JP2003005839A - サーボ制御装置及びサーボ制御方法 - Google Patents

サーボ制御装置及びサーボ制御方法

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JP2003005839A
JP2003005839A JP2001189683A JP2001189683A JP2003005839A JP 2003005839 A JP2003005839 A JP 2003005839A JP 2001189683 A JP2001189683 A JP 2001189683A JP 2001189683 A JP2001189683 A JP 2001189683A JP 2003005839 A JP2003005839 A JP 2003005839A
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Ietoshi Itou
家年 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーボ制御に係る指令プロファイルの生成に
おいて計算負担を軽減するとともに、サーボ系の駆動能
力を最大限に引き出すことにより最短時間での移動制御
及び高精度化を実現する。 【解決手段】 サーボ制御装置において、加速度軸と速
度軸をもった特性線図上の動作点によってその運動が規
定される制御対象に対して、当該動作点の移動に応じた
指令プロファイルを演算により生成して制御対象への制
御指令として送出する。制御対象に係る特性線が一次関
数関係をもつ線分を含んでおり、当該線分の傾斜及び加
速度入力を制御対象の移動量に応じて与えることによ
り、指令プロファイルを生成する指令値発生手段2を設
ける。指令値発生手段2において、2つの積分要素9、
10を縦列に接続するとともに、加速度入力「dU」に
対して初段の積分要素9を経た後に乗算要素11を介し
た出力が当該加速度入力に加算されることでフィーバッ
クループを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーボ制御におい
て、サーボ系の位置や速度、加速度等の指令に係る指令
プロファイル生成に要する計算処理の負担を軽減するた
めの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】サーボ制御に係る制御対象の位置や速
度、加速度の指令値を与える指令プロファイル(あるい
は指令値パターン)の生成においては、動作開始時から
の加速制御や、停止までの減速制御等を円滑に行うこと
で駆動源や機構等への悪影響を極力小さくすることや、
移動に要する時間(タクトタイム)の短縮化、あるいは
動作途中で目標位置等の変更制御等が要求される。
【0003】そのために、例えば、特開平11−110
030号公報では、多目的な軌道計画に適したアルゴリ
ズムに従って加減速制御を含む動作制御を行うための構
成として、複数の微積分要素を直列に接続して、状態量
やその微分量が指定された軌道に従って変化するように
駆動制御を行うものが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サーボ制御に係る指令プロファイルの生成装置及び方法
にあっては、例えば、下記に示す問題がある。
【0005】(1)計算量が多いため、CPU(中央処
理装置)等の計算手段にかかる負担が大きいこと。例え
ば、制御対象に係る運動状態を記述する微分方程式を解
いて得られる解析解を用いる場合には、積和演算が多か
ったり、指数関数等を含む関数計算が必要であるため、
計算負担を減らすのが困難である。
【0006】(2)制御対象の移動量が小さい場合にお
いて、サーボ系の能力を最大限に発揮させることが難し
く(例えば、指令プロファイル生成に当たって時間軸の
スケーリング操作を行った場合等)、従って、移動量の
大小(長短)によって移動に要する時間が大きく左右さ
れてしまうこと。
【0007】(3)指令プロファイルについて近似解を
用いた場合には、制御精度を充分に保証するのが難しい
こと。
【0008】そこで、本発明は、サーボ制御に係る指令
プロファイルの生成において計算負担を軽減するととも
に、サーボ系の駆動能力を最大限に引き出すことにより
最短時間での移動制御及び高精度化を実現することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサーボ制御
装置は、上記した課題を解決するために、下記に示す事
項を備えたものである。
【0010】・第1座標軸(加速度、力あるいはトルク
等)と第2座標軸(速度や速さ、角速度あるいは回転数
等)をもった特性線図上の動作点によってその運動が規
定される制御対象に対して、当該動作点の移動に応じた
指令プロファイル(加速度や速度、位置等の指令値)を
演算により生成して制御対象への制御指令として送出す
ること。
【0011】・制御対象に係る特性線(あるいは制御
線)が、上記両座標軸の間に一次関数関係をもつ線分を
含んでおり、当該線分の傾斜及び加速度入力を、制御対
象の移動量(移動距離や回転角度等)に応じて与えるこ
とにより、指令プロファイルを生成する指令値発生手段
を備えていること。
【0012】・指令値発生手段は、2つの積分要素を縦
列に接続した構成を有するとともに、加速度入力に対し
て初段の積分要素を経た後に、上記の傾斜に相当する乗
算要素を介した出力が当該加速度入力に加算されること
でフィードバックループが形成されること。
【0013】また、本発明に係るサーボ制御方法は、制
御対象に係る特性線が、上記第1座標軸と上記第2座標
軸との間に一次関数関係をもつ線分を含んでいること
(あるいは近似直線として特性含むこと。)を前提とし
て、当該線分の傾斜(勾配)及び加速度入力(接片)
を、制御対象の移動量(移動距離や回転角度等)に応じ
て与えることにより指令プロファイルを生成するととも
に、その際には、傾斜と速度との積に加速度入力を加算
した式から加速度を求め、当該加速度に対する時間積分
により速度を求めるようにしたものである。
【0014】従って、本発明によれば、2つの積分要素
と1つの乗算要素、そして加算要素を含むフィードバッ
ク構成を採用して演算を行うことで指令プロファイルの
生成が可能となり、微分方程式の解析解やその近似解を
用いる必要がない。また、速度指令プロファイル等にお
いて時間軸操作を用いることがなく、移動量の大小に応
じて最適な指令プロファイルを生成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に係る制御対象につ
いては、加速度又はこれに比例する量(力あるいはトル
ク等)を第1座標軸とし、時間による1階の微分量又は
これに比例する量(速度や速さ、角速度あるいは回転数
等)を第2座標軸とする特性線図を想定した場合に、当
該特性線図上の動作点によって運動が規定されるものと
する。
【0016】例えば、1軸(あるいは1次元)物体の運
動では自由度が「2」であり、従って、位置と速度、あ
るいは速度と加速度をそれぞれ一組みにして各指令を与
えることにより、当該物体の運動が決まってしまう。モ
ータ系の制御を例にすると、所謂「TN特性」(「T」
はトルクを示し、「N」は単位時間当たりの回転数、つ
まり回転速度を示す。)として知られた特性が挙げら
れ、このTN特性線図上の1点(動作点)は、対象物体
のある運動状態に対応するとともに当該状態を代表して
おり、TN特性線図上における動作点の軌跡が運動物体
の状態を一意に表現している(剛体モデルを仮定した場
合)。
【0017】図1乃至図3は、モータ系(モータ及びモ
ータドライバーを含む。)についてTN特性の幾つかを
示したものであり、これらの図において、横軸はトルク
「T」を相対値で示し、縦軸は回転数(回転速度)
「N」を相対値で示している。
【0018】尚、領域「A」は連続動作時の許容領域
を、領域「B」は間欠動作時の許容領域をそれぞれ示し
ており、いずれも場合にもそれぞれに許容される領域内
で動作させること(つまり、動作点が各領域から逸脱し
ないように制御すること)を要し、これを無視すると動
作が保証されないことになる。例えば、領域外での動作
を行った場合には、モータやドライバーの破損等が引き
起こされる危険が生じる。
【0019】図1に示す例では、領域Aの境界を規定
(限定)する特性線(限界特性線)「LA1」が、T軸
に平行な線分及びN軸に平行な線分、そして、T軸及び
N軸に対して傾斜した線分を含んでおり、また、領域B
の境界を規定する特性線(限界特性線)「LB1」が、
T軸に平行な線分と、T軸及びN軸に対して傾斜した線
分を含んでいる。尚、各特性線LA1、LB1について
上限の回転数(最大回転速度)を規定する線分がT軸に
対して平行な共通線とされ、領域Aについては、回転数
Nの低下に伴ってトルクが増大する傾斜線分と、当該線
分に連続するトルク一定の線分によって右境界が規定さ
れ、他方、領域Bについては、回転数一定の線分に対し
て、その右端に連続されるとともに、回転数Nの低下に
伴ってトルクが増大する傾斜線分によって右境界が規定
される。
【0020】また、図2に示す例では、領域Aに係る限
界特性線「LA2」については上記LA1と同様にT軸
に平行な線分及びN軸に平行な線分、そして、T軸及び
N軸に対して傾斜した線分を含んでおり、また、領域B
の境界を規定する限界特性線「LB2」については、T
軸に平行な線分と、T軸及びN軸に対して傾斜した2つ
の線分を含んでいる。尚、各特性線LA2、LB2につ
いて上限の回転数(最大回転速度)を規定する線分がT
軸に対して平行な共通線とされ、領域Aについては、回
転数Nの低下に伴ってトルクが増大する傾斜線分と、当
該線分に連続するトルク一定の線分によって右境界が規
定され、他方、領域Bについては、回転数一定の線分に
対して、その右端に連続されるとともに、回転数Nの低
下に伴ってトルクが増大する2つ傾斜線分(それぞれの
傾きが異なる)によって右境界が規定される。
【0021】図3に示す例では、領域Aに係る限界特性
線「LA3」及び領域Bに係る限界特性線「LB3」の
両者について、上記LA1、LA2と同様にT軸に平行
な線分及びN軸に平行な線分、そして、T軸及びN軸に
対して傾斜した線分を含んいる。つまり、各特性線LA
3、LB3について上限の回転数(最大回転速度)を規
定する線分がT軸に対して平行な共通線とされ、回転数
Nの低下に伴ってトルクが増大する傾斜線分と、当該線
分に連続するトルク一定の線分によって各領域の右境界
がそれぞれに規定される。
【0022】尚、いずれも例についても、特性線が線分
を含んでいることに注意を要する。即ち、制御対象に係
る特性線について、両軸(本例では、T軸及びN軸)の
間に線分(一次関数関係)を含んでいることが重要であ
る。一般には、特性線が直線状をした構成部分を常に有
している訳ではないが、そのような場合には、曲線状の
構成部分に対して内接する折れ線や多角形(あるいは多
辺形)による近似を施すことで当該構成部分を線分(又
は線分の集合)とみなすことができるので、実用上の困
難性はない。また、T軸やN軸に対して平行な線分につ
いては、傾きをゼロ又は無限大と考えて一次関数関係に
含めることができる。
【0023】図1乃至図3に例示したモータ及びドライ
バーを含む系に対して、さらに何らかの駆動機構(例え
ば減速機構等)を装着させた場合には、また新たなTN
特性が得られることになるが、そのような場合にも上記
と同様の議論を適用できることは勿論である(尚、新た
なTN特性において、その特性線が示す性能限界を逸脱
しないようにすることが必要である。)。
【0024】上記特性線(限界特性線LA1〜3、LB
1〜3)は、対象について運動能力の限界を表すもので
あり、よって、当該特性線に沿った対象の運動(つま
り、動作点が特性線上に完全に乗った運動)を実現でき
れば、これに優る制御はありえないことが明らかであ
る。そこで、本発明は、特性線図上の動作点の移動に応
じた加速度、速度、位置の指令プロファイルを演算によ
り生成して制御対象への制御指令として送出し、特に限
界特性線に沿った、最短の指令プロファイル(移動時間
が最短の指令プロファイル)を生成することができるよ
うにしたものである。
【0025】図4は、制御対象として磁気ヘッドを取り
上げて、その移動制御系の要部を示したものである。例
えば、ハードディスク等の磁気ディスクのドライブ装置
を想定すれば良い。
【0026】本例では、サーボ制御装置1において、指
令値発生手段(あるいは指令値発生器)2と、サーボ制
御部3が設けられており、駆動源4にはVCM(ボイス
・コイル・モータ)が用いられている。
【0027】指令値発生手段2は、加速度、速度、位置
等の指令プロファイルを生成するための手段であり、そ
の出力はサーボ制御部3に送られる。
【0028】サーボ制御部3は、駆動源であるVCMの
駆動回路(ドライバー)、ローパスフィルタ等を含んで
おり、駆動対象に依存した構成をもつ部分である。尚、
その出力信号がVCMに供給されることで、ヘッド(磁
気ヘッド)5が付設されたヘッドアーム6を含む機構
(回動アーム機構)の移動(回動)制御が行われる。つ
まり、サーボ制御部3と駆動源4を用いてモータ系が構
成され、当該モータ系で発生される駆動力を用いて、デ
ィスク状記録媒体7に対するヘッド5の位置決め制御が
行われるように構成されており、モータ系に対してヘッ
ドアーム6等の機構部を加えたサーボ系が制御対象とさ
れる。
【0029】勿論、本発明が特定の構成をもった系に限
定されるものではなく、各種形態の系に幅広く適用する
ことができる。例えば、光学ヘッドを用いた装置への適
用においては、本発明を用いて、光学ヘッドを搭載した
移動ベース(スライドベース)の位置制御を行うことが
できるし、また、ロボット系への適用においては、図4
のヘッドアーム6をロボットアームに置換して、ヘッド
5の位置をロボットの手先位置とみなして、その位置制
御を行うことができる(1軸制御に限らず、多関節型や
多軸ロボット等への本発明の適用が可能であり、その場
合には駆動軸毎に制御することができる。)。
【0030】本発明の要部である指令値発生手段2の構
成について説明する前に、以下で使用する記号、定義等
について説明する。
【0031】図5は、TN特性を例示した特性線図を示
すものであり、横軸に加速度「Θ(2 )」をとり、縦軸に
速度「Θ(1)」をとって特性線の一例Lを示したもので
ある。
【0032】尚、「Θ」は、この場合、モータ回転の位
相角を表しており、回転軸の位置(角度)に相当する
が、「Θ」に対して距離の次元をもつ量(図4の例で
は、ヘッドアームの回動中心からヘッドまでの距離)を
掛ければ容易に分かるように対象物の位置に相当するこ
とが明らかである。よって、以下では、距離の次元を持
たない「Θ」によって位置を記述し、その時間「t」に
よるn階の微分量を、「Θ (n)」と定義する。例えば、
「Θ(1)」によって速度を表し、「Θ(2)」によって加速
度を表すものとする。従って、TN特性を示す図1乃至
3の各座標軸については、トルク軸が「Θ(2)」と表記
され、速度軸が「Θ(1)」と表記される。つまり、トル
クが加速度に比例するので、その比例定数(質量やアー
ム長等)でトルクを割った量で軸(加速度軸)を再定義
して、これを改めて横軸にとり、また、回転速度につい
ては再定義なしに「Θ(1)」を素直に用いることができ
る(位置に対する速度の場合には、Θ(1)に距離の次元
量を掛けたものが速度を表すので、当該次元量で速度を
割ることでΘ(1)について再定義すれば良い。)。要す
るに、特性線図における一方の座標軸が加速度に比例す
る軸であって、他方の座標軸が速度に比例する軸であ
る。尚、これに限らず、速度及び位置の特性を与えた指
令プロファイルを想定することもできるが、以下ではT
N特性に相当する「Θ (2)−Θ(1)特性」について説明を
行うことにする。
【0033】また、図には、Θ(2)軸について第1象限
(Θ(2)>0)及び第2象限(Θ(2)<0)に亘る特性を
示しているため、図1乃至図3に示した特性線との関係
では、当該特性線とこれをΘ(1)軸に関して折り返した
ものから成る。つまり、第1象限に示す特性線が加速領
域での特性を示し、第2象限に示す特性線が減速領域で
の特性を示している。尚、このように特性線がΘ(1)
に関して対称性を有することは本発明において本質的な
事項ではないが(非対称の場合については、後で詳述す
る。)、説明を徒らに複雑化させないために以下の説明
では対称性を仮定することにする。
【0034】図示するように、第1象限に示す特性線に
ついては、下記の各点を繋いだ線分から構成される。
【0035】・点P0(0,0) ・点P1(Θ(2) max,0) ・点P2(Θ(2) max(1)2) ・点P3(Θ(2)3,Θ(1) max) ・点P4(0,Θ(1) max) また、第2象限に示す特性線については、下記の各点を
繋いだ線分から構成される。
【0036】・点P4(0,Θ(1) max) ・点P5(−Θ(2)3,Θ(1) max) ・点P6(−Θ(2) max(1)2) ・点P7(−Θ(2) max,0) ・点P0(0,0) 尚、点PX(X=0〜7)と点PY(Y=0〜7)を結
ぶ線分を「LXY」と表記するとき、線分L01、L7
0はΘ(2)軸上に位置し、線分L12、L67がΘ(1)
に対して平行な線分である。また、線分L23やL56
はそれぞれ一定の傾きをもった傾斜線分とされ、線分L
34やL45はΘ(2)軸に対して平行な線分である。
【0037】図中に示す点P11(Θ(2) MAX,0)は、
線分L23の延長線がΘ(2)軸と交わる点を示してい
る。点「P」は特性線L上の任意の動作点を示す。
【0038】本例に示す特性線は、図1乃至図3に示し
たLA1乃至3やLB3と同様の形状を有するものであ
り、Θ(1)軸に関する対称性から、点P1とP7、点P
2とP6、点P3とP5が速度軸を挟んで互いに対応し
た位置関係をもつこと及び線分L23の傾き(勾配)を
「A」と記すと、線分L56の傾きが「−A」であるこ
とが明らかである。
【0039】尚、特性線図における第3象限や第4象限
については、速度の向きが逆になるだけであって力学的
には対称である。例えば、図4に示したヘッドの移動制
御の場合に、ディスク状記録媒体に対してヘッドの内径
から外径への移動を第1象限から第2象限にかけての軌
跡として表現した場合には、当該ヘッドの外径から内径
への移動は、第3象限から第4象限にかけての軌跡で表
現することができる。よって、向きの違いを除いて実質
的には同様の制御が行われるので、以下では、第1象限
及び第2象限での軌跡について説明する。
【0040】先ず、図5の第1象限における特性線につ
いての数式的表現は下式のようになる。
【0041】
【数1】
【0042】
【数2】
【0043】尚、[数1]式は、点P0から点P2まで
の間において、線分L12が一定の加速度「Θ(2) max
を示すことを示しており、また、[数2]式は線分L2
3が、傾き「(Θ(1) max−Θ(1)2)/(Θ(2)3−Θ(2)
max)」の一次式で表されることを示している。
【0044】これらの式は、Θについての微分方程式で
あり、従って、これを解くことにより解析解を得ること
ができる。その結果を示すと下式のようになる。
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】尚、これらにおいて、時刻「T2」は点P
0を起点として動作点Pが点P2を通過する時刻を示
し、時刻「T3」は点P0を起点として動作点Pが点P
3やP4に達する時刻(速度がピークに到達する時刻)
を示している。また、「exp(X)」は変数Xの指数
関数を示し、「ln(X)」は変数Xの自然対数関数を
示す。
【0048】[数3]式において時間tの関数Θ(t)
がtの二乗に比例することは、線分L12における加速
度が一定であることから明らかであり、また、[数4]
式については、[数2]式を、例えば、ラプラス変換法
を用いて解けば良い(ラプラス変換後のΘ(s)を部分
分数和に展開して逆ラプラス変換すれば、Θ(t)が求
まる。)。
【0049】尚、第2象限については、上式についてΘ
(1)軸に関する対称性を考慮した置き換えによって容易
に数式表現が得られるので説明は省略する。
【0050】ところで、この解析解を直接に用いれば、
TN特性から得られる位相(又は位置)の指令プロファ
イルを生成することができることは明らかであるが、こ
の方法は、かなりの計算力を必要とするため、高速なC
PUやDSP等の計算手段を搭載できない制御システム
では、演算時間が長くかかってしまい実用的でない場合
が生じる。
【0051】そこで、本発明では、このような解析解を
直接に用いることなく、制御に必要な指令プロファイル
を生成できるようにする。
【0052】そのためには、上記の例において、[数
1]式及び[数2]式を下式のように、Θ(2)について
の表現にまとめる。
【0053】
【数5】
【0054】尚、上式中、i)については[数1]式と
変わりないが、ii)については、Θ(2)がΘ(1)に対し
て一次関係をもつことを表している。つまり、Θ
(2)は、「A・Θ(1)」と定数項「Θ(2) MAX」を有する
(下付き文字「MAX」、「max」を大文字、小文字で区別
している点に注意を要する。)。尚、定数「A」は傾き
を表しているが、図5との関係においては、横軸に加速
度軸をとり、縦軸に速度軸をとっているので、傾き(勾
配)に関する一般的に用いられる定義(横軸に対する縦
軸の比率)とは逆になっていることに注意を要する。ま
た、「Θ(2) MAX」はその表式から分かるようにΘ(2)
上の接片であり、線分L23の延長線が加速度軸に交わ
る点P11のΘ(2)値を示す。
【0055】[数5]式に示す、Θ(2)についての2式
は、Aがゼロの場合も含むことを許せば、「Θ(2)=A
・Θ(1)+B」(A、Bはともに定数であり、例えば、
A=0のとき、B=Θ(2) maxとされ、また、Aが線分L
12の傾きを示すとき、B=Θ (2) MAXである。)によっ
てまとめて表現することができる。そして、これを連続
系でのアナログ表現による伝達関数表示として示したブ
ロック線図が図6である。
【0056】つまり、これは指令プロファイルを生成す
る指令値発生手段2の構成例について、上記数式に対応
する構成を備えたものであって、下記の要素からなる
(括弧内の数字は符号を示す。)。
【0057】・加算要素(8) ・第1の積分要素(9) ・第2の積分要素(10) ・乗算要素(11)
【0058】加速度入力(値)を「dU」と記すとき
(加速度軸の接片に相当する。)、これが加算要素8に
送られ、ここでは乗算要素11からの入力と加算された
後に、加算要素8の後段に配置された第1の積分要素9
に送られる。そして、当該積分要素を経た後の出力は、
その後段に配置された第2の積分要素10に送られると
ともに、乗算要素11に送られる。
【0059】乗算要素11は、特性線に関する上記の傾
斜(勾配)に相当する係数(これを「1/dA」と記
す。)が当該特性線上における動作点の位置に応じて指
定されるものである。つまり、第1の積分要素9の出力
に対して当該係数を掛けた結果を加算要素8に送るため
に、乗算要素11は、第1の積分要素9から加算要素8
への帰還路上に配置されている。
【0060】尚、加算要素8については、乗算要素11
における係数「1/dA」が負値をとる場合があること
から分かるように減算(負の加算)を含めた演算を行
う。
【0061】加算要素8を経た時点でΘ(2)が得られ、
積分要素9を経てΘ(1)が、そしてさらに積分要素10
を経てΘが得られるので、本構成をΘ(2)について数式
化すると、「Θ(2)=dU+Θ(1)/dA」となる。従っ
て、上記した数式との対応関係において、「dU」が
「Θ(2) MAX」に相当し、「1/dA」が「A」に相当し
ている(両者が逆数関係となっているが、これは数式定
義上のもので本質的な問題ではない。)。
【0062】この構成においてΘ(2)、Θ(1)、Θからそ
れぞれの指令プロファイルを生成することができるが、
その際には、加速度入力dUの値及び傾きdAの値をΘ
(1)やΘに応じて適宜に変更すれば、図5の特性線Lに
沿って動作点Pが移動する軌跡を表現できることが分か
る。即ち、制御対象に係る特性線が、加速度軸及び速度
の間に線分(一次関数関係)を含んでいるので、当該線
分の傾斜(あるいは勾配)と加速度入力を、制御対象の
移動量(例えば、移動距離や回転角度等)に応じて与え
ることが必要であり、本例では、特性線の各構成線分に
おいて下記のように指定すれば良い(図5参照。)。
【0063】(1)点P0からP1を経てP2に至る範
囲 dU=Θ(2) max 、1/dA=0 (2)点P2からP3に至る範囲 dU=Θ(2) MAX=Θ(2) max−A・Θ(1)2 、1/dA
=A (3)点P3からP4に至る範囲 dU=0、 1/dA=0 (4)点P4から点P5を経て点P6に至る範囲 dU=−Θ(2) MAX=−(Θ(2) max−A・Θ(1)2) 、1
/dA=−A (5)点P6からP7に至る範囲 dU=−Θ(2) max、 1/dA=0 (6)点P7からP0に至る範囲 dU=0、 1/dA=0 尚、「Θ(2) MAX」は線分L23の延長線が加速度軸に交
わる接片の値を示し、「−Θ(2) MAX」は線分L56の延
長線が加速度軸に交わる接片の値を示しており、また、
加速度軸を縦軸に設定した場合において、線分L23の
傾きが「A」(>0)で、線分L56の傾きが「−A」
(<0)である。
【0064】このようにdU及び1/dAの値を特性線
の構成線分について各別に指定して切り替えていけば、
与えらえた特性線に沿った最速の指令プロファイルを生
成できることが理解できる。そして、指令値発生手段2
では、Θ(2)からΘ(1)、Θを計算するために2つの積分
要素を縦列に接続した構成を有するとともに、加速度入
力dUに対して初段の積分要素9を経た後、上記傾斜
(勾配)に相当する係数をもった乗算要素11を介した
出力が、加速度入力dUに加算されることでフィードバ
ックループが形成されている。
【0065】尚、実際の制御では、離散時間システムの
形態を採るため、Ts(サンプリング時間)を時間単位
とする差分形式で演算が行われるが、その場合でも四則
演算で済み、複雑な演算や手順を必要としないのでプロ
グラム処理が比較的簡単であって生成コードの量も少な
い。よって、指令値発生手段2を本発明に係るアルゴリ
ズムに従うソフトウェア処理により実現することの利点
は大きい。
【0066】また、動作点が対象物の運動状態を代表し
ており、これが特性線上に沿って移動する場合に、移動
量(あるいは位置)「Θ(t)」については、[数3]
式、[数4]式から分かるように、時間経過につれて増
加するが、動作点PがTN特性線上の点P2乃至P6を
常に通過して点P0に戻る訳ではない。つまり、総移動
量の指令値(以下、これを「ΔΘall」と記す。)が少
ない場合には、加速途中で減速に移行する状況があり、
また、サーボ系において許される最高速度には限界があ
るので、総移動量ΔΘallが非常に大きい場合には、図
5の点P4に暫くの間滞在して状態を維持しなければな
らない状況もある。
【0067】例えば、図7に示す点P12は、線分L1
2において点P1と点P2との間に位置しており、総移
動量が比較的小さい場合には、動作点Pが点P0から当
該点P12に到達するまでの間、対象の加速制御が行わ
れた後、線分L67上で点P12に対応する対称点(P
67)へと移行することにより減速制御を経て点P0で
対象が停止する。
【0068】また、点P23は、線分L23において点
P2と点P3との間に位置しており、総移動量が中程度
とされ、動作点Pが点P2を通過したものの点P3まで
到達する前に減速制御に移行する場合には、当該動作点
が点P0から点P23に到達するまでの間、対象の加速
制御が行われた後、線分L56上で点P23に対応する
対称点(P56)へと移行することにより減速制御を経
て点P0で停止する。
【0069】従って、特性線上を動作点が点P0から順
にP1乃至P7をそれぞれ通過して再び点P0に戻る制
御動作には、これに対応した総移動量が一意に存在する
ことが分かる。つまり、それ以上の移動量をもって対象
を運動させたい場合には、点P4での状態維持が不可欠
となり、その維持の時間が長い程、総移動量ΔΘallが
大きくなる。
【0070】上記したように、本発明に係る制御方法に
あっては、例えば、TN特性線が加速度軸及び速度軸の
間に線分(一次関数関係)を含んでおり、当該線分の傾
斜及び加速度入力を、制御対象の移動量(移動距離や回
転角度等)に応じて与えることにより、指令プロファイ
ルを生成することができる。具体的には、現時点での、
移動量又は位置Θと速度Θ(1)の両情報を参照しなが
ら、上記(1)乃至(5)に示す約束に従ってdUや1
/dAの値を指定して前記微分方程式を解くのと全く等
価な演算を、図6に示した構成によって行えば良い(線
分の傾斜と速度との積に対して加速度入力を加算するこ
とで加速度を求め、当該加速度に対する1階の時間積分
により速度を求める演算を行う。)。即ち、これは、
[数1]式や[数2]式に示した微分方程式を、TN特
性線という境界条件下において解いているのと全く同じ
ことである(よって、[数3]式や[数4]式の解析解
を用いる必要はない。)。
【0071】ΘやΘ(2)に応じて傾斜や加速度入力の指
定を切り替えるようにした上記の制御方法について、そ
のアルゴリズム及び処理手順について具体的にまとめる
とともに、これを状態遷移図(指令値発生手段2に係る
状態図)として示したものが図8である。
【0072】S1乃至S9に示す9状態からなり、それ
ぞれの枠内に示すP0乃至P7(図5参照)、P12、
P67、P23、P56(図7参照)については既述の
通りであり、枠内の矢印「→」については、特性線上に
おける動作点Pの移動範囲を示している。また、枠外の
矢印(ある状態から別の状態への遷移を示す。)にそれ
ぞれ付した不等式は、移行の条件式を示す。
【0073】各状態における、上記dU及び1/dAの
指定は下記の通りである。
【0074】 (S1)「アイドリング状態」 : dU=0、 1/dA=0 (S2)「P0→P1→P2」 : dU=Θ(2) max、 1/dA=0 (S3)「P2→P3」 : dU=Θ(2) MAX、 1/dA=A (S4)「P3→P4」 : dU=0、 1/dA=0 (S5)「P4→P5→P6」 : dU=−Θ(2) MAX、1/dA=−A (S6)「P12→P67→P7」 : dU=−dU、 1/dA=0 (S7)「P23→P56→P6」 : dU=−dU、 1/dA=−A (S8)「P6→P7」 : dU=−Θ(2) max、1/dA=0 (S9)「P7→P0」 : dU=0、1/dA=0、Θ=ΔΘa ll
【0075】尚、各状態への移行に当たっては、先ず、
(S1)のアイドリング状態(あるいは初期状態)から
開始され、S9において点P0に戻ると再び(S1)状
態に戻る。また、「dU=−dU」は等値式ではなく、
符号を反転させて代入すること(符号の切替)を示す。
【0076】移行の条件式は下記の通りである。
【0077】 (S1)から(S2)への移行 : 「Δθall>0」 (S2)から(S3)への移行 : 「Θ(1)≧Θ(1)2」 (S2)から(S6)への移行 : 「Θ≧ΔΘall/2」 (S3)から(S4)への移行 : 「Θ(1)≧Θ(1) max」 (S3)から(S7)への移行 : 「Θ≧ΔΘall/2」 (S4)から(S5)への移行 : 「Θ≧ΔΘall/2」 (S5)から(S8)への移行 : 「Θ(1)≦Θ(1)2」 (S7)から(S8)への移行 : 「Θ(1)≦Θ(1) max」 (S8)から(S9)への移行 : 「Θ(1)≦0」又は「Θ≧ΔΘall/2」 (S6)から(S9)への移行 : 「Θ(1)≦0」又は「Θ≧ΔΘall/2」
【0078】尚、記号の意味等については図5を参照さ
れたい。また、上記の説明から各状態への移行と、その
時に指定されるdUや1/dAとの関係は明らかである
が、例えば、図5の特性線において、点P0を起点とし
て動作点PがP1乃至P7の全てを通過して再び点P0
に戻る軌跡を想定した場合について簡単に説明すると、
S1から、S2、S3、S4、S5、S8、S9と順に
進み、S1に戻る。従って、dU及び1/dAに係る指
定についての前記(1)乃至(6)の事項がS2乃至S
9のそれぞれに対応する。
【0079】また、図7において、総移動量ΔΘallが
小さい場合の点P12、P67を通る軌跡では、(S
1)から(S2)に進むが、点P2に到達する前に条件
式「Θ≧ΔΘall/2」が成立するため(S6)に進
み、(S9)から(S1)に戻ることが分かる。総移動
量ΔΘallが中程度の場合において、点P23、P56
を通る軌跡では、(S1)から(S2)、(S3)と進
むが、点P3に到達する前に条件式「Θ≧ΔΘall/
2」が成立するため(S7)に進み、(S8)、(S
9)を経て(S1)に戻ることになる。
【0080】尚、この状態遷移図に従って制御プログラ
ムを作成できるが、十数行程度のコーディングで済むの
で、図8のみかけほどには複雑でなく、これを使って指
令プロファイルを簡単に生成することができる。
【0081】次に、TN特性における移動量(これを
「ΔΘ」と記す。)と移動時間(これを「ΔT」と記
す。)との関係について説明する。尚、前記したよう
に、特性線については、速度軸に関する対称性を仮定し
ており、これは速度の指令プロファイルについては加速
部分と減速部分とが対称であること(例えば、速度のピ
ーク到達時間に関して加速部分を折り返すと減速部に一
致する。)を示す。
【0082】移動量と移動時間との間には、次元解析か
ら下式に示す関係がそれぞれに成立する。
【0083】
【数6】
【0084】
【数7】
【0085】尚、上式中の「C1」、「C2」はそれぞれ
比例定数(無次元)である。
【0086】これらの式において、Θが位相角ではな
く、距離の次元をもつ量(例えば、位置)と考えれば、
例えば、[数6]式の右辺については、速度の自乗に相
当する次元(長さ[L]の2乗と時間[T]の「−2」
乗)を、加速度の次元(長さ[L]の1乗と時間[T]
の「−2」乗)で割った次元に等しく、左辺と同様に長
さ[L]の次元をもつことが分かる。同様にして、[数
7]式の右辺については、速度に相当する次元(長さ
[L]の1乗と時間[T]の「−1」乗)を、加速度の
次元(長さ[L]の1乗と時間[T]の「−2」乗)で
割った次元に等しく、左辺と同様に時間[T]の次元を
もつ。こうして、次元解析から各式の正当性が確認され
る。
【0087】今、移動量ΔΘを一定に保ったままで、移
動時間ΔTを数倍に拡大したり、あるいは逆に数分の1
に縮小したいものとする。このような要請については、
サーボ系について駆動源やドライバー等の性能が良くな
ったのを受けて移動時間をさらに短くしたり、あるいは
逆に最短時間よりも移動時間を長くすることで効率を上
げたい場合等が挙げられる。例えば、ヘッドの移動制御
をとり上げた場合に、VCMやドライバー、メカニズム
等の能力アップに伴い、ヘッドのシーク時間を短縮でき
るようになったり、あるいは、VCMの消費電力を抑制
する目的でシーク時間を意図的に長くするといった状況
が挙げられる。
【0088】移動量ΔΘを変えることなく移動時間ΔT
を「1/α」倍する(「α」は時間軸変倍用のパラメー
タを示す。)には、加速度についてはαの2乗倍し、速
度についてはα倍すれば良いことが、下式から明らかで
ある。
【0089】
【数8】
【0090】
【数9】
【0091】つまり、加速度が時間ついて「−2」乗の
次元を持ち、速度が時間ついて「−1」乗の次元を持つ
ことから容易に分かるように、[数8]式では、右辺の
分母分子でαの2乗が相殺してなくなるのでΔΘが変化
せず、他方、[数9]式では、右辺の分子に現れるα
と、分母に現れるαの2乗から、「1/α」が得られる
ので移動時間ΔTについてはα分の1になる。
【0092】尚、αの値については、「0<α≦1」の
場合に移動時間(例えば、ヘッドの移動制御ではシーク
時間)が拡大し、「1<α」の場合に移動時間が短縮化
される。尚、時間軸変倍に係るパラメータを「1/α」
と定義したので、α値が小さくなると移動時間が長くな
り、逆にα値が大きくなると移動時間が短くなる。
【0093】このように、移動時間を自由に拡大した
り、縮小したい場合には、加速度軸や速度軸についての
スケールを変更することで容易に対処することができ、
指令プロファイル生成のためのアルゴリズムに対して大
幅な変更を余儀なくされることがない。例えば、図5に
示したTN特性線の形状を規定する点「Pi」(i=1
〜7)の座標値パラメータについて、加速度に係るα2
倍、速度に係るα倍の操作により新たな点「P′i」
(i=1〜7)を計算して設定すれば、TN特性の変更
により移動時間ΔTを自在に変化させることができる。
勿論、これらの変倍操作は、前記した微分方程式の解析
解について時間軸のスケーリング操作を行うことと数学
的には等価であるが、後者の操作を移動量(あるいは移
動距離)が小さい場合に適用してみると、移動時間を最
短時間にすることができなかったり、あるいは近似解を
採用した場合に必要な精度が保証されない等といった不
都合が残るが、本発明では特性の変更(つまり、パラメ
ータ値の変更)のみで対処できる。
【0094】次に、特性線が座標軸に関して非対称の形
状とされる場合の、指令プロファイルの生成アルゴリズ
ム及び注意事項について説明する。
【0095】これまでは説明の便宜上、TN特性線図に
おいて、速度軸に関する対称性を仮定してきたが、制御
対象の都合によっては、当該対称性が確保されない場合
もあり得る。
【0096】図9は、速度軸に関して非対称性をもった
特性線(実線部分)を示すTN(特性)線図であり、横
軸に加速度Θ(2)をとり、縦軸に速度Θ(1)をとってい
る。
【0097】同図の第1象限には点P1乃至P3に示さ
れるように、図5と同じ線分からなる折れ線が示されて
いるが、第2象限に示す点P5乃至P7及びこれらの点
を結ぶ線分に関して、第1象限における点や線分との間
に対称性が認められるような幾何学的関係は何ら設定さ
れていない。例えば、点P1とP7に関して、線分L0
1とL70とは異なる長さであるし、点P2を速度軸に
関して第2象限側に移動させても点P6には一致しな
い。
【0098】但し、系に許容される最高速度が第1象限
と第2象限とで同じであるものとし、当該最高速度が各
象限で異なるといった状況(象限の移行時に機械的な衝
撃を伴う。)は想定しないことにする(何故なら、上記
したアルゴリズムの理論的な適用には支障ないが、現実
味のある対象とは考え難く、また議論する程の意味がな
いため。)。
【0099】本発明において、例えば、TN特性線が座
標軸(速度軸)に関して非対称の形状とされる場合に指
令プロファイルを生成するには、先ず、下記に示す2つ
の指令値発生手段を用意する。
【0100】・特性線に係る指令プロファイルを生成す
るための第1の指令値発生手段 ・特性線のうち、減速域における特性線を座標軸(速度
軸)に関して対称に折り返すことで得られる制御線につ
いての指令プロファイルを生成する第2の指令値発生手
段 つまり、第1の指令値発生手段については、これまでに
説明してきたものであるが、第2の指令値発生手段は新
たに必要とされる。
【0101】第2の指令値発生手段は、図9に破線で示
すように、第2象限における特性を示す折れ線を速度軸
に関して折り返した制御線LLについてプロファイル計
算を行うものである。尚、LLの構成点については、第
2象限に示した点「Pj」(j=5〜7)に対して、
「*」を付すこと(「Pj*」)で対称性を明示する。
また、第2の指令値発生手段の構成については、本例に
おいて、図6と同様である(点「Pj*」に係る座標値
が違うので、これに応じて上記dUや1/dAの指定値
が違うだけである。)。
【0102】プロファイル計算においては、これら2つ
の指令値発生手段を同期動作させる。例えば、各手段に
ついて同じ割り込み処理、つまり、サンプリング処理毎
に両者の計算処理を行えば良い(これにより正確な同期
を保証し、必要な制度を確保できる。)。
【0103】そして、第1の指令値発生手段から計算さ
れる現時点までの移動量と、第2の指令値発生手段から
計算される現時点までの移動量との和を求め、これが制
御対象に対する総移動量(の指令値)に等しくなった時
点で加速度入力値の符号を切り替える(例えば、正値か
ら負値に切り替える)とともに、第1の指令値発生手段
により減速域での指令プロファイルを生成する。
【0104】図9を例にしたときの、具体的な処理は以
下の通りである。
【0105】(I)第2象限における特性線(点P4乃
至P7参照)を、速度軸に関して対称に折り返した特性
(破線参照)を第1象限に得る(点P4、P5*乃至P
*)。
【0106】(II)第1象限に関して、点P0、P
1、P2、P4を通過する場合のプロファイルを生成す
る第1の指令値発生手段と、点P0、P7*、P6*、P
*を通過する場合のプロファイルを計算する第2の指
令値発生手段を用意する。
【0107】(III)プロファイルの生成開始ととも
に、2つの指令値発生手段を、サンプリング時間(T
s)毎に同期をとって走らせる。
【0108】(IV)各サンプリング時間毎に各指令値
発生手段の位置(位相)出力の和を計算する。つまり、
第1の指令値発生手段による位置出力を「Θ」とし、第
2の指令値発生手段による位置出力を「Θ′」と記すと
き、「Θ+Θ′」を計算する。
【0109】(V)(IV)で計算した和と、総移動量
ΔΘallとの比較から得られる条件式を、図8の状態遷
移図において各状態間に規定される条件式として用い
る。具体的には、図8における条件式「Θ≧ΔΘall/
2」を条件式「Θ+Θ′≧ΔΘall」に置換すれば良
く、(S2)から(S6)への移行時、(S3)から
(S7)への移行時、(S4)から(S5)への移行時
における条件式を「Θ+Θ′≧ΔΘall」とする。
【0110】(VI)速度が最高速度(Θ(1) max)に達
した場合には、第2の指令値発生手段による計算処理を
中止する。これは総移動量ΔΘallが大きいために、最
高速度をある程度継続する必要のある動作時において、
上記(I)乃至(V)の処理で非対称形状のTN特性に
従う指令プロファイルの生成を可能にするためである。
【0111】尚、第2の指令値発生手段により減速域で
のプロファイルを計算する(時間的に逆方向から計算す
る)理由は、加速度を負値に切り替える、つまり、第2
象限での動作に切り替えるタイミングを知るためであ
り、当該タイミングが上記条件式「Θ+Θ′≧ΔΘal
l」を用いて判断される。従って、位置、速度等の指令
プロファイルを生成する主体は第1の指令値発生手段で
あって、上記dUや1/dAの値が各条件式に応じて切
り替えられるのであり、第1の指令値発生手段から第2
の指令値発生手段に主体が切り替わるのではない(第2
象限について第2の指令値発生手段による指令プロファ
イルが生成される訳ではない。)ことに注意を要する。
【0112】また、条件式「Θ+Θ′≧ΔΘall」にお
いて、TN特性が速度軸に関して対称性を有する場合に
は「Θ=Θ′」とおけて、「2・Θ≧ΔΘall」に帰着
されるので、上記(V)における置換のもつ意味が、T
N特性に係る対称性から非対称性への拡張(一般化)と
なっていることが容易に理解される。
【0113】上記のように、本発明に係る方法では、特
性線が座標軸(速度軸)に関して非対称性を有する場合
への適用に当たって、特性線に係る第1の指令プロファ
イル計算(上記第1の指令値発生手段を用いた計算)
と、特性線のうち減速域における特性線を第2座標軸
(速度軸)に関して対称に折り返すことで得られる制御
線についての第2の指令プロファイル計算(上記第2の
指令値発生手段を用いた計算)とを同期して行うととも
に、第1の指令プロファイル計算から得られるされる現
時点までの移動量(Θ)と、第2の指令プロファイル計
算から得られる現時点までの移動量(Θ′)との和を求
め、これが制御対象に対する総移動量(ΔΘall)に等
しくなった時点で加速度入力値の符号を切り替えて、減
速域での指令プロファイル計算を行う。これによって、
非対称形状の特性線(但し、第1象限と第2象限におい
て最高速度は同じとする。)に沿った指令プロファイル
の生成が可能となり、しかも、そのために、条件式に係
る多少の変更で対処でき、アルゴリズムの本質的な改変
を伴う必要がない。
【0114】本発明に係るアルゴリズムでは、制御対象
に係る移動方向や回転方向を逆にする制御について速度
符号(正負)を変更するだけで対処できる。例えば、図
4のヘッドの制御では、当該ヘッドをディスクに対して
内周から外周に向かう方向に移動させる場合と、逆に、
外周から内周に向かう方向に移動させる場合があるが、
TN特性上での速度の正負を各場合で変更すれば良いの
で、上記したアルゴリズムはそのまま使用できる。従っ
て、速度制御の向きによってアルゴリズムを変える必要
がなく、またTN特性の対称性(加速度軸に関する対称
性)を有効に利用した制御が可能である。勿論、TN特
性が加速度軸に関して非対称であっても特性線の形状を
指定するパラメータの設定がTN特性線図の第3象限及
び第4象限において違うだけであって、アルゴリズムの
基本的な部分に何ら変わるところはない。
【0115】また、上記した例では、特性線が比較的簡
単な場合について示したが、当該特性線が曲線等であっ
ても、多角形での内接近似が可能である限り(外接近似
では、動作点が許容限界を超える場合があるので好まし
くない状況が起き得る。)、本発明に係るアルゴリズム
の適用が可能である。尚、特性線の形状又は特性線に対
する多角形近似の結果、加速度が滑らかに連続しなくな
ることに起因する弊害(例えば、不要振動の発生等。)
への対策に対しては、例えば、指令プロファイルの出力
をそのままの形で用いずに、当該出力を適当なローパス
フィルターに通過させた後の出力を用いることで、加速
度について平滑化できることが知られている。
【0116】この他、本発明の実機への適用に当たっ
て、例えば、サンプリング時間(Ts)の値が大きかっ
たり、あるいは最高速度が大きい場合に、TN特性線上
の起点(P0)から特性線の構成線分に沿う軌跡を描い
て動作点が移動し、再び起点に戻ってきた時点で移動量
の計算誤差が積分される結果、総移動量(指令値)との
間に僅かな相違が発生し得る(所謂量子化誤差の問
題)。この僅かな誤差を吸収するためには、例えば、図
8に示す状態(S9)で「Θ=ΔΘall」にセットす
る、つまり、指令値発生手段2の移動量Θに総移動量Δ
Θallを代入すれば良く、これによりΔΘall分の移動が
正確に達成された後に、アイドリング状態(S1)に戻
ることができる。
【0117】また、図6に示すように、指令値発生手段
2では、加算要素8の後段から加速度Θ(2)の出力を得
ることができるので、例えば、サーボ系に2自由度制御
系を用いる場合には、当該加速度出力を駆動源(ヘッド
制御系でのVCM等)のドライブ入力として利用するこ
とができる。
【0118】図10乃至図18は、本発明に係るサーボ
制御装置及び方法によって得られる指令プロファイルの
一例を示したものである。
【0119】図10乃至図15は、図10に示すTN特
性が与えられた場合に生成されるプロファイル(加速制
御と減速制御を含む。)について示すものであり、図1
1が速度の指令プロファイル(速度指令の時間的変
化)、図12が加速度の指令プロファイル(加速度指令
の時間的変化)、図13が位置の指令プロファイル(位
置指令の時間的変化)をそれぞれ示している。また、図
14は移動量(ΔΘ)と移動時間(ΔT)との関係を示
しており、横軸に移動量をとり、縦軸に移動時間をとっ
たものである。
【0120】本例に示すTN特性線については、図5と
同様の形状をしていて速度軸(N軸)に関する対称性を
もっている。また、速度制御において、最高速度を維持
する定速期間が含まれないので、速度指令はゼロから加
速してピークを示した後(t=Tp)で、減速に移行し
て再びゼロとなる(加速域での速度指令プロファイルと
減速域での速度指令プロファイルとが速度のピーク到達
時点Tpに関して対称性をもつ。)。加速度について
は、最初、一定値(正値)を示してからやや減少した
後、Tpの時点で負値に移行してからさらに減少し(絶
対値の増加)、一定値(負値)を示す。
【0121】図15乃至図18は、図10に示すTN特
性が与えられた場合に生成されるプロファイル(加速制
御、定速制御、減速制御を含む。)について示すもので
あり、図15が速度の指令プロファイル、図16が加速
度の指令プロファイル、図17が位置の指令プロファイ
ルをそれぞれ示している。また、図18は移動量(Δ
Θ)と移動時間(ΔT)との関係を示しており、横軸に
移動量をとり、縦軸に移動時間をとったものである。
【0122】これらの図について、図11乃至図14と
の相違点は、速度制御において最高速度を維持する定速
期間が含まれていることであり、従って、図18のΔΘ
−ΔT特性には当該期間に対応した直線部が含まれる。
【0123】尚、図示は省略するが、速度の指令プロフ
ァイル形状が三角形状又は台形状をしている場合(簡易
な速度プロファイルとして良く用いられている。)へ
の、本発明の適用は容易である。何故なら、この場合の
TN特性は四角形をしているので、その構成線分につい
ては、N軸に平行な線分とT軸に平行な線分との交点を
指定すれば良いからである(加速時、減速時の加速度が
一定である。)。
【0124】しかして、上記した構成によれば、下記に
示す各種の利点が得られる。
【0125】・特性線に従う指令プロファイルを生成す
ることにより、駆動源及び駆動機構のもつ能力を最大限
に引き出すことができ、総移動量の大小に拘らず移動時
間を最短時間にすることができる。
【0126】・特性線に基く指令プロファイルの生成ア
ルゴリズムが明確かつ簡潔であって、計算負担が少な
く、処理にかかる時間が短い。
【0127】・移動時間(ΔT)の短縮や拡大への対応
が容易である。 ・各種形状のTN特性に対処することができ、例えば、
従来から良く採用されている三角形状の速度指令プロフ
ァイル等への対応が容易である。 ・指令プロファイル生成の際に時間軸スケーリングを行
う方法では、加速度が小さくなって移動時間が増える点
で不利となるが(例えば、時間軸のスケールを2倍に変
えた場合に加速度が4分の1、速度が2分の1にな
る。)、本発明では移動量が小さい場合でもサーボ系の
能力を充分に発揮させることができる。
【0128】・設計変更や駆動源等の能力変更に対し
て、TN特性に係る座標値パラメータ、あるいはTN特
性線図における座標軸のスケールを変更するだけ容易に
対処でき、柔軟性が高い。
【0129】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1や請求項5に係る発明によれば、2つの積
分要素と1つの乗算要素、そして加算要素を含むフィー
ドバック構成を採用して演算を行うことで指令プロファ
イルの生成が可能となり、微分方程式の解析解やその近
似解を用いる必要がないので、計算負担が軽減される。
また、速度指令プロファイル等に関して時間軸操作を用
いることなく、しかも移動量が大きくても小さくても最
適な指令プロファイルを生成できるので、与えられた特
性線に従った最短の時間での駆動制御を実現することが
でき、サーボ系の性能(限界性能)を充分に発揮させる
ことができる。
【0130】請求項2に係る発明によれば、指令値発生
手段について比較的簡単な構成を用いることができるの
で、計算時間を短縮化できる。
【0131】請求項3や請求項6に係る発明によれば、
対称性をもった特性線を取り扱うことにより、制御や計
算の簡素化を実現できる(煩雑な処理等を回避でき
る。)。
【0132】請求項4や請求項7に係る発明によれば、
非対称性をもつ特性線について指令プロファイルを生成
できるようになるので、適用範囲が広汎になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2及び図3とともに、TN特性について一例
を示す図である。
【図2】別のTN特性を示す図である。
【図3】さらに別のTN特性を示す図である。
【図4】ディスクに対するヘッドの移動(位置決め)制
御について説明するための図である。
【図5】TN特性について記号等の定義を示す図であ
る。
【図6】指令値発生手段の構成例を示すブロック線図で
ある。
【図7】移動量が少ない場合や中程度の場合を示すTN
特性図である。
【図8】指令値発生手段に係る状態遷移図である。
【図9】速度軸に関して非対称性をもつ特性線について
説明するための図である。
【図10】図11乃至図15とともに、プロファイルの
生成例について説明するための図であり、本図はTN特
性線図である。
【図11】速度の指令プロファイルを示す図である。
【図12】加速度の指令プロファイルを示す図である。
【図13】位置の指令プロファイルを示す図である。
【図14】移動量に対する移動時間の関係を示す図であ
る。
【図15】図16乃至図18とともに、プロファイルの
生成例について説明するための図であり、本図は速度の
指令プロファイルを示す図である。
【図16】加速度の指令プロファイルを示す図である。
【図17】位置の指令プロファイルを示す図である。
【図18】移動量に対する移動時間の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…サーボ制御装置、2…指令値発生手段、8…加算要
素、9…第1の積分要素、10…第2の積分要素、11
…乗算要素
フロントページの続き Fターム(参考) 5H004 GA02 GB16 GB20 HA07 HA08 HA09 HA10 HB07 JA04 JA22 JA29 KA01 KA32 KA42 KA74 KB04 KB07 KC23 LA05 5H303 AA01 AA10 AA22 CC04 DD01 EE03 JJ02 JJ04 KK03 KK04 KK11 KK18 KK20 LL03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速度又はこれに比例する第1座標軸と
    速度又はこれに比例する第2座標軸をもった特性線図上
    の動作点によってその運動が規定される制御対象に対し
    て、当該動作点の移動に応じた加速度又は速度、位置の
    指令プロファイルを演算により生成して制御対象への制
    御指令として送出するサーボ制御装置において、 上記制御対象に係る特性線が、上記両座標軸の間に一次
    関数関係をもつ線分を含んでおり、当該線分の傾斜及び
    加速度入力を、制御対象の移動量に応じて与えることに
    より、上記指令プロファイルを生成する指令値発生手段
    を備えていること、 そして、上記指令値発生手段は、2つの積分要素を縦列
    に接続した構成を有するとともに、上記加速度入力に対
    して初段の積分要素を経た後に、上記傾斜に相当する乗
    算要素を介した出力が当該加速度入力に加算されること
    でフィードバックループが形成されることを特徴とする
    サーボ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のサーボ制御装置におい
    て、 指令値発生手段が、加算要素と、加算要素の後段に配置
    された第1の積分要素と、第1の積分要素の後段に配置
    された第2の積分要素と、第1の積分要素から加算要素
    への帰還路上に配置された乗算要素により構成されてい
    ることを特徴とするサーボ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のサーボ制御装置におい
    て、 特性線が第2座標軸に関して対称形状であることを特徴
    とするサーボ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のサーボ制御装置におい
    て、 特性線が第2座標軸に関して非対称の形状とされ、当該
    特性線に係る指令プロファイルを生成するための第1の
    指令値発生手段と、当該特性線のうち、減速域における
    特性線を第2座標軸に関して対称に折り返すことで得ら
    れる制御線についての指令プロファイルを生成する第2
    の指令値発生手段とを設け、両指令値発生手段を同期動
    作させるとともに、 第1の指令値発生手段から計算される現時点までの移動
    量と、第2の指令値発生手段から計算される現時点まで
    の移動量との和を求め、これが制御対象に対する総移動
    量に等しくなった時点で加速度入力の符号を切り替える
    とともに、第1の指令値発生手段により減速域での指令
    プロファイルを生成することを特徴とするサーボ制御装
    置。
  5. 【請求項5】 加速度又はこれに比例する第1座標軸と
    速度又はこれに比例する第2座標軸をもった特性線図上
    の動作点によってその運動が規定される制御対象に対し
    て、当該動作点の移動に応じた加速度又は速度、位置の
    指令プロファイルを演算により生成して制御対象への制
    御指令として用いるサーボ制御方法において、 上記制御対象に係る特性線が、上記両座標軸の間に一次
    関数関係をもつ線分を含んでおり、当該線分の傾斜及び
    加速度入力を、制御対象の移動量に応じて与えることに
    より、上記指令プロファイルを生成するとともに、その
    際には、上記傾斜と速度との積に上記加速度入力を加算
    した式から加速度を求め、当該加速度に対する時間積分
    により速度を求めるようにしたことを特徴とするサーボ
    制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載したサーボ制御方法にお
    いて、 特性線を第2座標軸に関して対称形状としたことを特徴
    とするサーボ制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の記載したサーボ制御方法にお
    いて、 特性線が第2座標軸に関して非対称性を有する場合に、
    当該特性線に係る第1の指令プロファイル計算と、当該
    特性線のうち、減速域における特性線を第2座標軸に関
    して対称に折り返すことで得られる制御線についての第
    2の指令プロファイル計算とを同期して行うとともに、 上記第1の指令プロファイル計算から得られる現時点ま
    での移動量と、上記第2の指令プロファイル計算から得
    られる現時点までの移動量との和を求め、これが制御対
    象に対する総移動量に等しくなった時点で加速度入力の
    符号を切り替えて、減速域での指令プロファイル計算を
    行うことを特徴とするサーボ制御方法。
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WO2013118404A1 (ja) * 2012-02-08 2013-08-15 三菱電機株式会社 サーボ制御装置

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CN104115083A (zh) * 2012-02-08 2014-10-22 三菱电机株式会社 伺服控制装置
CN104115083B (zh) * 2012-02-08 2016-06-15 三菱电机株式会社 伺服控制装置
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