JP2001171061A - 透明ポリエステルフィルム - Google Patents

透明ポリエステルフィルム

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JP2001171061A
JP2001171061A JP35834099A JP35834099A JP2001171061A JP 2001171061 A JP2001171061 A JP 2001171061A JP 35834099 A JP35834099 A JP 35834099A JP 35834099 A JP35834099 A JP 35834099A JP 2001171061 A JP2001171061 A JP 2001171061A
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polyester
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Toshiharu Watanabe
俊治 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性に優れ、フィルム表面に傷が付きにく
く、しかも良好な取り扱い作業性を有する透明ポリエス
テルフィルムを提供する。 【解決手段】実質的に粒子を含まないポリエステル層
(B)の少なくとも片面に、密度が1.1g/cm3
満でかつ平均粒径が0.5〜20μmであるシリコーン
ゴム弾性体粒子とモース硬度5以上の微細凝集粒子とを
含有するポリエステル層(A)を積層してなるフィルム
であって、厚み100μmに換算したフィルム内部ヘー
ズが1.5%以下であることを特徴とする透明ポリエス
テルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性に優れ、フ
ィルム表面に傷が付きにくく、滑り性、取扱い性、作業
性等に優れた積層ポリエステルフィルムに関する。詳し
くは、本発明は、製版印刷、エックス線写真、マイクロ
フィルム、電子写真、金属蒸着、透明電極基板等、包装
等、液晶表示板用途等に適したポリエステルフィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、透明フィルム
用途に必要な諸特性、すなわち、透明で曇りのないこ
と、引張り、引裂き、ねじれに対し強いこと、寸法的に
安定でありカールしないこと、乳剤や水、アルカリ液に
対し安定であること、熱変形温度が高いこと、フイルム
表面および内部に異物のないこと等、ほとんど全ての特
性を満足し得るが、近年、より高い透明ポリエステルフ
ィルムが必要になってきている。
【0003】かかる特性を達成する手段として、従来、
粒子種類および性状の限定や積層フィルムの提案もなさ
れている、特開平4−325532号公報によれば、粒
径分布の狭い架橋高分子粒子を使用することで、第26
43309号特許公報によれば、架橋ポリエチレン粒子
と不活性粒子との組み合わせで、また特開平9−241
521号公報によれば、有機ポリマー粒子と破砕型シリ
カ粒子の組み合わせで、透明性と易滑性を両立する手段
が開示されている。さらに、特開平7−314626号
公報によれば、積層フィルムにすることで粒子添加量を
減らし高透明性と易滑性を両立している。
【0004】しかし、最近のベースフィルムの透明性に
関する要求は、特にワープロやOA機器に使用されてい
る液晶ディスプレイや液晶カラーテレビの用途の基材と
して用いる場合、一段と厳しくなっている。また、ベー
スフィルム表面での光散乱による透明性の低下よりも、
ベースフィルム内部での光の散乱、吸収による透明性の
低下が問題されている。さらにフィルムの製膜工程スピ
ードのアップにより製膜工程でフィルムに傷が発生しや
すくなり、その後のスリットや巻取工程、2次加工にお
け巻出・加工・巻取・スリットでの作業工程も高速化さ
れてきており、特に透明性、傷防止および巻き特性とい
う二律排反の現象をより高度に満足させることが課題と
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、透明性に
優れ、フィルム表面に傷が付きにくく、しかも良好な取
り扱い作業性を有する透明ポリエステルフィルムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく、鋭意検討の結果、ポリエステルフィルム
の表層に特定のシリコーンゴム弾性体粒子と特定の微細
凝集粒子を含有させることで、フィルム特性が顕著に改
良されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、実質的に粒子
を含まないポリエステル層(B)の少なくとも片面に、
密度が1.1g/cm3 未満でかつ平均粒径が0.5〜
20μmであるシリコーンゴム弾性体粒子とモース硬度
5以上の微細凝集粒子とを含有するポリエステル層
(A)を積層してなるフィルムであって、厚み100μ
mに換算したフィルム内部ヘーズが1.5%以下である
ことを特徴とする透明ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主た
る成分とするポリエステルである。当該ポリエステル
は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させ
て得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステ
ルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合
させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させる等の方法によっても得られ
る。
【0010】当該ポリエステルの代表的なものとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示
される。
【0011】かかるポリエステルは、共重合されないホ
モポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の1
0モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、
またはジオール成分の10モル%以下が主成分以外のジ
オール成分であるような共重合ポリエステルであっても
よい。
【0012】本発明において用いるシリコーンゴム弾性
体粒子は、密度が1.1g/cm3未満であり、1.3
〜2.3g/cm3 の密度を有する、シリカ粒子、シリ
コーン樹脂粒子やスチレン系やアクリル系の有機架橋粒
子と比較して小さい。したがって平均粒径が同じならば
単位重量当たりの粒子数は多くなるためフィルムの易滑
と透明性を両立させることに対し有利である。
【0013】また、シリコーンゴム弾性体粒子とモース
硬度5以上の微細凝集粒子を組み合わせることにより、
フィルム表面での傷の発生を抑制できる。この理由は明
確ではないが、フィルム表面硬度の上昇や特性の異なる
2種類の粒子を組み合わせることで摩擦係数の速度依存
性が少なくなり、その結果、ロールとフィルム間でのス
ティックスリップが抑制され傷が付きにくくなったと推
測される。また弾性体粒子であるためフィルムとフィル
ムの間の摩擦係数が下がりすぎることはなく、その結
果、巻取時のフィルム端面がずれが起こりにくく、作業
性が良くなる。
【0014】本発明で用いるシリコーンゴム弾性体粒子
は、例えば特開平10−36674号公報に記載される
方法で製造できる。
【0015】さらに当該粒子は、ポリエステルとの親和
性や接着性を向上させるためエポキシ基、水酸基、カル
ボキシル基等の官能基を有する有機化合物を配合し合成
されたものが好ましい。
【0016】また、シリコーンゴム弾性体粒子の平均粒
径は、0.5〜20μm、好ましくは1.0〜10μ
m、さらに好ましくは1.5〜7.0μmである。平均
粒径が0.5μm未満では、フィルム表面の粗度が小さ
くなり、走行性や巻取性が悪くなり作業性が悪化する。
一方、当該粒子の平均粒径が20μmを超えると、粗大
突起形成による表面状態の悪化、いわゆる霜降り欠陥の
発生が問題となる。
【0017】また、シリコーンゴム弾性体粒子の含有量
は特に限定しないが、通常0.0005〜0.5重量%
の範囲であり、好ましくは0.005〜0.1重量%で
ある。0.0005重量%未満では、フィルムの滑り性
が不十分となる傾向があり、また0.5重量%を超える
と内部ヘーズが増加する傾向がある。
【0018】本発明において用いるモース硬度5以上の
微細凝集粒子とは、例えば酸化アルミニウム微細凝集粒
子やシリカ微細凝集粒子が挙げられる。このような酸化
アルミニウム微細凝集粒子の例としては、無水塩化アル
ミニウムを原料に火炎加水分解により製造されたγ型、
δ型酸化アルミニウムが、またシリカ微細凝集粒子の例
としては、四塩化ケイ素を原料に燃焼させて製造された
無定形の無水シリカが挙げられる。
【0019】微細凝集粒子の一次粒子の平均粒径は、特
に限定しないが、通常3〜100nmであり、5〜50
nmが好ましい。またこれらの微細凝集粒子の含有量に
ついても特に限定しないが、通常0.01〜3.0重量
%であり、好ましくは0.05〜1.5重量%の範囲で
ある。添加量が0.01重量%未満では、フィルムの傷
防止効果が小さくなる傾向があり、3重量%を超えると
フィルムの透明性を損なうおそれがある。
【0020】本発明のポリエステルフィルムは、実質的
に粒子を含まない高透明なポリエステル層(B)を有す
るものである。実質的に粒子を含まないポリエステルと
しては、ポリエステル製造中に触媒が析出して生成する
粒子を極力形成しないようにする方法(例えば特開平8
−198960号公報)を利用することができ、または
重合触媒の目的以外で添加される粒子がなく合成された
ものを用いればよい。このような実質的に粒子を含まな
いポリエステルは、光を吸収したり散乱させる不溶性粒
子を含有しないか少ないため、高い透明性を有するフィ
ルムとすることができる。かかる高透明のポリエステル
のみからなるフィルムのフィルムヘーズは、厚み100
μm換算で通常0.5%以下である。
【0021】一方、ポリエステル層(B)に積層するポ
リエステル層(A)の厚みは、特に限定しないが、通常
0.2〜20μmである。ポリエステル層(A)の厚み
が0.2μmを下まわると、0.5μm以上の易滑性に
有利なシリコーンゴム弾性体粒子が脱落するおそれがあ
り、また10μmを超えるとフィルム内部ヘーズが上昇
する傾向がある。
【0022】また、シリコーンゴム弾性体粒子の平均粒
径dとポリエステル(A)層の厚みtとの比(d/t)
は、特に限定しないが、0.05〜3.0の範囲にある
ことが好ましい。シリコーンゴム弾性体粒子の平均粒径
dとポリエステル(A)層の厚みtとの比(d/t)が
0.05未満であると、表面に形成される突起が小さく
なるため、易滑の効果を向上させるためには粒子添加量
を上げねばならず、その結果、フィルム内部ヘーズが増
加する、また比(d/t)が3.0を超えると、フィル
ム表面からの粒子の脱落が起こりやすくなり、表面状態
の悪化やフィルム表面に傷を生じる原因となる場合があ
る。
【0023】本発明の積層ポリエステルフィルムの厚み
は通常20〜300μmであり、フィルム内部ヘーズ値
は、厚さ100μmに換算した値で1.5%以下であ
る。ここで100μmに換算するとは、ポリエステル
(A)層をそのままにして、ポリエステル(B)層のフ
ィルム厚みのみを変更して100μmのフィルムとした
場合の内部ヘーズの推定値を言う。
【0024】本発明のポリエステルフィルムの(A)層
には必要に応じて帯電防止剤、着色剤、酸化防止剤、消
泡剤、蛍光増白剤、遮光剤等の添加剤を配合してもよ
い。また必要に応じ、本発明のポリエステルフィルムの
片面または両面に易滑性、離型性、帯電防止性、反射防
止性、易接着性等を付与する目的のコーティング処理を
行うこともできる。
【0025】特に限定するものではないが、フィルムの
摩擦係数μdは0.3〜0.9、μsとμdの比は0.
7〜1.5の範囲がそれぞれ好ましい。摩擦係数μdが
0.9を超えると、フィルムの走行性が悪くなる傾向が
あり、製膜ラインのスピードを上げることができず生産
性が低下するおそれがある。一方、μdが0.3未満で
は、巻取時のフィルム端面がずれる場合がある。また、
μs/μd比が0.7未満あるいは1.5以上になる
と、延伸時にロールとフィルムとの間でスティックスリ
ップが発生しやすくなる傾向があり、フィルム表面に傷
が発生することがある。
【0026】次に本発明のフィルムの製造方法を具体的
に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下
の例示に特に限定されるものではない。
【0027】シリコーンゴム弾性体粒子や微細凝集粒子
等を公知の手段で、例えば重合時添加または練り込みに
よりポリエステルチップに分散させた原料チップを、そ
のままあるいは他の原料チップとブレンドし、所定量の
添加濃度にする。
【0028】実質的に粒子状滑剤を含有しないポリエス
テルと、所定量の粒子を含有するポリエステルとを、別
々の押出機から溶融押出した後、溶融ポリマー流路管内
または押出口金内において層流状で接合積層させて、ポ
リエステルの融点〜320℃の温度で押出口金から吐出
し、キャスティングドラム上で冷却固化させ未延伸積層
フィルムを作成する。その際、フィルムをドラムに密着
保持する手段として静電密着法を用いることが好まし
い。
【0029】かくして得られた未延伸フィルムは、次の
延伸工程に供される。延伸工程において、未延伸フィル
ムはTg−10℃からTc−10℃の温度範囲で面積倍
率にして1.1倍から50倍、好ましくは6倍から30
倍の範囲で長手方向(縦方向)および/または幅方向
(横方向)に延伸される。延伸方法としては用途に応じ
て一軸延伸でもよいし、二軸延伸でもよい。二軸延伸を
行う場合には、逐次二軸配向延伸、同時二軸配向延伸、
それらを組み合わせた延伸、いずれであってもよい。な
お、逐次二軸延伸の場合は、一般には縦方向に延伸した
のち、横方向に延伸する方法が好ましく採用される。
【0030】縦および横方向に延伸する際、各々一段延
伸でもよいが、多段で延伸したり多段延伸の間で配向緩
和のための熱処理工程を設けたりしてもよい。
【0031】上記延伸工程中または延伸後にフィルムに
接着性、帯電防止能、離型性を付与するために、フィル
ムの片面または両面に、塗布層を形成したり、コロナ処
理等の放電処理等を施したりすることもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測
定法および用語の定義は次のとおりである。 (1)平均粒径 走査型電子顕微鏡にて粒子を観察し、粒子毎に最大径と
最小径を求め、その相加平均を粒子一個の粒径(直径)
とした。粒子群の平均粒径はかかる粒径の等価球換算値
の体積分率50%の点の粒径(直径)を指す。 (2)フィルム内部ヘーズ 日本電色工業社製分球式濁度計NDH−300Aにより
フィルムの内部ヘーズを測定した。なおエタノールを粗
面補償溶媒として石英セルにて測定した。 (3)モース硬度 モース硬度計を用いた。 (4)密度 ピクノメータを用いた液浸法により測定した、なお浸液
にはブタノールを用い、測定温度は25℃である。 (5)摩擦係数μsおよびμd 平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切
り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板を載
せ、さらにその上に荷重を載せ、2枚のフィルムの接圧
を102gf/cm2 として10mm/分でフィルム同
士を滑らせて摩擦力を測定した。なお、測定は、温度2
3℃±1℃、湿度50%±5%の雰囲気下で行い、すべ
り初めの値を摩擦係数μs、2mm滑らせた点での値を
摩擦係数μdとした。 (6)積層フィルムの表層フィルム厚さ 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
日立(株)製透過型電子顕微鏡H−9000を用いて断
面の顕微鏡写真を撮影し、含有粒子に注目して表層の厚
みを測定した。ただし、加速電圧は300kV、倍率は
最表層厚みに応じ、1万〜10万倍の範囲で設定した。
厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄
い方から10点を削除して30点を平均して測定値とし
た。 (7)フィルム内部ヘーズの100μm換算値 厚みが100μmから外れるフィルムの内部ヘーズの1
00μm換算値は以下のようにして求めた。
【0033】マイクロメーターによりフィルムの全層厚
みを測定、また上記(4)の方法により表層フィルム厚
さを測定し、ポリエステル(A)層(L1)とポリエス
テルB層の厚さ(L2)を求める。また、内部ヘーズ値
(H0)を上記(2)の方法で求める。
【0034】低温プラズマ灰化装置でポリエステル
(A)層の部分を灰化し、界面活性剤を少量含む水溶液
にフィルムを浸し1分間超音波洗浄する。その後乾燥し
ポリエステル(B)層のみのフィルムの厚み(Lb)お
よび内部ヘーズ(Hb)を上記(2)の方法で求める。
【0035】内部ヘーズの100μm換算値(H10
0)は下式により計算する。
【0036】 H100=H0+Hb(100−L1−L2)/Lb なお、厚みの単位はμmである。 (8)傷発生の有無 1平方メートルの試料フィルムを暗室で懐中電灯で照ら
し傷をチェックしたあと、通常室内照明下で該傷が目視
できるか確認し、確認できた傷の個数を求めた。
【0037】 ○:傷がない △:1から3個の傷有り ×:4個以上の傷有り (9)ロール外観 ロール状に巻き上げた際のフィルムロール表面および端
面の外観を以下のように判定した。
【0038】○:ロール表面に殆どシワやツブ状欠陥を
有さず端面が揃っているもの △:ロール表面にはシワは殆どないがツブ状欠陥が若干
発生し、端面が少し不揃いのもの ×:ロール表面にシワやツブ状欠陥が発生したり、また
は端面が著しく不揃いなもの 実施例1 実質的に粒子を含有しないポリエステル原料レジンに東
レ・ダウコーニング(株)製のシリコーンゴム弾性体粒
子(商品名:トレフィルE−601)を2軸押し出し機
を用いて300℃で原料レジンに練り込み、該粒子を含
有する原料チップを得た。また、平均一次粒径20nm
の酸化アルミニウム微細凝集粒子をエチレングリコール
に分散させ、ポリエステル重合時に添加して酸化アルミ
ニウム含有の原料チップを得た。これら添加粒子含有の
ポリエチレンテレフタレートは、下記表1に示された層
(A)中の含有量になるように層(B)に用いる実質的
に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートの原料
チップとブレンドした。
【0039】これらポリエチレンテレフタレートの原料
チップを170℃3時間乾燥後、ポリエステルA層の原
料チップはサブ押出機にポリエステルB層の原料チップ
はメイン押出機に供給し、溶融温度280から300℃
で溶融し、サブ押出機の溶融ポリマーをフィルムの表裏
2層に分岐した後、ギヤポンプフィルターを介して、メ
イン押出機からの溶融ポリマーとフィードブロックで分
流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取
り、未延伸フィルムとした。キャスティングの際、静電
密着法を採用した。かくして得られた2種3層の積層未
延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム
温度83℃(IRヒーター付与)で2.4倍延伸した
後、さらに87℃(IRヒーター付与)で1.2倍延伸
し、縦延伸後の複屈折率を0.62とした後、テンター
に導き130℃で横方向に3.9倍延伸して二軸配向フ
ィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱
固定ゾーンに導き、235℃で5秒間幅方向に3%弛緩
させながら熱固定した。 なおポリエステルA層の厚み
は、サブ押出機のギヤポンプの吐出量を調整することで
コントロールした。
【0040】得られた透明積層フィルムの全層厚みは1
00μmで層(A)の厚みは10μmであった。
【0041】実施例2 微細凝集粒子に平均一次粒径12nmのシリカを含有した
原料チップを用いたほかは実施例1と同じ条件とした。
【0042】比較例1 大粒子に平均粒径2.0μmのシリコーン樹脂粒子を用
いたほかは、実施例1と同じ条件とした。
【0043】比較例2 大粒子に平均粒径2.5μmの非晶質シリカ粒子を用い
たほかは、実施例1と同じ条件とした。
【0044】比較例3 微細凝集粒子を用いなかったほかは、実施例1と同じ条
件とした。
【0045】かくして得られたフィルムの物性、性能を
表1と2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記表1と表2から明らかなように本発明
の要件を満足する実施例1および2は、透明性に優れ、
フィルム表面に傷が付きにくく、滑り性、取扱い性、作
業性等に優れている。
【0049】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは、透明
性に優れ、フィルム表面に傷が付きにくく、滑り性、取
扱い性、作業性等のすぐれたものであり、高い透明性が
求められる、製版印刷、エックス線写真、マイクロフィ
ルム、電子写真、金属蒸着、透明電極基板等、包装等、
液晶表示板用途等に有用であり、本発明の工業的価値は
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA19H AK41A AK41B AK41C AK52B AK52C AK52H BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C DE01B DE01C EH20 EH202 EJ38 EJ382 GB15 GB41 JA13B JA13C JK07B JK07C JK12B JK12C JK14 JL05 JN01 YY00B YY00C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に粒子を含まないポリエステル層
    (B)の少なくとも片面に、密度が1.1g/cm3
    満でかつ平均粒径が0.5〜20μmであるシリコーン
    ゴム弾性体粒子とモース硬度5以上の微細凝集粒子とを
    含有するポリエステル層(A)を積層してなるフィルム
    であって、厚み100μmに換算したフィルム内部ヘー
    ズが1.5%以下であることを特徴とする透明ポリエス
    テルフィルム。
JP35834099A 1999-12-17 1999-12-17 透明ポリエステルフィルム Pending JP2001171061A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003019779A (ja) * 2001-07-10 2003-01-21 Mitsubishi Polyester Film Copp 積層ポリエステルフィルム
JP2007268711A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd フレキシブルディスプレイ基板用積層ポリエステルフィルム
JP2009220283A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Mitsubishi Plastics Inc 転写箔用積層ポリエステルフィルム

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