輪と転動体との接触部に送られたグリースが交
換されずに劣化して潤滑不良を招くという問題が生じ
る。こうした問題を解決するために適用可能な従来の技
術として、建設機械の旋回軸受に関するものではない
が、実開平6ー10626号公報に記載のターンテーブ
ル用軸受を挙げることができる。
【0005】従来の技術に係るこのターンテーブル用軸
受は、風車やコーヒーカップと称する回転遊戯装置(回
転円盤上でカップ状乗り物が自転しながら公転するも
の)に用いられるものである。このターンテーブル用軸
受は、転動体と間座を収容するための環状の転動体収容
空間を内部に形成した内輪及び外輪の各軌道(転動体収
容空間を形成する壁面)に、それぞれ全周にわたるグリ
ース溝を形成し、このグリース溝にプラスチックグリー
スを軌道と面一なるように充填して構成したものであ
る。このプラスチックグリースは、超高分子量ポリエチ
レンと潤滑用のグリースとの混合物を、超高分子量ポリ
エチレンのゲル化温度以上に加熱した後、冷却し固形化
して生成したものであり、保油力が強く、油の滲み出し
が徐々に安定的に行われるため、長期にわたって良好な
潤滑状態を維持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の技術は、こうした優れた効果を発揮するものの、特
に建設機械の旋回軸受に適用した場合には、前記風車や
回転遊戯装置に用いた場合とは異なり、当該機械の初運
転を行うときやその運転を長期間休止した後に再開する
ときのような初期の使用時に、建設機械特有の問題が生
じる。すなわち、初期の使用時に上部旋回体を旋回させ
ないで、ブームやアーム等の作業装置でいきなり建設作
業をしたときに、外輪及び内輪と転動体との接触部にグ
リースが十分に行き渡らずに潤滑不良が生じて、旋回軸
受が損傷する危険性がある。以下、この点について言及
する。
【0007】従来の技術では、外輪と内輪間の環状の転
動体収容空間の壁面の全周にわたってプラスチックグリ
ースが充填されているものの、グリース溝の部分にしか
充填されていないため、このグリース溝の個所しか直接
潤滑されず、転動体収容空間の壁面の大半の領域には、
プラスチックグリース内のグリースが直接的には供給さ
れない。これらの大半の領域を潤滑するには、グリース
溝の個所で転動体に付着したグリースを、転動体の転動
や移動により転動体収容空間の壁面全体に付着させて両
者の接触部を潤滑する。そのため、転動体収容空間の壁
面全体にグリースを行き渡らせるには、内輪と外輪を幾
度か相対的に回転させることにより、外輪と内輪間の環
状の転動体収容空間内で転動体を転動させながら周方向
に移動させることが必要である。
【0008】前述したように、従来の技術は、風車や回
転遊戯装置に用いられるものであるが、こうした装置に
用いられる旋回軸受は、ラジアル軸受であるため、負荷
がグリース溝のグリースに直接的に作用して、プラスチ
ックグリース内のグリースが活発に滲出する。そして、
こうした装置の旋回軸受では、その装置の性質上、内輪
と外輪を初期の使用時から常に相対的に回転させるた
め、転動体が転動体収容空間内で転動しながら移動する
ことにより、プラスチックグリース内のグリースは、運
転開始後直ちに、転動体収容空間の壁面全体に行き渡
る。しかも、建設機械とは異なり、それほど大きな荷重
がかからないため、内輪及び外輪と転動体との接触部に
潤滑が不足して旋回軸受が損傷する危惧はない。
【0009】これに対して、建設機械の旋回軸受は、上
部旋回体の重量を支持するスラスト軸受であるため、従
来の技術を適用して構成たとししても、負荷がグリース
溝のグリースに直接的には作用しにくく、プラスチック
グリース内のグリースが活発には滲出しない。そして、
建設機械では、初期の使用時において、特にブームやア
ーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を行うとき
に、その作業前に上部旋回体を十分に旋回させることな
く、直ちに建設作業を行うことが多いため、内輪及び外
輪と転動体との接触部にグリースが十分に行き渡らずに
潤滑不良が生じる恐れがある。そのため、建設機械の初
期の使用時に旋回軸受に大きな荷重がかかる建設作業を
行うときには、潤滑不良により旋回軸受が損傷する危険
性がある。例えば、油圧ショベルで掘削作業を行うとき
には、掘削反力により大きなモーメント荷重が旋回軸受
に作用するため、内輪や外輪と転動体との接触部にグリ
ースが十分に行き渡っていないと、その接触部に焼き付
きやカジリ等が生じて旋回軸受が損傷する危険性が大き
い。
【0010】この出願の発明は、こうした問題を解消す
るために創作されたものであり、その第1の目的は、定
期給脂を必要とせず初期の使用時に建設作業をしても潤
滑不良が生じる危険性のない建設機械の旋回軸受を提供
することにある。この出願の発明の第2の目的は、こう
した建設機械の旋回軸受を容易に製造することができる
建設機械の旋回軸受の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】特許請求の範囲の請求項
1に係るこの出願の第1番目の発明は、前記の第1の目
的を達成するため、次の1)のように構成した。
【0012】1) 上部旋回体側の駆動ピニオンと噛み
合う内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、こ
の内輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備
え、これら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を
形成して、この転動体収容空間内に多数の転動体と間座
を収容して間座を転動体間に配置した建設機械の旋回軸
受において、内輪と外輪との間に間隙を設けてこの間隙
で転動体収容空間の上方及び下方にグリース溜りを形成
し、転動体や間座と転動体収容空間の壁面との間の間隙
及びグリース溜りにプラスチックグリースを充填して構
成した。
【0013】転動体収容空間の壁面のグリース溝に充填
したプラスチックグリースで内輪及び外輪と転動体との
接触部を潤滑する従来の技術に係る旋回軸受を建設機械
の旋回軸受に適用した場合には、初期の使用時において
作業装置で建設作業をしたときに、内輪及び外輪と転動
体との接触部にグリースが行き渡らずに潤滑不良が生じ
る恐れがある。この出願の第1番目の発明に係る建設機
械の旋回軸受では、特に、内輪と外輪との間の間隙によ
り転動体収容空間の上方及び下方にグリース溜りを形成
して、転動体や間座と転動体収容空間の壁面との間の間
隙及びグリース溜りにプラスチックグリースを充填して
構成しているので、このプラスチックグリース内のグリ
ースを内輪及び外輪と転動体との接触部に行き渡らせる
ことができ、建設機械の初期の使用時に、旋回軸受に大
きな荷重が作用する建設作業を行うときでも、潤滑不良
が生じて、旋回軸受が損傷するような危険性はない。
【0014】その後、建設機械による作業を継続実施し
て上部旋回体を旋回させると、その上部旋回体の旋回に
より、転動体が環状の転動体収容空間内で転動しながら
周方向に移動して、転動体や間座と転動体収容空間の壁
面との間の間隙及びグリース溜りにおけるプラスチック
グリース内のグリースが滲出し、内輪及び外輪と転動体
との接触部にグリースを補給する。このように、運転開
始後は、プラスチックグリース内のグリースが内輪及び
外輪と転動体との接触部に絶えず補給されるので、ユー
ザは、グリース溜りへのグリースの充填作業を行わなく
ても済むとともに、定期給脂を行わなくても、内輪及び
外輪と転動体との接触部に、劣化したグリースが滞留す
ることはなく、グリースの劣化による潤滑不良も生じな
い。
【0015】建設機械は、建設作業の種類等に応じて内
輪及び外輪と転動体との接触部にかかる負荷が増減し、
特に建設作業時のモーメント荷重による圧力は、旋回軸
受の上下部周辺に作用する。本発明に係る建設機械の旋
回軸受は、特に、このモーメント荷重による圧力が作用
する転動体収容空間の上方及び下方にグリース溜りを形
成してプラスチックグリースを充填しているので、建設
作業時に内輪及び外輪と転動体との接触部にかかる負荷
が増加すると、負荷の増加に応じてプラスチックグリー
スに加わる圧力も増加して、プラスチックグリース内か
ら滲出するグリースの量が増加する。そのため、プラス
チックグリース内のグリースを負荷の増加に応じて合理
的に供給することができ、負荷の増減の激しい建設機械
にとってきわめて好適なものとなる。また、転動体や間
座と転動体収容空間の壁面との間の間隙及びグリース溜
りに充填されたプラスチックグリースは、グリースが負
荷の増加に応じて転動体収容空間内に多量に滲出して
も、その滲出したグリースの余剰分を逐次吸収して蓄積
するので、消耗するようなことはない。
【0016】特許請求の範囲の請求項3に係るこの出願
の第2番目の発明は、前記の第1の目的を達成するた
め、次の2)に示す方法を採用した。
【0017】2) 上部旋回体側の駆動ピニオンと噛み
合う内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、こ
の内輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備
え、これら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を
形成して、転動体収容空間内に多数の転動体と間座を収
容して間座を転動体間に配置し、内輪と外輪との間に間
隙を設けてこの間隙で転動体収容空間の上方及び下方に
グリース溜りを形成し、転動体や間座と転動体収容空間
の壁面との間の間隙及びグリース溜りにプラスチックグ
リースを充填して構成した建設機械の旋回軸受を製造す
る場合に、内輪と外輪との間の間隙の上部及び下部をシ
ール部材でシールした後、超高分子量ポリオレフィンと
潤滑用のグリースとを混合したプラスチックグリース混
合物を、外輪の外側から転動体収容空間内に開口する注
入孔を通じて注入して転動体や間座と転動体収容空間の
壁面との間の間隙及びグリース溜りに充填し、次いで、
このプラスチックグリース混合物を充填した旋回軸受を
超高分子量ポリオレフィンの融点以上の温度で焼成する
ようにした。
【0018】この出願の第2番目の発明に係る建設機械
の旋回軸受の製造方法では、内輪と外輪との間の間隙の
上部及び下部を、プラスチックグリース混合物が注入時
に漏出しないようにシール部材でシールするとともに注
入孔を形成するだけで、旋回軸受をあたかも射出成型の
型のように利用して、注入孔を通じてプラスチックグリ
ース混合物を充填し、そのまま焼成すれば、プラスチッ
クグリースを所望の状態で充填することができる。ま
た、注入孔は、内歯車を有していない外輪側に形成する
ようにしているので、孔明け作業も支障なく容易に行う
ことができる。したがって、本発明の建設機械の旋回軸
受の製造方法によれば、前記のような優れた効果を奏す
る建設機械の旋回軸受を、格別の追加設備や繁雑な作業
を要しないで、従来の技術により容易に製造することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この出願の第1番目及び第
2番目の発明が実際上どのように具体化されるのかを示
す具体化例を図1乃至図8に基づいて説明することによ
りこの出願の各発明の実施の形態を明らかにする。図1
は、この出願の第1番目の発明に係る具体化例の建設機
械の旋回軸受を設けた自走式建設機械の全体像を示す側
面図、図2は、この出願の第1番目の発明に係る具体化
例の建設機械の旋回軸受周辺の縦断面図、図3は、この
出願の第1番目の発明に係る具体化例の建設機械の旋回
軸受の拡大縦断面図、図4は、図3の建設機械の旋回軸
受における間座を示す図3のIV−IV線拡大断面図、図5
は、図4の間座の VーV 線断面図で転動体を装着すると
きの状態を示す図、図6は、図3の建設機械の旋回軸受
へのプラスチックグリース混合物の注入方法に関する第
1の例を示す拡大縦断面図、図7は、図3の建設機械の
旋回軸受へのプラスチックグリース混合物の注入方法に
関する第2の例を示す拡大縦断面図、図8は、旋回軸受
に充填されたプラスチックグリースの多孔質の構造の一
例を示す図3のVIII−VIII線断面の断面図である。
【0020】まず、図1に基づき、旋回軸受を設けた自
走式建設機械の全体像を説明する。図1には、自走式建
設機械の一例としてクローラ式の油圧ショベルを示して
いるが、本発明は、クローラ式のクレーン、ホイールシ
ョベル等他の自走式建設機械にも適用することができ
る。
【0021】1は自走式建設機械を走行可能にするため
のクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回
可能に搭載された旋回フレーム3とその上部に設置され
た諸装置からなる上部旋回体、3はこの上部旋回体2の
基盤となる旋回フレーム、4は運転室、5はエンジンル
ームを構成する建屋カバー、6は作業装置7での作業時
に自走式建設機械に作用する外力と釣り合わせるための
カウンタウエイト、7は土砂の掘削作業等を行う油圧シ
ョベルの作業装置、8は後に詳述する旋回軸受11やこ
れを駆動するための駆動機構で構成され上部旋回体2を
旋回させる旋回装置、11は上部旋回体2を支持しなが
ら旋回させる旋回軸受である。
【0022】旋回フレーム3上には、運転室4、建屋カ
バー5、カウンタウエイト6等の諸装置が設置されてい
る。また、上部旋回体2の前部側には、ブーム、アーム
及びバケットを備えた油圧ショベルの作業装置7が俯仰
動可能に設置されている。旋回装置8は、図2に示すよ
うに、例えば遊星歯車機構等からなり旋回フレーム3に
ボルトで取り付けられた減速機9とこの減速機9の上部
に取り付けられた油圧駆動の旋回モータ10と減速機9
で回転駆動される駆動ピニオン9Bとからなる旋回軸受
11の駆動機構を備え、旋回軸受11を含んで構成され
ている。
【0023】次に、図2乃至図5に基づいて旋回軸受1
1の細部の構造及びその周辺部の構造を説明する。
【0024】12は下部走行体1側の部材である丸胴1
3の上面に複数のねじ(図示せず)で固定される環状の
内輪、13はこの内輪12と略同径の環状形状をなす旋
回軸受11の取付座としての丸胴、14は内輪12の外
周部と外輪16の内周部との間に形成された環状間隙、
15は駆動ピニオン9Bと内歯車12Bの噛み合い部を
潤滑するためのグリースを貯溜するグリースバス、16
は上部旋回体2側の部材である旋回フレーム3の下面に
複数のねじ(図示せず)で固定され内輪12を同心円状
に囲んで配置される環状の外輪である。
【0025】旋回軸受11は、内輪12と外輪16とを
備え、上部旋回体2を支持しながら旋回させる。内輪1
2の内周部には、駆動ピニオン9Bと噛み合うリング状
の内歯車(リングギヤ)12Bを形成している。また、
内輪12の内部には、グリースバス15を設けて駆動ピ
ニオン9Bや内歯車12Bを収容しており、グリースバ
ス15内では、駆動ピニオン9Bと内輪12の内歯車1
2Bとが噛み合っている。外輪16は、内輪12を囲ん
で環状間隙14を設けるように配置することにより、旋
回軸受11の下部及び上部に、プラスチックグリースを
充填することが可能な後述するグリース溜り18A,1
8Bを形成できるようにしている。外輪16には、転動
体20や間座21を外輪16の外側から後述する転動体
収容空間18に組み込むための組込孔16Bを設けてい
る。
【0026】17は組込孔16Bを密封する止め栓、1
8は転動体20を収容するための環状の転動体収容空
間、19は内輪12や外輪16に固着して内輪12と外
輪16の相対回転を許容するように環状間隙14の底部
や頂部を密封するシール部材、20は転動体収容空間1
8内に収容した球状の転動体、21は転動体収容空間1
8内に収容して転動体20間に配置することにより転動
体20同士を接触させないようにするための間座(スペ
ーサ)、22は組込孔16Bに嵌入した止め栓17を外
輪16に固着するための固着部材としてのテーパピンで
ある。
【0027】内輪12の外周面には、その全周面に沿っ
て、転動体20が転動可能に接する横断面略半円状の転
動面12Aを形成している。また、外輪16及び止め栓
17の内周面にも、その全周面に沿って、同様の横断面
略半円状の転動面16A及び転動面17Aを形成してい
る。なお、外輪16に形成された転動面16Aは、断面
の関係上、直接的には図3に表れていないので、その符
号を括弧内に示している。転動体収容空間18は、こう
した転動面16A,17Aと転動面12Aとを相対向す
るように形成することにより、内輪12と外輪16との
間に水平方向に環状に形成している。この環状の転動体
収容空間18内には、間座21を介して配置された多数
の転動体20が周方向に収容され、これらの転動体20
を介して外輪16を内輪12で回動可能に支持してい
る。
【0028】組込孔16Bは、転動体20や間座21を
外輪16の外側から入れ込んで転動体収容空間18内に
組み込むことが可能であれば、任意の断面形状に形成す
ることができ、止め栓17は、この組込孔16Bに密接
して嵌入できるような断面形状に形成している。止め栓
17の外側端部には、ボルトのような抜き出し治具を捩
じ込んで引っ張ることにより、組込孔16Bに嵌入した
止め栓17を抜き出せるようにするため、その抜き出し
治具を螺合するための螺子孔17Bを形成している。こ
の螺子孔17Bは、グリースニップル23を螺着して取
り付けるための取付口も兼ねている。止め栓17には、
プラスチックグリース混合物を外輪16の外側から注入
するための注入孔17Cを、螺子孔17Bと連通し、転
動体収容空間18内に開口するように形成している。
【0029】転動体収容空間18の下方には、間隙14
の底部をシール部材19で密封することによりグリース
溜り18Aを形成している。また、転動体収容空間18
の上方には、間隙14により転動体20や間座21の上
部にグリース溜り18Bを形成し、頂部をシール部材1
9で密封している。転動体収容空間18の左右の側方に
は、転動体収容空間の壁面(転動面16A,17Aや転
動面12A)を三日月状に凹ませることによりグリース
溜り18Cを形成している。これらのグリース溜り18
A,18B,18Cには、後に詳述する方法により、旋
回軸受11を組み立てる段階でプラスチックグリースを
充填する。
【0030】テーパピン22には、先端側(図3の下方
側)に向かって僅かずつ小径になるように周面にテーパ
が付けられており、外輪16及び止め栓17には、この
テーパピン22を嵌挿するためのテーパ孔を形成してい
る。テーパピン22の中央部には、テーパピン22をこ
のテーパ孔に所定の状態で挿通したときに注入孔17C
に連通させることができる注入孔17Cと略同径の注入
用連通孔22Cを形成している。すなわち、テーパピン
22は、注入用連通孔22Cの向きを図6のように注入
孔17Cの向きに合わせるようテーパ孔に挿通したとき
に、注入用連通孔22Cが注入孔17Cに連通して注入
孔17Cの流路を開放し、この状態から注入用連通孔2
2Cの方向を図3のように略90°回動変位させたとき
に、注入孔17Cの流路を遮断することができるように
構成されている。
【0031】図4及び図5に基づき、間座21の具体的
な構造について説明する。間座21は、大別すると、転
動体20同士を接触させないようにするためのスペーサ
の役割を果たす間座本体21Aと、この間座本体21A
に充填されて潤滑用のグリースを滲出する固形物として
のプラスチックグリース21Bとで構成されている。プ
ラスチックグリースとは、超高分子量ポリエチレン等の
超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの混合
物を固形化した組成物である。すなわち、超高分子量ポ
リオレフィンと潤滑用のグリースとを混合したプラスチ
ックグリース混合物を超高分子量ポリオレフィンの融点
温度に加熱した後、冷却して固形化した組成物である。
超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの混合
物は、未焼成の状態では潤滑用のグリースと同様に流動
状態にあるが、融点温度に加熱して冷却すると、固化す
る性質を有する。
【0032】本明細書にいうグリースとは、狭義のグリ
ースだけを意味するものではなく、種々の合成油及び鉱
油やこれらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使
用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα−オレフ
ィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭
化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油及び鉱
油のような種々の油やこれらの何れかの油の混合体を含
む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、
摩耗防止剤等、所望の添加剤を予め添加してもよい。
【0033】間座本体21Aは、転動体20の球面と合
致する凹球面部21Cを両側面に有するとともに環状の
転動体収容空間18の径より若干小径の円筒状の外周面
をなす円筒面部21Dを有しており、プラスチックで形
成されている。図4には、間座本体21Aの凹球面部2
1Cの形状を表すため、転動体20の球面を鎖線で示し
ている。間座本体21Aの中心部には、プラスチックグ
リース21Bを充填して潤滑機能を果たすためのグリー
ス充填室を形成している。グリース充填室には、凹球面
部21Cの個所で開口する開口部を設けている。
【0034】転動体20は、間座本体21Aの凹球面部
21Cと常には接触していないが、グリース充填室は、
転動体20が凹球面部21Cに接触したときに凹球面部
21Cの個所の開口部から転動体20の球面にプラスチ
ックグリース21B内のグリースを供給する働きをす
る。このとき、このグリースは、転動面12Aや転動面
16Aには面しない側の転動体20の球面(潤滑を必要
としない凹球面部21C側の転動体20の球面)に供給
されるので、当初は転動体20の球面における凹球面部
21Cとの摺動部を潤滑して、直ぐには転動面12A,
16A,17A側を潤滑する機能を果たさないが、転動
体20が転動しながら転動体収容空間18の周方向に移
動する過程で所期の潤滑機能を果たす。
【0035】この旋回軸受11は、こうした問題に対応
してグリース溜り18A,18B,18Cを形成し、転
動体収容空間18の壁面をなす内輪側の転動面12Aや
外輪側の転動面16A,17Aと転動体20や間座21
との間の間隙18D及びグリース溜り18A,18B,
18Cに、旋回軸受11を組み立てる段階でプラスチッ
クグリースを充填して構成している。そこで、そのプラ
スチックグリースの充填方法の例を、図6及び図7を用
いて以下に説明する。まず、図6に基づきその充填方法
の第1の例について説明する。
【0036】旋回軸受11を組み立てる場合には、内輪
12と外輪16とにより、下部走行体1及び上部旋回体
2とは別個に組み立てる。まず、シール部材19を予め
取り付けた内輪12及び外輪16の転動面12A及び転
動面16Aを転動体収容空間18を形成するように位置
合わせした後、外輪16の組込孔16Bから転動体20
と間座21を交互に入れて転動体収容空間18内に組み
込む。次いで、図6に示すように、止め栓17を組込孔
16Bに嵌入した後、テーパピン22を外輪16及び止
め栓17のテーパ孔に嵌挿して止め栓17をテーパピン
22で外輪16に固着する。その場合、止め栓17は、
その注入孔17Cを左側のグリース溜り18Cの個所で
開口させるように嵌入するとともに、テーパピン22
は、その注入用連通孔22Cを止め栓17の注入孔17
Cに連通させるように嵌挿する。次いで、グリースニッ
プル23を止め栓17の螺子孔17Bに螺着する。
【0037】こうした下準備をした後、超高分子量ポリ
オレフィンと潤滑用のグリースとを混合したプラスチッ
クグリース混合物を、グリースガン等によりグリースニ
ップル23から左側のグリース溜り18Cに注入する。
このグリース溜り18Cに注入されたプラスチックグリ
ース混合物は、転動体20や間座21と転動体収容空1
8間の壁面との間の間隙18D及び下方のグリース溜り
18A、上方のグリース溜り18B、右側のグリース溜
り18Cに導入され、さらには、間座本体21Aの中心
部のグリース充填室にも導入されて充填される。その場
合、内輪12と外輪16との間の環状間隙14の上部及
び下部を、シール部材19でシールしているので、プラ
スチックグリース混合物は、注入時に環状間隙14から
漏出することはない。プラスチックグリース混合物は、
こうして内輪12や外輪16と転動体20との接触部に
満遍なく行き渡る。
【0038】こうしたプラスチックグリース混合物の注
入作業を行う場合、内輪12を適宜の回転駆動手段や人
力で回転させながらプラスチックグリース混合物を注入
すると、転動体収容空間18の全周に行き渡りやすい。
転動体20や間座21と転動体収容空間18の壁面との
間の間隙18D及びグリース溜り18A,18B,18
C等にプラスチックグリース混合物を充填する場合、必
ずしもプラスチックグリース混合物を充満させるように
充填する必要はない。
【0039】こうして転動体収容空間18へのプラスチ
ックグリース混合物の充填作業が終了した後は、グリー
スニップル23を止め栓17から取り外すとともに、テ
ーパピン22を一旦引き抜く。次いで、テーパピン22
を当初の状態から略90°回動させた後に押し込むよう
にして、テーパで阻止されて押し込み不能となる最終点
まで確りと嵌挿する。こうしてテーパピン22を再度嵌
挿すると、止め栓17は、外輪16に対し、テーパピン
22により規定位置に位置決めされた状態で固着され、
その結果、外輪16の転動面16Aと止め栓17の転動
面17Aとが同一の円弧状の面をなすように正確に揃え
られるとともに、外輪16及び止め栓17の両グリース
溜り18Cも連続するように正確に揃えられる。また、
テーパピン22の注入用連通孔22Cは、図3に示すよ
うに紙面直角方向を向き、止め栓17の注入孔17C
は、テーパピン22で流路が遮断され、転動体収容空間
18内に充填されたプラスチックグリース混合物は外部
に漏出することがない。
【0040】グリースニップル23は、取り外さなけれ
ば、外部へのグリースの漏出を防ぐ機能を備えているの
で、こうした方法を省力化するのであれば、テーパピン
22を一旦引き抜いて当初の状態から略90°回動させ
て再度挿入する工程及びグリースニップル23を取り外
す工程を省略して、グリースニップル23を止め栓17
に備え付けたままの状態で製品化することもできる。
【0041】次に、図7に基づき、転動体20や間座2
1と転動体収容空間18の壁面間の間隙18D及びグリ
ース溜り18A,18B,18Cにプラスチックグリー
ス混合物を充填する第2の方法について説明する。この
第2の方法では、テーパピン22におけるような注入用
連通孔22Cのないテーパピン24を用いる。第2の方
法では、組込孔16Bに嵌入した止め栓17にテーパピ
ン24を外輪16及び止め栓17のテーパ孔に嵌挿する
場合、テーパピン24を図7に示すように止め栓17の
注入孔17Cをテーパピン24で塞がないように途中の
位置まで嵌挿する。その場合、プラスチックグリース混
合物が注入時に漏れないようにテーパ孔の下側を栓等の
閉塞部材で塞ぐ。次いで、グリースニップル23を止め
栓17の螺子孔17Bに螺着して、プラスチックグリー
ス混合物をグリースニップル23から注入する。
【0042】転動体収容空間18へのプラスチックグリ
ース混合物の充填が終了した後は、グリースニップル2
3を止め栓17から取り外すとともに、栓等の閉塞部材
をテーパ孔から抜きながらテーパピン24をそのまま完
全に挿入する。そうすると、図3に示すように、テーパ
ピン24により、止め栓17を外輪16に固着し、止め
栓17の注入孔17Cの流路を遮断することができる。
この第2の方法によれば、第1の方法にみられるような
テーパピン24を一旦引き抜いて当初の状態から略90
°回動させて再度挿入する工程を省略できるため、旋回
軸受11へのプラスチックグリース混合物の充填を能率
的に行うことができる。また、テーパピン24に、テー
パピン22にみられるような注入用連通孔22Cを加工
する手間も要しない。
【0043】ここに示す例では、特に、止め栓17を設
けてこの止め栓17に螺子孔17Bや注入孔17Cを設
けているので、止め栓17の着脱により、転動体20と
間座21を転動体収容空間18内に収容する作業が容易
に行えることに加え、外輪16に比べて格段に小さな部
品である止め栓17に螺子孔17Bや注入孔17Cを形
成すれば済むので、螺子孔17Bや注入孔17Cを外輪
16に直接設ける場合に比べてこれらの孔17B,17
Cの加工設備を簡素化することができて、その分、旋回
軸受11を安価に製作することができる。
【0044】ここに示す例では、組込孔16Bに嵌入し
た止め栓17を外輪16に固着するための固着部材とし
て、特にテーパピン22,24を用いているため、テー
パピン22,24を外輪16及び止め栓17のテーパ孔
に最終点まで押し込むという簡単な作業により、止め栓
17を外輪16に対して規定位置に正確に位置決した状
態で固着することができ、さらには、止め栓17の注入
孔17Cの流路を遮断することもできる。このように、
止め栓17の固着手段としてテーパピン22,24を用
いたことにより、止め栓17の固着作業だけでなく、外
輪16への止め栓17の位置決め作業や止め栓17の注
入孔17Cの流路の遮断作業も同時に果たすことができ
るので、部品点数を少なくすることができて旋回軸受1
1の製作費を節減することができるとともに、同一部品
を操作するだけで種々の作業目的を達成することができ
て、旋回軸受11の組立作業をきわめて能率的に行うこ
とができる。
【0045】こうして内輪12と外輪16との間にプラ
スチックグリース混合物を充填した後は、このプラスチ
ックグリース混合物を固化するが、次に、その方法を説
明する。このプラスチックグリース混合物を固化して転
動体20や間座21と転動体収容空間18の壁面間の間
隙18D及びグリース溜り18A,18B,18C等に
プラスチックグリースの固形物を充填するには、内輪1
2及び外輪16を超高分子量ポリオレフィンの融点以上
の温度で焼成すればよいが、ここでは、高周波焼き入れ
した内輪12の内歯車12Bを焼き戻す工程で焼成する
例を示す。内輪12の内歯車12Bを焼戻す場合、通常
は内輪12を単独で加熱炉に入れて熱処理するが、ここ
では、旋回軸受11をそのまま入れて熱処理する。
【0046】そのため、例えば、旋回軸受11を180
°Cの加熱炉に150分間入れて焼成する。この180
°Cという温度は、内輪12の内歯車12Bを高周波焼
き入れした後、靭性を増加させる目的で焼き戻すのに好
適な焼き戻し温度である。旋回軸受11を熱処理する温
度は、180°Cに限らず、当該内歯車12Bを焼き戻
すのに効果的な温度であれば、別の温度を採用すること
もできる。こうして旋回軸受11を熱処理すると、グリ
ース溜り18A,18B,18Cや間隙18D内で固化
して、固形化したプラスチックグリースが生成され、同
時に、内輪12の内歯車12Bが焼き戻される。こうし
てプラスチックグリース混合物を充填した旋回軸受11
を超高分子量ポリオレフィンの融点以上の温度で焼成す
る場合、ここでは、内輪12の内歯車12Bを焼き戻す
工程で焼成する例を示したが、焼成温度の条件が合え
ば、焼き入れした他の旋回軸受11の構成部品を焼き戻
す工程で焼成するようにしてもよい。
【0047】焼成によりプラスチックグリースを固形化
する場合、転動体収容空間18へのプラスチックグリー
ス混合物の注入量をグリースを充満させる容積より少な
い量に調整すると、プラスチックグリースを、多数の孔
が不規則に形成された多孔質の構造に形成することがで
きる。図8は、こうした方法により実際に形成されグリ
ース溜り18A,18B,18C及び間隙18D内に充
填されている多孔質の構造のプラスチックグリースの一
例を図示したものであり、種々の大きさの透孔がグリー
ス溜り18A,18B,18C及び転動体20や間座2
1の周辺に不均一に形成されている。
【0048】次に、こうした製造方法により製造された
建設機械の旋回軸受11の作用効果について説明する。
【0049】転動体収容空間の壁面のグリース溝に充填
したプラスチックグリースで内輪及び外輪と転動体との
接触部を潤滑する従来の技術に係る旋回軸受を建設機械
の旋回軸受に適用した場合には、初期の使用時において
作業装置で建設作業をしたときに、内輪及び外輪と転動
体との接触部にグリースが行き渡らずに潤滑不良が生じ
る恐れがある。ここに示した建設機械の旋回軸受におい
ては、特に、転動体収容空間18の周辺にグリース溜り
18A,18B,18Cを形成して、これらのグリース
溜り18A,18B,18C及び転動体20や間座21
と転動体収容空間18の壁面との間の間隙18Dにプラ
スチックグリースを充填して構成しているので、このプ
ラスチックグリース内のグリースを内輪12及び外輪1
6と転動体20との接触部に行き渡らせることができ、
建設機械の初期の使用時に、旋回軸受に大きな荷重が作
用する建設作業を行うときでも、潤滑不良が生じて、旋
回軸受が損傷するような危険性はない。
【0050】その後、建設機械による作業を継続実施し
て上部旋回体2を旋回させると、その上部旋回体2の旋
回により、転動体20が環状の転動体収容空間18内で
転動しながら周方向に移動して、転動体20や間座21
と転動体収容空間18の壁面との間の間隙18D及びグ
リース溜り18A,18B,18Cにおけるプラスチッ
クグリース内のグリースが滲出し、内輪12及び外輪1
6と転動体20との接触部にグリースを補給する。ここ
に示す例では、間座本体21Aの中心部にもプラスチッ
クグリース21Bを充填しているので、この間座本体2
1A中心部のプラスチックグリース21Bも滲出して内
輪12及び外輪16と転動体20との接触部にグリース
を補給する。このように、運転開始後は、プラスチック
グリース内のグリースが内輪12及び外輪16と転動体
20との接触部に絶えず補給されるので、ユーザは、グ
リース溜り18A,18B,18Cへのグリースの充填
作業を行わなくても済むとともに、定期給脂を行わなく
ても、内輪12及び外輪16と転動体20との接触部
に、劣化したグリースが滞留することはなく、グリース
の劣化による潤滑不良も生じない。
【0051】建設機械は、現場の地山の状況や建設作業
の種類に応じて内輪12及び外輪16と転動体20との
接触部にかかる負荷が増減し、特に建設作業時のモーメ
ント荷重による圧力は、旋回軸受11の上下部周辺に作
用する。この建設機械の旋回軸受11は、特に、このモ
ーメント荷重による圧力が作用する転動体収容空間18
の上方及び下方にグリース溜り18A,18Bを形成し
てプラスチックグリースを充填しているので、建設作業
時に内輪12及び外輪16と転動体20との接触部にか
かる負荷が増加すると、負荷の増加に応じてプラスチッ
クグリースに加わる圧力も増加して、プラスチックグリ
ース内から滲出するグリースの量が増加する。そのた
め、プラスチックグリース内のグリースを負荷の増加に
応じて合理的に供給することができ、負荷の増減の激し
い建設機械にとってきわめて好適なものとなる。また、
転動体20や間座21と転動体収容空間18の壁面との
間の間隙18D及びグリース溜り18A,18B,18
Cに充填されたプラスチックグリースは、グリースが負
荷の増加に応じて転動体収容空間18内に多量に滲出し
ても、その滲出したグリースの余剰分を逐次吸収して蓄
積するので、消耗するようなことはない。
【0052】このように、この建設機械の旋回軸受11
は、定期給脂を必要とせず、初期の使用時に建設作業を
しても、潤滑不良が生じる危険性がない。その結果、初
期の使用時に建設作業をしても、内輪12及び外輪16
と転動体20との接触部に焼き付きやカジリ等が生じて
旋回軸受11が損傷する恐れがない。また、初期の使用
時以降に、建設機械による作業を継続しても、内輪12
及び外輪16と転動体20との接触部に、劣化したグリ
ースが滞留することはなくフレッシュなグリースが随時
供給され、グリースの劣化による潤滑不良も生じない。
【0053】ここに示す例では、プラスチックグリース
を特に多孔質の構造に形成しているので、転動体20や
間座21と転動体収容空間18の壁面との間の間隙18
D及びグリース溜り18A,18B,18Cに充填され
たプラスチックグリースの表面積を増加することができ
る。そのため、プラスチックグリース内から滲出するグ
リースの量を増加させることができて、内輪12及び外
輪16と転動体20との接触部をきわめて円滑に潤滑す
ることができる。
【0054】こうした建設機械の旋回軸受11を製造す
るための既述の製造方法には、独自の工夫があるので、
その作用効果について説明する。
【0055】この旋回軸受11の製造方法では、内輪1
2と外輪16との間の環状間隙14の上部及び下部を、
プラスチックグリース混合物が注入時に漏出しないよう
にシール部材19でシールするとともに注入孔17Cを
形成しただけで、旋回軸受11をあたかも射出成型の型
のように利用して、注入孔17Cを通じてプラスチック
グリース混合物を充填し、そのまま焼成すれば、プラス
チックグリースを所望の状態で充填することができる。
また、注入孔17Cは、内歯車9Bを有していない外輪
16側に形成するようにしているので、孔明け作業も支
障なく容易に行うことができる。
【0056】従来の技術では、環状の転動体収容空間の
壁面に形成したグリース溝にその壁面と面一になるよう
にプラスチックグリースを充填する必要があるので、特
別の手段が必要となり繁雑な作業も要するが、この旋回
軸受11の製造方法では、こうした問題が生じることな
く、単純な作業でプラスチックグリースを所望の状態で
充填することができる。したがって、前記のような優れ
た効果を奏する建設機械の旋回軸受11を、格別の追加
設備や繁雑な作業を要しないで従来の技術によりも容易
に製造することができる。
【0057】また、滲出するグリースの量を増加させる
ことができる潤滑性能の優れた多孔質構造のプラスチッ
クグリースによる旋回軸受11を製造する場合にも、転
動体収容空間18へのプラスチックグリース混合物の注
入量を調整することにより容易に製造することができ
る。ここに示す例では、プラスチックグリース混合物を
充填した旋回軸受11を超高分子量ポリオレフィンの融
点以上の温度で焼成する場合、特に、焼き入れした旋回
軸受11の構成部品を焼き戻す工程で焼成するようにし
ているので、プラスチックグリース混合物の固化と旋回
軸受11の構成部品の焼き戻しとを同一の設備で同時に
達成することができて、旋回軸受11の製造を経済的か
つ能率的に行うことができる。
【0058】ここに例示した建設機械の旋回軸受11で
は、転動体収容空間18の上方及び下方にグリース溜り
18A,18Bを形成しているほか、転動体収容空間1
8の左右の側方にもグリース溜り18Cを形成している
が、このグリース溜り18Cは、補助的なものであり、
モーメント荷重による圧力が作用する転動体収容空間1
8の上方及び下方にプラスチックグリースを充填するこ
とが肝要であるので、左右の側方のグリース溜り18C
は、本発明にとって不可欠のものではない。
【0059】また、ここに例示した建設機械の旋回軸受
11では、間座本体21Aの中心部にグリース充填室を
設けてプラスチックグリース21Bを充填しているが、
転動体20や間座21と転動体収容空間18の壁面との
間の間隙18D及びグリース溜り18A,18B,18
Cにプラスチックグリースを充填することにより、転動
体20が接触して大きな負荷のかかる転動面12A,1
6A,17Aに対しては直接的にグリースを供給できる
ように構成しているので、間座本体21Aに充填したプ
ラスチックグリース21Bは、補助的に潤滑機能を果た
すものであり、本発明にとって有用ではあっても不可欠
のものではない。以上述べた旋回軸受11では、転動体
として球状の転動体20を用いているが、転動体は、こ
うしたボールベアリングだけに限らず、コロのように転
動するローラベアリングであってもよく、要は、上部旋
回体2を支持しながら転動して上部旋回体2を円滑に旋
回させる機能を果たすものであれば、その種類は問わな
い。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この出
願の第1番目の発明に係る建設機械の旋回軸受は、「課
題を解決するための手段」の項の1)に示したように構
成されているので、定期給脂を必要とせず、初期の使用
時に建設作業をしても、潤滑不良が生じる危険性がな
い。その結果、初期の使用時に建設作業をしても、内輪
及び外輪と転動体との接触部に焼き付きやカジリ等が生
じて旋回軸受が損傷する恐れがない。また、初期の使用
時以降に建設機械による作業を継続すると、上部旋回体
の旋回により、プラスチックグリース内のグリースが内
輪及び外輪と転動体との接触部に絶えず補給されること
となるので、ユーザは、グリース溜りへのグリースの充
填作業を行わなくても済むとともに、定期給脂を行わな
くても、内輪及び外輪と転動体との接触部に、劣化した
グリースが滞留することはなく、グリースの劣化による
潤滑不良も生じない。
【0061】建設機械は、現場の地山の状況や建設作業
の種類に応じて内輪及び外輪と転動体との接触部にかか
る負荷が増減するが、本発明に係る建設機械の旋回軸受
は、建設作業時にその接触部にかかる負荷が増加する
と、その負荷の増加に応じてプラスチックグリース内か
ら滲出するグリースの量が増加するため、プラスチック
グリース内のグリースを負荷の増加に応じて合理的に供
給することができ、負荷の増減の激しい建設機械にとっ
てきわめて好適なものとなる。また、転動体や間座と転
動体収容空間の壁面との間の間隙及びグリース溜りに充
填されたプラスチックグリースは、グリースが負荷の増
加に応じて転動体収容空間内に多量に滲出しても、その
滲出したグリースの余剰分を逐次吸収して蓄積するの
で、消耗するようなことはない。
【0062】この出願の第1番目の発明を具体化する場
合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具
体化すれば、プラスチックグリースを多孔質の構造に形
成したことにより、転動体や間座と転動体収容空間の壁
面との間の間隙及びグリース溜りに充填されたプラスチ
ックグリースの表面積を増加することができて、プラス
チックグリース内から滲出するグリースの量を増加させ
ることができるため、内輪及び外輪と転動体との接触部
をきわめて円滑に潤滑することができる。
【0063】この出願の第2番目の発明に係る建設機械
の旋回軸受の製造方法は、「課題を解決するための手
段」の項の2)に示した方法を採用しているので、旋回
軸受をあたかも射出成型の型のように利用して、注入孔
を通じてプラスチックグリース混合物を充填し、そのま
ま焼成すれば、プラスチックグリースを所望の状態で充
填することができるとともに、注入孔は、内歯車を有し
ていない外輪側に形成すしていて、孔明け作業も支障な
く容易に行うことができる。そのため、前記のような優
れた効果を奏する建設機械の旋回軸受を、格別の追加設
備や繁雑な手間を要しないで従来の技術よりも容易に製
造することができる。
【0064】この出願の第2番目の発明を具体化する場
合、特に、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具
体化すれば、プラスチックグリース混合物の固化と旋回
軸受の構成部品の焼き戻しとを同一の設備で同時に達成
することができて、旋回軸受の製造を経済的かつ能率的
に行うことができる。この出願の第2番目の発明を具体
化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項5に記載の
ように具体化すれば、止め栓の着脱により、転動体と間
座を転動体収容空間内に収容する作業が容易に行えるこ
とに加え、外輪に比べて格段に小さな部品である止め栓
に注入孔を形成すれば済むので、注入孔を外輪に直接設
ける場合に比べて注入孔の加工設備を簡素化することが
できて、その分、旋回軸受を安価に製作することができ
る。この出願の第2番目の発明を具体化する場合、特
に、特許請求の範囲の請求項6に記載のように具体化す
れば、滲出するグリースの量を増加させることができる
潤滑性能の優れた前記多孔質構造のプラスチックグリー
スによる旋回軸受を、転動体収容空間へのプラスチック
グリース混合物の注入量を調整することにより容易に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の第1番目の発明に係る具体化例の建
設機械の旋回軸受を設けた自走式建設機械の全体像を示
す側面図である。
【図2】この出願の第1番目の発明に係る具体化例の建
設機械の旋回軸受周辺の縦断面図である。
【図3】この出願の第1番目の発明に係る具体化例の建
設機械の旋回軸受の拡大縦断面図である。
【図4】図3の建設機械の旋回軸受における間座を示す
図3のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】図4の間座の VーV 線断面図で転動体を装着す
るときの状態を示す図である。
【図6】図3の建設機械の旋回軸受へのプラスチックグ
リース混合物の注入方法に関する第1の例を示す拡大縦
断面図である。
【図7】図3の建設機械の旋回軸受へのプラスチックグ
リース混合物の注入方法に関する第2の例を示す拡大縦
断面図である。
【図8】旋回軸受に充填されたプラスチックグリースの
多孔質の構造の一例を示す図3のVIII−VIII線断面の断
面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 3 旋回フレーム 8 旋回装置 9B ピニオン 11 旋回軸受 12 内輪 12A 転動面 12B リング状の内歯車(リングギヤ) 14 環状間隙 16 外輪 16A,17A 転動面 16B 組込孔 17 止め栓 17B 螺子孔 17C 注入孔 18 転動体収容空間 18A,18B,18C グリース溜り 18D 転動体や間座と転動体収容空間の壁面との間の
間隙 19 シール部材 20 転動体 21 間座 21A 間座本体 21B プラスチックグリース 21C 凹球面部 21D 円筒面部 22,24 テーパピン 22C 注入用連通孔 23 グリースニップル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜沢 信夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 栗原 猛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 澁川 壮史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 DA01 DA02 3J101 AA02 CA40 EA63 FA32 GA51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部旋回体側の駆動ピニオンと噛み合う
    内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、この内
    輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備え、こ
    れら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を形成し
    て、この転動体収容空間内に多数の転動体と間座を収容
    して間座を転動体間に配置した建設機械の旋回軸受にお
    いて、内輪と外輪との間に間隙を設けてこの間隙で転動
    体収容空間の上方及び下方にグリース溜りを形成し、転
    動体や間座と転動体収容空間の壁面との間の間隙及びグ
    リース溜りにプラスチックグリースを充填して構成した
    ことを特徴とする建設機械の旋回軸受。
  2. 【請求項2】 プラスチックグリースを多孔質の構造に
    形成したことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の
    旋回軸受。
  3. 【請求項3】 上部旋回体側の駆動ピニオンと噛み合う
    内歯車を有し下部走行体側に固定される内輪と、この内
    輪を囲んで上部旋回体側に固定される外輪とを備え、こ
    れら内輪と外輪との間に環状の転動体収容空間を形成し
    て、転動体収容空間内に多数の転動体と間座を収容して
    間座を転動体間に配置し、内輪と外輪との間に間隙を設
    けてこの間隙で転動体収容空間の上方及び下方にグリー
    ス溜りを形成し、転動体や間座と転動体収容空間の壁面
    との間の間隙及びグリース溜りにプラスチックグリース
    を充填して構成した建設機械の旋回軸受を製造する場合
    に、内輪と外輪との間の間隙の上部及び下部をシール部
    材でシールした後、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用
    のグリースとを混合したプラスチックグリース混合物
    を、外輪の外側から転動体収容空間内に開口する注入孔
    を通じて注入して転動体や間座と転動体収容空間の壁面
    との間の間隙及びグリース溜りに充填し、次いで、この
    プラスチックグリース混合物を充填した旋回軸受を超高
    分子量ポリオレフィンの融点以上の温度で焼成するよう
    にしたことを特徴とする建設機械の旋回軸受の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の建設機械の旋回軸受の
    製造方法において、プラスチックグリース混合物を充填
    した旋回軸受を超高分子量ポリオレフィンの融点以上の
    温度で焼成する場合、焼き入れした旋回軸受の構成部品
    を焼き戻す工程で焼成するようにしたことを特徴とする
    建設機械の旋回軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の建設機械
    の旋回軸受の製造方法において、転動体や間座を外輪の
    外側から転動体収容空間内に組み込むための組込孔及び
    この組込孔を密封する止め栓を外輪に設けるとともにこ
    の止め栓に前記注入孔を設け、この止め栓に設けた注入
    孔を通じてプラスチックグリース混合物を注入するよう
    にしたことを特徴とする建設機械の旋回軸受の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項3、請求項4又は請求項5に記載
    の建設機械の旋回軸受の製造方法において、プラスチッ
    クグリースを多孔質の構造に形成できるようにプラスチ
    ックグリース混合物の注入量を調整するようにしたこと
    を特徴とする建設機械の旋回軸受の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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