JP2003012676A - ピロメテン金属錯体、それを用いた発光素子材料ならびに発光素子 - Google Patents

ピロメテン金属錯体、それを用いた発光素子材料ならびに発光素子

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JP2003012676A
JP2003012676A JP2002117229A JP2002117229A JP2003012676A JP 2003012676 A JP2003012676 A JP 2003012676A JP 2002117229 A JP2002117229 A JP 2002117229A JP 2002117229 A JP2002117229 A JP 2002117229A JP 2003012676 A JP2003012676 A JP 2003012676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光素子等に利用可能な蛍光色素、およびそれ
を用いた高輝度かつ高色純度の発光素子を提供する。 【解決手段】一般式(1)で示されることを特徴とする
ピロメテン金属錯体。 【化1】 (R1、R2およびLは同じでも異なっていてもよく、水
素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸
基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール
基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケ
ン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニ
ル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、
アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接
置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中か
ら選ばれる。Mはm価の金属を表し、ホウ素、ベリリウ
ム、マグネシウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
白金から選ばれる少なくとも一種である。Ar1〜Ar5
はアリール基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光色素として有
用なピロメテン金属錯体およびそれを用いた発光素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下
での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が
特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究はコダック社のC.W.Tang
らが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示して
以来(Appl.Phys.Lett.51(12)2
1,p.913,1987)、多くの研究機関が検討を
行っている。コダック社の研究グループが提示した有機
積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板
上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてM
g:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電
圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であった。現
在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他
に電子輸送層を設けているものなど構成を変えているも
のもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲してい
る。
【0004】多色発光の中でも赤色発光は、有用なる発
光色として研究が進められている。従来、ビス(ジイソ
プロピルフェニル)ペリレンなどのペリレン系、ペリノ
ン系、ポルフィリン系、Eu錯体(Chem.Let
t.,1267(1991))などが赤色発光材料とし
て知られている。
【0005】また、赤色発光を得る手法として、ホスト
材料の中に微量の赤色蛍光材料をドーパントとして混入
させる方法も検討されている。ホスト材料としては、ト
リス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(1
0−ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、ジアリール
ブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾ
ール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などがあげられ、
その中にドーパントとして金属フタロシアニン(MgP
c、AlPcClなど)化合物、スクアリリウム化合
物、ビオラントロン化合物を存在させることによって赤
色発光を取り出していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術に用
いられる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)に
は、発光効率が低く消費電力が高いものや、化合物の耐
久性が低く素子寿命の短いものが多かった。また、フル
カラーディスプレイに必要な三原色の内、緑色発光にお
いては高性能の発光材料が見い出されているが、青色や
赤色、特に赤色においては十分な特性、とりわけ高輝
度、高色純度の両方を満たす発光材料は得られていな
い。本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、発光効
率が高く、色純度に優れた発光素子を可能にする新規ピ
ロメテン金属錯体、およびそれを用いた発光素子を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は下記一
般式(1)で示されることを特徴とするピロメテン金属
錯体である。
【0008】
【化3】
【0009】(R1、R2およびLは同じでも異なってい
てもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキ
ニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル
基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、
ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カル
バモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサ
ニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂
肪族環の中から選ばれる。Mはm価の金属を表し、ホウ
素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種であ
る。Ar1〜Ar5はアリール基を表す。)さらに本発明
は陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気エネルギー
により発光する素子であって、該素子が一般式(1)で
示されるピロメテン金属錯体を含むことを特徴とする発
光素子である。
【0010】
【発明の実施の形態】下記一般式(1)で示される本発
明のピロメテン金属錯体について詳細に説明する。
【0011】
【化4】
【0012】R1、R2およびLは同じでも異なっていて
もよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニ
ル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル
基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、
ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カル
バモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサ
ニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂
肪族環の中から選ばれる。Mはm価の金属を表し、ホウ
素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種であ
る。Ar1〜Ar5はアリール基を表す。
【0013】これらの置換基の内、アルキル基とは例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽
和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換され
ていてもかまわない。また、シクロアルキル基とは例え
ばシクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、ア
ダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは
無置換でも置換されていてもかまわない。また、アラル
キル基とは例えばベンジル基、フェニルエチル基などの
脂肪族炭化水素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪
族炭化水素と芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換
されていてもかまわない。また、アルケニル基とは例え
ばビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合
を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換で
も置換されていてもかまわない。また、シクロアルケニ
ル基とは例えばシクロペンテニル基、シクロペンタジエ
ニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和
脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されて
いてもかまわない。また、アルキニル基とは例えばアセ
チレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素
基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわな
い。また、アルコキシ基とは例えばメトキシ基などのエ
ーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭
化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。ま
た、アルキルチオ基とはアルコキシ基のエーテル結合の
酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。また、ア
リールエーテル基とは例えばフェノキシ基などのエーテ
ル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水
素基は無置換でも置換されていてもかまわない。また、
アリールチオエーテル基とはアリールエーテル基のエー
テル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものであ
る。また、アリール基とは例えばフェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル
基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、これは
無置換でも置換されていてもかまわない。また、複素環
基とは例えばフリル基、チエニル基、オキサゾリル基、
ピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基などの炭素以
外の原子を有する環状構造基を示し、これは無置換でも
置換されていてもかまわない。ハロゲンとはフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素を示す。ハロアルカン、ハロアルケ
ン、ハロアルキンとは例えばトリフルオロメチル基など
の、前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の
一部あるいは全部が、前述のハロゲンで置換されたもの
を示し、残りの部分は無置換でも置換されていてもかま
わない。アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カ
ルバモイル基、アミノ基には脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換されたもの
も含み、さらに脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香
族炭化水素、複素環は無置換でも置換されていてもかま
わない。シリル基とは例えばトリメチルシリル基などの
ケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されてい
てもかまわない。シロキサニル基とは例えばトリメチル
シロキサニル基などのエーテル結合を介したケイ素化合
物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわ
ない。隣接置換基との間に形成される縮合環または脂肪
族環は無置換でも置換されていてもかまわない。
【0014】また、一般式(1)で表される金属錯体の
中でも下記一般式(2)のホウ素錯体が蛍光量子収率が
高い。
【0015】
【化5】
【0016】ここで、R3〜R6は同じでも異なっていて
もよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニ
ル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル
基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、
ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カル
バモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサ
ニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂
肪族環の中から選ばれる。Ar6〜Ar10はアリール基
を表す。これらの置換基については上記一般式(1)の
説明と同様である。
【0017】上記一般式(1)のAr1〜Ar4のうち少
なくとも1つ、上記一般式(2)のAr6〜Ar9のうち
少なくとも1つが炭素数4以上のアルキル基で置換され
ていると、薄膜中での分散性が向上し、高輝度発光が得
られる。さらに材料の入手しやすさや、合成の容易さを
考えると上記一般式(2)のR5およびR6はともにフッ
素であることが好ましい。上記のようなピロメテン金属
錯体として具体的には以下のような化合物があげられ
る。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】本発明のピロメテン金属錯体は、例えば以
下の方法により製造することができる。
【0029】下記一般式(3)で表される化合物と一般
式(4)で表される化合物をオキシ塩化リン存在下、
1,2−ジクロロエタン中で加熱した後、下記一般式
(5)で表される化合物をトリエチルアミン存在下、
1,2−ジクロロエタン中で反応させることにより、一
般式(1)の金属錯体を得ることができる。ここで、A
1〜Ar5、R1およびR2、M、L、mは前記と同じで
ある。Jはハロゲンを表す。
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】本発明のピロメテン金属錯体は発光素子材
料として、好適に用いられる。以下に本発明の発光素子
について詳細に説明する。
【0034】本発明において陽極は、光を取り出すため
に透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジ
ウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは金、
銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導
電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリ
ンなどの導電性ポリマなど特に限定されるものでない
が、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に望ま
しい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給
できればよいので限定されないが、素子の消費電力の観
点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω
/□以下のITO基板であれば素子電極として機能する
が、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっ
ていることから、低抵抗品を使用することが特に望まし
い。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事がで
きるが、通常100〜300nmの間で用いられること
が多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、無ア
ルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強度を
保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上
あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスか
らの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラス
の方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを施し
たソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用
できる。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッ
タリング法、化学反応法など特に制限を受けるものでは
ない。
【0035】陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入
できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、
金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウ
ム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウムなどがあげられるが、電子注入効率
をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはこ
れら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であ
ることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグ
ネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドー
ピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい
例として挙げることができるが、フッ化リチウムのよう
な無機塩の使用も可能であることから特にこれらに限定
されるものではない。更に電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チ
タニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層すること
が好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法
も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプ
レーティング、コーティングなど導通を取ることができ
れば特に制限されない。
【0036】発光物質とは、1)正孔輸送層/発光層、
2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光層/電
子輸送層、4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層、5)
正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層、6)発
光層/正孔阻止層/電子輸送層そして、7)以上の組合
わせ物質を一層に混合した形態のいずれであってもよ
い。即ち、素子構成としては、上記1)〜6)の多層積
層構造の他に7)のように発光材料単独または発光材料
と正孔輸送材料や正孔阻止層、電子輸送材料を含む層を
一層設けるだけでもよい。さらに、本発明における発光
物質は自ら発光するもの、その発光を助けるもののいず
れにも該当し、発光に関与している化合物、層などを指
すものである。
【0037】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合するか正孔輸送性物質と高
分子結着剤の混合物により形成され、正孔輸送性物質と
してはN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチ
ルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジア
ミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−
4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリ
フェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)ま
たはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン
誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オ
キサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系で
は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレ
ン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが
好ましいが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から
正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であ
れば特に限定されるものではない。
【0038】発光層は発光材料(ホスト材料、ドーパン
ト材料)により形成され、これはホスト材料とドーパン
ト材料との混合物であっても、ホスト材料単独であって
も、いずれでもよい。ホスト材料とドーパント材料は、
それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであって
も、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全
体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれ
であってもよい。ドーパント材料は積層されていても、
分散されていても、いずれであってもよい。
【0039】本発明ピロメテン金属錯体は発光材料とし
て好適に用いられる。従来、ピロメテン金属錯体は発光
材料、特にドーパント材料として、高輝度発光を示すこ
とは知られており、また、ピロメテン骨格の1,3,
5,7位に芳香環等を導入することにより、赤色発光を
示すことも知られている。しかし、従来のピロメテン金
属錯体は濃度消光しやすいため、発光輝度・色度ともに
満足する赤色発光は得られていなかった。しかるに、ピ
ロメテン骨格の8位に置換基を導入すると、その置換基
の立体的および電子的効果により濃度消光が低減され
る。一方、8位の置換基が回転することにより、ピロメ
テン化合物の蛍光量子収率は低下する。そこで本発明の
ピロメテン化合物は、ピロメテン骨格の8位にアリール
基を導入し、その回転を抑制することによって、蛍光量
子収率が高く、かつ、濃度消光が抑制された。この回転
抑制の効果は、一般式(1)のAr1とAr4、一般式
(2)のAr6とAr9をともにアリール基であることに
より達成されている。さらに、ピロメテン骨格に導入さ
れたアリール基(一般式(1)のAr1〜Ar4、一般式
(2)のAr6〜Ar9)のうち少なくとも1つが炭素数
4以上のアルキル基で置換されていると、無置換のもの
に比べて膜中での分散性が向上し、さらに発光輝度が向
上する。本発明のピロメテン金属錯体はホスト材料とし
て用いてもよいが、蛍光量子収率が高いことや、発光ス
ペクトルの半値幅が小さいことから、ドーパント材料と
して好適に用いられる。
【0040】ドーピング量は、多すぎると濃度消光現象
が起きるため、ホスト物質に対して10重量%以下で用
いることが好ましく、更に好ましくは2重量%以下であ
る。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法
によって形成することができるが、ホスト材料と予め混
合してから同時に蒸着しても良い。また、ドーパント材
料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含ま
れていても、いずれであってもよい。ドーパント材料は
積層されていても、分散されていても、いずれであって
もよい。さらに、ピロメテン金属錯体は、極めて微量で
も発光することから微量のピロメテン金属錯体をホスト
材料にサンドイッチ状に挟んで使用することも可能であ
る。この場合、一層でも二層以上ホスト材料と積層して
も良い。発光材料に添加するドーパント材料は、前記ピ
ロメテン金属錯体一種のみに限る必要はなく、複数のピ
ロメテン金属錯体を混合して用いたり、既知のドーパン
ト材料の一種類以上をピロメテン金属錯体と混合して用
いてもよい。具体的には従来から知られている、ビス
(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸
イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、
アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロ
リンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4
−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメ
チルアミノスチリル)−4H−ピランやその類縁体、マ
グネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロ
シアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、ローダミン
化合物、デアザフラビン誘導体、クマリン誘導体、キナ
クリドン誘導体、フェノキサジン誘導体、オキサジン化
合物などを共存させることができるが特にこれらに限定
されるものではない。
【0041】ホスト材料としては特に限定されるもので
はないが、以前から発光体として知られていたアントラ
センやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウムをはじめとする金属キレート化オ
キシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体や
ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、
テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノ
ン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ピロロピロー
ル誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘
導体、ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフ
ェン誘導体などが使用できる。
【0042】本発明における電子輸送性材料としては、
電界を与えられた電極間において陰極からの電子を効率
良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、注入
された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのた
めには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造
時および使用時に発生しにくい物質であることが要求さ
れる。このような条件を満たす物質として、8−ヒドロ
キシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘
導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属
錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン誘
導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アル
ダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、
フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、芳香族リン
オキサイド化合物などがあるが特に限定されるものでは
ない。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、
異なる電子輸送材料と積層または混合して使用しても構
わない。
【0043】正孔阻止層とは、電界を与えられた電極間
において陽極からの正孔が陰極からの電子と再結合する
ことなく移動するのを防止するための層であり、各層を
構成する材料の種類によっては、この層を挿入すること
により正孔と電子の再結合確率が増加し、発光効率の向
上が望める場合がある。したがって、正孔阻止性材料と
しては正孔輸送性材料よりも最高占有分子軌道レベルが
エネルギー的に低く、隣接する層を構成する材料とエキ
サイプレックスを生成しにくいことが望まれる。陽極か
らの正孔の移動を効率よく阻止できる化合物が好まし
く、電子輸送能の高い材料が正孔阻止能も高いことか
ら、上記電子輸送材料が好ましい例として挙げられる。
【0044】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
正孔阻止層は単独または二種類以上の材料を積層、混合
するか、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0045】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、1〜1000nmの間から
選ばれる。
【0046】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0047】本発明におけるマトリクスとは、表示のた
めの画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合
で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途に
よって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画
像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青
の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデル
タタイプとストライプタイプがある。そして、このマト
リクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティ
ブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構
造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮し
た場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があ
るので、これも用途によって使い分けることが必要であ
る。
【0048】本発明におけるセグメントタイプとは、予
め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、
決められた領域を発光させることになる。例えば、デジ
タル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ
機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル
表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示と
セグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよ
い。
【0049】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号
は前記に記載した化合物の番号を指すものである。また
構造分析に関する評価方法を下記に示す。
【0050】1H−NMRは超伝導FTNMR EX−
270(日本電子(株)製)を用い、重クロロホルム溶
液にて測定を行った。
【0051】元素分析は、CHNコーダーMT−3型
(柳本製作所(株)製)、イオンクロマトグラフィーD
X320(日本ダイオネクス(株)製)およびシーケン
シャル型ICP発光分光分析装置SPS4000(セイ
コーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定を行っ
た。
【0052】マススペクトルはJMS−DX303(日
本電子(株)製)を用いて測定を行った。
【0053】吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルはそ
れぞれU−3200形分光光度計、F−2500形蛍光
分光光度計(ともに日立製作所(株)製)を用い、4×
10 -6mol/Lのジクロロメタン溶液中にて測定を行
った。
【0054】実施例1 化合物〔1〕の合成方法 1,2−ジクロロエタン30ml中に、2−ベンゾイル
−3,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)ピロール
1.3g、2,4−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)
ピロール1g、オキシ塩化リン0.47mlを入れ、加
熱環流下12時間反応させた。室温に冷却した後、ジイ
ソプロピルエチルアミン3.6ml、三フッ化ホウ素ジ
エチルエーテル錯体2.6mlを加え、6時間撹拌し
た。50mlの水を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃
縮して、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー
により精製を行い、赤紫色粉末1gを得た。得られた粉
末の 1H−NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.90(t, 12H), 1.
29-1.65(m, 32H), 2.39(t, 4H), 2.64(t, 4H), 6.44(t,
2H), 6.49(s, 2H), 6.60-6.63(m, 9H), 6.83(d,2H),
7.25(d, 4H), 7.82(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C637522Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:83.5%(83.2%) H: 8.4%( 8.3%) N: 3.2%( 3.1%) F: 3.2%( 4.2%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=908であった。以上のことから、上記
生成物である赤紫色粉末は、化合物〔1〕であることが
確認された。さらに化合物〔1〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax568nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax613nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0055】ついで、化合物〔1〕を用いた発光素子を
次のように作製した。ITO透明導電膜を150nm堆
積させたガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電
子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチング
を行った。得られた基板をアセトン、”セミコクリン5
6”で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄
した。続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波
洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥さ
せた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オ
ゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空
度が5×10-5Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱
法によって、まず正孔輸送材料として4,4’−ビス
(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニ
ルを50nm蒸着した。次にホスト材料として下記に示
すHST1、ドーパンド材料として化合物〔1〕を用い
て、ドーパント濃度が1wt%になるように15nmの
厚さに共蒸着し、ホスト材料を35nmの厚さに積層し
た。次にリチウムを0.5nm、銀を150nm蒸着し
て陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言
う膜厚は水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発
光素子からの発光スペクトルは、ピーク波長が618n
m、発光効率は4.2cd/Aの赤色発光が得られた。
【0056】
【化19】
【0057】実施例2 化合物〔2〕の合成方法 2−ベンゾイル−3,5−ジフェニルピロール1.2
g、2,4−ジフェニルピロール0.8gを用い、化合
物〔1〕と同様に合成した。赤色粉末1.4gを得た。
得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の通りであっ
た。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):6.46(t, 2H), 6.5
2(s, 2H), 6.67-6.88(m,11H), 7.43(m, 6H), 7.90(d, 4
H) また、元素分析結果は、組成式C392722Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:82.3%(81.8%) H: 4.8%( 4.7%) N: 4.9%( 4.9%) F: 6.6%( 6.6%) B: 1.9%( 2.0%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=572であった。以上のことから、上記
生成物である赤色粉末は、化合物〔2〕であることが確
認された。さらに化合物〔2〕は以下のような光物理特
性を示した。 吸収スペクトル:λmax556nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax600nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0058】ついで、ドーパント材料に化合物〔2〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が608nm、発光効率は2.6cd/Aの高輝度の
朱色発光が得られた。
【0059】実施例3 化合物〔3〕の合成方法 2−(2−メチルベンゾイル)−3,5−ビス(4−n
−ヘキシルフェニル)ピロール0.4g、2,4−ビス
(4−n−ヘキシルフェニル)ピロール0.25gを用
い、化合物〔1〕と同様に合成した。赤紫色粉末0.1
gを得た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の
通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.88(t, 12H), 1.
29-1.67(m, 32H), 2.39(t, 4H), 2.63(t, 4H), 3.51(s,
3H), 6.00(d, 2H), 6.51(s, 2H), 6.63-6.73(m,10H),
7.23(d, 4H), 7.81(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C647722Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:83.3%(83.3%) H: 8.4%( 8.4%) N: 3.1%( 3.0%) F: 3.2%( 4.1%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=922であった。以上のことから、上記
生成物である赤紫色粉末は、化合物〔3〕であることが
確認された。さらに化合物〔3〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax568nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax613nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0060】ついで、ドーパント材料に化合物〔3〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が618nm、発光効率は4.0cd/Aの赤色発光
が得られた。
【0061】実施例4 化合物〔4〕の合成方法 2−(4−フェニルベンゾイル)−3,5−ビス(4−
n−ヘキシルフェニル)ピロール0.5g、2,4−ビ
ス(4−n−ヘキシルフェニル)ピロール0.25gを
用い、化合物〔1〕と同様に合成した。赤紫色粉末0.
18gを得た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は
次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.84(t, 12H), 1.
07-1.65(m, 32H), 2.25(t, 4H), 2.64(t, 4H), 6.53(s,
2H), 6.61-6.69(m, 11H), 6.88(d, 2H), 7.23(d, 4H),
7.24-7.37(m, 5H), 7.83(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C697922Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:84.3%(84.1%) H: 8.1%( 8.0%) N: 2.9%( 2.8%) F: 3.0%( 3.9%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=984であった。以上のことから、上記
生成物である赤紫色粉末は、化合物〔4〕であることが
確認された。さらに化合物〔4〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax569nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax615nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0062】ついで、ドーパント材料に化合物〔4〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が618nm、発光効率は3.8cd/Aの赤色発光
が得られた。
【0063】実施例5 化合物〔5〕の合成方法 2−(4−メトキシベンゾイル)−3,5−ビス(4−
n−ヘキシルフェニル)ピロール0.45g、2,4−
ビス(4−n−ヘキシルフェニル)ピロール0.25g
を用い、化合物〔1〕と同様に合成した。赤紫色粉末
0.15gを得た。得られた粉末の1H−NMR分析結
果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.91(t, 12H), 1.
28-1.67(m, 32H), 2.00(S, 3H), 2.38(t, 4H), 2.63(t,
4H), 6.21(d, 1H), 6.43(s, 2H), 6.46(d, 2H),6.63
(m, 8H), 6.80(d, 1H), 7.25(d, 4H), 7.82(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C64772OF2Bとし
て以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:82.1%(81.9%) H: 8.3%( 8.2%) N: 3.1%( 3.0%) O: 1.8%( 1.7%) F: 3.0%( 4.0%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=938であった。以上のことから、上記
生成物である赤紫色粉末は、化合物〔5〕であることが
確認された。さらに化合物〔5〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax566nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax611nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0064】ついで、ドーパント材料に化合物〔5〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が615nm、発光効率は4.0cd/Aの赤色発光
が得られた。
【0065】実施例6 化合物〔6〕の合成方法 2−(4−シアノベンゾイル)−3,5−ビス(4−n
−ヘキシルフェニル)ピロール0.4g、2,4−ビス
(4−n−ヘキシルフェニル)ピロール0.25gを用
い、化合物〔1〕と同様に合成した。赤褐色粉末0.3
gを得た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の
通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.91(t, 12H), 1.
33-1.65(m, 32H), 2.44(t, 4H), 2.64(t, 4H), 6.52(s,
2H), 6.59(d, 2H), 6.70-6.75(m, 8H), 6.93(d,2H),
7.25(d, 4H), 7.83(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C647432Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:82.6%(82.3%) H: 7.9%( 7.9%) N: 4.6%( 4.5%) F: 3.3%( 4.1%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=933であった。以上のことから、上記
生成物である赤褐色粉末は、化合物〔6〕であることが
確認された。さらに化合物〔6〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax576nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax626nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0066】実施例7 化合物〔7〕の合成方法 2−(1−ナフトイル)−3,5−ビス(4−n−ヘキ
シルフェニル)ピロール0.5g、2,4−ビス(4−
n−ヘキシルフェニル)ピロール0.25gを用い、化
合物〔1〕と同様に合成した。紫色粉末0.2gを得
た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の通りで
あった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.93(t, 12H), 1.
25-1.65(m, 32H), 2.21(t, 4H), 2.64(t, 4H), 6.27(m,
8H), 6.40(s, 2H), 6.64(t, 1H), 7.00(dd, 2H), 7.24
(d, 4H), 7.24-7.34(m, 3H), 7.80-7.87(m, 5H) また、元素分析結果は、組成式C677722Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:84.3%(83.9%) H: 8.1%( 8.0%) N: 2.9%( 2.9%) F: 3.1%( 4.0%) B: 1.1%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=958であった。以上のことから、上記
生成物である紫色粉末は、化合物〔7〕であることが確
認された。さらに化合物〔7〕は以下のような光物理特
性を示した。 吸収スペクトル:λmax571nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax616nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0067】ついで、ドーパント材料に化合物〔7〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が619nm、発光効率は4.2cd/Aの赤色発光
が得られた。
【0068】実施例8 化合物〔8〕の合成方法 2−ベンゾイル−3,5−ビス(4−メトキシフェニ
ル)ピロール0.4g、2,4−ビス(4−メトキシフ
ェニル)ピロール0.25gを用い、化合物〔1〕と同
様に合成した。青紫色粉末0.2gを得た。得られた粉
末の1H−NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)): 3.67(s, 3H), 3.
86(s, 3H), 6.38(d, 2H), 6.47(s, 2H), 6.54(t, 2H),
6.64-6.75(m, 5H), 6.85(d, 2H), 6.96(d, 4H),7.89(d,
4H) また、元素分析結果は、組成式C4335242Bと
して以下のとおりであった。なお括弧内は理論値であ
る。 C:75.0%(74.6%) H: 5.2%( 5.1%) N: 4.2%( 4.0%) O: 9.3%( 9.2%) F: 4.4%( 5.5%) B: 1.6%( 1.6%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=692であった。以上のことから、上記
生成物である青紫色粉末は、化合物〔8〕であることが
確認された。さらに化合物〔8〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax584nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax632nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0069】ついで、ドーパント材料に化合物〔8〕を
用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作製
した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク波
長が620nm、発光効率は3.8cd/Aの赤色発光
が得られた。
【0070】実施例9 化合物
〔9〕の合成方法 2−ベンゾイル−3,5−ビス(4−n−アミルオキシ
フェニル)ピロール0.35g、2,4−ビス(4−n
−アミルオキシフェニル)ピロール0.25gを用い、
化合物〔1〕と同様に合成した。青紫色粉末0.1gを
得た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の通り
であった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):0.94(t, 12H), 1.
38-1.41(m, 16H), 1.68-1.83(m, 8H), 3.80(t, 4H), 4.
00(t, 4H), 6.36(d, 2H), 6.46(s, 2H), 6.53(t,2H),
6.62-6.73(m, 5H), 6.85(d, 2H), 6.94(d, 4H), 7.87
(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C5967242Bと
して以下のとおりであった。なお括弧内は理論値であ
る。 C:77.5%(77.3%) H: 7.5%( 7.5%) N: 3.2%( 3.1%) O: 7.1%( 7.0%) F: 3.1%( 4.1%) B: 1.2%( 1.2%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=916であった。以上のことから、上記
生成物である青紫色粉末は、化合物
〔9〕であることが
確認された。さらに化合物
〔9〕は以下のような光物理
特性を示した。 吸収スペクトル:λmax587nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax636nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0071】実施例10 化合物〔10〕の合成方法 2−(1−ナフトイル)−3,5−ビス(4−メチルフ
ェニル)ピロール0.6g、2,4−ビス(4−メチル
フェニル)ピロール0.25gを用い、化合物〔1〕と
同様に合成した。紫色粉末0.55gを得た。得られた
粉末の1H−NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)): 2.00(s, 6H), 2.4
0(s, 6H), 6.26(m, 8H),6.39(s, 2H), 6.65(t, 1H), 7.
00(d, 1H), 7.12(d, 1H), 7.24(d, 4H), 7.24-7.33(m,
3H), 7.77-7.86(m, 5H) また、元素分析結果は、組成式C473722Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:83.5%(83.2%) H: 5.6%( 5.5%) N: 4.3%( 4.1%) F: 4.8%( 5.6%) B: 1.5%( 1.6%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=678であった。以上のことから、上記
生成物である紫色粉末は、化合物〔10〕であることが
確認された。さらに化合物〔10〕は以下のような光物
理特性を示した。 吸収スペクトル:λmax575nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax613nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0072】ついで、ドーパント材料に化合物〔10〕
を用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作
製した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク
波長が641nm、発光効率は2.7cd/Aの赤色発
光が得られた。
【0073】実施例11 化合物〔11〕の合成方法 2−ベンゾイル−3,5−ビス(4−(2,4−ジメチ
ルフェニル)フェニル)ピロール0.35g、2,4−
ビス(4−(2,4−ジメチルフェニル)フェニル)ピ
ロール0.25gを用い、化合物〔1〕と同様に合成し
た。紫色粉末0.15gを得た。得られた粉末の1H−
NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):2.18(s, 6H), 2.3
2(s, 6H), 2.36(ss, 12H), 6.67(s, 2H), 6.81(d, 8H),
6.94-7.07(m, 11H), 7.11(d, 2H), 7.43(d, 4H), 8.01
(d, 4H) また、元素分析結果は、組成式C715922Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:86.4%(86.2%) H: 6.0%( 6.0%) N: 2.9%( 2.8%) F: 3.0%( 3.9%) B: 1.2%( 1.1%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=988であった。以上のことから、上記
生成物である紫色粉末は、化合物〔11〕であることが
確認された。さらに化合物〔11〕は以下のような光物
理特性を示した。 吸収スペクトル:λmax576nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax626nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0074】実施例12 化合物〔12〕の合成方法 2−(1−ナフトイル)−3,5−ビス(4−メチルフ
ェニル)ピロール0.4g、2,4−ビス(4−メトキ
シフェニル)ピロール0.25gを用い、化合物〔1〕
と同様に合成した。紫色粉末0.1gを得た。得られた
粉末の1H−NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):1.97(s, 3H), 2.4
0(s, 3H), 3.54(s, 3H),3.86(s, 3H), 5.99(d, 2H), 6.
25(s, 4H), 6.30-6.39(m, 8H), 6.69(t, 1H), 6.97(d,
3H), 7.14(d, 1H), 7.26(d, 2H), 7.26-7.37(m, 3H),
7.78-7.95(m, 5H) また、元素分析結果は、組成式C4737222Bと
して以下のとおりであった。なお括弧内は理論値であ
る。 C:79.6%(79.4%) H: 5.1%( 5.2%) N: 4.0%( 3.9%) O: 4.6%( 4.5%) F: 4.6%( 5.4%) B: 1.6%( 1.6%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=710であった。以上のことから、上記
生成物である紫色粉末は、化合物〔12〕であることが
確認された。さらに化合物〔12〕は以下のような光物
理特性を示した。 吸収スペクトル:λmax577nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax624nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0075】ついで、ドーパント材料に化合物〔12〕
を用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作
製した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク
波長が628nm、発光効率は2.9cd/Aの赤色発
光が得られた。
【0076】実施例13 化合物〔53〕の合成方法 2−ベンゾイル−3,5−ビス(4−n−ブチルフェニ
ル)ピロール0.4g、2,4−ビス(4−n−ブチル
フェニル)ピロール0.25gを用い、化合物〔1〕と
同様に合成した。赤色粉末0.27gを得た。得られた
粉末の1H−NMR分析結果は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):1.97(s, 3H), 2.4
0(s, 3H), 3.54(s, 3H),3.86(s, 3H), 5.99(d, 2H), 6.
25(s, 4H), 6.30-6.39(m, 8H), 6.69(t, 1H), 6.97(d,
3H), 7.14(d, 1H), 7.26(d, 2H), 7.26-7.37(m, 3H),
7.78-7.95(m, 5H) また、元素分析結果は、組成式C555922Bとして
以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:83.1%(82.9%) H: 7.5%( 7.4%) N: 3.6%( 3.5%) F: 4.0%( 4.8%) B: 1.3%( 1.4%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=796であった。以上のことから、上記
生成物である赤色粉末は、化合物〔53〕であることが
確認された。さらに化合物〔53〕は以下のような光物
理特性を示した。 吸収スペクトル:λmax569nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax611nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0077】ついで、ドーパント材料に化合物〔53〕
を用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作
製した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク
波長が617nm、発光効率は5.0cd/Aの赤色発
光が得られた。
【0078】実施例14 化合物〔59〕の合成方法 無水テトラヒドロフラン30ml中に、化合物〔10〕
0.5gを溶解し、20℃でフェニルマグネシウムブロ
マイド(1.0mol/L:テトラヒドロフラン)1.
88mlを滴下し、60℃にて9時間反応させた。室温
に冷却した後、50mlの水を加え、ジクロロメタンで
抽出し、濃縮して、シリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフィーにより精製を行い、赤紫色粉末0.32gを
得た。得られた粉末の1H−NMR分析結果は次の通り
であった。1 H−NMR(CDCl3(d=ppm)):1.97(s, 3H), 2.4
0(s, 3H), 3.54(s, 3H),3.86(s, 3H), 5.99(d, 2H), 6.
25(s, 4H), 6.30-6.39(m, 8H), 6.69(t, 1H), 6.97(d,
3H), 7.14(d, 1H), 7.26(d, 2H), 7.26-7.37(m, 3H),
7.78-7.95(m, 5H) また、元素分析結果は、組成式C59472Bとして以
下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。 C:89.3%(89.2%) H: 6.0%( 5.9%) N: 3.5%( 3.5%) B: 1.2%( 1.4%) また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピ
ークはm/Z=794であった。以上のことから、上記
生成物である赤紫色粉末は、化合物〔59〕であること
が確認された。さらに化合物〔59〕は以下のような光
物理特性を示した。 吸収スペクトル:λmax568nm(溶媒:ジクロロ
メタン) 蛍光スペクトル:λmax613nm(溶媒:ジクロロ
メタン)。
【0079】ついで、ドーパント材料に化合物〔59〕
を用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を作
製した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピーク
波長が616nm、発光効率は3.8cd/Aの赤色発
光が得られた。
【0080】実施例15 ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,
6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]
ピロールを用いた以外は実施例1と全く同様にして発光
素子を作製した。この発光素子からの発光スペクトル
は、ピーク波長が615nm、発光効率は4.7cd/
Aの赤色発光が得られた。
【0081】実施例16 ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,
6−ビス(1−ナフチル)ピロロ[3,4−c]ピロー
ルを用いた以外は実施例1と全く同様にして発光素子を
作製した。この発光素子からの発光スペクトルは、ピー
ク波長が615nm、発光効率は5.1cd/Aの赤色
発光が得られた。
【0082】実施例17 ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,
6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]
ピロールを用いた以外は実施例1と全く同様にして発光
素子を作製した。この発光素子からの発光スペクトル
は、ピーク波長が615nm、発光効率は4.3cd/
Aの赤色発光が得られた。
【0083】実施例18 ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,
6−ビス(4−(4−メチルフェニル)ナフチル−1−
イル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実
施例1と全く同様にして発光素子を作製した。この発光
素子からの発光スペクトルは、ピーク波長が616n
m、発光効率は4.2cd/Aの赤色発光が得られた。
【0084】実施例19 正孔輸送材料の蒸着までは実施例1と同様に行った後、
化合物〔53〕を50nmの厚さに積層した。次にリチ
ウムを0.5nm、銀を150nm蒸着して陰極とし、
5×5mm角の素子を作製した。この発光素子からの発
光スペクトルは、ピーク波長が622nm、発光効率は
2.5cd/Aの赤色発光が得られた。
【0085】比較例1 ドーパント材料に下記に示すDPT1を用いた以外は実
施例1と全く同様にして発光素子を作製した。この発光
素子からの発光スペクトルは、ピーク波長が609n
m、発光効率は1.6cd/Aの朱色発光であった。
【0086】
【化20】
【0087】比較例2 ドーパント材料に下記に示すDPT2を用いた以外は実
施例1と全く同様にして発光素子を作製した。この発光
素子からの発光スペクトルは、ピーク波長が628nm
の赤色発光が得られたが、発光効率は1.1cd/Aで
あった。
【0088】
【化21】
【0089】
【発明の効果】本発明は、発光素子等に利用可能な高蛍
光性のピロメテン金属錯体を提供できる。また、本発明
のピロメテン金属錯体を用いることにより、電気エネル
ギーの利用効率が高く、高輝度かつ高色純度の発光素子
を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB11 DB03 4C069 AD02 4H048 AA01 AA03 AB92 VA11 VA20 VA22 VA30 VA32 VA75 VB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で示されることを特徴とする
    ピロメテン金属錯体。 【化1】 (R1、R2およびLは同じでも異なっていてもよく、水
    素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
    ルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸
    基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
    リールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール
    基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケ
    ン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニ
    ル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、
    アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接
    置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中か
    ら選ばれる。Mはm価の金属を表し、ホウ素、ベリリウ
    ム、マグネシウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
    白金から選ばれる少なくとも一種である。Ar1〜Ar5
    はアリール基を表す。)
  2. 【請求項2】一般式(2)で示されることを特徴とする
    請求項1記載のピロメテン金属錯体。 【化2】 (R3〜R6は同じでも異なっていてもよく、水素、アル
    キル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル
    基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メル
    カプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエ
    ーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素
    環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロア
    ルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カル
    ボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、
    ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との
    間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれ
    る。Ar6〜Ar10はアリール基を表す。)
  3. 【請求項3】一般式(1)のAr1〜Ar4のうち少なく
    とも1つが炭素数4以上のアルキル基で置換されている
    ことを特徴とする請求項1記載のピロメテン金属錯体。
  4. 【請求項4】R5とR6がともにフッ素であることを特徴
    とする請求項2記載のピロメテン金属錯体。
  5. 【請求項5】請求項1記載のピロメテン金属錯体を用い
    たことを特徴とする発光素子材料。
  6. 【請求項6】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
    エネルギーにより発光する素子であって、該素子が請求
    項5記載の発光素子材料を含むことを特徴とする発光素
    子。
  7. 【請求項7】前記発光素子材料がドーパント材料である
    ことを特徴とする請求項6記載の発光素子。
  8. 【請求項8】マトリクスおよび/またはセグメント方式
    によって表示するディスプレイであることを特徴とする
    請求項6記載の発光素子。
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