JP3673722B2 - ディーゼルエンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの燃料供給装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプとして一般に用いられる逃げ孔式燃料噴射ポンプでは、プランジャのプレストローク時に、プランジャ室内の燃料が逃げ孔を通過して燃料溜め室に漏れ出すため、エンジン回転数が低下するにつれて、逃げ孔を通過する燃料の通過速度が低くなり、逃げ孔による絞り抵抗が相対的に小さくなる。このため、逃げ孔からの燃料の漏れ量が多くなり、プランジャの1ストローク当たりの燃料噴射量が少なくなるのが通常である。しかし、このような逃げ孔式燃料噴射ポンプにCPV(コンスタント・プレッシャ・バルブ)を装着した燃料噴射ポンプの場合には、エンジン回転数が低下するにつれて、燃料噴射量が増大する噴射特性となる。
本発明は、このような噴射特性を有する燃料噴射ポンプを用いたディーゼルエンジンの燃料供給装置に関するものである。
【0003】
【本発明の前提技術】
本発明は、次の技術を前提としている。
図2(A)に示すように、エンジン回転数が低下するにつれてプランジャの1ストローク当たりの燃料噴射量が増大する噴射特性を有する燃料噴射ポンプ(1)を用い、図3に示すように、この燃料噴射ポンプ(1)をメカニカルガバナ(2)で制御し、
このメカニカルガバナ(2)に、第一レバー(3)と第二レバー(4)とからなるガバナレバー(5)を設け、第一レバー(3)にはガバナスプリング力(6)が入力されるようにし、第二レバー(4)にはガバナ力(7)が入力されるようにし、第二レバー(4)の揺動端のラック当接部(8)の動きに燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を追従させるようにし、
ガバナレバー(5)にトルクアップ装置(10)を設け、図1(A)に示すように、定格負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせ、図1(B)に示すように、定格負荷を越える過負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせたまま、ガバナ力(7)とトルクアップ装置(10)の作動力(12)との不釣合い力で第二レバー(4)を揺動させることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を定格負荷位置(Q1)から最大トルク負荷位置(Q2)までの間で調量するようにしたディーゼルエンジンの燃料供給装置。
【0004】
【従来の技術】
従来、上記技術を前提とするディーゼルエンジンの燃料供給装置として、図4に示すものがある。
この従来技術では、エンジン回転数の低下に伴い燃料噴射量が増大する噴射特性の燃料噴射ポンプ(101)を用いているにも拘らず、燃料噴射量が減少する噴射特性の燃料噴射ポンプを制御するためのメカニカルガバナ(102)をそのまま使用しており、低回転領域で調量ラック(109)の位置を補正する手段を備えていない。このため、図4(A)に示す定格負荷運転から、負荷の増加により、図4(B)に示す過負荷運転に移行した後、更なる負荷の増加により、エンジン回転数が図2(C)に示す最大トルク回転数(114)を下回る低回転領域(115)に入り、図4(C)に示す超過負荷運転に移行しても、調量ラック(109)は最大トルク負荷位置(Q2)に留まったままになる。ガバナスプリング力(106)の設定を変更する調速レバー(125)を低速側にシフトし、図2(C)に示す最大トルク回転数(114)を下回る低回転領域(115)で運転を行う低速運転時も同様の状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある。
《1》 超過負荷運転時や低速運転時の排煙濃度が濃くなりやすい。
エンジン回転数が図2(C)に示す最大トルク回転数(114)を下回る低回転領域(115)に入っても、調量ラック(109)は最大トルク負荷位置(Q2)に留まったままになり、低回転領域で増大する燃料噴射ポンプ(1)の噴射特性が減少補正されることがない。このため、図4(C)に示す超過負荷運転時や、低速運転時の燃料噴射が過剰となり、これら運転時の排煙濃度が濃くなりやすい。
【0006】
《2》 定格負荷出力や過負荷出力を確保しにくい。
上記問題《1》を解決するには、燃料制限具(111)を燃料減量側に調節して、超過負荷運転時や低速運転時の燃料噴射量を減少させることにより対処しうる。しかし、この場合には、図4(A)(B)に示す定格負荷運転時や過負荷運転時の燃料噴射が不要に減少してしまうため、定格負荷出力や過負荷出力を確保しにくい。
【0007】
本発明の課題は、上記問題点を解決できるディーゼルエンジンの燃料供給装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
前記した前提技術において、
図3に示すように、ガバナレバー(5)に逆アングライヒ装置(13)を設け、第二レバー(4)を中折れ構造とし、エンジン回転数が図2(B)に示す最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)に至ると、図1(C)に示すように、ガバナ力(7)と逆アングライヒ装置(13)の作動力(16)との不釣合い力で第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を変えることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料減量側の領域で調量するようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したディーゼルエンジンの燃料供給装置において、
図3に示すように、トルクアップ装置(10)は、ガバナレバー(5)にトルクホルダ(17)を取り付け、このトルクホルダ(17)内にトルクスプリング(18)を収容し、トルクホルダ(17)の先端からトルクピン(19)を突出させ、このトルクピン(19)をトルクスプリング(18)で押し出し方向に付勢して構成し、
逆アングライヒ装置(13)は、ガバナレバー(5)に逆アングライヒホルダ(20)を取り付け、この逆アングライヒホルダ(20)内に逆アングライヒスプリング(21)を収容し、逆アングライヒホルダ(20)の先端から逆アングライヒピン(22)を突出させ、この逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒスプリング(21)で押し出し方向に付勢して構成し、逆アングライヒピン(22)の押し出し力は、トルクピン(19)の押し出し力よりも小さく設定し、
トルクピン(19)の押し出し力と逆アングライヒピン(22)の押し出し力とが、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、前記ラック当接部(8)を備えた中折れ先端部(24)にそれぞれかかるようにし、
図1(B)に示すように、過負荷運転時にエンジン回転数が徐々に低下する場合には、逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒホルダ(20)に限界まで押し込んだまま、トルクスプリング(18)のスプリング力を作動力(12)として、トルクピン(19)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)を燃料増量方向に徐々に揺動させ、
図2(B)に示す逆アングライヒ作動領域(15)でエンジン回転数が徐々に低下する場合には、図1(C)に示すように、トルクピン(19)を限界まで押し出したまま、逆アングライヒスプリング(21)のスプリング力を作動力(16)として、逆アングライヒピン(22)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を徐々に減少させて、ラック当接部(8)を徐々に燃料減量方向に変位させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
【0010】
(請求項3の発明)
請求項2に記載したディーゼルエンジンの燃料供給装置において、
図3に示すように、トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)とは、いずれも第一レバー(3)に取り付け、
トルクピン(19)の突出端と逆アングライヒピン(22)の突出端とを、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、前記ラック当接部(8)を備えた中折れ先端部(24)にそれぞれ当接させた、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
【0011】
【発明の作用】
請求項1の発明の作用は、次の通りである。
図1(A)に示す定格負荷運転から、負荷の増加により、図1(B)に示す過負荷運転に移行した後、更なる負荷の増加により、エンジン回転数が図2(B)に示す最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)に入り、図1(C)に示す超過負荷運転に移行すると、調量ラック(9)を最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料減量側の領域で調量する。ガバナスプリング力(6)の設定を変更する調速レバー(25)を低速側にシフトし、図2(B)に示す最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)で運転を行う低速運転時も同様の調量を行う。
【0012】
【発明の効果】
(請求項1の発明)
《1》 超過負荷運転時や低速運転時の排煙濃度を抑制することができる。
エンジン回転数が図2(B)に示す最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)に入ると、調量ラック(9)を最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料減量側の領域で調量することにより、低回転領域で増大する燃料噴射ポンプ(1)の噴射特性を減少補正する。このため、図1(C)に示す超過負荷運転時や、低速運転時の過剰な燃料噴射が減少補正され、これら運転時の排煙濃度を抑制することができる。
【0013】
《2》 定格負荷出力や過負荷出力を確保しやすい。
逆アングライヒ装置(13)により超過負荷運転時や低速運転時の過剰な燃料噴射を減少補正することができるため、この目的のために、燃料制限具(11)を燃料減量側に調節する必要がない。このため、図1(A)(B)に示す定格負荷運転時や過負荷運転時の燃料噴射が不要に減少することがなく、定格負荷出力や過負荷出力を確保しやすい。
【0014】
《3》 エンジンの大幅な改造を必要としない。
図3に示すように、ガバナレバー(5)にトルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)とを設け、第二レバー(4)を中折れ構造とするだけでよいため、既存のエンジンのガバナレバーを交換するだけで、逆アングライヒ機能を付加することができ、エンジンの大幅な改造を必要としない。
【0015】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、次の作用効果を奏する。
《4》 メカニカルガバナの感度低下が起こりにくい。
図3に示すように、ガバナレバー(5)に取り付けるトルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)とは、いずれも簡単な構造であるため、ガバナレバー(5)が高重量化することがない。このため、カバナレバー(5)の高重量化によるメカニカルガバナ(2)の感度低下が起こりにくい。
【0016】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、請求項2の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
《5》 逆アングライヒ作動の感度が高い。
図3に示すように、トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)とを、いずれも第一レバー(3)に取り付けているため、図1(C)に示す第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を変えて行う逆アングライヒ作動時に、第二レバー(4)がトルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)の重量の影響を受けない。このため、逆アングライヒ作動の感度が高い。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図3は本発明の実施形態を説明する図で、この実施形態では、CPV(コンスタント・プレッシャ・バルブ)を装着した逃げ孔式噴射ポンプを用いたディーゼルエンジンの燃料供給装置について説明する。
【0018】
この燃料供給装置の概要は、次の通りである。
図3に示すように、この燃料供給装置は、燃料噴射ポンプ(1)とメカニカルガバナ(2)とを備えている。この燃料噴射ポンプ(1)は、図2(A)に示すように、エンジン回転数が低下するにつれてプランジャの1ストローク当たりの燃料噴射量が増大する噴射特性を有する。図3に示すように、この燃料噴射ポンプ(1)をメカニカルガバナ(2)で制御する。メカニカルガバナ(2)は逆アングライヒ装置(13)を備えており、エンジン回転数が図2(B)に示す逆アングライヒ作動領域(15)に入ると、調量ラック位置を減量補正する。
【0019】
燃料噴射ポンプ(1)の構成は、次の通りである。
燃料噴射ポンプ(1)は、逃げ孔式燃料噴射ポンプであり、プランジャ室(図外)の燃料吐出口(図外)にコンスタント・プレッシャ・バルブ(図外)を装着している。図3に示すように、燃料噴射ポンプ(1)は、燃料増減方向にスライド移動する調量ラック(9)を備えている。調量ラック(9)は、始動増量装置(26)の付勢力(27)で燃料増量方向に付勢されている。始動増量装置(26)は、ポンプ収容室壁(28)に始動ホルダ(29)を取り付け、この始動ホルダ(29)内に始動スプリング(30)を収容し、始動ホルダ(29)の先端から始動ピン(31)を突出させ、この始動ピン(31)を始動スプリング(30)で押し出し方向に付勢して構成している。この始動ピン(31)の先端を調量ラック(9)の燃料減量側端部に当接させ、調量ラック(9)を燃料増量方向に付勢している。
【0020】
メカニカルガバナ(2)の構成は、次の通りである。
図3に示すように、メカニカルガバナ(2)は、ガバナレバー(5)とフライウェイト(図外)とを備えている。ガバナレバー(5)は、第一レバー(3)と第二レバー(4)とからなる。第一レバー(3)と第二レバー(4)とは、レバー枢軸(32)でポンプ収容室壁(28)に揺動自在に枢支されている。第一レバー(3)は、ガバナスプリング(33)を介して調速レバー(25)に連動連結され、この第一レバー(3)に、ガハナスプリング力(6)が入力される。第一レバー(3)には、ポンプ収容室壁(28)に進退自在に取り付けた燃料制限具(11)の先端を臨ませている。第二レバー(4)は、フライウェイトに臨み、この第二レバー(4)にガバナ力(7)が入力される。第二レバー(4)の揺動端にはラック当接部(8)が設けられ、ここに始動スプリング(30)で付勢された調量ラック(9)が当接し、ラック当接部(8)の動きに調量ラック(9)を追従させるようになっている。第二レバー(4)は、中折れ構造となっており、ラック当接部(8)を備える中折れ先端部(24)が中折れ関節部(23)から折れ曲がるようになっている。第一レバー(3)には、トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)が取り付けられている。
【0021】
トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)の構成は、次の通りである。
図3に示すように、トルクアップ装置(10)は、第一レバー(3)にトルクホルダ(17)を取り付け、このトルクホルダ(17)内にトルクスプリング(18)を収容し、トルクホルダ(17)の先端からトルクピン(19)を突出させ、このトルクピン(19)をトルクスプリング(18)で押し出し方向に付勢して構成している。逆アングライヒ装置(13)は、トルクアップ装置(10)の真下の位置で、第一レバー(3)に逆アングライヒホルダ(20)を取り付け、この逆アングライヒホルダ(20)内に逆アングライヒスプリング(21)を収容し、逆アングライヒホルダ(20)の先端から逆アングライヒピン(22)を突出させ、この逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒスプリング(21)で押し出し方向に付勢して構成している。逆アングライヒピン(22)の押し出し力は、トルクピン(19)の押し出し力よりも小さく設定している。トルクピン(19)の突出端と逆アングライヒピン(22)の突出端とを、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、前記ラック当接部(8)を備えた中折れ先端部(24)にそれぞれ当接させ、トルクピン(19)の押し出し力と逆アングライヒピン(22)の押し出し力とが、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、中折れ先端部(24)にそれぞれかかるようにしている。
【0022】
トルクピン(19)の突出端の当接部(33)は、中折れ関節部(35)よりもラック当接部(8)寄りに設け、筒状に形成し、ここにポンプ収容室壁(28)に進退自在に取り付けたトルクアップ制限具(34)を侵入させ、その先端をトルクピン(19)の先端に臨ませている。このトルクアップ制限具(34)をポンプ収容室壁(28)の外側から進退調節させ、トルクピン(19)の押し出し寸法の限界を規定することにより、トルクアップ時の燃料増量の上限を調節できるようにしている。逆アングライヒピン(22)の突出端の当接部(35)は中折れ関節部(35)から突出させ、その突出方向はラック当接部(8)から離れる向きになっている。このため、トルクピン(19)の押し出し力は、ラック当接部(8)を燃料増量方向に移動させる機能を果たし、逆アングライヒピン(22)の押し出し力は、ラック当接部(8)を燃料減量方向に移動させる機能を果たす。
【0023】
メカニカルガバナ(2)の機能は、次の通りである。
図1(A)に示すように、定格負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせ、図1(B)に示すように、定格負荷を越える過負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせたまま、ガバナ力(7)とトルクアップ装置(10)の作動力(12)との不釣合い力で第二レバー(4)を揺動させることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を定格負荷位置(Q1)から最大トルク負荷位置(Q2)までのトルクアップ領域で調量する。なお、過負荷運転時には、第一レバー(3)が燃料制限具(11)に受け止められるため、第一レバー(3)及び第二レバー(4)にはガバナスプリング力(6)がかからない。過負荷運転時にエンジン回転数が徐々に低下する場合には、ガバナ力(7)が徐々に減少し、逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒホルダ(20)に限界まで押し込んだまま、トルクスプリング(18)のスプリング力を作動力(12)として、トルクピン(19)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)を燃料増量方向に徐々に揺動させることになる。逆に、過負荷運転時にエンジン回転数が徐々に上昇する場合には、ガバナ力(7)が徐々に増大し、逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒホルダ(20)に限界まで押し込んだまま、ガバナ力(7)により、トルクピン(19)を徐々に押し込みながら、第二レバー(4)を燃料減量方向に徐々に揺動させることになる。
【0024】
エンジン回転数が図2(B)に示す最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)に至ると、図1(C)に示すように、ガバナ力(7)と逆アングライヒ装置(13)の作動力(16)との不釣合い力で第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を変えることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料減量側の領域で調量する。図2(B)に示す逆アングライヒ作動領域(15)でエンジン回転数が徐々に低下する場合には、ガバナ力(7)が徐々に減少し、図1(C)に示すように、トルクピン(19)を限界まで押し出したまま、逆アングライヒスプリング(21)のスプリング力を作動力(16)として、逆アングライヒピン(22)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を徐々に減少させて、ラック当接部(8)を徐々に燃料減量方向に変位させることになる。逆に、逆アングライヒ作動領域(15)でエンジン回転数が徐々に上昇する場合には、ガバナ力(7)が徐々に増大し、トルクピン(19)を限界まで押し出したまま、ガバナ力(7)により、逆アングライヒピン(22)を徐々に押し込みながら、第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を徐々に増加させて、ラック当接部(8)を徐々に燃料増量方向に変位させることになる。
【0025】
なお、エンジン始動開始時には、ガバナ力(7)が発生していないため、始動スプリング(30)の付勢力(27)で調量ラック(9)は、最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料増量側に位置する始動増量位置にセットされており、燃料増量により始動性が高められる。
【0026】
この実施形態の利点は、次の通りである。
低回転領域で増大する燃料噴射ポンプ(1)の噴射特性を減少補正するため、超過負荷運転時や、低速運転時の過剰な燃料噴射が減少補正され、これら運転時の排煙濃度を抑制することができる。定格負荷運転時や過負荷運転時の燃料噴射が不要に減少することがなく、定格負荷出力や過負荷出力を確保しやすい。既存のエンジンのガバナレバーを交換するだけで、逆アングライヒ機能を付加することができ、エンジンの大幅な改造を必要としない。カバナレバー(5)の高重量化によるメカニカルガバナ(2)の感度低下が起こりにくい。逆アングライヒ作動時に、第二レバー(4)がトルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)の重量の影響を受けないため、逆アングライヒ作動の感度が高い。
【0027】
本発明の実施形態の内容は以上の通りであるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)の両方を第一レバー(3)に取り付けているが、これらの両方、または一方を第二レバー(4)に取り付けてもよい。また、上記実施形態では、燃料噴射ポンプ(1)として、コンスタント・プレッシャ・バルブを装着した逃げ孔式燃料噴射ポンプを用いたが、エンジン回転数が低下するにつれてプランジャの1ストローク当たりの燃料噴射量が増大する噴射特性を有する他の燃料噴射ポンプにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料供給装置におけるメカニカルガバナの機能を説明する模式図で、図1(A)は定格負荷運転時、図1(B)は過負荷運転時、図1(C)は超過負荷運転時を示している。
【図2】図1の燃料供給装置の各種特性を説明する図で、図2(A)は燃料噴射ポンプの噴射特性を示すグラフ、図2(B)はメカニカルガバナによる調量ラックの調量特性を示すグラフ、図2(C)は図2(B)と比較するための従来のメカニカルガバナによる調量ラックの調量特性を示すグラフ。
【図3】図1の燃料供給装置の一部縦断面図である。
【図4】従来技術に係るディーゼルエンジンの燃料供給装置におけるメカニカルガバナの機能を説明する模式図で、図4(A)は定格負荷運転時、図4(B)は過負荷運転時、図4(C)は超過負荷運転時を示している。
【符号の説明】
(1)…燃料噴射ポンプ、(2)…メカニカルガバナ、(3)…第一レバー、(4)…第二レバー、(5)…ガバナレバー、(6)…ガバナスプリング力、(7)…ガバナ力、(8)…ラック当接部、(9)…調量ラック、(Q1)…定格負荷位置、(Q2)…最大トルク負荷位置、(10)…トルクアップ装置、(11)…燃料制限具、(12)…トルクアップ装置の作動力、(13)…逆アングライヒ装置、(14)…最大トルク回転数、(15)…逆アングライヒ作動領域、(16)…逆アングライヒ装置の作動力、(Θ)…中折れ角度、(17)…トルクホルダ、(18)…トルクスプリング、(19)…トルクピン、(20)…逆アングライヒホルダ、(21)…逆アングライヒスプリング、(22)…逆アングライヒピン、(23)…中折れ関節部、(24)…中折れ先端部。

Claims (3)

  1. エンジン回転数が低下するにつれてプランジャの1ストローク当たりの燃料噴射量が増大する噴射特性を有する燃料噴射ポンプ(1)を用い、この燃料噴射ポンプ(1)をメカニカルガバナ(2)で制御し、
    このメカニカルガバナ(2)に、第一レバー(3)と第二レバー(4)とからなるガバナレバー(5)を設け、第一レバー(3)にはガバナスプリング力(6)が入力されるようにし、第二レバー(4)にはガバナ力(7)が入力されるようにし、第二レバー(4)の揺動端のラック当接部(8)の動きに燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を追従させるようにし、
    ガバナレバー(5)にトルクアップ装置(10)を設け、定格負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせ、定格負荷を越える過負荷運転時には、燃料制限具(11)に第一レバー(3)を受け止めさせたまま、ガバナ力(7)とトルクアップ装置(10)の作動力(12)との不釣合い力で第二レバー(4)を揺動させることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を定格負荷位置(Q1)から最大トルク負荷位置(Q2)までのトルクアップ領域で調量するようにした、ディーゼルエンジンの燃料供給装置において、
    ガバナレバー(5)に逆アングライヒ装置(13)を設け、第二レバー(4)を中折れ構造とし、エンジン回転数が最大トルク回転数(14)を下回る逆アングライヒ作動領域(15)に至ると、ガバナ力(7)と逆アングライヒ装置(13)の作動力(16)との不釣合い力で第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を変えることにより、燃料噴射ポンプ(1)の調量ラック(9)を最大トルク負荷位置(Q2)よりも燃料減量側の領域で調量するようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載したディーゼルエンジンの燃料供給装置において、
    トルクアップ装置(10)は、ガバナレバー(5)にトルクホルダ(17)を取り付け、このトルクホルダ(17)内にトルクスプリング(18)を収容し、トルクホルダ(17)の先端からトルクピン(19)を突出させ、このトルクピン(19)をトルクスプリング(18)で押し出し方向に付勢して構成し、
    逆アングライヒ装置(13)は、ガバナレバー(5)に逆アングライヒホルダ(20)を取り付け、この逆アングライヒホルダ(20)内に逆アングライヒスプリング(21)を収容し、逆アングライヒホルダ(20)の先端から逆アングライヒピン(22)を突出させ、この逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒスプリング(21)で押し出し方向に付勢して構成し、逆アングライヒピン(22)の押し出し力は、トルクピン(19)の押し出し力よりも小さく設定し、
    トルクピン(19)の押し出し力と逆アングライヒピン(22)の押し出し力とが、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、前記ラック当接部(8)を備えた中折れ先端部(24)にそれぞれかかるようにし、
    過負荷運転時にエンジン回転数が徐々に低下する場合には、逆アングライヒピン(22)を逆アングライヒホルダ(20)に限界まで押し込んだまま、トルクスプリング(18)のスプリング力を作動力(12)として、トルクピン(19)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)を燃料増量方向に徐々に揺動させ、
    逆アングライヒ作動領域(15)でエンジン回転数が徐々に低下する場合には、トルクピン(19)を限界まで押し出したまま、逆アングライヒスプリング(21)のスプリング力を作動力(16)として、逆アングライヒピン(22)を徐々に押し出しながら、第二レバー(4)の中折れ角度(Θ)を徐々に減少させて、ラック当接部(8)を徐々に燃料減量方向に変位させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
  3. 請求項2に記載したディーゼルエンジンの燃料供給装置において、
    トルクアップ装置(10)と逆アングライヒ装置(13)とは、いずれも第一レバー(3)に取り付け、
    トルクピン(19)の突出端と逆アングライヒピン(22)の突出端とを、第ニレバー(4)の中折れ関節部(23)を挟んだ相互反対位置で、前記ラック当接部(8)を備えた中折れ先端部(24)にそれぞれ当接させた、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装置。
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