JP2003003866A - ディーゼル機関用メカニカルガバナ装置 - Google Patents

ディーゼル機関用メカニカルガバナ装置

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JP2003003866A
JP2003003866A JP2001191858A JP2001191858A JP2003003866A JP 2003003866 A JP2003003866 A JP 2003003866A JP 2001191858 A JP2001191858 A JP 2001191858A JP 2001191858 A JP2001191858 A JP 2001191858A JP 2003003866 A JP2003003866 A JP 2003003866A
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lever
governor
torque
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spring
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Kenji Shingu
健次 新宮
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Yanmar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のガバナ装置においては、トルク制御用
のアングライヒスプリング機構がハウジングに内臓され
ていたので、運転中にトルク調整を行うことができず、
ディーゼル機関の運転状態での微妙な調整を行うことが
できなかった。 【解決手段】 ガバナレバー軸15上に回動自在に支持
されるテンションレバー12と、該テンションレバー上
に回動自在に支持されるガバナレバー11と、トルクレ
バー27によりガバナレバー仕組を構成し、該テンショ
ンレバーにトルク制御用アングライヒスプリング機構1
9を設け、該機構19にてトルクレバーを制御すること
で、ガバナレバーを介して燃料噴射ポンプの噴射量制御
を行い、外部から操作可能な、且つ該テンションレバー
12に当接する制限ボルト33、及び該機構19に当接
する制限ボルト32をガバナケース8に設け、エンジン
運転中での最大トルクの調節を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル機関に
用いられるメカニカルガバナ装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ディーゼル機関用のメカニカ
ルガバナ装置は、ガバナウェイトの遠心力をガバナレバ
ー機構に伝達し、該ガバナレバー機構により燃料噴射ポ
ンプのコントロールラック位置を制御するように構成さ
れている。このメカニカルガバナ装置においては、ガバ
ナレバー機構にトルク制御機構が設けられ、且つ中低速
域においてもパーシャル復帰率が良好であるガバナ装置
として、アングライヒスプリング機構が設けられたもの
があった。このようなメカニカルガバナ装置のトルク調
整機構は、ハウジングに内臓されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のガバナ
装置においては、トルク調整機構がハウジングに内臓さ
れていたので、運転中にトルク調整を行うことができ
ず、ディーゼル機関の運転状態での微妙な調整を行うこ
とができなかった。
【0004】ここで、近年益々厳しくなってきているデ
ィーゼル機関の排気ガス規制に対応し生産していくため
には、機関の広い回転域での最大トルク(出力)を高精
度に調整して、規制値をクリアすることが必要となって
きている。このような高精度な調整を行うためには、機
関を運転しながらのトルク調整ができるとともに、中低
速域においてもパーシャル復帰率がよいガバナ装置の提
供が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1に記載のごとく、ガ
バナレバー軸とコントロールレバー軸とを備えたディー
ゼル機関用メカニカルガバナ装置において、ガバナレバ
ー軸上に回動自在に支持されるテンションレバーと、該
テンションレバー上に回動自在に支持されるガバナレバ
ーと、トルクレバーとによりガバナレバー仕組を構成
し、該テンションレバーにトルク制御用アングライヒス
プリング機構を設け、該制御スプリング機構にてトルク
レバーを制御することにより、ガバナレバーを介してガ
バナ装置に付設される燃料噴射ポンプの噴射量制御を行
い、外部から操作可能な、テンションレバーに当接する
最大出力制限部材、及びトルク制御用アングライヒスプ
リング機構に当接する制限部材をガバナケースに設け
て、該制限部材にて最大出力及び最大トルクの調節を可
能とした。
【0006】また、請求項2に記載のごとく、前記テン
ションレバーとトルクレバーとの間にバネ部材を設け、
エンジン始動時には該バネ部材の付勢力により、トルク
レバーを介してガバナレバーにより、燃料噴射ポンプの
噴射量を始動増量位置に移動可能とした。
【0007】また、請求項3に記載のごとく、前記トル
クレバーとガバナレバーとは、同軸上で相対的に回動可
能に支持されるとともに、連結バネ部材により連結さ
れ、該ガバナレバーを連結バネ部材の付勢力に抗して燃
料噴射ポンプの噴射停止方向に回動可能な構成とした。
【0008】また、請求項4に記載のごとく、前記トル
ク制御用アングライヒスプリング機構における、スプリ
ング付勢力の初期設定値を調節するための調整部材を、
テンションレバーに設けた。
【0009】また、請求項5に記載のごとく、前記ディ
ーゼル機関用ガバナ装置の最大出力時噴射量を制限する
ための制限部材に、スプリング機構を用い、前記トルク
制御用アングライヒスプリング機構と併用した。
【0010】また、請求項6に記載のごとく、前記テン
ションレバーに圧入される、トルクレバー及びガバナレ
バーの軸受けの外周に、低摩擦化処理を施した。
【0011】また、請求項7に記載のごとく、前記トル
ク制御用アングライヒスプリング機構のケースに、該ケ
ースに内装されるスプリングを挿脱可能な開閉部を構成
した。
【0012】また、請求項8に記載のごとく、前記ディ
ーゼル機関用ガバナ装置のハウジングに、始動時噴射量
の調整のため、トルクレバーの作動量を調節する調整部
材を装着した。
【0013】また、請求項9に記載のごとく、前記トル
ク制御用アングライヒスプリング機構における、最大ト
ルク時の噴射量の調整を行う調整部材を、クランク軸方
向に対して直交する方向から操作可能とした。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明のガバナ装置を示す側面断面図、図
2は同じく正面断面図、図3はガバナレバー仕組を構成
するガバナレバー、テンションレバー、及びトルクレバ
ーを示す斜視図、図4はカム軸回転速度とラック位置と
の関係を示す図、図5はガバナ装置の別実施例を示す
図、図6はトルクスプリング仕組の有無による、カム軸
回転速度とラック位置との関係の違い、並びにエンジン
回転速度と軸トルクと関係の違いを示す図、図7はアン
グライヒシフタの摺動寸法を可変する調整部材を、カム
軸方向に対して直交する方向から操作可能とした例を示
す側面断面図、図8は同じく正面断面図である。
【0015】本発明のガバナ装置の構成について説明す
る。図1、図2において、燃料噴射ポンプのカム軸5が
ポンプケーシング1下部に支持されており、該カム軸5
の一端部が、該ポンプケーシング1に取付固定されるガ
バナ装置7のケーシング8内に突出している。該カム軸
5の一端部にはガバナウェイト9が取り付けられ、遠心
力によるガバナウェイト9の動きを、スリーブ10を介
してトルクレバー27の下端部に伝達するように構成し
ている。
【0016】トルクレバー27及びガバナレバー11
は、上下中間部がテンションレバー12上の第一回動軸
15aにより回動自在に支持されており、連結スプリン
グ13の付勢力により互いに当接・連結されている。ま
た、ガバナレバー軸15には、テンションレバー12
が、回動軸受15bを介して回動自在に支持されてい
る。テンションレバー12の上部にはトルク制御用アン
グライヒスプリング機構19が構成されている。該トル
ク制御用アングライヒスプリング機構19は、テンショ
ンレバー12内に摺動自在に挿入されるアングライヒシ
フタ19aを、テンションレバー12に内装されるアン
グライヒスプリング19bによりトルクレバー27側へ
付勢して構成しており、該アングライヒシフタ19aは
トルクレバー27の上部に当接している。
【0017】ガバナレバー11は、その上端部がリンク
16を介して燃料噴射ポンプのコントロールラックに連
結されている。そして、該ガバナレバー11によりリン
ク16を介してコントロールラックを移動させることに
より、燃料噴射ポンプの燃料噴射量が変化するように構
成している。
【0018】また、テンションレバー12は、ガバナレ
バー軸15より上方に位置する部分が連結板17及びガ
バナスプリング20を介して、レバー21の先端部に連
結されている。該レバー21の基端部は前記ガバナレバ
ー軸15と平行なコントロールレバー軸22の一端部に
固定されている。該コントロールレバー軸22の他端部
にはコントロールレバー25が連結されている。該コン
トロールレバー25には図示しない操作機構が接続さ
れ、該操作機構によりコントロールレバー25を回動操
作すると、コントロールレバー軸22、レバー21、ガ
バナスプリング20、及び連結板17を介してテンショ
ンレバー12が回動される。
【0019】テンションレバー12が増量側へ回動され
ると、トルク制御用アングライヒスプリング機構19を
介してトルクレバー27が回動される。この場合、トル
クレバー27の下端部とガバナレバー11の下端部とは
連結スプリング13により連結されており、トルクレバ
ー27と一体的にガバナレバー11が回動動作して、コ
ントロールラックを燃料増量方向へ移動させる。尚、図
1乃至図3に示すように、ガバナレバー軸15に支持さ
れる、前記テンションレバー12と、第一回動軸15a
により支持されるガバナレバー11と、トルクレバー2
7とによりガバナレバー仕組が構成されている。
【0020】テンションレバー12の下端部とトルクレ
バー27の下端部との間には始動スプリング14が圧縮
状態で介装されており、トルクレバー27の下端部をガ
バナウェイト9側へ付勢して、ガバナレバー11を燃料
増量側へ移動可能とし、始動増量を確保するようにして
いる。このように、始動時における燃料噴射量を増量す
ることで、始動性能の向上を図っている。
【0021】また、ケーシング8には、トルクレバー2
7の上端部に当接する始動時噴射量調整ボルト31が取
り付けられており、該始動時噴射量調整ボルト31によ
りトルクレバー27の回動量を規制して、始動時噴射量
の調整を可能としている。該始動時噴射量調整ボルト3
1はケーシング8の外部から操作可能であり、調整後は
キャップ31aを被装してユーザー側等で不用意な調整
が行われることを防止している。このように、始動時噴
射量調整ボルト31により始動時噴射量の調整を可能と
することで、始動時噴射量を適正にして、機関の始動立
ち上がり時の黒煙排出の抑制を図ることができる。
【0022】また、ケーシング8における始動時噴射量
調整ボルト31の上方には、テンションレバー12の回
動動作位置を規制する噴射量制限ボルト33が取り付け
られている。該噴射量制限ボルト33はテンションレバ
ー12の上端部に当接可能であり、テンションレバー1
2が噴射量制限ボルト33に当接すると、該テンション
レバー12のそれ以上の燃料噴射増量方向への回動動作
が規制される。該噴射量制限ボルト33はケーシング8
の外部から操作可能であり、調整後はキャップ33aを
被装してユーザー側等で不用意な調整が行われることを
防止している。これにより、燃料噴射ポンプの燃料噴射
量が制限され、最大出力が規制される。
【0023】前記トルク制御用アングライヒスプリング
機構19のアングライヒシフタ19aは寸法d1だけ摺
動可能であり、この寸法d1の範囲内で、テンションレ
バー12とトルクレバー27との間にアングライヒスプ
リング19bによる付勢力が付与されている。これによ
り、トルク制御用アングライヒスプリング機構19での
トルクレバー27の制御が行われ、ガバナレバー11を
介して燃料噴射ポンプの噴射量を制御するようにしてい
る。テンションレバー12の下端部には、その一端部が
トルクレバー27の下端部に当接するアングライヒスプ
リング調整ボルト18が螺装され、該アングライヒスプ
リング調整ボルト18によりアングライヒシフタ19a
の摺動寸法d1を可変可能としている。これにより、ト
ルク制御用アングライヒスプリング機構19のアングラ
イヒスプリング19bにおける、初期設定のスプリング
力調整を行うことを可能として、アングライヒスプリン
グ19bが利き始める回転速度の大きさと最大トルクと
の両方の微調整を行うことができ、最大トルクカーブを
精度良く作り込むことが可能となる。
【0024】また、ケーシング8には、トルク制御用ア
ングライヒスプリング機構19のアングライヒシフタ1
9aに当接する、トルク制限ボルト32が螺装されてい
る。該トルク制限ボルト32は、ケーシング8の外部か
ら回転操作可能であり、回転操作することにより図1に
おける左右方向に移動可能である。また、該噴射量制限
ボルト33にはキャップ33aを被装して、一旦調整し
た後にユーザー側等で不用意な調整が行われることを防
止している。これにより、容易に外部から最大トルクの
調節を行うことが可能となって、機関を運転しながらの
トルク特性の調整を行うことができ、広い回転域での最
大トルクを精度良く調整することが可能となる。従っ
て、図4に示す「回転速度−ラック位置特性」の如く、
回転数Ncや回転数Nd等の中低速域での各回転数にお
けるトルク復帰率、即ちパーシャル復帰率が良好な特性
を有するガバナ装置7においても最大トルクを規制値内
に入れることができ、エンストを防止して作業効率を向
上した快適作業を達成できる機関を、厳しい排気ガス規
制に対応したクリーンな機関として構成することができ
る。
【0025】図2、図3に示すように、トルクレバー2
7の上端部には、略「U」字形状の切欠部27aが形成
されており、ケーシング8に取り付けられる前記トルク
制限ボルト32は、該切欠部27aを貫通してアングラ
イヒシフタ19aに当接している。尚、トルク制限ボル
ト32は切欠部27aに対して摺動自在に貫通している
ので、該トルク制限ボルト32がトルクレバー27の作
動の妨げになることはない。
【0026】また、ガバナレバー11及びトルクレバー
27は、第一回動軸15aを介してテンションレバー1
2に支持され、該テンションレバー12は回動軸受15
bを介してガバナレバー軸15に支持されており、該ガ
バナレバー11及びトルクレバー27は、第一回動軸1
5aに対して回動自在とされている。第一回動軸15a
は、その外周に、低摩擦材をコーティングしたり、メッ
キしたり、焼結させたり、さらに熱処理を行う等、低摩
擦化処理を施している。これにより、テンションレバー
12、ガバナレバー11及びトルクレバー27等の作動
時におけるヒステリシスの低減を図ることができ、トル
ク復帰率の改善や、ハンチング防止、及びスタビリティ
の改善等といったガバナ性能の向上を図ることができ
る。
【0027】前記ガバナレバー11においては、ガバナ
レバー軸15よりも上方位置にストッピングアーム11
aが延出している。該ストッピングアーム11aの上端
部には、ケーシング8に付設されるソレノイド36の押
圧ピン36aが当接可能となっている。該ソレノイド3
6の押圧ピン36aは、通常時はソレノイド36に供給
される電流により縮小しており、緊急時等に機関を停止
させたいときには、ソレノイド36への電流供給が遮断
されて、押圧ピン36aが伸長するように構成されてい
る。
【0028】押圧ピン36aが伸長すると、該押圧ピン
36aがストッピングアーム11aの上端部に当接し、
該ストッピングアーム11aが押圧されて、ガバナレバ
ー11が、ガバナレバー11とトルクレバー27とを連
結する連結スプリング13の付勢力に抗して、燃料噴射
が停止される方向に回動される。これにより、燃料噴射
ポンプからの燃料噴射が停止され、機関への燃料供給が
遮断されて機関が停止する。このように、燃料噴射を停
止させる燃料遮断機構を、ケーシング8に付設されるソ
レノイド36等の停止部材によりガバナレバー11を回
動操作するようにして構成することで、該燃料遮断機構
の構成をコンパクト化及び簡素化することができる。
【0029】前記トルク制御用アングライヒスプリング
機構19は、次のように構成することもできる。即ち、
図5に示すトルク制御用アングライヒスプリング機構5
9は、テンションレバー12内に摺動自在に挿入される
アングライヒシフタ59aを、テンションレバー12に
内装されるアングライヒスプリング59bによりトルク
レバー27側へ付勢して構成している。該アングライヒ
シフタ59aはトルクレバー27の上部に当接してい
る。また、該トルク制御用アングライヒスプリング機構
59における、テンションレバー12の反アングライヒ
シフタ59a側には交換用プラグ59cが螺装されてい
る。
【0030】交換用プラグ59cはテンションレバー1
2に対して着脱可能に取り付けられており、該交換用プ
ラグ59cをテンションレバー12から取り外すと、交
換用プラグ59cを取り外した部分から内部のアングラ
イヒスプリング59bの交換を行うことができるように
構成されている。これにより、アングライヒスプリング
59bの交換を、前記ガバナレバー仕組をケーシング8
に仕組んだ状態で行うことが可能となり、機関の多種・
多用途化に対応するトルク特性を作り込む作業の作業性
の改善を図ることができる。
【0031】また、図5におけるガバナ装置7において
は、図1等に示すガバナ装置7の噴射量制限ボルト33
の代わりに、ケーシング8にトルクスプリング仕組53
が設けられている。トルクスプリング仕組53は、ケー
シング8に螺装されるスプリングケース53aと、該ス
プリングケース53a内に摺動自在に収納されテンショ
ンレバー12に当接可能な摺動ロッド53bと、該摺動
ロッド53bをテンションレバー12側へ付勢するトル
クスプリング53bと、摺動ロッド53bの摺動量を規
制する調節ボルト53dとで構成されている。
【0032】トルクスプリング仕組53は、トルクスプ
リング53bの付勢力を、摺動ロッド53bを通じてテ
ンションレバー12の上端部に作用させることにより、
カム軸5の回転数が下がった際に、コントロールラック
の燃料増量方向への移動を制御してトルクアップを図る
ものであり、特に高速域における機関出力の粘りを出す
ことを可能としている。例えば、図6(a)に示す「回
転速度−ラック位置特性」の如く、トルクスプリング仕
組53を設けない場合の特性曲線Laに比べて、トルク
スプリング仕組53を設けた場合は特性曲線Lbとな
り、これを図6(b)に示すように、「エンジン回転速
度−軸トルク」に表せば、トルクスプリング仕組53を
設けない場合のトルク曲線Taが、トルクスプリング仕
組53を設けるとトルク曲線Tbとなる。このように、
トルクスプリング仕組53により、高速域でのトルクア
ップが図られている。
【0033】トルクスプリング仕組53における、摺動
ロッド53bは、調節ボルト53dとの間の寸法d2だ
け摺動可能であり、摺動ロッド53bが摺動可能な寸法
d2は調節ボルト53dの回転操作により調節可能とな
っている。このように、トルクスプリング仕組53を設
けて、摺動ロッド53bの摺動範囲を調節可能とするこ
とで、機関のトルク特性を任意に作り込むことが可能と
なり、多種・多用途の作業機における、最適作業性に広
く対応することができる。
【0034】また、前記トルク制御用アングライヒスプ
リング機構19におけるアングライヒシフタ19aの摺
動寸法d1を可変する調整部材は、図7、図8に示すよ
うに、カム軸5方向に対して直交する方向から操作可能
な調節ピン61とすることもできる。調節ピン61は、
断面視半円形状に形成されるピン部材であり、軸心を中
心に回動可能とされている。そして、該調節ピン61を
回動操作することにより、該調節ピン61に当接するア
ングライヒシフタ19aと、調節ピン61の軸心との寸
法が変化して、該アングライヒシフタ19aの摺動寸法
d1を調節することが可能となっている。このように、
摺動寸法d1を可変する調整部材を、カム軸5方向に対
して直交する方向から操作可能な調節ピン61とするこ
とで、ガバナ装置7外部におけるカム軸方向にスペース
を確保することができない場合でも、該摺動寸法d1の
調節を容易に行うことが可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如
く、ガバナレバー軸とコントロールレバー軸とを備えた
ディーゼル機関用メカニカルガバナ装置において、ガバ
ナレバー軸上に回動自在に支持されるテンションレバー
と、該テンションレバー上に回動自在に支持されるガバ
ナレバーと、トルクレバーとによりガバナレバー仕組を
構成し、該テンションレバーにトルク制御用アングライ
ヒスプリング機構を設け、該制御スプリング機構にてト
ルクレバーを制御することにより、ガバナレバーを介し
てガバナ装置に付設される燃料噴射ポンプの噴射量制御
を行い、外部から操作可能な、テンションレバーに当接
する最大出力制限部材、及びトルク制御用アングライヒ
スプリング機構に当接する制限部材をガバナケースに設
けて、該制限部材にて最大出力及び最大トルクの調節を
可能としたので、容易に外部から最大トルクの調節を行
うことが可能となって、機関を運転しながらのトルク特
性の調整を行うことができ、広い回転域での最大トルク
を精度良く調整することが可能となる。従って、中低速
域での各回転数におけるトルク復帰率、即ちパーシャル
復帰率が良好な特性を有するガバナ装置においても最大
トルクを規制値内に入れることができ、エンストを防止
して作業効率を向上した快適作業を達成できる機関を、
厳しい排気ガス規制に対応したクリーンな機関として構
成することができる。
【0036】請求項2に記載の如く、前記テンションレ
バーとトルクレバーとの間にバネ部材を設け、エンジン
始動時には該バネ部材の付勢力により、トルクレバーを
介してガバナレバーにより、燃料噴射ポンプの噴射量を
始動増量位置に移動可能としたので、始動時における燃
料噴射量を増量することができ、始動性能の向上を図る
ことができる。
【0037】請求項3に記載の如く、前記トルクレバー
とガバナレバーとは、同軸上で相対的に回動可能に支持
されるとともに、連結バネ部材により連結され、該ガバ
ナレバーを連結バネ部材の付勢力に抗して燃料噴射ポン
プの噴射停止方向に回動可能な構成としたので、停止部
材及び該停止部材が当接するガバナレバーにて構成さ
れ、燃料噴射を停止させる燃料遮断機構の構成を、コン
パクト化及び簡素化することができる。
【0038】請求項4に記載の如く、前記トルク制御用
アングライヒスプリング機構における、スプリング付勢
力の初期設定値を調節するための調整部材を、テンショ
ンレバーに設けたので、アングライヒスプリングが利き
始める回転速度の大きさと最大トルクとの両方の微調整
を行うことができ、最大トルクカーブを精度良く作り込
むことができ、単一種の部品構成で多機種への適用が可
能となる。
【0039】請求項5に記載の如く、前記ディーゼル機
関用ガバナ装置の最大出力時噴射量を制限するための制
限部材に、スプリング機構を用い、前記トルク制御用ア
ングライヒスプリング機構と併用したので、機関のトル
ク特性を任意に作り込むことが可能となり、多種・多用
途の作業機における、最適作業性に広く対応することが
できる。
【0040】請求項6に記載の如く、前記テンションレ
バーに圧入される、トルクレバー及びガバナレバーの軸
受けの外周に、低摩擦材をコーティングしたり、メッキ
したり、焼結させたり、さらに熱処理を行う等の、低摩
擦化処理を施したので、ガバナレバー及びトルクレバー
等の作動時におけるヒステリシスの低減を図ることがで
き、トルク復帰率の改善や、ハンチング防止、及びスタ
ビリティの改善等といったガバナ性能の向上を図ること
ができる。
【0041】請求項7に記載の如く、前記トルク制御用
アングライヒスプリング機構のケースに、該ケースに内
装されるスプリングを挿脱可能な開閉部を構成したの
で、アングライヒスプリングの交換を、前記ガバナレバ
ー仕組をケーシングに仕組んだ状態で行うことが可能と
なり、機関の多種・多用途化に対応するトルク特性を作
り込む作業の作業性の改善を図ることができる。
【0042】請求項8に記載の如く、前記ディーゼル機
関用ガバナ装置のハウジングに、始動時噴射量の調整の
ため、トルクレバーの作動量を調節する調整部材を装着
したので、始動時噴射量を適正にして、機関の始動立ち
上がり時の黒煙排出の抑制を図ることができる。
【0043】請求項9に記載の如く、前記トルク制御用
アングライヒスプリング機構における、最大トルク時の
噴射量の調整を行う調整部材を、クランク軸方向に対し
て直交する方向から操作可能としたので、ガバナ装置外
部におけるカム軸方向にスペースを確保することができ
ない場合でも、該摺動寸法の調節を容易に行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガバナ装置を示す側面断面図である。
【図2】同じく正面断面図である。
【図3】ガバナレバー仕組を構成するガバナレバー、テ
ンションレバー、及びトルクレバーを示す斜視図であ
る。
【図4】カム軸回転速度とラック位置との関係を示す図
である。
【図5】ガバナ装置の別実施例を示す図である。
【図6】トルクスプリング仕組の有無による、カム軸回
転速度とラック位置との関係の違い、並びにエンジン回
転速度と軸トルクと関係の違いを示す図である。
【図7】アングライヒシフタの摺動寸法を可変する調整
部材を、カム軸方向に対して直交する方向から操作可能
とした例を示す側面断面図である。
【図8】同じく正面断面図である。
【符号の説明】
8 ケーシング 9 ガバナウェイト 10 スリーブ 11 ガバナレバー 11a ストッピングアーム 12 テンションレバー 13 連結スプリング 14 始動スプリング 15 ガバナレバー軸 15a 第一回動軸 15b 回動軸受け 18 アングライヒスプリング調整ボルト 19 トルク制御用アングライヒスプリング機構 19a アングライヒシフタ 19b アングライヒスプリング 20 ガバナスプリング 22 コントロールレバー軸 27 トルクレバー 31 始動時噴射量調整ボルト 32 トルク制限ボルト 33 噴射量制限ボルト 36 ソレノイド 53 トルクスプリング仕組 59 トルク制御用アングライヒスプリング機構 59c 交換用プラグ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガバナレバー軸とコントロールレバー軸
    とを備えたディーゼル機関用メカニカルガバナ装置にお
    いて、 ガバナレバー軸上に回動自在に支持されるテンションレ
    バーと、該テンションレバー上に回動自在に支持される
    ガバナレバーと、トルクレバーとによりガバナレバー仕
    組を構成し、 該テンションレバーにトルク制御用アングライヒスプリ
    ング機構を設け、該制御スプリング機構にてトルクレバ
    ーを制御することにより、ガバナレバーを介してガバナ
    装置に付設される燃料噴射ポンプの噴射量制御を行い、 外部から操作可能な、テンションレバーに当接する最大
    出力制限部材、及びトルク制御用アングライヒスプリン
    グ機構に当接する制限部材をガバナケースに設けて、該
    制限部材にて最大出力及び最大トルクの調節を可能とし
    たことを特徴とするディーゼル機関用ガバナ装置。
  2. 【請求項2】 前記テンションレバーとトルクレバーと
    の間にバネ部材を設け、エンジン始動時には該バネ部材
    の付勢力により、トルクレバーを介してガバナレバーに
    より、燃料噴射ポンプの噴射量を始動増量位置に移動可
    能としたことを特徴とする請求項1に記載のディーゼル
    機関用ガバナ装置。
  3. 【請求項3】 前記トルクレバーとガバナレバーとは、
    同軸上で相対的に回動可能に支持されるとともに、連結
    バネ部材により連結され、該ガバナレバーを連結バネ部
    材の付勢力に抗して燃料噴射ポンプの噴射停止方向に回
    動可能な構成としたことを特徴とする請求項1に記載の
    ディーゼル機関用ガバナ装置。
  4. 【請求項4】 前記トルク制御用アングライヒスプリン
    グ機構における、スプリング付勢力の初期設定値を調節
    するための調整部材を、テンションレバーに設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関用ガバナ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ディーゼル機関用ガバナ装置の最大
    出力時噴射量を制限するための制限部材に、スプリング
    機構を用い、前記トルク制御用アングライヒスプリング
    機構と併用したことを特徴とする請求項1に記載のディ
    ーゼル機関用ガバナ装置。
  6. 【請求項6】 前記テンションレバーに圧入される、ト
    ルクレバー及びガバナレバーの軸受けの外周に、低摩擦
    化処理を施したことを特徴とする請求項1に記載のディ
    ーゼル機関用ガバナ装置。
  7. 【請求項7】 前記トルク制御用アングライヒスプリン
    グ機構のケースに、該ケースに内装されるスプリングを
    挿脱可能な開閉部を構成したことを特徴とする請求項1
    に記載のディーゼル機関用ガバナ装置。
  8. 【請求項8】 前記ディーゼル機関用ガバナ装置のハウ
    ジングに、始動時噴射量の調整のため、トルクレバーの
    作動量を調節する調整部材を装着したことを特徴とする
    請求項1に記載のディーゼル機関用ガバナ装置。
  9. 【請求項9】 前記トルク制御用アングライヒスプリン
    グ機構における、最大トルク時の噴射量の調整を行う調
    整部材を、クランク軸方向に対して直交する方向から操
    作可能としたことを特徴とする請求項1に記載のディー
    ゼル機関用ガバナ装置。
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