JP2003019779A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JP2003019779A JP2001208994A JP2001208994A JP2003019779A JP 2003019779 A JP2003019779 A JP 2003019779A JP 2001208994 A JP2001208994 A JP 2001208994A JP 2001208994 A JP2001208994 A JP 2001208994A JP 2003019779 A JP2003019779 A JP 2003019779A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重剥離力領域における剥離力のコントロール
が容易で、平坦なフィルム表面においても良好な滑り性
を有し、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの界
面での密着性不良の懸念がない、例えば、プリント配線
基盤の絶縁層成型用、セラミック製品製造分野(セラミ
ック積層コンデンサー等)、粘着剤層保護用として好適
な離型フィルムを安価に提供する。 【解決手段】 少なくとも一軸方向に延伸された2層以
上の層からなるポリエステルフィルムであって、少なく
とも一方の最外層(A)がシリコーン成分を含有するポ
リエステルからなり、かつ最外層(A)表面のSi量が
1.00g/m2以下であることを特徴とする積層ポリ
エステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離型性を有するポリ
エステルフィルムに関し、詳しくは、フィルムに離型性
を付与し、シート成形用(グリーンシート成形用等)、
粘着用(ラベル用、医療用、事務用品用等)等、各種離
型性を必要とするフィルムに関するものである。さらに
詳しくは、本発明は、透明性に優れ、かつ、離型性を有
する塗布層では得ることが困難である、重剥離領域の離
型フィルムを安価に提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、成形用、粘着用等として、離型フ
ィルムが種々の分野で使用されているが、離型フィルム
の問題点として離型層を塗布する工程があるために、製
造コストが高くなってしまう。また、重剥離領域の離型
フィルムを得るために架橋剤を増加させた場合は、セパ
レーターエージングによる軽剥離化となってしまった
り、重剥離コントロール剤を用いた場合では、基材への
密着性を低下させたり、剥離力の安定性に劣る等の問題
がある。また、塗布厚さを薄くする方法では、塗布厚さ
が非常に薄いため、剥離力のコントロールが難しく、塗
布欠陥が発生しやすい等の問題がある。
【0003】さらに、離型層の構成材料として汎用的に
用いられているシリコーンは、ポリエステルフィルムと
の密着性が悪いため、密着性の良い離型フィルムを得る
ためには、予めポリエステルフィルムに易接着層を設け
たポリエステルフィルムを用いる必要がある。また、ポ
リエステルフィルムに滑り性を与えるために、フィルム
中に無機粒子などを添加し、フィルム表面に微小突起を
形成させるが、セラミック積層コンデンサー等の小型電
子部品などに用いられる場合は、その微小突起が欠陥と
なるなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みなされたものであり、その解決課題は、重剥離力領域
における剥離力のコントロールが容易で、平坦なフィル
ム表面においても良好な滑り性を有し、シリコーン離型
層とポリエステルフィルムの界面での密着性不良の懸念
がない、例えば、プリント配線基盤の絶縁層成型用、セ
ラミック製品製造分野(セラミック積層コンデンサー
等)、粘着剤層保護用として好適な離型フィルムを安価
に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
取り組み鋭意検討した結果、ある特定の構成からなるポ
リエステルフィルムを用いれば、離型用として優れた特
性を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、少なくとも一軸方向に
延伸された2層以上の層からなるポリエステルフィルム
であって、少なくとも一方の最外層(A)がシリコーン
成分を含有するポリエステルからなり、かつ最外層
(A)表面のSi量が1.00g/m2以下であること
を特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で言うポリエステルとは、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族
ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールのようなグリコールとを重縮合させて製造され
るポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成
分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を
任意に採用して製造することができる。例えば、芳香族
ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの
間でエステル交換反応を行わせる方法、芳香族ジカルボ
ン酸とグリコールとを直接エステル化して実質的に芳香
族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその
低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下240℃以上
の温度で重縮合させる方法等が採用される。この際、通
常の触媒、安定剤、各種添加剤等を任意に使用すること
ができる。
【0007】本発明で用いるポリエステルの代表例とし
ては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフ
タレートあるいはポリ−1,4−シクロヘキシレンジメ
チレンテレフタレート等が挙げられる。これらのポリエ
ステルは、ホモポリマーであっても第三成分を少量共重
合させたものでもよく、また、これらのポリエステルを
混合したものであってもよい。なお、本発明におけるポ
リエステルフィルム中には必要に応じて、酸化防止剤、
熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができ
る。本発明は、ポリエステルフィルムに離型性を付与す
るために、予めシリコーン成分を含有するポリマーを練
り込んだポリエステルを用いることが好ましい。含有す
るシリコーンの種類、含有量などを選択することによ
り、剥離力や滑り性等フィルム特性のコントロールを行
うことができる。
【0008】本発明で用いることのできるシリコーンと
は、例えば、シロキサン結合によりなるポリオルガノシ
ロキサンが挙げられ、ポリオルガノシロキサンは、性状
などからオイル、ゴム、レジンに分類されている。シリ
コーンオイルは、総称してストレートシリコーンオイル
と呼ばれるジメチルシリコーンオイル、メチルフェニル
シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオ
イルや、有機物との相溶性や化学反応性、帯電防止性、
潤滑性などを付与するために、メチル基の一部に各種有
機基、たとえばメチルスチレン、長鎖アルキル、ポリエ
ーテル、カルビノール、アミン、エポキシ、カルボキシ
ル、高級脂肪酸、メルカプト、メタクリル等を導入し、
特殊な有機基を分子構造中に含む、総称して変性シリコ
ーンオイルと呼ばれるものがある。また、官能性有機基
の位置により構造が4つに分類でき、ポリシロキサンの
側鎖に官能性有機基を導入した側鎖型、両末端に導入し
た両末端型、側鎖と両末端に導入した側鎖/両末端型、
および片末端に導入した片末端型に分けられる。
【0009】シリコーンゴムは、重合度5,000〜1
0,000程度の線状ポリマーであるオルガノポリシロ
キサンを主成分とするミラブル型シリコーンゴムと、重
合度100〜2,000程度の線状ポリマーを主成分と
する液状シリコーンゴムとに大別される。シリコーンゴ
ムは、シリコーン生ゴムにシリカ系充填剤、潤滑剤など
を添加したもので、主成分のシリコーン生ゴムは、重合
度5,000〜10,000程度で平均分子量40万〜
80万の高分子体であり、ジメチル系、メチルビニル
系、メチルフェニルビニル系、メチルフロロアルキル系
が一般的に使用されている。シリコーンレジンは、オル
ガノシラン類を共加水分解し重合して得られる三次元網
状構造をとったポリマーであり、大別してシリコーン本
来の性質を利用した純シリコーンレジンと、ほかの樹脂
と変性して多様な特性を加味した変性シリコーンレジン
に分けられる。
【0010】シリコーンレジンは、一般にSiO2、C
3SiO3/2、(CH32SiO、(CH33SiO
1/2の構造単位の組み合わせでできる共重合であるメチ
ルシリコーンレジンと、CH3SiO3/2、(CH32
iO、C65SiO3/2、(C6 5)(CH3)SiO、
(C652SiOの構造単位を組み合わせてできるメ
チルフェニルシリコーンレジンとに大別できる。変性シ
リコーンレジンは、シリコーンと有機反応性モノマーや
オリゴマーを共重合することにより得られ、シリコーン
アルキッド、シリコーンポリエステル、シリコーンアク
リル、シリコーンエポキシ、シリコーンフェノールなど
は縮合反応により得られる。
【0011】本発明において用いるシリコーンは特に限
定はしないが、ジメチルシリコーンのオイルや生ゴム、
ビニルシリコーンのオイルや生ゴム、フェニルシリコー
ンのオイルや生ゴム、各種反応性シリコーンオイル、シ
リコーンとエポキシ基、カルボキシ基、水酸基等を有す
る有機反応性モノマーを共重合したシリコーン変性レジ
ンなどが好ましく用いられる。シリコーンの含有量に関
しては特に制限はないが、0.05〜10.0重量%の
範囲が好ましい。シリコーン含有量が0.05重量%未
満では、シリコーンを含有した効果が発揮されず好まし
くない。また、シリコーン含有量が10.0重量%を超
えた場合は、含有したシリコーンによりフィルムヘーズ
が高くなる傾向がある。
【0012】本発明においては、フィルム表面のSi量
により剥離力のコントロールを行うが、フィルム表面の
Si量は蛍光X線を用いることにより測定ができ、その
Si量の範囲は1.00g/m2以下であり、好ましく
は0.01〜0.50g/m2の範囲である。Si量が
1.00g/m2を超える場合、フィルムヘーズが高く
なり、用途が限定されるため好ましくない。Si量が
0.01g/m2未満では、シリコーンを含有したこと
による離型性の効果が見られない場合がある。また、フ
ィルム表面のSi量は、離型性を有していない通常のポ
リエステルでも0.0002g/m2程度のSi量が検
出されることがある。本発明はシリコーンのフィルム中
の含有量により、フィルム表面のSi単位をコントロー
ルすることができるため、Si単位のコントロールが容
易であり、かつ、ポリマーに含有したシリコーンにより
剥離性を与えるため、従来得られなかった重剥離領域の
離型フィルムを再現良く得ることが可能となった。本発
明の重剥離領域は、離型性を有する塗布層をフィルム表
面に単に被覆した従来の塗布タイプの離型フィルムで
は、非常に生産が難しい領域である。
【0013】塗布型の離型層として広く用いられている
シリコーンで重剥離の離型層を得る方法としては、架橋
剤を増加する方法と、重剥離コントロール剤による方法
が一般的であるが、架橋剤を増加する方法は、架橋剤量
が多いと硬化性、基材への密着性などは良くなるが、セ
パレーターエージングによる軽剥離化がいちじるしい問
題がある。また、重剥離コントロール剤としては非反応
性レジンと反応性レジンがあり、非反応性レジンは、剥
離力の安定性は高いが、シリコーン皮膜に結合されてい
ないため、粘着剤表面に移行し、接着力やタックを低下
させたり、基材への密着性を低下させる問題がある。一
方、反応性レジンは、ビニル基と架橋剤が反応し、シリ
コーン皮膜に組み込まれるため、非反応性レジンの有す
る欠点はないが、剥離力の安定性に劣る問題点がある。
さらに、重剥離の離型層を得る方法としては、塗布厚み
を非常に薄くする方法を挙げることができるが、剥離力
のコントロール性が悪く、塗布欠陥も発生しやすい問題
がある。
【0014】シリコーンを塗布した離型層による重剥離
は、上述した欠点を有すると同時に、具体的な剥離力と
して2000mN/cmより重い領域を得ることは難し
いのが現状である。本発明における重剥離領域の具体的
な剥離力は、2000〜4500mN/cmの範囲が好
ましく、従来の塗布による離型層では得ることのできな
い領域である。剥離力が2000mN/cm未満のフィ
ルムは、シリコーンの含有量が多くなるため、フィルム
ヘーズが高くなり、用途が限定されることがある。剥離
力が4500mN/cmを超える場合は、離型フィルム
としての性能が不十分となる場合がある。前記したシリ
コーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジン等を
ポリエステルに配合する方法は特にこだわらないが、ポ
リマー中でのシリコーンの分散性や、生産時の取り扱い
性などより、予め二軸押し出し機等を用いてポリエステ
ルとシリコーンを練り混み、10〜60%程度のマスタ
ーバッチ(MB)を作成し、フィルム製膜時にポリエス
テルと所定のMBを配合する方法が、ポリマー中でのシ
リコーンの分散性に優れ好ましい方法である。
【0015】前述したとおり、シリコーンが含有された
ポリマーは、剥離力や滑り性が付与されるが、シリコー
ンの含有量に伴いフィルムヘーズの上昇が見られ、ポリ
エステルフィルムの特徴である透明性が犠牲になり、使
用される用途が限定されてしまう問題点もある。かかる
問題を解決するために、少なくとも2層以上の層からな
るポリエステルフィルムとし、少なくとも一方の最外層
(A)を、予めシリコーン成分を含有するポリマーを練
り込んだポリエステルから構成させ、最外層(A)以外
の層は透明性を有するポリエステルから構成させること
が好ましい。シリコーン含有により付与される離型性や
滑り性と、ポリエステルフィルムの特徴である透明性を
両立させるため、最外層(A)のフィルム厚さは、フィ
ルム全体の厚さに対し60%以下、好ましくは0.1〜
50%の範囲とする。最外層(A)のフィルム厚さが
0.1%未満では、シリコーンを含有した効果が小さ
く、剥離力や滑り性が満足されない。最外層(A)のフ
ィルム厚さが60%を超える場合は、透明性が悪くなり
積層フィルムとしての効果が得られず好ましくない。
【0016】本発明のフィルムのヘーズ値は、50%以
下が好ましい。ヘーズ値が50%を超える場合は、ポリ
エステルフィルムの特徴である透明性が失われ、用途が
限定されることがある。また、製膜工程などでフィルム
をロール状とした場合に、シリコーンを含有したポリエ
ステルのフィルム表面は、滑りが良すぎるためにロール
に巻きずれが発生する。そのためシリコーンを含有した
最外層(A)の反対面をシリコーンを含有していないポ
リマーの層とすることで、滑り性を抑え巻きずれを防ぐ
効果もある。シリコーンが含有されたポリエステルは、
離型性と易滑性を有するために、横延伸工程においてク
リップ外れが多発してしまう問題があるので、本発明の
好ましい製造方法としては、少なくとも共押出しにより
端部と中央部を有する未配向シートを得る方法におい
て、横延伸の際にクリップされる端部にはシリコーンを
含有しないポリエステルを用いる方法を挙げることがで
きる。
【0017】両端部のポリエステルと中央部の積層ポリ
エステルを、前述のように幅方向に合わせて溶融押出す
る方法は従来知られている方法、例えば、特開昭55−
118832号公報、特開平1−118428号公報、
特開平8−207119号公報などに開示されている合
わせ方法が適用できる。これらの方法で、幅方向に見て
端部ポリエステル/中央部積層ポリエステル/端部ポリ
エステルの順となるように溶融ポリエステル融液を事前
に合流させ共押出した後は常法に従って二軸延伸を施せ
ばよい。すなわち、通常、配向性を付与するために延伸
される。延伸方法は各種順序を採用し得るが、縦延伸を
少なくとも1回以上、横延伸と組み合わせる場合、或い
は同時二軸延伸を含むプロセスに有効である。得られた
多層フィルムは、延伸後、必要に応じて熱処理が施さ
れ、両端部が切断除去され、巻き取られる。
【0018】本発明においては、必要に応じポリエステ
ルフィルムの表面に塗布層を形成しても構わない。二軸
延伸ポリエステルフイルムの表面に塗布層を形成する方
法は、特に制限されないが、ポリエステルフイルムを製
造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用され
る。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して
乾燥する方法、一軸延伸フイルム表面に塗布液を塗布し
て乾燥する方法、二軸延伸フイルム表面に塗布液を塗布
して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未
延伸フィルムまたは一軸延伸フイルム表面に塗布液を塗
布後、フイルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾
燥硬化する方法が経済的である。また、塗布層を形成す
る方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを
併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート
表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延
伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固形
分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評
価方法は次の通りである。
【0020】(1)蛍光X線によるフィルム表面のSi
量の算出方法 蛍光X線測定装置((株)島津製作所製 型式「XRF
−1500」)を用いて、FP(Fundamental Paramet
er Method)法により、下記測定条件下、シリコーンを
含有したポリエステルフィルムの表面(B)、およびシ
リコーンを含有していないポリエステルフィルムの表面
(A)の珪素元素量を測定し、その差をもってシリコー
ン含有フィルム表面のSi量を算出した。 《測定条件》 分光結晶:PET(ペンタエリスリトール) 2θ:108.88° 管電流:95mA 管電圧:40kv
【0021】(2)剥離力 評価測定試料の離型面に両面粘着テープ(日東電工製
「No.502」)を貼り付けて、室温にて1時間放置
後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)イ
ンテスコ製「インテスコモデル2001型式」)を使用
し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離試
験を行い、測定した。
【0022】(3)ラブオフテスト ポリエステルフィルムを試料を23℃/50%RHの室
内に30日間放置後、離型面を指先で数回摩擦し、離型
面の具合を下記の評価基準にて判断し、密着性の目安と
した。 ○:フィルム表面に変化が見られず良好。 ×:フィルム表面に指で擦った痕が見られ、剥離力も変
化している。
【0023】(4)フィルムヘーズ JIS−K6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁
度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
【0024】(5)製膜時のテンタークリップ外れの評
価 無定形シートを縦延伸後、横延伸する際、横延伸機(テ
ンター)の延伸点において、フィルム端部を固定するク
リップから横延伸フィルムが滑って外れる状況を次に示
す3ランクにて判定評価した。この評価は、連続製膜性
を示すもので、生産性の良否を判別する重要な項目であ
る。 〇:殆どクリップ外れがなく生産性良好 ×:フィルムが滑ってクリップ外れを起こし、生産性が
全くない。
【0025】(6)重剥離タイプの離型フィルム実用特
性 重剥離タイプの離型フィルムの生産性や実用特性より次
の3ランクにて判定評価した。なお、剥離力が2000
〜4500mN/cmの範囲を重剥離領域として評価し
た。 ○:重剥離領域の離型フィルムが得られ、生産性も良好
である。フィルムヘーズが低く多用途に使用できる。 △:重剥離領域の離型フィルムは得られ、生産性も良好
である。フィルムヘーズが若干高いが、実用上問題ない
レベル ×:重剥離領域の離型フィルムが得られない。フィルム
ヘーズが高く用途が限定され、特に光学用には使用でき
ない。次に、下記の例において用いた原料ポリエステル
およびフィルムの製造方法について説明する。
【0026】・ポリエステルの製造ポリエステル−(1) ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール60重量部および酢酸マグネシウム・4水塩0.0
9重量部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノー
ルを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4
時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換
反応を終了した。次いでエチレングリコールスラリーエ
チルアシッドフォスフェート0.04重量部、三酸化ア
ンチモンを0.04重量部添加した後、100分で温度
を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐
々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時
間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチ
レンテレフタレート−(1)を得た。
【0027】ポリエステル−(2) ポリエチレンテレフタレート−(1)80重量部、シリ
コーン変性アクリル樹脂20重量部を、290℃の温度
に設定したベント付き二軸押し出し機にて、溶融押し出
しを行いシリコーンレジンを20重量%含有したポリエ
ステル−(2)を得た。ポリエステル−(3) ポリエステル−(2)の製造において、シリコーン変性
アクリル樹脂を粘度10000mm2/sのジメチルシ
リコーンオイルに変えた以外は同様の方法で、シリコー
ンオイルを20重量%含有したポリエステル−(3)を
得た。ポリエステル−(A)〜(G) ポリエステル−(1)とポリエステル(2)またはポリ
エステル(3)を下記表1に示す配合比でブレンドし、
ポリエステル−(A)〜ポリエステル−(G)とした。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1 ポリエステル(1)とポリエステル(A)とをそれぞれ
別の押し出し機で溶融し、Tダイから押し出すに際し
て、巾方向にポリエステル(1)/(ポリエステル
(1)とポリエステル(A)が厚み方向に積層された領
域)/ポリエステル(1)の構成となるように溶融樹脂
を事前に合流させた。溶融ポリマーが合流してからTダ
イより押し出されるまでの温度は290℃として、Tダ
イよりシート状に押出し、表面温度を40℃に設定した
回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化さ
せ、厚み550μmの実質的に非晶質のシートを作成し
た。なお、この時の各ポリエステル領域は、幅方向の長
さ比で1:8:1であった。次いでこの無定型シートを
縦方向に85℃で3.7倍縦延伸し、横方向に100℃
で横方向に3.9倍延伸し210℃で3秒間熱処理を行
い、耳部(端部)をトリミングにより除去し、厚さ38
μmの二軸配向フィルムを製造した。得られた積層フィ
ルムの厚み構成は、ポリエステル(1)が30μm、ポ
リエステル(A)が8μmであった。延伸工程でのクリ
ップ外れは見られず、製膜の連続性は良好であった。
【0030】実施例2〜5、比較例1〜2 実施例1において、中央部の積層フィルムの厚さ構成と
使用原料を下記表2に変えた以外は実施例1と同様の方
法で、実施例2〜5、比較例2〜3のフィルムを得た。
【0031】
【表2】
【0032】比較例3 ポリエステル−(1)を乾燥後、押出機で290℃にて
溶融し、Tダイよりシート状に押出し、表面温度を40
℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用し
て急冷固化させ、厚み550μmの実質的に非晶質のシ
ートを作成した。次いでこの無定型シートを縦方向に8
5℃で3.7倍縦延伸し、横方向に100℃で横方向に
3.9倍延伸し210℃で3秒間熱処理を行い、耳部
(端部)をトリミングにより除去し、厚さ38μmの二
軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムは、シリ
コーンを含有していないポリエステルフィルムの表面
(A)として、蛍光X線により珪素元素量の測定を行っ
た。
【0033】比較例4 比較例3において、ポリエステル−(1)をポリエステ
ル−(A)に変えた以外は比較例3と同様の方法でポリ
エステルフィルムの製造を行ったが、横延伸工程でクリ
ップ外れが多発し、ポリエステルフィルムは得られなか
った。
【0034】比較例5(離型フィルムの製造) 比較例3で得られたポリエステルフィルムに、下記組成
からなる離型層を、表面Si量が0.0200g/m2
となるように塗布量を設定し離型フィルムを製造した。 [離型剤組成] 硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部 硬化触媒(PL−50T:信越化学製) 1部 MEK/トルエン=1/1混合溶媒 3200部
【0035】比較例6 さらに重剥離化のフィルムを得るために、比較例5にお
いて、離型層の表面Si量が0.0100g/m2とな
るように塗布量を変えた以外は比較例5と同様の方法で
離型フィルムの製造を行ったが、塗布ムラなどのコート
欠陥により離型フィルムは得られなかった。各実施例、
比較例で得られたフィルムの評価結果をまとめて下記表
3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の離型フィルムはコートタイプの
離型フィルムでは得ることのできない重剥離領域の剥離
力を有し、ポリエステルフィルムと離型層の密着性不良
の問題も無く、離型層をコートする工程が省略できるた
め製造コストの低減ができ、例えば、プリント配線基盤
の絶縁層成型用、セラミック製品製造分野(セラミック
積層コンデンサー等)、粘着剤層保護用等、各種離型用
として好適であり、その工業的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK41A AK41B AK41C AK52A BA10A BA10C BA16 EH20 EJ37A GB41 JK06 JL14 JN01 YY00 4J002 CF00W CF05W CF06W CF08W CP03X CP04X CP05X CP06X CP08X CP09X CP10X CP12X GF00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一軸方向に延伸された2層以
    上の層からなるポリエステルフィルムであって、少なく
    とも一方の最外層(A)がシリコーン成分を含有するポ
    リエステルからなり、かつ最外層(A)表面のSi量が
    1.00g/m2以下であることを特徴とする積層ポリ
    エステルフィルム。
  2. 【請求項2】 最外層(A)の厚さが、フィルム全体の
    0.1〜60%であることを特徴とする請求項1記載の
    積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムのヘーズ値が50%以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエス
    テルフィルム。
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