JP2003009880A - 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法 - Google Patents

鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法

Info

Publication number
JP2003009880A
JP2003009880A JP2001201356A JP2001201356A JP2003009880A JP 2003009880 A JP2003009880 A JP 2003009880A JP 2001201356 A JP2001201356 A JP 2001201356A JP 2001201356 A JP2001201356 A JP 2001201356A JP 2003009880 A JP2003009880 A JP 2003009880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pcr
dna
dna fragment
primer
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001201356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4768155B2 (ja
Inventor
Yoko Motoda
容子 元田
Takashi Yabuki
孝 矢吹
Takanori Kikawa
隆則 木川
Shigeyuki Yokoyama
茂之 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001201356A priority Critical patent/JP4768155B2/ja
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to AT02736176T priority patent/ATE360065T1/de
Priority to PCT/JP2002/006261 priority patent/WO2003004703A1/ja
Priority to EP02736176A priority patent/EP1411131B1/en
Priority to CA002452396A priority patent/CA2452396A1/en
Priority to DE60219632T priority patent/DE60219632T2/de
Publication of JP2003009880A publication Critical patent/JP2003009880A/ja
Priority to US10/748,055 priority patent/US7195895B2/en
Priority to US11/374,114 priority patent/US7846694B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4768155B2 publication Critical patent/JP4768155B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6865Promoter-based amplification, e.g. nucleic acid sequence amplification [NASBA], self-sustained sequence replication [3SR] or transcription-based amplification system [TAS]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/20Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand
    • C07K2319/21Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand containing a His-tag
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/20Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand
    • C07K2319/22Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand containing a Strep-tag
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/20Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand
    • C07K2319/23Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand containing a GST-tag
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/35Fusion polypeptide containing a fusion for enhanced stability/folding during expression, e.g. fusions with chaperones or thioredoxin

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】タンパク質を発現、精製するための鋳型DNA
の効率の良い調製方法を提供すること。 【解決手段】タンパク質をコードする第1の二本鎖DN
A断片と、該第1のDNA断片の5'末端領域と重複する
配列を含む第2の二本鎖DNA断片と、該第1のDNA
断片の3'末端領域と重複する配列を含む第3の二本鎖D
NA断片と、該第2のDNA断片の5'末端領域にアニー
ルするセンスプライマーと、及び該第3のDNA断片の
3'末端領域にアニールするアンチセンスプライマーと、
を接触させてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により直
鎖状二本鎖DNAを増幅する方法において、該第2のD
NA断片が遺伝子の転写及び翻訳を制御する配列を含
み、該PCR溶液中における第2のDNA断片及び第3
のDNA断片の濃度がそれぞれ、5〜2500pmol/Lである
ことを特徴とするタンパク質合成用鋳型DNAの製造方
法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンパク質を合成す
るための鋳型DNAの製造方法及びその方法により製造
した鋳型DNAを用いてタンパク質を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】生物の大量のゲノム配列情報から抽出さ
れる膨大な数の遺伝子について、それぞれにコードされ
たタンパク質の立体構造を決定し、機能との相関を系統
的かつ網羅的に解析する「構造ゲノム科学」と呼ばれる
研究が進展している。ゲノム塩基配列の全体が明らかに
なるに従って、無数にあると思われたタンパク質の立体
構造も、実は千種類から数千種類の基本構造(フォール
ド)単位の組み合わせから形成されており、この組み合
わせによって機能の多様性が実現されているらしいこと
が分かってきた。従って、タンパク質の合成から構造解
析までの全過程をハイスループット化することにより、
これらの基本構造の全体を解明し、これらの知識を基に
してタンパク質の構造と機能の関係を明らかにすること
ができると考えられる。
【0003】多数のタンパク質試料を効率よく発現、調
製するシステムとして、無細胞タンパク質合成系があ
り、透析法の導入など様々な改良が行われた結果、数時
間でミリグラムオーダーのタンパク質が得られるように
なってきた(Kigawaら、FEBS Lett.、442巻、15−19
頁、1999年、及び特開2000-175695号公報参照)。この
無細胞タンパク質合成系でタンパク質を効率よく発現さ
せるためには、鋳型となるDNAとして、適当な発現制
御領域と発現させたい所望のタンパク質をコードする遺
伝子配列とを含む二本鎖DNAが必要である。適当な発
現制御配列を持たないクローニングベクターにクローン
化された任意の遺伝子等を無細胞タンパク質合成系で発
現させるためにはこれらの遺伝子に適当な発現制御配列
を付加する必要がある。そのために、従来より、遺伝子
を含むプラスミドベクター等から制限酵素、PCR等で
所望のDNA断片を切り出した後、適当な発現制御配列
を持つベクターにリクローニングしたり、更にPCRで
所望のDNA断片を増幅する方法が行われてきた。
【0004】タンパク質の発現効率を上げるためには、
強力なプロモーターやターミネーターを用いて転写を促
進すると共に、mRNAとリボゾームとの親和性を上げ
て翻訳効率を高める必要がある。また、合成されたタン
パク質を迅速に精製、若しくは検出するためには、アフ
ィニティー精製若しくは検出のための標識(タグ)配列
を組み込んだ融合タンパク質を設計することも必要にな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなタンパク質の合成に適した鋳型DNAを調製する際
に、大腸菌等の生細胞を用いて遺伝子組み換えを行いク
ローン化する方法は、操作が複雑なため時間と手間がか
かるだけでなく自動化によるハイスループット化が極め
て困難である。また個々の遺伝子ごとに最適化して構築
しなければならず、このため複雑な遺伝子組換え操作を
行ったり、PCRのためのプライマーを何種類も合成し
なければならないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、タンパク質を発現、精
製するための鋳型DNAの効率の良い調製方法を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑みて、本発
明者らは無細胞タンパク質合成系における鋳型DNAの
調製方法について鋭意検討を行った結果、cDNAライ
ブラリーから選択した任意のクローン化DNAを2段階
PCRにより増幅することによって、タンパク質の発現
に適した直鎖状鋳型DNAが極めて迅速かつ効率よく合
成できることを見出し本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明の第1の視点において、
タンパク質をコードする第1の二本鎖DNA断片と、該
第1のDNA断片の5'末端領域と重複する配列を含む第
2の二本鎖DNA断片と、該第1のDNA断片の3'末端
領域と重複する配列を含む第3の二本鎖DNA断片と、
該第2のDNA断片の5'末端領域にアニールするセンス
プライマーと、及び該第3のDNA断片の3'末端領域に
アニールするアンチセンスプライマーと、を接触させて
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により直鎖状二本鎖D
NAを増幅する方法において、該第2のDNA断片が遺
伝子の転写及び翻訳を制御する配列を含み、該PCR溶
液中における第2のDNA断片及び第3のDNA断片の
濃度がそれぞれ、5〜2500 pmol/Lであることを特徴とす
るタンパク質合成用鋳型DNAの製造方法を提供する。
【0009】好ましい態様において、前記第1のDNA
断片を調製するために、あらかじめPCR(第1次PC
R)を行ってDNAを増幅した後、該第1次PCR溶液
を前記第1のDNA断片として用いて上記PCR(第2
次PCR)を行う方法であって、該第1次PCR溶液中
に残存するプライマー及び該第1次PCRで生じたプラ
イマーダイマーの濃度が、該第2次PCR溶液中におい
てそれぞれ20 nmol/L未満であることを特徴とする。
【0010】このように、前記第1次PCRに用いたプ
ライマー及び副産物として生じたプライマーダイマーの
第2次PCRへの持ち込み量を減らすためには、第1次
PCRに用いるプライマー濃度を20〜500 pmol/Lの範囲
内とするか、第1次PCR溶液を10〜100倍に希釈
(第2次PCR溶液中における終濃度で)して第2次P
CRを行うか、若しくはこれらの両方を組み合わせて行
うか、又は第1次PCR溶液中からプライマー及びプラ
イマーダイマーを除去した後に第2次PCRを行うこと
を特徴とする。
【0011】また、本発明の一実施形態において、前記
第1次PCRの鋳型DNAは、組換え微生物菌体又はそ
の培養液であることを特徴とする。
【0012】さらに好ましい態様において、前記センス
プライマーとアンチセンスプライマーが同一の塩基配列
であり、及び/又は前記第2のDNA断片は、転写終結
配列を含むことを特徴とする。
【0013】別の好ましい態様において、前記第2のD
NA断片及び第3のDNA断片の少なくとも一方がタグ
ペプチドをコードする配列を含み、該タグペプチドが前
記タンパク質又はその一部と融合して合成されることを
特徴とする。前記タグペプチドはマルトース結合タンパ
ク質、セルロース結合ドメイン、グルタチオンSトラン
スフェラーゼ、チオレドキシン、ストレプトアビジン結
合ペプチド又はヒスチジンタグペプチドであることが好
ましい。
【0014】本発明の別の視点において、上記何れかの
方法により製造した鋳型DNAを用いることを特徴とす
る無細胞タンパク質合成系におけるタンパク質の製造方
法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て添付図面に沿って詳述する。図1は、完全長cDNA
をクローン化したプラスミドDNAを用いて、2段階P
CRによって、タンパク質合成用の直鎖状二本鎖鋳型D
NAを調製する方法を示したフローチャートである。
【0016】(1)第1次PCR 第1次PCRの鋳型DNAは、所望のタンパク質をコー
ドする配列を含むものであればどのようなものでも良
く、例えばcDNAライブラリーからクローン化したも
のだけでなく、ゲノムDNAクローンや合成DNAを用
いることもできる。また、精製されたDNAでなくても
良く、例えば、上記配列を含むプラスミドベクターを保
持した菌体又はその菌体培養液を用いることができる。
図1では、プラスミドベクターpBLUESCRIPT SK+のSacI,
XhoI 部位にマウス完全長cDNAをクローン化したプ
ラスミドmodified bluescript 1を示す。
【0017】図1において、クローン化されたcDNA
のタンパク質コード領域を増幅するために、5'側のプラ
イマーとして2種類のプライマー(5'-プライマー1及
び5'-プライマー2)を使用する。5'-プライマー2の塩
基配列は、クローン化したcDNAのコードするタンパ
ク質のアミノ末端領域に相当する塩基配列とアニールす
るように設計されている。5'-プライマー2は、更にそ
の5'末端側に任意の塩基配列を含むことができる。一
方、5'-プライマー1は、上記5'-プライマー2の5'末端
側の一部と共通の配列を有すれば良く、両方のプライマ
ーが重複して第1次PCRの5'側のプライマーとして機
能する。
【0018】一方、図1において、3'側のプライマー
は、タンパク質をコードする領域の3'下流であるプラス
ミドベクターとアニールするように設計され、上記5'側
のプライマーと共にPCRによってDNA鎖を伸長さ
せ、発現させたいタンパク質をコードする第1のDNA
断片が増幅される。該第1のDNA断片は、後述する第
2次PCRの鋳型として用いるため、PCR反応液から
従来公知の方法で精製することもできるが、PCR反応
液をそのまま用いることもできる。この場合には、反応
液中に残存する上記プライマーが第2次PCR反応を阻
害する可能性がある。従って、第1次PCRに用いたプ
ライマー及び第1次PCRで副産物として生じたプライ
マーダイマーの第2次PCR溶液中への持ち込み量を20
nmol/L未満に減らすことが好ましく、具体的には、5'
プライマー、3'プライマーのそれぞれについて、複数本
のプライマーを用いる場合はその合計濃度で、20〜500
nmol/Lの濃度で用いる。更に好ましくは50〜100 nmol/L
である。
【0019】あるいは、第1次PCR溶液を10〜10
0倍に希釈してプライマー及びプライマーダイマーの第
2次PCRへの持ち込み量を減らすことができる。
【0020】なお、このような方法の他に、上記第1の
DNA断片を得るために種々のプライマーを用いたPC
Rが可能であり、その際に用いられるプライマーの塩基
配列やPCRの反応条件等は、通常使用されるものであ
ればよく、当業者において適宜設定されることが望まし
い。さらに、上記cDNAクローンから直接制限酵素な
どでDNA断片を切り出すことによって上記第1のDN
A断片を取得することもできる。
【0021】(2)第2次PCR 次に、上記第1のDNA断片の5'末端領域と重複する配
列を含む二本鎖の第2のDNA断片(以下、「5'DNA
断片」という場合もある。)を調製する。該第2のDN
A断片は、その3'末端領域で、上記第1のDNA断片の
5'末端領域と重複することによって、これら2つのDN
A断片が相互にプライマー及び鋳型となって伸長反応が
起こり、第2次PCRにおける鋳型DNAが生成する。
重複する領域は、12塩基対以上が好ましく、更に好ま
しくは17塩基以上である。
【0022】続いて、上記第1のDNA断片の3'末端領
域と重複する配列を含む二本鎖の第3のDNA断片(以
下「3'DNA断片」という場合もある。)を調製する。
該第3のDNA断片は、その5'末端領域で、上記第1の
DNA断片の3'末端領域と重複することによって、これ
ら2つのDNA断片が相互にプライマー及び鋳型となっ
て伸長反応が起こり、第2次PCRにおける鋳型DNA
が生成する。重複する領域は、12塩基対以上が好まし
く、更に好ましくは17塩基以上である。
【0023】次に、第2次PCR用のプライマーとし
て、上記5'DNA断片の5'末端領域にアニールするセン
スプライマーと、上記3'DNA断片の3'末端領域にアニ
ールするアンチセンスプライマーを合成する。これらの
プライマーは、第2次PCRの鋳型DNAとアニールし
てDNA伸長反応を起こし、所望のDNA断片が増幅で
きればよく、上記鋳型DNAの両末端領域とアニールす
る複数のプライマーを用いることができるが、好ましく
は図1に示したように、上記両末端配列が相補的な塩基
配列である場合には、1種類のプライマー(ユニバーサ
ルプライマー)で増幅反応が可能である。該プライマー
は、通常、5〜50塩基の一本鎖オリゴヌクレオチドであ
り、好ましくは15〜25塩基の一本鎖オリゴヌクレオチド
からなる。2種類のプライマーを用いるよりも1種類の
ユニバーサルプライマーを用いる方がPCRによる副産
物が少ない点で有利である。
【0024】一般に、PCRではプライマー同士が対合
した副産物(プライマーダイマー)が生じることが知ら
れている。2種類のプライマーを用いた場合には、一旦
生じたプライマーダイマーが鋳型DNAとして働いてこ
の副産物が増幅されてしまい、目的産物の増幅に使用さ
れるプライマー量が減ってしまう。その結果目的産物量
が少なくなると考えられる。一方、1種類のプライマー
のみを用いてPCRを行った場合は、生じたプライマー
ダイマーは同一分子内に相補的配列を有するためヘアピ
ン構造をとりやすく、PCRにより増幅されにくいため
副産物が少なくなると考えられる。
【0025】また、上記5'DNA断片は、第1のDNA
断片と重複する領域の上流に、遺伝子の転写及び翻訳を
誘導、制御する配列を含む。遺伝子の転写を誘導、制御
する配列はプロモーター及びオペレーター配列と呼ば
れ、大腸菌や酵母等の原核及び真核生物において詳細に
研究されている。例えば、大腸菌のファージに由来する
T7プロモーター等が使用される。T7プロモーターは
T7RNAポリメラーゼによって強力な転写が行われる
ことが知られている。mRNAのタンパク質への翻訳
は、リボゾーム等の翻訳開始複合体がmRNAに結合す
ることによって誘導される。リボゾーム結合配列(RBS)
は、SD配列とも呼ばれタンパク質の効率的な発現にと
って重要である。
【0026】さらに、これらの発現制御配列の上流に
は、PCRにおいて上記センスプライマーがアニールす
る配列を含む。ここでセンスプライマーの塩基配列は5'
DNA断片の5'末端領域とハイブリダイズしてプライマ
ーとして働くものであれば良く、鋳型DNAと相補的な
配列中の1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された
ものを含む。
【0027】同様に、3'DNA断片の3'末端領域には、
PCRにおいて上記アンチセンスプライマーがアニール
する配列を含む。アンチセンスプライマーは、3'DNA
断片の3'末端領域とハイブリダイズしてプライマーとし
て働くものであれば良く、鋳型DNAと相補的な配列中
の1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加されたものを
含む。
【0028】第2次PCRの反応液中における5'DNA
断片及び3'DNA断片の濃度は、通常のPCRにおける
プライマーDNA濃度よりも低濃度にすることが好まし
く、5 〜 2500 pmol/L、より好ましくは10〜500 pmol/
Lの濃度で用いられる。これらのDNA断片の濃度が250
0 pmol/Lよりも高いとPCR中に副産物が生じやすい。
すなわち、5'DNA断片及び3'DNA断片に結合したユ
ニバーサルプライマーから生成される一本鎖DNA同士
が上述したプライマーダイマーと同様の仕組みで結合
し、その結果5'DNA断片と3'DNA断片とが直接結合
したような副産物ができやすい。この副産物は目的産物
よりも短いためPCRで増幅されやすく、また、タンパ
ク質合成においても短いタンパク質のみを発現する鋳型
として働くため目的とするタンパク質の合成に悪影響を
与えるからである。
【0029】一方、DNA断片の濃度が5 pmol/Lよりも
低いと、鋳型として働くDNAの量そのものが少なくな
って十分な量の目的DNAが増幅されない。第2次PC
Rのその他の反応条件については、当業者において適宜
反応条件を選択して用いることができる。
【0030】上記5'DNA断片は、さらに転写終結配列
を含むことが好ましい。転写終結配列は、RNAポリメ
ラーゼの脱離を促すDNA塩基配列であって、一般にG
Cに富んだ対称性を示す配列と、それに続くTの連続す
る特徴的な構造を有し、転写反応を効率化する。
【0031】なお、上記の5'DNA断片及び3'DNA断
片の何れか一方又は両方が二本鎖DNAの代わりに一本
鎖DNAであっても上記第2次PCRを行うことがで
き、このような態様も本発明の範囲に含まれる。
【0032】(3)タグペプチド 上記5'DNA断片及び3'DNA断片の少なくとも一方
に、タグペプチドをコードする配列を含むことが好まし
い。タグペプチドとは、発現させるタンパク質のN末端
及び/又はC末端に付加されたアミノ酸配列であって、
該タンパク質をアフィニティー精製したり、ウエスタン
ブロッティング検出する場合の手がかりとなる配列であ
る。例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GS
T)、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシ
ン(TrxA)、セルロース結合ドメイン(CBD)、ストレプト
アビジン結合ペプチド(例えば、StreptagTM)、及びヒ
スチジンタグ等が挙げられる。
【0033】グルタチオンSトランスフェラーゼ(GS
T)は、可溶性の酵素タンパク質であって、この遺伝子
配列の下流にフレームを合わせて目的遺伝子を組み込む
とGSTとの融合タンパク質として発現させることができ
る。このための組換えベクターpGEX Vectorsはアマシャ
ムファルマシアバイオテック社から市販されている。GS
Tのタンパク質部分を特異的に認識する抗体や、グルタ
チオンと結合する性質を利用してアフィニティー精製や
酵素免疫染色に利用されている。
【0034】マルトース結合タンパク質(MBP)は、大
腸菌のマルトース結合タンパク質であり、MBPとの融合
タンパク質はアミロースやアガロースゲルに吸着させた
後、過剰のマルトースで遊離して精製できる。また、抗
MBP抗体を使用することもできる。
【0035】チオレドキシン(TrxA)は、酸化還元反応を
触媒する大腸菌のタンパク質であり、機能性の一対のチ
オール基によって金属キレートアフィニティークロマト
グラフィーで精製できる。このための担体として、例え
ばThioBondTM Resin(Invitorogen社製)等が市販されて
いる。
【0036】セルロース結合ドメイン(CBD)はClostridi
um cellulovoransCellulomonas fimi由来のセルロー
ス結合ドメイン配列で、セルロースに特異的に結合する
性質を有し、セルロースやキチンなどの不活性な担体に
化学的な修飾を行うことなく固定させることができる。
【0037】ストレプトアビジン結合ペプチドとして、
例えばStrep-tagIIと呼ばれる8個のアミノ酸からなる
ペプチドが知られており、StrepTactinTMやStreptavidi
neTMに選択的に結合させて精製することができる。
【0038】ヒスチジンタグは、連続した又は近傍に配
された少なくとも6個のヒスチジンを含むペプチドが好
ましい。このヒスチジンタグに直接又はアミノ酸配列を
介して上記第1のDNA断片によってコードされるタン
パク質が結合される。ヒスチジンタグは、二価の金属原
子、特にニッケル原子と親和性が高い。そのためヒスチ
ジンタグを有するタンパク質はニッケルアフィニティー
マトリックスにしっかりと結合し、容易に精製すること
ができる。
【0039】特に好ましい形態において、上記ヒスチジ
ンタグは配列番号1で示したアミノ酸配列を有する。こ
の配列は、トリ筋肉の乳酸脱水素酵素のN末端に由来す
る天然の配列(native His tag)である。塩基性アミノ酸
である6個のヒスチジン残基が適度に分散して存在する
ため、連続する6個のヒスチジンタグよりも等電点が低
く、中性の緩衝液条件でアフィニティー精製ができると
いう利点を有する。
【0040】本形態において、これらのタグペプチドは
発現させたタンパク質をアフィニティー精製したり、検
出のために有用なだけでなく、天然型のタンパク質に比
べてタグペプチドとの融合タンパク質の方が発現量の増
大する場合がある。その理由は明らかではないが、翻訳
開始段階においてmRNAやリボゾーム等との複合体を
安定化して翻訳効率を高めるためではないかと推測され
る。
【0041】これらのタグ配列の下流には、トロンビ
ン、Factor Xa、エンテロキナーゼ等のプロテアーゼ切
断部位ができるような塩基配列を含んでいても良く、目
的タンパク質を上記タグ配列から切り離して精製するこ
ともできる。
【0042】また、上記タグ配列は目的タンパク質のC
末端側に配し、N末端側のリーダー配列の機能を残した
まま、精製も容易に行えるようにすることもできる。
【0043】(4)無細胞タンパク質合成系を用いたタ
ンパク質の合成 このようにして製造した鋳型DNAは、種々の方法によ
りタンパク質を合成することができる。例えば、無細胞
タンパク質合成系によりタンパク質を合成することが好
ましい。無細胞タンパク質合成系は、細胞抽出液を用い
て試験管内でタンパク質を合成する系であり、上記細胞
抽出液としては、リボゾーム、t-RNA等のタンパク質合
成に必要な成分を含む、従来より公知の真核細胞又は原
核細胞の抽出液が使用可能である。好ましくは小麦胚芽
や大腸菌由来のもの(例えば大腸菌S30細胞抽出液)又
は高度好熱菌(Thermus thermophilus)由来のものが高い
合成量を得る点において好ましい。この大腸菌S30細
胞抽出液は、大腸菌A19(rna, met), BL21, BL21 sta
r, BL21 codon plus株等から公知の方法(Pratt, J.M.
et al., Transcription and translation - a practica
l approach, (1984), pp.179-209, Henes, B.D.とHiggi
ns, S.J.編、IRL Press, Oxford参照)に従って調製で
き、又はPromega社、Novagen社又はRoche社から市販さ
れるものを使用してもよい。
【0044】本発明の無細胞タンパク質合成系には、バ
ッチ法、フロー法の他、従来公知の技術がいずれも適用
可能であり、例えば限外濾過膜法や透析膜法、樹脂に翻
訳鋳型を固定化したカラムクロマト法等(Spirin, A.
ら、Meth. In Enzymol. 217巻、123〜142頁、
1993年参照)を挙げることができる
【0045】なお、上記無細胞タンパク質合成系の他に
も、例えば動物細胞にリポフェクション等で鋳型DNA
を導入して遺伝子を発現させ、生細胞中での、その遺伝
子産物の機能解析に利用することも可能である。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例として、ヒト c-Ha-Ra
sタンパク質、クロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(CAT)、及びマウス完全長cDNAライブラ
リーから任意に選択した種々のcDNAクローン(理化
学研究所ゲノム科学総合研究センター、遺伝子構造・機
能研究グループ、林崎良英博士から提供を受けた。)を
無細胞タンパク質合成系で発現させた結果を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0047】[実施例1] Rasタンパク質の発現 (1)第1次PCR Rasタンパク質をコードする直鎖状二本鎖DNA(配列
番号2に塩基配列を示した。)を鋳型とし、5'プライマ
ー1:hRBS>B+6(配列番号3)、5'プライマー2:pRas
(配列番号4)及び3'プライマー:p8.2(配列番号5)
の3種類のプライマーを用いてPCRを行った。PCR
溶液組成、及び増幅プログラムは、それぞれ表1及び表
2に示した。
【0048】5'プライマー1:hRBS>B+6(配列番号3) 5' -CCGAAGGAGCCGCCACCAT- 3' 5'プライマー2:pRas(配列番号4) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGACCGAATACAAACTGGTTGTAG- 3' 3'プライマー:p8.2(配列番号5) 5' -GCGGATAACAATTTCACACAGGAAAC- 3'
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(2)第2次PCR 次に、上記反応によって得られた第1次PCR産物と、
T7プロモーター配列の下流に各種のタグ配列を有する
5’DNA断片:T7P(配列番号6〜10)と、T7ター
ミネーター配列を有する3’DNA断片:T7T(配列番
号11)と、ユニバーサルプライマー(YA1.2):5'-GCCG
CTGTCCTCGTTCCCAGCC-3'(配列番号12)とを用い第2
次オーバーラップPCRを行った。PCR溶液組成、及
びプログラムは、それぞれ表3及び表2に示した。ま
た、ここで用いた5'DNA断片にコードされたタグペプ
チドの概要を表4に示した。この結果、図1に示したよ
うに、T7プロモーターの制御下で、各種のタグ配列とR
asタンパク質との融合タンパク質を発現することのでき
る直鎖状二本鎖DNA断片を増幅した。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】 なお、His tag及びnative His tagについては、それら
のアミノ酸配列を一文字の略号で表した。
【0054】(3)無細胞タンパク質合成系におけるタ
ンパク質の合成 大腸菌S30抽出液はZubayら(Annu.Rev.Geneti.,7,267-2
87,1973)の方法に従って、大腸菌BL21株から調製し
た。タンパク質合成反応は96ウエルマイクロプレート
を用い、その各ウエルに下記の表5に示した組成の溶液
に、上記第2次PCR産物1μl、上記大腸菌S30抽出液
7.2μlを加え、反応液の全量を30μlとし、37℃で1時
間、Rasタンパク質の合成を行った。
【0055】
【表5】
【0056】[実施例2] CATタンパク質の発現 (1)第1次PCR CATタンパク質をコードする配列番号13に示した塩
基配列の直鎖状二本鎖DNAを鋳型として、実施例1と
同様の方法で第1次PCRを行った。ただし、5'プライ
マー2としては、CAT遺伝子に特異的な、配列番号1
4に示した塩基配列のプライマーpCATを用いた。
【0057】5'プライマー2:pCAT(配列番号14) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGAGAAAAAAATCACTGGATATAC- 3'
【0058】(2)第2次PCR及び無細胞タンパク質
合成系におけるタンパク質の合成 実施例1と同様の方法により、第2次PCR及び無細胞
タンパク質合成系におけるタンパク質の合成を行った。
【0059】[実施例3] マウスcDNAクローンの発
現 (1)第1次PCR マウス完全長cDNAライブラリーから任意に選択した
10種類のcDNAクローンを鋳型として用いた。これ
らは、プラスミドpBluescriptSK+のSacI, XhoI部位にそ
れぞれのcDNAがクローン化されたものであり、GenB
ankに登録されている(Accession No.は、それぞれ m16
206、m21532、x13605、u51204、l16904、s68022、d8766
3、x65627、m32599、u85511である。)。5'プライマー
1及び3'プライマーとしては実施例1と共通のプライマ
ーを用い、5'プライマー2としてはそれぞれのcDNA
に特異的な以下の塩基配列を有するプライマーを用いて
PCRを行った。PCR溶液組成、及びプログラムは、
それぞれ表6及び表2に示した。
【0060】5'プライマー2:p1A2(配列番号15) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGCTCAAAGTCACGGTGCCC- 3' 5'プライマー2:p1B2(配列番号16) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGAGGAGCAGCGCTGTTC- 3' 5'プライマー2:p1C8(配列番号17) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGCCCGAACCAAGCAGAC- 3' 5'プライマー2:p1D2(配列番号18) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGGTGTTGACAAAATCATTCC- 3' 5'プライマー2:p1D9(配列番号19) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGTTGGAGACCTACAGCAACC- 3' 5'プライマー2:p1D10(配列番号20) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGCGGTGCAGGTGGTGC- 3' 5'プライマー2:p1E4(配列番号21) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGATGATCGGGAGGATCTG- 3' 5'プライマー2:p1G4(配列番号22) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGTCGAGTTATTCTAGTGAC- 3' 5'プライマー2:p1H1(配列番号23) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGTGAAGGTCGGTGTGAAC- 3' 5'プライマー2:p1H5(配列番号24) 5' -GAAGGAGCCGCCACCATGGCCAACAGTGAGCG- 3'
【0061】
【表6】
【0062】(2)第2次PCR 実施例1と同様の方法により、第2次PCRを行った。
但し、PCR溶液組成は表3に代えて表7に示した組成
の反応溶液を用いた。
【0063】
【表7】
【0064】[実施例4] 合成産物の確認 実施例1及び2の方法によりPCRで増幅した反応液の
一部を1%アガロースゲル電気泳動で分析した結果を図
2に示した。レーン1〜7はそれぞれ、1:第1次PC
R産物、2:Hisタグを付加した第2次PCR産物、
3:native Hisタグを付加した第2次PCR産物、4:
GSTタグを付加した第2次PCR産物、5:MBPタグを付
加した第2次PCR産物、6:CBDタグを付加した第2
次PCR産物、及び7:TrxAタグを付加した第2次PC
R産物を示す。第1次PCR及び第2次PCR共に、単
一のDNAのバンドのみが検出され、第2次PCRで
は、それぞれの標識ペプチドをコードするタグ配列を結
合した正しい長さのDNAが増幅されていることが分か
る。
【0065】実施例1及び2の方法により、無細胞タン
パク質合成系で合成されたタンパク質量を、14C標識Leu
存在下で合成後、TOPCOUNTを用いて定量した。その結果
を下記表8及び図3に示した。表8は、6種類の標識ペ
プチドとの融合タンパク質として合成されたRasタンパ
ク質及びCATタンパク質の推定分子量と発現量を示し
た。対照として、DNA無添加で合成した結果及び環状
二本鎖DNAであるプラスミドpk7-Ras及びpk7-CAT(Ki
gawaら、FEBS Lett.、442巻、15−19頁、1999年、参
照)を用いて無細胞タンパク質合成系で合成した結果を
示した。これらの結果より、用いたタグペプチドの種類
によって発現量は異なるものの、これらのタグペプチド
のない環状二本鎖DNAを鋳型として用いた場合とほぼ
同等の発現量が得られることが分かった。
【0066】
【表8】
【0067】また、上記14C標識Leu存在下でタンパク質
合成を行った溶液5μlを用いてSDS-PAGEを行った結果を
図4に示した。図4において、レーン1〜7はそれぞ
れ、1:Hisタグを付加したRas又はCATタンパク質、
2:native Hisタグを付加したRas又はCATタンパク質、
3:GSTタグをRas又はCATタンパク質、4:MBPタグを付
加したRas又はCATタンパク質、5:CBDタグを付加したR
as又はCATタンパク質、及び6:TrxAタグを付加したRas
又はCATタンパク質を示す。なお、図中、Ras及びCATと
示したレーンには、対照として、プラスミドpk7-Ras及
びpk7-CATを鋳型として無細胞タンパク質合成系で合成
したタンパク質を、H、Lはそれぞれ高分子量及び低分
子量の分子量マーカーを示す。これらの結果より、それ
ぞれのタグを付加したRas及びCATタンパク質が正しい分
子量で合成されていることが分かる。
【0068】実施例3の方法により、GST及びnative Hi
s tag配列と融合して合成したマウスcDNAクローン
由来のタンパク質の合成量を図5に示した。これらの結
果より多検体のcDNAクローンから効率よくタンパク
質が合成できることが示された。
【0069】[比較例1]第2次PCRに用いた5'DNA
断片(T7P(GST)又はT7P(His tag))及び3'DNA断片(T7
T)の濃度を変化させて、実施例1及び2と同様の方法に
より2段階PCRを行った。この他の条件は全て実施例
1及び2と同じ条件とした。第2次PCR産物を1%ア
ガロースゲル電気泳動により調べた結果を表9に示し
た。
【0070】
【表9】
【0071】なお、アガロースゲル電気泳動の評価基準
は次の通りである。 −:PCR産物なし。 ○:正しいPCR産物のみ認められる。 △:正しいPCR産物と副産物の両方が認められる。 ×:副産物のみが認められる。
【0072】これらの結果より、第2次PCR溶液中に
おける5'DNA断片及び3'DNA断片の濃度がそれぞれ
1 pmol/LではDNAの増幅が起こらず、一方、5000 pmo
l/L以上では副産物の量が増えて鋳型DNAの純度が低
下する。従って、5'DNA断片及び3'DNA断片濃度が
それぞれ5〜2500 pmol/Lの範囲内において効率よく鋳型
DNAの増幅が起こることが分かる。
【0073】[比較例2]第1次PCRに用いたプライマ
ー濃度を下記のように変化させて、実施例1及び2と同
様の方法により2段階PCRを行った。第2次PCRに
おける5'DNA断片としては、T7P(GST)及びT7P(His ta
g)を用いた。この他の条件は全て実施例1及び2と同じ
条件とした。第2次PCR産物を1%アガロースゲル電
気泳動により調べた結果を表10に示した。
【0074】
【表10】
【0075】なお、アガロースゲル電気泳動の評価基準
は次の通りである。 −:PCR産物なし ○:正しいPCR産物のみ認められる △:正しいPCR産物と副産物の両方が認められる。 ×:副産物のみが認められる
【0076】これらの結果より、Ras及びCAT発現用の鋳
型DNAの調製において、第1次PCRで用いた3'プラ
イマー:p8.2の第2次PCR溶液中での濃度を指標とし
て、25nmol/L以上の濃度では副産物の量が増えて目的と
するDNAの増幅が行われないことが分かる。対照とし
て鋳型DNAを用いなかった場合でもプライマーダイマ
ーに相当する副産物のみの増幅が認められた。一方、第
1次PCRに用いるプライマー濃度が10 nmol/L以下の
場合には、第2次PCRで効率の良いDNAの増幅が認
められなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明の方法によれば、タンパク質をコ
ードする配列を含むcDNAやゲノムDNAを基に、無
細胞タンパク質合成系等によりタンパク質を合成、精
製、検出するための鋳型DNAを迅速かつ効率よく製造
することができる。これにより構造ゲノム科学の研究を
目的とするタンパク質の構造と機能解析のための自動化
システムの構築が可能となる。
【0078】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> RIKEN <120> Methods for producing a linear template DNA and producing a prote in in cell free system using thereof <130> RJH13-021T <160> 24 <170> PatentIn version 3.1 <210> 1 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> native His tag <400> 1 Met Lys Asp His Leu Ile His Asn Val His Lys Glu Glu His Ala His 1 5 10 15 Ala His Asn Lys 20 <210> 2 <211> 605 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> double stranded linear DNA coding for Ras protein <400> 2 ggcgtataca tatgaccgaa tacaaactgg ttgtagttgg cgctggtggt gtaggcaaaa 60 gcgcgctgac cattcagttg atccagaacc acttcgtaga tgagtacgac ccgactattg 120 aagactctta ccgtaagcag gttgttatcg acggtgagac ctgtttgctg gacatccttg 180 ataccgcagg ccaagaagaa tactctgcta tgcgtgatca gtatatgcgt accggcgaag 240 gcttcctgtg cgttttcgct atcaacaaca ccaaatcttt tgaagacatc catcaatacc 300 gtgaacagat caaacgtgtt aaagactctg atgacgttcc gatggttctg gttggtaaca 360 aatgcgactt ggcagcgcgt actgttgaat ctcgtcaggc tcaggatctg gctcgttctt 420 acggaattcc gtacatcgaa acctctgcta aaactcgtca aggcgttgaa gacgctttct 480 acaccttggt tcgtgaaatc cgtcagcaca agctgcgtaa gctttgatag aattccgtga 540 tagctcgagt cgaccggctg ctaacaaagc ccgaaagggt ttcctgtgtg aaattgttat 600 ccgct 605 <210> 3 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-1 universal <400> 3 ccgaaggagc cgccaccat 19 <210> 4 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for Ras <400> 4 gaaggagccg ccaccatgac cgaatacaaa ctggttgtag 40 <210> 5 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 3' primer universal <400> 5 gcggataaca atttcacaca ggaaac 26 <210> 6 <211> 844 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' DNA fragment comprising GST tag sequence <400> 6 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatgt cccctatact aggttattgg aaaattaagg gccttgtgca 180 acccactcga cttcttttgg aatatcttga agaaaaatat gaagagcatt tgtatgagcg 240 cgatgaaggt gataaatggc gaaacaaaaa gtttgaattg ggtttggagt ttcccaatct 300 tccttattat attgatggtg atgttaaatt aacacagtct atggccatca tacgttatat 360 agctgacaag cacaacatgt tgggtggttg tccaaaagag cgtgcagaga tttcaatgct 420 tgaaggagcg gttttggata ttagatacgg tgtttcgaga attgcatata gtaaagactt 480 tgaaactctc aaagttgatt ttcttagcaa gctacctgaa atgctgaaaa tgttcgaaga 540 tcgtttatgt cataaaacat atttaaatgg tgatcatgta acccatcctg acttcatgtt 600 gtatgacgct cttgatgttg ttttatacat ggacccaatg tgcctggatg cgttcccaaa 660 attagtttgt tttaaaaaac gtattgaagc tatcccacaa attgataagt acttgaaatc 720 cagcaagtat atagcatggc ctttgcaggg ctggcaagcc acgtttggtg gtggcgacca 780 tcctccaaaa tcggatagct ctggcgcctc cctggtgcca cgcggatccg aaggagccgc 840 cacc 844 <210> 7 <211> 217 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' DNA fragment comprising His tag sequence <400> 7 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatga aaggcagcag ccatcatcat catcatcaca gcagcggcgc 180 ctccctggtg ccacgcggat ccgaaggagc cgccacc 217 <210> 8 <211> 244 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' DNA fragment comprising native His tag sequence <400> 8 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatga aagatcatct catccacaat gtccacaaag aggagcacgc 180 tcatgcccac aacaagagct ctggcgcctc cctggtgcca cgcggatccg aaggagccgc 240 cacc 244 <210> 9 <211> 652 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' DNA fragment comprising CBD <400> 9 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatgt cagttgaatt ttacaactct aacaaatcag cacaaacaaa 180 ctcaattaca ccaataatca aaattactaa cacatctgac agtgatttaa atttaaatga 240 cgtaaaagtt agatattatt acacaagtga tggtacacaa ggacaaactt tctggtgtga 300 ccatgctggt gcattattag gaaatagcta tgttgataac actagcaaag tgacagcaaa 360 cttcgttaaa gaaacagcaa gcccaacatc aacctatgat acatatgttg aatttggatt 420 tgcaagcgga gcagctactc ttaaaaaagg acaatttata actattcaag gaagaataac 480 aaaatcagac tggtcaaact acactcaaac aaatgactat tcatttgatg caagtagttc 540 aacaccagtt gtaaatccaa aagttacagg atatataggt ggagctaaag ttcttggtac 600 agcaagctct ggcgcctccc tggtgccacg cggatccgaa ggagccgcca cc 652 <210> 10 <211> 511 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' DNA fragment comprising Thioredoxin sequence <400> 10 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatga gcgataaaat tattcacctg actgacgaca gttttgacac 180 ggatgtactc aaagcggacg gggcgatcct cgtcgatttc tgggcagagt ggtgcggtcc 240 gtgcaaaatg atcgccccga ttctggatga aatcgctgac gaatatcagg gcaaactgac 300 cgttgcaaaa ctgaacatcg atcaaaaccc tggcactgcg ccgaaatatg gcatccgtgg 360 tatcccgact ctgctgctgt tcaaaaacgg tgaagtggcg gcaaccaaag tgggtgcact 420 gtctaaaggt cagttgaaag agttcctcga cgctaacctg gccagctctg gcgcctccct 480 ggtgccacgc ggatccgaag gagccgccac c 511 <210> 11 <211> 183 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 3' DNA fragment comprising T7 terminater <400> 11 gtttcctgtg tgaaattgtt atccgctgct gagttggctg ctgccaccgc tgagcaataa 60 ctagcataac cccttggggc ctctaaacgg gtcttgaggg gttttttgct gaaaggagga 120 actatatccg gataacctcg agctgcaggc atgcaagctt ggggctggga acgaggacag 180 cgg 183 <210> 12 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> universal primer for 2nd PCR <400> 12 gccgctgtcc tcgttcccag cc 22 <210> 13 <211> 760 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> double stranded linear DNA coding for CAT protein <400> 13 ggcgtataca tatggagaaa aaaatcactg gatataccac cgttgatata tcccaatggc 60 atcgtaaaga acattttgag gcatttcagt cagttgctca atgtacctat aaccagaccg 120 ttcagctgga tattacggcc tttttaaaga ccgtaaagaa aaataagcac aagttttatc 180 cggcctttat tcacattctt gcccgcctga tgaatgctca tccggaattc cgtatggcaa 240 tgaaagacgg tgagctggtg atatgggata gtgttcaccc ttgttacacc gttttccatg 300 agcaaactga aacgttttca tcgctctgga gtgaatacca cgacgatttc cggcagtttc 360 tacacatata ttcgcaagat gtggcgtgtt acggtgaaaa cctggcctat ttccctaaag 420 ggtttattga gaatatgttt ttcgtctcag ccaatccctg ggtgagtttc accagttttg 480 atttaaacgt ggccaatatg gacaacttct tcgcccccgt tttcaccatg ggcaaatatt 540 atacgcaagg cgacaaggtg ctgatgccgc tggcgattca ggttcatcat gccgtctgtg 600 atggcttcca tgtcggcaga atgcttaatg aattacaaca gtactgcgat gagtggcagg 660 gcggggcgta atttttttaa ggcagttatt ggtgccctta aacgtcgacc ggctgctaac 720 aaagcccgaa agggtttcct gtgtgaaatt gttatccgct 760 <210> 14 <211> 41 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for CAT <400> 14 gaaggagccg ccaccatgga gaaaaaaatc actggatata c 41 <210> 15 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1A2 <400> 15 gaaggagccg ccaccatgct caaagtcacg gtgccc 36 <210> 16 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1B2 <400> 16 gaaggagccg ccaccatgga ggagcagcgc tgttc 35 <210> 17 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1C8 <400> 17 gaaggagccg ccaccatggc ccgaaccaag cagac 35 <210> 18 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1D2 <400> 18 gaaggagccg ccaccatggg tgttgacaaa atcattcc 38 <210> 19 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1D9 <400> 19 gaaggagccg ccaccatgtt ggagacctac agcaacc 37 <210> 20 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1D10 <400> 20 gaaggagccg ccaccatggc ggtgcaggtg gtgc 34 <210> 21 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1E4 <400> 21 gaaggagccg ccaccatgga tgatcgggag gatctg 36 <210> 22 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1G4 <400> 22 gaaggagccg ccaccatgtc gagttattct agtgac 36 <210> 23 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1H1 <400> 23 gaaggagccg ccaccatggt gaaggtcggt gtgaac 36 <210> 24 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5' primer-2 for 1H5 <400> 24 gaaggagccg ccaccatggc caacagtgag cg 32
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である直鎖状鋳型DNAの
調製方法を示した図である。
【図2】種々のタグペプチドと融合したRas及びCATタン
パク質をコードする鋳型DNAを本発明の方法によりP
CR増幅した結果をアガロースゲル電気泳動で分析した
結果である。
【図3】種々のタグペプチドと融合したRas及びCATタン
パク質の合成量を表したグラフである。
【図4】種々のタグペプチドと融合したRas及びCATタン
パク質をSDS-PAGEで分析した結果である。
【図5】GST及びnative His tag配列と融合して合成し
たマウスcDNAクローン由来のタンパク質の合成量を
表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木川 隆則 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 (72)発明者 横山 茂之 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA10 BA80 CA01 CA04 CA07 EA04 HA03 HA14 4B064 AG01 CA21 CC24 CD12

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンパク質又はその一部をコードする配列
    を含む第1の二本鎖DNA断片と、 該第1のDNA断片の5'末端領域と重複する配列を含む
    第2の二本鎖DNA断片と、 該第1のDNA断片の3'末端領域と重複する配列を含む
    第3の二本鎖DNA断片と、 該第2のDNA断片の5'末端領域にアニールするセンス
    プライマーと、及び 該第3のDNA断片の3'末端領域にアニールするアンチ
    センスプライマーと、 を接触させてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により直
    鎖状二本鎖DNAを増幅する方法において、 該第2のDNA断片が遺伝子の転写及び翻訳を制御する
    配列を含み、 該PCR溶液中における第2のDNA断片及び第3のD
    NA断片の濃度がそれぞれ、5〜2500 pmol/Lであること
    を特徴とするタンパク質合成用鋳型DNAの製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1のDNA断片を調製するために、
    あらかじめPCR(第1次PCR)を行ってDNAを増
    幅した後、該第1次PCR溶液を前記第1のDNA断片
    として用いて請求項1記載のPCR(第2次PCR)を
    行う方法であって、該第1次PCR溶液中に残存するプ
    ライマー及び該第1次PCRで生じたプライマーダイマ
    ーの濃度が、該第2次PCR溶液中においてそれぞれ20
    nmol/L未満であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記第1次PCRに用いるプライマーの濃
    度が、それぞれ20〜500 nmol/Lであることを特徴とする
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記第1次PCR溶液を10〜100倍に
    希釈(第2次PCR溶液中における終濃度で)して前記
    第2次PCRを行うことを特徴とする請求項2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記第1次PCR溶液中からプライマー及
    びプライマーダイマーを除去することを特徴とする請求
    項2記載の方法。
  6. 【請求項6】前記第1次PCRの鋳型DNAは、組換え
    微生物菌体又はその培養液であることを特徴とする請求
    項2記載の方法。
  7. 【請求項7】前記第2のDNA断片及び/又は第3のD
    NA断片が、二本鎖DNAに代えて一本鎖DNAである
    ことを特徴とする請求項1〜6記載の方法。
  8. 【請求項8】前記センスプライマーとアンチセンスプラ
    イマーとが同一の塩基配列であることを特徴とする請求
    項1〜7何れか記載の方法。
  9. 【請求項9】前記第3のDNA断片が、転写終結配列を
    含むことを特徴とする請求項1〜8何れか記載の方法。
  10. 【請求項10】前記第2のDNA断片及び第3のDNA
    断片の少なくとも一方がタグペプチドをコードする配列
    を含み、該タグペプチドが前記タンパク質又はその一部
    と融合して合成されることを特徴とする請求項1〜9何
    れか記載の方法。
  11. 【請求項11】前記タグペプチドはマルトース結合タン
    パク質、セルロース結合ドメイン、グルタチオンSトラ
    ンスフェラーゼ、チオレドキシン、ストレプトアビジン
    結合ペプチド又はヒスチジンタグペプチドであることを
    特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記タグペプチドが、配列番号1のアミ
    ノ酸配列からなるヒスチジンタグペプチドであることを
    特徴とする請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜12何れか記載の方法により
    製造した鋳型DNAを用いることを特徴とする無細胞タ
    ンパク質合成系によるタンパク質の製造方法。
JP2001201356A 2001-07-02 2001-07-02 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法 Expired - Fee Related JP4768155B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201356A JP4768155B2 (ja) 2001-07-02 2001-07-02 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法
PCT/JP2002/006261 WO2003004703A1 (en) 2001-07-02 2002-06-24 Process for producing template dna and process for producing protein in cell-free protein synthesis system with the use of the same
EP02736176A EP1411131B1 (en) 2001-07-02 2002-06-24 Process for producing template dna and process for producing protein in cell-free protein synthesis system with the use of the same
CA002452396A CA2452396A1 (en) 2001-07-02 2002-06-24 Method of producing template dna and method of producing protein in cell-free protein synthesis system using the same
AT02736176T ATE360065T1 (de) 2001-07-02 2002-06-24 Verfahren zur herstellung von matrizen-dna und verfahren zur proteinherstellung in einem zellfreien proteinsynthesesystem unter verwendung davon
DE60219632T DE60219632T2 (de) 2001-07-02 2002-06-24 Verfahren zur herstellung von matrizen-dna und verfahren zur proteinherstellung in einem zellfreien proteinsynthesesystem unter verwendung davon
US10/748,055 US7195895B2 (en) 2001-07-02 2003-12-31 Method of producing template DNA and method of producing protein in cell-free protein synthesis system using the same
US11/374,114 US7846694B2 (en) 2001-07-02 2006-03-14 Process for producing template DNA and process for producing protein in cell-free protein synthesis system with the use of the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201356A JP4768155B2 (ja) 2001-07-02 2001-07-02 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003009880A true JP2003009880A (ja) 2003-01-14
JP4768155B2 JP4768155B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=19038333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001201356A Expired - Fee Related JP4768155B2 (ja) 2001-07-02 2001-07-02 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (2) US7195895B2 (ja)
EP (1) EP1411131B1 (ja)
JP (1) JP4768155B2 (ja)
AT (1) ATE360065T1 (ja)
CA (1) CA2452396A1 (ja)
DE (1) DE60219632T2 (ja)
WO (1) WO2003004703A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070047A1 (ja) * 2003-02-10 2004-08-19 Cellfree Sciences Co., Ltd. 自動蛋白質合成方法及びそれを行うための装置
US7972830B2 (en) 2003-08-12 2011-07-05 Roche Diagnostics Operations, Inc. Thermostable Taq polymerase fragment
JP2014524262A (ja) * 2011-08-26 2014-09-22 バイオニア コーポレーション タンパク質合成キット、自動抽出装置を用いたタンパク質発現および抽出方法
WO2015111209A1 (ja) * 2014-01-27 2015-07-30 株式会社日立製作所 核酸増幅反応後の反応液の解析方法、解析装置及び核酸増幅反応後の反応液処理装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4768155B2 (ja) * 2001-07-02 2011-09-07 独立行政法人理化学研究所 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法
JP4441170B2 (ja) * 2002-11-28 2010-03-31 独立行政法人理化学研究所 S12リボソームタンパク質に変異を有する大腸菌細胞抽出液及びそれを用いる無細胞系によるタンパク質の製造方法
JP4868731B2 (ja) 2004-11-17 2012-02-01 独立行政法人理化学研究所 哺乳動物培養細胞由来の無細胞タンパク質合成システム
JP4590249B2 (ja) * 2004-11-17 2010-12-01 独立行政法人理化学研究所 糖タンパク質合成用の無細胞タンパク質合成システム
JP4787488B2 (ja) * 2004-11-19 2011-10-05 独立行政法人理化学研究所 直鎖状鋳型dnaを用いた無細胞タンパク質合成方法及びそのための細胞抽出液
US20070117179A1 (en) * 2005-09-27 2007-05-24 Invitrogen Corporation In vitro protein synthesis systems for membrane proteins that include adolipoproteins and phospholipid-adolipoprotein particles
WO2008106660A2 (en) * 2007-03-01 2008-09-04 Invitrogen Corporation Isolated phospholipid-protein particles
CA2700233A1 (en) * 2007-10-22 2009-04-30 Monoquant Pty Ltd. A method of dna amplification
EP2213747B1 (en) * 2007-11-05 2021-06-30 Riken Method for producing membrane protein
US11618777B2 (en) 2015-07-31 2023-04-04 Shigeyuki Yokoyama Method of manufacturing membrane protein and utilization thereof

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000056914A1 (en) * 1999-03-24 2000-09-28 Gene Therapy Systems, Inc. Method for generating transcriptionally active dna fragments

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0491790A (ja) 1990-08-02 1992-03-25 Shionogi & Co Ltd 2段階pcr法
AU1322692A (en) * 1990-11-05 1992-05-26 United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Army, The Method for the in vitro production of protein from a dna sequence without cloning
WO1992011390A1 (en) * 1990-12-17 1992-07-09 Idexx Laboratories, Inc. Nucleic acid sequence detection by triple helix formation
JPH09234074A (ja) * 1996-03-04 1997-09-09 Sumitomo Electric Ind Ltd アダプター二本鎖dna及びそれを用いたdna増幅方法
AU3152797A (en) * 1996-06-07 1998-01-05 Genentech Inc. Methods for (in vitro) protein synthesis
US6136568A (en) * 1997-09-15 2000-10-24 Hiatt; Andrew C. De novo polynucleotide synthesis using rolling templates
US6607878B2 (en) * 1997-10-06 2003-08-19 Stratagene Collections of uniquely tagged molecules
JP2001520054A (ja) * 1997-10-23 2001-10-30 エグザクト サイエンシーズ コーポレイション Pcrを用いる分子診断におけるコンタミネーションを検出するための方法
AU4187799A (en) * 1998-05-14 1999-11-29 Clontech Laboratories, Inc. Compositions and methods for protein purification based on metal ion affinity site
US6303337B1 (en) * 1999-08-25 2001-10-16 Amber Gen. Inc. N-terminal and C-terminal markers in nascent proteins
AU8020201A (en) 2000-08-30 2002-03-13 Wakenyaku Co Ltd Design and construction of transcription template for synthesizing cell-free protein, and dilution batch-type method of synthesizing cell-free wheat germ protein by using the same
JP4768155B2 (ja) * 2001-07-02 2011-09-07 独立行政法人理化学研究所 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法
DE10158904A1 (de) * 2001-11-30 2003-06-12 Roche Diagnostics Gmbh Verfahren zur Herstellung von linearen DNA Fragmenten für die in vitro Expression von Proteinen
EP1394227B1 (en) 2002-08-30 2006-05-24 Eastman Kodak Company Ink jet ink composition and printing process

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000056914A1 (en) * 1999-03-24 2000-09-28 Gene Therapy Systems, Inc. Method for generating transcriptionally active dna fragments

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070047A1 (ja) * 2003-02-10 2004-08-19 Cellfree Sciences Co., Ltd. 自動蛋白質合成方法及びそれを行うための装置
JPWO2004070047A1 (ja) * 2003-02-10 2006-05-25 株式会社セルフリーサイエンス 自動蛋白質合成方法及びそれを行うための装置
US7972830B2 (en) 2003-08-12 2011-07-05 Roche Diagnostics Operations, Inc. Thermostable Taq polymerase fragment
JP2014524262A (ja) * 2011-08-26 2014-09-22 バイオニア コーポレーション タンパク質合成キット、自動抽出装置を用いたタンパク質発現および抽出方法
WO2015111209A1 (ja) * 2014-01-27 2015-07-30 株式会社日立製作所 核酸増幅反応後の反応液の解析方法、解析装置及び核酸増幅反応後の反応液処理装置
JPWO2015111209A1 (ja) * 2014-01-27 2017-03-23 株式会社日立製作所 核酸増幅反応後の反応液の解析方法、解析装置及び核酸増幅反応後の反応液処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003004703A1 (en) 2003-01-16
EP1411131B1 (en) 2007-04-18
DE60219632D1 (de) 2007-05-31
CA2452396A1 (en) 2003-01-16
DE60219632T2 (de) 2008-01-17
US20060147990A1 (en) 2006-07-06
EP1411131A4 (en) 2005-11-30
ATE360065T1 (de) 2007-05-15
JP4768155B2 (ja) 2011-09-07
US20040214292A1 (en) 2004-10-28
US7846694B2 (en) 2010-12-07
US7195895B2 (en) 2007-03-27
EP1411131A1 (en) 2004-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7846694B2 (en) Process for producing template DNA and process for producing protein in cell-free protein synthesis system with the use of the same
US7704690B2 (en) Synthesis of error-minimized nucleic acid molecules
JP5628664B2 (ja) 相同組換え方法およびクローニング方法並びにキット
JP2007534303A (ja) 合成遺伝子または他のdna配列を作製するための方法
JP4762481B2 (ja) 無細胞タンパク質合成用転写鋳型の設計および構築、並びにこれを用いる希釈バッチ方式コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法
WO2015175747A1 (en) Barcoded peptides
EP1870463A1 (en) High-affinity rna aptamer molecule for glutathione s-transferase protein
Haugner III et al. Universal labeling of 5′-triphosphate RNAs by artificial RNA ligase enzyme with broad substrate specificity
JPWO2002034907A1 (ja) 1本鎖核酸の合成方法
JP6945902B1 (ja) 翻訳促進剤、翻訳鋳型mRNA、転写鋳型DNA、翻訳鋳型mRNAの生産方法、および、タンパク質の生産方法
JP2005508194A (ja) 可溶性蛋白質ドメインの生成及び同定のための方法
KR101503726B1 (ko) Dna 제한효소에 의해 활성 조절이 가능한 프라이머 및 이를 이용한 유전자 증폭방법 그리고 이러한 프라이머의 설계방법
JP2003009877A (ja) 鋳型dnaの製造方法及びそれを用いた無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法
JP7022699B2 (ja) トランスポザーゼ競合物制御系
WO2022265965A1 (en) Reverse transcriptase variants for improved performance
JP7491515B2 (ja) 効率的なpprタンパク質の作製方法及びその利用
JP6478392B2 (ja) 核酸リンカー
JP5051423B2 (ja) 改変型の耐熱性RecAタンパク質、及び該タンパク質を用いた核酸増幅方法
JP2002360261A (ja) Dnaポリメラーゼ関連因子
JP4808361B2 (ja) 新規dna合成酵素
JP6332965B2 (ja) アゾリン化合物及びアゾール化合物のライブラリー、並びにその製造方法
Piché et al. Optimization of in vitro transcription and full-length cDNA synthesis using the T4 bacteriophage gene 32 protein
JP2005034025A (ja) 大腸菌での異種遺伝子発現を促進させるプラスミドベクター、組換え大腸菌、該組換え大腸菌を用いた化学物質製造法及び組換えタンパク質の製造法
RU2619217C1 (ru) Температурочувствительный мутантный интеин для нерастворимой экспрессии предшественника целевого белка
JP7453745B2 (ja) 毒性タンパク質の活性を阻害するペプチドのスクリーニング方法及び毒性タンパク質の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040531

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4768155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees