JP2003012315A - 硼素含有黒鉛質材料の製造方法およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

硼素含有黒鉛質材料の製造方法およびリチウムイオン二次電池

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Kazuaki Tabayashi
一晃 田林
Junichi Kitagawa
淳一 北川
Wataru Mitani
渡 三谷
Kazuyuki Murakami
一幸 村上
Hidetoshi Morotomi
秀俊 諸富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン二次電池の負極材料として使
用した場合に、高容量かつ不可逆容量(容量ロス)の少
ない硼素含有黒鉛質炭素材料、および該材料を用いたリ
チウムイオン二次電池を提供すること。 【解決手段】 一次キノリン不溶分(一次QI)含有量
が0〜2重量%であり、かつ軟化点が40〜150℃で
あるピッチに、硼素化合物を添加して軟化点が350℃
以上になるまで熱処理を行なって高軟化点ピッチとした
後、粉砕して黒鉛化を行なう硼素含有黒鉛質材料の製造
方法において、上記硼素化合物の添加量が、上記高軟化
点ピッチの硼素含有量が硼素換算で1〜3重量%の割合
になる量であることを特徴とする硼素含有黒鉛質材料の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硼素含有黒鉛質材
料の製造方法に関し、さらに詳しくはリチウムイオン二
次電池の負極材料として使用した場合に、高容量かつ不
可逆容量(容量ロス)の少ない硼素含有黒鉛質炭素材料
およびリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池用負極材には、
大きく分けて結晶化の進んだ黒鉛質系材料と結晶化度の
低い炭素質材料とがある。これらの材料は、充放電にそ
れぞれ特徴があり、例えば、黒鉛質系材料は約3.6V
程度の高電位を保って放電を続け、放電末期に急激に電
位が降下する。一方、炭素質系材料は4Vを超える高電
位から放電時間とともに電位が降下する。これらの特徴
は、電池が搭載される機器の要求特性の差などにより使
い分けられる。
【0003】これらの用途の中で、例えば、携帯電話な
どでは、高電圧かつ長時間の使用を要求されるため、黒
鉛系材料が使用されることが多い。一方、炭素質系材料
は、電圧が放電するごとに低下する性質を利用して残量
表示がしやすい。
【0004】黒鉛系材料には、天然に産する天然黒鉛
と、有機化合物を高温処理して得られる人造黒鉛に分類
される。天然黒鉛は黒鉛結晶が発達しており、黒鉛負極
の理論容量である372mA/gに達するものが知られ
ているが、形状が鱗片状であるので電極製造が困難であ
る。これに対し、人造黒鉛は黒鉛結晶度が劣るものの、
電極への塗工性が良い特徴をもつ。
【0005】人造黒鉛の容量を向上させる方法には、単
純に黒鉛化温度を上げるという方法があるが、この方法
はコスト高になるため、黒鉛化性を促進させる触媒元素
を添加するなどの方法がとられる場合がある。この黒鉛
化触媒として作用する元素には多種の金属および非金属
元素が知られ、硼素もその有効な黒鉛化触媒の一つであ
る。
【0006】しかも、硼素は他の元素とは異なり、黒鉛
結晶格子に炭素原子と置換して固溶できる唯一の元素で
ある。このため、単なる黒鉛化触媒であるのみならず、
硼素固溶黒鉛として、通常の人造黒鉛性負極材料よりも
高い放電容量を得ることができる。この理由は現在、明
確な答えはなされてはいないが、黒鉛結晶中に炭素原子
と置換した硼素により、電子のエネルギーレベルが変化
し、その結果、リチウムイオンの吸蔵に有利に働くとい
う説もなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、置換固溶され
なかった過剰な硼素は、黒鉛表面上に硼素の炭化物、窒
化物、酸化物などの形態で析出し、大きな不可逆容量の
一因ともなっているが、単に添加硼素量を少なくする
と、不可逆容量は減少するものの、放電容量もさらに減
少してしまう。このときX線回析法では黒鉛結晶が小さ
くなっていることがわかり、単純に硼素量を減らすだけ
では問題解決にはつながらない。従って本発明の目的
は、上記従来技術の課題を解決し、リチウムイオン二次
電池の負極材料として使用した場合に、高容量かつ不可
逆容量(容量ロス)の少ない硼素含有黒鉛質炭素材料、
および該材料を用いたリチウムイオン二次電池を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、単独で、黒鉛化
した際に真比重が、2.20を超えるようなピッチを原
料とする硼素含有量が0.2〜2重量%である硼素含有
黒鉛質材料を提供する。また、本発明は一次キノリン不
溶分(一次QI)含有量が0〜2重量%であり、かつ軟
化点が40〜150℃であるピッチに、硼素化合物を添
加して軟化点が350℃以上になるまで熱処理を行なっ
て高軟化点ピッチとした後、粉砕して黒鉛化を行なう硼
素含有黒鉛質材料の製造方法において、上記硼素化合物
の添加量が、上記高軟化点ピッチの硼素含有量が硼素換
算で1〜3重量%の割合になる量であることを特徴とす
る硼素含有黒鉛質材料の製造方法を提供する。
【0009】また、本発明は、上記方法において、硼素
化合物を上記熱処理物の粉砕物に硼素換算で1〜3重量
%の割合で添加混合後、黒鉛化を行うことを特徴とする
硼素含有黒鉛質材料の製造方法;得られる黒鉛質材料中
の硼素含有量が0.2〜2重量%になる範囲で黒鉛化を
行なう上記の方法;および上記方法で得られた硼素含有
黒鉛質材料が負極材として用いられていることを特徴と
するリチウムイオン二次電池を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者は、前記目的を達成する
ためには、添加する硼素量を少なくして、高い黒鉛結晶
を発達させる必要があることを認識して研究を行なっ
た。その結果、一般にタールピッチには原料タール由来
の微小な固形物(通常キノリンに不溶であるので、キノ
リン不溶物、一次QI成分と呼ぶが、以下一次QIと記
す)が数重量%存在している。この一次QIは大部分が
コークス炉内でガスが気相炭化したサブミクロン級の微
粒子などのピッチにくらべ難黒鉛化性を示すもので構成
されているため、ピッチ全体の黒鉛化性を阻害する働き
を有することを見出した。タールピッチはこれら一次Q
Iを含むため、黒鉛に固溶するのに相当する量の硼素を
添加しただけでは、高い放電容量を得るに足りる黒鉛結
晶を成長させることができず、過剰量の硼素を添加しな
ければならなかった。
【0011】そこで本発明では、黒鉛質材料の原料であ
るタールピッチ中の一次QIを減少させることが、課題
解決において重要であることを見出した。ここで、ピッ
チ中から一次QIを除去する方法としては既知の手法を
用いることができる。例えば、フィルターろ過、沈降分
離、遠心分離などがあり、これらを単独もしくは組み合
わせることによって効率よく一次QIを除去することが
できる。一次QIを除去したピッチの黒鉛化性向上の指
標として、ピッチを単独で黒鉛化後に真比重で評価し
た。その結果では、一次QIを含有するピッチの黒鉛化
物の真比重は2.00〜2.16程度であるのに対し、
一次QI除去ピッチの黒鉛化物の真比重は2.20を越
え、極めて高い黒鉛化性を示す。このとき、黒鉛化後に
真比重が2.20を超えるためには、ピッチの軟化点が
40〜150℃の範囲内において、一次QI残量が0〜
2重量%、好ましくは痕跡量であることが望ましい。
【0012】このようにして一次QI除去工程を経たピ
ッチ中には、ピッチの軟化点が40〜150℃の範囲内
において、一次QI残量が0〜2重量%、好ましくは限
りなく0重量%に近い方が望ましい。ここで、ピッチの
軟化点が上記軟化点範囲を下回る場合は、ピッチ中に溶
剤などの軽沸成分が多く、後工程の熱処理時に残留一次
QIが濃縮することで高容量の黒鉛質材料を得ることが
できない。一方、一次QI除去ピッチの軟化点が150
℃を超える場合は、ピッチ中に二次QIが発生する場合
があり、一次QI量の定量が困難となるためにピッチの
製造上好ましくない。
【0013】このようにしてピッチから黒鉛化を阻害す
る一次QIを除去することによって、ピッチの黒鉛化に
際して大過剰の硼素化合物を使用する必要はなくなり、
黒鉛に固溶するのに相当する量、もしくは小過剰の硼素
化合物の添加によって、黒鉛に硼素を十分に固溶化させ
ることができる。
【0014】このとき添加する硼素化合物の形態は特に
限定されるものではなく、例えば、炭化硼素、酸化硼素
など、一般的な硼素の化合物を用いることができるが、
硼素含量の点から炭化硼素が望ましい。添加量は、熱処
理後に得られる350℃以上の軟化点を有する高軟化点
ピッチの硼素含有量が、硼素換算で1〜3重量%、好ま
しくは1.5〜2.5重量%になるように添加する。こ
のとき、添加量が3重量%を超えると得られる黒鉛質材
料の不可逆容量が増大し、充放電効率が著しく低下す
る。一方、1重量%を下回ると、得られる黒鉛質材料の
黒鉛化が十分に進行せず、高容量電池用の負極材に用い
ることができない。
【0015】また、硼素化合物の添加方法としては、軟
化点が低いピッチに溶融状態で硼素化合物を混合した
後、熱処理してピッチの軟化点を350℃以上にして、
該高軟化点ピッチの硼素含有量を硼素換算で1〜3重量
%にする方法と、ピッチ単独で熱処理してピッチを軟化
点350℃以上の高軟化点ピッチとした後、該ピッチを
粉砕し、該粉砕物に硼素換算で1〜3重量%の割合で硼
素化合物を添加混合する方法の何れであってもよい。
【0016】しかし、発明者らはさらに検討を進め、単
に一次QIを除去したタールピッチに硼素化合物を添加
すればよいわけではなく、一次QIを除去したピッチを
十分に熱処理させる必要があることを突き止めた。該ピ
ッチを熱処理する指標として、ピッチが流動を開始する
温度である軟化点が、350℃以上であることが望まし
い。さらに望ましくは370℃〜400℃程度の軟化点
であり、軟化点が400℃を超えると反応器内でピッチ
が反応器の壁面に固着する原因となるなど、製造操作上
で問題が生じ、逆に軟化点が350℃を下回ると、得ら
れた黒鉛質材料を負極材料として用いた場合に高容量を
得ることができない。
【0017】以上の如くして得られる一次QIを除去し
たピッチまたは熱処理した高軟化点ピッチは硼素化合物
を添加して、そのまま炭化および黒鉛化処理に付するこ
とも可能であるが、負極用材料として好ましい形状を得
るためには、最終的に得られる黒鉛質物質を粉砕するの
ではなく、炭化および黒鉛化処理前の硼素化合物含有熱
処理ピッチを微粉砕(平均粒径として、10〜30μ
m)して酸化性雰囲気中200〜300℃で不融化処理
を行った後に、炭化および黒鉛化を行うことが好まし
い。この際に、熱処理後の高軟化点一次QI除去ピッチ
の軟化点が350℃以下であると、不融化工程において
粒子の融着が起こり易く、また、軟化点が400℃を超
えると反応容器内でコーキングを起こすなど、製造上で
好ましくない。
【0018】硼素化合物を含有する高軟化点ピッチの黒
鉛化処理は既知の手法で行うことができる。すなわち、
2500℃〜3000℃程度が一般的であるが好ましく
は2800℃以上が良く、3000℃を超えると黒鉛化
炉の消耗が激しく、また、添加した硼素が揮発し易くな
り実用上、問題が生じる。黒鉛化時のガス雰囲気は黒鉛
化炉の酸化消耗を防止するために不活性雰囲気に保つ必
要がある。本発明において雰囲気ガスはアルゴンが好ま
しい。窒素の使用は、黒鉛表面部の硼素が窒化硼素にな
るために好ましくない。
【0019】このようにして製造された黒鉛質材料中の
硼素含有量は0.2〜2重量であり、さらに好ましくは
0.5〜1.5重量%である。この硼素は黒鉛中に均一
に分散している必要がある。発明者らは得られた黒鉛質
材料の切断面をX線光電子分光法で測定し、ほぼ均質に
硼素が分布していることを確認している。
【0020】以上のようにして製造された本発明の黒鉛
質材料を負極材料として、公知の手法でリチウムイオン
二次電池とすることができる。例えば、黒鉛粉をバイン
ダーとしてポリビニリデンフルオリド(PVDF)と、
溶剤としてN−メチルピロリドン(NMP)とでスラリ
ーとした後、銅箔上に塗布、乾燥、プレスして負極とす
る。正極としてコバルト酸リチウムを、セパレータとし
て多孔質ポリプロピレン膜を、電解液としてエチレンカ
ーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)
の混合液にLiPF6を溶解させたものを用いて電池を
製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。 [実施例1]タールピッチ(一次QI量6.4重量%、
軟化点110℃)を4倍量のキノリンに溶解し、ろ過し
て不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮して一次QI除去
ピッチを得た(一次QI量0.6重量%、軟化点75
℃)。このピッチに炭化硼素1.2重量%(加熱処理後
に得られる高軟化点ピッチに対して硼素換算で1.96
重量%)を添加し、軟化点が365℃になるまで熱処理
を行った。その後、粉砕、不融化、炭化および黒鉛化を
行って本発明の硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0022】[実施例2]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し
て一次QI除去ピッチを得た(一次QI量0.6重量
%、軟化点75℃)。このピッチを軟化点が370℃に
なるまで熱処理を行った。その後、粉砕、不融化処理後
に、炭化硼素2.5重量%(高軟化点ピッチに対して硼
素換算で1.96重量%)を添加混合し、炭化および黒
鉛化を行って本発明の硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0023】[比較例1]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して一部の不溶物を除去した。ろ液を減圧
濃縮して一次QI除去ピッチを得た(一次QI量3.6
重量%、軟化点85℃)。このピッチを実施例2と同様
に熱処理、粉砕および不融化し、炭化硼素2.5重量%
(高軟化点ピッチに対して硼素換算で1.96重量%)
を添加混合し、炭化および黒鉛化を行って比較例の硼素
含有黒鉛質材料を得た。
【0024】[比較例2]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%)から一次QIを除去することなく実施例
2と同様に熱処理、粉砕および不融化し、炭化硼素2.
5重量%(高軟化点ピッチに対して硼素換算で1.96
重量%)を添加混合した後、炭化および黒鉛化を行って
比較例の硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0025】[比較例3]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)から一次QIを除去す
ることなく、実施例2と同様に熱処理、粉砕および不融
化し、炭化硼素5.0重量%(高軟化点ピッチに対して
硼素換算で3.90重量%)を添加混合し炭化および黒
鉛化を行って比較例の硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0026】[比較例4]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し
て一次QI除去ピッチを得た(一次QI量0.6重量
%、軟化点75℃)。このピッチを軟化点が375℃に
なるまで熱処理を行った。粉砕、不融化後に炭化硼素
0.6重量%(高軟化点ピッチに対して硼素換算で0.
4重量%)を添加し、炭化および黒鉛化を行って硼素含
有黒鉛質材料を得た。
【0027】[比較例5]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し
て一次QI除去ピッチを得た(一次QI量0.6重量
%、軟化点75℃)。このピッチを軟化点が375℃に
なるまで熱処理を行った。粉砕および不融化後に炭化硼
素5.0重量%(高軟化点ピッチに対して硼素換算で
3.9重量%)を添加し炭化、黒鉛化を行って硼素含有
黒鉛質材料を得た。
【0028】[比較例6]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し
て一次QI除去ピッチを得た(一次QI量0.6重量
%、軟化点75℃)。このピッチを軟化点が321℃に
なるまで熱処理を行った。粉砕および不融化後に炭化硼
素2.5重量%(高軟化点ピッチに対して硼素換算で
1.96重量%)を添加混合し、炭化および黒鉛化を行
って硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0029】[比較例7]タールピッチ(一次QI量
6.4重量%、軟化点110℃)を4倍量のキノリンに
溶解し、ろ過して不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し
て一次QI除去ピッチを得た(一次QI量0.5重量
%、軟化点35℃)。このピッチを軟化点が370℃に
なるまで熱処理を行った。粉砕および不融化後に炭化硼
素2.5重量%(高軟化点ピッチに対して硼素換算で
1.96重量%)を添加混合し、炭化および黒鉛化を行
って硼素含有黒鉛質材料を得た。
【0030】各実施例および比較例のサンプルについて
次のようにしてテストセルを作成して充放電特性を評価
した。黒鉛粉末90重量%とPVDF10重量%に溶剤
としてNMPを加え、ペースト状に混練した後、ドクタ
ーブレードを用いて銅箔上に塗布した。乾燥後、直径
1.6cmの円形に切り抜き黒鉛負極とした。対極には
リチウム金属箔を用い、セパレータにはポリプロピレン
多孔質フィルムを用いた。電解液として1MLiPF6
−EC/DEC(1:1)を用いて二極式試験セルを構
成し、電流密度0.5mA/cm2、測定範囲は0〜
1.5V、温度25℃で測定を行った。
【0031】
【0032】残留した一次QIと電池性能の関係を表1
を用いて説明する。一次QIを除去した実施例1および
2では、高容量かつ低不可逆容量の負極材料を得ること
ができた。一次QIの除去の不十分な比較例1、一次Q
Iを除去していない比較例2では、一次QI残量に応じ
て容量の低下がみられる。一次QIを除去せず、単に添
加硼素量を増やした比較例3では、放電容量は増加する
ものの、不可逆容量も増加してしまい、これらの材料は
リチウムイオン二次電池用負極材には適さない。また、
硼素化合物を一次QI除去ピッチの熱処理前に添加した
実施例1と、熱処理後の高軟化点ピッチに添加した実施
例2ではほとんど差異はなく、これらの実施例は製造条
件に合わせて任意に実施できる。また、一次QI残量が
多い比較例1〜3では、真比重が2.15〜2.18と
2.20を超えないため、高容量負極材に適さない。
【0033】 添加した硼素量と電池性能との関係を表2において説明
する。一次QIを除去したピッチにおいて比較しても、
添加硼素量が少ない比較例4は容量が低く、また、添加
硼素量の多い比較例5は容量が高くなるが、不可逆容量
も増加する。
【0034】 熱処理後の軟化点が低い比較例6は、同量の硼素量を添
加しても容量が増加しない。これは熱処理が不十分で、
十分なピッチの重合が進行していないためと考えられ
る。このことから、本発明を有効に実施するためには、
十分な熱処理過程が必要である。
【0035】 熱処理前の軟化点が低い比較例7は容量が増加しない。
ピッチ溶液をろ過した後の濃縮が不十分であったため
に、熱処理時に残留した一次QIが濃縮し、黒鉛化を阻
害したためである。
【0036】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、タールピッ
チ中の一次QIを除去し、黒鉛に固溶できる硼素量を過
不足なく添加することにより、高い放電容量を持ち、か
つ不可逆容量の少ないリチウムイオン二次電池負極材用
途の黒鉛質材料が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 渡 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 (72)発明者 村上 一幸 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 (72)発明者 諸富 秀俊 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 Fターム(参考) 4G046 EA02 EA06 EB02 EC02 EC06 5H029 AJ03 AK07 AM05 AM07 CJ02 DJ16 HJ01 HJ14 5H050 AA08 BA17 CB08 FA17 GA02 GA05 HA01 HA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独で、黒鉛化した際に真比重が、2.
    20を超えるようなピッチを原料とする硼素含有量が
    0.2〜2重量%である硼素含有黒鉛質材料。
  2. 【請求項2】 一次キノリン不溶分(一次QI)含有量
    が0〜2重量%であり、かつ軟化点が40〜150℃で
    あるピッチに、硼素化合物を添加して軟化点が350℃
    以上になるまで熱処理を行なって高軟化点ピッチとした
    後、粉砕して黒鉛化を行なう硼素含有黒鉛質材料の製造
    方法において、上記硼素化合物の添加量が、上記高軟化
    点ピッチの硼素含有量が硼素換算で1〜3重量%の割合
    になる量であることを特徴とする請求項1に記載の硼素
    含有黒鉛質材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 一次キノリン不溶分(一次QI)含有量
    が0〜2重量%であり、かつ軟化点が40〜150℃で
    あるピッチを、軟化点が350℃以上になるまで熱処理
    を行なった後粉砕し、該粉砕物に硼素換算で1〜3重量
    %の割合で硼素化合物を添加混合後、黒鉛化を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の硼素含有黒鉛質材料の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 得られる黒鉛質材料中の硼素含有量が
    0.2〜2重量%になる範囲で黒鉛化を行なう請求項2
    または3に記載の硼素含有黒鉛質材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の硼素含有黒鉛質材料または請
    求項2〜4の何れか1項に記載の方法で得られた硼素含
    有黒鉛質材料が負極材として用いられていることを特徴
    とするリチウムイオン二次電池。
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