JPH11336763A - ブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製造方法 - Google Patents

ブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製造方法

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JPH11336763A
JPH11336763A JP10164285A JP16428598A JPH11336763A JP H11336763 A JPH11336763 A JP H11336763A JP 10164285 A JP10164285 A JP 10164285A JP 16428598 A JP16428598 A JP 16428598A JP H11336763 A JPH11336763 A JP H11336763A
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bush
connecting pin
inner peripheral
holes
filler
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JP10164285A
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English (en)
Inventor
Akihiko Yamamoto
明彦 山本
Yoshishige Endo
善重 遠藤
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Manabu Ogasawara
学 小笠原
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2350/00Machines or articles related to building
    • F16C2350/26Excavators

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  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結金属材の空孔内に高分子樹脂、特に流動
性の悪いフッ素系樹脂を液状あるいは固形状で配置で
き、耐荷重性能を向上できるようにする。 【解決手段】 ボス部12を左,右のブラケット13,
14間に連結ピン15を用いて回動可能に連結する。そ
して、ボス部12内には連結ピン15を回動可能に支持
するためのブッシュ20を設ける。ブッシュ20のブッ
シュ本体21は、鉄粉と銅粉とからなる複合焼結合金に
より筒状体として成形し、このブッシュ本体には空孔率
が30体積%以下、好ましくは20体積%の空孔を形成
する。そして、ブッシュ本体21の空孔内にはフッ素系
樹脂材料としての4〜7フッ化環状エーテルからなる充
填材を含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられる作業用のフロント部等に好
適に用いられるブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及
びブッシュの製造方法に関し、特に、長時間に亘って無
給脂で使用するようにしたブッシュ、建設機械用すべり
軸受装置及びブッシュの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械にあ
っては、作業用のフロント部を構成するブーム、アーム
及びバケット等を互いに回動可能に連結するためにすべ
り軸受装置を設ける構成としている。
【0003】この種の従来技術によるすべり軸受装置
は、前記ブーム、アーム及びバケット等のうち一方の部
材に設けられるボス部と、前記ボス部内に固着して設け
られ内周側がピン穴となった筒状のブッシュと、前記ボ
ス部の左,右両側に位置して相手方の部材に設けられピ
ン穴がそれぞれ穿設された一対のブラケットと、前記各
ブラケット間にボス部を相対回動可能に連結するため各
ブラケットのピン穴及びブッシュのピン穴内に挿通され
た連結ピンとから構成されている。
【0004】そして、特開平8−105444号公報に
記載のすべり軸受装置(以下、第1の従来技術という)
では、ボス部内に設けたブッシュにより連結ピンを回動
可能に支持するため、ブッシュを多孔質の焼結金属材料
により筒状体として形成し、ブッシュの空孔内には、例
えば240cSt〜1500cStの範囲の高い粘度を
有する潤滑油を含浸させる構成としている。
【0005】この場合、前記ボス部と各ブラケットとを
相対的に回動させるときには、連結ピンがブッシュのピ
ン穴内で、例えば6kgf/mm2 以上の面圧をもって
低速駆動され、その摺動速度は2〜5cm/秒程度とな
っている。そして、ブッシュの空孔内に含浸させた高粘
度の潤滑油は、ピン穴内で連結ピンが摺動(回動)する
ときの摩擦熱等により粘度が下がるために、空孔内から
連結ピンとの摺動面に滲み出すようになり、この状態で
連結ピンとブッシュとの摺動面に潤滑用の油膜を形成す
るものである。
【0006】また、前記第1の従来技術では、前述した
高粘度の潤滑油中に、MoS2 (二硫化モリブデン)、
WS2 (二硫化タングステン)、六方晶形BN(窒化硼
素)及びグラファイトからなる群から選択される少なく
とも1種類以上の、粒径が500μm以下の固体潤滑剤
を含有させ、例えば寒冷地等での使用時における潤滑性
能を向上できるようにしている。
【0007】一方、比較的低い面圧条件下で高速駆動さ
れるシャフト等の軸受材料として、焼結金属等からなる
多孔質材料を用い、その空孔に高分子樹脂を含浸させる
構成としたものが知られており、その主な軸受材料とし
ては以下の3つが代表として挙げられる。
【0008】即ち、特開平8−121483号公報に
は、例えば油圧ポンプ等の回転軸を支持する軸受材料
(以下、第2の従来技術という)が開示されている。そ
して、この軸受材料は多孔質の焼結金属からなり、その
空孔内に高分子量のフッ素樹脂を主成分とし、粉末鉛と
低分子量のフッ素樹脂とを添加したものを含浸させる構
成としている。
【0009】また、特開平8−11803号公報には、
例えば自動車用ショックアブソーバーのブッシュとして
用いられる複層軸受の製造方法(以下、第3の従来技術
という)が開示されている。そして、この場合には複合
軸受を製造するために、四フッ化エチレン樹脂を粒子径
が0.2〜0.4μmの乳化状態として、これに固体潤
滑剤の粉末を均一に混合、共凝析して、樹脂粉末を形成
しておき、この樹脂粉末を、有機溶剤で湿潤後、多孔質
金属上に散布してから押込み被覆し、その後加熱して有
機溶剤を除去してから、焼成することにより複層軸受を
製造する構成としている。
【0010】さらに、特開平7−48588号公報に
は、例えば音響機器や映像機器に用いる低摩擦係数焼結
含油軸受(以下、第4の従来技術という)が開示され、
この場合には多孔質焼結軸受部材に、クロロフルオロエ
チレンのオリゴマーを含有するシリコーン系合成油を含
浸させる構成としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
1の従来技術による建設機械用のすべり軸受装置では、
多孔質の鉄系焼結材料によりブッシュを形成し、その空
孔内に粘度の高い潤滑油(またはこの潤滑油中に粒径が
500μm以下の固体潤滑剤を含有したもの)を含浸さ
せる構成としている。
【0012】このため、連結ピンをブッシュのピン穴に
対して、例えば6kgf/mm2 以上の高い面圧(高い
荷重条件)をもって、2〜5cm/秒程度の低速度で摺
動させる場合でも、両者の摺動面を潤滑状態に保持し得
るものである。
【0013】しかし、第1の従来技術では、粘度の高い
潤滑油をブッシュの空孔内に含浸させているに過ぎない
から、連結ピンがブッシュに対して摺動するときの摩擦
熱等で潤滑油の粘度が低下した状態では、この潤滑油が
連結ピンとブッシュの間から外部に漏れてしまうことが
あり、さらに高い面圧条件下や微小運動になるような摺
動条件では摩耗が進行する可能性があり、無給脂ブッシ
ュとして必ずしも十分な寿命を確保するのが難しいとい
う問題がある。
【0014】また、第2の従来技術による軸受材料で
は、高分子量のフッ素樹脂に粉末の鉛と低分子量のフッ
素樹脂を添加し、これらを多孔質の焼結金属に含浸させ
ることにより、例えば油圧ポンプ等の回転軸を支持する
のに適した軸受を製造するようにしている。
【0015】しかし、この軸受材料は、素材となる焼結
金属の気孔率(空孔率)を高くしない限り、素材の内部
までフッ素樹脂等を含浸させることができない。このた
め、例えば建設機械用のすべり軸受装置のように高い荷
重条件下で使用し、素材の空孔率を低くして材料の強度
を確保する必要がある場合には、フッ素樹脂等を含浸さ
せるのが難しく、高荷重下での使用には適さないという
問題がある。
【0016】また、第3の従来技術による複層軸受は、
4フッ化エチレン樹脂と固体潤滑剤を混合、共凝析して
樹脂粉末を予め形成しておき、この樹脂粉末を有機溶剤
で湿潤させた状態で、これらを鋼板上に形成した多孔質
金属焼結層上に散布してから押し込み被覆し、その後加
熱して有機溶剤を除去してから焼成して得られるもので
ある。
【0017】しかし、この場合にも多孔質金属の空孔率
を高くしない限り、空孔内に十分な量の樹脂粉末を含浸
させるのが難しく、建設機械用のすべり軸受装置のよう
に高い荷重条件下で使用には適さないという問題があ
る。
【0018】さらに、第4の従来技術による低摩擦係数
焼結含油軸受は、多孔質焼結軸受部材にクロロフルオロ
エチレンのオリゴマーを含有するシリコーン系合成油を
含浸させるものであり、これらは多孔質焼結材料中に液
体状で存在することになる。このため、運転中に液垂れ
等が発生し易く、周囲を汚染させる原因となるばかり
か、建設機械用のすべり軸受装置のように、高荷重下で
低速駆動されたり、摺動(運動)距離が短い運転条件下
では摺動面に十分な油膜を形成し続けるのが難しいとい
う問題がある。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は耐摩耗性や低摩擦係数を必要と
する建設用機械部品等の軸受部材として好適に使用で
き、高い荷重条件下で低速駆動される連結ピンを長期間
に亘って無給脂で回動可能に支持できるようにしたブッ
シュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製造方
法を提供することを目的としている。
【0020】また、本発明の他の目的は、焼結金属材の
空孔率を低くして高い材料強度を確保できる上に、フッ
素系樹脂材料からなる高分子樹脂(潤滑油を含んでもよ
い)を空孔内に良好に含浸させることができ、無給脂軸
受としての寿命を確実に延ばすことができるようにした
ブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製
造方法を提供することにある。
【0021】さらに、本発明の別の目的は、焼結金属材
の空孔内に高分子樹脂、特に流動性の悪いフッ素系樹脂
を液状あるいは固形状で配置することが可能となり、耐
荷重性能を向上できると共に、液状化した樹脂や油分の
漏れ出しを確実に抑えることができるようにしたブッシ
ュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製造方法
ものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する構成は、高荷重下で
低速駆動される連結ピンを回動可能に支持するためのブ
ッシュであって、焼結金属材料により筒状体として形成
され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有したブッシ
ュ本体と、前記ブッシュ本体の各空孔内に充填されたフ
ッ素系樹脂材料からなる充填材とにより構成している。
【0023】このように構成することにより、ブッシュ
本体の各空孔内に充填したフッ素系樹脂材料からなる充
填材は、ブッシュ本体内を摺動(回動)する連結ピンに
接触することによって、連結ピンとブッシュ本体との金
属接触を防止し、連結ピンとブッシュとの摺動面を潤滑
状態に保持することができる。
【0024】一方、請求項2の発明が採用する構成は、
高荷重下で低速駆動される連結ピンを回動可能に支持す
るためのブッシュであって、焼結金属材料により筒状体
として形成され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有
したブッシュ本体と、前記ブッシュ本体の各空孔内に充
填されたフッ素系樹脂材料と潤滑油とからなる充填材と
により構成している。
【0025】このように構成することにより、ブッシュ
本体の各空孔内に充填されたフッ素系樹脂材料と潤滑油
とからなる充填材は、ブッシュ本体の内周側で連結ピン
と接触することによって、連結ピンとブッシュ本体との
金属接触を防止し、連結ピンとブッシュとの摺動面を潤
滑状態に保持することができる。そして、充填材に含ま
せた潤滑油は、連結ピンからの摩擦熱等で粘度が下がる
ことにより、その一部が空孔内から連結ピンとの摺動面
に滲み出すようになり、この状態で連結ピンとブッシュ
との摺動面に潤滑用の油膜を形成することができる。
【0026】また、請求項3の発明では、潤滑油は24
0〜1500cStの範囲の粘度を有してなる構成とし
ている。
【0027】また、請求項4の発明では、ブッシュ本体
は、鉄系粉末冶金製の焼結金属材料からなり、その内周
側には空孔を4〜30体積%の比率で形成してなる構成
としている。これにより、焼結金属材料からなるブッシ
ュ本体の空孔率を、特に連結ピンとの摺動面側で低く抑
えることができ、高荷重条件下での使用にも耐える十分
な材料強度を確保できる。
【0028】また、請求項5の発明では、ブッシュ本体
は内周側から外周側に向けて空孔の比率を漸次増加さ
せ、内周側では4〜15体積%の比率とし、外周側では
30体積%以下の比率をもって前記空孔を形成してなる
構成としている。
【0029】このよう構成することにより、焼結金属材
料からなるブッシュ本体の空孔率を径方向内側から外側
に向けて漸次高くするように形成でき、空孔内に含浸さ
せたフッ素系樹脂材料(潤滑油を含んでもよい)が連結
ピンとの摺動面に滲み出すのを少なく制御することがで
きる。
【0030】また、請求項6の発明では、充填材はブッ
シュ本体の空孔内に50〜98体積%の比率をもって含
浸させる構成としている。
【0031】また、請求項7の発明では、フッ素系樹脂
材料として4〜7フッ化環状エーテルを用いる構成とし
ている。この場合には、例えば空孔の比率(割合)が3
0体積%以下であるブッシュ本体の空孔部分に、フッ素
系樹脂材料としての4〜7フッ化環状エーテルまたは4
〜7フッ化環状エーテルと潤滑油とを含ませる。
【0032】即ち、4〜7フッ化環状エーテルは、特有
の非晶質性に基づき結合の手をX,Y,Z方向の3方向
いずれにも備えており、自由な変形が可能である。これ
により、空孔率が30体積%以下と低い場合であって
も、その空孔部分に容易に入り込むことができる。
【0033】さらに、この4〜7フッ化環状エーテル
は、反応時において末端にCF=O基を備え、この基に
よって他の物質との密着性が良好であるという性質を持
っている。このため、4〜7フッ化環状エーテルが空孔
内に一旦入り込んだ後には、空孔から再流出する割合を
低く保つことができ、ブッシュ本体の内周側で空孔率が
30体積%以下であっても、4〜7フッ化環状エーテル
を空孔内に均一に含浸させることができる。
【0034】従って、フッ素系樹脂材料としての4〜7
フッ化環状エーテル(4〜7フッ化環状エーテルと潤滑
油)の自己潤滑性により、ブッシュの耐摩耗性を向上で
き、摩擦係数の低減化を図ることができる上に、高負荷
条件下で使用され、高い摺動面圧が加わる場合にも無給
脂ブッシュとしての寿命を十分に確保することができ
る。
【0035】また、請求項8の発明では、フッ素系樹脂
材料として4フッ化エチレン樹脂を用いる構成としてい
る。これにより、例えば空孔の比率(割合)が30体積
%以下であるブッシュ本体の空孔部分に、フッ素系樹脂
材料としての4フッ化エチレン樹脂または4フッ化エチ
レン樹脂と潤滑油とを含ませることができる。
【0036】そして、この場合でもブッシュ本体の空孔
率が30体積%以下と低い場合であっても、その空孔内
に4フッ化エチレン樹脂を充填することができる。そし
て、4フッ化エチレン樹脂を空孔内に一旦充填した後に
は、空孔から再流出する割合を低く保つことができ、ブ
ッシュ本体の内周側で空孔率が30体積%以下であって
も、4フッ化エチレン樹脂を空孔内に均一に含浸させる
ことができる。
【0037】従って、フッ素系樹脂材料としての4フッ
化エチレン樹脂(4フッ化エチレン樹脂と潤滑油)の自
己潤滑性により、ブッシュの耐摩耗性を向上でき、摩擦
係数の低減化を図ることができる上に、高負荷条件下で
使用され、高い摺動面圧が加わる場合にも無給脂ブッシ
ュとしての寿命を十分に確保することができる。
【0038】一方、請求項9の発明は、建設機械のフロ
ント部を構成する少なくとも2部材間に設けられ、前記
2部材を回動可能に連結する連結ピンと、前記連結ピン
を回動可能に支持するため前記2部材のうち少なくとも
一方の部材に設けられ、内周側が前記連結ピン用のピン
穴となった筒状のブッシュとからなる建設機械用すべり
軸受装置に適用される。
【0039】そして、請求項9の発明が採用する構成の
特徴は、前記ブッシュを、焼結金属材料により筒状体と
して形成され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有し
たブッシュ本体と、前記ブッシュ本体の空孔内に充填さ
れたフッ素系樹脂材料からなる充填材とによって構成し
たことにある。
【0040】また、請求項10の発明が採用する構成の
特徴は、ブッシュを、焼結金属材料により筒状体として
形成され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有したブ
ッシュ本体と、前記ブッシュ本体の空孔内に充填された
フッ素系樹脂材料と潤滑油とからなる充填材とによって
構成したことにある。
【0041】このように構成した場合でも、ブッシュ本
体の各空孔内に充填したフッ素系樹脂材料またはフッ素
系樹脂材料と潤滑油とによって、連結ピンとブッシュ本
体との金属接触を防止でき、連結ピンとブッシュとの摺
動面を潤滑状態に保持することができる。そして、フッ
素系樹脂材料(フッ素系樹脂材料と潤滑油)の自己潤滑
性により、ブッシュの耐摩耗性を向上でき、摩擦係数の
低減化を図ることができる上に、高負荷条件下で使用さ
れ、高い摺動面圧が加わる場合にも無給脂ブッシュを用
いたすべり軸受装置としての寿命を十分に確保すること
ができる。
【0042】さらに、請求項11の発明では、建設機械
のフロント部を構成する2部材のうち一方の部材には、
内周側にブッシュが嵌着される筒状のボス部を設け、他
方の部材には前記ボス部の左,右両側に位置し、連結ピ
ンによりボス部に対して回動可能に連結される左,右の
ブラケットを設ける構成としている。
【0043】一方、請求項12の発明は、高荷重下で低
速駆動される連結ピンを回動可能に支持するために用い
るブッシュの製造方法であって、少なくとも内周面側に
多数の空孔を有した筒状のブッシュ本体を鉄系粉末冶金
製の焼結金属材料により形成するブッシュ本体の形成工
程と、前記ブッシュ本体の各空孔内に少なくともフッ素
系樹脂材料からなる充填材を溶媒と共に充填する充填工
程と、前記各空孔内で充填材を乾燥させ、前記溶媒を各
空孔内から除去する乾燥工程とを含むようにしている。
【0044】そして、請求項13の発明では、ブッシュ
本体の内周側に空孔を4〜30体積%の比率で形成し、
乾燥工程後には空孔に対する充填材の含浸率を50〜9
8体積%の比率としている。
【0045】また、請求項14の発明では、充填材とし
てフッ素系樹脂材料と潤滑油とを用いるようにしてい
る。
【0046】また、請求項15の発明では、フッ素系樹
脂材料を4〜7フッ化環状エーテルとし、充填工程では
4〜7フッ化環状エーテルのポリマーをパーフルオロ溶
液により溶解した液体として各空孔内に充填してなるブ
ッシュの製造方法を採用している。
【0047】上記の製造方法では、4〜7フッ化環状エ
ーテルをパーフルオロ溶液等の溶媒を用いて溶解させる
ことにより、4〜7フッ化環状エーテルの溶液を形成
し、空孔率が30体積%以下であるブッシュ本体の各空
孔内に前記溶液(前記溶液と潤滑油)を含浸させた後
に、これらを乾燥させて前記溶媒を除去することがで
き、これによってブッシュ本体の各空孔内に4〜7フッ
化環状エーテル(4〜7フッ化環状エーテルと潤滑油)
を良好に配置することができる。そして、空孔に対する
4〜7フッ化環状エーテル(4〜7フッ化環状エーテル
と潤滑油)の含浸率を50体積%以上で、98体積%以
下に設定することができる。
【0048】さらに、請求項16の発明では、フッ素系
樹脂材料を4フッ化エチレン樹脂とし、充填工程では4
フッ化エチレン樹脂の粒子を溶媒により混合分散させた
溶液として各空孔内に充填してなるブッシュの製造方法
を採用している。
【0049】この場合には、4フッ化エチレン樹脂の粒
子を、例えばキシレンあるいはトルエン系の溶媒に溶解
させ、混合分散状態の溶液とし、空孔率が30体積%以
下となったブッシュ本体の各空孔内に前記溶液(前記溶
液と潤滑油)を含浸させた後に、これらを乾燥させて前
記溶媒を除去することができ、これによってブッシュ本
体の各空孔内に4フッ化エチレン樹脂(4フッ化エチレ
ン樹脂と潤滑油)を良好に配置することができる。そし
て、空孔に対する4フッ化エチレン樹脂(4フッ化エチ
レン樹脂と潤滑油)の含浸率を50体積%以上で、98
体積%以下に設定することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製
造方法を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ添付
図面を参照して詳細に説明する。
【0051】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、1は油圧ショベルの下
部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載された
上部旋回体で、上部旋回体2は旋回フレーム3を有し、
旋回フレーム3上には運転室4、機械室5及びカウンタ
ウエイト6等が設けられている。
【0052】7は上部旋回体2の旋回フレーム3前部に
俯仰動可能に設けられた作業装置としてのフロント部
で、フロント部7はブーム8、アーム9及びバケット1
0等からなり、これらは後述のすべり軸受装置11等を
用いて互いに回動可能に連結されている。
【0053】次に、図2を参照してアーム9とバケット
10との間に設けるすべり軸受装置11について説明す
る。
【0054】12はアーム9の先端側に一体に設けられ
る筒状のボス部で、ボス部12内には後述のブッシュ2
0が圧入されている。13,14はバケット10に一体
に設けられたブラケットで、ブラケット13,14はボ
ス部12を左,右両側から挟むように配設され、後述の
連結ピン15によりボス部12に対して相対回動可能に
連結されている。そして、ブラケット13,14には後
述するブッシュ20のピン穴20Aと対応する位置にピ
ン穴13A,14Aが穿設されている。
【0055】15はボス部12をブラケット13,14
間に連結した連結ピンで、連結ピン15は、例えば高周
波焼入鋼(S45C)等の高強度材料を用いて形成さ
れ、長さ方向中間部はブッシュ20のピン穴20A内に
摺動可能に挿嵌されている。そして、連結ピン15は両
端側がブラケット13,14のピン穴13A,14A内
に挿通され、例えばブラケット14側で係止ボルト16
等により抜止め及び廻止め状態に保持されている。
【0056】17,17はボス部12の両端とブラケッ
ト13,14との隙間内に配設されたシム板を示し、各
シム板17の内周側には連結ピン15が挿通されてい
る。そして、各シム板17はボス部12とブラケット1
3,14との間の隙間調整を行い、ボス部12がブラケ
ット13,14に対して相対回動するときに、両者が直
接摺動するのを防止するものである。
【0057】18,18はボス部12とブラケット1
3,14との外周側に装着されたシール部材としてのO
リングで、各Oリング18は各シム板17の径方向外側
に位置してボス部12とブラケット13,14との間の
隙間内に外部のダスト等が侵入するのを防止している。
【0058】19,19はブッシュ20の軸方向両側に
位置してボス部12内に装着されたダストシールで、各
ダストシール19は連結ピン15の外周面に摺接し、連
結ピン15とブッシュ20との摺動面を外部のダスト等
から保護するものである。
【0059】20は本実施の形態で用いるブッシュで、
ブッシュ20は鉄系粉末冶金製の焼結金属材料、例えば
鉄粉と銅粉との複合焼結合金により円筒状をなす筒状体
として形成され、内周側が連結ピン15用のピン穴21
Aとなった多孔質のブッシュ本体21と、図3に示す如
くブッシュ本体21の各空孔22内に充填された充填材
23とによって構成されている。そして、充填材23は
フッ素系樹脂材料としての4〜7フッ化環状エーテルか
らなり、後述の如く各空孔22を実質的に埋めるように
なっている。
【0060】ここで、焼結合金からなるブッシュ本体2
1の組織構造について説明するに、図3に示す如くベー
スとなる鉄材24中に銅材25がほぼ均等に分散して存
在すると共に、多孔質構造をなす多数の空孔22,2
2,…が形成されている。そして、これらの各空孔22
はブッシュ本体21の内周(ピン穴21A)側から外周
側に亘り連続気泡状をなして、例えば4〜30体積%、
好ましくは20体積%程度の比率(空孔率)をもって形
成されている。
【0061】本実施の形態による油圧ショベル用すべり
軸受装置は上述の如き構成を有するもので、次に、その
作動について説明する。
【0062】即ち、油圧ショベルのフロント部7により
土砂等の掘削作業を行う場合には、フロント部7のブー
ム8を上,下に俯仰動させると共に、ブーム8の先端側
でアーム9を俯仰動させる。そして、このときにアーム
9の先端側ではバケット10を回動させ、バケット10
の先端側で土砂等を掘削する。
【0063】この場合、バケット10をアーム9の先端
側に回動可能に連結したすべり軸受装置11は、アーム
9側のボス部12とバケット10のブラケット13,1
4とを連結ピン15によってピン結合し、このときに連
結ピン15にはバケット10と掘削土砂等の重量が負荷
される。
【0064】このため、連結ピン15を回動可能に支持
するブッシュ20の内周面(ピン穴21A)には、例え
ば6kgf/mm2 以上の高い面圧が作用することが多
い。そして、ブッシュ20内での連結ピン15の摺動速
度は、例えば2〜5cm/秒以下の低い速度となってい
る。
【0065】次に、ブッシュ20の製造方法について図
5を参照して説明するに、まず第1工程(ブッシュ本体
形成工程)では、鉄粉と銅粉との複合焼結合金により多
孔質のブッシュ本体21を形成する。そして、ブッシュ
本体21中の各空孔22は、ブッシュ本体21の内周側
から外周側に亘り、例えば4〜30体積%程度の空孔率
に調整する。
【0066】この場合、連結ピン15とブッシュ20と
の間に、例えば6kgf/mm2 以上の高い面圧が負荷
されることを勘案すると、ブッシュ20の強度を確保す
るために空孔率を、好ましくは20体積%程度とし、連
続した多孔質構造をなす空孔22をブッシュ本体21の
径方向に形成していることが望ましい。
【0067】次に、第2工程(充填工程)では、充填材
23としての4〜7フッ化環状エーテルのポリマーを、
パーフルオロ溶液等の溶媒(例えば3〜20%程度の混
合割合)を用いて溶解させることにより4〜7フッ化環
状エーテルの溶液を形成し、この溶液をブッシュ本体2
1の各空孔22内に含浸させる。
【0068】そして、第3工程(乾燥工程)では、4〜
7フッ化環状エーテルの溶液を含浸させたブッシュ本体
21を乾燥炉内で乾燥させ、パーフルオロ溶液等の溶媒
を除去することによって、ブッシュ本体21の各空孔2
2内に4〜7フッ化環状エーテルからなる充填材23を
配置する。
【0069】これにより、空孔22に対する4〜7フッ
化環状エーテルの含浸率を50体積%以上で、98体積
%以下に設定することができ、ブッシュ本体21の各空
孔22内には4〜7フッ化環状エーテルからなる充填材
23を均一に含浸させることができる。
【0070】このようにブッシュ20を製造した後に
は、筒状のボス部12内にブッシュ20を圧入または焼
き嵌め等の手段を用いて嵌着する。そして、ブッシュ2
0のピン穴21A内には連結ピン15を摺動可能に挿嵌
し、すべり軸受装置11を組立てる。この場合、連結ピ
ン15の外周面とブッシュ20の内周面との少なくとも
いずれか一方に、予めグリース等の潤滑油を塗布してお
くことにより、連結ピン15の挿嵌作業を円滑に行うこ
とができる。
【0071】かくして、本実施の形態によれば、鉄粉と
銅粉とからなる複合焼結合金により筒状のブッシュ本体
21を成形し、このブッシュ本体21には空孔率が30
体積%以下、好ましくは20体積%の空孔22を形成す
ると共に、ブッシュ本体21の空孔22内にはフッ素系
樹脂材料としての4〜7フッ化環状エーテルからなる充
填材23を含浸させる構成としたから、下記のような作
用効果を得ることができる。
【0072】即ち、充填材23として用いる4〜7フッ
化環状エーテルは、特有の非晶質性に基づき結合の手を
X,Y,Z方向の3方向いずれにも備え、自由な変形が
可能となっているから、ブッシュ本体21の空孔率が3
0体積%以下と低い場合であっても、その空孔22内に
容易に入り込むことができる。
【0073】また、熱硬化性樹脂である4〜7フッ化環
状エーテルの溶液は、前記乾燥工程で樹脂として固化す
る反応時に、その末端にCF=O基を備えることによっ
て他の物質との密着性が良好になるという性質を持って
いる。このため、4〜7フッ化環状エーテルからなる充
填材23が空孔22内に一旦入り込んだ後には、空孔2
2から再流出する割合を低く保つことができ、ブッシュ
本体21の内周側で空孔率が30体積%以下であって
も、4〜7フッ化環状エーテルを空孔22内に均一に含
浸させることができる。
【0074】さらに、充填材23を構成するフッ素系樹
脂材料としての4〜7フッ化環状エーテルは自己潤滑性
を有しているから、ブッシュ20内で連結ピン15を相
対回動させるときにも、両者の摺動面に薄い油膜を形成
でき、この油膜によってブッシュ20と連結ピン15と
の金属接触を防止することができる。
【0075】そして、上述の如く製作したブッシュ20
内に連結ピン15を挿嵌し、連結ピン15をブッシュ2
0に対して120度の角度で繰返し回動(揺動)させる
ことにより図4に示す如き特性データを得た。この場
合、両者の摺動面には6kgf/mm2 の面圧を加え、
その摺動速度は2cm/秒程度に設定した。
【0076】即ち、図4に示す特性データによれば、摺
動試験の初期段階ではブッシュ20の内周面側での摩擦
係数μが、0.3を越えるレベルにあったが、摺動試験
を続けるに従って徐々に低下してゆくことが確認され
た。そして、摺動試験を300時間以上に亘って続ける
と、摩擦係数μが0.1程度まで小さくできることが分
かった。
【0077】従って、本実施の形態によれば、すべり軸
受装置11に用いるブッシュ20のブッシュ本体21を
多孔質粉末冶金製の焼結金属材料により筒状に形成し、
ブッシュ本体21の各空孔22内には4〜7フッ化環状
エーテルのポリマーからなる充填剤23を含浸させるこ
とによって、ブッシュ20の耐摩耗性を向上でき、摩擦
係数の低減化を図ることができる。
【0078】そして、面圧が6kgf/mm2 以上にな
る過酷な摺動条件においても、4〜7フッ化環状エーテ
ルからなる充填材23の自己潤滑性能を活用して、連結
ピン15とブッシュ20との金属接触を防止でき、高い
荷重条件下で低速駆動される連結ピン15をブッシュ2
0により長期間に亘って無給脂で回動可能に支持するこ
とができる。
【0079】また、焼結金属材からなるブッシュ本体2
1の空孔率を低くして高い材料強度を確保できる上に、
空孔22内には4〜7フッ化環状エーテルからなる高分
子樹脂の充填材23を良好に含浸させることができ、無
給脂軸受としての寿命を確実に延ばすことができる。
【0080】次に、図6は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、ブッシュ本体
31に形成する空孔32の比率を、ブッシュ本体31の
内周側から外周側に向けて漸次増加させる構成としたこ
とにある。
【0081】ここで、ブッシュ本体31は前記第1の実
施の形態で述べたブッシュ本体21とほぼ同様に構成さ
れ、内周側には連結ピン15が挿嵌されるピン穴31A
が形成されている。しかし、ブッシュ本体31は空孔3
2の比率が内周側で4〜15体積%程度となり、外周側
では空孔率が30体積%程度まで漸次増加する構成とな
っている。
【0082】この場合、ブッシュ本体31の空孔率は内
周側から外周側に向け径方向で徐々に変化させる構成と
してもよく、これ以外に、例えばブッシュ本体31の径
方向中間位置を境にして大きく変化させ構成としてもよ
く、それぞれの場合に必要に応じて成形方法を選択す
る。そして、多孔質構造の空孔32は互いに連通する構
成とするのがよく、これらの空孔32内には、第1の実
施の形態と同様に4〜7フッ化環状エーテルからなる充
填材23を均一に含浸させる。
【0083】かくして、このよう構成される本実施の形
態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を
得ることができるが、特に本実施の形態では、焼結金属
材料からなるブッシュ本体31を、その空孔率が径方向
内側から外側に向けて漸次高くなるように形成でき、各
空孔32に含浸した4〜7フッ化環状エーテルからなる
樹脂製の充填材23が、連結ピン15との摺動によりピ
ン穴31A側に滲み出すように流出するのを抑制でき
る。
【0084】次に、図7は本発明の第3の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、ブッシュ本体
21の空孔22内に含浸させた充填材41を、フッ素系
樹脂材料としての4〜7フッ化環状エーテル42と、潤
滑油43とによって構成したことにある。
【0085】ここで、潤滑油43としては、本出願人が
先に特開平8−105444号公報で提案した、例えば
240cSt〜1500cStの範囲の高い粘度を有す
る潤滑油(出光石油から市販されている出光ダフニスー
パーギヤ360、出光ダフニスーパーギヤ460等)を
採用してもよく、これ以外にも広い粘度範囲に亘る種々
の潤滑油を使用してもよいものである。
【0086】そして、この場合には図5に例示した第2
の工程において、4〜7フッ化環状エーテル42のポリ
マーと潤滑油43とをパーフルオロ溶液等の溶媒で溶液
状に分散させ、これを空孔22内に含浸させた後に乾燥
させることにより、ブッシュ本体21の空孔22内に4
〜7フッ化環状エーテル42と潤滑油43とからなる充
填材41を配置することができる。
【0087】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、ブッシ
ュ本体21の空孔22内に4〜7フッ化環状エーテル4
2と潤滑油43とからなる充填材41を含浸させる構成
としたから、連結ピン15とブッシュ20の摺動面に
は、潤滑油43によって油膜を良好に形成できると共
に、自己潤滑性を有する4〜7フッ化環状エーテル42
によって金属接触の防止作用を発揮させることができ
る。
【0088】そして、4〜7フッ化環状エーテル42と
潤滑油43とからなる充填材41により耐荷重性を向上
させることができ、空孔22内からの潤滑油43の漏れ
出しを低減できる。これにより、一度給脂を行うと、ブ
ッシュ20の内周側から油が流失するのを抑制でき、そ
の後の給脂作業がほとんど不要となり、油圧ショベルの
フロント部7に設けるすべり軸受装置11等のメンテナ
ンス性を確実に高めることができる。
【0089】また、過酷な摺動条件においても金属接触
が起こりにくくなると共に、油の流失がほとんど起こら
なくなったため、特別な給脂作業を不要でき、ブッシュ
20の耐摩耗性を向上でき、摩擦係数の低減化を図るこ
とができる上に、高負荷条件下で使用され、高い摺動面
圧が加わる場合にも無給脂ブッシュとしての寿命を十分
に確保することができる。
【0090】次に、図8は本発明の第4の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、ブッシュ本体
21の空孔22内に含浸させた充填材51をフッ素系樹
脂材料としての4フッ化エチレン樹脂により構成したこ
とにある。
【0091】ここで、ブッシュ本体21の空孔22内に
充填材51を含浸させる場合には、図5に例示した第2
の工程において、4フッ化エチレン樹脂の粒子を、例え
ばキシレンあるいはトルエン系の溶媒に溶解させ、混合
分散状態の溶液とし、空孔率が30体積%以下となった
ブッシュ本体21の各空孔22内に前記溶液を含浸させ
る。
【0092】そして、その後の第3の工程では、これら
を乾燥炉内等で乾燥させることにより前記溶媒を除去
し、これによってブッシュ本体21の各空孔22内に4
フッ化エチレン樹脂からなる充填材51を良好に配置す
ることができる。また、この場合でも、空孔22に対す
る4フッ化エチレン樹脂の含浸率を50体積%以上で、
98体積%以下に設定することができる。
【0093】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、ブッシ
ュ本体21の空孔22内に4フッ化エチレン樹脂からな
る充填材51を含浸させる構成としたから、自己潤滑性
を有する4フッ化エチレン樹脂によって、連結ピン15
とブッシュ20との摺動面における金属接触を防止で
き、両者の摺動面を潤滑状態に保持することができる。
【0094】そして、4フッ化エチレン樹脂からなる充
填材51により耐荷重性を向上させることができ、その
後の給脂作業がほとんど不要となり、油圧ショベルのフ
ロント部7に設けるすべり軸受装置11等のメンテナン
ス性を確実に高めることができる。
【0095】次に、図9は本発明の第5の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、ブッシュ本体
21の空孔22内に含浸させた充填材61を、フッ素系
樹脂材料としての4フッ化エチレン樹脂62と、潤滑油
63とによって構成したことにある。
【0096】ここで、潤滑油63としては、前記第3の
実施の形態で述べた潤滑油43と同様のものでよい。そ
して、この場合には図5に例示した第2の工程におい
て、4フッ化エチレン樹脂62の粒子と潤滑油63と
を、例えばキシレンあるいはトルエン系の溶媒に溶解さ
せ、混合分散状態の溶液とし、空孔率が30体積%以下
となったブッシュ本体21の各空孔22内に前記溶液を
含浸させた後に乾燥させることにより、ブッシュ本体2
1の空孔22内に4フッ化エチレン樹脂62と潤滑油6
3とからなる充填材61を配置することができる。
【0097】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、ブッシ
ュ本体21の空孔22内に4フッ化エチレン樹脂62と
潤滑油63とからなる充填材61を含浸させる構成とし
たから、連結ピン15とブッシュ20の摺動面には、潤
滑油63によって油膜を良好に形成できると共に、自己
潤滑性を有する4フッ化エチレン樹脂62によって金属
接触の防止作用を発揮させることができる。
【0098】そして、4フッ化エチレン樹脂62と潤滑
油63とからなる充填材61により耐荷重性を向上させ
ることができ、空孔22内からの潤滑油63の漏れ出し
を低減できる。これにより、一度給脂を行うと、ブッシ
ュ20の内周側から油が流失するのを抑制でき、その後
の給脂作業がほとんど不要となり、油圧ショベルのフロ
ント部7に設けるすべり軸受装置11等のメンテナンス
性を確実に高めることができる。
【0099】次に、図10は本発明の第6の実施の形態
を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。しかし、本実施の形態の特徴は、ブッシュ7
1の内周側に連結ピン15用のピン穴71Aを穿設する
と共に、その軸方向両端側にはテーパ状に拡開するクラ
ウニング部71B,71Bを形成したことにある。
【0100】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、ブッシ
ュ71の内周側にクラウニング部71Bを設けることに
より、連結ピン15とブッシュ71との片当り(例え
ば、両者間の隙間や連結ピン15の変形などに起因する
もの)現象に対して強度的信頼性を向上させることがで
きる。
【0101】次に、図11は本発明の第7の実施の形態
を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。しかし、本実施の形態の特徴は、ボス部12
とブラケット13,14との隙間内に耐摩耗板81,8
2をそれぞれ配設する構成としたことにある。
【0102】ここで、各耐摩耗板81,82は、例えば
土砂(SiO2 )等と同等のビッカース硬さ(Hv=1
000程度)またはこれ以上の硬度を有した材料により
環状板として形成され、連結ピン15の外周側に挿通し
た状態で、ボス部12の両端とブラケット13,14と
の間にそれぞれ配設されている。
【0103】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、耐摩耗
板81,82を採用したことにより、ボス部12とブラ
ケット13,14との間の隙間内に、Oリング18の外
側から侵入してくる土砂等のダストによりボス部12と
ブラケット13,14との端面が摩耗、損傷されるのを
防止できる。
【0104】そして、土砂等と同等あるいはそれ以上の
硬さを有する耐摩耗板81,82を用いることにより、
侵入してくる土砂等に対するトライボロジ特性(摩擦に
関連した特性)を向上できると共に、ボス部12とブラ
ケット13,14との端面間でのガタの発生等を抑え、
軸受装置としての強度や耐久性を高めることが可能とな
る。
【0105】なお、前記第2の実施の形態では、ブッシ
ュ本体31の空孔32内に4〜7フッ化環状エーテルか
らなる充填材23を含浸させるものとして述べたが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば第3の実施の形
態で述べた充填材41を空孔32内に含浸させてもよ
く、第4,第5の実施の形態で述べた充填材51,61
を空孔32内に含浸させる構成としてもよいものであ
る。
【0106】また、前記第6の実施の形態では、ブッシ
ュ71のブッシュ本体に形成する空孔内に、4〜7フッ
化環状エーテルからなる充填材23を含浸させてもよ
く、これ以外に、例えば第3,第4,第5の実施の形態
で述べた充填材41,51,61を空孔内に含浸させる
構成としてもよいものである。そして、この点について
は、第7の実施の形態についても同様である。
【0107】一方、前記各実施の形態では、すべり軸受
装置11のボス部12内にブッシュ20(71)を設け
た場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るも
のではなく、例えばブラケット13,14と連結ピン1
5との間にブッシュを設ける場合にも適用できるもので
ある。
【0108】また、前記各実施の形態では、油圧ショベ
ルのフロント部7を構成するアーム9とバケット10と
の間に設けたすべり軸受装置11を例に挙げて説明した
が、本発明はこれに限らず、例えば上部旋回体2の旋回
フレーム3とブーム8との間に設けるすべり軸受装置、
ブーム8とアーム9との間に設けるすべり軸受装置等に
適用してもよく、また、ブームシリンダ、アームシリン
ダまたはバケットシリンダの端側に設けるすべり軸受装
置に適用してもよい。
【0109】さらに、本発明は油圧ショベルに限らず、
例えば油圧クレーン等の各種の建設機械に設けるすべり
軸受装置にも適用でき、建設機械以外の用途であって
も、高荷重下で低速駆動される連結ピンを回動可能に支
持するためのブッシュには好適に使用できるものであ
る。
【0110】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、ブッシュ本体を焼結金属材料から多孔質の
筒状体として形成し、ブッシュ本体の空孔内にはフッ素
系樹脂材料からなる充填材を充填させる構成としたか
ら、すべり軸受用のブッシュを安価な製造コストで製作
でき、その摺動特性は高粘度の潤滑油を予め含浸させた
従来技術の無給脂ブッシュと同等以上の低摩擦特性を発
揮できると共に、さらに高い面圧にも耐えることがで
き、低速・高荷重運転でも十分な耐久性をもった無給脂
ブッシュとして使用することができる。
【0111】また、請求項2に記載の発明では、ブッシ
ュ本体の各空孔内にフッ素系樹脂材料と潤滑油とからな
る充填材を配置する構成としたから、連結ピンとブッシ
ュとの摺動面には、フッ素系樹脂材料と潤滑油とからな
る充填材によって薄い油膜を形成でき、この油膜が連結
ピンとブッシュとの摺動界面となって金属接触を防止す
ることができる。そして、仮に前記油膜が破れるような
ことがあってもフッ素系樹脂材料の自己潤滑性によって
金属接触を防止し続けることができると共に、空孔内の
潤滑油が摺動面側ヘと流出するのをフッ素系樹脂材料に
より抑えることができる。
【0112】また、請求項3に記載の発明では、240
〜1500cStの粘度を有する潤滑油を使用すること
により、連結ピンとブッシュとの摺動面に良好な油膜を
形成でき、連結ピンとブッシュとの金属接触を防止する
ことができる。
【0113】また、請求項4に記載の発明では、鉄系粉
末冶金製の焼結金属材料からなるブッシュ本体の内周側
に、空孔を4〜30体積%の比率で形成する構成として
いるから、焼結金属材料からなるブッシュ本体の空孔率
を低くして高い材料強度を確保できる上に、フッ素系樹
脂材料(潤滑油を含んでもよい)を空孔内に良好に含浸
させることができ、無給脂軸受としての寿命を確実に延
ばすことができる。
【0114】また、請求項5の発明では、ブッシュ本体
の内周側から外周側に向けて空孔の比率を漸次増加さ
せ、内周側では4〜15体積%の比率とし、外周側では
30体積%以下の比率をもって空孔を形成する構成とし
たから、焼結金属材料からなるブッシュ本体の空孔率を
径方向内側から外側に向けて漸次高くするように形成で
き、空孔内に含浸させたフッ素系樹脂材料(潤滑油を含
んでもよい)が連結ピンとの摺動面に滲み出すのを少な
く制御することができる。
【0115】また、請求項6に記載の発明では、ブッシ
ュ本体の空孔内に充填材を50〜98体積%の比率で含
浸させる構成としているから、各空孔内には高い密度を
もってフッ素系樹脂材料(潤滑油を含んでもよい)を充
填することができる。
【0116】また、請求項7の発明では、フッ素系樹脂
材料として4〜7フッ化環状エーテルを用いる構成とし
ているから、例えば空孔の比率(割合)が30体積%以
下であるブッシュ本体の空孔内にも4〜7フッ化環状エ
ーテルまたは4〜7フッ化環状エーテルと潤滑油とを確
実に含浸させることができる。そして、熱硬化性樹脂で
ある4〜7フッ化環状エーテルの溶液が樹脂として固化
する反応時に、その末端にCF=O基を備えることによ
って他の物質との密着性が良くなるため、4〜7フッ化
環状エーテルが空孔内に一旦入り込んだ後には、空孔か
ら再流出する割合を低く保つことができ、ブッシュ本体
の空孔率が30体積%以下であっても、4〜7フッ化環
状エーテルを空孔内に均一に含浸させることができる。
【0117】従って、フッ素系樹脂材料としての4〜7
フッ化環状エーテル(4〜7フッ化環状エーテルと潤滑
油)の自己潤滑性により、ブッシュの耐摩耗性を向上で
き、摩擦係数の低減化を図ることができる上に、高負荷
条件下で使用され、高い摺動面圧が加わる場合にも無給
脂ブッシュとしての寿命を十分に確保することができ
る。
【0118】また、請求項8に記載の発明では、フッ素
系樹脂材料として4フッ化エチレン樹脂を用いる構成と
しているから、ブッシュ本体の空孔率が30体積%以下
と低い場合であっても、その空孔内に4フッ化エチレン
樹脂を充填でき、空孔から再流出する割合を低く保つこ
とができる。そして、4フッ化エチレン樹脂(4フッ化
エチレン樹脂と潤滑油)の自己潤滑性により、ブッシュ
の耐摩耗性を向上でき、摩擦係数の低減化を図ることが
できる上に、高負荷条件下で使用され、高い摺動面圧が
加わる場合にも無給脂ブッシュとしての寿命を十分に確
保することができる。
【0119】一方、請求項9に記載の発明では、建設機
械用すべり軸受装置に適用するブッシュをブッシュ本体
とフッ素系樹脂材料からなる充填材とにより構成してい
るから、組立時等に一度給脂を行うと、軸受部から油が
流失することがなくなって、その後の給脂が殆ど必要が
なくなり、例えば油圧ショベルのフロント部等に設ける
すべり軸受装置のメンテナンス作業を容易に行うことが
できる。そして、耐摩耗性や低摩擦係数を必要とする建
設機械用の軸受装置として好適に使用でき、高い荷重条
件下で低速駆動される連結ピンを長期間に亘って無給脂
で回動可能に支持することができる。
【0120】また、請求項10に記載の発明では、建設
機械用すべり軸受装置に適用するブッシュ本体の空孔内
にフッ素系樹脂材料と潤滑油とからなる充填材を配置す
る構成としているから、潤滑油と共にフッ素系樹脂材料
の自己潤滑性により、ブッシュの耐摩耗性を向上でき、
摩擦係数の低減化を図ることができる上に、高負荷条件
下で使用され、高い摺動面圧が加わる場合にも無給脂ブ
ッシュを用いたすべり軸受装置としての寿命を十分に確
保することができる。
【0121】さらに、請求項11に記載の発明では、ボ
ス部とブラケットとの間を連結ピンとブッシュとにより
回動可能に連結でき、高い摺動面圧が加わる場合にも無
給脂ブッシュを用いたすべり軸受装置としての寿命を十
分に延ばすことができる。
【0122】一方、請求項12に記載の発明では、筒状
のブッシュ本体を鉄系粉末冶金製の焼結金属材料により
形成した後に、ブッシュ本体の各空孔内に少なくともフ
ッ素系樹脂材料からなる充填材を溶媒と共に充填し、そ
の後に各空孔内で充填材を乾燥させることにより溶媒を
各空孔内から除去するようにしているから、焼結金属材
の空孔内に高分子樹脂、特に流動性の悪いフッ素系樹脂
材料を液状あるいは固形状で配置することが可能とな
り、耐荷重性能を向上できると共に、液状化した樹脂や
油分の漏れ出しを確実に抑えることができる。
【0123】そして、請求項13に記載の発明では、ブ
ッシュ本体の内周側に空孔を4〜30体積%の比率で形
成し、乾燥工程後には空孔に対する充填材の含浸率を5
0〜98体積%の比率としているから、ブッシュ本体の
強度を確保できると共に、各空孔内には高い密度をもっ
てフッ素系樹脂材料(潤滑油を含んでもよい)を充填す
ることができる。
【0124】また、請求項14に記載の発明では、充填
材としてフッ素系樹脂材料と潤滑油とを用いるようにし
ているから、潤滑油と共にフッ素系樹脂材料の自己潤滑
性により、ブッシュの耐摩耗性を向上でき、摩擦係数の
低減化を図ることができる。
【0125】また、請求項15に記載の発明では、4〜
7フッ化環状エーテルをパーフルオロ溶液等の溶媒を用
いて溶解させることにより、4〜7フッ化環状エーテル
の溶液を形成し、空孔率が30体積%以下であるブッシ
ュ本体の各空孔内に前記溶液(前記溶液と潤滑油)を含
浸させた後に、これらを乾燥させて前記溶媒を除去する
ことができ、これによってブッシュ本体の各空孔内に4
〜7フッ化環状エーテル(4〜7フッ化環状エーテルと
潤滑油)を良好に配置することができる。そして、空孔
に対する4〜7フッ化環状エーテル(4〜7フッ化環状
エーテルと潤滑油)の含浸率を50体積%以上で、98
体積%以下に設定することができる。
【0126】さらに、請求項16に記載の発明では、4
フッ化エチレン樹脂の粒子を溶媒に溶解させて混合分散
状態の溶液とし、空孔率が30体積%以下となったブッ
シュ本体の各空孔内に前記溶液(前記溶液と潤滑油)を
含浸させた後に、これらを乾燥させて前記溶媒を除去す
ることができ、これによってブッシュ本体の各空孔内に
4フッ化エチレン樹脂(4フッ化エチレン樹脂と潤滑
油)を良好に配置することができる。そして、空孔に対
する4フッ化エチレン樹脂(4フッ化エチレン樹脂と潤
滑油)の含浸率を50体積%以上で、98体積%以下に
設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるすべり軸受装
置が適用された油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中のすべり軸受装置を拡大して示す縦断面
図である。
【図3】図2中に示すブッシュの組織構造図である。
【図4】第1の実施の形態によるブッシュの摺動試験デ
ータを示す特性線図である。
【図5】ブッシュの製造工程を示す工程説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるブッシュの一
部を拡大して示す横断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態によるブッシュの組
織構造図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態によるブッシュの組
織構造図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態によるブッシュの組
織構造図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態によるすべり軸受
装置を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態によるすべり軸受
装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 7 フロント部 9 アーム 10 バケット 11 すべり軸受装置 12 ボス部 13,14 ブラケット 15 連結ピン 20,71 ブッシュ 21,31 ブッシュ本体 22,32 空孔 23,41,51,61 充填材 24 鉄材 25 銅材 42 4〜7フッ化環状エーテル 43,63 潤滑油 62 4フッ化エチレン樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 学 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 波多野 和好 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高荷重下で低速駆動される連結ピンを回
    動可能に支持するためのブッシュであって、焼結金属材
    料により筒状体として形成され、少なくとも内周面側に
    多数の空孔を有したブッシュ本体と、前記ブッシュ本体
    の各空孔内に充填されたフッ素系樹脂材料からなる充填
    材とにより構成してなるブッシュ。
  2. 【請求項2】 高荷重下で低速駆動される連結ピンを回
    動可能に支持するためのブッシュであって、焼結金属材
    料により筒状体として形成され、少なくとも内周面側に
    多数の空孔を有したブッシュ本体と、前記ブッシュ本体
    の各空孔内に充填されたフッ素系樹脂材料と潤滑油とか
    らなる充填材とにより構成してなるブッシュ。
  3. 【請求項3】 前記潤滑油は240〜1500cStの
    範囲の粘度を有してなる請求項2に記載のブッシュ。
  4. 【請求項4】 前記ブッシュ本体は、鉄系粉末冶金製の
    焼結金属材料からなり、その内周側には前記空孔を4〜
    30体積%の比率で形成してなる請求項1,2または3
    に記載のブッシュ。
  5. 【請求項5】 前記ブッシュ本体は内周側から外周側に
    向けて前記空孔の比率を漸次増加させ、内周側では4〜
    15体積%の比率とし、外周側では30体積%以下の比
    率をもって前記空孔を形成してなる請求項1,2,3ま
    たは4に記載のブッシュ。
  6. 【請求項6】 前記充填材はブッシュ本体の空孔内に5
    0〜98体積%の比率をもって含浸させる構成としてな
    る請求項1,2,3,4または5に記載のブッシュ。
  7. 【請求項7】 前記フッ素系樹脂材料は4〜7フッ化環
    状エーテルからなる請求項1,2,3,4,5または6
    に記載のブッシュ。
  8. 【請求項8】 前記フッ素系樹脂材料は4フッ化エチレ
    ン樹脂からなる請求項1,2,3,4,5または6に記
    載のブッシュ。
  9. 【請求項9】 建設機械のフロント部を構成する少なく
    とも2部材間に設けられ、前記2部材を回動可能に連結
    する連結ピンと、前記連結ピンを回動可能に支持するた
    め前記2部材のうち少なくとも一方の部材に設けられ、
    内周側が前記連結ピン用のピン穴となった筒状のブッシ
    ュとからなる建設機械用すべり軸受装置において、 前記ブッシュは、焼結金属材料により筒状体として形成
    され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有したブッシ
    ュ本体と、前記ブッシュ本体の空孔内に充填されたフッ
    素系樹脂材料からなる充填材とによって構成したことを
    特徴とする建設機械用すべり軸受装置。
  10. 【請求項10】 建設機械のフロント部を構成する少な
    くとも2部材間に設けられ、前記2部材を回動可能に連
    結する連結ピンと、前記連結ピンを回動可能に支持する
    ため前記2部材のうち少なくとも一方の部材に設けら
    れ、内周側が前記連結ピン用のピン穴となった筒状のブ
    ッシュとからなる建設機械用すべり軸受装置において、 前記ブッシュは、焼結金属材料により筒状体として形成
    され、少なくとも内周面側に多数の空孔を有したブッシ
    ュ本体と、前記ブッシュ本体の空孔内に充填されたフッ
    素系樹脂材料と潤滑油とからなる充填材とによって構成
    したことを特徴とする建設機械用すべり軸受装置。
  11. 【請求項11】 前記建設機械のフロント部を構成する
    2部材のうち一方の部材には、内周側に前記ブッシュが
    嵌着される筒状のボス部を設け、他方の部材には前記ボ
    ス部の左,右両側に位置し、前記連結ピンによりボス部
    に対して回動可能に連結される左,右のブラケットを設
    ける構成としてなる請求項9または10に記載の建設機
    械用すべり軸受装置。
  12. 【請求項12】 高荷重下で低速駆動される連結ピンを
    回動可能に支持するために用いるブッシュの製造方法で
    あって、 少なくとも内周面側に多数の空孔を有した筒状のブッシ
    ュ本体を鉄系粉末冶金製の焼結金属材料により形成する
    ブッシュ本体の形成工程と、 前記ブッシュ本体の各空孔内に少なくともフッ素系樹脂
    材料からなる充填材を溶媒と共に充填する充填工程と、 前記各空孔内で充填材を乾燥させ、前記溶媒を各空孔内
    から除去する乾燥工程とからなるブッシュの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ブッシュ本体の内周側には前記空
    孔を4〜30体積%の比率で形成し、前記乾燥工程後に
    は空孔に対する前記充填材の含浸率を50〜98体積%
    の比率としてなる請求項12に記載のブッシュの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記充填材はフッ素系樹脂材料と潤滑
    油とからなる請求項12または13に記載のブッシュ。
  15. 【請求項15】 前記フッ素系樹脂材料は4〜7フッ化
    環状エーテルからなり、前記充填工程では4〜7フッ化
    環状エーテルのポリマーをパーフルオロ溶液により溶解
    した液体として前記各空孔内に充填してなる請求項1
    2,13または14に記載のブッシュの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記フッ素系樹脂材料は4フッ化エチ
    レン樹脂からなり、前記充填工程では4フッ化エチレン
    樹脂の粒子を溶媒により混合分散させた溶液として前記
    各空孔内に充填してなる請求項12,13または14に
    記載のブッシュの製造方法。
JP10164285A 1998-05-28 1998-05-28 ブッシュ、建設機械用すべり軸受装置及びブッシュの製造方法 Pending JPH11336763A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100072389A (ko) * 2008-12-22 2010-07-01 두산인프라코어 주식회사 휠타입 중장비의 축 지지구조
JP2013079628A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Hitachi Appliances Inc 密閉型冷媒圧縮機及びこれに用いる軸受部材
JP2016108600A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 大同メタル工業株式会社 摺動部材
WO2021217093A1 (en) * 2020-04-24 2021-10-28 The Trustees Of The Stevens Institute Of Technology Anti-corrosive oil-impregnated nanoporous oxide coating for stainless steel
CN115570130A (zh) * 2022-11-23 2023-01-06 深州市工程塑料有限公司 复合材料衬套及其制备工艺

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