JP2007085363A - 軸受およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い強度を有し、容易に製造することができる多孔質の軸受とその製造方法を提供する。
【解決手段】焼結合金部30と裏金部40とを有するブッシュ16の製造方法において、まず、鉄系材料から成る板状の裏金部40の表面上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して焼結合金部30を成形するとともに、この焼結合金部30と裏金部40とを二層構造を有する板状の軸受材料に成形する。次に、二層構造に成形した板状のこの軸受材料を巻いて円筒状に成形する。
【選択図】 図3
【解決手段】焼結合金部30と裏金部40とを有するブッシュ16の製造方法において、まず、鉄系材料から成る板状の裏金部40の表面上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して焼結合金部30を成形するとともに、この焼結合金部30と裏金部40とを二層構造を有する板状の軸受材料に成形する。次に、二層構造に成形した板状のこの軸受材料を巻いて円筒状に成形する。
【選択図】 図3
Description
本発明は焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受およびその製造方法に関する。
建設機械、土木機械、搬送機械、扛重機械、工作機械、自動車等に代表される各種機械にはすべり軸受組立体が用いられる場合がある。すべり軸受組立体はすべり軸受と軸とを有しており、この軸はすべり軸受に挿通されて周方向に回転摺動できるように支持される。
例えば、油圧ショベルの掘削装置には、旋回体に連結されたブームと、このブームの先端に連結されたアームと、このアームの先端に連結されたバケットが備えられている。一般に、これらブーム、アーム、バケットの連結部分にもすべり軸受組立体が用いられている。作業時には、これらがすべり軸受組立体内の軸を中心として操作者の操作に応じて適宜回動され、掘削などが行われる。このような箇所に用いられるすべり軸受は、例えば、回転機械の駆動軸のように軸が比較的高速で回軸する箇所に使用されるものに比べ、比較的低速で摺動されるとともに高い面圧がかかる環境下で使用される。このため、軸受にはこのような環境に対応した特性を有することが求められる。
このような場面で用いられるすべり軸受の一例としては、鉄系焼結合金によって多孔質ブッシュを形成し、これに潤滑油を含浸させることにより、低速・高面圧の環境下でも長期(例えば数年間以上)に渡って無給脂での運用を可能にしたものがある。また、このような軸受を改良したものとして、熱処理加工を施すなどして高強度加工した円筒状の裏金を用意し、この裏金の内径面に鉄系焼結合金の外径面が内接するように配置して接合させた軸受がある。後者の軸受は前者の軸受が有する特徴に高強度性を加えたものであり、この種の技術は例えば特開2003−342700号公報などに記載されている。
上記特開2003−342700号公報記載のブッシュは、まず、裏金部と焼結合金部をそれぞれ円筒状に成形し、その後に円筒状に成形した裏金部の空洞部分に同じく円筒状の焼結合金部を挿入して接合することにより製造されている。このため、このブッシュの製造には、径が異なる2種類の円筒を精度良く製造する手順と、さらにそれらを組み合わせて接合する手順などが必要である。しかし、これらの手順は製造手順や加工方法を複雑化していた。
本発明の目的は、高い強度を有し、容易に製造することができる多孔質の軸受とその製造方法を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受の製造方法において、金属材料から成る板状の裏金の上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して板状の多孔質焼結合金を成形するとともに前記多孔質焼結合金と前記裏金とを二層構造から成る軸受材料に成形する手順と、二層構造に成形した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順と、浸炭、窒化、浸硫窒化処理法のいずれかによって円筒状に成形した軸受材料の表面改質を行う手順とを有するものとする。
このように、板状の裏金の上部に多孔質焼結合金を成形して、多孔質焼結合金と裏金との二層構造から成る板状の軸受材料を成形した後に、この軸受材料を巻いて円筒状に成形して軸受を製造することにより、複雑な製造手順や加工方法を簡略化することができる。これによって、高強度な二層構造の軸受を容易に製造することができる。また、軸受形状を形成した後に浸炭処理法などの表面改質処理を実施することにより、さらに高強度な軸受を容易に製造することができる。
(2)上記(1)は、好ましくは、更に、前記多孔質焼結合金の層の気孔に潤滑油を含浸させる手順を有するものとする。
このように多孔質焼結合金の層の気孔に潤滑油を含浸させることにより、低速・高面圧の環境下でも長期に渡って無給脂での運用ができる軸受を製造することができる。
(3)また、本発明は、上記目的を達成するために、焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受の製造方法において、銅及び鉄を含む金属粉末を焼結し板状の多孔質焼結合金を成形する手順と、前記多孔質焼結合金と金属材料から成る板状の裏金とを重ねて軸受材料を二層構造に成形する手順と、二層構造に形成した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順とを有するものとする。
(4)さらにまた、本発明は、上記目的を達成するために、焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受において、金属材料から成る板状の裏金の上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して板状の多孔質焼結合金を成形するとともに前記多孔質焼結合金と前記裏金とを二層構造から成る軸受材料に成形する手順と、二層構造に成形した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順と、浸炭、窒化、浸硫窒化処理法のいずれかによって円筒状に成形した軸受材料の表面改質を行う手順とにより製造されるものとする。
(5)上記(4)において、好ましくは、更に、前記多孔質焼結合金の層の気孔に潤滑油を含浸させる手順により製造されるものとする。
本発明によれば、焼結合金の層と裏金の層とを接合した後に円筒状に成形して軸受を製造することにより、高い強度を有する多孔質の軸受を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の軸受を備えた機械の一例である油圧ショベルの側面図である。
図1に示す油圧ショベルは、下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2上の一方側(図1中左側)に設けられた運転室3と、上部旋回体2上の他方側(図1中右側)に設けられたエンジン室4と、上部旋回体2上の運転室3側に設けられたフロント作業機5とを備えている。
図1に示す油圧ショベルは、下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2上の一方側(図1中左側)に設けられた運転室3と、上部旋回体2上の他方側(図1中右側)に設けられたエンジン室4と、上部旋回体2上の運転室3側に設けられたフロント作業機5とを備えている。
フロント作業機5は、上部旋回体2に俯仰動可能に設けられたブーム6と、このブーム6を俯仰動させるためのブーム用油圧シリンダ7と、ブーム6の先端に回動可能に設けられたアーム8と、このアーム8を回動させるためのアーム用油圧シリンダ9と、アーム8の先端に回動可能に設けられたバケット10と、このバケット10を回動させるためのバケット用油圧シリンダ11とを備えている。
ブーム6、アーム8、バケット10、及び各油圧シリンダ7,9,11は、軸受組立体12によって相互に回動可能に連結されている。フロント作業機5に用いられる各軸受組立体は設置箇所に応じて大きさや形状等が異なるが、基本的な構成はほぼ同様となっている。
図2は本発明の軸受を備えた軸受組立体の一構成例の断面図である。
図2において、軸受組立体12は、ボス15と、このボス15の内部に嵌着された円筒状のブッシュ(軸受)16と、ブッシュ16の両側面に配設された遮油部材17と、この遮油部材17をブッシュ16に向かって当接させるようにボス15内のブッシュ16の両側に圧入されたダストシール18と、ボス15の両側に配置されたブラケット19と、このブラケット19とボス15との隙間にそれぞれ設けられたシム20と、ブラケット19とボス15との隙間の外周側にそれぞれ装着されたO−リング21と、ブラケット19及びブッシュ16を貫通して挿入され、ブッシュ16と摺動可能に設けられている軸22と、回転係止ボルト23とを備えている。
図2において、軸受組立体12は、ボス15と、このボス15の内部に嵌着された円筒状のブッシュ(軸受)16と、ブッシュ16の両側面に配設された遮油部材17と、この遮油部材17をブッシュ16に向かって当接させるようにボス15内のブッシュ16の両側に圧入されたダストシール18と、ボス15の両側に配置されたブラケット19と、このブラケット19とボス15との隙間にそれぞれ設けられたシム20と、ブラケット19とボス15との隙間の外周側にそれぞれ装着されたO−リング21と、ブラケット19及びブッシュ16を貫通して挿入され、ブッシュ16と摺動可能に設けられている軸22と、回転係止ボルト23とを備えている。
軸22は鉄鋼材から成っており、まず、浸炭、窒化及び高周波焼入れをした後、その外表面を化成(例えば、りん酸亜鉛、りん酸マンガンなど)、拡散メッキをはじめとする各種メッキ処理、または浸硫処理法などにより表面改質処理を施すことが好ましい。回転係止ボルト23は、軸22及びブラケット19を貫通して設けられており、軸22とブラケット19とを回転不能にしている。また、ボス15及びブッシュ16は例えば焼ばめ又は冷却ばめ等の収縮ばめによって相互に嵌着固定されている。
図3は図2で示した軸受組立体における本発明の軸受の軸との界面付近を拡大・模式化して示す部分断面図である。
図3において、ブッシュ16は、軸22との界面側(ブッシュの内周側)に位置する焼結合金部30と、その外周側に位置する裏金部40とを有している。これらは互いに接合されており二層構造を成している。焼結合金部30は互いに連通した多数の気孔31を有しており、この気孔31には潤滑油32が含浸されている。
図3において、ブッシュ16は、軸22との界面側(ブッシュの内周側)に位置する焼結合金部30と、その外周側に位置する裏金部40とを有している。これらは互いに接合されており二層構造を成している。焼結合金部30は互いに連通した多数の気孔31を有しており、この気孔31には潤滑油32が含浸されている。
焼結合金部30は、10重量%以上の銅粉と、鉄粉と、その他の微量元素とを焼結することによって形成した多孔質複合焼結合金から成っている。また、この焼結合金部30の摺動面には、浸炭、窒化又は浸硫処理法などにより表面改質が施されており、これにより形成される硬化層がブッシュ16の機械的強度を向上させている。なお、この硬化層の厚さの目安としては1〜8mm程度、好ましくは2mm程度が良い。
気孔31の気孔率は5〜30%程度であることが好ましい。これは、気孔率が5%未満である場合には潤滑油の含浸量が不充分となり、無給脂軸受として充分に機能しない可能性があるためである。一方、気孔率が30%を超える場合には、ブッシュ16自身の機械的強度が低下するためである。
また、本実施の形態では気孔31に含浸された潤滑油32は460cStの粘度を有している。この潤滑油の粘度は56〜1500cStの範囲内であることが好ましい。これは、粘度が56cSt未満では潤滑油の流動性が高すぎるため、潤滑油を気孔31内に留めさせておくことが困難になり、使用中に“かじり現象”などが発生する恐れがあるからであり、他方、粘度が1500cStを超えると潤滑油の流動性が低下するために、摩擦熱によって軸との摺動部に滲み出た潤滑油が再び気孔31内に戻るための毛細管現象が起こりにくくなり、長期的に安定した摺動特性を維持できなくなる恐れがあるからである。なお、この潤滑油としては、鉱物油あるいは合成油等、一般に市販されている組成の潤滑油は全て使用でき、粘度が上記範囲内のものであればその組成自体は特に限定されるものではない。ただし、グリースは繊維を含有しているために気孔31に含浸させることができないので除外される。
裏金部40は鉄系材料から成っている。この裏金部40も、焼結合金部30の摺動面同様に、浸炭、窒化又は浸硫処理法などにより表面改質が施されており、ブッシュ16の機械的強度を更に向上させている。この硬化層の厚さの目安は1〜3mm程度、好ましくは2mm程度が良い。
上記のように構成される軸受は、焼結合金部30と軸22とが相対摺動すると、その際に発生する摩擦熱によって、焼結合金部30の気孔31内に含浸されている高粘度の潤滑油32が焼結合金部30の内周面上に表出して薄い油膜33を形成する。この潤滑油31からなる油膜33がブッシュ16と軸22との間の摺動界面となることにより、優れたトライボロジ特性が得られる。気孔31内に含浸された潤滑油32は流動性が極めて低いので、ブッシュ16と軸22が相対的な摺動を繰り返しても流失することが殆どない。その結果、油膜33は極めて長期(例えば数年)に渡って安定的に供給され続ける。このような微視的な“油だまり”(油膜33)の存在は、駆動する軸22とブッシュ16との間に発生するいわゆる“かじり現象”が両者間のミクロな金属接触によって発生することを防止する。
また、鉄系焼結合金のみによって構成される含油焼結合金軸受はどうしても強度不足が問題とされていたが、本実施の形態のブッシュ16は、焼結合金部30の外周側に表面改質処理を施した裏金部40を有しているので、軸受の強度が補強されて、鉄系焼結合金のみから成る軸受において散見された軸受の破壊を防止することができる。さらに、ブッシュ16は裏金部40と焼結合金部30との二層構造になっているので、鉄系焼結合金のみで構成した場合よりも、軸受全体の弾性率は向上する。これにより軸受の弾性変形量を低減させることができ、軸受の耐フレッティング特性が向上して異音の発生を抑制することができる。また、摺動時の摺動面には油膜33が前述のように形成されるので、摺動面の摩擦係数が低減することも異音低減に大きく寄与する。また、摩擦係数を低下させ、摺動面の温度上昇や摩耗を抑えることができることも大きなメリットである。
なお、上記の説明においては、ブッシュ16を構成する複合焼結合金の材料は主に銅粉及び鉄粉から生成されるように説明してきたが、これらに例えば炭素やニッケル等が含まれる場合もある。また、主となる金属粉は上記説明のように銅粉及び鉄粉のみに限られるものではなく、この他の素材から形成しても良い。
また、本実施の形態では焼結合金部30の気孔31内に含浸させる潤滑油32に、例えばMoS2(二硫化モリブデン)や、カーボン粒子等からなる粒径0.5〜50μm程度の多孔質粒子を含有させてもよい。この多孔質粒子は多数の気孔を有するとともに層状構造からなっているので、それらの層が滑ることで自己潤滑特性を発揮し、寒冷地において本発明の軸受を使用する際にもその効果を発揮する。
次に、上記のように構成される軸受の製造方法について説明する。
まず、鉄系材料から成る裏金を用意する。この裏金の材料には例えば浸炭鋼であるSCM材などを用いることが好ましい。また、この裏金はブッシュ16の外周側の層である裏金部40を形成するものであり、これを円筒状に巻くとブッシュの外形となるように成形されている。次に、このような裏金の上面に、主に銅粉と鉄粉から成り、これらが均一に混合された粉末を散布して、これを裏金と同様の板状に成形する。ここで用いる粉末中の銅は少なくとも3重量%以上とし、好ましくは10重量%以上とすると良い。
このように成形した粉末と裏金を還元炉などに入れ、約800度の雰囲気で上記の粉末を焼結させて、裏金上に多孔質複合焼結合金を生成する。これはブッシュ16の内周側の層である焼結合金層30を形成するものである。なお、この手順における焼結は1次焼結を指し、生成後の焼結合金の気孔率が5〜30%の範囲になるように積極的に気孔を残留させるように焼結させる。次いで、この多孔質複合焼結合金を裏金に拡散接合などによって接合させて、二層構造から成る板状の軸受材料を得る。
このように二層構造に成形された軸受材料をプレス等により巻いて曲げ加工し、軸受として最適の形状である円筒状に加工することにより、ブッシュの概形を成形する。その後、このブッシュに対して浸炭処理法を施し表面改質を行う。この処理は、焼結合金部30及び裏金部40の両者を対象とするものであり、これによりそれぞれの表面硬度が向上し、焼結合金部30における軸22との摺動面は耐摩耗化され、裏金部40は強度が補強される。なお、この表面改質処理は浸炭処理法に限られず、この他に例えば、窒化、浸硫窒化処理法などの表面硬度を向上させる処理であれば良い。また、この処理の後、必要であれば機械加工やプレスなどによって寸法精度を上げても良い。
そして最後に、焼結合金部30内の気孔31に高粘度潤滑油を含浸させて、最終形状のブッシュ16とする。この含浸処理は以下のように行う。まず、潤滑油を加熱して液状化させて低粘度化する。この液状化した潤滑油内にブッシュを浸漬し、真空雰囲気下で静置する。これにより、ブッシュの気孔内の空気が気孔外へ吸い出される一方で、液状化した潤滑油がブッシュの気孔内に吸引される。潤滑油を吸引したブッシュを空気中に取り出して室温にまで放冷すると、液状化した潤滑油はブッシュの気孔内で再び元の高粘度潤滑油に戻り流動性を失う。これにより、高粘度潤滑油をブッシュの気孔内に留めておくことができる。なお、粘度に応じて加熱温度は変化するので高粘度潤滑油の加熱温度は特に限定されず、潤滑油が液状化するまで加熱すればよい。また、液状化した潤滑油へのブッシュの浸漬時間および真空度も特に限定されない。これは、浸漬時間および真空度も、使用する潤滑油の粘度により左右されるからである。ここで重要なことは、ブッシュの気孔が潤滑油で飽和されるまで、ブッシュを液状化した潤滑油内に浸漬させておくことである。例えば、粘度が460cStの潤滑油を60〜80℃になるまで加熱し、2×10−2mmHgの真空下で、ブッシュをこの潤滑油に浸漬させる場合、約1時間でブッシュの気孔が潤滑油で飽和される。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
特開2003−342700号公報等に記載のブッシュは、裏金の層と焼結合金の層とを有する二層構造の円筒状から成る軸受を製造するために、まず径の異なる大小2種類の円筒を作成しておき、裏金部を形成する径の大きい円筒の空洞部分に、焼結合金部を形成する径の小さい円筒を挿入するという方法をとっている。つまり、これら円筒の径の寸法は、裏金部の円筒の空洞部分に焼結合金部の円筒の外側面がほぼ接するように、裏金部の内径と焼結合金部の外径がほぼ等しくなるように決められている。このような方法によって軸受を製造する場合、裏金部の内径に応じた外径を有する焼結合金部を製造しなければならず、径が異なる2種類の円筒を非常に精度良く製造する必要が生じる。また、裏金部の円筒内に焼結合金部の円筒を挿入して組み合わせる手順や、それらを互いに接合する手順なども必要である。つまり、円筒状に成形した部品を組み合わせて軸受を製造する上記の方法は、以上のように製造手順や加工方法を複雑化させていた。
このような製造方法に対して、本実施の形態は、はじめに裏金部及び焼結合金部の二層構造を有する板状の軸受材料を製造しておき、その後にこの軸受材料を円筒状に巻くという方法を採用している。これにより、製造が容易な二層構造の板状の軸受材料を巻くだけで円筒状の軸受を製造することができるので、精度の良い2種類の円筒を作成する必要がなくなり、二層構造を有する軸受を容易に製造することができる。
また、本実施の形態は、円筒状に成形した軸受の裏金部と焼結合金部の両者を対象にして、一度に浸炭、窒化、浸硫窒化処理法などの表面改質処理を施している。これにより、それぞれ別々に表面改質処理を行って軸受の強度を向上させる方法と比較して、製造手順を簡略化することができ、さらに容易に高強度な二層構造を有する軸受を製造することができる。
またさらに、軸受の形状を形成した後に、潤滑剤を焼結合金部内の気孔に含浸する手順を加えることで、長期に渡って無給脂での運用が可能な軸受とすることも可能である。
なお、以上の説明においては、焼結合金部の製造方法について、裏金の上面に銅粉と鉄粉を散布して成形した後に還元炉に入れて裏金の上部に焼結合金を生成するように説明したが、焼結合金の生成方法はこれに限られるものではない。例えば、あらかじめ板状の裏金と板状の焼結合金をそれぞれ幅と長さの寸法を等しくして別々に製造しておき、その後に、これらを接合して二層構造から成る板状の軸受材料を得ても良い。すなわち、二層構造から成る板状の軸受材料を作成した後に、これを円筒状に巻いて軸受を製造する手順を経る製造方法であれば、焼結合金部の製造方法によらず、二層構造を有する軸受を容易に製造することができるという効果が得られる。
また、以上の説明においては、軸受の裏金部と焼結合金部の両者に浸炭等の表面改質処理を施して軸受の強度を向上するように説明したが、少なくとも裏金部に硬化層を形成することができれば、低速・高面圧下で用いる軸受に適した強度を有するものを製造することができる。
12 軸受組立体
16 ブッシュ
22 軸
23 回転係止ボルト
30 焼結合金部
31 気孔
32 潤滑油
33 油膜
40 裏金部
16 ブッシュ
22 軸
23 回転係止ボルト
30 焼結合金部
31 気孔
32 潤滑油
33 油膜
40 裏金部
Claims (5)
- 焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受の製造方法において、
金属材料から成る板状の裏金の上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して板状の多孔質焼結合金を成形するとともに前記多孔質焼結合金と前記裏金とを二層構造から成る軸受材料に成形する手順と、
二層構造に成形した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順と、
浸炭、窒化、浸硫窒化処理法のいずれかによって円筒状に成形した軸受材料の表面改質を行う手順とを有することを特徴とする軸受の製造方法。 - 請求項1記載の軸受の製造方法は、更に、前記多孔質焼結合金の層の気孔に潤滑油を含浸させる手順を有することを特徴とする軸受の製造方法。
- 焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受の製造方法において、
銅及び鉄を含む金属粉末を焼結し板状の多孔質焼結合金を成形する手順と、
前記多孔質焼結合金と金属材料から成る板状の裏金とを重ねて軸受材料を二層構造に成形する手順と、
二層構造に形成した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順とを有することを特徴とする軸受の製造方法。 - 焼結合金の層と裏金の層とを有する軸受において、
金属材料から成る板状の裏金の上で銅及び鉄を含む金属粉末を焼結して板状の多孔質焼結合金を成形するとともに前記多孔質焼結合金と前記裏金とを二層構造から成る軸受材料に成形する手順と、
二層構造に成形した板状の軸受材料を巻いて円筒状に成形する手順と、
浸炭、窒化、浸硫窒化処理法のいずれかによって円筒状に成形した軸受材料の表面改質を行う手順とにより製造されることを特徴とする軸受。 - 請求項4記載の軸受は、更に、前記多孔質焼結合金の層の気孔に潤滑油を含浸させる手順により製造されることを特徴とする軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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