JP2003151773A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003151773A
JP2003151773A JP2001347377A JP2001347377A JP2003151773A JP 2003151773 A JP2003151773 A JP 2003151773A JP 2001347377 A JP2001347377 A JP 2001347377A JP 2001347377 A JP2001347377 A JP 2001347377A JP 2003151773 A JP2003151773 A JP 2003151773A
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JP2001347377A
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Seiichiro Murase
清一郎 村瀬
Takeshi Tominaga
剛 富永
Toru Kohama
亨 小濱
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高輝度赤色発光を示す発光素子を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
エネルギーにより発光する発光素子であって、該発光素
子が少なくとも、T1≧S1(蛍光材料の1重項エネルギ
ー:S1、リン光材料の3重項エネルギー:T1)という
関係が成立する蛍光材料とリン光材料とを含むことを特
徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下
での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が
特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究はコダック社のC.W.Tang
らが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示して
以来(Appl.Phys.Lett.51(12)2
1,p.913,1987)、多くの研究機関が検討を
行っている。コダック社の研究グループが提示した有機
積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板
上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてM
g:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電
圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であった。現
在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他
に電子輸送層を設けているものなど構成を変えているも
のもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲してい
る。
【0004】発光層のホスト材料としては、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウムを始めとする金属キレー
ト化オキシノイド化合物、ジアリールブタジエン誘導
体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベ
ンゾチアゾール誘導体(特開昭63−264692号公
報)などの蛍光材料があげられる。
【0005】一方、ゲスト材料としてのドーパント材料
には、レーザー染料として有用であることが知られてい
る、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリンを始めと
する蛍光性クマリン染料、ジシアノメチレンピラン染
料、ジシアノメチレンチオピラン染料、ポリメチン染
料、シアニン染料、オキソベンズアンスラセン染料、キ
サンテン染料、ローダミン染料、フルオレセイン染料、
ピリリウム染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料、
アクリジン染料、ビス(スチリル)ベンゼン染料、ピレ
ン染料、オキサジン染料、フェニレンオキサイド染料、
ペリレン、テトラセン、ペンタセン、キナクリドン化合
物、キナゾリン化合物、ピロロピリジン化合物、フロピ
リジン化合物、1,2,5−チアジアゾロピレン誘導
体、ペリノン誘導体(特開平5−279662号公
報)、ピロロピロール化合物(特開平5−320663
号公報)、スクアリリウム化合物、ビオラントロン化合
物、フェナジン誘導体、アクリドン化合物、ジアザフラ
ビン誘導体などの蛍光材料が知られている。
【0006】また、リン光材料としてイリジウム錯体
や、白金錯体、ユーロピウム錯体などが知られており、
イリジウム錯体を用いて高効率な緑色発光が実現されて
いる(M.A.Baldo,et.al.,Appl.
Phys.Lett.75,p.4,1999)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術に用
いられる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)に
は、発光効率が低く消費電力が高いものや、化合物の耐
久性が低く素子寿命の短いものが多かった。また、フル
カラーディスプレイに必要な三原色の内、緑色発光にお
いては高性能の発光材料が見い出されているが、青色や
赤色、特に赤色においては十分な特性の発光材料は得ら
れていない。
【0008】本発明は、かかる従来技術の問題を解決
し、発光効率が高く、耐久性にも優れた発光素子を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、陽極
と陰極の間に発光物質が存在し、電気エネルギーにより
発光する発光素子であって、該発光素子が少なくとも、
1≧S1(蛍光材料の1重項エネルギー:S1、リン光
材料の3重項エネルギー:T1)という関係が成立する
蛍光材料とリン光材料とを含むことを特徴とする発光素
子である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であることが好ましく、酸化錫、酸化イ
ンジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金
属酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化
銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポ
リピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に
限定されるものでないが、ITOガラスやネサガラスを
用いることが特に望ましい。本発明において陽極として
好適に用いられる透明電極の抵抗は素子の発光に十分な
電流が供給できればよいので限定されないが、素子の消
費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例え
ば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極とし
て機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も
可能になっていることから、低抵抗品を使用することが
特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に
選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用い
られることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガ
ラス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機
械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.
5mm以上あれば十分である。ガラスの材質について
は、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無ア
ルカリガラスの方が好ましいが、SiO2などのバリア
コートを施したソーダライムガラスも市販されているの
でこれを使用できる。ITO膜形成方法は、電子線ビー
ム法、スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受
けるものではない。
【0011】陰極は、電子を本発明の発光素子を構成す
る有機物層に効率良く注入できる物質であれば特に限定
されないが、一般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、
アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあげ
られるが、電子注入効率をあげて素子特性を向上させる
ためにはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合
金が有効である。しかし、これらの低仕事関数金属は、
一般に大気中で不安定であることが多く、例えば、有機
層に微量のリチウムやマグネシウム(真空蒸着の膜厚計
表示で1nm以下)をドーピングして安定性の高い電極
を使用する方法が好ましい例として挙げることができる
が、フッ化リチウムのような無機塩の使用も可能である
ことから特にこれらに限定されるものではない。更に電
極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウ
ム、インジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた
合金、そしてシリカ、チタニア、窒化ケイ素などの無機
物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高
分子などを積層することが好ましい例として挙げられ
る。これらの電極の作製法も抵抗加熱、電子線ビーム、
スパッタリング、イオンプレーティング、コーティング
など導通を取ることができれば特に制限されない。
【0012】なお、陽極と陰極の間に発光物質が存在す
るとは、電気回路上、そのように構成されていることを
意味するものである。従って、必ずしも構造的に陽極と
陰極の間に発光物質が存在している形態に限定されるも
のではなく、例えば、発光物質層が絶縁層を挟んでU字
型に形成されて、絶縁層を挟んで両極が発光物質層の一
端に配置されているような場合もあり得る。
【0013】発光物質とは、1)正孔輸送層/発光層、
2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光層/電
子輸送層、4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層、5)
正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層、6)発
光層/正孔阻止層/電子輸送層そして、7)発光層/正
孔阻止層、8)以上の組合わせ物質を一層に混合した形
態のいずれであってもよい。即ち、素子構成としては、
上記1)〜7)の多層積層構造の他に発光材料単独また
は8)のように発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料
を含む層を一層設けるだけでもよい。あるいは、1つの
材料において複数の機能(発光機能と電子輸送機能等)
を有するものを用いても良い。さらに、本発明における
発光物質は自ら発光するもの、その発光を助けるものの
いずれにも該当し、発光に関与している化合物、層など
を指すものである。
【0014】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合するか正孔輸送性物質と高
分子結着剤の混合物により形成され、正孔輸送性物質と
してはN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチ
ルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジア
ミン(別名、4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N
−フェニルアミノ)ビフェニル)、N,N’−ジナフチ
ル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−
1,1’−ジアミンなどのトリフェニルアミン類、ビス
(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキル
カルバゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体や
フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体に代表され
る複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有
するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリシランなどが好ましいが、素子作製に
必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さら
に正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるもの
ではない。
【0015】本発明では、発光材料が少なくとも、T1
≧S1(蛍光材料の1重項エネルギー:S1、リン光材料
の3重項エネルギー:T1)という関係が成立する蛍光
材料とリン光材料とを含むことにより、高輝度発光を可
能とする。なお、1重項エネルギーS1とある通り、添
字の1が付されているのは、1重項エネルギーのうちで
最もエネルギー順位が低い1重項エネルギーであること
を意味するものである。3重項エネルギーT1について
も同様である。ここで、蛍光とは1重項励起状態からの
発光を、リン光とは励起3重項状態からの発光を指すも
のであり、一般に100ナノ秒以上という、蛍光よりも
長い励起寿命を有するものである。そして、蛍光材料と
は室温(摂氏25℃)において、蛍光量子収率φFとリ
ン光量子収率φPの比についてφF/φP≧100が成立
するものであり、リン光材料とは室温においてφP/φF
≧100が成立するものとおおよそ見なして良い。一般
に有機化合物上では、正孔と電子の再結合によって1重
項励起状態と3重項励起状態が1:3の割合で形成され
る。このため、蛍光材料のみ用いると再結合の1/4し
か利用できないが、リン光材料を用いることにより残り
の3/4も利用することができるため、高い発光効率が
可能となる。しかし、リン光は励起3重項から基底状態
への禁制遷移であるため、室温において高いリン光量子
収率を示すものが少ない。本発明においては、リン光材
料のリン光量子収率は、好ましくは0.01(より好ま
しくは0.05、更に好ましくは0.1)以上である。
一方、室温で蛍光量子収率が高い蛍光材料は数多く知ら
れており、青から赤色まで各色の材料が存在する。すな
わち、蛍光材料とリン光材料の両方を用いることによ
り、再結合のエネルギーをリン光材料が効率よく受け取
り、そのエネルギーを蛍光材料に受け渡し、蛍光材料が
発光するというシステムを用いることにより、より高効
率で発光色のバラエティーに富んだ発光素子を実現する
ことが可能となる。特に効率の向上が課題となっている
赤色発光においては、有効である。この際、リン光材料
から蛍光材料へのエネルギー移動が効率よく行われるこ
とが望ましく、蛍光材料の1重項エネルギーS1とリン
光材料の3重項エネルギーT1の間にT1≧S1が成立す
る必要がある。両者のエネルギーギャップ(T1−S1
は、前記のとおり0eV以上であることが必要であり、
好ましくは0.5(より好ましくは0.3、更に好まし
くは0.2)eV以下である。また、よりエネルギー移
動効率を高めるために、蛍光材料のモル吸光係数εが2
0000Lmol-1cm-1以上であることが望ましい。
より好ましくは30000Lmol-1cm-1以上、更に
好ましくは50000Lmol-1cm-1以上である。さ
らに、より色純度の高い発光を得るために蛍光材料の発
光スペクトル半値幅が60nm以下であることが望まし
い。より好ましくは55nm以下、更に好ましくは50
nm以下である。本発明においては、主に前記蛍光材料
により発光材料は発光するものであり、その照度エネル
ギー比率は、好適には60%(より好適には70%、更
に好適には80%)以上である。又、本発明の発光素子
は、家庭用配電の電流レベルで室内照明下でも視認でき
る程度に発光することが求められるものであり、その発
光効率は、好ましくは0.5(より好ましくは0.8、
更に好ましくは1.0)cd/A以上である。
【0016】本発明の発光材料では、少なくともリン光
材料をドナー材料として、蛍光材料をドーパント材料と
しての組み合わせを有するものである。ドナー材料と
は、正負荷電再結合エネルギー等を受け取り他の材料
(ドーパント等)に受け渡す機能を有する材料であり、
ドーパント材料とは、他の材料(ドナー材料など)から
エネルギーを受け取る材料である。なお、本発明におい
ては、ドナー材料であっても、他からエネルギーを受け
取るドーパント的働きも有する場合は、これもドーパン
トと称する。又、ホスト材料とは、正負荷電再結合エネ
ルギーを受け取る材料であり、本発明においては多くの
場合、リン光材料がその役割を担うものである。
【0017】なお、正孔と電子の再結合のエネルギーを
リン光材料が直接受け取らず、他のリン光材料および/
または蛍光材料が一旦、ホスト材料として受け取ってか
ら当該リン光材料に中継しても良い。従って本発明の発
光素子においては、正負荷電再結合から発光までの間に
おけるエネルギーの伝達経路としては (a) リン光ホスト→蛍光ドーパント 以外に、(b) 他の蛍光及び/又はリン光ホスト→リン光
ドーパント→蛍光ドーパント等の経路も有効である。特
に、あるリン光材料が発光材料のマトリクスとしての特
性(製膜性、正負荷電の再結合性能)が不十分な場合
は、前記(b)のように、蛍光および/またはリン光ホ
ストと合わせて、リン光材料をドーパントとして用いる
ことが好ましい。前記(b)の場合、蛍光および/また
はリン光ホストからリン光ドーパントへのエネルギーの
受け渡しは、 (1)蛍光ホストの1重項(hFs1)→蛍光ホストの3重項
(hFt1)→リン光ドーパントの3重項(dPt1) (2)蛍光ホストの3重項(hFt1)→リン光ドーパントの
3重項(dPt1) (3)リン光ホストの3重項(hPt1)→リン光ドーパント
の3重項(dPt1) の3つの経路が推察される。このとき、エネルギーの渡
し手と受け手のエネルギーの関係(hFs1とhFt1、hFt1と
dPt1、hFt1とdPt1、hPt1とdPt1)はT1(エネルギーの
渡し手)とS1(エネルギーの受け手)と同様の前記の
通りの大小関係等を満足することが好ましい。
【0018】ホスト材料およびドーパント材料はそれぞ
れ1種類でもよいし、複数の化合物を混合して用いても
よい。また、ドーパント材料はホスト材料の全体に含ま
れていても、部分的に含まれていても、いずれであって
もよい。ドーパント材料は積層されていても、分散され
ていても、いずれであってもよい。
【0019】発光材料に添加する蛍光性ドーパント材料
としては、特にこれに限定されるものではないが、具体
的にはアントラセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族炭
化水素、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテト
ラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリ
ノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンと
フェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希
土類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6
−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランやそ
の類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウム
クロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導
体、ポルフィリン誘導体、ローダミン化合物、デアザフ
ラビン誘導体、オキサジン化合物、クマリン誘導体、チ
オキサンテン誘導体、シアニン誘導体、フルオレセイン
誘導体、アクリジン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロ
ロピロール誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン
誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導
体、フェナジン誘導体、アクリドン誘導体、ジアザフラ
ビン誘導体、ピロメテン誘導体およびその金属錯体、フ
ェノキサジン誘導体、フェノキサゾン誘導体、チアジア
ゾロピレン誘導体などがあげられる。これらの中でも、
上記特性を満たす材料として下記一般式(1)で表され
るピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体
があげられる。
【0020】
【化3】
【0021】ここで、R1〜R7は同じでも異なっていて
もよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニ
ル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル
基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、
ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド
基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カル
バモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサ
ニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂
肪族環の中から選ばれる少なくとも一種である。金属錯
体の金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロ
ンチウム、セシウム、ホウ素、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、クロム、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、および、白金の中
から選ばれる少なくとも一種である。
【0022】これらの置換基の内、アルキル基とは例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽
和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換され
ていてもかまわない。また、シクロアルキル基とは例え
ばシクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、ア
ダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは
無置換でも置換されていてもかまわない。また、アラル
キル基とは例えばベンジル基、フェニルエチル基などの
脂肪族炭化水素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪
族炭化水素と芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換
されていてもかまわない。また、アルケニル基とは例え
ばビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合
を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換で
も置換されていてもかまわない。また、シクロアルケニ
ル基とは例えばシクロペンテニル基、シクロペンタジエ
ニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和
脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されて
いてもかまわない。また、アルキニル基とは例えばアセ
チレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素
基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわな
い。また、アルコキシ基とは例えばメトキシ基などのエ
ーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭
化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。ま
た、アルキルチオ基とはアルコキシ基のエーテル結合の
酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。また、ア
リールエーテル基とは例えばフェノキシ基などのエーテ
ル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水
素基は無置換でも置換されていてもかまわない。また、
アリールチオエーテル基とはアリールエーテル基のエー
テル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものであ
る。また、アリール基とは例えばフェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル
基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、これは
無置換でも置換されていてもかまわない。また、複素環
基とは例えばフラニル基、チオフェニル基、オキサゾリ
ル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基など
の炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、これは無
置換でも置換されていてもかまわない。ハロゲンとはフ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。ハロアルカン、ハロ
アルケン、ハロアルキンとは例えばトリフルオロメチル
基などの、前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基の一部あるいは全部が、前述のハロゲンで置換され
たものを示し、残りの部分は無置換でも置換されていて
もかまわない。アルデヒド基、カルボニル基、エステル
基、カルバモイル基、アミノ基には脂肪族炭化水素、脂
環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換され
たものも含み、さらに脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、芳香族炭化水素、複素環は無置換でも置換されてい
てもかまわない。シリル基とは例えばトリメチルシリル
基などのケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換
されていてもかまわない。シロキサニル基とは例えばト
リメチルシロキサニル基などのエーテル結合を介したケ
イ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていて
もかまわない。隣接置換基との間に形成される縮合環お
よび脂肪族環とは、R1とR2、R2とR3、R4とR5、R
5とR6の部位で共役または非共役の縮合環を形成するも
のである。そしてこれら縮合環は環内構造に窒素、酸
素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮
合してもよい。
【0023】また、金属に配位する時には、ピロメテン
化合物単独でも混合配位子でも特に限定はされない。混
合配位子の場合の第2の配位子としては、アルコキシ、
フェノキシ、ハロゲン、アルキル、アリールその他縮合
環炭化水素、複素環化合物、または酸素原子を介して結
合された芳香環または複素環化合物などを導入すること
が可能である。
【0024】さらに優れた色純度・輝度特性を得るため
に、ピロメテン化合物としては下記一般式(2)で表さ
れる金属錯体が望ましい。
【0025】
【化4】
【0026】ここで、R8〜R16はそれぞれ同じでも異
なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル
基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチ
オエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロ
アルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、ア
ルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル
基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、
シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環
および脂肪族環の中から選ばれる少なくとも一種であ
る。これらの置換基については上記一般式(1)の説明
と同様である。
【0027】さらに材料の入手しやすさや、合成の容易
さを考えると上記一般式(2)のR 15およびR16はフッ
素であることが望ましい。また、ピロメテン化合物はホ
スト材料として用いてもよいが、蛍光量子収率が高いこ
とや、発光スペクトルの半値幅が小さいことから、ドー
パント材料として好適に用いられる。上記のピロメテン
化合物の構造として、具体的に以下の化学式〔1〕〜
〔23〕に示されたようなものが挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】主に発光する材料である蛍光材料(蛍光ド
ーパント)のドーピング量は、多すぎると濃度消光現象
が起きるため、ホスト物質に対して10重量%以下で用
いることが好ましく、更により好ましくは5重量%以
下、更に好ましくは2重量%以下である。なお、前記蛍
光材料のドーピング量の下限値については、十分な輝度
さえ得られば良いものであるが、材料の発光特性により
大きく変わるので一概には限定することは困難である。
【0033】リン光材料についても同様ではあるが、発
光材料のマトリクスとして用いられる場合にはおおよ
そ、ドーピング材料の残余ということになり、他のホス
ト材料にドーピングされるドーピング材料として用いら
れる場合には、好ましくは1〜30(より好ましくは2
〜20、更に好ましくは3〜10)重量%である。蛍光
材料がホストに用いられている場合の好適な構成比率は
リン光材料がマトリクスとして用いられて場合に準ず
る。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法
によって形成することができるが、ホスト材料と予め混
合してから同時に蒸着しても良い。また、ドーパント材
料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含ま
れていても、いずれであってもよい。ドーパント材料は
積層されていても、分散されていても、いずれであって
もよい。さらに、ドーパント材料をホスト材料にサンド
イッチ状に挟んで使用することも可能である。この場
合、一層でも二層以上ホスト材料と積層しても良い。
【0034】なお、リン光材料や蛍光材料が結合された
化合物を適宜用いることも可能である。その場合の好適
な構成比率は、重量比率よりも、リン光機能部位乃至は
蛍光機能部位の発光材料体積当たりのモル量にて定量さ
れることが妥当である。なお、このような場合を除いて
は、本発明におけるT1≧S1(蛍光材料の1重項エネル
ギー:S1、リン光材料の3重項エネルギー:T1)とい
う関係が成立する蛍光材料とリン光材料は異なる分子で
ある。言い換えれば、前記リン光材料のリン光を発揮す
る活性中心原子団と前記蛍光材料の蛍光を発揮する活性
中心原子団(前記両活性中心原子団は、活性中心に影響
する周辺基も含めて考慮されるべきである)は、原則と
して異なるものである。 又、発光層に、蛍光材料やリ
ン光材料以外に、正孔輸送層、正孔阻止層、又は電子輸
送層の構成材料などが含まれていても良い。
【0035】蛍光ホスト材料としては特に限定されるも
のではないが、以前から発光体として知られていたアン
トラセンやピレンなどの縮合環誘導体、ピラジン、ナフ
チリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、ピリミジ
ン、チオフェン、チオキサンテンなどの複素環誘導体、
トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始めとする
金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアン
トラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビス
スチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ク
マリン誘導体、キナクリドン誘導体、アルダジン誘導
体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘導体。ペリ
ノン誘導体、イミダゾール誘導体やオキサゾール誘導
体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体などのアゾール
誘導体およびその金属錯体、ピロロピリジン誘導体、ペ
リノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾ
ロピリジン誘導体、ピロロピロール誘導体、トリフェニ
ルアミン誘導体やカルバゾール誘導体などのアミン誘導
体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、
ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘
導体などが使用できる。
【0036】リン光材料としては特に限定されるもので
はないが、有機金属錯体が好適に用いられる。中心金属
は特に限定されるものではないがオスニウム、ルテニウ
ム、パラジウム、白金、イリジウム、金などの重金属が
好適に用いられ、これらはホスト材料として用いてもよ
いし、ドーパント材料として用いてもよい。また、これ
らは単独で用いてもよいし、複数の誘導体を混合して用
いてもよい。蛍光材料へのエネルギー移動を考慮する
と、リン光材料のリン光寿命は10μs以下であること
が望ましい。さらにリン光材料と蛍光材料が同一層内に
存在するとエネルギー移動効率が高くなるため望まし
い。具体的なリン光材料としては、特にこれに限定され
るものではないが以下の化学式〔24〕〜〔51〕に示
されたものが挙げられる。
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】電子輸送性材料とは、電界を与えられた電
極間において陰極からの電子を効率良く輸送することが
必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良
く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が
大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優
れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生
しにくい物質であることが要求される。このような条件
を満たす物質として、8−ヒドロキシキノリンアルミニ
ウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体、トロポ
ロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリレン誘導
体、ペリノン誘導体、ナフタレン、クマリン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリ
ル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、
ビピリジン誘導体、シロール誘導体、芳香族リンオキサ
イド化合物、芳香族ボラン化合物などがあるが特に限定
されるものではない。これらの電子輸送材料は単独でも
用いられるが、異なる電子輸送材料と積層または混合し
て使用しても構わない。
【0042】正孔阻止層とは、電界を与えられた電極間
において陽極からの正孔が陰極からの電子と再結合する
ことなく移動するのを防止するための層であり、各層を
構成する材料の種類によっては、この層を挿入すること
により正孔と電子の再結合確率が増加し、発光効率の向
上が望める場合がある。したがって、正孔阻止性材料と
しては正孔輸送性材料よりも最高占有分子軌道レベルが
エネルギー的に低く、隣接する層を構成する材料とエキ
サイプレックスを生成しにくいことが望まれる。具体的
にはフェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ビ
ピリジン誘導体、シロール誘導体、芳香族ボラン化合物
などが挙げられるが、素子作製に必要な薄膜を形成し、
陽極からの正孔の移動を効率よく阻止できる化合物であ
れば特に限定されるものではない。
【0043】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
正孔阻止層は単独または二種類以上の材料を積層、混合
するか、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0044】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、1〜1000nmの間から
選ばれる。
【0045】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0046】本発明の発光素子は、これに限定されるも
のではないが、例えばマトリクス方式やセグメント方式
を用いてディスプレイを形成することができる。上記マ
トリクス方式とは、表示のための画素が格子状に配置さ
れた方式をいい、画素の集合で文字や画像を表示する。
画素の形状、サイズは用途によって決まる。例えばパソ
コン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通
常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられる
し、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一
辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ
表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラ
ー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させ
る。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタ
イプがある。そして、このマトリクス方式の駆動方法と
しては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのど
ちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単であるとい
う利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブ
マトリックス方式の方が優れる場合があるので、これも
用途によって使い分けることが必要である。
【0047】上記セグメント方式とは、予め決められた
情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領
域を発光させる方式のことである。例えば、デジタル時
計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や
電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示な
どがあげられる。そして、前記マトリクス方式表示とセ
グメント方式表示は同じパネルの中に共存していてもよ
い。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0049】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を
30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた
基板をアセトン、”セミコクリン56”で各々15分間
超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプ
ロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタ
ノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素
子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸
着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10-5Pa
以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正
孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)
−N−フェニルアミノ)ビフェニルをITO透明導電膜
上に50nm蒸着した。次に蛍光ホスト材料として4,
4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル、リ
ン光ドーパント材料として化学式〔35〕の化合物、蛍
光ドーパント材料として化学式〔1〕の化合物を用い
て、ホストに対するドーパント濃度がそれぞれ10wt
%および1wt%になるように20nmの厚さに共蒸着
した。次に正孔阻止材料として2,9−ジメチル−4,
7−ジフェニルフェナントロリンを10nm、続いて電
子輸送材料としてトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウムを20nmの厚さに蒸着した。次にリチウムを0.
5nm、銀を150nm蒸着して陰極とし、5×5mm
角の素子を作製した。ここで言う膜厚は水晶発振式膜厚
モニター表示値である。化学式〔1〕の化合物のS1
よび化学式〔35〕の化合物のT1は、それぞれ2.0
eVおよび2.2eVであり、T1≧S1が成立してい
る。この発光素子は1mA/cm2の電流を流したと
き、発光スペクトル半値幅が42nmの赤色発光を示し
た。
【0050】実施例2 蛍光ドーパント材料に化学式〔5〕の化合物を用いた以
外は実施例1と全く同様にして作製した。化学式〔5〕
の化合物のS1は、2.0eVであり、T1≧S 1が成立
している。この発光素子は1mA/cm2の電流を流し
たとき、発光スペクトル半値幅が42nmの赤色発光を
示した。
【0051】実施例3 蛍光ドーパント材料に化学式〔7〕の化合物を用いた以
外は実施例1と全く同様にして作製した。化学式〔7〕
の化合物のS1は、2.0eVであり、T1≧S 1が成立
している。この発光素子は1mA/cm2の電流を流し
たとき、発光スペクトル半値幅が42nmの赤色発光を
示した。
【0052】実施例4 正孔輸送材料までを実施例1と同様に蒸着した後、リン
光ホスト材料として化合物〔35〕、蛍光ドーパント材
料として化学式〔1〕の化合物を用いてドーパント濃度
が1wt%となるように20nmの厚さに共蒸着した。
次に正孔素子材料として2,9−ジメチル−4,7−ジ
フェニルフェナントロリンを10nm、続いて電子輸送
層としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを2
0nmの暑さに蒸着した。次にリチウムを0.5nm、
銀を150nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子
を作製した。蛍光ドーパント材料のS1およびリン光ホ
スト材料のT1は、それぞれ2.0eVおよび2.2e
Vであり、T1≧S1が成立している。この発光素子は1
mA/cm2の電流を流したとき、発光スペクトル半値
幅が42nmの赤色発光を示した。
【0053】実施例5 蛍光ドーパント材料に下記の化学式(EM1)に示す化
合物を用いた以外は実施例1と全く同様にして作製し
た。(EM1)のS1は、1.9eVであり、T1≧S1
が成立している。この発光素子は1mA/cm2の電流
を流したとき、発光スペクトル半値幅が80nmの赤橙
色発光を示した。
【0054】
【化13】
【0055】比較例1 リン光ドーパント材料を用いなかった以外は実施例1と
全く同様にして作製した。この発光素子からは、青白色
発光が得られたのみであった。
【0056】比較例2 蛍光ドーパント材料を用いなかった以外は実施例1と全
く同様にして作製した。蛍光ホスト材料のS1およびリ
ン光ドーパント材料のT1は、それぞれ3.1eVおよ
び2.2eVであり、T1≦S1であった。この発光素子
からは、黄色発光が得られたのみであった。
【0057】
【発明の効果】以上のように、蛍光材料とリン光材料を
用い、蛍光材料の1重項エネルギーS 1とリン光材料の
3重項エネルギーT1の間にT1≧S1が成立することに
より高輝度な赤色発光素子を得ることができた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光物質が存在し、電気
    エネルギーにより発光する発光素子であって、該発光素
    子が少なくとも、T1≧S1(蛍光材料の1重項エネルギ
    ー:S1、リン光材料の3重項エネルギー:T1)という
    関係が成立する蛍光材料とリン光材料とを含むことを特
    徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】該蛍光材料の発光スペクトル半値幅が60
    nm以下である請求項1に記載の発光素子。
  3. 【請求項3】一般式(1)で示されるピロメテン骨格を
    有する化合物もしくはその金属錯体よりなる蛍光材料を
    有してなるものである請求項1に記載の発光素子。 【化1】 (ここで、R1〜R7は同じでも異なっていてもよく、水
    素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
    ルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸
    基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
    リールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール
    基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケ
    ン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニ
    ル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、
    アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接
    置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中か
    ら選ばれる少なくとも一種である。金属錯体の金属は、
    リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、セ
    シウム、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
    ム、アルミニウム、ガリウム、クロム、鉄、コバルト、
    ニッケル、銅、亜鉛、および白金の中から選ばれる少な
    くとも一種である。)
  4. 【請求項4】一般式(2)で表される金属錯体よりなる
    蛍光材料を有してなるものである請求項1に記載の発光
    素子。 【化2】 (ここで、R8〜R16は同じでも異なっていてもよく、
    水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、
    アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水
    酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
    アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリー
    ル基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケ
    ン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニ
    ル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、
    アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接
    置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中か
    ら選ばれる少なくとも一種である。)
  5. 【請求項5】該一般式(2)のR15およびR16がフッ素
    である請求項4に記載の発光素子。
  6. 【請求項6】該金属錯体がドーパント材料である請求項
    4に記載の発光素子。
  7. 【請求項7】該蛍光材料と該リン光材料が同一の有機層
    内に存在するものである請求項1記載の発光素子。
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