JP4061969B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーを光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用可能な発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴であり注目を集めている。
【0003】
この研究は、コダック社のC.W.Tangらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示して以来(Appl.Phys.Lett.51(12)21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討を行っている。コダック社の研究グループが提示した有機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、そして陰極
としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000cd/mの緑色発光が可能であった。現在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他に電子輸送層を設けているものなど構成を変えているものもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲している。
【0004】
多色発光の中では緑色発光材料の研究が最も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料において、耐久性に優れ十分な輝度と色純度特性を示すものが望まれ、特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
【0005】
赤色発光材料としては、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンなどのペリレン系、ペリノン系、ポルフィリン系、Eu錯体(Chem. Lett., 1267(19 4091))などが挙げられる。
【0006】
また、赤色発光を得る手法として、ホスト材料の中に微量の赤色蛍光材料をドーパントとして混入させる方法も検討されている。ホスト材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体を始めとするキノリノール誘導体の金属錯体、ビス(10−ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、ジアリールブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などがあげられ、その中にドーパントとして4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、金属フタロシアニン(MgPc、AlPcClなど)化合物、スクアリリウム化合物、ビオラントロン化合物を存在させることによって赤色発光を取り出していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術に用いられる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)には、発光効率が低く消費電力が高いものや、耐久性が低く素子寿命の短いものが多く、また、溶液状態では強い蛍光強度を有していても薄膜状態では濃度消光やエキサイプレックスあるいはエキサイマー形成により蛍光強度が著しく減少し、発光素子に適用した際に高輝度発光が得られないものが多かった。特に赤色発光材料(ホスト材料およびドーパント材料)に関しては、色純度と輝度が両立したものが極めて少ないことが大きな問題であった。
【0008】
また、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体を用いた例として特開平2−296891、特開平5−320633などがあるが、これらはジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体自体が発光するために、赤色発光は得られていない。さらに、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体と蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質を用いて赤色発光を得た例として特開平2000−208270があるが、高色純度の赤色発光が得られているものの、輝度に関しては記載がなく、高輝度で発光するか不明である。
【0009】
本発明は、かかる問題を解決し、電気エネルギーの利用効率が高く、高輝度かつ高色純度の発光素子を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
陽極と陰極の間に発光物質として少なくとも発光材料、正孔輸送材料および電子輸送材料が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素子は発光ピーク波長が580nm以上720nm以下で発光し、発光材料に少なくとも下記一般式(1)に示すジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体と蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質を含み、電子輸送材料のイオン化ポテンシャルが5.9eV以上であり、かつ分子量が400以上であることを特徴とする発光素子。
【0011】
【化5】
Figure 0004061969
【0012】
{RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜25のアルキル基または、下記一般式(2)の中から選ばれ、
【0013】
【化6】
Figure 0004061969
【0014】
(RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜4のアルキル基、無置換または炭素数1〜3のアルキル基が置換されたフェニル基から選ばれ、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル基の中から選ばれた置換基を有するフェニル基、無置換もしくは置換基を有するナフチル基の中から選ばれる。mは0〜4の整数を表す。)
ArおよびArは同じでも異なっていてもよく、無置換または置換基を有するフェニル基、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基から選ばれる。}
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において陽極は、光を取り出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用できる。さらに、陽極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えばプラスチック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるものではない。
【0016】
陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セシウム、ストロンチウなどがあげられるが、電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグネシウム、セシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドーピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい例として挙げることができるが、フッ化リチウムのような無機塩の使用も可能であることから特にこれらに限定されるものではない。更に電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層することが好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなど導通を取ることができれば特に制限されない。
【0017】
発光物質とは、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして、4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態のいずれであってもよい。即ち、素子構成としては、上記1)〜3)の多層積層構造の他に4)のように発光材料単独または発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよい。さらに、本発明における発光物質は自ら発光するもの、その発光を助けるもののいずれにも該当し、発光に関与している化合物、層などを指すものである。
【0018】
本発明の発光物質には特定の構造を有するジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体および蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質が含まれる。これらは上記のどの層に含まれていても良いが、ともに蛍光を有することから発光層中に含まれているのが好ましい。
【0019】
正孔輸送層とは陽極から正孔が注入され、さらに正孔を輸送することを司る層であり、正孔輸送性材料として具体的にはN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリフェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ジスチリル誘導体、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが挙げられるが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるものではない。これらは単独で用いてもよいし、複数の誘導体を混合して用いても良い。
【0020】
発光層とは実際に発光物質が形成される層であり、本発明の発光素子は電気エネルギーによりピーク波長が580nm以上720nm以下で発光する。580nmより小さいと、ピーク幅が狭くても色純度の良好な赤色発光を得ることが出来ず、720nmより大きいと、視感度が悪くなるので、効率良い高輝度赤色発光を得ることができない。また、本発明の発光材料は下記一般式(1)に示すジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体と蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質を含み、いずれもドーパント材料としてもホスト材料としても使用することができるが、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体をホスト材料とし、有機蛍光物質をドーパント材料として用いるドーピング法を好ましい方法として挙げることができる。
【0021】
【化7】
Figure 0004061969
【0022】
{RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜25のアルキル基または、下記一般式(2)の中から選ばれ、
【0023】
【化8】
Figure 0004061969
【0024】
(RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基、無置換または炭素数1〜3のアルキル基が置換されたフェニル基から選ばれ、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル基の中から選ばれた置換基を有するフェニル基、無置換もしくは置換基を有するナフチル基の中から選ばれる。mは0〜4の整数を表す。)ArおよびArは同じでも異なっていてもよく、無置換または置換基を有するフェニル基、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基から選ばれる。}
これらの置換基のうち、RおよびRの炭素数1〜25のアルキル基とは直鎖でも分岐していてもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基などが挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜8のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基である。
【0025】
およびRの炭素数1〜4のアルキル基とはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基を表し、同じくRおよびRのフェニル基に置換される炭素数1〜3のアルキル基とはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基を表す。Arがフェニル基の場合、このフェニル基にはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル基のいずれかが少なくとも1ヶ所置換されているが、同一または異なる置換基が3ヶ所まで置換されても良い。これらの置換基において、アルキル基の炭素数に特に制限はないが、炭素数1〜8が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。同様に、アルコキシ基の炭素数も特に制限はないが、炭素数1〜8が好ましく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、2−ペントキシ基、3−ペントキシ基、2,2−ジメチルプロピシ基、n−ヘキソキシ基、n−ヘプトキシ基、n−オクトキシ基、1,1,3,3,−テトラメチルブトキシ基、2−エチルヘキソキシ基が挙げられる。ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。置換基のフェニル基にはさらに炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基が置換されていても良い。これらの具体例は上述と同様である。Arがナフチル基の場合、1−ナフチル、2−ナフチルのどちらでもよく、またこれらが置換基を有する場合には任意の置換基が適用できるが、好ましくは前記フェニル基の置換基と同様のものである。
【0026】
ArおよびArはフェニル基、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基から選ばれるが、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基の場合にはこれらの任意の結合位でジケトピロロ[3,4−c]ピロール骨格と結合していても良い。さらに、フェニル基、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基が置換基を有する場合、置換基は水素、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アリロキシ基、アリールチオエーテル基、アリールセレノエーテル基、アリール基、複素環基、アミノ基、シリル基から選ばれる。これらの置換基のうち、ハロゲンは上述と同様である。アルキル基は直鎖でも分岐していてもよく、炭素数に特に制限はないが、1〜25が好ましく、1〜8がより好ましい。具体例は上述と同様である。シクロアルキル基は炭素数に特に制限はないが、5〜12が好ましく、具体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基が挙げられ、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基である。アラルキル基は、炭素数に特に制限はないが、7〜24が好ましく、具体的にはベンジル基、2−ベンジル−2−プロピル基、β−フェニル−エチル基、α、α−ジメチルベンジル基、ω−フェニル−ブチル基、ω、ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル基、ω−フェニル−ドデシル基、ω−フェニル−オクタデシル基、ω−フェニル−エイコシル基、ω−フェニル−ドコシル基が挙げられ、より好ましくはベンジル基、2−ベンジル−2−プロピル基、β−フェニル−エチル基、α、α−ジメチルベンジル基、ω−フェニル−ブチル基、ω、ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル基、ω−フェニル−ドデシル基、ω−フェニル−オクタデシル基、さらに好ましくはベンジル基、2−ベンジル−2−プロピル基、β−フェニル−エチル基、α、α−ジメチルベンジル基、ω−フェニル−ブチル基、ω、ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル基である。アルコキシ基は炭素数は特に制限はないが、炭素数1〜8が好ましく、具体例は上述と同様である。アルキルチオ基、アルキルセレノ基はアルコキシ基のエーテル結合の酸素原子がそれぞれ硫黄原子、セレン原子に置換されたものである。アリロキシ基とは一般的にはエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示すが、本発明においては炭素数6〜24の芳香族炭化水素以外に、飽和あるいは不飽和の複素環がエーテル結合を介したものも含まれる。これらの芳香族炭化水素あるいは複素環は無置換でもさらに炭素数1〜8のアルキル基および/またはアルコキシ基が置換されていてもかまわない。アリールチオエーテル基およびアリールセレノエーテル基はアリロキシ基のエーテル結合の酸素原子がそれぞれ硫黄原子、セレン原子に置換されたものである。アリール基は特に炭素数に制限はないが、6〜24が好ましく、具体的にはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基、フェナンスリル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、2−アントラニル基、9−アントラニル基が挙げられ、より好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基である。これらのアリール基にはさらに炭素数1〜8のアルキル基および/またはアルコキシ基が置換されていても良い。複素環基は窒素、酸素、硫黄などの炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、飽和でも不飽和でも良いが、好ましくは不飽和複素環基であり、具体的にはチエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ジベンゾ[b,d]チエニル基、チアンスレニル基、フリル基、フルフリル基、2H−ピラニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、フェノキシチエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、キノリニル基、フタリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、フェナンスリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基が挙げられる。これらの複素環基にはさらに炭素数1〜8のアルキル基および/またはアルコキシ基が置換されていても良い。アミノ基は二つの水素のうち少なくとも一方が炭素数1〜25のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素を含むアリロキシ基、炭素数6〜24のアリール基、複素環基などで置換されたものも含み、さらに炭素数6〜24のアリール基、複素環基には炭素数1〜8のアルキル基および/またはアルコキシ基が置換されていてもよい。シリル基は三つの水素のうち少なくとも一つが炭素数1〜25のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素を含むアリロキシ基、炭素数6〜24のアリール基、複素環基などで置換されたものも含み、さらに炭素数6〜24のアリール基、複素環基には炭素数1〜8のアルキル基および/またはアルコキシ基が置換されていてもよい。
【0027】
上記ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体の好適な例として、特に限定されるものではないが、具体的には下記のような構造が挙げられる。
【0028】
【化9】
Figure 0004061969
【0029】
【化10】
Figure 0004061969
【0030】
【化11】
Figure 0004061969
【0031】
【化12】
Figure 0004061969
【0032】
【化13】
Figure 0004061969
【0033】
【化14】
Figure 0004061969
【0034】
【化15】
Figure 0004061969
【0035】
【化16】
Figure 0004061969
【0036】
【化17】
Figure 0004061969
【0037】
【化18】
Figure 0004061969
【0038】
【化19】
Figure 0004061969
【0039】
本発明のジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体の合成は、参考文献としてEP公開公報0094911号やEP公開公報0133156号の実施例などがあげられる。芳香族ニトリルとこはく酸ジイソプロピルをカリウム−t−ブトキシド存在下、t−アミルアルコール中で加熱することにより得られたジケトピロロピロール前駆体を、カリウム−t−ブトキシド存在下、ジメチルホルムアミド中にてハロゲン化アルキルまたはハロゲン化ベンジルと加熱し、常法により処理することにより、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体を得ることができる。
【0040】
本発明のジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体は蛍光性であり、たいていの誘導体において蛍光量子収率が0.3以上(トルエンあるいはDMF中)あるいはモル吸光係数が5000以上の値を有する。
【0041】
本発明では赤色発光を得るために蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質が用いられるが、具体的には従来から知られている、テリレンなどの芳香族炭化水素の縮合環誘導体、ピリジノチアジアゾールやピラゾロピリジン、ジケトピロロピロールなどの縮合複素環誘導体、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランやその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、亜鉛ポルフィリンなどの金属ポルフィリン誘導体、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、クマリン誘導体、オキサジン化合物、フェノキサジン誘導体、フェノキサゾン誘導体、キナクリドン誘導体、ベンゾチオキサンテンやその類縁体、ジシアノエテニルアレーン誘導体などを用いることが出来るが特にこれらに限定されるものではない。
【0042】
優れた色純度特性を持つ赤色発光を得るために、前記有機蛍光物質の中でも下記一般式(3)に示すピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体を好適に用いることができる。
【0043】
【化20】
Figure 0004061969
【0044】
ここで、R〜R11のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリールセレノエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合には上記R11は存在しない。金属錯体の金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる
少なくとも一種である。
【0045】
これらの置換基の内、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、アミノ基、シリル基については上述と同様である。アルケニル基とは例えばビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、シクロアルケニル基とは例えばシクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルキニル基とは例えばアセチレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキンとは例えばトリフルオロメチル基などの、前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の一部あるいは全部が、前述のハロゲンで置換されたものを示し、残りの部分は無置換でも置換されていてもかまわない。アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基には脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換されたものも含み、さらに脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環は無置換でも置換されていてもかまわない。シロキサニル基とは例えばトリメチルシロキサニル基などのエーテル結合を介したケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。隣接置換基との間に形成される縮合環または脂肪族環は無置換でも置換されていてもかまわない。
【0046】
さらに、高輝度特性を得るためには、蛍光量子収率が高いものがより好ましい。そこで、前記ピロメテン骨格を有する化合物の金属錯体として、下記一般式(4)で表される化合物をより好適に用いることができる。
【0047】
【化21】
Figure 0004061969
【0048】
ここで、R12〜R18のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。R19およびR20は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル、アリール、複素環基から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合には上記R18は存在しない。
【0049】
これらの置換基の説明は上述したものと同じである。
【0050】
上記のピロメテン骨格を有する化合物の金属錯体の好適な例として、特に限定されるものではないが、具体的には下記のような構造が挙げられる。
【0051】
【化22】
Figure 0004061969
【0052】
【化23】
Figure 0004061969
【0053】
【化24】
Figure 0004061969
【0054】
【化25】
Figure 0004061969
【0055】
【化26】
Figure 0004061969
【0056】
【化27】
Figure 0004061969
【0057】
【化28】
Figure 0004061969
【0058】
【化29】
Figure 0004061969
【0059】
ホスト材料からドーパント材料へのエネルギー移動には、ホスト材料の蛍光スペクトルとドーパント材料の吸収スペクトル(励起スペクトル)の重なりが必要である。ここで、ホスト材料の蛍光スペクトルとはホスト材料の薄膜状態で測定した蛍光スペクトルであり、ドーパント材料の吸収(励起)スペクトルおよび蛍光スペクトルはそれぞれドーパント材料の溶液状態で測定した吸収(励起)スペクトルおよび蛍光スペクトルである。発光素子において、ホスト材料は薄膜状態で存在するのに対し、ホスト中に微量ドーピングされたドーパント材料は溶液に近い状態で存在するためである。また前記ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体のように色純度に優れたドーパント材料のストークスシフト(励起スペクトルのピークと蛍光スペクトルのピークの差)は数〜数十nmと狭く、580nm以上720nm以下のドーパント材料からの高色純度赤色発光を得ようとすると、ドーパント材料の吸収スペクトル(励起スペクトル)は黄色、黄橙色、橙色、赤橙色、赤色領域(540nm以上720nm以下)になる。ホスト材料の蛍光スペクトルが、黄色よりも短波長側の黄緑色、緑色、青緑色、青色、青紫色、紫色領域にありスペクトルの重なりが小さいと、エネルギー移動が速やかに行われず、ドーパント材料からの発光が得られなかったり、得られたとしてもホスト材料からの発光が残り、白色化するなど、高色純度の赤色発光が得られない。
【0060】
上記の理由により、580nm以上720nm以下でドーパント材料が高輝度、高色純度で発光するには、ホスト材料は蛍光ピーク波長が540nm以上720nm以下であることがより好ましい。目安としては、黄色、黄橙色、橙色、赤橙色、赤色などの蛍光を有するものが該当する。したがって、一般式(1)をホスト材料として用いる場合、一般式(1)のジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体は黄色、黄橙色、橙色、
赤橙色、赤色の蛍光を有することが好ましい。
【0061】
ドーピング量は、通常多すぎると濃度消光現象が起きるため、通常ホスト材料に対して10重量%以下で用いることが好ましく、更に好ましくは2%以下である。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着しても良い。また、前記ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体は、極めて微量でも発光することから、ホスト材料に分散されているのみならず、微量の前記ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体をホスト材料にサンドイッチ状に挟んで使用することも可能である。この場合、一層でも二層以上ホスト材料と積層しても良い。さらに、ホストおよびドーパント材料は2種類以上の化合物から構成されていても良い。
【0062】
また、発光材料に添加するドーパント材料は、前記ピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体一種のみに限る必要はなく、本発明の化合物を複数混合して用いたり、既知のドーパント材料の一種類以上を本発明の化合物と混合して用いてもよい。
【0063】
電子輸送層とは陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送することを司る層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本発明における電子輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止層も同義のものとして含まれる。具体的には8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン誘導体、クマリン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、キノリン誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、シロール誘導体、オリゴピリジン誘導体、芳香族リンオキサイド化合物などがあげられる。これらは単独で用いてもよいし、複数の誘導体を混合して用いても良い。
【0064】
より高効率・高色純度の赤色発光を得るには、前記発光層内で正孔と電子の再結合確率が高く、発光層以外での再結合が起こらないことが望まれ、発光材料にジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体を用いる場合には、電子輸送材料のイオン化ポテンシャルが5.9eV以上であることが好ましい。さらに、長時間にわたって安定な赤色発光を維持するためには、長時間の通電に対して安定な電子輸送材料が望まれ、そのためには用いる電子輸送材料の分子量が400以上であることが好ましく、より好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上である。分子量が400より低い場合には熱的に不安定な場合が多いからである。さらに、薄膜状態の熱的安定性の指標として用いる材料のガラス転移温度が挙げられ、ガラス転移温度が高いほど安定なアモルファス薄膜を形成する。このためには用いる材料のガラス転移温度が90℃以上であることが好ましく、より好ましくは110℃以上であり、さらに好ましくは150℃以上である。このような電子輸送材料としては、複数の母骨格が共役結合、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素、置換もしくは無置換の芳香複素環あるいはこれらを混合した基のいずれかにより連結された構造を有した有機化合物を挙げることができる。母骨格には上記誘導体の母骨格がそのまま適用できるが、母骨格に少なくとも1個以上のキノリン環あるいはリンオキサイドが含まれている有機化合物をより好ましい例として挙げる
ことができる。
【0065】
以上の発光物質を用いて高効率で安定な発光を得るには、陽極と陰極の間における発光物質の構成が正孔輸送層/発光層/電子輸送層の順に積層されていることが好ましい。さらに、正孔輸送層、発光層、電子輸送層に用いられる材料は単独で各層を形成することができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
【0066】
発光物質の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法など特に限定されるものではないが、多層膜の形成やパターニングが容易なことから、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。従って本発明に用いる有機化合物としては、蒸着が可能な昇華性を有する材料が好ましい。層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、1〜1000nmの間から選ばれる。
【0067】
綺麗な赤色表示を行わせるためには、発光スペクトルのピーク波長が580nm以上720nm以下、より好ましくは600nm以上700nm以下の範囲内であり、半値幅が狭いことが好ましく、100nm以下であることが望ましい。発光スペクトルは、できるだけ単一ピークであることが好ましいが、場合によっては他のピークとの重なりによって複数の極大点を有したり、ピークの裾に肩が現れることもある。本発明において、ピーク波長とは発光中心波長に値する主ピークの波長であり、半値幅とはこれらピーク全体において発光中心波長の高さの半分のところのピーク幅であると定義している。
【0068】
電気エネルギーとは主に直流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきである。
【0069】
本発明におけるマトリクスとは、表示のための画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途によって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
【0070】
本発明におけるセグメントタイプとは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0071】
また本発明の発光素子はバックライトとしても好適に用いることができる。バックライトとは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ機器、自動車パネル、表示板、標識などに使用される。特に液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると本発明におけるバックライトは、薄型、軽量が特徴になる。
【0072】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0073】
実施例1
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板をアセトン、”セミコクリン56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−5Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず第一の正孔注入輸送材料としてCuPcを10nmの厚さに蒸着し、引き続いて第二の正孔輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を50nmの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成した。次にホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ビス(3,5−ジメチルベンジル)−3,6−ビス(4−チルフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロールを、ドーパント材料として下記に示すD9(ジクロロメタン溶液中の蛍光ピーク波長は613nm)を用いて、ドーパント材料の濃度が0.5wt%になるように25nmの厚さに共蒸着して発光層を形成し、電子輸送材料として下記に示すETM1を25nmの厚さに蒸着して電子輸送層を形成した。ETM1のイオン化ポテンシャルは5.99eVであり(大気雰囲気型紫外線光電子分析装置(AC−1:理研計器 ( ) )を用いて測定)、分子量は401である。次にアルミニウムを150nm蒸着して陰極を形成し、5×5mm角の素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長618nm、スペクトル半値幅48nmのD9に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で9000cd/mであった。
【0074】
【化30】
Figure 0004061969
【0075】
比較例1
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板をアセトン、”セミコクリン56” ( フルウチ化学 ( ) ) で各々15分間超音波洗浄してから、超純 水で洗浄した。続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10 −5 Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を50nmの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成した。次にホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ビス(3,5−ジメチルベンジル)−3,6−ビス(4−メチルフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロールを、ドーパント材料として下記に示すD2(ジクロロメタン溶液中の蛍光ピーク波長は605nm)を用いて、ドーパント材料の濃度が0.5wt%になるように25nmの厚さに共蒸着して発光層を形成し、電子輸送材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を25nmの厚さに蒸着して電子輸送層を形成した。次にリチウムを0.5nmドーピングした後、銀を150nm蒸着して陰極を形成し、5×5mm角の素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長617nm、スペクトル半値幅42nmのD2に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は16Vの印加電圧で3000cd/mであった。
【0076】
【化31】
Figure 0004061969
【0077】
比較例
ホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は比較例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長609nm、スペクトル半値幅52nmのD2に基づく赤色発光が得られたが、発光輝度は16Vの印加電圧で900cd/mであった。
【0078】
比較例3
ドーパント材料として下記に示すD3(ジクロロメタン溶液中の蛍光ピーク波長は625nm)を用いた以外は比較例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長632nm、スペクトル半値幅40nmのD3に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は19Vの印加電圧で3200cd/mであった。
【0079】
【化32】
Figure 0004061969
【0080】
比較例4
ドーパント材料として下記に示すD4(ジクロロメタン溶液中の蛍光ピーク波長は606nm)を用いた以外は比較例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長612nm、スペクトル半値幅40nmのD4に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は17Vの印加電圧で4200cd/mであった。
【0081】
【化33
Figure 0004061969
【0082】
施例
正孔輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を50nmの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成し、電子輸送材料として下記に示すETM2を用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。ETM2のイオン化ポテンシャルは5.97eVであり、分子量は609、ガラス転移温度が112℃である。この発光素子からは、発光ピーク波長618nm、スペクトル半値幅48nmのD9に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で8000cd/mであった。
【0083】
【化34
Figure 0004061969
【0084】
実施例
電子輸送材料として下記に示すETM3を用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。ETM3のイオン化ポテンシャルは6.07eVであり、分子量は670、ガラス転移温度が165℃である。この発光素子からは、発光ピーク波長618nm、スペクトル半値幅48nmのD9に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で10000cd/mであった。
【0085】
【化35
Figure 0004061969
【0086】
実施例
電子輸送材料として下記に示すETM4用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。ETMのイオン化ポテンシャルは6.07eVであり、分子量は672、ガラス転移温度が219℃である。この発光素子からは、発光ピーク波長618nm、スペクトル半値幅48nmのD9に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は14Vの印加電圧で11000cd/mであった。
【0087】
【化36
Figure 0004061969
【0088】
実施例
1,4−ジケト−2,5−ジエチル−3,6−ビス(1−ナフチル)ピロロ[3,4−c]ピロールの合成方法
カリウム−t−ブトキシド7.3gをt−アミルアルコール36mlに溶解し、撹拌しながら90℃で1−ナフトニトリル10gを加えた。次いで、こはく酸ジイソプロピル6.7mlを2時間かけて滴下した。1日環流した後、60℃でメタノール30ml、酢酸4.4mlを加え、30分環流した。室温に冷却後、ろ過し、メタノールで洗浄した。次に、得られた赤色粉末2.89gをDMF80mlに溶解し、カリウム−t−ブトキシド2.1gを加え、1時間撹拌した。ヨウ化エチル1.5mlを加え、65℃で1日撹拌した。50mlの水を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃縮して、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、黄色粉末1.5gを得た。得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):0.93(tt, 6H), 3.35(qq, 2H), 3.70(qq, 2H), 7.58-7.68(m, 6H), 7.76(t, 2H), 7.90(m, 4H), 8.02(d, 2H)
元素分析結果は、組成式C3024として以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。C:81.2%(81.1%)、H:5.3%(5.4%)、N:6.3%(6.3%)、O:7.2%(7.2%)。
【0089】
また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピークはm/Z=444であった。以上のことから、上記生成物である黄色粉末は、1,4−ジケト−2,5−ジエチル−3,6−ビス(1−ナフチル)ピロロ[3,4−c]ピロールであることが確認された。
【0090】
ついで、ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジエチル−3,6−ビス(1−ナフチル)ピロロ[3,4−c]ピロール、ドーパント材料に下記に示すD10化合物(ジクロロメタン溶液中の蛍光ピーク波長は611nm)を用いた以外は実施例と全く同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長615nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は14Vの印加電圧で12000cd/mであった。
【0091】
【化37
Figure 0004061969
【0092】
実施例
ホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ビス(1−ナフチル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長615nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で16000cd/mであった。
【0093】
実施例
1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールの合成方法
1−ナフトニトリルの代わりに4−p−トリル−1−ナフトニトリル、ヨウ化エチルの代わりに4−メチルベンジルブロミドを用いた以外は実施例と同様の方法で合成した。橙色粉末1.2gを得た。得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):2.20(s, 6H), 2.49(s, 6H), 4.38(t, 2H),4.93(t, 2H), 6.69(t, 4H), 6.88(t, 4H), 7.35(d, 4H), 7.42-7.64(m, 12H),8.00(t,4H)
元素分析結果は、組成式C5644として以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。C:86.6%(86.6%)、H:5.7%(5.7%)、N:3.5%(3.6%)、O:4.1%(4.1%)。
【0094】
また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピークはm/Z=776であった。以上のことから、上記生成物である橙色粉末は、1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールであることが確認された。
【0095】
ついで、ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実施例と全く同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長616nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は13Vの印加電圧で9000cd/mであった。
【0096】
実施例
1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールの合成方法
1−ナフトニトリルの代わりに4−p−トリル−1−ナフトニトリル、ヨウ化エチルの代わりにヨウ化メチルを用いた以外は実施例と同様の方法で合成した。橙色粉末1.4gを得た。得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):2.49(s, 6H), 3.05(s, 6H), 7.35(d, 4H),7.44-7.65(m, 10H), 7.98(d, 2H), 8.02(dd, 4H)
元素分析結果は、組成式C4232として以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。C:84.6%(84.6%)、H:5.4%(5.4%)、N:4.7%(4.7%)、O:5.3%(5.4%)。
【0097】
また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピークはm/Z=596であった。以上のことから、上記生成物である橙色粉末は、1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールであることが確認された。
【0098】
ついで、ホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ビス(4−p−トリルナフタレン−1−イル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長616nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で15000cd/mであった。
【0099】
実施例
ホスト材料に1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3−(1−ナフチル)−6−(3,5−ビス(1−ナフチル)フェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール、ドーパント材料にD9を用いた以外は実施例と全く同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長616nm、スペクトル半値幅48nmのD9に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は13Vの印加電圧で9000cd/mであった。
【0100】
実施例10
1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]ピロールの合成方法
1−ナフトニトリルの代わりに1−フェナンスレンカルボニトリル、ヨウ化エチルの代わりに4−メチルベンジルブロミドを用いた以外は実施例と同様の方法で合成した。橙色粉末0.9gを得た。得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):2.18(ss, 6H), 4.40(t, 2H), 4.90(t, 2H), 6.64(t, 4H), 6.79(t, 4H), 7.62-7.86(m, 12H), 7.96(t, 2H), 8.79(t, 4H)
元素分析結果は、組成式C5036として以下のとおりであった。なお括弧内は理論値である。C:86.3%(86.2%)、H:5.2%(5.2%)、N:3.9%(4.0%)、O:4.5%(4.6%)。
【0101】
また、マススペクトルより、目的物の主な分子イオンピークはm/Z=696であった。以上のことから、上記生成物である橙色粉末は、1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]ピロールであることが確認された。
【0102】
ついで、ホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ビス(4−メチルベンジル)−3,6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長616nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は15Vの印加電圧で13000cd/mであった。
【0103】
実施例11
ホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ジメチル−3,6−ビス(1−フェナントリル)ピロロ[3,4−c]ピロールを用いた以外は実施例と同様にして発光素子を作製した。この発光素子からは、発光ピーク波長616nm、スペクトル半値幅43nmのD10に基づく赤色発光が得られ、発光輝度は14Vの印加電圧で17000cd/mであった。
【0104】
実施例12
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、フォトリソグラフィ法によって300μmピッチ(残り幅270μm)×32本のストライプ状にパターン加工した。ITOストライプの長辺方向片側は外部との電気的接続を容易にするために1.27mmピッチ(開口部幅800μm)まで広げてある。得られた基板をアセトン、”セミコクリン56”で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まずTPDを100nm蒸着した。次にホスト材料として1,4−ジケト−2,5−ビス(3,5−ジメチルベンジル)−3,6−ビス(4−エチルフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロールを、ドーパント材料として前記D9を用いて、ドーパントが0.6wt%になるように50nmの厚さに共蒸着し、前記ETM2を50nmの厚さに積層した。次に厚さ50μmのコバール板にウエットエッチングによって16本の250μmの開口部(残り幅50μm、300μmピッチに相当)を設けたマスクを、真空中でITOストライプに直交するようにマスク交換し、マスクとITO基板が密着するように裏面から磁石で固定した。そしてマグネシウムを50nm、アルミニウムを150nm蒸着して32×16ドットマトリクス素子を作製した。本素子をマトリクス駆動させたところ、クロストークなく文字表示できた。
【0105】
【発明の効果】
本発明は、電気エネルギーの利用効率が高く、高輝度かつ高色純度の発光素子を提供できるものである。

Claims (5)

  1. 陽極と陰極の間に発光物質として少なくとも発光材料、正孔輸送材料および電子輸送材料が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素子は発光ピーク波長が580nm以上720nm以下で発光し、発光材料に少なくとも下記一般式(1)に示すジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体と蛍光ピーク波長が580nm以上720nm以下の有機蛍光物質を含み、電子輸送材料のイオン化ポテンシャルが5.9eV以上であり、かつ分子量が400以上であることを特徴とする発光素子。
    Figure 0004061969
    {RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜25のアルキル基または、下記一般式(2)の中から選ばれ、
    Figure 0004061969
    (RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜4のアルキル基、無置換または炭素数1〜3のアルキル基が置換されたフェニル基から選ばれ、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、フェニル基の中から選ばれた置換基を有するフェニル基、無置換もしくは置換基を有するナフチル基の中から選ばれる。mは0〜4の整数を表す。)
    ArおよびArは同じでも異なっていてもよく、無置換または置換基を有するフェニル基、ナフチル基、スチリル基、カルバゾリル基から選ばれる。}
  2. 前記有機蛍光物質が下記一般式(3)に示すピロメテン骨格を有する化合物もしくはその金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
    Figure 0004061969
    (ここで、R〜R11のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリールセレノエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合には上記R11は存在しない。金属錯体の金属は、ホウ素、ベリリウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金から選ばれる少なくとも一種である。)
  3. 前記金属錯体が下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項2記載の発光素子。
    Figure 0004061969
    (ここで、R12〜R18のうち少なくとも一つは芳香環を含むかあるいは隣接置換基との間に縮合芳香環を形成し、残りは水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリールセレノエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。R19およびR20は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル、アリール、複素環基から選ばれる。Xは炭素または窒素であるが、窒素の場合には上記R18は存在しない。
  4. 前記電子輸送材料のガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  5. 陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を順次積層することを特徴とする請求項1記載の発光素子。
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