JP7022699B2 - トランスポザーゼ競合物制御系 - Google Patents
トランスポザーゼ競合物制御系 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7022699B2 JP7022699B2 JP2018554533A JP2018554533A JP7022699B2 JP 7022699 B2 JP7022699 B2 JP 7022699B2 JP 2018554533 A JP2018554533 A JP 2018554533A JP 2018554533 A JP2018554533 A JP 2018554533A JP 7022699 B2 JP7022699 B2 JP 7022699B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transpozosome
- inactive
- dna
- active
- arm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 *CCC*P(O)(OCC(O[C@](C1)C(C=C)=*)=C1OP(O)(OC(C1)=C(CO)O[C@]1*=C)=O)=O Chemical compound *CCC*P(O)(OCC(O[C@](C1)C(C=C)=*)=C1OP(O)(OC(C1)=C(CO)O[C@]1*=C)=O)=O 0.000 description 3
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/10—Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
- C12N15/1034—Isolating an individual clone by screening libraries
- C12N15/1065—Preparation or screening of tagged libraries, e.g. tagged microorganisms by STM-mutagenesis, tagged polynucleotides, gene tags
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6806—Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/12—Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
- C12N9/1241—Nucleotidyltransferases (2.7.7)
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Immunology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
Description
本開示は分子生物学の分野に関し、より詳細には、DNAを断片化するための分子ツールとしてのトランスポザーゼの使用に関する。
本出願は、2016年4月19日出願の米国仮出願第62/324,683号に基づく優先権および利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2017年4月18日に作成され80KBのサイズであるテキストファイル名「RMSI-007-001WO_ST25」の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
DNA配列決定ライブラリのトランスポザーゼに基づく生成にはいくつかの課題があり、これらは本開示以前には解決されていなかった。技術的課題は、単一のトランスポゾソームには単一の挿入-切断事象を行う能力しかなく、複合体が後に放出されて他所で挿入および切断を行うことがないという事実の克服を含む。結果として、既存の技術では、インサートサイズを制御することが困難である。この方法はDNAインプット量に対して感受性であり、有意な挿入部位バイアスが存在する。このバイアスは、トランスポゾソームは様々な部位において挿入することができるものの、好ましいコンセンサス配列(consensus preferred-sequence)が決定されうる程の、多様なDNA配列に対する多様な優先性を示すという事実によってもたらされる。したがって、挿入パターンはセミランダムであり、トランスポゾソームは、配列の識別が非常に不完全なものではあるが、配列特異的DNA結合複合体とみなすことができる。
本開示は、既存の方法と比較して挿入バイアスを減少させつつ所望の平均断片サイズを維持するDNA断片化の方法に関する当技術分野の長年にわたり満たされていない需要を克服する、トランスポゾソームに基づくライブラリ調製システムを提供する。さらに、本開示の方法は、使用されるDNAの量にかかわらず等しく有効である。
を含むアミノ酸配列によりコードされてもよい(触媒三残基は太字で下線が引かれている)。
を含むアミノ酸配列によりコードされてもよい(触媒三残基は太字で下線が引かれている)。
アライメントされたアミノ酸残基の下の記号は、その位置における保存の程度を示す。アスタリスク「*」は、単一の完全に保存された残基を有する位置を示す。「:」(コロン)は、Gonnet PAM 250マトリックスにおいて>0.5にスコア付けした、非常によく似た特性をもつ群同士の間の保存を示す。「.」(ピリオド)は、Gonnet PAM 250マトリックスにおいて≦0.5にスコア付けした、類似性が少ない特性をもつ群同士の間の保存を示す。ダッシュ「-」は、アライメントにおけるスペーシングを示す。
A.3’-H(ME_MRオリゴを参照されたい)。
以下に描画したものは、上記に示したME_MRオリゴにおける3’末端塩基(グアニン)を表す。このME_MRオリゴは、従来の3’-OH部分ではなく3’-水素を有する3’末端塩基を含む。
B.3’-リン酸:
以下に描画したものは、上記に示したME_MRオリゴにおける3’末端塩基(グアニン)を表す。このME_MRオリゴは、従来の3’-OH部分ではなく3’-リン酸を有する3’末端塩基を含む。
またはそれらの任意の組合せ。
A.逆向きの塩基。以下に示されるコンフォーメーションにおける転移鎖の3’末端塩基(典型的にはグアニン)は、トランスポザーゼが転移鎖を挿入することを防止する。
本開示は、トランスポゾソームに基づくライブラリ調製システムを提供する。トランスポゾソームに基づくライブラリ調製システムを作製する既存の方法は、(1)トランスポザーゼを発現させ、トランスポザーゼを、シーケンサー特異的配列を含有するDNAアダプター(本明細書では別称「アーム」)を用いて活性化して(本明細書では別称「ロードする」)、トランスポゾソームを形成するステップと、(2)トランスポゾソームおよび標的DNAを接触させて、標的DNAの断片化およびアダプターの挿入を同時に行うステップ(本明細書では「タグ付断片化」と称されるプロセス)とを含みうる。単一のトランスポゾソームには単一の挿入を行う能力しかないため、既存の方法はいくつかの問題を提示する。これらの問題としては、インサートサイズの制御困難、DNAインプットに対する感受性、および有意な挿入バイアス(ある特定のDNA配列に対するトランスポゾソームの優先性により生じる)が挙げられる。
トランスポゾン技術
本開示全体において使用される、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈による明確な別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの方法(a method)」への言及は、複数のかかる方法を含み、「1つのトランスポザーゼ(a transposase)」への言及は、1つまたは複数のトランスポザーゼおよび当業者に公知であるその同等物を含むなどである。
トランスポザーゼの同定、クローニング、および発現。
異なるIS4型挿入配列に見出される4つのトランスポザーゼを表す配列を同定した。挿入配列は、次の細菌:Alishewanella aestuarii、Vibrio cholera、Vibrio harveyi、Shewanella putrefaciensのゲノム内に見出された。これらのトランスポザーゼは、以下の表1に示されるように、よく理解されているTn5トランスポザーゼとは実質的に異なる。
トランスポザーゼのタグ付断片化能力についての試験。
野生型トランスポザーゼであるTnVc-TnpおよびTnAa-Tnpを、800ngのラムダDNAをタグ付断片化するそれらの能力について試験した。これは、トランスポザーゼに異なる種類のDNAアームをロードし、ラムダDNAをタグ付断片化し、精製したタグ付断片化DNAをPCRに供して、タグ付断片化DNAを増幅することによって行った。これの後、PCR産物をゲル電気泳動によって可視化した。以下に簡潔に述べる。
緩衝液を改変すること、およびグリセロールを含めること。
野生型TnAaトランスポゾソームを用いたタグ付断片化の効率をさらに改善することができるかどうかを判定するために、様々な緩衝液添加物を試験した。標準的なタグ付断片化反応を実施したが、様々な添加物を緩衝液に含めた。予備段階の結果は、グリセロールがタグ付断片化を大きく改善したことを示した。したがって、さらなる試験を実施した。簡潔に述べると、タグ付断片化は、本質的には実施例2に関して記述したように実施したが、以下の点が異なった。
TnAaトランスポザーゼの変異。
Tn5-Tnpにおいて、E54K変異は、アームをロードする酵素の能力を増加させ、したがって、全体的な転位効率を上昇させる;これは、Tn5-Tnpの機能亢進性バージョンを作り出すために使用される変異のうちの1つである。TnAa-Tsomeの活性およびライブラリ調製効率を増加させるために、同等な変異をTnAa-Tnpに挿入した。
トランスポゾソーム作製のためにアームをロードする:1:2の酵素:アーム比でロードした。1.5mg/mlのTnAa-Tnpを等容量のME/R1R2アーム(50μM)と組み合わせ、0.75mg/mlのTnAa-Tnp-P47Kを等容量のME/R1R2アーム(25μM)と組み合わせた。
好ましいタグ付断片化方法論。
TnAa-Tnpの開発およびタグ付断片化のためのその使用の過程において、最適化されたプロトコールが開発された。このプロトコールを後の作業のための基準として使用した(特定の実験のため必要に応じて改変した)。このプロトコールは、次のようにいくつかのステップを有する。
タグ付断片化に対するマンガン濃度の影響。
タグ付断片化の効率および断片の長さに対するマンガン濃度の影響を調査した。TnAa-Tnp-P47Kを使用し、反応物において様々な濃度のマンガンを使用したタグ付断片化実験を実施した。タグ付断片化は、以下の特定の条件を用い、本質的には実施例5に関して記述したように実施した。
タグ付断片化に対するトランスポゾソーム濃度の影響。
タグ付断片化の効率および断片の長さに対するトランスポゾソーム濃度の影響を調査した。TnAa-Tnp-P47Kを使用し、反応物において様々な量のトランスポゾソームを使用したタグ付断片化実験を実施した。タグ付断片化は、以下の特定の条件を用い、本質的には実施例5および実施例6に関して記述したように実施した。
アーム:ME/R1R2アームを使用した。これは、それぞれが以下に示すような異なる配列決定アダプター(R1またはR2)と併せた標準的なモザイク末端(ME)である2種類のアームの等モル混合物を含む。
断片化の特徴、標的の飽和、およびトランスポゾソーム競合物制御の概念。
マンガンおよびトランスポゾソームアッセイの結果は、次のように解釈することができる。トランスポゾソームレベルおよびマンガンレベルの両方が、トランスポゾソームの活性(標的DNA内の切断の数を標的DNAの質量で除したものと定義される)に影響することは明らかである。トランスポゾソーム対標的DNA標的比の低減は、サイズを増加させた。同様に、補因子(例えば、マンガン)の反応を欠乏させる(starving the reaction of)と、断片サイズの増加がもたらされた(図7A)。過剰量のトランスポゾソームが存在し、反応が他の形で制限されない場合、挿入部位が約40塩基対だけ離れた短い断片が作り出される。図6に示されるおよそ200bpの断片サイズにおけるピーク数(および図5中の60秒の移動時間における同等のピーク)は、断片がESおよびアダプター配列を含むため、40bpの挿入部位の分離を表すことに留意されたい。
活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームを含む組成物。
本開示の不活性トランスポゾソームは、活性トランスポゾソームと同じ効率およびバイアスで標的DNAに結合するが、不活性トランスポゾソームは、標的DNAを、いかなる程度にも、またはいかなる部位においても切断しない(DNAのニックすらない)。対照的に、本開示の活性トランスポゾソームは、標的DNAに結合し、それが結合するあらゆる部位において標的DNAを切断する。
修飾DNAアダプター/アームを含有する不活性トランスポゾソーム。
修飾アームを使用して不活性トランスポゾソームを産生するとき、様々な方法を使用して、活性トランスポゾソームの不活性トランスポゾソームに対する所望の比を達成することが可能である。非限定的な例を以下に提示する。
i501(または総称i5xx-異なる試料インデックスのプライマーを意味する)
i701(または総称i7xx-異なる試料インデックスのプライマーを意味する)
配列番号57および58に関し、(*)はホスホロチオエート結合を表す。
タグ付断片化は、以下の特定の条件を用い、本質的には実施例5に関して記述したように実施した。
3’-リン酸修飾モザイク末端アームをロードしたトランスポゾソームを反応物に添加することによる断片サイズの調節。
以下の実施例において、DNA精製ステップは、短い断片の単離および増幅を可能にする。これは、トランスポゾソーム混合物の挿入プロファイルを調査するためであり、有用な配列決定ライブラリを生成するために使用される方法に典型的なものではない。
3’-リン酸修飾モザイク末端アームをロードしたトランスポゾソームをタグ付断片化反応物に添加することによる配列決定ライブラリ断片サイズの調節。
以下の実施例において、DNA精製ステップは、タグ付断片化後に短い断片を除去し、有用なより長い断片の単離および増幅を促進する。これは、有用な配列決定ライブラリを生成するために使用される方法に典型的なものである。
活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームの混合物を用いて作り出されたライブラリの配列決定。
飽和分量の活性トランスポゾソームへの不活性トランスポゾソームの添加は、ライブラリインサートサイズの増加をもたらし、タグ付断片化の程度を低減させたが、結果として得られる配列決定ライブラリの特徴に対するこれらの撹乱(perturbation)による影響を決定する必要があった。
他の種類の修飾アームをロードしたトランスポゾソームをタグ付断片化反応物に添加することによる配列決定ライブラリ断片サイズおよび挿入部位バイアスの調節。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、転移鎖に3’-リン酸を有するアームを使用して不活性トランスポゾソームを作り出すことができることを示した。他の種類の修飾アームを同様な役割において利用してもよい。使用される修飾アームは、トランスポザーゼが修飾アームを認識しロードする(ひいては不活性トランスポゾソームを形成する)ことを可能にするが、不活性トランスポゾソームがアームを標的DNAに挿入すること、またはさらには標的DNA鋳型のニッキングを引き起こすことを防止する。
変異体トランスポザーゼから形成されたトランスポゾソームをタグ付断片化反応物に添加することによる配列決定ライブラリ断片サイズおよび挿入部位バイアスの調節。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、転移鎖に3’-リン酸を有するアームを使用して不活性トランスポゾソームを作り出すことができることを示した。不活性トランスポゾソームは、変異トランスポザーゼを使用することによっても作り出すことができ、これらの変異体バージョンが、本開示の活性トランスポゾソームの機能を調節するために使用されてもよい。
活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームを様々な時点で適用することによる配列決定ライブラリ断片サイズおよび挿入部位バイアスの調節。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、混合物として標的DNAに適用される活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームを利用した。断片サイズおよび挿入バイアスは、それらを別々に適用することによって操作されることもある。例えば、活性トランスポゾソームの適用前に、特定量の不活性トランスポゾソームを標的に適用して、好ましい挿入部位を遮断してもよい。
他のトランスポゾンおよび挿入エレメントに由来する活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームの混合物による配列決定ライブラリ断片サイズおよび挿入部位バイアスの調節。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、TnAa由来のトランスポザーゼを利用した。他の供給源由来のトランスポザーゼから作り出されたトランスポゾソーム(開示されるように活性および不活性にしたもの)も、本明細書において開示される方法によるタグ付断片化およびその制御のために利用されうる。
種々の標的DNA型から配列決定ライブラリを作製するための方法の使用。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、E.coli DNAを標的として利用した。本明細書に記述される方法は、より複雑で商業的関連性のある標的に適用することもできる。これは、存在する反復度の異なる、またはG/CリッチもしくはA/Tリッチである、または他の修飾を有するDNA標的に適用してもよい。
異類のトランスポザーゼおよび他のDNA結合タンパク質の利用。
これまでに提供した実施例は、断片サイズおよび挿入バイアスを制御する方法の有効性および有用性を実証した。提供した実施例は、同じトランスポゾンに由来するトランスポザーゼを利用して、活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームの両方を作り出した。活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームのトランスポザーゼは同じ供給源に由来する必要はなく、実際には、遠縁または異類の(dissimilar)トランスポザーゼが挿入バイアスにおいていくらかの重複を示す場合、それらを使用してもよい。トランスポザーゼではないが結合をめぐって活性トランスポゾソームと競合することができるDNA結合タンパク質は、その存在によってタグ付断片化に影響し、ひいては断片サイズおよび挿入バイアスに影響する。したがって、これらの組合せを配列決定ライブラリ調製に使用してもよい。
活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームの混合物を用いたタグ付断片化は、DNAインプット分量に対する非感受性を付与する。
タグ付断片化反応は、DNAインプット量に対して感受性であり、DNA分量のわずかな変動が、変わりやすいライブラリインサートサイズおよび収量をもたらすことが公知である。タグ付断片化反応における不活性トランスポゾソームおよび活性トランスポゾソームの組合せがDNAインプット量に対する非感受性を付与するという予測を試験するために、様々な分量のE.coliゲノムDNAを、80ナノグラムの活性トランスポゾソームから構成された混合物、または80ナノグラムの活性トランスポゾソームおよび320ナノグラムの不活性トランスポゾソームから構成された混合物のいずれかでタグ付断片化した。ライブラリを増幅させ、Illumina MiSeq機器でv3 2×150ケミストリーを使用して配列決定した。対になったリードを参照ゲノムとアラインすることによってライブラリインサートサイズを決定し、Nextera XTキット(Illumina)およびKapa HyperPlusキットを使用したときに観察された典型的なインサートサイズと比較した。結果を図13に示す。活性トランスポゾソームのみを用いたゲノムDNAの、200pg(明灰色の線(0.2ngインプット+0ng不活性))および5ng(暗灰色の線(5ngインプット+0ng不活性)のタグ付断片化は、異なるインサートサイズを含有するライブラリを生成し、予想通り、インプットが5ナノグラムのライブラリは、より大きな断片を含有した。対照的に、活性トランスポゾソームおよび不活性トランスポゾソームの混合物を用いたゲノムDNAの、200pg(暗青色の線(0.2ngインプット+320ng不活性))および5ng(明青色の線(5ngインプット+320ng不活性))のタグ付断片化は、Nexteraキット(オレンジ色の線)およびKapa HyperPlusキット(緑色の線)で生成したライブラリと匹敵する、同一のインサートサイズを有するライブラリをもたらした。これらの結果を合わせると、活性トランスポゾームおよび不活性トランスポゾームの混合物を用いたタグ付断片化が、DNAインプット分量の変動に対するシステムの感受性を低減させることが示される。
Claims (24)
- DNAを断片化する方法であって、標的DNAの試料を、
(a)活性トランスポゾソームを含む組成物、および
(b)不活性トランスポゾソームを含む組成物
に、トランスポゾソーム活性に好適な条件下で接触させることを含み、
(b)の該組成物中の該不活性トランスポゾソームの量の、(a)の該組成物中の該活性トランスポゾソームの量に対する比が、平均断片サイズおよび挿入バイアスのレベルを決定するものであり、
(a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームと、(b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームとの組合せが、インプットDNAのトランスポゾソーム複合体結合部位の50%より多くを占有するものであり、
前記不活性トランスポゾソームが、モザイク配列であるトランスポザーゼ結合性末端配列(ES:end sequence)DNAで活性化されてトランスポゾソームを産生する修飾DNAアームを含み、ここで、前記修飾は、標的DNAを切断する不活性トランスポゾソームの能力は阻害する一方、標的DNAに結合する不活性トランスポゾソームの能力は保存するものであり、
前記不活性トランスポゾソームが、前記活性トランスポゾソームの修飾形態であり、不活性トランスポザーゼをコードするアミノ酸配列に変異を含み、
前記不活性トランスポザーゼが、(i)Tn5トランスポザーゼの機能亢進性バージョンであり、前記変異が、D97、D188、およびE326からなる群から選択される触媒三残基内の位置にある、または(ii)トランスポザーゼTnAaに由来し、前記変異が、D90、D190、およびE323からなる群から選択される触媒三残基内の位置にあるものである、
前記方法。 - (a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームと、(b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームとの組合せが、インプットDNAのトランスポゾソーム複合体結合部位の75%より多くを占有する、請求項1に記載の方法。
- (a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームと、(b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームとの組合せが、インプットDNAのトランスポゾソーム複合体結合部位の90%より多くを占有する、請求項1に記載の方法。
- (a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームと、(b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームとの組合せが、インプットDNAのトランスポゾソーム複合体結合部位の99%より多くを占有する、請求項1に記載の方法。
- 前記インプットDNAまたは前記標的DNAの量が未知である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記不活性トランスポゾソームおよび前記活性トランスポゾソームが、前記標的DNA内のコンセンサス配列に優先的に結合する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記不活性トランスポゾソームおよび前記活性トランスポゾソームが、完全な相補性で前記コンセンサス配列に結合する、請求項6に記載の方法。
- 前記不活性トランスポゾソームおよび前記活性トランスポゾソームが、不完全な相補性で前記コンセンサス配列に結合する、請求項6に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、モザイクDNAアームである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、前記アームの転移鎖の3’末端ヌクレオチドにリン酸を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、前記アームの転移鎖の3’末端ヌクレオチドにジデオキシヌクレオチドを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、前記アームの転移鎖の3’末端ヌクレオチドに、炭素リンカー、ヘキサンジオール、3炭素スペーサー、トリエチレングリコール、またはヘキサ-エチレングリコールを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、前記アームの転移鎖の3’末端ヌクレオチドに、修飾塩基、合成塩基、またはヌクレオチド類似体を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾塩基、前記合成塩基、または前記ヌクレオチド類似体が、逆向きの塩基である、請求項15に記載の方法。
- 前記修飾塩基、前記合成塩基、または前記ヌクレオチド類似体が、無塩基部位を含む、請求項15に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド類似体が、ロックド核酸(LNA)、架橋核酸(BNA)、またはゼノ核酸(XNA)を含む、請求項15に記載の方法。
- 前記修飾DNAアームが、前記アームの転移鎖の3’末端ヌクレオチドに、リン酸、ジデオキシヌクレオチド、炭素リンカー、ヘキサンジオール、3炭素スペーサー、トリエチレングリコール、またはヘキサ-エチレングリコールをさらに含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
- (b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームの量の、(a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームの量に対する前記比の変化が、前記平均断片サイズの変化をもたらす、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
- (b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームの量の、(a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームの量に対する前記比の増加が、前記平均断片サイズの増加をもたらす、請求項20に記載の方法。
- (b)の前記組成物中の前記不活性トランスポゾソームの量の、(a)の前記組成物中の前記活性トランスポゾソームの量に対する前記比の減少が、前記平均断片サイズの減少をもたらす、請求項20に記載の方法。
- 前記標的DNAを前記不活性トランスポゾソームに接触させることを含まない方法と比較して、挿入バイアスの前記レベルが変化する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記標的DNAを前記不活性トランスポゾソームに接触させることを含まない方法と比較して、挿入バイアスの前記レベルが減少する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201662324683P | 2016-04-19 | 2016-04-19 | |
US62/324,683 | 2016-04-19 | ||
PCT/US2017/028293 WO2017184691A1 (en) | 2016-04-19 | 2017-04-19 | Transposase competitor control system |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019513406A JP2019513406A (ja) | 2019-05-30 |
JP7022699B2 true JP7022699B2 (ja) | 2022-02-18 |
Family
ID=59285318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018554533A Active JP7022699B2 (ja) | 2016-04-19 | 2017-04-19 | トランスポザーゼ競合物制御系 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US11932847B2 (ja) |
EP (2) | EP3445874A1 (ja) |
JP (1) | JP7022699B2 (ja) |
CN (1) | CN109477134A (ja) |
WO (1) | WO2017184691A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109477134A (zh) * | 2016-04-19 | 2019-03-15 | 卡帕生物系统公司 | 转座酶竞争物控制系统 |
WO2023225095A1 (en) * | 2022-05-18 | 2023-11-23 | Illumina Cambridge Limited | Preparation of size-controlled nucleic acid fragments |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014068650A (ja) | 2012-10-01 | 2014-04-21 | Agilent Technologies Inc | Dna断片化および標的化のための固定化されたトランスポザーゼ複合体 |
WO2016003814A1 (en) | 2014-06-30 | 2016-01-07 | Illumina, Inc. | Methods and compositions using one-sided transposition |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4554101A (en) | 1981-01-09 | 1985-11-19 | New York Blood Center, Inc. | Identification and preparation of epitopes on antigens and allergens on the basis of hydrophilicity |
US5965443A (en) | 1996-09-09 | 1999-10-12 | Wisconsin Alumni Research Foundation | System for in vitro transposition |
AU2012211081B2 (en) * | 2011-01-28 | 2016-02-04 | Illumina, Inc. | Oligonucleotide replacement for di-tagged and directional libraries |
EP4321628A3 (en) * | 2013-05-23 | 2024-04-24 | The Board of Trustees of the Leland Stanford Junior University | Transposition into native chromatin for personal epigenomics |
CN106795483A (zh) * | 2013-07-19 | 2017-05-31 | 嘉吉公司 | 用于生产脂肪酸和脂肪酸衍生产物的微生物及方法 |
TWI682997B (zh) * | 2014-04-15 | 2020-01-21 | 美商伊路米納有限公司 | 用於改善插入序列傾向及增加dna輸入耐受度之經修飾的轉位酶 |
CN109477134A (zh) * | 2016-04-19 | 2019-03-15 | 卡帕生物系统公司 | 转座酶竞争物控制系统 |
-
2017
- 2017-04-19 CN CN201780024500.0A patent/CN109477134A/zh active Pending
- 2017-04-19 WO PCT/US2017/028293 patent/WO2017184691A1/en unknown
- 2017-04-19 JP JP2018554533A patent/JP7022699B2/ja active Active
- 2017-04-19 US US15/491,148 patent/US11932847B2/en active Active
- 2017-04-19 EP EP17735674.8A patent/EP3445874A1/en not_active Ceased
- 2017-04-19 EP EP22208412.1A patent/EP4194563A1/en active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014068650A (ja) | 2012-10-01 | 2014-04-21 | Agilent Technologies Inc | Dna断片化および標的化のための固定化されたトランスポザーゼ複合体 |
WO2016003814A1 (en) | 2014-06-30 | 2016-01-07 | Illumina, Inc. | Methods and compositions using one-sided transposition |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Database NCBI, Accesion No. WP_008608766.1,2013年,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/495884187?sat=46&satkey=146477005,Definition:transposase [Alishewanella aestuarii] |
J. Biol. Chem.,2002年,Vol.277, No.20,p.17623-17629 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP4194563A1 (en) | 2023-06-14 |
US11932847B2 (en) | 2024-03-19 |
EP3445874A1 (en) | 2019-02-27 |
CN109477134A (zh) | 2019-03-15 |
US20180195059A1 (en) | 2018-07-12 |
WO2017184691A1 (en) | 2017-10-26 |
JP2019513406A (ja) | 2019-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2527438B1 (en) | Methods and compositions for DNA fragmentation and tagging by transposases | |
US20220372548A1 (en) | Vitro isolation and enrichment of nucleic acids using site-specific nucleases | |
CN105705515B (zh) | 多种用于dna操作的转座酶适体 | |
JP6165789B2 (ja) | 核酸分子のインビトロでの連結および組み合わせアセンブリのための方法 | |
JP2022106710A (ja) | 短縮ガイドRNA(tru-gRNA)を用いたRNA誘導型ゲノム編集の特異性の増大 | |
KR20220159498A (ko) | Crispr 하이브리드 dna/rna 폴리뉴클레오티드 및 사용 방법 | |
JP7022699B2 (ja) | トランスポザーゼ競合物制御系 | |
CN110914418A (zh) | 用于对核酸进行测序的组合物和方法 | |
EP3759243B1 (en) | Methods and compositions for enriching nucleic acids | |
CN110573627A (zh) | 用于产生目标核酸分子的方法和组合物 | |
CN117062827A (zh) | Crispr相关转座子系统及其使用方法 | |
CN117083380A (zh) | Crispr相关转座子系统及其使用方法 | |
US20210395709A1 (en) | Methods and compositions involving thermostable cas9 protein variants | |
CN118272348A (zh) | 基于氟修饰gDNA增强Ago对dsDNA切割活性的方法及其应用 | |
CN118355129A (zh) | 捕获crispr核酸内切酶切割产物的方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20190604 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190627 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200416 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210402 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210625 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7022699 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |