JP2003055482A - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JP2003055482A
JP2003055482A JP2001247172A JP2001247172A JP2003055482A JP 2003055482 A JP2003055482 A JP 2003055482A JP 2001247172 A JP2001247172 A JP 2001247172A JP 2001247172 A JP2001247172 A JP 2001247172A JP 2003055482 A JP2003055482 A JP 2003055482A
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film
polyester
silicone
polyester film
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JP2001247172A
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English (en)
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Kimihiro Izaki
公裕 井崎
Kazuhiro Kunugihara
一弘 椚原
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Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重剥離力領域における剥離力制御が容易であ
り、平坦なフィルム表面においても良好な滑り性を有
し、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの界面で
の密着性不良の懸念がなく、例えば、プリント配線基板
の絶縁層成形用、セラミック製品製造分野(セラミック
基板、セラミック積層コンデンサーに用いるグリーンシ
ート成形用等)等のシート成形用、粘着剤層保護用等、
各種離型用として好適な、離型性を有するポリエステル
フィルムを安価に提供する。 【解決手段】 シリコーン成分を含有するポリエステル
よりなる、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
ルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時
に満足することを特徴とするポリエステルフィルム。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離型性を有するポリ
エステルフィルムに関し、詳しくは、シート成形用(プ
リント配線基板の絶縁層成形用、グリーンシート成形用
等)、粘着用(ラベル用、医療用、こと務用品用等)
等、各種離型性を必要とするフィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、離型フィルムがシート成形用、粘
着用等、各種離型用に使用されており、通常、ポリエス
テルフィルム上に離型層が設けられた離型フィルムが汎
用的に用いられている。重剥離領域の剥離力を有する離
型フィルムを得るためには、通常、離型層中の架橋剤の
添加量を増加することが行われるが、その場合、エージ
ング処理に伴って軽剥離化してしまい、所望する剥離力
を有する離型フィルムが得られなかったり、重剥離コン
トロール剤を添加する方法では剥離力の安定性に劣る場
合がある。
【0003】離型フィルムを構成する離型層において、
その構成材料として汎用的に用いられるシリコーンは、
ポリエステルフィルムとの密着性に乏しく、密着性良好
な離型フィルムを得るためには、予めポリエステルフィ
ルムに易接着層を設けたポリエステルフィルムを用いる
等の工夫が必要とされている。また、ポリエステルフィ
ルムへの易滑性付与を目的として無機粒子等を添加し、
フィルム表面に突起を形成させる手法が用いられる。当
該手法はセラミック基板、セラミック積層コンデンサー
等の電子部品を製造する際に用いるグリーンシ−ト成形
用キャリアフィルムとして用いる際、フィルム表面に粗
大突起が存在するとピンホールが発生する等の不具合を
生じる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みなされたものであり、その解決課題は、重剥離力領域
における剥離力制御が容易であり、平坦なフィルム表面
においても良好な滑り性を有し、シリコーン離型層とポ
リエステルフィルムの界面での密着性不良の懸念がな
く、例えば、プリント配線基板の絶縁層成形用、セラミ
ック製品製造分野(セラミック基板、セラミック積層コ
ンデンサーに用いるグリーンシート成形用等)等のシー
ト成形用、粘着剤層保護用等、各種離型用として好適
な、離型性を有するポリエステルフィルムを安価に提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に取り組み鋭意検討した結果、ある特定の構成からなる
ポリエステルフィルムを用いれば、離型用として優れた
特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、シリコーン成分を含有
するポリエステルよりなる、少なくとも一軸方向に延伸
されたポリエステルフィルムであって、下記式(1)お
よび(2)を同時に満足することを特徴とするポリエス
テルフィルムに存する。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明においてポリエステルフィルムに使用する
ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポ
リエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる
場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮
合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリ
エステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート(PEN)等が例示される。
【0007】一方、共重合ポリエステルの場合は、30
モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが
好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキ
シカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の
一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分とし
て、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種
または二種以上が挙げられる。
【0008】何れにしても本発明でいうポリエステルと
は、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフ
タレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位である
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエス
テルを指す。本発明におけるポリエステル層中には、易
滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ま
しい。
【0009】配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な
粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例とし
ては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭5
9−5216号公報、特開昭59−217755号公報
等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。こ
の他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、
熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル
製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散
させた析出粒子を用いることもできる。
【0010】一方、使用する粒子の形状に関しても特に
限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等
の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等に
ついても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に
応じて2種類以上を併用してもよい。使用する粒子の平
均粒径は、0.1〜5μmの範囲が好ましく、さらに好
ましくは0.5〜3μmの範囲である。平均粒径が0.
1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が
不十分となる傾向があり、一方、5μmを超える場合に
は、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程にお
いて離型層を設ける場合等に不具合を生じることがあ
る。
【0011】さらにポリエステル中の粒子含有量は、
0.01〜5重量%の範囲が好ましく、さらに好ましく
は0.01〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.
01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分
になる場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場
合にはフィルム表面の平滑性が不十分になる場合があ
る。
【0012】ポリエステル中に粒子を添加する方法とし
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を
採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段
階において添加することができるが、好ましくはエステ
ル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合
反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用
い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子
のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、
または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステ
ル原料とをブレンドする方法などによって行われる。本
発明においては、ポリエステルフィルムに離型性を付与
するために、予めシリコーン成分を含有するポリマーを
練り込んだポリエステルを用いることが好ましい。含有
するシリコーンの種類、含有量等により、剥離力や滑り
性等、フィルム特性の制御を行うことが可能となる。
【0013】本発明におけるポリエステルに含有するシ
リコーンとは、シロキサン結合によりなるポリオルガノ
シロキサンのことを指し、性状などからオイル、ゴム、
レジンに分類される(例えば、「シリコーンハンドブッ
ク 伊藤邦雄偏 日刊工業新聞社」等に記載例があ
る)。シリコーンオイルは総称してストレートシリコー
ンオイルと呼ばれる、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイルや、有機物との相溶性や化学反応性、帯
電防止性、潤滑性などを付与するために、メチル基の一
部に各種有機基、たとえばメチルスチレン、長鎖アルキ
ル、ポリエーテル、カルビノール、アミン、エポキシ、
カルボキシル、高級脂肪酸、メルカプト、メタクリル等
を導入し、特殊な有機基Rを分子構造中に含む、総称し
て変性シリコーンオイルと呼ばれるものがある。
【0014】また、官能性有機基の位置により構造が4
つに分類でき、ポリシロキサンの側鎖に官能性有機基を
導入した側鎖型、両末端に導入した両末端型、側鎖と両
末端に導入した側鎖/両末端型および片末端に導入した
片末端型に分けられる。シリコーンゴムは、重合度5,
000〜10,000の線状ポリマーでオルガノポリシ
ロキサンを主成分とするミラブル型シリコーンゴムと重
合度100〜2,000の線状ポリマーを主成分とする
液状シリコーンゴムに大別される。シリコーンゴムは、
シリコーン生ゴムにシリカ系充填剤、潤滑剤などを添加
したもので、主成分のシリコーン生ゴムは、重合度5,
000〜10,000程度の平均分子量40万〜80万
の高分子体であり、ジメチル系、メチルビニル系、メチ
ルフェニルビニル系、メチルフロロアルキル系が一般的
に使用されている。シリコーンレジンは、オルガノシラ
ン類を共加水分解し重合して得られる三次元網状構造を
有するポリマーであり、大別してシリコーン本来の性質
を利用した純シリコーンレジンと、他の樹脂と変性して
多様な特性を加味した変性シリコーンレジンに分けられ
る。
【0015】シリコーンレジンは一般にSiO2、CH3
SiO3/2、(CH32SiO、(CH33SiO1/2
構造単位の組み合わせでできる共重合であるメチルシリ
コーンレジンと、CH3SiO3/2、(CH32SiO、
65SiO3/2、(C6 5)(CH3)SiO、(C6
52SiOの構造単位を組み合わせてできる メチル
フェニルシリコーンレジンに大別できる。変性シリコー
ンレジンは、シリコーンと有機反応性モノマーやオリゴ
マーを共重合することにより得られ、シリコーンアルキ
ッド、シリコーンポリエステル、シリコーンアクリル、
シリコーンエポキシ、シリコーンフェノールなどは縮合
反応により得られる。
【0016】本発明において用いるシリコーンは特に限
定はしないが、ジメチルシリコーンのオイルや生ゴム、
ビニルシリコーンのオイルや生ゴム、フェニルシリコー
ンのオイルや生ゴム、各種反応性シリコーンオイル、シ
リコーンとエポキシ基、カルボキシ基、水酸基等を有す
る有機反応性モノマーを共重合したシリコーン変性レジ
ンなどが好ましく用いられる。
【0017】また、フィルム中のシリコーン含有量に関
しては特に限定される訳ではないが、好ましくは0.0
5〜5.0重量%の範囲である。シリコーン含有量が
0.05重量%未満では、離型性が不十分な場合があ
る。一方、シリコーン含有量が5.0重量%を超える場
合は、フィルムヘーズが高くなるため、透明性を必要と
する用途に対応困難となる場合がある。本発明にフィル
ムにおいて、フィルム表面のSi量は0.50g/m2
以下、好ましくは0.01〜0.30g/m2以下の範
囲である。Si量が0.50g/m2を超える場合、フ
ィルムヘーズが高くなるため、例えば、光学用途等、透
明性を必要とされる用途に対応困難となる。Si量が
0.01g/m2未満では、シリコーンを含有したこと
による離型性の効果が不十分となる場合がある。また、
フィルム表面のSi量は離型性を有していない通常のの
ポリエステルでも0.0002g/m2程度のSi量が
検出されている。
【0018】本発明のフィルムにおいて、フィルム表面
の最大突起高さ(Rmax)は、900nm以下である
必要があり、好ましくは700nm以下、さらに好まし
くは600nm以下である。Rmaxが900nmを超
える場合、例えば、プリント配線基板の絶縁層成形用に
用いた場合、絶縁層に不均一な部分が生じ、絶縁性に劣
るようになる。本発明のフィルムの剥離力は、一般の塗
布型の離型フィルムでは、安定した離型性を得るのが困
難な剥離力領域である。離型層を塗布することによる重
剥離化は、前述のとおりの欠点を有するとともに、本発
明者らの経験上、剥離力として2000mN/cmより
重い領域の剥離性を安定して得ることが困難であると考
えられる。
【0019】本発明において、フィルムの剥離力は、2
000〜4500mN/cmの範囲が好ましい。剥離力
が2000mN/cm未満の場合、ポリエステルフィル
ム中のシリコーン含有量が多くなるため、フィルムヘー
ズが高くなり、透明性を必要とする用途には対応困難な
場合がある。一方、4500mN/cmを超える場合、
剥離性が不十分となる場合がある。
【0020】本発明において、前述のシリコーンオイ
ル、シリコーンゴム、シリコーンレジン等をポリエステ
ルに配合する方法は特に限定される訳ではないが、ポリ
マー中におけるシリコーンの分散性、生産時の取り扱い
性等を配慮した場合、予め二軸押し出し機等を用いてポ
リエステルとシリコーンを練り混み、10〜60%程度
のシリコーン含有マスターバッチ(以下、MBと略記す
る場合がある)を作成し、フィルム製膜時にポリエステ
ルと所定のMBを配合する方法がポリマー中におけるシ
リコーンの分散性が良好となるため、好ましい。本発明
のフィルムは、シリコーンを含有したポリマー層が少な
くとも一つの最外層を形成していれば、そのフィルム構
成として少なくとも二層以上からなる、いわゆる積層フ
ィルムの構成を有していてもよい。
【0021】次に本発明におけるポリエステルフィルム
の製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に
何ら限定されるものではない。まず、先に述べたポリエ
ステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シート
を冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この
場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷
却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着
法および/または液体塗布密着法が好ましく採用され
る。次に得られた未延伸シートは少なくとも一軸方向に
延伸される。二軸方向に延伸する場合には、まず、前記
の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の
延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120
℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常
2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次い
で、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常130
〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ま
しくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、180
〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で
熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
【0022】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を採用することもできる。その場
合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲とな
るように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シート
を面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を
行うことも可能である。必要に応じて熱処理を行う前ま
たは後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。本発明のフィルムは、離型性および易滑性を有する
ため、二軸延伸する場合に、共押出しにより端部と中央
部を有する構成とし、中央部にシリコーン含有ポリエス
テルを用い、両端部にはシリコーンを実質的に含有しな
いポリマーを用いる方法を使用するのがよい。ポリエス
テルの二軸延伸工程中、横延伸工程はフィルムの両端部
をクリップして行うが、上記構成とすることにより、横
延伸の際にクリップ外れが多発することが懸念される。
【0023】両端部ポリエステルと中央部ポリエステル
を前述のように幅方向に合わせて溶融押出する方法は、
従来公知の方法、例えば、特開昭55−118832号
公報、特開平1−118428号公報、特開平8−20
7119号公報等に記載される方法を採用することがで
きる。当該方法により、フィルム幅方向に見て端部ポリ
エステル/中央部ポリエステル/端部ポリエステルの順
となるように溶融ポリエステル融液を事前に合流させ共
押出した後は常法に従って、二軸延伸を施す。また、上
述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面
を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティ
ング)を施すことができる。それは以下に限定するもの
ではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段
目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処
理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエス
テルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と
同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率
に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムと
して好適なフィルムを製造できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固形
分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評
価方法は次のとおりである。
【0025】(1)ポリエステルの固有粘度の測定 ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を
除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テト
ラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒10
0mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0026】(2)平均粒径(d50:μm)の測定 遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製
SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布にお
ける積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
【0027】(3)蛍光X線によるフィルム表面のSi
量の算出方法 蛍光X線測定装置((株)島津製作所製 型式「XRF
−1500」)を用いて、FP(Fundamental Paramet
er Method)法により、下記測定条件下、シリコーン含
有ポリエステルフィルムの表面(B)およびシリコーン
を含有していないポリエステルフィルムの表面(A)の
珪素元素量を測定し、その差をもってシリコーン含有フ
ィルム表面のSi量を算出した。 《測定条件》 ・分光結晶:PET(ペンタエリスリトール) ・2θ:108.88° ・管電流:95mA ・管電圧:40kv
【0028】(4)剥離力測定 試料フィルムの離型面に両面粘着テープ(日東電工製
「No.502」)を貼り付けて、室温にて1時間放置
後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)イ
ンテスコ製「インテスコモデル2001型式」)を使用
し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離試
験を行い、測定した。
【0029】(5)ラブオフテスト 23℃、50%RH雰囲気下、試料フィルムを30日間
放置後、離型面を指先で5回摩擦し、離型面の状態を下
記判定基準にて評価を行った。 《判定基準》 ○:フィルム表面に変化が見られず良好。 ×:フィルム表面に指で擦った痕が見られ、剥離力も変
化している。
【0030】(6)フィルムヘーズ測定 JIS―K―6714に準じ、日本電色工業社製積分球
式濁度計「NDH−20D」により試料フィルムの濁度
を測定した。
【0031】(7)最大突起高さ(Rmax)測定 (株)小坂研究所製 表面粗さ測定機(SE−3F)に
よって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)
だけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という)の平
均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2
直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値
をマイクロメートル(μm)単位で表わしたものを抜き
取り部分の最大高さとした。最大高さは試料フィルム表
面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から
求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。な
お、この時使用した触針半径は2.0μm、荷重30m
g、カットオフ値0.08mmである。
【0032】(8)連続製膜性の評価 無定形シートを縦延伸後、横延伸する際、横延伸機(テ
ンター)の延伸点において、フィルム端部を固定するク
リップから横延伸フィルムが滑って外れる状況を下記判
定基準により、判定を行った。 《判定基準》 〇:殆どクリップ外れがなく生産性良好 ×:フィルムがズルズル滑ってクリップ外れを起こし、
生産性が全くない
【0033】(9)実用特性評価 試料フィルムの生産性および実用特性に関して、下記判
定基準により判定を行った。なお、剥離力が2000〜
4500mN/cmの範囲を重剥離領域として評価し
た。 《判定基準》 ○:重剥離領域の離型フィルムが得られ、生産性も良好
であり、フィルムヘーズが低く、多用途に使用できる。 △:重剥離領域の離型フィルムは得られ、生産性も良好
であり、フィルムヘーズが若干高いが、実用上問題ない
レベル ×:重剥離領域の離型フィルムが得られず、得られたフ
ィルムのヘーズが高く、透明性を必要とする用途には対
応困難
【0034】次に、下記の例において用いた原料ポリエ
ステルおよびフィルムの製造方法について説明する。 〈ポリエステルの製造〉 ポリエステル−(1) ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール60重量部および酢酸マグネシウム・4水塩0.0
9重量部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノー
ルを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4
時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換
反応を終了した。次いでエチレングリコールスラリーエ
チルアシッドフォスフェート0.04重量部、三酸化ア
ンチモンを0.04重量部、平均粒径1.5μmの二酸
化珪素粒子を0.1部添加した後、100分で温度を2
80℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に
圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間
後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレ
ンテレフタレート−(1)を得た。
【0035】ポリエステル−(2) ポリエチレンテレフタレート−(1)80重量部、シリ
コーン変性アクリル樹脂20重量部を、290℃の温度
に設定したベント付き二軸押し出し機にて、溶融押し出
しを行いシリコーンレジンを20重量%含有したポリエ
ステル−(2)を得た。 ポリエステル−(3) ポリエステル−(2)の製造において、シリコーン変性
アクリル樹脂を粘度10000mm2/sのジメチルシ
リコーンオイルに変えた以外は同様の方法で、シリコー
ンオイルを20重量%含有したポリエステル−(3)を
得た。
【0036】実施例1 ポリエステル−(1)とポリエステル−(2)を乾燥
後、それぞれ別の押出機で290℃にて溶融し、Tダイ
から押し出すに際して幅方向に、ポリエステル−(1)
/ポリエステル−(1)97.5重量部とポリエステル
−(2)2.5重量部/ポリエステル−(1)の構成と
なるよう溶融ポリマーをこと前に合流させた。溶融ポリ
マーが合流してからTダイより押し出されるまでの温度
は290℃として、Tダイよりシート状に押出し、表面
温度を40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却
法を利用して急冷固化させ、厚み550μmの実質的に
非晶質のシートを作成した。尚、この時の各ポリエステ
ル領域は、幅方向の長さ比で1:8:1であった。次い
でこの無定型シートを縦方向に85℃で3.7倍縦延伸
し、横方向に100℃で横方向に3.9倍延伸し210
℃で3秒間熱処理を行い、耳部(端部)をトリミングに
より除去し、厚さ38μmの二軸配向フィルムを製造し
た。延伸工程でのクリップ外れは見られず、製膜の連続
性は良好であった。
【0037】実施例2〜5、比較例1 実施例1において、巾方向の中央部を下記表1の配合に
変えた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜5、
比較例2〜3のフィルムを得た。
【0038】
【表1】
【0039】比較例2 ポリエステル−(1)を乾燥後、押出機で290℃にて
溶融し、Tダイよりシート状に押出し、表面温度を40
℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用し
て急冷固化させ、厚み550μmの実質的に非晶質のシ
ートを作成した。次いでこの無定型シートを縦方向に8
5℃で3.7倍縦延伸し、横方向に100℃で横方向に
3.9倍延伸し210℃で3秒間熱処理を行い、耳部
(端部)をトリミングにより除去し、厚さ38μmの二
軸配向フィルムを製造した。得られたフィルムは、シリ
コーンを含有していないポリエステルフィルムの表面
(A)として、蛍光X線により珪素元素量の測定を行っ
た。
【0040】比較例3 比較例2において、ポリエステル−(1)をポリエステ
ル−(1)97.5重量部とポリエステル−(2)2.
5重量部に変えた以外は比較例1と同様の方法でポリエ
ステルフィルムの製造を行ったが、横延伸工程でクリッ
プ外れが多発し、ポリエステルフィルムは得られなかっ
た。
【0041】比較例4 比較例2で得られたポリエステルフィルムに、下記組成
からなる離型層を、表面Si量が0.02g/m2とな
るように塗布量を設定し、離型フィルムを得た。 《離型剤組成》 硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部 硬化触媒(PL−50T:信越化学製) 1部 トルエン/MEK混合溶媒(配合比率は1:1) 3200部
【0042】比較例5 比較例4において、離型層の表面Si量が0.01g/
2となるように塗布量を変更する以外は比較例4と同
様に離型フィルムを製造したが、塗布ムラなどのコート
欠陥により離型フィルムは得られなかった。以上、各実
施例および比較例で得られたフィルムの特性を下記表2
に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明のフィルムは、塗布型の離型フィ
ルムでは得ることが困難である重剥離領域の剥離力を有
し、離型面が平坦であるため、例えば、プリント配線基
板の絶縁層成形用、セラミック製品製造分野(セラミッ
ク基板等)、粘着剤層保護用等、各種離型用として好適
であり、その工業的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AA47 AA67 AE22 AF19Y AF30Y AF39 AH13 BB07 BC01 BC16 4F210 AA41 AG01 AH36 QC06 QG01 QG18 4J002 CF031 CF041 CF061 CF081 CF091 CF181 FD170 GQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン成分を含有するポリエステル
    よりなる、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステ
    ルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時
    に満足することを特徴とするポリエステルフィルム。 Si≦0.50 …(1) Rmax≦900 …(2) (上記式中、Siはフィルム表面の珪素元素量(g/m
    2)、Rmaxはフィルム表面の最大突起高さ(nm)
    を表す)
  2. 【請求項2】 アクリル系粘着テープに対する剥離力が
    2000〜4500N/cmであることを特徴とする請
    求項1記載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムヘーズが10%以下であること
    を特徴とする請求項1または2記載のポリエステルフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 プリント配線基板の絶縁層成形用である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリエ
    ステルフィルム。
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