JP2003222140A - 軸受及び建設機械の旋回軸受 - Google Patents

軸受及び建設機械の旋回軸受

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JP2003222140A
JP2003222140A JP2002018926A JP2002018926A JP2003222140A JP 2003222140 A JP2003222140 A JP 2003222140A JP 2002018926 A JP2002018926 A JP 2002018926A JP 2002018926 A JP2002018926 A JP 2002018926A JP 2003222140 A JP2003222140 A JP 2003222140A
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grease
spacer
rolling element
bearing
rolling
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JP2002018926A
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Akihiro Tanaka
章弘 田中
Shinichi Sekido
慎一 関戸
Yasuyuki Tsuji
靖之 辻
Koji Maeda
浩二 前田
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NTN Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/37Loose spacing bodies
    • F16C33/3706Loose spacing bodies with concave surfaces conforming to the shape of the rolling elements, e.g. the spacing bodies are in sliding contact with the rolling elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C33/6611Retaining the grease in or near the bearing in a porous or resinous body, e.g. a cage impregnated with the grease
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C2300/10Application independent of particular apparatuses related to size
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2350/00Machines or articles related to building
    • F16C2350/26Excavators

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックグリースを充填した間座で潤滑
する軸受でも内輪や外輪と転動体との接触部を確実に潤
滑できる建設機械の旋回軸受を提供する。 【解決手段】 内輪12と内輪12を囲むように配置さ
れる外輪16とを備え、両者の間に形成された環状の転
動体収容空間18内に、多数の転動体20と、転動体2
0と接触可能な接触面を両側面に有し中央部に孔を設け
た間座本体22及び間座本体22の孔22Bに充填され
転動体20を潤滑する潤滑面を両側面に有するプラスチ
ックグリース23により構成した間座21とを交互に配
置し収容して、基台とこの基台上を旋回する旋回体との
間に設けて旋回体を支持しながら旋回させる建設機械の
旋回軸受において、間座本体22の外周部に凹溝22D
を設けてプラスチックグリース24を充填して、このプ
ラスチックグリース24内のグリースを転動面12A,
16Aに直接供給できるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、内輪とこ
の内輪を囲むように配置される外輪とを備え、両者の間
に形成された環状の転動体収容空間内に多数の転動体と
間座を交互に配置して収容した軸受及び油圧ショベル、
クレーン、ホイールショベル等の建設機械の旋回軸受に
関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回軸受は、旋回ベアリング
とも称し、自走式建設機械における上部旋回体等の旋回
体を支持しながら下部走行体等の基台に対して旋回させ
るための装置である。この旋回軸受は、自走式建設機械
としての油圧ショベルを例に採ると、上部旋回体側の駆
動ピニオンと噛み合う内歯車を有し下部走行体側に固定
される内輪と、この内輪を囲んで上部旋回体側に固定さ
れる外輪とを通常備えている。そして、上部旋回体を旋
回可能に支持するため、外輪と内輪との間に環状の転動
体収容空間を形成して、この転動体収容空間内に多数の
球状の転動体を収容し、これらの転動体を介して外輪を
内輪で回動可能に支持している。その転動体収容空間に
は、転動体同士を接触させないようにするための間座
(カンザ)と称するスペーサ部品を収容して間座を転動
体間に配置するようにしている。
【0003】こうした建設機械の旋回軸受においては、
内輪や外輪と転動体との接触部を潤滑して、この接触部
に焼き付きやカジリが生じないように保護する必要があ
る。そのため、外輪の内周部と内輪の外周部との間の間
隙内に、潤滑油としてのグリースを供給するが、その場
合、これまでは、外輪の外周部の複数個所にグリースニ
ップルを設け、このグリースニップルを通じてその外輪
と内輪間の間隙に外部から定期的に給脂する方法が通常
採られていた。こうした方法により外輪と内輪間の間隙
にグリースを供給すると、グリースが外輪や内輪の壁面
と転動体の球面との間に浸潤して油膜を形成し、これら
の面を保護することができる。
【0004】しかしながら、この従来の通常の建設機械
の旋回軸受では、作業員が外輪外側からグリースニップ
ルを通じて定期的に給脂する必要があり、給脂作業が煩
雑なため、ややもすると給脂を怠りがちになって、給脂
間隔が規定通りに守られない事態も起こる。その結果、
内輪や外輪と転動体との接触部に送られたグリースが交
換されずに劣化して潤滑不良を招くという問題が生じ
る。こうした問題に対応可能な従来の技術として、実開
平5−92537号公報に記載の旋回軸受用間座を挙げ
ることができる。
【0005】この公開実用新案公報に記載の従来の技術
に係る間座は、ポリアミド系の合成樹脂で形成してお
り、その両側面には、転動体と接触可能な接触面として
の凹面を形成している。また、中心部には、この間座の
凹面の個所で開口する孔を形成して、この孔にプラスチ
ックグリースを充填している。このプラスチックグリー
スの両側面には、転動体と面接触して転動体を潤滑する
潤滑面としての凹球面を間座の凹面に連なるように形成
している。このプラスチックグリースは、超高分子量ポ
リエチレン等の樹脂材料とグリースとの混合物を、樹脂
材料が融解する適宜の温度に加熱した後、冷却し固形化
して生成したものであり、保油力が強く、油の滲み出し
が徐々に安定的に行われる。
【0006】この従来の技術に係る公開実用新案公報の
記載によれば、こうして構成された間座を旋回軸受に用
いると、プラスチックグリースの凹球面がその内部から
滲み出した油により油性面となっているため、転動体が
この凹球面と接触することにより転動体に油が供給され
て、良好な潤滑状態が長期にわたって維持され、グリー
スの補給を要しないとされている。また、この従来の技
術に係る間座は、パワーショベルのような建設機械の旋
回軸受のほか、風車発電機のブレードやパラボラアンテ
ナ等の種々の装置の軸受に使用できるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の技術に係る
間座は、これを軸受に使用したとき、中央部に充填した
プラスチックグリースから潤滑用のグリースを滲出して
定期的な給脂を要しないという点で優れた効果を発揮す
る反面、内輪や外輪と転動体との接触部が確実には潤滑
されず、信頼性の高い潤滑が必ずしも行えないという点
で問題がある。軸受を潤滑する本来の目的は、内輪や外
輪と転動体との接触部を潤滑してこの接触部に焼き付き
やカジリ等の損傷が生じないようにすることにあるが、
そのためには、転動体を収容するために外輪と内輪間に
形成された環状の転動体収容空間の壁面に潤滑用のグリ
ースを行き渡らせることが必要である。
【0008】この点について従来の技術をみると、従来
の技術に係る間座を軸受に使用した場合、間座中央部に
充填されたプラスチックグリースからは潤滑用のグリー
スが滲出するものの、そのグリースは、プラスチックグ
リースの両側面の凹球面のところで、間座と接触してい
る転動体に付着するだけで、本来潤滑が必要な転動体収
容空間の壁面に直接的に供給される訳ではない。しか
も、多数の転動体や間座は、環状の転動体収容空間内に
周方向に若干の隙間が生じるように収容しているため、
必ずしも転動体の全てが間座と接触状態を保持してはお
らず、プラスチックグリースから滲出したグリースが転
動体の全てに付着する訳でもない。
【0009】こうしたことから、従来の技術により、転
動体収容空間の壁面に潤滑用のグリースを行き渡らせる
には、転動体を転動体収容空間内で周方向に移動させる
ことにより、まず、できるだけ多くの転動体を間座と接
触させてこれらの転動体にグリースを付着させるように
することが必要である。さらに、グリースを付着させた
これらの転動体を転動体収容空間内で転動させたり周方
向に移動させたりすることにより、転動体に付着したグ
リースを転動体収容空間の壁面に満遍なく付着させるよ
うにすることが必要である。そのためには、軸受を何回
も回転させることにより、転動体収容空間内で転動体を
転動させたり周方向に移動させたりしなければならな
い。
【0010】しかしながら、その場合でも、グリースを
転動体収容空間の壁面に直接供給していない以上、グリ
ースが転動体収容空間の壁面に行き渡るという保証はな
く、内輪や外輪と転動体との接触部が確実に潤滑される
とは限らない。また、当然のことながら、軸受をある程
度回転させないと、転動体収容空間の壁面には、グリー
スが供給されない。そのため、軸受をあまり回転させな
い状態で軸受に大きな荷重をかけると、内輪や外輪と転
動体との接触部に潤滑不良が生じて、その接触部が損傷
する危険性がある。こうした問題は、旋回体側の著大な
荷重が上下方向にかかるスラスト軸受としての建設機械
の旋回軸受に生じやすい。
【0011】建設機械では、初運転を行うときや運転を
長期間休止した後に再開するときのような初期の使用時
にブームやアーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業
を行う場合、その作業前に上部旋回体を十分に旋回させ
ることなく、直ちに建設作業を行うことが多いため、内
輪や外輪と転動体との接触部にグリースが行き渡らずに
その接触部に潤滑不良が生じる恐れがある。そのため、
建設機械の初期の使用時に旋回軸受に大きな荷重が作用
する建設作業を行うときには、潤滑不良により旋回軸受
が損傷する危険性がある。例えば、油圧ショベルで掘削
作業を行うときには、掘削反力により大きなモーメント
荷重が旋回軸受に作用するため、内輪や外輪と転動体と
の接触部にグリースが十分に行き渡っていないと、その
接触部に焼き付きやカジリ等が生じて、旋回軸受が損傷
する危険性が大きい。
【0012】本発明は、こうした問題を解消するために
創作されたものであって、その技術課題は、プラスチッ
クグリースを充填した間座を使用して潤滑する軸受であ
っても内輪や外輪と転動体との接触部を確実に潤滑する
ことができる軸受や建設機械の旋回軸受を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】こうした技術課題を達成
するため、この出願の軸受に関する発明は、次の1)に
示す手段を採用し、この出願の建設機械の旋回軸受に関
する発明は、次の2)に示す手段を採用した。
【0014】1)内輪とこの内輪を囲むように配置され
る外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動体収
容空間内に、多数の球状の転動体と、この転動体と接触
可能な接触面を両側面に有し中央部に孔を設けた間座本
体及びこの間座本体の孔に充填され転動体を潤滑する潤
滑面を両側面に有するプラスチックグリースにより構成
した間座とを交互に配置し収容して、内輪と外輪とを転
動体を介して相対回転させる軸受において、間座本体の
外周部に凹溝を設けてプラスチックグリースを充填し
て、この間座本体外周部のプラスチックグリース内のグ
リースを転動体収容空間の壁面に直接供給できるように
構成する。
【0015】2)内輪とこの内輪を囲むように配置され
る外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動体収
容空間内に、多数の球状の転動体と、この転動体と接触
可能な接触面を両側面に有し中央部に孔を設けた間座本
体及びこの間座本体の孔に充填され転動体を潤滑する潤
滑面を両側面に有するプラスチックグリースにより構成
した間座とを交互に配置し収容して、基台とこの基台上
を旋回する旋回体との間に設けて旋回体を支持しながら
旋回させる建設機械の旋回軸受において、間座本体の外
周部に凹溝を設けてプラスチックグリースを充填して、
この間座本体外周部のプラスチックグリース内のグリー
スを転動体収容空間の壁面に直接供給できるように構成
する。
【0016】前記1)の手段を採用したこの出願の発明
の軸受では、中央部にプラスチックグリースを充填した
間座本体の外周部に凹溝を設けてプラスチックグリース
を充填しているので、プラスチックグリース内の潤滑用
のグリースは、従来の技術のように間座の側面からだけ
ではなく周面からも滲出して、転動体だけではなく、本
来潤滑が必要な転動体収容空間の壁面も直接的に潤滑し
て同壁面に行き渡る。そのため、本発明の軸受は、従来
の技術とは異なり、間座本体の外周部に充填したプラス
チックグリースにより、使用当初から内輪や外輪と転動
体との接触部を潤滑することができる。
【0017】また、軸受を回転させたら、間座本体中央
部のプラスチックグリースの潤滑面で潤滑された転動体
が転動したり周方向に移動したりするため、転動体に付
着したグリースがやがて転動体収容空間の壁面にも付着
して同壁面にグリースを補給する。そのため、本発明の
軸受では、間座の周面から滲出するグリースに、間座側
面の潤滑面から滲出するグリースが加わって、転動体収
容空間の壁面を潤滑するのに必要な潤滑用のグリース
を、不足が生じないよう十分に確保することができ、内
輪や外輪と転動体との接触部を従来の技術よりも活発に
潤滑することができる。以上の結果、本発明の軸受によ
れば、プラスチックグリースを充填した間座を使用して
潤滑する軸受であっても、内輪や外輪と転動体との接触
部を確実に潤滑することができる。
【0018】建設機械では、初期の使用時にブームやア
ーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を行う場合、
その作業前に上部旋回体を十分に旋回させることなく、
直ちに建設作業を行うことが多いため、従来の技術で
は、内輪や外輪と転動体との接触部に潤滑用のグリース
が行き渡らずにその接触部に潤滑不良が生じる恐れがあ
る。前記2)の手段を採用したこの出願の発明の建設機
械の旋回軸受は、1)の手段を採用した前記の軸受と同
様の軸受を建設機械の旋回軸受として使用しているの
で、建設機械の初期の使用時からプラスチックグリース
内のグリースを転動体収容空間の壁面に直接行き渡らせ
ることができて、内輪や外輪と転動体との接触部を確実
に潤滑することができる。そのため、建設機械の初期の
使用時に旋回軸受に大きな荷重が作用する建設作業を直
ちに行っても、旋回軸受が従来の技術のように潤滑不良
により損傷する危惧はない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この出願の軸受に関する発
明及び建設機械の旋回軸受に関する発明が実際上どのよ
うに具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図9に
基づいて説明することにより各発明の実施の形態を明ら
かにする。図1は、この出願の発明の具体化例に係る建
設機械の旋回軸受を設けた自走式建設機械の全体像を示
す側面図、図2は、この出願の発明の具体化例に係る建
設機械の旋回軸受周辺の縦断面図、図3は、建設機械の
旋回軸受に関する図3の右側分部の拡大縦断面図、図4
は、図3の建設機械の旋回軸受をIVの断面線で切断した
拡大断面図、図5は、図3の建設機械の旋回軸受を製作
するときの各部の望ましい寸法関係を説明するための図
4と同様の拡大断面図、図6は、図3の建設機械の旋回
軸受における間座が垂直に起立しているときの状態を示
す拡大縦断面図、図7は、図6の間座が僅かに傾いて転
動面で傾斜が止められたときの状態を示す拡大縦断面
図、図8は、図7とは外径の異なる図6と同様の間座が
図6よりも傾いて転動面で傾斜が止められたときの状態
を示す拡大縦断面図、図9は、この出願の発明の具体化
例に係る建設機械の旋回軸受の変形例を示す図4と同様
の拡大断面図である。
【0020】まず、図1に基づき、旋回軸受を設けた自
走式建設機械の全体像を説明する。図1には、自走式建
設機械の一例としてクローラ式の油圧ショベルを示して
いるが、本発明は、クローラ式のクレーン、ホイールシ
ョベル等他の自走式建設機械にも適用することができ
る。
【0021】1は自走式建設機械を走行可能にするため
のクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回
可能に搭載された旋回フレーム3とその上部に設置され
た諸装置からなる上部旋回体、3はこの上部旋回体2の
基盤となる旋回フレーム、4は運転室、5はエンジンル
ームを構成する建屋カバー、6は作業装置7での作業時
に自走式建設機械に作用する外力と釣り合わせるための
カウンタウエイト、7は土砂の掘削作業等を行う油圧シ
ョベルの作業装置、8は後に詳述する旋回軸受11やこ
れを駆動するための駆動機構で構成され上部旋回体2を
旋回させる旋回装置、11は上部旋回体2を支持しなが
ら旋回させる旋回軸受である。
【0022】旋回フレーム3上には、運転室4、建屋カ
バー5、カウンタウエイト6等の諸装置が設置されてい
る。また、上部旋回体2の前部側には、ブーム、アーム
及びバケットを備えた油圧ショベルの作業装置7が俯仰
動可能に設置されている。旋回装置8は、図2に示すよ
うに、例えば遊星歯車機構等からなり旋回フレーム3に
ボルトで取り付けられた減速機9とこの減速機9の上部
に取り付けられた油圧駆動の旋回モータ10と減速機9
で回転駆動される駆動ピニオン9Bとからなる旋回軸受
11の駆動機構を備え、旋回軸受11を含んで構成され
ている。
【0023】次に、図2及び図3に基づいて旋回軸受1
1の細部の構造及びその周辺部の構造を説明する。
【0024】12は下部走行体1側の部材である丸胴1
3の上面に複数のねじ(図示せず)で固定される環状の
内輪、12Aはこの内輪12の外周面に形成されて転動
体収容空間18の壁面をなし転動体20が転動可能に接
する内輪の転動面、13は内輪12と略同径の環状をな
す旋回軸受11の取付座としての丸胴、14は内輪12
の外周部と外輪16の内周部との間に形成された環状間
隙、15は駆動ピニオン9Bと内歯車12Bの噛み合い
部を潤滑するためのグリースを貯溜するグリースバス、
16は上部旋回体2側の部材である旋回フレーム3の下
面に複数のねじ(図示せず)で固定され内輪12を同心
円状に囲んで配置される環状の外輪、16Aはこの外輪
16の内周面に形成されて転動体収容空間18の壁面を
なし転動体20が転動可能に接する外輪の転動面であ
る。
【0025】旋回軸受11は、内輪12と外輪16とを
備え、上部旋回体2を支持しながら旋回させる。内輪1
2の内周部には、駆動ピニオン9Bと噛み合うリング状
の内歯車(リングギヤ)12Bを形成している。また、
内輪12の内部には、グリースバス15を設けて駆動ピ
ニオン9Bや内歯車12Bを収容しており、グリースバ
ス15内では、駆動ピニオン9Bと内輪12の内歯車1
2Bとが噛み合っている。したがって、駆動ピニオン9
Bを旋回モータ10で回転駆動すると、駆動ピニオン9
Bは、下部走行体1に固定された内輪12の内歯車12
Bと噛み合って回転するとともに、下部走行体1自体
は、接地していて回転できないため、上部旋回体2が下
部走行体1に対し相対的に回動して旋回する。外輪16
は、内輪12を囲んで環状間隙14を設けるように配置
することにより、旋回軸受11の下部及び上部に、グリ
ースを初期充填することが可能な後述するグリース溜り
18A,18B、18Cを形成できるようにしている。
【0026】17は内輪12や外輪16に固着して内輪
12と外輪16の相対回転を許容するように環状間隙1
4の底部や頂部を密封するシール部材、18は転動体2
0を収容するための環状の転動体収容空間、20は転動
体収容空間18内に収容したベアリングの働きをする球
状の転動体、21は転動体収容空間18内に収容して転
動体20間に配置することにより転動体20同士を接触
させないようにするための後に詳述する間座(スペー
サ)である。
【0027】前記内輪の転動面12Aは、断面略半円状
をなして内輪12の外周面の全周面に沿って形成され、
同じく、前記外輪の転動面16Aは、断面略半円状をな
して外輪16の内周面の全周面に沿って形成されてい
る。転動体収容空間18は、こうした転動面12Aと転
動面16Aとを相対向するように形成することにより、
内輪12と外輪16との間に水平方向に環状に形成され
ている。この環状の転動体収容空間18内には、多数の
転動体20と間座21とを交互に配置して周方向に収容
しており、これらの転動体20を介して上部旋回体2側
の外輪16を下部走行体1側の内輪12で回動可能に支
持している。
【0028】転動体収容空間18の下方には、環状間隙
14の底部をシール部材17で密封することによリグリ
ース溜リ18Aを形成している。転動体収容空間18の
上方には、環状間隙14により転動体20の上部にグリ
ース溜リ18Bを形成し、ここでは、このグリース溜リ
18Bの頂部をシール部材17で密封している。転動体
収容空間18の側方には、転動面12A,16Aを三日
月状に凹ませることによリグリース溜リ18Cを形成し
ている。
【0029】図4及び図5に基づき、間座21の具体的
な構造について説明する。間座21は、大別すると、隣
接する転動体20同士を接触させないようにするための
スペーサの役割を果たす間座本体22と、この間座本体
22に充填されて潤滑用のグリースを滲出する固形物と
してのプラスチックグリース23,24とで構成されて
いる。
【0030】プラスチックグリースとは、超高分子量ポ
リエチレン等の超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグ
リースとの混合物を固形化した組成物である。すなわ
ち、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとを
混合したプラスチックグリース混合物を超高分子量ポリ
オレフィンの融点温度に加熱した後、冷却して固形化し
た組成物である。超高分子量ポリオレフィンと潤滑用の
グリースとの混合物は、未焼成の状態では潤滑用のグリ
ースと同様に流動状態にあるが、融点温度に加熱して冷
却すると、固化する性質を有する。
【0031】本明細書にいうグリースとは、狭義のグリ
ースだけを意味するものではなく、種々の合成油及び鉱
油やこれらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使
用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα−オレフ
ィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭
化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエ
ーテル油、フタル酸エステルのようなエステル油及び鉱
油のような種々の油やこれらの何れかの油の混合体を含
む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、
摩耗防止剤等、所望の添加剤を予め添加してもよい。
【0032】間座本体22は、転動体20と接触可能な
接触面としての凹球面部22Aを両側面に有するととも
に環状の転動体収容空間18の径より若干小径の円筒状
の外周面を有しており、プラスチックグリース23,2
4よりも硬いプラスチックで形成されている。この間座
本体22の中央部には、凹球面部22Aの個所で開口す
るグリース充填室としての孔22Bを設けて、この孔2
2Bにプラスチックグリース23を充填している。ま
た、間座本体22の外周部には、グリース充填用の環状
の凹溝22Dを設けて、この凹溝22Dにプラスチック
グリース24をリング状に充填している。
【0033】間座本体22の中央部の孔22Bにプラス
チックグリース23を充填する場合には、間座本体22
の孔22Bに超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリ
ースとの混合物を充填し加熱して固形化することにより
充填してもよいし、所定形状に固形化したプラスチック
グリース23を間座本体22の孔22Bに後から組み込
むようにしてもよい。また、間座本体22の外周部の凹
溝22Dにプラスチックグリース24を充填する場合に
は、前記と同様、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用の
グリースとの混合物を凹溝22Dに充填し加熱して固形
化することにより充填してもよいし、リング状に固形化
したプラスチックグリース24の一個所を切り離してお
き、このリング状のプラスチックグリース24の固形物
を切り離し部の個所で開いて凹溝22Dに嵌め込むよう
にしてもよい。
【0034】間座本体の凹球面部22Aは、後述するよ
うに曲率半径が転動体20の球半径よりも大きい凹球面
状をなすように形成して、転動体20が凹球面部22A
に対して接触部22Eの個所で局部的にしか接触しない
ようにしている。一方、間座本体22の孔22Bに充填
されるプラスチックグリース23には、転動体20を潤
滑する潤滑面としての凹球面部23Aを両側面に形成し
ており、両凹球面部23Aは、後述するように曲率半径
が転動体20の球半径と実質上等しい凹球面状をなすよ
うに形成して、転動体20が凹球面部23Aに対して面
接触できるようにしている。図4には、こうした凹球面
部22Aや凹球面部23Aと転動体20との形状上の関
係を対比できるように、転動体20の球面を鎖線で示し
ている。
【0035】孔22Bの孔壁には、図4に示すように、
中心に向かって突出する山形の凸部22Cが全周にわた
って形成されるように一対のテーパ面を対称的に形成し
ている。プラスチックグリース23は、こうした孔壁の
凸部22Cに嵌め合わされるように間座本体22の孔2
2Bに充填している。プラスチックグリース23を間座
本体22の孔22Bに充填する場合、このようにプラス
チックグリース23を間座本体22の孔壁に凹凸部で嵌
め合わすようにして充填したことにより、プラスチック
グリース23が間座本体22の孔22Bから抜け出すの
を確実に防ぐことができる。
【0036】次に、こうした建設機械の旋回軸受を製作
する場合における転動体20と凹球面部22Aと凹球面
部23Aとの望ましい寸法関係や転動体20と間座本体
22とプラスチックグリース24との望ましい寸法関係
について、図5を用いて説明する。
【0037】いま、図5に示すように、転動体20の球
半径をR0 、間座本体22の凹球面部22Aの曲率半径
をR1 、プラスチックグリース23の凹球面部23Aの
曲率半径をR2 とすると、間座本体22の凹球面部22
Aの曲率半径R1 は、転動体20の球半径R0 よりも大
きくするのが望ましい。こうした寸法関係にすると、間
座22が隣接する転動体20から荷重を受けたときに、
間座本体22の凹球面部22Aは、転動体20を小さな
接触面積で接触させつつ支持するため、転動体20は、
凹球面部22Aとの摩擦抵抗が軽減された状態で円滑に
転動することができる。一方、プラスチックグリース2
3の凹球面部23Aの曲率半径R2 は、転動体20の球
半径R0 と実質上等しくするのが望ましい。
【0038】こうした凹球面部23Aをプラスチックグ
リース23の両側面に形成する場合には、間座本体22
の孔22Bに超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリ
ースとの混合物を充填した後、間座本体22両側面の凹
球面部22Aに転動体20と同一球半径R0 の球体を被
せて焼成することにより形成するが、その結果形成され
た凹球面部23Aの曲率半径R2 には、仕上がり具合に
よって若干のバラツキが生じる。「プラスチックグリー
ス23の凹球面部23Aの曲率半径R2 を転動体20の
球半径R0 と実質上等しくする」とは、こうした製作上
の曲率半径R2のバラツキを許容する意味である。以上
のような寸法関係にすると、転動体20が間座22に接
触したときに、転動体20は、プラスチックグリース2
3の凹球面部23Aに大きな接触面積で接触するため、
潤滑用のグリースをプラスチックグリース23から潤沢
に受け取ることができる。
【0039】また、図5に示すように、転動体20の球
直径をD0 、間座本体22の外径をD1 、間座本体22
外周部のプラスチックグリース24の外径をD2 とする
と、間座本体22外周部のプラスチックグリース24の
外径D2 を間座本体22の外径D1 よりも大きく、か
つ、転動体20の球直径D0 以下になるように定め、そ
の場合、間座21の傾動時に間座本体22外周部のプラ
スチックグリース23が間座本体22よりも先に転動体
収容空間18の壁面すなわち転動面12A,16Aに接
触することが可能となるように間座本体22外周部のプ
ラスチックグリースの外径を定めるのが望ましい。
【0040】こうした寸法関係にすることについての技
術的意義を図6乃至図8を用いて説明する。いま、こう
した寸法関係で製作された旋回軸受における間座21が
図6に示すように垂直に起立している状態から傾動した
ものとすると、間座21は、図7に示すように転動面1
2A,16Aに接触して静止する。このとき、間座本体
22外周部のプラスチックグリース24の角部が間座本
体22より先に転動面12A,16Aに接触して静止す
るため、間座本体22は、転動面12A,16Aに接触
しない。これに対し、こうした寸法関係で製作されてい
ない旋回軸受における間座21が傾動して、転動面12
A,16Aに接触して静止したものとすると、図8に示
すように、間座本体22の角部が間座本体22外周部の
プラスチックグリース24より先に転動面12A,16
Aに接触するため、プラスチックグリース24は、転動
面12A,16Aに接触することができない。
【0041】このような状態で間座21が傾動すると、
転動面12A,16Aに対し間座本体22だけが接して
間座本体22外周部のプラスチックグリース24の上部
や下部が接触できずに、そのプラスチックグリース24
内の潤滑用のグリースを転動面12A,16Aに供給で
きなくなったり、逆に転動面12A,16Aにすでに供
給されているグリースを間座本体22の角部で掻き取っ
てしまったりするという事態が発生する。ここに示す例
では、旋回軸受を前記したような寸法関係で製作してい
るので、間座21が転動体収容空間18内で横倒しにな
るのを防げるだけではなく、間座本体22が傾斜して転
動面12A,16Aに接するのを防ぐことができて、こ
うした事態が発生するのを防止することができる。
【0042】図9に示す例は、図4に示す建設機械の旋
回軸受において、間座本体22の中央部に設けた孔22
Bと間座本体22の外周部に設けた凹溝22Dとを連通
孔25で連通させるようにしたものである。こうした連
通孔25は、1本設けても複数本設けてもよい。こうし
た連通孔25を設けると、間座本体22中央部のプラス
チックグリース23と間座本体22外周部のプラスチッ
クグリース24とをこの連通孔25で繋げることができ
るため、プラスチックグリース23,24を斜出成形に
より充填しやすくなるとともに、間座本体22中央部の
プラスチックグリース23及び間座本体22外周部のプ
ラスチックグリース24の一方にグリース不足が生じた
ときに、グリースを互に補給し合うことができる。
【0043】以上、建設機械の旋回軸受を例にしてこの
出願の発明に関係する技術内容を説明したが、その技術
内容は、建設機械以外のこの種の軸受にも当然に適用す
ることができる。以上述べたような軸受は、中央部にプ
ラスチックグリース23を充填した間座本体22の特に
外周部に凹溝22Dを設けてプラスチックグリース24
を充填しているので、潤滑用のグリースは、従来の技術
のように間座21の側面からだけではなく周面からも滲
出して、転動体20だけではなく、本来潤滑が必要な転
動体収容空18間の壁面すなわち転動面12A,16A
も直接的に潤滑して同壁面に行き渡る。そのため、この
軸受は、従来の技術とは異なり、間座本体22の外周部
に充填したプラスチックグリース24により、使用当初
から内輪12や外輪16と転動体20との接触部を潤滑
することができる。
【0044】また、軸受を回転させたら、間座本体22
中央部のプラスチックグリース23の潤滑面で潤滑され
た転動体20が転動したり周方向に移動したりするた
め、転動体20に付着したグリースがやがて転動面12
A,16Aにも付着して同面にグリースを補給する。そ
のため、この軸受では、間座21の周面から滲出するグ
リースに、間座21側面の潤滑面から滲出するグリース
が加わって、転動面12A,16Aを潤滑するのに必要
な潤滑用のグリースを、不足が生じないよう十分に確保
することができ、内輪12や外輪16と転動体20との
接触部を従来の技術よりも活発に潤滑することができ
る。以上の結果、この軸受によれば、プラスチックグリ
ースを充填した間座を使用して潤滑する軸受であって
も、内輪12や外輪16と転動体20との接触部を確実
に潤滑することができる。
【0045】建設機械では、初期の使用時にブームやア
ーム等の作業装置で掘削作業等の建設作業を行う場合、
その作業前に上部旋回体を十分に旋回させることなく、
直ちに建設作業を行うことが多いため、従来の技術で
は、内輪12や外輪16と転動体20との接触部に潤滑
用のグリースが行き渡らずにその接触部に潤滑不良が生
じる恐れがある。この軸受を特に建設機械の旋回軸受と
して使用した場合には、建設機械の初期の使用時からプ
ラスチックグリース24内のグリースを転動面12A,
16Aに直接行き渡らせることができて、内輪12や外
輪16と転動体20との接触部を確実に潤滑することが
できる。そのため、建設機械の初期の使用時に旋回軸受
に大きな荷重が作用する建設作業を直ちに行っても、旋
回軸受が従来の技術のように潤滑不良により損傷する危
惧はない。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この出
願の軸受に関する発明には、「課題を解決するための手
段」の項の1)に示した手段を採用し、この出願の建設
機械の旋回軸受に関する発明は、「課題を解決するため
の手段」の項の2)に示した手段を採用しているので、
この出願の発明の軸受及び建設機械の旋回軸受は、何れ
も、プラスチックグリースを充填した間座を使用して潤
滑する軸受であっても、従来の技術とは異なり、内輪や
外輪と転動体との接触部を確実に潤滑することができ
る。
【0047】建設機械では、その作業前に旋回体を十分
に旋回させることなく、直ちに建設作業を行うことが多
いため、従来の技術により建設機械の旋回軸受を構成し
た場合には、内輪や外輪と転動体との接触部に潤滑用の
グリースが行き渡らずにその接触部に潤滑不良が生じる
恐れがある。これに対し、この出願の発明の建設機械の
旋回軸受にあっては、建設機械の初期の使用時からプラ
スチックグリース内のグリースを転動体収容空間の壁面
に直接行き渡らせることができて、内輪や外輪と転動体
との接触部を確実に潤滑することができる。そのため、
建設機械の初期の使用時に旋回軸受に大きな荷重が作用
する建設作業を直ちに行っても、旋回軸受が従来の技術
のように潤滑不良により損傷する危惧はない。
【0048】この出願の軸受に関する発明及び建設機械
の旋回軸受に関する発明を具体化する場合に、特に、特
許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化すれば、
間座が隣接する転動体から荷重を受けたときに、転動体
は、間座本体の接触面により小さな接触面積で支持され
て、その接触面との摩擦抵抗が軽減された状態で円滑に
転動することができ、しかも、間座本体中央部における
プラスチックグリースの潤滑面に大きな接触面積で接触
して、潤滑用のグリースをプラスチックグリースから潤
沢に受け取ることができる。
【0049】この出願の軸受に関する発明及び建設機械
の旋回軸受に関する発明を具体化する場合に、特に、特
許請求の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、
間座が転動体収容空間内で横倒しになるのを防げるだけ
ではなく、間座本体が傾斜して転動体収容空間の壁面に
接するのを防ぐことができる。その結果、転動体収容空
間の壁面に対し間座本体だけが接して間座本体外周部の
プラスチックグリースが接触できずに、そのプラスチッ
クグリース内のグリースを転動体収容空間の壁面に供給
できなくなったり、逆に転動体収容空間の壁面にすでに
供給されているグリースを間座本体の角部で掻き取って
しまったりすることを防ぐことができる。この出願の各
発明を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求
項5に記載のように具体化すれば、プラスチックグリー
スを間座本体の孔壁に凹凸部により嵌め合わすようにし
て充填したことにより、プラスチックグリースが間座本
体の孔から抜け出すのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の具体化例に係る建設機械の旋
回軸受を設けた自走式建設機械の全体像を示す側面図で
ある。
【図2】この出願の発明の具体化例に係る建設機械の旋
回軸受周辺の縦断面図である。
【図3】建設機械の旋回軸受に関する図3の右側分部の
拡大縦断面図である。
【図4】図3の建設機械の旋回軸受をIVの断面線で切断
した拡大断面図である。
【図5】図3の建設機械の旋回軸受を製作するときの各
部の望ましい寸法関係を説明するための図4と同様の拡
大断面図である。
【図6】図3の建設機械の旋回軸受における間座が垂直
に起立しているときの状態を示す拡大縦断面図である。
【図7】図6の間座が僅かに傾いて転動面で傾斜が止め
られたときの状態を示す拡大縦断面図である。
【図8】図7とは外径の異なる図6と同様の間座が図6
よりも傾いて転動面で傾斜が止められたときの状態を示
す拡大縦断面図である。
【図9】この出願の発明の具体化例に係る建設機械の旋
回軸受の変形例を示す図4と同様の拡大断面図である。
【符号の説明】
11 旋回軸受 12 内輪 12A 内輪の転動面 14 環状間隙 16 外輪 16A 外輪の転動面 18 転動体収容空間 18A,18B,18C グリース溜り 20 転動体 21 間座 22 間座本体 22A 間座本体の凹球面部 22B プラスチックグリース充填用の孔 22C 凸部 22D 凹溝 23 プラスチックグリース 23A プラスチックグリースの凹球面部 24 プラスチックグリース 25 連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 20:04 C10N 20:04 40:02 40:02 50:10 50:10 (72)発明者 関戸 慎一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 辻 靖之 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 (72)発明者 前田 浩二 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 2D015 DA02 3J101 AA01 BA15 BA71 CA14 CA15 EA63 FA32 GA51 4H104 CA02C EA03C PA01 QA18 QA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪とこの内輪を囲むように配置される
    外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動体収容
    空間内に、多数の球状の転動体と、この転動体と接触可
    能な接触面を両側面に有し中央部に孔を設けた間座本体
    及びこの間座本体の孔に充填され転動体を潤滑する潤滑
    面を両側面に有するプラスチックグリースにより構成し
    た間座とを交互に配置し収容して、内輪と外輪とを転動
    体を介して相対回転させる軸受において、間座本体の外
    周部に凹溝を設けてプラスチックグリースを充填して、
    この間座本体外周部のプラスチックグリース内のグリー
    スを転動体収容空間の壁面に直接供給できるように構成
    したことを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】 内輪とこの内輪を囲むように配置される
    外輪とを備え、両者の間に形成された環状の転動体収容
    空間内に、多数の球状の転動体と、この転動体と接触可
    能な接触面を両側面に有し中央部に孔を設けた間座本体
    及びこの間座本体の孔に充填され転動体を潤滑する潤滑
    面を両側面に有するプラスチックグリースにより構成し
    た間座とを交互に配置し収容して、基台とこの基台上を
    旋回する旋回体との間に設けて旋回体を支持しながら旋
    回させる建設機械の旋回軸受において、間座本体の外周
    部に凹溝を設けてプラスチックグリースを充填して、こ
    の間座本体外周部のプラスチックグリース内のグリース
    を転動体収容空間の壁面に直接供給できるように構成し
    たことを特徴とする建設機械の旋回軸受。
  3. 【請求項3】 間座本体の接触面を、曲率半径が転動体
    の球半径よりも大きい凹球面状に形成するとともにプラ
    スチックグリースの潤滑面を、曲率半径が転動体と実質
    上等しい凹球面状に形成したことを特徴とする請求項1
    に記載の軸受又は請求項2に記載の建設機械の旋回軸
    受。
  4. 【請求項4】 間座本体外周部のプラスチックグリース
    の外径を間座本体の外径よりも大きく、かつ、転動体の
    球直径以下になるように定め、その場合、間座の傾動時
    に間座本体外周部のプラスチックグリースが間座本体よ
    りも先に転動体収容空間の壁面に接触することが可能と
    なるように間座本体外周部のプラスチックグリースの外
    径を定めたことを特徴とする請求項1に記載の軸受又は
    請求項2に記載の建設機械の旋回軸受。
  5. 【請求項5】 プラスチックグリースを間座本体の孔に
    充填する場合、プラスチックグリースを間座本体の孔壁
    に凹凸部により嵌め合わすようにして充填したことを特
    徴とする請求項1に記載の軸受又は請求項2に記載の建
    設機械の旋回軸受。
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