JP2003003485A - 基礎コンクリートのアンカーボルト支持装置 - Google Patents

基礎コンクリートのアンカーボルト支持装置

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JP2003003485A
JP2003003485A JP2001188359A JP2001188359A JP2003003485A JP 2003003485 A JP2003003485 A JP 2003003485A JP 2001188359 A JP2001188359 A JP 2001188359A JP 2001188359 A JP2001188359 A JP 2001188359A JP 2003003485 A JP2003003485 A JP 2003003485A
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Shoji Matsuzawa
庄次 松沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカーボルトの水平方向の位置決めを高い
精度で要領良く行うことが可能なように構成されたアン
カーボルト支持装置を提供する。 【解決手段】 地盤4に固定されるベース部材3から立
ち上げられた柱部材2にアンカーボルト1を保持させ、
ベース部材における柱部材との連結部の近傍に、ベース
部材を所要の方向に撓ませて柱部材に保持されたアンカ
ーボルトを水平方向に移動させると共に、これにより生
じるベース部材の変形状態を保持する変形保持手段とし
て位置調整機構5を設ける。この位置調整機構は、地盤
に固定される支持部材22、並びにこの支持部材とベー
ス部材との間の間隔を調整するねじ棒23及びナットか
らなり、ベース部材と柱部材とを締結するねじ部材19
・20の軸線に沿う方向の間隔を調整するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎コンクリート
と鉄骨柱の脚部とを相互に緊結するべく基礎コンクリー
トに埋め込まれる複数のアンカーボルトを、コンクリー
ト打設時に所定位置から変位しないように支持するため
の基礎コンクリートのアンカーボルト支持装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の柱脚部の基礎コンクリートの施
工において、コンクリート打設時の衝撃等でアンカーボ
ルトが所定位置からずれるのを防止するため、型枠内に
据え付けられてアンカーボルトを下方から支持するよう
にしたアンカーボルト支持装置、いわゆるアンカーフレ
ームが知られている。
【0003】この種のアンカーフレームでは、基礎コン
クリートから突出して建築物の柱脚部が連結されるアン
カーボルトの上端部を適切な位置に配置することが必要
であるが、アンカーフレームが据え付けられる捨てコン
クリート面にはある程度の不陸が避けられず、この不陸
が原因でアンカーボルトの水平方向の位置に大きなずれ
を生じることがある。このアンカーボルトのずれに対し
ては、捨てコンクリート面との間にライナー(パッキ
ン)等の調整部材を介装して調整することができる。
【0004】また、所要の支持剛性を得るために多種類
の鋼材を組み合わせて連結することでコンクリート打設
時の衝撃に耐え得る強固な支持構造を形成することがで
きるが、鋼材自体の製作精度がさほど高くない上に、鋼
材の切断や溶接などの加工に起因する歪みが加わって、
所定位置にアンカーフレームを据え付たにもかかわら
ず、前記と同様にアンカーボルトの水平方向の位置にず
れを生じることがある。このようなずれが生じた場合に
は、アンカーフレームにアンカーボルトを取り付けた状
態で、アンカーボルトの上端部を基準にしてアンカーフ
レームの据え付け位置を調整することになる。このと
き、捨てコンクリートに埋め込み済みのボルトとアンカ
ーフレームの取付孔との間の遊びで調整するか、もしく
はアンカーフレームの据え付け位置を調整した後に、埋
め込みボルトの下孔を捨てコンクリート面に穿孔する方
法が採用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のライ
ナーによる調整では、アンカーボルトを適切な位置に設
定するのに手間と熟練を要し、施工が非効率で精度を高
めるにも限界がある。また前記のアンカーフレームの据
え付け位置の調整では、埋め込みボルトと取付孔との間
の遊びで対応することができない場合があり、また埋め
込みボルトの下孔の穿孔の際にアンカーフレームの位置
がずれることがあり、作業性に難がある。そこで、本発
明では、アンカーボルトの水平方向の位置調整を高い精
度で要領良く行うことが可能なように構成されたアンカ
ーボルト支持装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、請求項1に示すとおり、地
盤に固定されるベース部材から立ち上げられた柱部材に
アンカーボルトを保持させたアンカーボルト支持装置に
おいて、ベース部材を撓めてアンカーボルトの上端部の
位置を調整することにより生じるベース部材の変形状態
を保持する変形保持手段が設けられたものとした。これ
によると、アンカーボルトの位置調整を行った上で変形
保持手段により変形状態を保持させることで、アンカー
ボルトが所要の位置に固定され、構造を複雑化すること
なく高い精度で要領良くアンカーボルトの位置調整を行
うことが可能になり、施工の効率化と精度の向上とを図
ることができる。
【0007】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項2に示すとおり、変形保持手段が、地盤に固定さ
れる支持部材、並びにこの支持部材とベース部材との間
の間隔を規定する間隔保持部材とからなる構成をとるこ
とができる。これによると、ベース部材の変形に要する
反力を支持部材で得てアンカーボルトを確実に位置決め
固定することができる。
【0008】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項3に示すとおり、間隔保持部材が、ベース部材の
結合部の近傍に略水平方向の荷重を加えることでベース
部材を変形させてアンカーボルトの位置調整を同時に行
うものとした構成をとることができる。これによると、
アンカーボルトの位置調整を要領良く行うことができ、
しかも構成の簡易化を図ることが可能になる。
【0009】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項4に示すとおり、間隔保持部材が、支持部材とベ
ース部材とに架け渡されるねじ棒、並びにこのねじ棒に
螺合する雌ねじとからなる構成をとることができる。こ
れによると、ねじによる倍力機構により操作が簡単でし
かも高精度な調整が可能になる。この場合、ベース部材
あるいは支持部材にねじ棒を固定し、雌ねじが形成され
た部材(例えばナット)を回転させる構成が簡易である
が、ベース部材あるいは支持部材に雌ねじを配置してね
じ棒を回転させる構成も可能である。雌ねじ部材を回転
させる構成では、ベース部材を挟んだ両側で雌ねじ部材
をねじ棒に螺合させると両方向の調整が可能となる。
【0010】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項5に示すとおり、ベース部材が、地盤上に起立し
て柱部材が連結される垂直板部を有し、この垂直板部に
直交する向きのねじ部材にて柱部材と締結され、間隔保
持部材が、ねじ部材の軸線に沿う方向の間隔を規定する
構成をとることができる。これによると、ベース部材と
柱部材とを締結するねじ部材の軸線に沿う方向の位置調
整を行うことができる。ベース部材と柱部材とがねじ部
材で締結される構成では、ねじ部材の軸線に直交する向
きのアンカーボルトの位置を、ねじ部材のねじ挿通孔に
対する遊びで調整すれば良く、これら互いに直交する2
方向の調整によりアンカーボルトの位置を任意の方向の
位置決め調整することができる。
【0011】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項6に示すとおり、変形保持手段が、一対の柱部材
の間を相対変位不能に剛結する連結部材を有する構成を
とることができる。これによると、連結部材が、ベース
部材が固定される地盤と協働してベース部材に生じる変
形部分の動きを拘束し、簡単な構造でベース部材の変形
状態を保持することができ、しかも一対のアンカーボル
トの位置調整を同時に行うことができる。このため、向
かい合う一対の柱部材に保持された一対のアンカーボル
ト間に架け渡された部材の中心位置と芯墨とを整合させ
てアンカーボルトを位置決めする場合に都合が良い。こ
の場合、ベース部材に荷重を加えてベース部材を変形さ
せる機構を別途設けることも可能であるが、作業者によ
る柱部材の横方向の押し引きにより変形可能な剛性にベ
ース部材を設定し、この柱部材の押し引きによってアン
カーボルトの位置調整を行うものとすると簡便である。
【0012】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項7に示すとおり、連結部材が、一対の柱部材側か
らそれぞれ延出された一対の取付部に対して両端がそれ
ぞれ、仮締め状態においてアンカーボルトの位置調整を
許容する締結手段で締結された構成をとることができ
る。これによると、締結手段の仮締め状態で作業者が柱
部材を押し引きしてアンカーボルトを所定位置に位置決
めしたところで締結手段を本締めすれば良く、作業を手
際良く行うことができる。この場合、締結手段が、互い
に重合する連結部材並びに取付部にそれぞれ形成された
取付孔に挿通されるねじ部材を有し、このねじ部材と取
付孔との間にアンカーボルトの位置調整を許容する遊び
が設けられた構成をとることができる。これによると、
仮締め状態でのアンカーボルトの位置調整が容易にな
り、しかも簡易な構成で大きな拘束力が得られ、本締め
状態で高い剛性を実現することができる。
【0013】前記アンカーボルト支持装置においては、
請求項8に示すとおり、ベース部材が、地盤上に起立し
て柱部材が連結される垂直板部を有し、この垂直板部に
直交する向きのねじ部材にて柱部材と締結され、連結部
材が、垂直板部に直交する方向に向かい合う一対の柱部
材を相互に連結する構成をとることができる。これによ
ると、垂直板部に直交する向きのアンカーボルトの位置
調整により垂直板部が変形し、その変形状態が連結部材
により保持され、他方、垂直板部に沿う向きの位置調整
は、ねじ部材を中心にした傾動及びねじ部材のねじ取付
孔に対する遊びで行えば良く、これら互いに直交する2
方向の位置調整によりアンカーボルトを所定位置に適切
に位置決め固定することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の構成を詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明によるアンカーボルト支持
装置の第1の実施形態としてその全体を示す斜視図であ
る。ここでは、アンカーボルト1が柱部材2によって所
定高さ位置に保持され、柱部材2はベース部材3を介し
て捨てコンクリート(地盤)4上に立設されており、ベ
ース部材3にはこれに水平方向の変形力を加えて柱部材
2の取付角度を変化させてアンカーボルト1の上端部1
aの水平方向の位置を設定すると共に、これにより生じ
るベース部材3の変形状態を保持する変形保持手段とし
て位置調整機構5が設けられている。ベース部材3は、
その長手方向を互いに平行にして一対配置され、各ベー
ス部材3にはそれぞれ一対の柱部材2が設けられ、合計
4本の柱部材2が立設されている。
【0016】アンカーボルト1は柱部材2の保持部7に
上下に取付高さを調整可能に保持されている。アンカー
ボルト1の上端部1aは上部連結具8で相互に連結さ
れ、この上部連結具8は4枚の連結プレート9を互いに
直交するように組み合わせてなっている。この連結プレ
ート9は、アンカーボルト1の上端部1aのねじ部に螺
合された上下一対のナット10間に狭持されてアンカー
ボルト1に対して固定される。この連結プレート9によ
りアンカーボルト1相互の間隔が規定される。
【0017】図2は、図1に示したアンカーボルト支持
装置の施工状況を示す正面図である。本アンカーボルト
支持装置は、型枠パネル12によって築造される基礎コ
ンクリート13の中心部にアンカーボルト1を支持する
もので、捨てコンクリート4上に据え付け固定された後
に周囲に型枠パネル12を建て込み、この型枠パネル1
2内にコンクリートが打設される。またアンカーボルト
1の上端部1aを相互に連結する連結プレート9の長手
方向中心位置から垂下させた下げ振りを、捨てコンクリ
ート4上に設けられたアンカーボルト1相互の中心線を
示す芯墨に整合させることでアンカーボルト1の上端部
1aの水平方向の位置を設定する。この場合、下げ振り
の取付位置がずれないように、連結プレート9の長手方
向の中心位置に切り欠きを設けておくと良い。
【0018】図3は、図1に示したベース部材3及び位
置調整機構5を詳しく示す斜視図である。ベース部材3
は、L字形状の断面をなし、条鋼(山形鋼)を所定寸法
に切断して得られ、捨てコンクリート4に埋め込まれた
ボルト14にナット15を螺着して水平板部16が捨て
コンクリート4に対して固定され、この水平板部16の
側縁から立ち上がった垂直板部17に柱部材2が連結さ
れてこれを鉛直方向に支持している。柱部材2は、L字
形状の断面をなし、条鋼(山形鋼)を所定寸法に切断し
て得られる。この柱部材2は、ベース部材3の垂直板部
17に直交する向きのボルト19及びナット20で垂直
板部17に締結されている。ボルト19及びナット20
は上下に複数(ここでは一対)設けられている。
【0019】位置調整機構5は、捨てコンクリート4に
対して固定される支持部材22とベース部材3との間に
架け渡されるねじ棒23(間隔保持部材)、並びにベー
ス部材3を挟んだ両側でねじ棒23に螺合する複数のナ
ット24からなっており、これによりベース部材3の変
形に要する反力を支持部材52で得てアンカーボルト1
を確実に位置決め固定することができる。ここでは長手
方向を互いに平行にして配置された一対のベース部材3
の間にねじ棒23が架け渡され、一対のベース部材3の
中間位置に支持部材22が配置されている。これにより
支持部材52の配置数を削減し、支持部材52を地盤に
固定する手間を減らすことができる。ねじ棒23は、そ
の軸方向中心部で一対のナット25で支持部材22の垂
直板部26を挟み込むことで支持部材22に固定され、
両端部がそれぞれベース部材3に係合されている。ねじ
棒23は、ベース部材3に開設された孔に挿通されると
共に支持部材22に形成された凹部27に嵌合してい
る。
【0020】支持部材22は、L字形状の断面をなし、
条鋼(山形鋼)の切断により得られ、捨てコンクリート
4に埋め込まれたボルト29にナット30を螺合させる
ことで水平板部31が捨てコンクリート4に対して固定
され、この水平板部31の側縁から立ち上がった垂直板
部26にねじ棒23が連結されている。支持部材22
は、ベース部材3に変形力を加える際の反力受けとして
機能し、その支持剛性を高めるためにL字形状断面をな
す部材を背中合わせに配置して全体としてT字形状断面
をなすものとしても良い。
【0021】ねじ棒23は、ベース部材3と柱部材2と
を締結するボルト19及びナット20と平行に配置さ
れ、ナット24を回転させることによりベース部材3の
垂直板部17に対してこれに直交する向きの水平方向の
荷重を加えてベース部材3を水平方向に撓ませ、これに
よりベース部材3における柱部材2との結合部33を所
要の方向にわずかに変位させてアンカーボルト1の水平
方向の位置を調整する。ここでは結合部33の変位量を
個別に調整することができるように、各柱部材2ごとに
その結合部33の近傍にねじ棒23が係合されており、
さらに柱部材2の結合部33の位置を効果的に変位させ
るため、ベース部材3における結合部33より長手方向
外側の上端寄りの部分にねじ棒23が係合されている。
【0022】図4及び図5は、図1に示したアンカーボ
ルト支持装置におけるアンカーボルトの位置調整作業の
要領を説明する模式図である。図4は、ベース部材3の
垂直板部17に直交する向きのアンカーボルト1の位置
調整の状況を示している。ここでは柱部材2をベース部
材3に締結するボルト19及びナット20(図3参照)
の軸線に沿う向き、すなわちベース部材3の垂直板部1
7に直交する向きのアンカーボルト1の位置調整が位置
調整機構5を用いて行われ、具体的には下げ振りと芯墨
とのずれからベース部材3の変形方向を定め、このベー
ス部材3を変形させる向きに所要のナット24を締め付
けてベース部材3に水平方向の変形力を加える。このと
きベース部材3の垂直板部17を挟んで対向する側のナ
ット24は予め緩めておき、位置決めが終わった時点で
ナット24の双方を締め付ける。これで、アンカーボル
ト1の位置が調整され、かつベース部材3の復元が拘束
されてアンカーボルト1が所定位置に固定される。な
お、ねじ棒23をナット24でベース部材3に固定し、
支持部材22に係合するナット25でねじ棒23を押し
引きしてベース部材3に変形力を加えるものとしても良
い。
【0023】図5は、ベース部材3の垂直板部17に沿
う向きのアンカーボルト1の位置調整の状況を示してい
る。この垂直板部17に沿う向き、すなわち柱部材2を
ベース部材3に締結するボルト19の軸方向に直交する
向きの位置調整は、ボルト19の外径に対して大径に形
成された柱部材2の取付孔41及びベース部材3の取付
孔42に対するボルト19の遊びで調整され、具体的に
はボルト19の仮締め状態で柱部材2を手で押し引きし
て調整し、位置決めが終わるとボルト19を本締めす
る。仮締め状態では一方(例えば下側)のボルト19を
強く締め付け、他方(例えば上側)のボルト19を弱く
締め付けると、そのボルト19の取付孔41・42に対
する遊びの範囲内で強く締め付けたボルト19側を支点
にした柱部材2の傾動が可能となる。
【0024】図6は、位置調整機構の別の態様を示す斜
視図である。なお、前記実施形態と同一の機能を有する
ものには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。こ
こでは、位置調整機構51を構成するねじ棒52が、ベ
ース部材3における各柱部材2の結合部55の近傍に個
別に設けられ、位置調整機構51を構成する支持部材5
6及びベース部材3の互いに向かい合う垂直板部17・
57間に架け渡されている。また、支持部材56及びベ
ース部材3の各水平板部16・59が重なり合い、ベー
ス部材3を捨てコンクリート4に対して固定するボルト
14及びナット15で同時に支持部材56が固定されて
いる。
【0025】ねじ棒52は支持部材56側の一対のナッ
ト63で支持部材56に固定され、ベース部材3側の一
対のナット64の回転操作でベース部材3に所要の変形
力を加えてアンカーボルト1の位置を調整する。この態
様では、位置調整機構51の支持部材56を捨てコンク
リートに固定するためにボルトを別途埋め込む手間を減
らすことができる。また長尺なねじ棒が不要で、一対の
ベース部材の間隔が大きい場合に都合が良い。
【0026】この態様でも、ねじ棒52は、柱部材2を
ベース部材3に締結するボルト19及びナット20の軸
線に平行に配置され、位置調整機構51がベース部材3
の垂直板部17に直交する向きの変形力をベース部材3
を加えて各柱部材2との結合部55を僅かに変位させて
アンカーボルト1を所定位置に位置決め調整することが
できる。
【0027】図7は、本発明によるアンカーボルト支持
装置の第2の実施形態としてその要部を示す斜視図であ
る。ここでは、ベース部材3が、作業者による柱部材2
の横方向の押し引きにより変形可能な剛性を有し、この
柱部材2の押し引きによるアンカーボルトの位置調整で
生じたベース部材3の変形状態を保持する変形保持機構
71が設けられている。なお、前記実施形態と同一の機
能を有するものには同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0028】変形保持機構71は、ベース部材3の長手
方向に直交する向きに対向する一対の柱部材2の間を剛
結する、すなわち一対の柱部材2の相対変位を拘束した
状態でこれら一対の柱部材2の間を相互に連結する連結
部材72を有している。この連結部材72は、ベース部
材3の垂直板部17に直交する方向に向かい合う一対の
柱部材2を相互に連結するようになっており、一対の柱
部材2側からそれぞれ延出された一対の取付部73に対
して両端がそれぞれ、ボルト74及びナット75で締結
されている。このボルト74及びナット75は上下に複
数(ここでは一対)設けられている。
【0029】取付部73を構成する取付部材77は、L
字形状の断面をなし、条鋼(山形鋼)の切断により得ら
れ、ベース部材3と柱部材2とを固定するボルト19及
びナット20で同時に締結されてこれらの部材に対して
固定されている。この取付部材77により連結部材72
がベース部材3における柱部材2の結合部78と剛結さ
れ、これら取付部材77及び連結部材72並びにベース
部材3の垂直板部17が方形状に組み合わされて高い剛
性が得られる。
【0030】図8は、図7に示した変形保持機構の分解
状態を示す斜視図である。連結部材72は、平板状をな
し、その板厚方向を略水平とした状態で取付部材77の
取付部73に重合し、連結部材72並びに取付部73に
それぞれ形成された取付孔79・80にボルト74が挿
通される。取付孔79・80はボルト74より大径に形
成され、ボルト74と取付孔79・80との間に所要の
遊びが設けられている。
【0031】図9は、図7に示したアンカーボルト支持
装置におけるアンカーボルトの位置調整作業の要領を説
明する模式図である。これは、ベース部材3の垂直板部
17に直交する向きのアンカーボルト1の位置調整の状
況を示している。この垂直板部17に直交する向き、す
なわち柱部材2をベース部材3に締結するボルト19及
びナット20(図7参照)の軸線に沿う向きの位置調整
は、変形保持機構71を用いて行われる。なお、垂直板
部17に沿う向き、すなわち柱部材2をベース部材3に
締結するボルト19の軸線に直交する向きのアンカーボ
ルト1の位置調整は、前記図5に示したものと同様であ
る。
【0032】具体的には、まず、取付部73に連結部材
72を取り付けてボルト74を仮締め状態とした上で、
図2に示したとおり下げ振りと捨てコンクリート上の芯
墨とのずれから修正方向を定め、その向きに柱部材2を
押し引きしてアンカーボルト1の位置を修正する。この
ボルト74の仮締め状態では、連結部材72並びに取付
部73の取付孔79・80に対するボルト74の遊びに
より、連結部材72並びに取付部73が相対変位可能と
なっており、これによりアンカーボルト1の位置調整を
行うことができる。
【0033】このアンカーボルト1の位置調整により、
ベース部材3、具体的には柱部材2との結合部78と、
ボルト14による捨てコンクリートへの締結部との間の
部分が変形し、この変形部分84の上側は、ボルト74
を本締めすることで連結部材72及び取付部73を介し
て剛結され、他方、変形部分84の下側も捨てコンクリ
ートにより剛結されているため、ベース部材3に生じる
復元力に抗してベース部材3が所定の変形状態に拘束さ
れ、アンカーボルト1が所定位置に固定される。
【0034】この本締め状態では、ベース部材3の復元
力が連結部材72に作用するが、連結部材72はその板
厚方向を略水平とした平板状をなし、ベース部材3の復
元力に対して高い剛性を示し、撓むことなくベース部材
3の変形状態を安定に保持することができ、これにより
調整後のアンカーボルト1のずれを避けることができ
る。また、ベース部材3はL字形状の断面をなし、適切
な板厚のものを採用すれば、比較的小さな力で撓ませる
ことができ、かつ連結部材72と協働してアンカーボル
ト1に対して十分な支持剛性が得られる。
【0035】図10は、変形保持機構の別の態様を示す
正面図である。ここでは、変形保持機構91が柱部材2
の上部に設けられており、ベース部材3の長手方向に直
交する向きに対向する一対の柱部材2が連結部材92を
介して相互に連結され、この連結部材92が取り付けら
れる取付部93を備えた取付部材94が柱部材2に直接
固定される。この構成では、柱部材2における連結部材
92との結合部分からベース部材3に固定された下端ま
での間の部分に曲げ応力が生じるが、十分に高剛性な柱
部材2には大きな変形は生ぜず、一対の柱部材2及び連
結部材92が門形の剛構造を形成することで前記実施形
態と同様に、ベース部材3の変形部分の上側が剛結さ
れ、ベース部材3に生じた変形状態が保持される。な
お、前記図7に示したように変形保持機構71を柱部材
2の下端部に設けると、柱部材2の変形を考慮する必要
がなく、より精度の高い位置決め固定操作を行うことが
でき、しかも地盤の近傍に配置されるため、コンクリー
トの打設や他の作業の邪魔にならずに済む利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンカーボルト支持装置の第1の
実施形態としてその全体を示す斜視図である。
【図2】図1に示したアンカーボルト支持装置の施工状
況を示す正面図である。
【図3】図1に示したベース部材と位置調整機構を詳し
く示す斜視図である。
【図4】図1に示したアンカーボルト支持装置における
アンカーボルトの位置調整作業の要領を説明する模式図
である。
【図5】図1に示したアンカーボルト支持装置における
アンカーボルトの位置調整作業の要領を説明する模式図
である。
【図6】位置調整機構の別の態様を示す斜視図である。
【図7】本発明によるアンカーボルト支持装置の第2の
実施形態としてその要部を示す斜視図である。
【図8】図7に示した変形保持機構の分解状態を示す斜
視図である。
【図9】図7に示したアンカーボルト支持装置における
アンカーボルトの位置調整作業の要領を説明する模式図
である。
【図10】変形保持機構の別の態様を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 アンカーボルト、1a 上端部 2 柱部材 3 ベース部材 4 捨てコンクリート(地盤) 5・51 位置調整機構 7 保持部 13 基礎コンクリート 16 水平板部 17 垂直板部 19 ボルト、20 ナット(ねじ部材) 22・56 支持部材 23・52 ねじ棒 24・25・63・64 ナット(雌ねじ) 33・55 結合部 53 ベース部材 54 柱部材 66 ボルト、67 ナット(ねじ部材) 71・91 変形保持機構 72・92 連結部材 73・93 取付部 74 ボルト、75 ナット(締結手段) 77・94 取付部材 78 結合部 79・80 取付孔 84 変形部分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に固定されるベース部材から立ち
    上げられた柱部材にアンカーボルトを保持させたアンカ
    ーボルト支持装置であって、 前記ベース部材を撓めて前記アンカーボルトの上端部の
    位置を調整することにより生じる前記ベース部材の変形
    状態を保持する変形保持手段が設けられたことを特徴と
    するアンカーボルト支持装置。
  2. 【請求項2】 前記変形保持手段が、地盤に固定され
    る支持部材、並びに当該支持部材と前記ベース部材との
    間の間隔を規定する間隔保持部材とからなることを特徴
    とする請求項1に記載のアンカーボルト支持装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔保持部材が、前記ベース部材
    の結合部の近傍に略水平方向の荷重を加えることで前記
    ベース部材を変形させて前記アンカーボルトの位置調整
    を行うものとしたことを特徴とする請求項2に記載のア
    ンカーボルト支持装置。
  4. 【請求項4】 前記間隔保持部材が、前記支持部材と
    前記ベース部材とに架け渡されるねじ棒、並びに該ねじ
    棒に螺合する雌ねじとからなることを特徴とする請求項
    3に記載のアンカーボルト支持装置。
  5. 【請求項5】 前記ベース部材が、地盤上に起立して
    前記柱部材が連結される垂直板部を有し、当該垂直板部
    に直交する向きのねじ部材にて前記柱部材と締結され、
    前記間隔保持部材が、前記ねじ部材の軸線に沿う方向の
    間隔を規定することを特徴とする請求項2乃至請求項4
    のいずれかに記載のアンカーボルト支持装置。
  6. 【請求項6】 前記変形保持手段が、一対の前記柱部
    材の間を相対変位不能に剛結する連結部材を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のアンカーボルト支持装
    置。
  7. 【請求項7】 前記連結部材が、一対の前記柱部材側
    からそれぞれ延出された一対の取付部に対して両端がそ
    れぞれ、仮締め状態においてアンカーボルトの位置調整
    を許容する締結手段で締結された請求項6に記載のアン
    カーボルト支持装置。
  8. 【請求項8】 前記ベース部材が、地盤上に起立して
    前記柱部材が連結される垂直板部を有し、当該垂直板部
    に直交する向きのねじ部材にて前記柱部材と締結され、
    前記連結部材が、前記垂直板部に直交する方向に向かい
    合う一対の前記柱部材間を相互に連結することを特徴と
    する請求項6若しくは請求項7に記載のアンカーボルト
    支持装置。
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