JP2003004031A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP2003004031A
JP2003004031A JP2001190550A JP2001190550A JP2003004031A JP 2003004031 A JP2003004031 A JP 2003004031A JP 2001190550 A JP2001190550 A JP 2001190550A JP 2001190550 A JP2001190550 A JP 2001190550A JP 2003004031 A JP2003004031 A JP 2003004031A
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Japan
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oil
peripheral surface
sleeve
thrust
thrust plate
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JP2001190550A
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English (en)
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Yoshito Oku
義人 奥
Haruhiko Ito
晴彦 伊藤
Yusuke Matsumoto
祐介 松本
Atsushi Hachiman
篤志 八幡
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡略な工程で、微小間隙内へのオイル注入時に
オイルと空気との交換を容易に行うことができる動圧軸
受を備えたスピンドルモータを提供する。 【解決手段】スリーブには、一方の端部が一対のラジア
ル軸受部間に開口し、他方の端部がスリーブの外周面に
開口する第1の連通孔が形成されると共に、一方の端部
がスラストプレートの外周面と半径方向に対向する段部
の内周面に開口し、他方の端部がスリーブの外周面に開
口する第2の連通孔が複数形成される。オイルは、第1
の連通孔と、第2の連通孔を通じて前記微小間隙内に注
入される。その際、第2の連通孔のうち少なくとも1つ
は、空気抜きとして利用される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は作動流体としてオイ
ルを使用する動圧軸受を備えたスピンドルモータに関す
る。 【0002】 【従来の技術】ハードディスク等のディスク状記録媒体
を回転駆動するために使用されるスピンドルモータは、
ディスクの記憶容量の増大や記録ヘッドによるデータへ
のアクセス速度の向上にともない、これまでロータの回
転を支持するための軸受手段として主に採用されてきた
ボールベアリングの限界性能近くにまで回転速度が高速
化しつつあり、これに代わって回転時に動圧発生溝のポ
ンピングアクションによってオイル等の作動流体に誘起
される動圧を利用し、非接触状態でロータの回転を支持
することが可能な動圧軸受が採用されるようになってき
た。 【0003】このようなオイルを作動流体とする動圧軸
受における微小間隙内へのオイルの注入は、例えば特許
第3054946号に開示される方法が知られている。 【0004】この従来の微小間隙内へのオイルの注入方
法は、軸受アッセンブリに対してスリーブの開口端(シ
ャフトの外周面とスリーブの上端面との間)に適量のオ
イルを滴下しておき、その後遠心加速機を用いてスリー
ブの開口端側から閉塞端側に向かって遠心力を加え、オ
イルを微小間隙内に強制的に導入していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の微小間隙内へのオイル注入方法では、遠心加速機に
より微小間隙内へオイルを導入する際に、微小間隙内に
予め存在している空気の逃げ場がないことから、空気と
オイルとの交換を完全に行うことは困難であり、微小間
隙内に空気が残留する可能性がある。微小間隙内に空気
が残留した場合、モータの回転時に動圧発生用溝のポン
ピングによって動圧軸受部内に空気が侵入し、動圧発生
用溝の一部が空気に露出して必要な動圧を発生すること
ができず、軸支持が安定しない、あるいは温度上昇や軸
受外部の気圧の低下などによって空気が体積膨張し、オ
イルが微小間隙から漏れ出してしまう懸念がある。 【0006】また、遠心加速機を用いることで、製造時
の工数が増加すると共に、製造設備も大がかりなものと
なる。その結果、スピンドルモータの生産性の改善並び
に製造コストの低減を阻害する要因となる。 【0007】本発明は、複雑な製造工程を要することな
く、微小間隙内へのオイル注入時にオイルと空気との交
換を容易に行うことができる動圧軸受を備えたスピンド
ルモータを提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のスピンドルモータは、シャフトと、該シ
ャフトの先端部外周面から半径方向外方に突設される円
板状のスラストプレートと、前記シャフトが挿通される
貫通孔並びに前記スラストプレートを収納する段部とを
有する円筒状のスリーブと、該スリーブの貫通孔の一方
開口を閉塞し前記スラストプレートと軸線方向に対向す
るキャップとを備えたスピンドルモータであって、前記
シャフト並びに前記スラストプレートと前記貫通孔及び
前記段部並びに前記キャップとの間には、オイルが保持
される微小間隙が規定され、前記シャフトと前記貫通孔
との間には、一対のラジアル動圧軸受部が構成され、前
記スラストプレートと前記段部との間には、一方のスラ
スト動圧軸受が前記ラジアル動圧軸受に隣接して構成さ
れ、前記スラストプレートと前記キャップとの間には、
他方のスラスト動圧軸受が構成されており、前記スリー
ブには、一方の端部が前記一対のラジアル軸受部間に開
口し、他方の端部が前記スリーブの外周面に開口する第
1の連通孔が形成されると共に、一方の端部が前記スラ
ストプレートの外周面と半径方向に対向する前記段部の
内周面に開口し、他方の端部が前記スリーブの外周面に
開口する第2の連通孔が複数形成され、前記オイルは、
前記第1の連通孔と、前記第2の連通孔を通じて前記微
小間隙内に注入され且つ前記第2の連通孔のうち、少な
くとも1つは前記オイルの注入の際に空気抜きとして利
用される、ことを特徴とする。 【0009】このように、動圧軸受が構成される微小間
隙内へのオイル注入を第1及び第2の連通孔を通じて行
い、その際に第2の連通孔のうち少なくとも1つを空気
抜きとして利用することで、微小間隙内へのオイルの注
入量に応じて、これと同等の空気だ空気抜きとして利用
される第2の連通孔を通じて排出されるため、微小間隙
内でのオイルと空気の交換が円滑に行われ、微小間隙内
に空気が残留する危険性が可及的に小さくなる。 【0010】従って、微小間隙中に空気が残留し、温度
や気圧といったモータの外部環境の変化に起因するオイ
ルの漏れが効果的に防止される。また、オイルの注入に
遠心加速機等を用いる必要もない。 【0011】尚、上記構成における微小間隙内へのオイ
ルの注入は、まず、第1の連通孔を通じて一対のラジア
ル軸受部側の微小間隙に対して行われる(一次注入)。
そして、第2の連通孔を通じて一方及び他方のスラスト
軸受部側の微小間隙に対して行われる(二次注入)。一
次注入の際には、スラスト軸受部側にはまだオイルが注
入されていないので、ラジアル軸受部側から押し出され
た空気は、スラストプレートの外周部に位置する第2の
連通孔を通じて排出される。また、二次注入の際には、
スラスト軸受部付近に存在していた空気は、オイル注入
に利用されない第2の連通孔を通じて排出されることと
なる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は、本発
明に係るスピンドルモータの実施形態を示す断面図であ
り、図2は、図1に示すスピンドルモータにおけるスラ
ストプレートまわりの構成を拡大して示す部分拡大断面
図である。 【0013】図1において、シャフト2とこのシャフト
2の下端部の外周面から半径方向外方に同軸状に突出す
る円板状のスラストプレート4とが一体的に形成されて
いる。シャフト2の上端部は、シャフト2の外径が上方
に向かって漸次縮小するテーパ状の傾斜面を有する第1
の環状溝2aが形成されている。シャフト2の外周面の
軸線方向中間部にはシャフト2の軸線方向中央部方向に
向かって傾斜する一対の傾斜面を有する第2の環状溝2
bが形成されている。シャフト2のスラストプレート4
側の端部とは反対側の端部は、カップ状のロータハブ6
に取付けられる。ロータハブ6の内周面にはロータマグ
ネット8が装着される。 【0014】シャフト2は、固定の円筒状スリーブ10
内に設けられた貫通孔内に挿通され、貫通孔の内周面と
シャフト2の外周面との間には微小間隙が規定されてい
る。貫通孔の一方の端部には、スラストプレート4と協
働して後に詳述する上部スラスト軸受部を構成する段部
が設けられている。また、スリーブ10の貫通孔の段部
が形成される側の開口は、スラストプレート4の下面と
協働して後に詳述する下部スラスト軸受部を構成するカ
ウンタプレート12によって閉塞される。スラストプレ
ート4の上下面と段部の下面並びに内周面、そしてカウ
ンタプレート12の上面との間には、微小間隙が規定さ
れている。スリーブ10の貫通孔の上方側開口は、シャ
フト2の第1の環状溝2aの傾斜面との間に規定される
テーパ状シールS1において外気に開放されている。ま
た、スリーブ10の外周部はブラケット16に設けられ
た環状の円筒壁16a内に装着される。円筒壁16aの
外周部にはステータ18が取付けられ、ロータマグネッ
ト8と半径方向に対向する。 【0015】スリーブ10の貫通孔の内周面は、シャフ
ト2の外周面に形成された第2の環状溝2bと半径方向
に対向して、スリーブ10の貫通孔の内周面とシャフト
2の外周面との間の半径方向の微小間隙が拡大する間隙
拡大部20が規定されている。スリーブ10には、間隙
拡大部20を軸受外部に開放するために半径方向に延設
される第1の連通孔10aが設けられている。間隙拡大
部20には、第1の通気10aを通じて取り込まれた空
気が保持されている。 【0016】間隙拡大部20の軸線方向上下部には、シ
ャフト2の外周面とスリーブ10の貫通孔の内周面との
間に規定される微小間隙内にオイルが保持されて、それ
ぞれ上部ラジアル軸受部22と下部ラジアル軸受部24
とが構成されている。スリーブ10の貫通孔の内周面の
シャフト2の外周面との間に上部ラジアル軸受部22を
規定する部分には、動圧発生溝22aとして中心位置
(溝の曲折部分の位置)が上部ラジアル軸受部22の軸
線方向中間位置に位置するよう形成される軸線方向に対
称な形状のヘリングボーン溝が設けられており、モータ
の回転時には、このヘリングボーン溝によって上部ラジ
アル軸受部22に保持されたオイルにヘリングボーン溝
の両端側(軸線方向上下部側)から溝の曲折部分に向か
って作用する動圧が発生する。つまり、上部ラジアル軸
受部22では、軸線方向中間位置において圧力ピークが
発生し、両端部において最も圧力が低くなるよう構成さ
れている。 【0017】また、スリーブ10の貫通孔の内周面のシ
ャフト2の外周面との間に下部ラジアル軸受部24を規
定する部分には、動圧発生溝24aとして中心位置(溝
の曲折部分の位置)が下部ラジアル軸受部24の下方に
偏倚して位置するよう形成される軸線方向に非対称な形
状のヘリングボーン溝が設けられており、モータの回転
時には、ヘリングボーン溝によって下部ラジアル軸受部
24に保持されたオイルにヘリングボーン溝の両端側
(上下部側)から溝の曲折部分に向かって作用する動圧
が発生する。つまり、下部ラジアル軸受部24では、軸
線方向下端部近傍において圧力ピークが発生し、上端部
において最も圧力が低くなるよう構成されている。 【0018】上部ラジアル軸受部22の上側には第1の
テーパ状シールS1が位置しており、スリーブ10の貫
通孔の内周面とシャフト2の外周面との間の間隙の半径
方向寸法が軸線方向上方に向かうにつれて漸次拡大す
る。また、上部ラジアル軸受部22の下側と下部ラジア
ル軸受部24の上側との間には、シャフト2の外周面に
一対の傾斜面を有する第2の環状溝2bが位置してお
り、第2の環状溝2bの一対の傾斜面とスリーブ10の
貫通孔の内周面との間に規定される間隙拡大部20は、
スリーブ10の貫通孔の内周面の第1の連通孔10aの
開口部から軸線方向上下方向に向かって間隙寸法が漸次
縮小し、それぞれ第2のテーパ状シールS2と第3のテ
ーパ状シールS3と規定される。上部ラジアル軸受部2
2及び下部ラジアル軸受部24に保持されるオイルと間
隙拡大部20に保持される外気との気液界面は、第2の
テーパ状シールS2及び第3のテーパ状シールS3にお
いて、オイルに作用する外気の表面張力等の圧力がバラ
ンスする位置に位置する。 【0019】上部ラジアル軸受部22に保持されるオイ
ルが長期間にわたる使用によって減少した場合には、第
1のテーパ状シールS1側のオイルと空気との気液界面
と第2のテーパ状シールS2側のオイルと空気との気液
界面とに作用する空気の表面張力による圧力が等しくな
るよう作用し、これら気液界面がそれぞれ上部ラジアル
軸受部22側へ移動する。従って、第1及び第2のテー
パ状シールS1,S2に保持されていたオイルが、上部
ラジアル軸受部22に補充される。 【0020】スラストプレート4の上面とこれと軸線方
向に対向するスリーブ10の段部の下面との間に規定さ
れる微小間隙内には、下部ラジアル軸受部に連続してオ
イルが保持されると共に、スラストプレート4の上面に
動圧発生用溝26aとしてポンプイン型のスパイラル溝
が形成されて上部スラスト軸受部26が構成される。 【0021】また、スラストプレート4の下面とこれと
軸線方向に対向するカウンタプレート12との間に規定
される微小間隙内にはオイルが保持されると共に、スラ
ストプレート4の下面には、動圧発生用溝28aとし
て、上部スラスト軸受部26と同様にポンプイン型のス
パイラル溝28aが形成されて下部スラスト軸受部28
が構成される。 【0022】モータの回転時には、スパイラル溝によっ
て、上部及び下部スラスト軸受部26及び28に保持さ
れたオイルに半径方向内方に向かって圧力が高くなるよ
う作用する動圧が発生する。 【0023】上部スラスト軸受部26に保持されるオイ
ルには、モータの回転時にスパイラル溝によって半径方
向内方に作用する動圧が発生するが、スラストプレート
4の回転中心側にはシャフト2が位置するため、スパイ
ラル溝によるオイルに対する半径方向内方への作用は、
このシャフト2によって阻止される。しかしながら、上
部スラスト軸受部26に隣接する下部ラジアル軸受部2
4には、軸線方向下端部近傍において圧力ピークが発生
するよう軸線方向にアンバランスなヘリングボーン溝が
形成されていると共に、下部ラジアル軸受部24と上部
スラスト軸受部26との間には連続してオイルが保持さ
れていることから、これら下部ラジアル軸受部24と上
部スラスト軸受部26との境界部近傍において、オイル
に作用する動圧の圧力ピークが発生する。従って、下部
ラジアル軸受部24と上部スラスト軸受部26とは、協
働して回転シャフト部12を支持するために必要な動圧
を発生する。 【0024】また、下部スラスト軸受部28において
は、スパイラル溝によるオイルに対する半径方向内方へ
の作用によってシャフト2の軸芯近傍においてオイルに
作用する動圧の圧力ピークが発生し、その分布形状は概
ね軸心に関して対称である。 【0025】上部及び下部スラスト軸受部26,28に
形成される動圧発生用溝26a,28aをスパイラル溝
とすることで、オイルの粘性に起因する抵抗が小さくな
るとともに、スラスト軸受部の動圧発生用溝をヘリング
ボーン溝とする場合に比べて、スラストプレート4を小
径化することができるため、モータの回転時に生じる損
失(回転負荷の増加)を抑制し、モータの消費電力を少
なくすることができる。 【0026】更に、図2においてより詳細に図示される
ように、スラストプレート4の外周面には、上部スラス
ト軸受部26を構成するスラストプレート4の上面側か
らスラストプレート4の厚み方向(軸線方向)中央部に
向かってスリーブ10に設けられた段部の内周面との間
に規定される半径方向の間隙の間隙寸法が拡大するテー
パ状の傾斜面と下部スラスト軸受部28を構成するスラ
ストプレート4の下面側からスラストプレート4の厚み
方向(軸線方向)中央部に向かってスリーブ10に設け
られた段部の内周面との間に規定される半径方向の間隙
の間隙寸法が拡大するテーパ状の傾斜面とから構成され
る断面形状が略V字状の第3の環状溝4aが設けられて
いる。これら第3の環状溝4aを規定する一対の傾斜面
は、それぞれスラストプレート4の上面及び下面側から
スラストプレート4の厚み方向の略中央部に向かって実
質的に同一の傾斜角をもって傾斜している。 【0027】スリーブ10には、スリーブ10の段部の
内周面及びスリーブ10の外周面に開口するよう半径方
向に延設される複数の第2の連通孔10b1,10b2
が設けられており、各第2の連通孔10b1,10b2
は、ブラケット16に設けられた環状の円筒壁16aの
内周面に全周にわたって形成された環状凹溝16a1に
よって連結されている。また、この環状凹溝16a1に
連続するようにスリーブ10の外周面の一部には軸線方
向の切欠き10cが設けられており、これら切欠き10
c、環状凹溝16a1及び第2の連通孔10b1,10
b2を通じて、第3の環状溝4aとスリーブ10に設け
られた段部の内周面との間に規定される一対のテーパ状
の空間内に外気が取り入れられ保持されている。上部ス
ラスト軸受部26及び下部スラスト軸受部28に保持さ
れるオイルと外気との気液界面は、この第3の環状溝4
aとスリーブ10の段部の内周面との間に規定される一
対のテーパ状の空間において、オイルに作用する外気の
表面張力等の圧力がバランスする位置に形成される。す
なわち、第3の環状溝4aとスリーブ10の段部の内周
面との間に規定される一対のテーパ状の空間は、それぞ
れ第4のテーパ状シールS4及び第5のテーパ状シール
S5とを規定する。 【0028】上記のようにスラストプレート4の外周面
に設けられた第3の環状溝4aは、実質的に同一の傾斜
角を有する一対の傾斜面から構成されるので、第4及び
第5のテーパ状シールS4,S5も実質的に同一のテー
パ角及びシール長(シール機能を発揮する領域の寸法)
を有している。また、上部スラスト軸受部26に連続し
てオイルが保持される下部ラジアル軸受部に保持される
オイルの端部である、第3のテーパ状シールS3は、第
4並びに第5のテーパ状シールS4,S5内に保持され
るオイルとオイルの内部圧力が等しくなるようバランス
可能な形状を有する。従って、スラストプレート4の外
周部に保持されるオイルは、スラストプレート4の厚み
方向略中央部を介して実質的に均等となるよう分離され
ており、そのため下部ラジアル軸受部22,上部スラス
ト軸受部26並びに下部スラスト軸受部28に保持され
るオイルのバッファオイルとして機能するオイルの量に
アンバランスが生じることはない。 【0029】尚、上部ラジアル軸受部22に保持される
オイルの気液界面が位置する第1のテーパ状シールS1
及び第2のテーパ状シールS2の形状は、上部ラジアル
軸受部22に保持されるオイルの量を勘案し、下部ラジ
アル軸受部24、上部及び下部スラスト軸受部26,2
8における軸受部に保持されるオイルに対するバッファ
オイルが実質的に同等となるよう設定される。これによ
り、スピンドルモータにおける各軸受部で保持されるオ
イルの量に対するバッファオイルの量が実質的に等しく
なり、蒸発等によってオイルが減少した場合の各軸受部
間での減少率も実質的に等しくなる。よって、一部の軸
受部のみバッファオイルとして機能する、テーパ状シー
ル内に保持されるオイルの量が少なくなり、早期に枯渇
するといった軸受としての耐久性及び信頼性を低下させ
る問題の発生が防止される。 【0030】この場合のテーパ状シールを構成する各傾
斜面の傾斜角は、軸受部の寸法、軸受を構成するシャフ
トやスリーブといった部材の材質、軸受部に保持される
オイルの量や粘性等を考慮し、適宜選択可能であるが、
概ね5度乃至50度、好ましくは15度から40度の範
囲に設定するのが良い。 【0031】次に、上記構成のスピンドルモータにおけ
る各動圧軸受部22,24,26及び28に対するオイ
ル注入について説明する。 【0032】まず、第1の通気孔10aを通じて間隙拡
大部20側へオイルが注入され、一次注入が行われる。
間隙拡大部20側へ注入されたオイルは毛細管現象によ
って順次上部ラジアル軸受部22側の微小間隙内並びに
下部ラジアル軸受部24側の微小間隙内へと侵入する。
その際、オイル注入前に上部及び下部ラジアル軸受部2
2,24側の微小間隙内に存在していた空気は、スリー
ブ10の貫通孔の第1のテーパ状シールS1側開口及び
第2の連通孔10b1及び10b2を通じて外部に排出
される。 【0033】オイルの一次注入が完了すると第2の連通
孔10b2を通じてスラストプレート4の外周部分にオ
イルが注入され、二次注入が行われる。スラストプレー
ト4の外周部分に注入されたオイルは、毛細管現象によ
って上部スラスト軸受部26側の微小間隙内並びに下部
スラスト軸受部28側の微小間隙内へと侵入する。その
際、オイル注入前に上部及び下部スラスト軸受部26,
28側の微小間隙内に存在していた空気は、第2の連通
孔10b1を通じて外部に排出される。 【0034】このように、一次注入、二次注入ともに、
微小間隙内に存在していた空気の逃がしを確保した上で
オイル注入が行われるので、オイルと空気との交換が円
滑に行われ、微小間隙内に空気が残留する危険性が可及
的に小さくなる。 【0035】一次注入、二次注入が完了すると、モータ
を所定の回転数よりも低速で駆動し、初期エージングを
行う。この初期エージング時に、オイルが動圧発生用溝
22a,24a,26a及び28aによる緩やかなポン
ピングによって各軸受部に適切に配分される。これによ
り、動圧軸受部の組立が完了したこととなる。 【0036】以上、本発明のスピンドルモータの実施形
態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定
されるものではなく、発明の範囲を逸脱することなく種
々の変形乃至修正が可能である。 【0037】例えば上記実施形態におけるスピンドルモ
ータでは、スラストプレート4の外周部に形成される第
4及び第5のテーパ状シールS4,S5に外気を取り込
むために設けられた第2の連通孔10b1,10b2を
回転軸芯に対して180度対向する位置に一対設けた構
成を有しているが、第2の連通孔10b1,10b2は
第4及び第5のテーパ状シールS4,S5に外気を取り
込むことが可能となり且つオイルの二次注入時に空気の
逃がしを確保することができるよう、少なくとも2つ形
成されていればよく、また3つ以上形成することも可能
である。 【0038】 【発明の効果】本発明のスピンドルモータでは、複雑な
製造工程を要することなく、微小間隙内へのオイル注入
時にオイルと空気との交換を容易に行うことができ、温
度や気圧といったモータの外部環境の変化に起因するオ
イルの漏れを効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るスピンドルモータの実施形態を示
す断面図である。 【図2】図1に図示されるスピンドルモータにおけるス
ラストプレートまわりの構成を拡大して示す、拡大部分
断面図である。 【符号の説明】 2 シャフト 4 スラストプレート 10 スリーブ 10a,10b1、10b2 連通孔 12 カウンタプレート(キャップ) 22,24 ラジアル軸受部 26,28 スラスト軸受部 22a,24a,26a,28a 動圧発生溝 S1,S2,S3,S4,S5 テーパ状シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八幡 篤志 長野県上伊那郡飯島町田切1145−4 日本 電産株式会社長野技術開発センター内 Fターム(参考) 3J011 AA06 BA02 BA08 CA02 JA02 KA02 KA03 MA27 5H607 BB01 BB17 BB25 CC01 DD03 EE10 GG01 GG02 GG12 GG15 GG25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シャフトと、該シャフトの先端部外周面
    から半径方向外方に突設される円板状のスラストプレー
    トと、前記シャフトが挿通される貫通孔並びに前記スラ
    ストプレートを収納する段部とを有する円筒状のスリー
    ブと、該スリーブの貫通孔の一方開口を閉塞し前記スラ
    ストプレートと軸線方向に対向するキャップとを備えた
    スピンドルモータであって、 前記シャフト並びに前記スラストプレートと前記貫通孔
    及び前記段部並びに前記キャップとの間には、オイルが
    保持される微小間隙が規定され、 前記シャフトと前記貫通孔との間には、一対のラジアル
    動圧軸受部が構成され、 前記スラストプレートと前記段部との間には、一方のス
    ラスト動圧軸受が前記ラジアル動圧軸受に隣接して構成
    され、 前記スラストプレートと前記キャップとの間には、他方
    のスラスト動圧軸受が構成されており、 前記スリーブには、一方の端部が前記一対のラジアル軸
    受部間に開口し、他方の端部が前記スリーブの外周面に
    開口する第1の連通孔が形成されると共に、一方の端部
    が前記スラストプレートの外周面と半径方向に対向する
    前記段部の内周面に開口し、他方の端部が前記スリーブ
    の外周面に開口する第2の連通孔が複数形成され、 前記オイルは、前記第1の連通孔と、前記第2の連通孔
    を通じて前記微小間隙内に注入され且つ前記第2の連通
    孔のうち、少なくとも1つは前記オイルの注入の際に空
    気抜きとして利用される、ことを特徴とするスピンドル
    モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100660180B1 (ko) 2006-03-20 2006-12-20 에이테크솔루션(주) 슬리브와 샤프트의 결합구조가 개선된하드디스크드라이브용 스핀들모터

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KR100660180B1 (ko) 2006-03-20 2006-12-20 에이테크솔루션(주) 슬리브와 샤프트의 결합구조가 개선된하드디스크드라이브용 스핀들모터

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