JP2738949B2 - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents

エンジンのデコンプ装置

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JP2738949B2
JP2738949B2 JP6732689A JP6732689A JP2738949B2 JP 2738949 B2 JP2738949 B2 JP 2738949B2 JP 6732689 A JP6732689 A JP 6732689A JP 6732689 A JP6732689 A JP 6732689A JP 2738949 B2 JP2738949 B2 JP 2738949B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低速回転時にバルブステムの復帰を規制し
て燃焼室を半圧縮状態にするエンジンのデコンプ装置に
関するものである。
[従来の技術と発明が解決しようとうる課題] 周知の如く、エンジンの吸,排気ポートに介装されて
いるバルブはクランクシャフトに連設している。そし
て、このクランクシャフトが回転するとカムシャフトが
回転し、該カムシャフトのカムにて揺動するロッカアー
ムにて上記バルブがリフトし、吸,排気ポートが開閉す
るようになっている。
従って、バルブの動きはクランクシャフトの回転に同
期しており、該バルブのリフト量及び開度は常時一定で
ある。
そのため、アイドル状態を含む低速回転域であっても
吸気の量に大きな変化はなく、燃焼圧は高速回転時と略
同圧にて行われている。一方、エンジンの低速回転域で
は燃焼の間隔が間遠になるため、ローリングモーメント
による振動,騒音が発生しやすくなる。
これに対処するに、例えば実開昭49−32034号公報に
は、ロッカアームを所定角度回動してバルブを開弁する
レバーと、このレバーを回動させる復帰スプリングが介
装された油圧シリンダとをロッカルーム内に設けた技術
が開示されている。
そして、エンジンの回転数が所定値以下に下降する
と、該エンジンの潤滑油圧力が下降してシリンダのロッ
ドが復帰スプリングの付勢力にて後退することによりレ
バーが回動してロッカアームを押圧し、バルブを開弁す
ることが可能となっている。
しかしながら、この先行技術によると、ロッドの進退
量が潤滑油の圧力と復帰スプリングの付勢力とのつりあ
いのみで行われるよう構成されているため、動作が不安
定になる虞がある。
また、この先行技術では、エンジンの吸気行程のみな
らず、エンジンの低速回転時には全行程に亙ってバルブ
が開弁されるため、燃焼時に吸気ポート或いは排気ポー
トへ流入した混合気に着火するバックファイア,アフタ
ーファイヤが生じる可能性がある。
[発明の目的] 本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであ
り、アイドル運転域を含む低速回転時における振動,騒
音の発生を防止することが可能であると共に、バックフ
ァイヤ等の発生が防止され、更に安定した動作を期待す
ることができるエンジンのデコンプ装置を提供すること
を目的としている。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明によるエンジンのデコンプ装置は、バルブステ
ム及びカムシャフトに接するロッカアームをロッカルー
ムに配設すると共に、該ロッカルームに、上記ロッカア
ームを回動させてバルブステムの復帰を規制することが
可能なアクチュエータを配設する一方、該アクチュエー
タのロッカアーム回動用ポート及び規制解除用ポートと
エンジンのオイル送給装置とをオイル通路を介して連通
すると共に、エンジンの圧縮行程時にオイルをロッカア
ーム回動用ポートへ送給し、爆発行程時に規制解除用ポ
ートへ送給することが可能な切換え弁を上記カムシャフ
トに設け、上記ロッカアーム回動用ポートに連通するオ
イル通路に、エンジンの回転数が所定値以下のときに開
弁するバルブを介装したものである。
かかる構成により、エンジンの回転数が所定値以下に
下降すると、ロッカアーム回動用ポートに連通するオイ
ル通路のバルブが開弁して、圧縮行程時にロッカアーム
が回動され、バルブの復帰が規制されて該バルブが開弁
されると共に、爆発行程時に復帰解除用ポートへオイル
が送給されて上記バルブの復帰が解除されることにより
該バルブが閉弁される。
[発明の実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図乃至第8図は本発明の第一実施例に係り、第1
図は低速回転時の圧縮行程時を示すデコンプ装置の側面
図、第2図は同状態のカムシャフトの断面図、第3図は
低速回転時の燃焼行程時を示すデコンプ装置の側面図、
第4図は同状態を示すカムシャフトの断面図、第5図は
第1図のA部拡大図、第6図は圧縮行程時のカムシャフ
トの平面図、第7図は燃焼行程時のカムシャフトの平面
図、第8図は燃焼圧の比較説明図である。
これらの図において、符号1はエンジン本体、2はこ
のエンジン本体1のシリンダヘッド、3は燃焼室であ
る。
上記シリンダヘッド2の上部には側壁4aと蓋体4bとで
囲繞されたロッカルーム4が設けられている。このロッ
カルーム4内には、軸受部材4cに支承されたカムシャフ
ト5及びロッカシャフト6が互いに平行に配設されてい
る。上記ロッカシャフト6はロッカルーム4内に設けら
れたロッカサポート7に支承されていると共に、上記ロ
ッカシャフト6にロッカアーム8が揺動自在に軸装され
ている。
このロッカアーム8の一側にはアジャスタボルト8aが
螺合されており、該アジャスタボルト8aがバルブ9のス
テムエンド9aに当接されている。
上記バルブ9のバルブステム9bは上記シリンダヘッド
2にステムガイド11を介して摺動可能に支承されてい
て、このバルブステム9bの他端に形成されたバルブヘッ
ド12が上記燃焼室3と吸気通路13との間の吸気ポート14
に位置されている。そして、該バルブヘッド12のバルブ
フェイス12aが上記吸気ポート14に嵌合されたシートリ
ング15のバルブシート15aに密接するようになってい
る。
また上記バルブステム9bのステムエンド9a側にはスプ
リングリテーナ16aが固定されている一方、上記ロッカ
ルーム4の下面にこのスプリングリテーナ16aに対向す
る他のスプリングリテーナ16bが形成されている。これ
らのスプリングリテーナ16a,16b間にはバルブスプリン
グ17が介装されていて、上記バルブ9はこのバルブスプ
リング17の付勢力により常時ロッカルーム4方向へ付勢
されている。
一方、上記ロッカアーム8の、アジャスタボルト8aが
螺合されている側と反対側の一側にはスリッパ部8bが形
成されており、このスリッパ部8bが上記カムシャフト5
に形成されたカム5aのカム面5bに摺接し、該カム5aの回
転によりこのロッカアーム8が揺動されるようになって
いる。
また、上記カムシャフト5のジャーナル部5cには第一
の連通部18aと第二の連通路18bとが位相をずらして形成
されている一方、第6図及び第7図に示す如く、上記側
壁4aにはカムシャフト5が回転する際にこれらの連通路
18a,18bのそれぞれが対向するオイルの供給通路19が略
同一平面状に形成されている。この供給通路19は上流側
で一本に統合されてオイル送給装置の一例であるエンジ
ンのオイルポンプ21に連通されている。尚、上記供給通
路19のオイルポンプ21下流側には図示しないリリーフバ
ルブが介装されている。
また上記軸受部材4cには、第一の連通路18a及び第二
の連通路18bを介してオイルが流入される第一のオイル
通路22aと第二のオイル通路22bとが形成されている。
上記第一のオイル通路22aの上流側開口端は、上記供
給通路19の下流側開口端と所定の角度を有して略対向す
る部位に形成されている一方、上記第二のオイル通路22
bの上流側開口端は上記第一のオイル通路22aの上流側開
口端より略90゜カムシャフト5の回転方向と反対側へ回
動した部位に形成されている。また、このロッカシャフ
ト5に形成されている第一の連通路18aは僅かな角度に
屈曲された略直線状に形成され、第二の連通路18bは略9
0゜に屈曲して形成されていると共に、これらの連通路1
8a,18bのそれぞれの上流側開口端はカムシャフト5の回
転方向にずらされた部位に開口されている。
そのため、第1図に示すように上記第一の連通路18a
を介して供給通路19と第一のオイル通路22aとが連通さ
れた際には、第二の連通路18bの上流及び下流側開口端
は供給通路19,第二のオイル通路22bのいずれにも対向し
ない一方、第4図に示すように、この連通路18bを介し
て上記供給通路19と第二のオイル通路22bとが連通され
た際には、第3図に示すように上記第一の連通路18aの
上流側及び下流側開口端は上記供給通路19及び第一のオ
イル通路22bのいずれにも対向しないようになってい
る。
また、第一の連通路18aは上記カムシャフト5がエン
ジンの圧縮行程に相当する位置へ回動した際に供給通路
19と第一のオイル通路22aとを連通させる一方、カムシ
ャフト5がエンジンの燃焼行程に相当する位置へ回転し
た際にい供給通路19と第二のオイル通路22bとが第二の
連通路18bを介して連通するよう構成されている。この
構成により上記カムシャフト5の連通路18a,18bが切換
え弁23の作用をなすものである。
更に、上記カムシャフト5には、第一のオイル通路22
aをロッカルーム4内に解放する第一のリーク通路24a
と、第二のオイル通路22bをロッカルーム4内に解放す
る第二のリーク通路24bとが形成されている。そして、
第2図に示す如く、切換え弁23を介して供給通路19と第
一のオイル通路22aとが連通された際に、第二のリーク
通路24bを介して第二のオイル通路22bがロッカルーム4
へ解放される一方、第4図に示す如く、供給通路19と第
二のオイル通路22bとが第二の連通路18bを介して連通さ
れた際に、第一のリーク通路24bを介して上記第一のオ
イル通路22aがロッカルーム4内へ解放されるようにな
っている。
ところで、上記蓋体4bの、ロッカアーム8のアジャス
トボルト8aが螺合されている一側に対向する部位には、
アクチュエータの一例であるシリンダ25が設けられてい
る。第5図に示すように、このシリンダ25内にはピスト
ン26が摺動自在に配設され、該ピストン26に形成された
ロッド26aが摺動孔26bを介して上記ロッカアーム8の上
面方向へ突出されている。
また、上記ピストン26と摺動孔26bが形成された側の
内壁との間には弾性体28が介装されていて、上記ロッド
26aはこの弾性体28の付勢力により常時後退方向へ付勢
されている。
また、上記シリンダ25の、ロッカアーム回動用ポート
として設定された突出ポート27aには前述した第一のオ
イル通路22aが連通されている一方、このシリンダ25の
規制解除用ポートとして設定された後退ポート27bには
上記第二のオイル通路22bが連通されている。
そして、上記第一のオイル通路22aを介してシリンダ2
5内へオイルが供給されると、上記ロッド26aが弾性体28
の付勢力に抗して突出することにより該ロッド26aの先
端部にてロッカアーム4の復帰が規制されて、このロッ
カアーム4のスリッパ部8bが上記カム5aの基円側へ移動
してもバルブフェイス12aとバルブシート15aとの間に間
隙が介在されるようになっている。
一方、上記第一のオイル通路22aにはシリンダ25の突
出用ポート27a側圧力が所定値以上に上昇した場合に逆
流を可能とする、例えばパイロット型の逆止弁29が介装
されている。この逆止弁29は、クランクシャフトの回転
数を検知する回転ピックアップ30に接続されており、こ
のクランクシャフトが設定された回転数、例えば2000回
転以上に上昇すると逆止弁29が閉弁して上記第一のオイ
ル通路22aが閉塞され、上記クランクシャフトの回転数
が設定値以下に下降すると開弁して、第一のオイル通路
22aの閉塞が解除されるようになっている。
次に、前述の構成による実施例の作用を説明する。
エンジンの始動前にはオイルポンプ21は稼動せず、オ
イルが蓋体4bに形成されたシリンダ25へ供給されないた
め、このシリンダ25に配設されているピストン26及びロ
ッド26aは弾性体の付勢力により後退方向へ移動されて
いる。その結果、該ロッド26aの先端部はロッカアーム
8より退避されており、このロッカアーム8はなんら規
制を受けることなく揺動することが可能となっている。
この状態でエンジンに始動操作が加えられると、カム
シャフト5の回転が開始されると共にオイルポンプ21が
稼動され、このオイルポンプ21によりオイルが供給通路
19を介して送給される。
上記カムシャフト5が回転されると、カム5aのカム面
5bとロッカアーム8のスリッパ部8bとが摺動してこのロ
ッカアーム8が揺動し、ステムエンド9aが押圧されてバ
ルブ9が所定のバルブタイミングにて開閉される。そし
て、燃焼室3に発生する負圧にて吸気が吸気通路13及び
吸気ポート14を介してこの燃焼室3へ吸入される。
また、上記カムシャフト5の回転に伴って、第一の連
通路18a及び第二の連通路18bの開口端が移動され、この
連通路18a,18bを介して、供給通路19と第一のオイル通
路22a及び第二のオイル通路22bとが定期的に連通され
る。一方、上記オイルポンプ21の稼動によりこのオイル
通路19にはオイルが送給されていると共に、クランクシ
ャフトの回転数が設定された回転値に達していないため
上記第一のオイル通路22aに介装された逆止弁29は動作
されず、この第一のオイル通路22aは連通されている。
そのため、上記供給通路19を介して送給されるオイル
が上記シリンダ25の突出ポート27aを介して該シリンダ2
5内へ流入し、上記ロッド26aを押下げようとするが、こ
の段階ではエンジン回転数が上昇されておらず、オイル
ポンプ21を介して送給されるオイルの圧力も弱いもので
あるため弾性体28の付勢力に抗してロッド26aを突出さ
せることが困難である。また、上記カムシャフト5の回
転に伴って第二のオイル通路22bも上記第二の連通路18b
を介して供給通路19と連通されてオイルが送給されるた
め、このオイルが後退用ポート27bを介してシリンダ25
内へ流入して上記ロッド26aを後退方向へ押圧する。ま
た、上記第一のオイル通路22a及び第二のオイル通路22b
の上流側開口端がカムシャフト5の回転に伴って移動さ
れてくるリーク通路24a,24bによりロッカルーム4内に
解放され、このオイル通路22a,22b内に流入されたオイ
ルの少なくとも一部がリーク通路24a,24bを介してリー
クされる。その結果、このロッド26aに対する押圧力は
中和されて、ロッド26aは弾性体28の付勢力にて後退さ
れたままの状態が維持される。
やがて上記燃焼室3に吸入された吸気が完爆してエン
ジンが始動され、回転数が徐々に上昇すると、オイルポ
ンプ21にて送給されるオイルの圧力が次第に上昇される
と共に、上記エンジンが設定された所定回転数、例えば
2000回転に達すると、クランクシャフトの回転が回転ピ
ックアップ30にて検知されて逆止弁29により第一のオイ
ル通路が閉塞される。
その結果、第一のオイル通路22aを介してオイルがシ
リンダ内へ流入なくなると共に、上記カムシャフト5の
回転に伴って供給通路19を介して送給されるオイルが第
二の連通路18bを介して定期的に第二のオイル通路22bの
みに供給される。すると、上記ロッド26aには後退の押
圧力のみが作用され、該ロッド26aは後退してロッカア
ーム8より退避される。
この場合、第一のオイル通路22aが閉塞される前にシ
リンダ25の突出用ポート27a側に流入されたオイルは、
次第に高められるオイル圧によって後退するピストンに
より第一のオイル通路22aを逆流する可能性がある。し
かしこの第一のオイル通路22aを閉塞している上記逆止
弁29はパイロット型が使用されているため、逆流するオ
イルの圧力が所定値以上に達するとこの逆止弁29を介し
て逆流が可能となり、第一のオイル通路22a内のオイル
が上記第一のリーク通路24aを介してリークされるた
め、ロッド26aの後退に支障が生ずることはない。その
ため、バルブ9は所定のバルブタイミングにて開閉され
て、上記燃焼室3内における爆発の圧力は第8図に鎖線
にて示す如く比較的大きなものとなる。
ところで、上記エンジンが定常回転からアイドル回転
に移行されるなどして該エンジンの回転数が前述した設
定値2000回転以下に下降されると、この回転数の下降が
上記回転ピックアップ30にて検知され、逆止弁29による
第一のオイル通路22aの閉塞が解除される。
すると、上記カムシャフト5がエンジンの圧縮行程に
相当する角度に回転されてきた際に、第一の連通路18a
を介して上記第一のオイル通路22aに送給される供給通
路19のオイルが、シリンダ25の突出用ポート27aを介し
て流入される(第1図の状態)。一方、エンジンの圧縮
行程時には第二のリーク通路24bが第二のオイル通路22b
の上流側開口端に対向される(第2図及び第6図の状
態)。
そのため、第一のオイル通路22aを介してオイルがシ
リンダ25の突出用ポート27a側へ流入される一方、後退
用ポート27b側のオイルは第二のオイル通路22b及び上記
第二のリーク通路24bを介してリークされて、上記シリ
ンダ25のロッド26aが突出される。
その結果、このロッド26aの先端部が、揺動を続ける
ロッカアーム8のアジャストボルト8aが螺合されている
側の上面に当接することによりこのロッカアーム5の復
帰が規制されると共に、バルブステム9bのバルブスプリ
ング17による復帰が規制されることにより、バルブフェ
イス12aとバルブシート15aとの間に所定の間隙が形成さ
れる。そして、燃焼室3内へ吸入された吸気の一部がこ
の間隙を介して吸気通路13方向へ逃がされ、該燃焼室3
内が半圧縮状態となる。
次いで、エンジンの燃焼行程に移行すると、この移行
に伴ってカムシャフト5が回転されることにより、第一
の連通路18aを介しての供給通路19と第一のオイル通路2
2aとの連通が解除され、この第一のオイル通路22aの上
流側開口端には第一のリーク通路24aが対向される(第
3図及び第7図の状態)。また、上記カムシャフト5が
回転されることにより、第二の連通路18bを介して上記
供給通路19と第二のオイル通路22bとが連通される(第
4図の状態)。
すると、供給通路19を介して送給されてくるオイルが
シリンダ25の後退用ポート27b側へ送給される一方、突
出用ポート27a側のオイルがリークされて、上記ピスト
ン26及びロッド28がオイルの圧力と弾性体28の付勢力と
で後退される。
その結果、ロッド26aによるロッカアーム8の規制が
解除され、バルブフェイス12とバルブシート15aが密接
される。そして、この状態で燃焼が行われる。
この場合、上記燃焼室3内にある吸気の量は前述した
如くその一部が逃がされていて定常回転時よりも少量で
あるため、爆発圧は第8図に破線にて示す如く定常回転
時に比較して低くなる。そのため、この燃焼の間隔が間
遠になる低速回転時であってもエンジンのローリングモ
ーメントが小さくなり、振動,騒音の発生が抑制され
る。また、燃焼行程時にバルブ9が閉塞されるため、火
炎が上記吸気通路13側へ伝播することはなく、バックフ
ァイヤ等の発生はない。
次いで、エンジンが排気行程に移行すると、この移行
に伴ってカムシャフト5が回転されることにより、第一
及び第二の連通路18a,18bによる供給通路19と第一及び
第二のオイル通路22a,22bとの連通はいずれも解除さ
れ、上記ロッド26aは後退した状態が維持される。この
ロッド26aの後退は、次の吸気行程の間も維持され、こ
の間ロッカアーム8及びバルブ9は通常通りに作動さ
れ、更に次の圧縮行程に移行すると前述の作用が繰り返
される。
また、エンジン回転数が上昇されると、逆止弁29にて
第一のオイル通路22aが閉塞されることにより前述の如
くロッド26aが後退され、通常のバルブ動作となる。
尚、本実施例では吸気用のバルブ9を開弁するよう構
成した例を説明したが、排気用のバルブを開弁するよう
構成することや、吸,排気の両バルブを開弁するよう構
成することも可能である。
また本実施例では第一のオイル通路22aが閉塞される
エンジン回転数を例えば2000回転に設定した例をあげた
が、この設定回転数は採用するエンジンの特性によって
変更が可能であることはもちろんである。
更に、本実施例ではアクチュエータがシリンダ25とし
て構成されている例を説明したが、このアクチュエータ
はシリンダ25に限定されるべきものではなく、バルブ9
を強制開弁することが可能であるものであれば他のもの
であってもさしつかえない。
第9図乃至第12図は本発明の第二実施例に係り、第9
図は低速回転時の圧縮行程時を示すデコンプ装置の側面
図、第10図は同状態のカムシャフトの断面図、第11図は
低速回転時の燃焼行程時を示すデコンプ装置の側面図、
第12図は同状態を示すカムシャフトの断面図である。
尚、前述の第一実施例と同じ部材及び同様の作用をなす
部材には同一符号を付して説明を省略する。
この実施例は、第一実施例でシリンダ25のピストン26
の後退用ポート27b側に配設されてロッド26aを後退方向
へ付勢していた弾性体を、ピストン26の突出用ポート27
a側へ移動して配設し、ロッド26aを常時突出方向へ付勢
するよう構成したものである。
このような構成による実施例では、エンジンの始動前
に弾性体28の付勢力によりロッド26aが突出され、この
ロッド26aによりロッカアーム8が強制回動される。そ
して、ステムエンド9aがアジャストボルト8aにて押圧さ
れることによりバルブ9が開弁されている。
この状態でエンジンに始動操作が加えられると、オイ
ルポンプ21の稼動が徐々に開始されてオイルが供給通路
19を送給される。
そして、エンジンの圧縮行程時には、第9図に示す如
く、第一の連通路18aを介して上記オイルがシリンダ25
の突出用ポート27a側へ供給されるが、上記ロッド26aは
すでに突出されていると共に、第10図に示す如く、第二
のオイル通路22bの上流側開口端は第二のリーク通路24b
を介してロッカルーム4内に解放されているため、上記
オイルの流入はロッド26aの動きになんら影響を及ぼさ
ず、クランクキング時の圧縮行程時に燃焼室3が半圧縮
状態に設定される。
次いで、エンジンが燃焼行程に移行されると、第12図
に示される如く、第二の連通路18bを介して第二のオイ
ル通路22bと上記供給通路19とが連通されて、この供給
通路19を介して送給されるオイルが上記第二のオイル通
路22bを経てシリンダ25の後退用ポート27bへ送給され
る。また、第11図に示すように、上記第一のオイル通路
22aは第一のリーク通路24aを介してロッカルーム4に解
放されているため、上記ロッド26aは後退され、バルブ
9はバルブスプリング17の付勢力により復帰されて吸気
ポート14が閉塞される。
このように、オイルポンプ21によって送給されるオイ
ルの圧力が極めて弱いクランキングの最初の段階を除い
て、圧縮行程時のみに吸入ポート14が開弁されて燃焼室
が半圧縮状態に設定されるため、クランキングが容易で
ある。
一方、上記エンジンが始動されて、該エンジンの回転
数が上昇し、このエンジンに設定された例えば2000回転
の設定値に達すると、逆止弁29にて第一のオイル通路22
aが閉塞され、第二のオイル通路のみにオイルが送給さ
れる。その結果、上記ロッド26aは弾性体28の付勢力に
抗して後退したままの状態が維持され、バルブ9は所定
のバルブタイミングにて開閉される。
更に、このエンジンの回転が定常回転域から低速回転
域へ移動されると、前述と同様の作用により圧縮行程時
のみにバルブが開弁されて振動及び騒音の発生が抑制さ
れる。
この実施例ではエンジンの低速回転時のみならず、始
動時にも燃焼室3が半圧縮状態に設定されるため、クラ
ンキングが容易である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のデコンプ装置による
と、アイドル運転域を含む低速回転時に振動,騒音の発
生を防止することが可能であると共に、バックファイヤ
等の発生が防止され、更に安定した動作を期待すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図乃至第8図は本発明の第一実施例に係り、第1図
は低速回転時の圧縮行程時を示すデコンプ装置の側面
図、第2図は同状態のカムシャフトの断面図、第3図は
低速回転時の燃焼行程時を示すデコンプ装置の側面図、
第4図は同状態を示すカムシャフトの断面図、第5図は
第1図のA部拡大図、第6図は圧縮行程時のカムシャフ
トの平面図、第7図は燃焼行程時のカムシャフトの平面
図、第8図は燃焼圧の比較説明図、第9図乃至第12図は
本発明の第二実施例に係り、第9図は低速回転時の圧縮
行程時を示すデコンプ装置の側面図、第10図は同状態の
カムシャフトの断面図、第11図は低速回転時の燃焼行程
時を示すデコンプ装置の側面図、第12図は同状態を示す
カムシャフトの断面図である。 4……ロッカルーム 5……カムシャフト 8……ロッカアーム 9b……バルブステム 21……オイル送給装置 22a,22b……オイル通路 23……切換えバルブ 25……アクチュエータ(シリンダ) 27a……ロッカアーム回動用ポート(突出ポート) 27b……規制解除用ポート(後退ポート) 29……バルブ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブステム及びカムシャフトに接するロ
    ッカアームをロッカルームに配設すると共に、該ロッカ
    ルームに、上記ロッカアームを回動させてバルブステム
    の復帰を規制することが可能なアクチュエータを配設す
    る一方、該アクチュエータのロッカアーム回動用ポート
    及び規制解除用ポートとエンジンのオイル送給装置とを
    オイル通路を介して連通すると共に、エンジンの圧縮行
    程時にオイルをロッカアーム回動用ポートへ送給し、爆
    発行程時に規制解除用ポートへ送給することが可能な切
    換え弁を上記カムシャフトに設け、上記ロッカアーム回
    動用ポートに連通するオイル通路に、エンジンの回転数
    が所定値以下のときに開弁するバルブを介装したことを
    特徴とするエンジンのデコンプ装置。
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