JP4440687B2 - 柱脚用アンカーボルトの支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の柱からの応力を基礎に伝達するために、基礎地盤上に立設してアンカーボルトを支持すると共に、柱脚に連結するアンカーボルトの上端ねじ部を突出する態様で基礎コンクリート中に埋設される柱脚用アンカーボルトの支持装置に関する。
この種の柱脚用アンカーボルトの支持装置を用いる露出形固定柱脚では、例えば図1で示すアンカーボルトの支持装置1のように、基礎地盤2の捨てコンクリート上に設けたベース部1Aと、ベース部1Aから立設した支柱部材3と、支柱部材3の上端側に設けたアンカー支持部1Bと、アンカー支持部1Bを介して支柱部材3に連結されるアンカーボルト4と、アンカーボルト4の上端側に設けたテンプレート部1Cで構成されている。
ベース部1Aは、左右に平行配置した一対の第1のベース部材5,5と、前後に平行配置した一対の第2のベース部材6,6を備え、第1のベース部材5はL字状で水平片5aをウォールアンカー7とナット8で基礎地盤2上に固着すると共に、垂直片5bには支柱部材3の下端側をボルト9とナット10で固着し、第1のベース部材5,5の間には第2のベース部材6,6を架設し、両端側をボルト11とナット12で固着して連結する。
アンカー支持部1Bは、L字状の支柱部材3に方形状の支持部材14をボルト13で固着し、支持部材14内にアンカーボルト4を挿通して所望の高さ位置に設定し、支柱部材3に螺合した連結ボルト15を締め付けて、アンカーボルト4を支柱部材3に連結保持させており、特に支柱部材3の角部からアンカーボルト4を遠ざかる方向に押圧し、支柱部材3の角部とアンカーボルト4との間に空隙を設け、打設するコンクリートの粗骨材が充填できるようにしている。
テンプレート部1Cは、4枚のテンプレート16を互いに直交するようにして方形状に組み合わせ、テンプレート16の角部にアンカーボルト4の上端ねじ部4aを挿通させると共に、上端ねじ部4aに螺合させた上下一対のナット17によってテンプレート16を挟持し、これによって各アンカーボルト4の相互間隔が規定される。
しかしながら、図1のようなアンカーボルトの支持装置1には、改善を必要とする幾つかの課題が残されており、例えばベース部1Aでは方形枠状にしたベース部材5,6を介して各支柱部材3が強固な状態で一体に連結されているので、ベース部1Aを設置する基礎地盤2の捨てコンクリートに不陸がある場合には、各支柱部材3は高さや傾きが不均一になり、高さ方向に対してはアンカー支持部1Bの調整によって補正することができるが、傾き方向に対しては補正することが困難である(課題1)。
また、アンカー支持部1Bでは連結ボルト15の締め付けを緩めた状態にすると、各アンカーボルト4を昇降移動させて各支柱部材3とのオーバーラップする長さを可変し、上端ねじ部4aの高さ位置を大幅に調整できるので、長さを一定にした少品種の支柱部材3及びアンカーボルト4によって、基礎高の異なる基礎コンクリートに適合させることが可能であるが、高い位置にあるテンプレート1Cに対して架設足場などを設け、均等に引き上げ又は引き下げ操作する必要があるので、容易且つ安全に調整操作を行うことが困難であった(課題2)。
また、各支柱部材3や各アンカーボルト4には鉄筋によるの配筋類が組み付けられるので、これらのの配筋類の組み付け作業を妨げない十分なスペースが必要であるが、支柱部材3にアングル材を使用すると共に、低い基礎高でアンカーボルト4に対してオーバーラップする長さが長くなり、アンカーボルト4側に大きく突出して配筋類の組み付け作業に必要なスペースが減少し、特にアンカーボルト4の本数が多くなると必要ななスペースを十分確保できなくなり(課題3)、高い基礎高でアンカーボルト4に対してオーバーラップする長さが長くなると、剛性が低下して平行四辺形状(平面から見て)に撓み変形する恐れがある(課題4)。
さらに、この種のアンカーボルトの支持装置に関する先行技術として、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているような提案もあるが、特許文献1の場合には、ベース部とアンカー支持部との間に拘束部材を設けたことによって、上記課題4は解消することができるが、その他の構成は図1と同様であるから、上記課題1〜3を解消することができないと共に、上記拘束部材によって各支柱部材が一体に固着されているので、この拘束の高さ位置を可変すること及び、捨てコンクリートの不陸に適合させて各支柱部材を個別に高さ調整することができない。
一方特許文献2の場合には、鋼棒を用いた支柱部材に対して、アンカーボルトよりより下側の位置で、ねじ軸の範囲内での小幅な高さ調整を行っているので、課題3及び4に関しては解消することができると共に、課題1に関してはベース部を分離独立させているので、各支柱部材の高さを個別に調整できるが、課題2に関してはねじ軸の範囲内での小幅な高さ調整なので、基礎高の高低に適合させた大幅な高さ調整を行うことができない。
特開2000−314138号公報 特開2004−36103号公報
そこで本発明では、これら従来技術の課題を解決し得る柱脚用アンカーボルトの支持装置を提供するが、特許文献1の場合と同様に基礎高の高低に適合させて、全長を大幅に高さ調整できると共に、支柱部材には特許文献2の場合と同様に鋼棒を用い、オーバーラップしてアンカーボルト側に突出した支柱部材の上端側が、配筋類の組み付け作業を阻害しないようにしており、特にアンカーボルトの下端側と鋼棒による支柱部材の上端側を連結するアンカー支持部を中間に設け、このアンカー支持部を昇降移動させることによって、各アンカーボルトを一括して高さ調整可能にしたことを主たる目的とする。
また、基礎高が高くアンカーボルトの支持装置の全長を長く調整したい場合や、捨てコンクリートの不陸に適合させて各支柱部材を個別に高さ調整できるように、ベース部で各支柱部材を分離独立させた場合には、特許文献1の場合と同様にベース部とアンカー支持部との間に中間補強部材を設け、剛性が低下して平行四辺形状(平面から見て)に撓み変形することを防止することが可能であるが、この中間補強部材が特許文献1の拘束部材による弊害を解消し得る構成にしたことを他の目的とする。
本発明による柱脚用アンカーボルトの支持装置は、基礎地盤と連結するベース部と、下端側をベース部に連結した各支柱部材で下部側構造体が構成されると共に、下端側をアンカー支持部に連結して上端側をテンプレート部に連結した各アンカーボルトで上部側構造体が構成され、アンカー支持部には支柱部材を着脱可能に連結する連結具を設け、アンカー支持部を介して上部側構造体が下部構造体の支柱部材に対し、一括して高さ調整可能に連結している。(請求項1)
請求項1におけるアンカー支持部には、アンカーボルトの下端側を挿通して着脱可能に連結する連結具を設け、アンカー支持部に対してアンカーボルトを高さ調整可能に連結した形態を採ることができる。(請求項2)
請求項1又は2における下部構造体には、各支柱部材を相互に連結して補強する中間補強部を、ベース部とアンカー支持部との中間位置に設けた形態を採ることができる。(請求項3)
請求項3における中間補強部には、各支柱部材を挿通して着脱可能に連結すると共に、中間補強部を各支柱部材に沿って昇降移動可能にする連結具を設けた形態を採ることができる。(請求項4)
請求項1〜4におけるアンカー支持部には、方形枠状に形成したアンカー連結部材に支圧板を設けると共に、この支圧板のねじ孔に押圧ねじを螺合した連結具を設け、押圧ねじを締め付けて支柱部材を多点支持状態でアンカー連結部材に圧接させる形態を採ることができる。(請求項5)
請求項5における支柱部材には丸棒又は角棒の鋼棒を用いる形態を採ることができる。(請求項6)
請求項1〜6におけるベース部は、支柱部材の本数と同数の各ベース部材で構成し、各支柱部材を分離独立させると共に、各ベース部材には支柱部材の下端側を挿通して着脱可能に連結する連結具を設けた形態を採ることができる。(請求項7)
請求項1による柱脚用アンカーボルトの支持装置では、アンカー支持部の連結具を操作して支柱部材との連結を解放すると、アンカーボルトを含む上部側構造体を昇降移動することが可能となり、支柱部材の上端側がアンカーボルトの下端側とオーバーラップする範囲内で大幅な高さ調整できるので、長さを一定にした少品種の支柱部材及びアンカーボルトによって基礎高の高低に適合させることが可能であると共に、長さの異なる複数種の支柱部材を用意しておくと、アンカーボルトの両端にテンプレート部とアンカー支持部を設けた1種類の上部側構造体によって、さらに大幅な高さ調整が可能である。
また、上部側構造体と下部構造体をアンカー支持部で分解及び組み立てすることができるので、上部側構造体を予め工場などで組み立てておき、現場施工した支柱部材を含む下部側構造体に組み付けることによって、作業能率の向上及び施工費の低減を図ることが可能であり、1種又は少品種の長さが異なる支柱部材を用意しておくだけで、共通の上部側構造体を用いて基礎高の高低に適合させることが可能である。
さらに、高さ調整を行う際には中段に位置するアンカー連結部を昇降移動させると、アンカーボルトを含む上部側構造体の全体を昇降移動することが可能であるから、特許文献1のように上段に位置するテンプレート部を支持した状態で、上部構造体を昇降移動させながら高さ調整を行う場合に比べると、格別に足場などを設けなくても容易且つ安全に高さ調整作業を行うことが可能であり、特にアンカー連結部を一旦最下段まで降ろした後に、ジャッキなどを用いてアンカー連結部を押し上げて高さ調整を行うと、一段と容易で且つ安全に高さ調整作業を行うことができる。
請求項2による柱脚用アンカーボルトの支持装置では、アンカーボルトの下端側が連結具を介してアンカー支持部と高さ調整可能に連結されているので、下端側が直状のアンカーボルトは勿論、下端側がU字状やL字状に湾曲したアンカーボルトにも適用することができると共に、アンカー支持部に対してアンカーボルトを含む上部側昇降移動を昇降移動させて高さ調整を行い、アンカー支持部と支柱部材間の高さ調整と併用すると一段と大幅な高さ調整が可能となり、より少品種の支柱部材及びアンカーボルトによって基礎高の異なる柱脚に適応でき、コストの低減及び部品の在庫管理の容易化を図ることができる。
請求項3及び請求項4による柱脚用アンカーボルトの支持装置では、下部構造体に対して各支柱部材を相互に連結中間補強部を設けたことにより、基礎高が高くて支柱部材を長くした場合や、ベース部を分離独立させた場合などに、各支柱部材が平行四辺形上に撓み変形することを防止できると共に、アンカーボルトの高さ調整をする際に、アンカー支持部に対する下限のストッパーとして機能させることもでき、特に請求項4のように支柱部材に沿って昇降移動可能にすると、基礎高に適合させて上部側構造体の高さ調整を行った際に、ベース部とアンカー支持部との中間位置の中でも補強に最も効果的な位置に設定して装着することができる。
請求項5及び請求項6による柱脚用アンカーボルトの支持装置では、支圧板のねじ孔に螺合した押圧ねじを締め付けたり緩めたりする簡単な操作によって、アンカー支持部のアンカー連結部材に対して各支柱部材を着脱可能に連結して係止保持することができ、特に請求項6のように支柱部材に鋼棒を使用すると、従来技術のアングル材による支柱部材に比べて安価であること、外径が小さくてスペースを取らないので、支柱部材の上端側がアンカーボルトに突出しても配筋類の組み付け作業を阻害しない。
請求項7による柱脚用アンカーボルトの支持装置では、各支柱部材を分離独立させることによって、捨てコンクリートの凹凸や杭の突出などによって基礎地盤に不陸を生じた場合でも、個別に嵩上げして補正することができると共に、各ベース部材には支柱部材の下端側を挿通して着脱可能に連結することによって、ベース部に対する支柱部材の取付作業を容易にすることができる。
本発明による柱脚用アンカーボルトの支持装置について、本発明を適用した好適な実施形態を示す図2〜12の添付図面に基づいて詳細に説明するが、図2は第1の実施形態によるアンカーボルトの支持装置20の全体正面図であって、基礎地盤21の捨てコンクリート上に設けたベース部Aと、ベース部Aから立設した鋼棒による支柱部材22と、支柱部材22の上端側に設けたアンカー支持部Bと、アンカー支持部Bを介して支柱部材22に連結されるアンカーボルト23と、アンカーボルト23の上端側に設けたテンプレート部Cで構成されている。
ベース部Aは、図3で示す部分平面図及び図4で示す要部斜視図のように、基礎地盤21中に埋設して上端側を基礎地盤21上へ突設したウォールアンカー25に固着するベース部材24と、アンカーボルト23の下端側を連結する連結具28とを備え、ベース部材24は断面形状をL字状をした長尺な一対のアングル材を、左右又は前後(図示では左右)に対向状で平行に配置してベース部材24A,24Bを構成し、各ベース部材24は水平片に穿設した取付け孔29にウォールアンカー25の上端側に形成したねじ軸を挿通させ、スペーサ26及びナット27を介して基礎地盤21上に固着している。
連結具28は、断面形状がコ字状で各ベース部材24の両端側の垂直片に溶接その他の固着手段で水平片が連結され、上下の水平片には上下連通状態で五角形状の挿通孔30を穿設すると共に、垂直片には各ベース部材24の垂直片に設けた通孔から挿入された押圧ねじ31が螺合するねじ孔が穿設されており、挿通孔30にアンカーボルト23の下端側を挿通して押圧ねじ31を締め付けると、押圧ねじ31に押圧されたアンカーボルト23は挿通孔30の内面に圧接し、多点支持状態で固着してベース部Aに連結される。
アンカー支持部Bは、図5で示す部分平面図及び図6で示す要部斜視図のように、複数の各支柱部材22及びアンカーボルト23を一括して取り扱う方形枠状のアンカー連結部材32と、アンカー連結部材32に支柱部材22の上端側を連結する連結具33と、アンカー連結部材32にアンカーボルト23の下端側を連結する連結具34とを備え、アンカー連結部材32はL字状をした4本のアングル材などによる枠材の端部を溶接その他の固着手段で相互に連結し、方形枠状に形成されている。
連結具33は、隣接する枠材の垂直片に溶接その他の固着手段で両端を連結した支圧板35を、アンカー連結部材32の角隅部にそれぞれ設けると共に、この支圧板35に穿設したねじ孔に押圧ねじ36を螺合させ、押圧ねじ36を締め付けてアンカー連結部材32の角隅部に挿通した各支柱部材22を押圧すると、支柱部材22をアンカー連結部材32の角隅部に圧接した状態で固着してアンカー支持部Bに連結することができる。
連結具34は、アンカー連結部材32の水平片に取付け孔37を穿設し、この取付け孔37にアンカーボルト23の下端側のねじ軸23bを挿通すると共に、ねじ軸23bに螺合するナット38及びナット39を水平片の上下位置に介在させ、各ナット38,39を締め付けて水平片を狭持することによって、アンカーボルト23をアンカー連結部材32に固着してアンカー支持部Bに連結することができる。
テンプレート部Cは、テンプレート40の外周側にアンカーボルト23の本数(図示の実施形態では8本)に適合する複数の取付け孔41を設け、この取付け孔41にアンカーボルト23の上端側のねじ軸23aを挿通すると共に、ねじ軸23aに螺合するナット42及びナット43をテンプレート40の上下位置に介在させ、各ナット42,43を締め付けてテンプレート40を狭持することによって、アンカーボルト23をテンプレート40に固着してテンプレート部Cに連結することができる。
これにより、ベース部Aと、下端側をベース部Aに連結した各支柱部材22で下部側構造体が構成されると共に、下端側をアンカー支持部Bに連結して上端側をテンプレート部Cに連結した各アンカーボルト23で上部側構造体が構成され、アンカー支持部Bのアンカー連結部材32に対して支柱部材22を着脱可能に連結することによって、下部構造体に対して上部側構造体を昇降移動可能にしている。
以上の第1の実施形態によるアンカーボルトの支持装置20では、アンカー支持部Bにおける連結具33の押圧ねじ36を緩めると、支柱部材22に対してアンカー連結部材32を昇降移動させ、テンプレート部Cとの間に連結された各アンカーボルト23の高さ位置を一括して可変することが可能であるから、基礎高の高低に適合させて上端側のねじ軸23aの先端を所望な高さ位置に設定することができると共に、連結具33の押圧ねじ36を締め付けて設定した高さ位置で固定支持することができる。
このアンカーボルトの支持装置20によると、支柱部材22の上端側がアンカーボルト23の下端側とオーバーラップする範囲内で大幅な高さ調整できるので、長さを一定にした少品種の支柱部材22及びアンカーボルト23によって基礎高の高低に適合させることが可能であると共に、長さの異なる複数種の支柱部材22を用意しておくと、アンカーボルト23の両端にテンプレート部Cとアンカー支持部Bを設けた1種類の上部側構造体によって、さらに大幅な高さ調整が可能である。
また、高さ調整を行う際には連結具33の押圧ねじ36を緩めた状態でアンカー連結部材32を最下段まで降ろし、ジャッキなどを用いてアンカー連結部材32を中段まで押し上げて所望の高さ位置に容易且つ安全に設定することが可能であること、アンカーボルト23とオーバーラップ状態で突出した支柱部材22は、従来技術によるアングル材とは異なって鋼棒であるから、余り大きなスペースを必要としないで配筋類の組み付け作業を損なわないこと、アンカーボルト23を含む上部側構造体を予め工場などで組み立て、現場施工した支柱部材22を含む下部側構造体に組み付けることによって、作業能率の向上及び施工費の低減を図ることが可能であること、などの効果を期待することができる。
次に、図8〜9で第2の実施形態によるアンカーボルトの支持装置44に付いて説明するが、このアンカーボルトの支持装置44では例えば基礎高が高くて支柱部材22を長くした場合や、基礎コンクリートの不陸に対して各支柱部材22毎に個別に補正できるように、ベース部を分離独立させた場合などに、各支柱部材22が平行四辺形上に撓み変形することを防止するために、支柱部材22の途中に中間補強部Dを設けて補強するようにしたものである。
また、この中間補強部Dは第1の実施形態のように、ベース部Aに長尺な一対のアングル材によるベース部材24(24A,24B)を用いて場合にも適用することができるが、特に基礎コンクリートの不陸に対して各支柱部材22毎に個別に補正できるように、ベース部を分離独立させた場合を例示しており、その他の構成は第1の実施形態の場合と同様であるから、同様の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
ベース部Aは、図9で示す部分平面図のように、断面形状がL字状をした短尺な4個のアングル材でベース部材24(24A1,24A2,24B1,24B2)を形成し、これらの分離独立させた各ベース部材24をウォールアンカー25で基礎地盤21上に固着すると共に、各ベース部材24に取り付けた連結具28には押圧ねじ31で各支柱部材22の下端側を固着させ、仮に杭頭部45の露出その他で基礎コンクリートに不陸が生じた場合には、図8で示すように一部のベース部材24を嵩上げした状態で対処し、高さ及び傾きを補正することができる。
中間補強部Dは、図10で示す部分平面図のように、断面形状がL字状をした長尺な2本のアングル材による補強部材46(46A,46B)を、X状に交差させて各水平片の中央をねじその他の固着手段で固着すると共に、各垂直片の間に補助アングル47を設けてねじその他の固着手段で固着して連結させ、各補強部材46A,46Bの両端部には各支柱部材22に対する連結具48をそれぞれ設け、対角状の各支柱部材22間を相互に連結させている。
連結具48は、連結具28の場合と同様の構成であって、断面形状がコ字状で各補強部材46A,46Bの両端側に垂直片を溶接その他の固着手段で連結し、上下の水平片には上下連通状態で五角形状の挿通孔49を穿設すると共に、垂直片には押圧ねじ50が螺合するねじ孔が穿設されており、挿通孔49に支柱部材22を挿通して押圧ねじ50を締め付けると、押圧ねじ50に押圧された支柱部材22は挿通孔49の内面に圧接し、多点支持状態で固着して中間補強部Dに連結される。
このように、第2の実施形態によるアンカーボルトの支持装置44では、中間補強部Dを設けて対角状の各支柱部材22間を相互に連結させ、基礎高が高くて支柱部材22を長くした場合や、ベース部を分離独立させた場合などに、各支柱部材22が平行四辺形上に撓み変形することを防止することが可能であり、この中間補強部Dは押圧ねじ50を緩めた状態にしてスライドさせ、所望な高さ位置に設定することができると共に、アンカーボルト23を含む上部側構造体を設置したり、アンカーボルト23の高さ調整をする際に、アンカー支持部Bに対する下限のストッパーとして機能させることもできる。
次に、図11の部分平面図と図12の要部正面図で第3の実施形態によるアンカーボルトの支持装置に付いて説明するが、第1及び第2の実施形態の場合はアンカー連結部材32に対してアンカーボルト23のねじ軸23bをねじ止めしていたので、下端側が直状のアンカーボルト23のみに適用が可能であったところを、この実施形態では直状以外に下端側がU字状やL字状に湾曲したアンカーボルト51にも適用できるように、アンカーボルト51の下端側を連結する連結具52をアンカー支持部Bに設けたものである。
連結具52は、断面形状がコ字状でアンカー連結部材32の垂直片内面側に溶接その他の固着手段で水平片が連結され、上下の水平片には上下連通状態で五角形状の挿通孔53を穿設すると共に、垂直片にはアンカー連結部材32の垂直片に設けた通孔から挿入された押圧ねじ54が螺合するねじ孔が穿設されており、挿通孔53にアンカーボルト51を挿通して押圧ねじ54を締め付けると、押圧ねじ54に押圧されたアンカーボルト51は挿通孔53の内面に圧接し、多点支持状態で固着してアンカー支持部Bに連結される。
このように、第3の実施形態によるアンカーボルトの支持装置では、アンカー支持部Bに連結具52を設けたことによって、下端側が直状のアンカーボルト23だけではなく、下端側がU字状やL字状に湾曲したアンカーボルト51も固定支持することができると共に、この連結具52でもアンカーボルト23,51を含む上部側昇降移動を昇降移動させて高さ調整を行うことが可能であるから、連結具28による高さ調整と併用して用いると一段と大幅な高さ調整が可能となり、少品種の支柱部材22及びアンカーボルト23,51によって基礎高の異なる柱脚に適応でき、コストの低減及び部品の在庫管理の容易化を図ることができる。
以上のように、本発明を図示した第1〜3の実施形態に基づいて説明したが、これらの各実施形態を組み合わせた態様を採ることも可能であると共に、これらの実施形態以外でも要旨の範囲内で各種に変形した態様を採ることができ、例えば使用するアンカーボルトの本数を適宜増減させたり、丸棒で形成している支柱部材を多角形状の角棒にしたり、L字状のアングル材で形成したアンカー連結部材32を、コ字状のチャンネル材で形成したり、支柱部材やアンカーボルトを挿通して押圧ねじで固着する五角形状の挿通孔を、同様の多点支持が可能な他の多角形状にする形態、などを採ることができる。
また、図示の実施形態では支柱部材としてアングル材より低コストであり且つ、小径でアンカーボルト側へ突出した際に邪魔にならない鋼棒を用いているが、従来技術と同様にアングル材の形鋼を支柱部材に用いる形態を採っても、基礎高に適合させて各アンカーボルトを一括して大幅に高さ調整することが可能であると共に、支柱部材に鋼棒又は形鋼のいずれを用いた場合であっても、アンカー支持部におけるアンカー連結部材及び連結具の構造は、図示の実施形態以外の実施形態によっても同様の効果を奏することができる。
例えば、内向きに開口するコ字状のチャンネル材を用いて方形枠状のアンカー連結部材を形成し、角隅部に隣接した水平片には上下連通状態で支柱部材を挿通する挿通孔を設けるが、支柱部材が鋼棒の場合には多角形状の挿通孔を穿設し、形鋼の場合には多角形状又はL字状の切欠き溝による挿通孔を穿設すると共に、垂直片にねじ孔を設けて押圧ねじを螺合させ、押圧ねじの締め付けで押圧した支柱部材を挿通孔の内面に圧接し、支柱部材をアンカー支持部Bに連結する形態を採ることができる。
また、上記と同様に内向きに開口するコ字状のチャンネル材を用いて方形枠状のアンカー連結部材を形成した場合に、第3の実施形態のようにアンカー連結部材に対してアンカーボルトを着脱自在に連結する構造として、アンカー連結部材には水平片に上下連通状態でアンカーボルトを挿通する多角形状の挿通孔を設けると共に、垂直片にねじ孔を設けて押圧ねじを螺合させ、押圧ねじの締め付けで押圧したアンカーボルトを挿通孔の内面に圧接し、アンカーボルトをアンカー支持部Bに連結する形態を採ることができる。
さらに、ベース部Aの構造に付いても図示の実施形態以外の構造を採ることが可能であり、図示の実施形態ではベース部に設けた連結具の挿通孔に支柱部材を挿通すると共に、ねじ孔と螺合した押圧ねじで支柱部材を連結することによって、支柱部材の取り付けを容易にしているが、特許文献1及び特許文献と同様の実施形態を採ったり、公知の先行技術による各種の構造を適宜に採用することができる。
従来技術による柱脚用アンカーボルトの支持装置の全体斜視図を示す。 本発明の第1の実施形態による柱脚用アンカーボルトの支持装置の全体正面図を示す。 図2の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるベース部の部分平面図を示す。 図2の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるベース部の要部斜視図を示す。 図2の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるアンカー支持部の部分平面図を示す。 図2の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるアンカー支持部の要部斜視図を示す。 図2の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるテンプレート部の部分平面図を示す。 本発明の第2の実施形態による柱脚用アンカーボルトの支持装置の全体正面図を示す。 図8の柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるベース部の部分平面図を示す。 図8の柱脚用アンカーボルトの支持装置における中間補強部の部分平面図を示す。 本発明の第3の実施形態による柱脚用アンカーボルトの支持装置におけるアンカー支持部の部分平面図を示す。 図11の柱脚用アンカーボルトの支持装置における要部正面図を示す。
符号の説明
A ベース部
B アンカー支持部
C テンプレート部
D 中間補強部
20,44 アンカーボルトの支持装置
21 基礎地盤
22 支柱部材
23,51 アンカーボルト
23a,23b ねじ軸
24,24A,24B,24A1,24A2,24B1,24B2 ベース部材
25 ウォールアンカー
26 スペーサ
27,38,39,42,43 ナット
28,33,34,48,52 連結具
29,37,41 取付け孔
30,49,53 挿通孔
31,36,50,54 押圧
32 アンカー連結部材
35 支圧板
40 テンプレート
45 杭頭部
46,46A,46B 補強部材
47 補助アングル

Claims (5)

  1. 複数のアンカーボルトを支持する上部側構造体と、該上部側構造体を支持する下部側構造体とを有するアンカーボルトの支持装置であって、
    前記下部側構造体は、
    基礎地盤に連結されるベース部と、
    下端側が前記ベース部に連結された複数の支柱部材と、
    前記複数の支柱部材を長手方向中間位置にて相互に連結して補強する中間補強部と、
    前記中間補強部に設けられ、当該中間補強部と前記支柱部材とを連結する第1の連結具とを備え、
    前記上部構造体は、
    前記複数のアンカーボルトの下端側を相互に連結するアンカー支持部と、
    前記複数のアンカーボルトの上端側を相互に連結するテンプレート部と、
    前記アンカー支持部に設けられ、当該アンカー支持部と前記支柱部材とを連結する第2の連結具とを備え、
    前記第2の連結具が前記支柱部材に着脱可能に固着することにより、前記上部側構造体が前記支柱部材に沿って高さ調整可能とされ、
    前記第1の連結具が前記支柱部材に着脱可能に固着することにより、前記中間補強部が前記支柱部材に沿って高さ調整可能とされたことを特徴とするアンカーボルトの支持装置。
  2. 前記上部構造体は、
    前記アンカー支持部に設けられ、当該アンカー支持部と前記アンカーボルトとを連結する第3の連結具を備え、
    前記第3の連結具が前記アンカーボルトの下端側に着脱可能に固着することにより、前記複数のアンカーボルトが前記アンカー支持部に対して高さ調整可能とされたことを特徴とする、請求項1に記載のアンカーボルトの支持装置。
  3. 前記アンカー支持部は方形枠状に形成されたアンカー連結部材を備え、
    前記第2の連結具は、前記アンカー連結部材の角隅部に設けられたねじ孔を有する支圧板と、該支圧板のねじ孔に螺合した押圧ねじとを備え、当該押圧ねじを締め付けることによって前記支柱部材を多点支持状態で前記アンカー連結部材に圧接させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアンカーボルトの支持装置。
  4. 前記支柱部材が丸棒又は角棒の鋼棒であることを特徴とする、請求項3に記載のアンカーボルトの支持装置。
  5. 前記ベース部は、前記複数の支柱部材を分離独立させるべく該支柱部材の本数と同数形成されたベース部材と、該ベース部材にそれぞれ設けられ、前記支柱部材の下端側に着脱可能に固着することにより、前記ベース部材と前記支柱部材とを連結する第4の連結具とを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のアンカーボルトの支持装置。
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