JP2003055482A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
り、平坦なフィルム表面においても良好な滑り性を有
し、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの界面で
の密着性不良の懸念がなく、例えば、プリント配線基板
の絶縁層成形用、セラミック製品製造分野(セラミック
基板、セラミック積層コンデンサーに用いるグリーンシ
ート成形用等)等のシート成形用、粘着剤層保護用等、
各種離型用として好適な、離型性を有するポリエステル
フィルムを安価に提供する。 【解決手段】 シリコーン成分を含有するポリエステル
よりなる、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
ルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時
に満足することを特徴とするポリエステルフィルム。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
を表す)
Description
エステルフィルムに関し、詳しくは、シート成形用(プ
リント配線基板の絶縁層成形用、グリーンシート成形用
等)、粘着用(ラベル用、医療用、こと務用品用等)
等、各種離型性を必要とするフィルムに関するものであ
る。
着用等、各種離型用に使用されており、通常、ポリエス
テルフィルム上に離型層が設けられた離型フィルムが汎
用的に用いられている。重剥離領域の剥離力を有する離
型フィルムを得るためには、通常、離型層中の架橋剤の
添加量を増加することが行われるが、その場合、エージ
ング処理に伴って軽剥離化してしまい、所望する剥離力
を有する離型フィルムが得られなかったり、重剥離コン
トロール剤を添加する方法では剥離力の安定性に劣る場
合がある。
その構成材料として汎用的に用いられるシリコーンは、
ポリエステルフィルムとの密着性に乏しく、密着性良好
な離型フィルムを得るためには、予めポリエステルフィ
ルムに易接着層を設けたポリエステルフィルムを用いる
等の工夫が必要とされている。また、ポリエステルフィ
ルムへの易滑性付与を目的として無機粒子等を添加し、
フィルム表面に突起を形成させる手法が用いられる。当
該手法はセラミック基板、セラミック積層コンデンサー
等の電子部品を製造する際に用いるグリーンシ−ト成形
用キャリアフィルムとして用いる際、フィルム表面に粗
大突起が存在するとピンホールが発生する等の不具合を
生じる場合がある。
みなされたものであり、その解決課題は、重剥離力領域
における剥離力制御が容易であり、平坦なフィルム表面
においても良好な滑り性を有し、シリコーン離型層とポ
リエステルフィルムの界面での密着性不良の懸念がな
く、例えば、プリント配線基板の絶縁層成形用、セラミ
ック製品製造分野(セラミック基板、セラミック積層コ
ンデンサーに用いるグリーンシート成形用等)等のシー
ト成形用、粘着剤層保護用等、各種離型用として好適
な、離型性を有するポリエステルフィルムを安価に提供
することにある。
に取り組み鋭意検討した結果、ある特定の構成からなる
ポリエステルフィルムを用いれば、離型用として優れた
特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、シリコーン成分を含有
するポリエステルよりなる、少なくとも一軸方向に延伸
されたポリエステルフィルムであって、下記式(1)お
よび(2)を同時に満足することを特徴とするポリエス
テルフィルムに存する。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
を表す)
する。本発明においてポリエステルフィルムに使用する
ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポ
リエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる
場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮
合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリ
エステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート(PEN)等が例示される。
モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが
好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキ
シカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の
一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分とし
て、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種
または二種以上が挙げられる。
は、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフ
タレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位である
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエス
テルを指す。本発明におけるポリエステル層中には、易
滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ま
しい。
粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例とし
ては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭5
9−5216号公報、特開昭59−217755号公報
等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。こ
の他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、
熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル
製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散
させた析出粒子を用いることもできる。
限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等
の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等に
ついても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に
応じて2種類以上を併用してもよい。使用する粒子の平
均粒径は、0.1〜5μmの範囲が好ましく、さらに好
ましくは0.5〜3μmの範囲である。平均粒径が0.
1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が
不十分となる傾向があり、一方、5μmを超える場合に
は、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程にお
いて離型層を設ける場合等に不具合を生じることがあ
る。
0.01〜5重量%の範囲が好ましく、さらに好ましく
は0.01〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.
01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分
になる場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場
合にはフィルム表面の平滑性が不十分になる場合があ
る。
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を
採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段
階において添加することができるが、好ましくはエステ
ル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合
反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用
い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子
のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、
または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステ
ル原料とをブレンドする方法などによって行われる。本
発明においては、ポリエステルフィルムに離型性を付与
するために、予めシリコーン成分を含有するポリマーを
練り込んだポリエステルを用いることが好ましい。含有
するシリコーンの種類、含有量等により、剥離力や滑り
性等、フィルム特性の制御を行うことが可能となる。
リコーンとは、シロキサン結合によりなるポリオルガノ
シロキサンのことを指し、性状などからオイル、ゴム、
レジンに分類される(例えば、「シリコーンハンドブッ
ク 伊藤邦雄偏 日刊工業新聞社」等に記載例があ
る)。シリコーンオイルは総称してストレートシリコー
ンオイルと呼ばれる、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイルや、有機物との相溶性や化学反応性、帯
電防止性、潤滑性などを付与するために、メチル基の一
部に各種有機基、たとえばメチルスチレン、長鎖アルキ
ル、ポリエーテル、カルビノール、アミン、エポキシ、
カルボキシル、高級脂肪酸、メルカプト、メタクリル等
を導入し、特殊な有機基Rを分子構造中に含む、総称し
て変性シリコーンオイルと呼ばれるものがある。
つに分類でき、ポリシロキサンの側鎖に官能性有機基を
導入した側鎖型、両末端に導入した両末端型、側鎖と両
末端に導入した側鎖/両末端型および片末端に導入した
片末端型に分けられる。シリコーンゴムは、重合度5,
000〜10,000の線状ポリマーでオルガノポリシ
ロキサンを主成分とするミラブル型シリコーンゴムと重
合度100〜2,000の線状ポリマーを主成分とする
液状シリコーンゴムに大別される。シリコーンゴムは、
シリコーン生ゴムにシリカ系充填剤、潤滑剤などを添加
したもので、主成分のシリコーン生ゴムは、重合度5,
000〜10,000程度の平均分子量40万〜80万
の高分子体であり、ジメチル系、メチルビニル系、メチ
ルフェニルビニル系、メチルフロロアルキル系が一般的
に使用されている。シリコーンレジンは、オルガノシラ
ン類を共加水分解し重合して得られる三次元網状構造を
有するポリマーであり、大別してシリコーン本来の性質
を利用した純シリコーンレジンと、他の樹脂と変性して
多様な特性を加味した変性シリコーンレジンに分けられ
る。
SiO3/2、(CH3)2SiO、(CH3)3SiO1/2の
構造単位の組み合わせでできる共重合であるメチルシリ
コーンレジンと、CH3SiO3/2、(CH3)2SiO、
C6H5SiO3/2、(C6H 5)(CH3)SiO、(C6
H5)2SiOの構造単位を組み合わせてできる メチル
フェニルシリコーンレジンに大別できる。変性シリコー
ンレジンは、シリコーンと有機反応性モノマーやオリゴ
マーを共重合することにより得られ、シリコーンアルキ
ッド、シリコーンポリエステル、シリコーンアクリル、
シリコーンエポキシ、シリコーンフェノールなどは縮合
反応により得られる。
定はしないが、ジメチルシリコーンのオイルや生ゴム、
ビニルシリコーンのオイルや生ゴム、フェニルシリコー
ンのオイルや生ゴム、各種反応性シリコーンオイル、シ
リコーンとエポキシ基、カルボキシ基、水酸基等を有す
る有機反応性モノマーを共重合したシリコーン変性レジ
ンなどが好ましく用いられる。
しては特に限定される訳ではないが、好ましくは0.0
5〜5.0重量%の範囲である。シリコーン含有量が
0.05重量%未満では、離型性が不十分な場合があ
る。一方、シリコーン含有量が5.0重量%を超える場
合は、フィルムヘーズが高くなるため、透明性を必要と
する用途に対応困難となる場合がある。本発明にフィル
ムにおいて、フィルム表面のSi量は0.50g/m2
以下、好ましくは0.01〜0.30g/m2以下の範
囲である。Si量が0.50g/m2を超える場合、フ
ィルムヘーズが高くなるため、例えば、光学用途等、透
明性を必要とされる用途に対応困難となる。Si量が
0.01g/m2未満では、シリコーンを含有したこと
による離型性の効果が不十分となる場合がある。また、
フィルム表面のSi量は離型性を有していない通常のの
ポリエステルでも0.0002g/m2程度のSi量が
検出されている。
の最大突起高さ(Rmax)は、900nm以下である
必要があり、好ましくは700nm以下、さらに好まし
くは600nm以下である。Rmaxが900nmを超
える場合、例えば、プリント配線基板の絶縁層成形用に
用いた場合、絶縁層に不均一な部分が生じ、絶縁性に劣
るようになる。本発明のフィルムの剥離力は、一般の塗
布型の離型フィルムでは、安定した離型性を得るのが困
難な剥離力領域である。離型層を塗布することによる重
剥離化は、前述のとおりの欠点を有するとともに、本発
明者らの経験上、剥離力として2000mN/cmより
重い領域の剥離性を安定して得ることが困難であると考
えられる。
000〜4500mN/cmの範囲が好ましい。剥離力
が2000mN/cm未満の場合、ポリエステルフィル
ム中のシリコーン含有量が多くなるため、フィルムヘー
ズが高くなり、透明性を必要とする用途には対応困難な
場合がある。一方、4500mN/cmを超える場合、
剥離性が不十分となる場合がある。
ル、シリコーンゴム、シリコーンレジン等をポリエステ
ルに配合する方法は特に限定される訳ではないが、ポリ
マー中におけるシリコーンの分散性、生産時の取り扱い
性等を配慮した場合、予め二軸押し出し機等を用いてポ
リエステルとシリコーンを練り混み、10〜60%程度
のシリコーン含有マスターバッチ(以下、MBと略記す
る場合がある)を作成し、フィルム製膜時にポリエステ
ルと所定のMBを配合する方法がポリマー中におけるシ
リコーンの分散性が良好となるため、好ましい。本発明
のフィルムは、シリコーンを含有したポリマー層が少な
くとも一つの最外層を形成していれば、そのフィルム構
成として少なくとも二層以上からなる、いわゆる積層フ
ィルムの構成を有していてもよい。
の製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に
何ら限定されるものではない。まず、先に述べたポリエ
ステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シート
を冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この
場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷
却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着
法および/または液体塗布密着法が好ましく採用され
る。次に得られた未延伸シートは少なくとも一軸方向に
延伸される。二軸方向に延伸する場合には、まず、前記
の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の
延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120
℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常
2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次い
で、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常130
〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ま
しくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、180
〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で
熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
段階以上で行う方法を採用することもできる。その場
合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲とな
るように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シート
を面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を
行うことも可能である。必要に応じて熱処理を行う前ま
たは後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。本発明のフィルムは、離型性および易滑性を有する
ため、二軸延伸する場合に、共押出しにより端部と中央
部を有する構成とし、中央部にシリコーン含有ポリエス
テルを用い、両端部にはシリコーンを実質的に含有しな
いポリマーを用いる方法を使用するのがよい。ポリエス
テルの二軸延伸工程中、横延伸工程はフィルムの両端部
をクリップして行うが、上記構成とすることにより、横
延伸の際にクリップ外れが多発することが懸念される。
を前述のように幅方向に合わせて溶融押出する方法は、
従来公知の方法、例えば、特開昭55−118832号
公報、特開平1−118428号公報、特開平8−20
7119号公報等に記載される方法を採用することがで
きる。当該方法により、フィルム幅方向に見て端部ポリ
エステル/中央部ポリエステル/端部ポリエステルの順
となるように溶融ポリエステル融液を事前に合流させ共
押出した後は常法に従って、二軸延伸を施す。また、上
述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面
を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティ
ング)を施すことができる。それは以下に限定するもの
ではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段
目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処
理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエス
テルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と
同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率
に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムと
して好適なフィルムを製造できる。
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固形
分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評
価方法は次のとおりである。
除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テト
ラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒10
0mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布にお
ける積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
量の算出方法 蛍光X線測定装置((株)島津製作所製 型式「XRF
−1500」)を用いて、FP(Fundamental Paramet
er Method)法により、下記測定条件下、シリコーン含
有ポリエステルフィルムの表面(B)およびシリコーン
を含有していないポリエステルフィルムの表面(A)の
珪素元素量を測定し、その差をもってシリコーン含有フ
ィルム表面のSi量を算出した。 《測定条件》 ・分光結晶:PET(ペンタエリスリトール) ・2θ:108.88° ・管電流:95mA ・管電圧:40kv
「No.502」)を貼り付けて、室温にて1時間放置
後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)イ
ンテスコ製「インテスコモデル2001型式」)を使用
し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離試
験を行い、測定した。
放置後、離型面を指先で5回摩擦し、離型面の状態を下
記判定基準にて評価を行った。 《判定基準》 ○:フィルム表面に変化が見られず良好。 ×:フィルム表面に指で擦った痕が見られ、剥離力も変
化している。
式濁度計「NDH−20D」により試料フィルムの濁度
を測定した。
よって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)
だけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という)の平
均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2
直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値
をマイクロメートル(μm)単位で表わしたものを抜き
取り部分の最大高さとした。最大高さは試料フィルム表
面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から
求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。な
お、この時使用した触針半径は2.0μm、荷重30m
g、カットオフ値0.08mmである。
ンター)の延伸点において、フィルム端部を固定するク
リップから横延伸フィルムが滑って外れる状況を下記判
定基準により、判定を行った。 《判定基準》 〇:殆どクリップ外れがなく生産性良好 ×:フィルムがズルズル滑ってクリップ外れを起こし、
生産性が全くない
定基準により判定を行った。なお、剥離力が2000〜
4500mN/cmの範囲を重剥離領域として評価し
た。 《判定基準》 ○:重剥離領域の離型フィルムが得られ、生産性も良好
であり、フィルムヘーズが低く、多用途に使用できる。 △:重剥離領域の離型フィルムは得られ、生産性も良好
であり、フィルムヘーズが若干高いが、実用上問題ない
レベル ×:重剥離領域の離型フィルムが得られず、得られたフ
ィルムのヘーズが高く、透明性を必要とする用途には対
応困難
ステルおよびフィルムの製造方法について説明する。 〈ポリエステルの製造〉 ポリエステル−(1) ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール60重量部および酢酸マグネシウム・4水塩0.0
9重量部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノー
ルを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4
時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換
反応を終了した。次いでエチレングリコールスラリーエ
チルアシッドフォスフェート0.04重量部、三酸化ア
ンチモンを0.04重量部、平均粒径1.5μmの二酸
化珪素粒子を0.1部添加した後、100分で温度を2
80℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に
圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間
後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレ
ンテレフタレート−(1)を得た。
コーン変性アクリル樹脂20重量部を、290℃の温度
に設定したベント付き二軸押し出し機にて、溶融押し出
しを行いシリコーンレジンを20重量%含有したポリエ
ステル−(2)を得た。 ポリエステル−(3) ポリエステル−(2)の製造において、シリコーン変性
アクリル樹脂を粘度10000mm2/sのジメチルシ
リコーンオイルに変えた以外は同様の方法で、シリコー
ンオイルを20重量%含有したポリエステル−(3)を
得た。
後、それぞれ別の押出機で290℃にて溶融し、Tダイ
から押し出すに際して幅方向に、ポリエステル−(1)
/ポリエステル−(1)97.5重量部とポリエステル
−(2)2.5重量部/ポリエステル−(1)の構成と
なるよう溶融ポリマーをこと前に合流させた。溶融ポリ
マーが合流してからTダイより押し出されるまでの温度
は290℃として、Tダイよりシート状に押出し、表面
温度を40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却
法を利用して急冷固化させ、厚み550μmの実質的に
非晶質のシートを作成した。尚、この時の各ポリエステ
ル領域は、幅方向の長さ比で1:8:1であった。次い
でこの無定型シートを縦方向に85℃で3.7倍縦延伸
し、横方向に100℃で横方向に3.9倍延伸し210
℃で3秒間熱処理を行い、耳部(端部)をトリミングに
より除去し、厚さ38μmの二軸配向フィルムを製造し
た。延伸工程でのクリップ外れは見られず、製膜の連続
性は良好であった。
変えた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜5、
比較例2〜3のフィルムを得た。
溶融し、Tダイよりシート状に押出し、表面温度を40
℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用し
て急冷固化させ、厚み550μmの実質的に非晶質のシ
ートを作成した。次いでこの無定型シートを縦方向に8
5℃で3.7倍縦延伸し、横方向に100℃で横方向に
3.9倍延伸し210℃で3秒間熱処理を行い、耳部
(端部)をトリミングにより除去し、厚さ38μmの二
軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムは、シリ
コーンを含有していないポリエステルフィルムの表面
(A)として、蛍光X線により珪素元素量の測定を行っ
た。
ル−(1)97.5重量部とポリエステル−(2)2.
5重量部に変えた以外は比較例1と同様の方法でポリエ
ステルフィルムの製造を行ったが、横延伸工程でクリッ
プ外れが多発し、ポリエステルフィルムは得られなかっ
た。
からなる離型層を、表面Si量が0.02g/m2とな
るように塗布量を設定し、離型フィルムを得た。 《離型剤組成》 硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部 硬化触媒(PL−50T:信越化学製) 1部 トルエン/MEK混合溶媒(配合比率は1:1) 3200部
m2となるように塗布量を変更する以外は比較例4と同
様に離型フィルムを製造したが、塗布ムラなどのコート
欠陥により離型フィルムは得られなかった。以上、各実
施例および比較例で得られたフィルムの特性を下記表2
に示す。
ルムでは得ることが困難である重剥離領域の剥離力を有
し、離型面が平坦であるため、例えば、プリント配線基
板の絶縁層成形用、セラミック製品製造分野(セラミッ
ク基板等)、粘着剤層保護用等、各種離型用として好適
であり、その工業的価値は極めて高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコーン成分を含有するポリエステル
よりなる、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
ルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時
に満足することを特徴とするポリエステルフィルム。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
を表す) - 【請求項2】 アクリル系粘着テープに対する剥離力が
2000〜4500N/cmであることを特徴とする請
求項1記載のポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 フィルムヘーズが10%以下であること
を特徴とする請求項1または2記載のポリエステルフィ
ルム。 - 【請求項4】 プリント配線基板の絶縁層成形用である
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリエ
ステルフィルム。
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---|---|---|---|
JP2001247172A JP2003055482A (ja) | 2001-08-16 | 2001-08-16 | ポリエステルフィルム |
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JP2003055482A true JP2003055482A (ja) | 2003-02-26 |
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JP2001247172A Pending JP2003055482A (ja) | 2001-08-16 | 2001-08-16 | ポリエステルフィルム |
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JP (1) | JP2003055482A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110964220A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-07 | 江阴华美光电科技有限公司 | 一种低温固化超轻pet离型膜及其制备方法 |
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2001
- 2001-08-16 JP JP2001247172A patent/JP2003055482A/ja active Pending
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