JP2003007568A - ヒューズ機能付き積層セラミック部品 - Google Patents

ヒューズ機能付き積層セラミック部品

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JP2003007568A
JP2003007568A JP2001190612A JP2001190612A JP2003007568A JP 2003007568 A JP2003007568 A JP 2003007568A JP 2001190612 A JP2001190612 A JP 2001190612A JP 2001190612 A JP2001190612 A JP 2001190612A JP 2003007568 A JP2003007568 A JP 2003007568A
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conductor portion
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laminated ceramic
ceramic component
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JP2001190612A
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Shinji Ito
伸二 伊藤
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NEC Tokin Hyogo Ltd
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NEC Tokin Ceramics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装が可能であり、ヒューズ導体部が溶
断した後でも耐湿性を低下させることがない、すなわ
ち、ヒューズの動作前後に関わらず、高い安全性、信頼
性を有する積層セラミック部品を提供すること。 【解決手段】 ヒューズ機能付き積層セラミック部品1
は、異なる電位に接続される複数の内部電極3の対を誘
電体2を介して少なくとも一方の側部に引き出しながら
多段に積層形成することで、互いに対向する第1及び第
2の側面の少なくとも一方に前記内部電極3の対を引き
出した積層体と、前記第1及び第2の側面に隣接し、実
装面及び前記実装面に対向する面とは異なる第3及び第
4の側面に、少なくとも一層ずつ夫々形成された外部電
極9(9′)の対と、前記内部電極3と前記外部電極9
(9′)を電気的に接続するように、前記積層体表面に
設けられたヒューズ導体部10,10とを備え、少なく
とも前記ヒューズ導体部10,10を絶縁層11,11
で被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等に広範
囲に用いられる積層セラミック部品に関するものであ
り、特にヒューズ機能を有する積層セラミック部品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミック部品は誘電体層などを介
して内部電極が複数積層された構造のセラミック部品で
あり、内部電極のほかにプリント基板などへ実装するた
めの外部端子電極を有するものである。
【0003】図4は従来の積層セラミックコンデンサ
の、内部電極構造と同積層構成および、外部電極の配置
を示す分解斜視図である。図5は従来の積層セラミック
コンデンサの、完成図を示す外観斜視図である。
【0004】図4及び図5を参照すると、積層セラミッ
クコンデンサは、誘電体シート53上に内部電極54を
端部が積層される積層体の両端部に交互に露出するよう
に、印刷して積層して積層体を形成し、積層体の両端部
に、前記露出した内部電極の端部を覆うように、導体部
55,55を夫々形成したものである。
【0005】近年、電子機器においては小型化に加えて
高い安全性を求める動きが強まっており、それに伴って
電子機器を支える電子部品に対する小型化、高信頼性化
への要求もますます強くなり、それ以外にも使用電圧の
高定格化などが求められている。
【0006】また、積層セラミック部品においても、例
外なく同様な要求が高まっている。
【0007】積層セラミック部品において、特性を維持
したまま小型化を実現する手法として、従来から誘電体
層などの内部電極間を絶縁する層を薄くすることが挙げ
られる。
【0008】しかしながら、内部電極間を絶縁する層を
薄くすることは、同時に内部電極間距離を小さくするた
めに、絶縁性の低下、さらには電気的な短絡(ショー
ト)を引き起こす危険性が増加していることを示してい
る。仮に絶縁性を十分に有する積層部品であっても、何
らかの影響で積層セラミック部品に異常な大電流が進入
した揚合、積層セラミック部品の絶縁性を低下、あるい
はシヨートさせてしまう危険性があり問題である。使用
電圧が高くなる場合でも同様にショートの危険性が増加
する。
【0009】このような問題を解決するために、従来、
何らかの原因で内部電極間がショートしても、周辺機器
に大電流が流れないようなヒューズ機能を有する積層セ
ラミック部品が提案されている。ヒューズ機能を有する
積層セラミック部品は以下の2つの方式に大別できる。
【0010】(1)内部電極の形状を変化させてヒュー
ズ機能を設ける。 (2)内部電極と外部電極間に低融点、あるいは高抵抗
のヒューズ導体部を設ける。
【0011】上記(1)の方式においては、例えば、特
開昭63−305506号公報に開示されているよう
に、内部電極の一部を細くすることで、内部電極にショ
ートが発生した場合に、ジュール熱で内部電極の細い部
分を溶断することで異常電流を遮断するという方法があ
る。
【0012】また、特開昭63−305505号公報や
特開昭64−69008号公報に開示されているように
内部電極の形状を変化させた部位に内部電極とは異なる
材質の低融点、または高抵抗の導電部を印刷してヒュー
ズ導体部を形成する方法がある。
【0013】上記(2)の方式においては、例えば、実
開平3−1514号公報に開示されているように、通常
の外部端子電極が付与されている面とは異なる面に、内
部電極や接続電極を引き出し、外部端子電極とをヒュー
ズ導体部で導通させるという方法がある。
【0014】また、特開昭63−86411号公報(以
下、従来技術1と呼ぶ)や特開平2−184008号公
報に開示されているように、蒸着やスパッタリングなど
の薄膜形成法によりヒューズ導体部を、積層体の表面に
形成する方法がある。
【0015】図6は従来技術1のヒューズ機能付きセラ
ミック部品の一例を示すヒューズ機能付き積層セラミッ
クコンデンサの内部電極構造と同積層構成および、外部
電極、ヒューズ導体部、絶縁層の配置を示す分解斜視図
である。図7は図6のヒューズ機能付きセラミック部品
の一例である、ヒューズ機能付き積層セラミックコンデ
ンサを示す外観斜視図である。
【0016】図6及び図7を参照すると、ヒューズ付セ
ラミックコンデンサは、誘電体シータ53上に内部電極
54を一側に引き出しながら印刷して多段に積層し、こ
の積層体の一側の内部電極の露出部分を覆うように導体
部を形成するとともに、内部電極の露出した面に隣接す
るように互いに対向する導体部を夫々設けることによっ
て形成されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方式においては、積層部品にショートが生じ、
積層体内部に閉じ込められたヒューズ導体部が溶断した
場合、内部電極の溶解に伴う体積膨張により積層セラミ
ック部品の素体に大きなクラックを生成する。このクラ
ックは対向する内部電極だけでなく外部電極にまで到達
する場合も多く、その結果、ショート故障を完全に回避
できない場合が多いという問題があった。
【0018】上記(2)の方式はヒューズ機能としては
有効であるが、近年では電子機器の小型化の動きに伴
い、セラミック部品においては、部品をそのままプリン
ト基板などへ実装する表面実装化が進んでいるために、
積層体素子の表面に露出した低融点の金属によるヒュー
ズ導体部や、薄膜形成法により形成したヒューズ導体部
は、表面実装の際に使用される数百℃にも熱せられる半
田によって変質、あるいはヒューズ導体部上に半田が付
着してしまうなどの問題があった。
【0019】また、仮に特定の条件下で実装を行えたと
しても、特開昭63−86411号公報に示されるよう
なヒューズ導体部が実際に溶断すると、ヒューズ導体部
は素子表面に形成されているために、一般的な線ヒュー
ズのようなガラス管に収納され、空中に張られているヒ
ューズとは異なり、溶断後でも絶縁間距離が短くなって
しまうため、一度溶断した溶断部に再び電圧がかかると
放電を起こし、微少電流が流れ続けるため問題であっ
た。また、内部電極の取り出し口が外部に露出するた
め、耐湿性が低下し、特に、一度溶断したヒューズ導体
部に水分が付着することで再びショートを繰り返してし
まう。
【0020】さらには、水分が内部電極面を伝わって積
層体内部まで侵入し、絶縁抵抗が低下し、最終的にはシ
ョートに至つてしまうという問題や、溶断後の絶縁間距
離が短いために、湿度下ではイオンマイグレーションが
容易に発生し、再び内部電極とヒューズ導体部でショー
トを繰り返してしまう問題があった。加えて、ヒューズ
導体部が溶断する際には、金属粒子が激しく放出される
場合もあり、安全性の面からも問題であった。このた
め、上記方式(1)及び(2)ともに実用的に使用でき
ない場合が多かった。
【0021】そこで、本発明の目的は、以上の問題点を
解決することであり、その技術的課題は、表面実装が可
能であり、ヒューズ導体部が溶断した後でも耐湿性を低
下させることがない、すなわち、ヒューズの動作前後に
関わらず、高い安全性、信頼性を有する積層セラミック
部品を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、次の構
成からなるヒューズ機能付き積層セラミック部品によ
り、前記課題を解決することができる。
【0023】即ち、本発明のヒューズ機能付き積層セラ
ミック部品では、異なる電位に接続される複数の内部電
極対が、誘電体を介して多段に積層されており、前記内
部電極対が、積層体の第1の側面と、第1の側面に対向
する第2の側面の少なくとも一方に引き出されており、
また、第1、第2の側面に隣接し、実装面と前記実装面
に対向する面とは異なる第3、第4の側面に単層、ある
いは多層の外部電極対を形成し、前記内部電極と前記外
部電極を電気的に接続する導体部を積層体表面に有する
積層セラミック電子部品において、少なくとも前記導体
部を絶縁層で被覆し、前記導体部は前記外部電極対に対
して、プリント配線との電気的接続を妨げないように、
あるいは前記絶縁層は前記外部電極対の第n層目のさら
に外側に形成される、第(n+1)層目の外部電極対と
の電気的接続を妨げないように、外部電極を部分的に被
覆するか、あるいは外部電極を被覆しないことを特徴と
すしている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、説明の便宜か
ら、本発明によるヒューズ機能付き積層セラミック部品
について、積層セラミック電子部品の一つである積層セ
ラミックコンデンサを例に用いて説明する。
【0025】まず、本発明の実施の形態におけるヒュー
ズ機能付き積層セラミックコンデンサについて、図1及
び図2を用いて説明する。
【0026】図1は本発明の実施の形態によるコンデン
サの一つの内部電極構造と同積層構成および、外部電
極、ヒューズ導体部、絶縁層の配置を示す分解斜視図で
あり、図2は図1のコンデンサの一つの完成例を示す外
観斜視図である。
【0027】図1及び図2を参照すると、セラミックグ
リーンシート2からなる誘電体層(以下、セラミックグ
リーンシートを焼成した誘電体層も同じ符号で示す)に
電極を両側に引出部4を引き出すように、交互に印刷し
て、多段に積層した積層体を形成し、この積層体の両側
面の引出部4と、その対向面とを覆うように、ヒューズ
導体部10,10を夫々形成するとともに、このヒュー
ズ導体部10,10が形成された面に隣接する側面に外
部電極9,9を形成し、さらに、ヒューズ導体部10,
10が形成された両側面を絶縁膜11,11で夫々覆う
ことによって形成されている。
【0028】このような構成の積層セラミックコンデン
サ等の積層セラミック部品の内部電極3には、Ni,N
i合金、Pd,Pd合金などが使用される。
【0029】例えば、内部電極3にAg−Pdを用いる
場合、Agペーストを積層セラミック部品の外表面に焼
き付けると、内部電極以下の融点を有する導電材が得ら
れる。
【0030】また、NiやNi合金を内部電極材料とし
て用いる場合には、たとえばCuペーストを積層セラミ
ック部品の外表面に焼き付けることで、同様に、内部電
極材料の融点よりも低い融点を有する導電材を得ること
ができる。
【0031】このようにして、内部電極以下の融点を有
する導電材料をヒューズ導体部10,10として内部電
極3と接続することで、積層セラミック部品に過電流が
生じ、対向する内部電極3,3間で絶縁性が低下した場
合、内部電極3よりも先に溶断するヒューズ導体部1
0,10を形成することが可能であり、その溶断箇所
は、内部電極と導体部(ヒューズ導体部)10の接続部
分にあたるヒューズ導体部10である。
【0032】さらに、積層電子部品の絶縁性と同等以上
の絶縁性を有し、ヒューズ導体部10の融点よりも十分
に低い軟化点を有するガラスや樹脂でヒューズ導体部1
0を封止することで、ヒューズの動作を妨げることのな
く、信頼性の高い絶縁層11を形成することができる。
すなわち、絶縁層11の軟化点がヒューズ導体部の融点
よりも低く、ヒューズ導体部10の融点が内部電極1
0,10の融点よりも低いことで、ヒューズ導体部10
が溶断する際の発熱において、最初に絶縁層11が軟化
してからヒューズ導体部10が溶断し、ヒューズ導体部
10の溶断によって電流は遮断され、ヒューズ導体部1
0が溶断するときに放出する金属粒子は絶縁層11中に
拡散し、溶断後、絶縁層11は再び緩やかに硬化に向か
い、ヒューズ導体部10の溶断部分に回り込むなどして
絶縁性は確実なものとなり、内部電極3については外部
に露出することなく硬化を完了する作用がある。
【0033】本発明の実施の形態によると、絶縁層11
に熱硬化型樹脂やガラスペーストを用いることで、絶縁
層11を印刷法やディップ法で薄く形成することが可能
であるが、両者の耐熱性をリフローやフローの半田処理
温度以上に設定することで、表面実装が可能となる作用
がある。
【0034】また、本発明の実施の形態において、セラ
ミック誘電体の原料として鉛系材料を使用し、絶縁層1
1にガラスを用いる場合、絶縁層11に用いるガラスペ
ーストは、一般的に広く使われている亜鉛系、鉛系のい
ずれを主成分としたものを用いたとしても本発明の範囲
に含まれることとなるが、亜鉛系においては耐アルカリ
性には優れるが、鉛系に比べて耐酸性に劣るという問題
があり、一方で鉛系はPbOを主成分とするために環境
面から問題があるため、選択には十分な注意が必要とさ
れる。
【0035】一方で、セラミック誘電体の原料としてチ
タン酸バリウムなど材料を使用し、内部電極3に卑金属
を用いる揚合、絶縁層11に用いるガラスペーストは、
亜鉛などを主成分とし、還元雰囲気中で焼き付けできる
ものを選択する必要がある。
【0036】また、ガラスとセラミック素体とは、50
0℃を超える温度において、ガラスがセラミック素体に
浸透して接合を行うため、セラミックとガラスの熱膨張
係数の差を小さくすることや、ガラスの浸透過剰による
セラミック強度の低下、浸透不足による接合不測が生じ
ないようにすることが重要である。具体的には、最終的
に、外部電極9(9’)とヒューズ導体部10、ヒュー
ズ導体部10と内部電極3のそれぞれの接続が、機械
的、電気的に十分な強度を確保できるような、焼き付け
条件の選定が必要である。そして、これらの困難を克服
することで、後に示す多大な効果を得ることが可能とな
る。
【0037】次に、本発明の実施の形態によるヒューズ
機能付き積層セラミック部品としてのセラミックコンデ
ンサの製造の具体例について説明する。
【0038】誘電体材料として鉛系リラクサ粉末をバイ
ンダーと有機溶剤中で分散混合させて、セラミックスラ
リーとし、ドクターブレード法によりセラミックグリー
ンシート2を作製した。
【0039】セラミックグリーンシート2に、銀(A
g)とパラジウム(Pd)からなる内部電極3をスクリ
ーン印刷法によって形成し、これを繰り返し積層したも
のを焼結してセラミック積層体1を得た。ここで、内部
電極3の取出部4は、焼結後に幅が400μmになるよ
うに設定されており、セラミック積層体1の第1の側面
5と第2の側面6に交互に引き出した。次に、SiO
−B系ガラスを含むAgペーストを、内部電極の
取出部4を覆い、外部に対して露出することがないよう
にスクリーン印刷によって付加し、焼き付けることでヒ
ューズ導体部10を形成した。ヒューズ導体部10の厚
みは焼き付け後で4±2μmとした。
【0040】さらに、第1、第2の側面5,6に隣接
し、実装面と同実装面に対向する面とは異なる側面7、
8には銀ぺーストを塗布、焼き付けすることで第1層目
の外部電極対9を形成した。ここで、この例において
は、ヒューズ導体部を形成する際の整列作業が生じない
ように、内部電極の取出部4のない部分についても、同
様にして導体部を形成した。ヒューズ導体部10は対向
する電位を有する外部電極やヒューズ導体部と電気的短
絡(ショート)を生じないように付加されている。図2
に示す第1の側面5、または第1の側面5に対向する第
2の側面6における、異なる電位に接続されるヒューズ
導体部間の距離は500μmとした。次に、第1層目の
外部電極9,9を覆うようにガラス成分をほとんど含ま
ないAgを主成分とした第2層目の外部電極9′を形成
した。次に亜鉛を主成分とし、軟化点が500℃のガラ
スペーストを、ヒューズ導体部10が形成されている第
1及び第2の側面5,6に対し、前記ヒューズ導体部1
0を完全に被覆するように印刷し、焼成することで絶縁
層11を形成した。絶縁層11の厚みは焼成後で15±
5μmとした。
【0041】ここで、図1及び図2に示す例は、本発明
の一例であり、たとえば、ヒューズ導体部10、外部電
極9および外部電極9′の構成順序を変更したとして
も、本発明の範囲に含まれるものである。
【0042】絶縁部11をこの例に示すように、最後に
付加する場合には、外部電極9(9′)のプリント基板
との接続部分に絶縁層11が回り込まないように付加す
ればよい。一方で外部電極9を形成し、続いて絶縁層1
1を形成し、最後に外部電極9′を形成する場合には、
外部電極9と外部電極9′が絶縁されないように、絶縁
層11を接続すればよい。本発明のヒューズ機能付き積
層セラミックコンデンサの電気特性、機械特性、信頼性
などを、同様な材料を用いて形成した図4及び図5に示
す従来の積層セラミックコンデンサおよび、図6及び図
7に示す従来のヒューズ構造を有する積層セラミックコ
ンデンサと併せて表1に示す。
【0043】いずれもセラミックグリーンシート2とし
て、同一の誘電体材料を用い、定格電圧は100VD
C、初期特性は静電容量が3.3μF、絶縁抵抗が1E
9〜IE10となるように作製した。
【0044】
【表1】
【0045】上記表1から、本発明の実施の形態の一例
であるヒューズ機能付き積層セラミックコンデンサの電
気特性、機械特性、信頼性は、従来の積層セラミックコ
ンデンサに比較して、特に破壊電圧、半田耐熱性、高温
高圧負荷試験における特性が優れていることがわかる。
【0046】まず、破壊電圧については、積層セラミッ
クコンデンサに関わらず、積層電子部品に対し、電圧を
徐々に上昇させながら印加した場合、誘電体層間で最も
絶縁性の低いところから破壊が生じ、最初に破壊した最
も低い電圧でショートに至る。比較例による従来の積層
セラミックコンデンサにおいても、同様に破壊してショ
ートに至っているがヒューズ機能付きコンデンサにおい
ては、最ち絶縁性の低い誘電体層間でショートが生じて
も、ヒューズ導体部が溶断し、最終的に、すべての誘電
体層間でショートが生じてヒューズ導体部が溶断するま
で、完全にショ一トしてしまうことがないことが確認さ
れた。
【0047】しかしながら、絶縁層のない従来のヒュー
ズ機能付きコンデンサにおいては、ショートした層でヒ
ューズ導体部が溶断するものの、動作した部位、すなわ
ち溶断部分における内部電極とヒューズ導体部の絶縁間
距離が数μm〜数十μmと近接しているため、そこで放
電が生じ、絶縁性が低下してしまうことが確認された。
【0048】一方、絶縁層11を有する本発明の一例で
ある積層セラミックコンデンサにおいては、溶断時に軟
化した絶縁層11がすばやく溶断部位に回り込み、放電
を防ぐため、溶断部分における内部電極3とヒューズ導
体部10の絶縁間距離が数μm〜十数μmと近接してい
ても、高い絶縁性を維持することができる。
【0049】次に、半田耐熱性については、ヒューズ機
能付き積層セラミックコンデンサの第1の側面5および
第1の側面5に対向する第2の側面6に形成されるヒュ
ーズ導体部10,10が、厚み数μm〜十数μmという
薄さで形成されるため、表面実装する際の半田との接触
で、僅かに銀が半田へ溶出するだけで特性の変化が生じ
てしまう。
【0050】そこで、本発明の一例であるヒューズ機能
付き積層セラミックコンデンサに示すような絶縁層11
を設けたところ、120秒の半田浸漬においても、コン
デンサの静電容量、等価直列抵抗が変化せず、外観上も
異常がないことが確認された。
【0051】また、半田槽へ浸漬した時間と、そのとき
の特性変化の関係(半田耐熱性)を、従来のヒューズ機
能付き積層セラミックコンデンサと併せて、図3に示
す。
【0052】さらに、高温高圧負荷試験においては、故
意に積層セラミックコンデンサを破壊することを目的と
し、300V、125℃、2atmの条件下で、試料数
100個で試験を行った。試験開始から1000時間
後、一部の従来の積層セラミックコンデンサがショート
故障を生じるのに対し、従来のヒューズ機能付き積層セ
ラミックコンデンサの一部は、絶縁抵抗値1×10
10台へ低下した。これは、ショートした内部電極3
のヒューズ導体部10が溶断したものの、絶縁間距離が
短いため、絶縁抵抗を測定する際の放電によってIRが
低下しているものである。
【0053】また、溶断部においては、銀のイオンマイ
グレーションによる素子表面の汚れが観察された。
【0054】一方で、本発明の一例におけるヒューズ機
能付き積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗値は、すべ
てが1×10を示し、銀のイオンマイグレーション
も、一切発生していないことが確認された。
【0055】以上説明したのは、本発明の実施の形態に
よる積層セラミックコンデンサに関するものであるが、
同様なことが積層セラミック圧電アクチュエータなど類
似構造を有する電子部品に適応可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヒューズ
機能付き積層セラミック部品によれば、内部電極と外部
電極とを接続する導体部を、半田処理温度に耐えるだけ
の耐熱性を有する絶縁層で被覆することで、プリント基
板などに対する表面実装が可能となる。
【0057】また、本発明のヒューズ機能付き積層セラ
ミック部品によれば、何らかの原因で誘電体間の絶縁性
が低下し、ショート状態になり、この内部電極と外部電
極とを接続する導体部の、内部電極と導体部の接点が溶
断すると、同接点含むヒューズ導体部を被覆する絶縁層
の軟化点がヒューズ導体部の融点よりも低いため、ヒュ
ーズ導体部が溶断する際の発熱において、最初に絶縁層
が軟化してからヒューズ導体部が溶断し、ヒューズ導体
部の溶断によって電流は遮断され、ヒューズ導体部が溶
断するときに放出する金属粒子は絶縁層中に拡散し、溶
断後、絶縁層は再び緩やかに硬化に向かい、ヒューズ導
体部の溶断部分に回り込むなどして絶縁性は確実なもの
となる効果がある。
【0058】また、本発明のヒューズ機能付き積層セラ
ミック部品によれば、内部電極および導体部は依然とし
て外部に露出することがないため、ヒューズ導体部が溶
断した後でもイオンマイグレーションを発生せず、絶縁
性がヒューズ導体部が溶断する前と同等の値を得られる
効果がある。
【0059】さらに、本発明により、積層セラミック部
品のショート故障がより確実に防がれるため、電子機器
の安全性に対する貢献はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒューズ機能付きセラミック部品の一
実施の形態としてのヒューズ機能付き積層セラミックコ
ンデンサの内部電極構造と同積層構成および、外部電
極、ヒューズ導体部、絶縁層の一配置例を示す分解組立
斜視図である。
【図2】図1のヒューズ機能付き積層セラミックコンデ
ンサを示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態によるヒューズ機能付積層
セラミックコンデンサの半田浸漬と電気特性を示す図で
ある。
【図4】従来の積層セラミックコンデンサの、内部電極
構造と同積層構成および、外部電極の配置を示す分解組
立斜視図である。
【図5】従来の積層セラミックコンデンサの、完成図を
示す外観斜視図である。
【図6】従来のヒューズ機能付きセラミック部品の一例
である、ヒューズ機能付き積層セラミックコンデンサの
内部電極構造と同積層構成および、外部電極、ヒューズ
導体部、絶縁層の配置を示す分解組立斜視図である。
【図7】従来のヒューズ機能付きセラミック部品の一例
である、ヒューズ機能付き積層セラミックコンデンサを
示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 セラミック積層体 2,53 セラミックグリーンシート 3,54 内部電極 4 取出部 5 第1の側面 6 第2の側面 7 第3の側面 8 第4の側面 9,55,59 第1層目の外部電極 9´,55′,59´ 第2層目の外部電極 10 導体部(ヒューズ導体部) 11 絶縁層 51 従来の積層セラミックコンデンサ 52 従来のヒューズ機能付き積層セラミックコンデ
ンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる電位に接続される複数の内部電極
    対を誘電体を介して少なくとも一方の側部に引き出しな
    がら多段に積層形成することで、互いに対向する第1及
    び第2の側面の少なくとも一方に前記内部電極対を引き
    出した積層体と、前記第1及び第2の側面に隣接し、実
    装面及び前記実装面に対向する面とは異なる第3及び第
    4の側面に、少なくとも一層ずつ夫々形成された外部電
    極対と、前記内部電極と前記外部電極を電気的に接続す
    るように、前記積層体表面に設けられた導体部とを備え
    た積層セラミック電子部品において、少なくとも前記導
    体部を絶縁層で被覆したことを特徴とするヒューズ機能
    付き積層セラミック部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヒューズ機能付き積層セ
    ラミック部品において、前記導体部及び前記絶縁層の内
    の少なくとも一方は、前記外部電極対に対して、当該積
    層セラミック電子部品が搭載される基板の導体との電気
    的接続を妨げないように、又は、前記絶縁層は前記外部
    電極対の第n層目のさらに外側に形成される、第(n+
    1)層目の外部電極対との電気的接続を妨げないよう
    に、前記外部電極を多くとも一部分を被覆した構成を備
    えていることを特徴とするヒューズ機能付き積層セラミ
    ック部品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のヒューズ機能付き
    積層セラミック部品において、前記絶縁層は前記導体部
    よりも低い融点の材料で形成されていることを特徴とす
    るヒューズ機能付き積層セラミック部品。
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Cited By (3)

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