JP2003012660A - エポキシアクリレート化合物およびその製造方法 - Google Patents

エポキシアクリレート化合物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003012660A
JP2003012660A JP2001195747A JP2001195747A JP2003012660A JP 2003012660 A JP2003012660 A JP 2003012660A JP 2001195747 A JP2001195747 A JP 2001195747A JP 2001195747 A JP2001195747 A JP 2001195747A JP 2003012660 A JP2003012660 A JP 2003012660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy
epoxy acrylate
acrylate compound
compound
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001195747A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumitaka Saimura
史高 雑村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2001195747A priority Critical patent/JP2003012660A/ja
Publication of JP2003012660A publication Critical patent/JP2003012660A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低吸水性、耐熱性に優れるエポキシアクリレ
ート化合物およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式[1]で表されるエポキシア
クリレート化合物であって、置換基R1,R2がそれぞ
れ、下記式[2]で表される置換基Xまたは下記一般式
[3]で表される置換基Yであり、かつ、前記エポキシ
アクリレート化合物中の置換基R1とR2との合計に対す
る置換基Xの比率が10〜100%であるエポキシアク
リレート化合物。 【化1】 (R3はアクリル基、メタクリル基、シンナモイル基の
中から選ばれる一種以上の基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシアクリレ
ート化合物およびその製造方法に関する。本発明のエポ
キシアクリレート化合物は例えば、光重合開始剤との組
み合わせにより感光性樹脂組成物として好適に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】従来からエポキシアクリレート化合物
は、感光材料や架橋剤等、種々の機能性高分子材料の原
料として幅広く用いられている。例えば、特開昭61−
185574号公報や、特開昭61−185575号公
報には、2,2−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロ
キシプロポキシフェニル)プロパン、ビス(3−アクリ
ロキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシフェニル)プロパン、またはビス(3−メタク
リロキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニル)メタン
をそれぞれ主成分として用いた、紫外線または電子線硬
化性樹脂組成物が記載されている。また、特開昭59−
137928号公報には、分子量が400前後のビスフ
ェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、又は
ビスフェノールFジグリシジルエーテルジアクリレート
を用いた紫外線硬化性液晶表示パネル用の液晶注入口封
止材料が記載されている。
【0003】しかしながら、近年、一層の耐湿性、耐水
性、耐熱性、溶剤溶解性、低誘電特性、高光透過性、感
光性等に優れた高性能のエポキシアクリレート化合物が
望まれており、最近、このようなエポキシアクリレート
化合物が幾つか提案されている。例えば、特開平2−1
11743号公報には、2,2−ビス〔3−フェニル−
4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル〕プロパンが、また、特開平8−677
37号公報には、1,4−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)クミル〕ベンゼンがそれぞれ提案されているが、い
まだ市場の要求を満たすのに充分なものは見いだされて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低吸水性、
耐熱性に優れるエポキシアクリレート化合物およびその
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)下記一般式[1]で表されるエポキシアクリレー
ト化合物であって、置換基R1,R2がそれぞれ、下記式
[2]で表される置換基Xまたは下記一般式[3]で表
される置換基Yであり、かつ、前記エポキシアクリレー
ト化合物中の置換基R1とR2との合計に対する置換基X
の比率が10〜100%であるエポキシアクリレート化
合物、
【化3】 (R3はアクリル基、メタクリル基、シンナモイル基の
中から選ばれる一種以上の基である) (2)置換基Xの比率が100%である第(1)項に記
載のエポキシアクリレート化合物、(3)第(1)項ま
たは第(2)項のいずれかに記載のエポキシアクリレー
ト化合物の製造方法であって、下記式[4]で表される
エポキシ化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮
酸の中から選ばれる1種以上の酸とを反応させ、かつ、
前記エポキシ化合物中のエポキシ基1モルに対して前記
酸が0.1〜10モルとなるように反応させる、エポキ
シアクリレート化合物の製造方法、
【化4】 である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式[1]で
表される構造を有するエポキシアクリレート化合物は、
下記式[5]で表されるヒドロキシナフタレン化合物を
用い、この化合物が有するフェノール性水酸基をグリシ
ジル化することによって、エポキシ化合物[4]を製造
し、さらにこれをアクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸を用いてアクリル化することにより得られ
るものである。
【化5】
【0007】本発明で用いられる、式[5]で表される
ヒドロキシナフタレン化合物は、2−ナフトールとベン
ズアルデヒドを塩基性触媒で反応させることにより得ら
れる。具体的には、2−ナフトール1モルに対し、ベン
ズアルデヒド0.5〜1.5モルの範囲で加え、必要に
応じてメチルイソブチルケトン等の溶媒を添加し、この
系に水酸化ナトリウム、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデセン−7等の塩基性触媒を2−ナフトー
ル1モルに対して0.2〜0.8モルの範囲で加えて加
熱し、110〜130℃で2〜5時間反応させ、反応終
了後に塩基性触媒を酢酸等の酸で中和し水洗除去した
後、更に昇温し、系内の反応によって生成した水、未反
応のモノマー類を蒸留除去する。以上の操作により、式
[5]で表されるヒドロキシナフタレン化合物を得るこ
とができる。
【0008】本発明で用いられる式[4]で表されるエ
ポキシ化合物は、式[5]で表されるヒドロキシナフタ
レン化合物とエピクロルヒドリンとを水酸化ナトリウム
や水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の存在下
で反応させることによって、容易に得ることができる。
例えば、式[5]で表されるヒドロキシナフタレン化合
物1モルに対して、エピクロルヒドリンを2〜20モル
加え、必要に応じてイソプロピルアルコール等の溶媒を
適宜加えた後、20〜50℃で水酸化ナトリウム水溶液
をエピクロルヒドリン1モルに対して0.1〜0.5モ
ル添加し、50〜80℃で2〜8時間反応させた後、大
過剰の水で水洗し、副生塩や過剰の水酸化ナトリウムを
除去し、減圧下で過剰のエピクロルヒドリンを蒸留除去
する。以上の操作により、式[4]で表されるエポキシ
化合物を得ることができる。
【0009】一般式[1]で表されるエポキシアクリレ
ート化合物は、式[4]で表されるエポキシ化合物に不
飽和カルボン酸を反応させて得られるものである。本発
明においては、不飽和カルボン酸として、アクリル酸、
メタクリル酸、ケイ皮酸を用いることが好ましく、これ
らを単独または2種以上を併用してもかまわない。
【0010】式[4]のエポキシ化合物中のエポキシ基
1モルに対する不飽和カルボン酸の配合量は0.1〜1
0モルであることが好ましい。この範囲内で反応させる
ことによって一般式[1]で表されるエポキシアクリレ
ート化合物を得ることができる。式[4]のエポキシ化
合物中のエポキシ基に対する不飽和カルボン酸の配合量
によって、生成物である前記エポキシアクリレート化合
物中のすべての置換基R1とR2との合計に対する置換基
Xの比率が異なった生成物が得られる。この両者の関係
は不飽和カルボン酸の種類や反応条件によっても異なる
が、一般的には前記エポキシ基1モルに対して不飽和カ
ルボン酸0.1〜0.5モルを反応させた場合には、一
般式[1]における置換基Xの比率が10〜50%のも
のが得られ、また、同様に0.5〜10モルを反応させ
た場合には50〜100%のものが得られるようにな
る。特に、置換基Xの比率が100%であるものを得る
場合は、2〜10モルを反応させることが好ましい。
【0011】この反応は触媒の存在下、通常50〜15
0℃の温度で、1〜10時間行うことが好ましい。反応
温度が150℃を越えたり、反応時間が10時間を越え
たりすると、得られたエポキシアクリレート化合物どう
しが熱重合する可能性がある。また、反応温度が50℃
未満であったり、反応時間が1時間を下回ったりする
と、反応が十分に進まずに未反応の不飽和カルボン酸の
残存が多くなることがある。熱重合の抑制、不飽和カル
ボン酸とエポキシ基との反応性を考慮すると、さらに好
ましい反応条件としては、80〜120℃の温度で、2
〜5時間である。
【0012】式[4]で表されるエポキシ化合物をアク
リル化する際に用いられる触媒としては特に限定しない
が、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ−
n−ブチルアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニ
ウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルア
ンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の
第四級アンモニウム塩、又は第四級ホスホニウム塩、ト
リフェニルホスフィン等のホスフィン類、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の
イミダゾール類等を使用することができ、通常、エポキ
シ化合物と不飽和カルボン酸との反応性が良好であるこ
とから、トリエチルアミン、ベンジルトリエチルアンモ
ニウム塩が多く用いられる。触媒の使用量は通常、反応
物全体の0.01〜10重量%の範囲で用いられること
が好ましい。
【0013】また、この反応に際してはメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコ
ール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコ
ール類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソル
ブアセテート等のエステル類、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合
物等を反応溶剤として用いることができる。また反応の
際、重合禁止剤としてハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、4−メチ
ルキノリン、フェノチアジン等を反応系に共存させても
よい。
【0014】反応終了後は、必要に応じて水洗を行って
もよい。水洗を行う場合は、反応終了後反応系を室温ま
で冷却し、溶媒を加えて反応生成物を溶媒に溶解したあ
と、アルカリ水溶液、蒸留水の順で加えて2〜5回程度
洗浄する。その後溶媒を十分に除去する。使用する溶媒
は、水や無機塩類を溶解せず、エポキシアクリレート化
合物を溶解するものであれば特に限定されないが、ベン
ゼン、メチルイソブチルケトンなどが使用でき、通常は
ベンゼンが使用される。また、アルカリ水溶液について
も特に限定されないが、加水分解をさけるため、強アル
カリ水溶液はさけた方がよい。通常は炭酸ナトリウムを
水で希釈して用いる。
【0015】以上のようにして、一般式[1]で表され
る構造を有するエポキシアクリレート化合物を得ること
ができる。このエポキシアクリレート化合物は、分子内
に多環構造を有し、芳香環密度が高いため、低吸水性で
あり、耐熱性に優れた性質を有する。このことから、本
発明のエポキシアクリレート化合物を用いて高分子材料
を製造した場合、高絶縁性、低誘電性等の電気特性にも
優れるものが得られることが期待できる。たとえば、本
発明のエポキシアクリレート化合物自体を重合させるこ
とによって、あるいはこれらの化合物との共重合性を有
する他の不飽和化合物と共重合させることによって、耐
湿性、耐水性、耐熱性、低誘電性、耐薬品性等、種々の
物性に優れた高分子材料を得ることができ、種々の用途
に用いることができる。
【0016】また、本発明のエポキシアクリレート化合
物を光重合開始剤と組み合わせることによって、感光性
樹脂組成物とすることもできる。このような感光性樹脂
組成物は、プリント配線板を製造するためのビルドアッ
プ式多層板用の感光性樹脂材料や、ソルダーレジスト用
樹脂、無電解めっきレジスト用樹脂などに用いられるほ
か、液晶表示パネルの封止用樹脂、さらには液晶のカラ
ーフィルター用保護膜等の広範な用途に用いることがで
きる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。本発
明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
また、合成例、実施例、比較例、評価例に記載されてい
る「部」及び「%」は、すべて「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0018】《ヒドロキシナフタレン化合物の合成》攪
拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応器にβ−ナ
フトール100部、ベンズアルデヒド59部(β−ナフ
トール1モルに対してベンズアルデヒド1.2モル)、
水25部を仕込み、系内を昇温し温度が70℃に達した
時に、50重量%水酸化ナトリウム水溶液30部を徐々
に加えた。その後さらに昇温し系内の温度を110℃に
保ち3時間反応させた。次に酢酸を22部加え中和させ
た後、メチルイソブチルケトン100部、水120部を
加え10分間攪拌した後、静置し有機層と水層を分離さ
せた。水層を系外に除去した後、系内を150℃まで昇
温しながら水、メチルイソブチルケトンを蒸留除去させ
た。さらに系内の温度を150℃に保ったまま180℃
の水蒸気を500ml/時間の割合で系内に2時間吹き
込み、未反応のβ−ナフトールを除去し、粘度が0.1
Pa・s(200℃)のヒドロキシナフタレン化合物5
1部を得た。
【0019】《エポキシ化合物の合成》攪拌装置、還流
冷却器及び温度計を備えた反応器に前記方法で得られた
ヒドロキシナフタレン化合物100部、エピクロルヒド
リン300部(ヒドロキシナフタレン化合物1モルに対
してエピクロルヒドリン12.2モル)、及びイソプロ
ピルアルコール100部を仕込み、攪拌し溶解させた
後、系内の温度を35℃に保ち、50重量%水酸化ナト
リウム水溶液56部を1時間かけて添加した。その間系
内の温度を徐々に上昇させ添加終了時は65℃となるよ
うにした。系内の温度を65℃に保ったまま1時間反応
させた後、水500部を加え水洗し、副生塩や過剰の水
酸化ナトリウムを除去した。次に減圧下で過剰のエピク
ロルヒドリン、及びイソプロピルアルコールを蒸留除去
して、式[4]で表されるエポキシ化合物110部(エ
ポキシ当量250g/eq)を得た。
【0020】《実施例1:エポキシアクリレート化合物
の合成1》攪拌装置、還流冷却器および温度計を備えた
反応器に、前記方法で得られたエポキシ化合物100
部、アクリル酸150部(エポキシ化合物中のエポキシ
基1モルに対して5モル)、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロライド2部、t−ブチルカテコール0.1部
を仕込み、100℃で3時間攪拌しながら反応させた。
反応終了後、室温に戻し、ベンゼン300部を添加して
生成物をこれに溶解後、炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水
の順に添加し、3回ずつ洗浄した。その後ベンゼンを十
分に蒸留除去して、エポキシアクリレート化合物110
部を得た。得られた化合物のIR分析を行ったところ、
1720cm-1 にエステル基の吸収があり、915c
-1 のエポキシ基の吸収が消失してた。またエポキシ
当量測定によりエポキシ基が検出されないことから、生
成物は一般式[1]における置換基Xの比率が100%
であり、置換基X中のR3がアクリル基であるエポキシ
アクリレート化合物であると考えられた。
【0021】《実施例2:エポキシアクリレート化合物
の合成2》アクリル酸150部を、アクリル酸9部(エ
ポキシ化合物中のエポキシ基1モルに対して0.3モ
ル)に変えた以外は、実施例1と同様にしてエポキシア
クリレート化合物90部を得た。得られた化合物のIR
分析を行ったところ、1720cm-1 にエステル基の
吸収があり、915cm-1 のエポキシ基の吸収が、式
[4]で表されるエポキシ化合物単体での場合と比較し
て減少していた。またエポキシ当量は550g/eqで
あり、エポキシ基の存在が確認された。合成に用いたエ
ポキシ化合物中のエポキシ基に対するアクリル酸の当量
値と、エポキシアクリレート化合物のエポキシ当量の測
定値より、生成物は一般式[1]における置換基Xの比
率が30%であり、置換基X中のR3がアクリル基であ
るエポキシアクリレート化合物であると考えられた。
【0022】《評価用プリント配線板の作成例1》次
に、実施例1で得られたエポキシアクリレート化合物を
用い、プリント配線板の作成を行い、諸特性の評価を行
った。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート8
28(油化シェルエポキシ株式会社製:エポキシ当量1
90)15g、フェノライトLF−4871(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)の不揮発分60%のメチルエチル
ケトン溶液45g、実施例1で得られたエポキシアクリ
レート化合物15g、およびメタクリル酸グリシジル1
5gを混合し、光開始剤としてイルガキュア651(チ
バ・ガイギー社製)3gと熱硬化促進剤としてトリフェ
ニルフォスフィン 0.2gを添加し、さらに炭酸カルシ
ウムを36g、2−エトキシエタノール9gを添加し充
分に撹拌して樹脂混合物を得た。次いで、前記樹脂混合
物をPETフィルムの上に80μm厚で塗工し、80℃
で20分間乾燥し、最後に乾燥面にポリエチレンフィル
ムをカバーして、感光性アディティブ接着剤フィルムを
作成した。
【0023】基材厚み0.1mm、銅箔厚み35μmの
ガラスエポキシ両面銅張積層板をパターン加工し内層回
路板を作成した。次いで、亜塩素酸ナトリウム31g/
l、水酸化ナトリウム15g/l、りん酸ナトリウム1
2g/lからなるアルカリ水溶液で95℃2分間処理し
回路表面を粗化し、その上に上記作製した感光性アディ
ティブ接着剤フィルムを真空ラミネーターによりラミネ
ートし、続いて所定のパターンを載置して、高圧水銀灯
露光装置を用い照射量300mJ/cm2で露光し、次
いで1%の水酸化ナトリウム水溶液により2kg/cm
2のスプレー圧で現像し、表面バイアホールを形成し
た。
【0024】表面バイアホールを形成した基板を150
℃30分間熱処理して前記感光性アディティブ接着剤を
熱硬化させ、めっきスルーホール用の穴あけを行った。
その後、前記感光性アディティブ接着剤樹脂表面をベル
トサンダーで研磨して平滑化し、10%の塩酸水溶液に
浸漬して表面に露出した炭酸カルシウムを溶解した。続
いて、75℃の過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液
で10分間粗化し、十分に水洗した後、50℃の硫酸ヒ
ドロキシルアミン水溶液に10分間浸漬し、接着剤層に
残留した過マンガン酸塩を中和除去した。次に、75℃
のアルカリ脱脂処理液に5分間浸漬後、十分に洗浄を行
い、パラジウム−錫塩コロイド触媒溶液に5分間浸漬し
た。水洗後、室温の触媒活性化浴に8分間浸漬し、過剰
なパラジウム−錫塩コロイド粒子から過剰な錫塩を除去
した。25℃の無電解銅めっき液に1時間浸漬し、約
0.5μmの無電解めっき皮膜を形成し、続いて25μ
mの厚さになるまで電解めっきを行った後、エッチング
レジストを施し、エッチングにより回路を形成し、多層
プリント配線板No.1を作製した。
【0025】《評価用プリント配線板の作成例2》実施
例1で得られたエポキシアクリレート化合物15gを、
実施例1で得られたエポキシアクリレート化合物10g
と、実施例2で得られたエポキシアクリレート化合物5
gとの混合物に変えた以外は、評価用プリント配線板の
作成例1と同様の方法で多層プリント配線板No.2を
作製した。
【0026】《評価用プリント配線板の作成例3》ビス
フェノールA型エポキシアクリレート、VR−60(昭
和高分子社製)45gをメチルエチルケトン30gに溶
解し、それにメタクリル酸グリシジル15gを混合し、
光開始剤として、イルガキュア651(チバ・ガイギー
社製)3gを添加し、さらに炭酸カルシウムを36g添
加し充分に撹拌して樹脂混合物を得た。次いで、前記樹
脂混合物をPETフィルムの上に80μm厚で塗工し、
80℃で20分間乾燥し、最後に乾燥面にポリエチレン
フィルムをカバーして、感光性アディティブ接着剤フィ
ルムを作成した。以後、評価用プリント配線板の作成例
1と同様の方法で多層プリント配線板No.3を作製し
た。
【0027】評価用プリント配線板の作成例1〜3で得
られた多層プリント配線板No.1〜3について評価し
た結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 (評価方法) 1.現像性 ○:現像できたもの、△:現像残りが若干あり、×:現
像残りがある。 2.半田耐熱性 JIS C 6481に従って、試験片5つについて試験
を行い、全ての試験片において260℃、20秒浸漬後
に変化が見られないものを○、1試験片でもふくれなど
の変化が見られるものを×とした。 3.ピール強度 接着剤層に対するメッキ銅のピール強度をJIS C 6
481により測定した。 4.吸水率 多層プリント配線板の切片10gについて、120℃、
100%RH、80時間吸湿処理を行い、その前後の重
量変化により算出した。
【0029】評価例1,2では、本発明のエポキシアク
リレート化合物を用い、一方、比較例ではビスフェノー
ルA型のエポキシアクリレート化合物を用いて、多層プ
リント配線板を作成し、評価を行った。評価例で用いた
エポキシアクリレート化合物は、ナフタレン環を有し、
化合物内における芳香環密度が高いため、現像性、ピー
ル強度に影響を与えることなく半田耐熱性に優れ、低吸
湿性であるプリント配線板が得られた。
【0030】
【発明の効果】本発明のエポキシアクリレート化合物
は、その多環構造に由来する優れた耐熱性、低吸湿性を
示すことがわかった。このことから本発明のエポキシア
クリレート化合物は、プリント配線板等の高性能な電子
部品用材料として好適で、さらには接着剤、塗装剤、保
護コーティング材等の材料としても優れた耐熱性、低吸
湿性を示すことが期待され、多環構造の特性を生かすこ
とによって様々な用途に利用でき、特に電子部品の性能
向上に寄与するものと期待される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で表されるエポキシア
    クリレート化合物であって、置換基R1,R2がそれぞ
    れ、下記式[2]で表される置換基Xまたは下記一般式
    [3]で表される置換基Yであり、かつ、前記エポキシ
    アクリレート化合物中の置換基R1とR2との合計に対す
    る置換基Xの比率が10〜100%であるエポキシアク
    リレート化合物。 【化1】 (R3はアクリル基、メタクリル基、シンナモイル基の
    中から選ばれる一種以上の基である)
  2. 【請求項2】 置換基Xの比率が100%である請求項
    1に記載のエポキシアクリレート化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載のエ
    ポキシアクリレート化合物の製造方法であって、下記式
    [4]で表されるエポキシ化合物と、アクリル酸、メタ
    クリル酸、ケイ皮酸の中から選ばれる1種以上の酸とを
    反応させ、かつ、前記エポキシ化合物中のエポキシ基1
    モルに対して前記酸が0.1〜10モルとなるように反
    応させる、エポキシアクリレート化合物の製造方法。 【化2】
JP2001195747A 2001-06-28 2001-06-28 エポキシアクリレート化合物およびその製造方法 Pending JP2003012660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195747A JP2003012660A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 エポキシアクリレート化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195747A JP2003012660A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 エポキシアクリレート化合物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003012660A true JP2003012660A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19033677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001195747A Pending JP2003012660A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 エポキシアクリレート化合物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003012660A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016614A1 (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法
CN109476580A (zh) * 2016-07-21 2019-03-15 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、树脂、组合物和图案形成方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016614A1 (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法
CN109415286A (zh) * 2016-07-21 2019-03-01 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、树脂、组合物和图案形成方法
CN109476580A (zh) * 2016-07-21 2019-03-15 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、树脂、组合物和图案形成方法
JPWO2018016614A1 (ja) * 2016-07-21 2019-05-09 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法
JPWO2018016648A1 (ja) * 2016-07-21 2019-05-09 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法
JP7069530B2 (ja) 2016-07-21 2022-05-18 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法
JP7194355B2 (ja) 2016-07-21 2022-12-22 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物及びパターン形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4606684B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、その感光性ドライフィルム及びそれを用いたパターン形成方法
JP4878597B2 (ja) 感光性樹脂組成物、プリント配線板、および半導体パッケージ基板
JP4376290B2 (ja) ソルダーレジスト、そのドライフィルム及び硬化物ならびにプリント配線板
TWI227244B (en) Resins curable with actinic energy ray, process for the production thereof, and photocurable and thermo setting resin composition
JP4548155B2 (ja) アルカリ現像型感光性樹脂組成物及びプリント配線基板。
TW591040B (en) Resin composition, solder resist composition and cured product thereof
JP4311819B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP2001131242A (ja) 樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP4309225B2 (ja) 硬化性組成物、その硬化物及びそれを用いたプリント配線板
JP2003076009A (ja) 感光性熱硬化性樹脂組成物
JP2001131241A (ja) 樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP2004099635A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とその成形物、及びそれらの硬化物
JP4344894B2 (ja) エポキシアクリレート化合物
JP2003012660A (ja) エポキシアクリレート化合物およびその製造方法
JP2003167331A (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP4738259B2 (ja) 感光性樹脂組成物、並びにその硬化物
WO2003059975A1 (fr) Composition de resine photosensible et cartes imprimees
JP2002220425A (ja) 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP2001040174A (ja) 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP4989435B2 (ja) 感光性樹脂および感光性樹脂組成物
JPH08160616A (ja) レジスト用樹脂組成物の製造方法
JP2001131244A (ja) 樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP4168095B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2002308952A (ja) 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP4274914B2 (ja) ソルダーレジスト用組成物およびプリント配線板