JP2003002972A - 高純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法 - Google Patents

高純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法

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JP2003002972A
JP2003002972A JP2001191336A JP2001191336A JP2003002972A JP 2003002972 A JP2003002972 A JP 2003002972A JP 2001191336 A JP2001191336 A JP 2001191336A JP 2001191336 A JP2001191336 A JP 2001191336A JP 2003002972 A JP2003002972 A JP 2003002972A
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polyamino acid
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polysuccinimide
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JP2001191336A
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Katsuhiko Machida
勝彦 町田
Michio Iwama
道夫 岩間
Eiji Kuwamoto
英治 桑本
Makoto Sukegawa
誠 助川
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物含有量が高度に低減された高純度ポリ
アミノ酸誘導体を、高効率で製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリアミノ酸誘導体を、亜臨界流体及び
/又は超臨界流体と接触させることにより、含有する不
純物を除去することを特徴とする高純度ポリアミノ酸誘
導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度のポリアミ
ノ酸誘導体[ポリコハク酸イミド、ポリアスパラギン酸
(塩)、ポリグルタミン酸(塩)、架橋ポリコハク酸イ
ミド、架橋ポリアスパラギン酸(塩)、架橋ポリグルタ
ミン酸(塩)等]の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミノ酸誘導体は、環境に適合する
ポリマーとして重要である。ポリアミノ酸誘導体の1つ
であるポリコハク酸イミドは、それ自体が生分解性を有
すると共に、種々の誘導体を製造するための中間原料に
もなる。ポリコハク酸イミドの誘導体であるポリアスパ
ラギン酸(塩)は、生分解性を有する洗浄剤成分等とし
て有用な材料である。また、ポリコハク酸イミドの誘導
体である架橋ポリコハク酸イミドや架橋ポリアスパラギ
ン酸(塩)は、生分解性を有する吸収材料、吸水材料等
として極めて有用である。
【0003】従来、ポリアミノ酸誘導体の1つであるポ
リコハク酸イミドの製造方法に関しては、特開平6−1
45350号公報にあるように、スルホラン等の高い沸
点を有する有機溶剤を用いる技術が知られている。ま
た、架橋ポリコハク酸イミドや架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の製造方法に関しては、特開平7−224163
号公報にあるように、ポリコハク酸イミドに対する架橋
反応を実施するためにN,N−ジメチルホルムアミド等
の高い沸点を有する有機溶剤を用いる技術が知られてい
る。
【0004】これらポリアミノ酸誘導体を、高純度材料
が求められる分野(例えば、衛生材料、医療用材料、食
品関連材料等)に使用する場合には、その製造過程で用
いた溶剤等の不純物含有量を効率良く低減することが不
可欠である。しかしながら、上述したような従来の製造
方法で用いられるスルホラン、N,N−ジメチルホルム
アミド等の高い沸点を有する有機溶剤等の不純物をポリ
アミノ酸誘導体から分離し、高純度のポリアミノ酸誘導
体を得るためには、多量の洗浄溶剤を用いた抽出操作
や、高温条件及び/又は高真空条件下での乾燥操作を必
要とする。すなわち、このような従来技術は、十分に効
率の良い方法とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の各課題を解決すべくなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、不純物含有量が高度に低減され
た高純度ポリアミノ酸誘導体を高効率で製造できる方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、不純物を含有するポリ
アミノ酸誘導体を、超臨界流体等を用いて処理すること
により、極めて高純度のポリアミノ酸誘導体が高効率に
製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ポリアミノ酸誘導体
を、亜臨界流体及び/又は超臨界流体と接触させること
により、含有する不純物を除去することを特徴とする高
純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に説明する。
【0009】[ポリアミノ酸誘導体]本発明において、
ポリアミノ酸誘導体とは、例えば、ポリコハク酸イミ
ド、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジ
ン等の主としてアミノ酸を含んでなるポリマー、それら
ポリマーの架橋体、及びそれらがペンダント基などによ
り化学修飾された誘導体を含む。また、ポリアミノ酸誘
導体の主鎖基本骨格の繰り返し単位は、2種以上のアミ
ノ酸構造単位からなる共重合体であっても構わない。共
重合体である場合には、ブロック・コポリマーであって
も、ランダム・コポリマー、グラフト・コポリマーであ
っても構わない。
【0010】ポリアミノ酸誘導体としては、例えば、ポ
リコハク酸イミド、ポリアスパラギン酸(塩)、ポリグ
ルタミン酸(塩)、架橋ポリコハク酸イミド、架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)及び架橋ポリグルタミン酸(塩)
からなる群より選択された1種以上のポリマーを含んで
なるものが挙げられる。ここで「酸(塩)」とは、酸及
び/又はその塩を意味する。
【0011】ポリアミノ酸誘導体の原料としては、例え
ば、アスパラギン酸や、アスパラギン酸を除く19種類
の必須アミノ酸、L−オルニチン、一連のα−アミノ
酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸
性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミ
ノ酸、塩基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L
−フェニルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミ
ノ酸及びアミノ酸誘導体、L−システイン酸等のアミノ
スルホン酸等を挙げることができる。これら原料の異性
体については特に限定されない。例えばα−アミノ酸
は、L体、D体、DL体の何れでも良い。
【0012】ポリアミノ酸誘導体の主鎖部分の構造は、
線状構造であっても、分岐状構造を有するものであって
もよい。また、ポリアミノ酸誘導体の1つであるポリア
スパラギン酸、架橋ポリアスパラギン酸の主鎖基本骨格
は、主鎖中のアミド結合が、α結合である場合と、β結
合である場合とがある。このポリアスパラギン酸構造の
α結合とβ結合は、通常は混在するが、本発明では、そ
の結合様式は特に限定されない。
【0013】ポリアミノ酸誘導体の主鎖構造部分の分子
量は、特に限定されない。ポリアミノ酸誘導体の用途・
目的に応じ、好適な分子量を選択すればよい。より具体
的には、ポリアミノ酸誘導体の重量平均分子量(Mw)
は、通常は1×103〜1×106、好ましくは5×10
3〜5×105、より好ましくは1×104〜3×10 5
特に好ましくは3×104〜2×105、最も好ましくは
5×104〜1×10 5である。例えば、吸水性材料とし
て用いる場合には、通常、主鎖構造部分の分子量を適度
に高くすれば、吸水材、保水材等としての能力を十分に
発揮する。また、主鎖構造部分の分子量を適度に低くす
れば、生産性において有利になる。
【0014】ポリアミノ酸誘導体の側鎖部分の構造は、
特に限定されない。側鎖部分の置換基は、特に限定され
ないが、例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルキル
基、アリール基、アラルキル基等を1個以上含むペンダ
ント基が挙げられる。また、ペンダント基は、特定の置
換基を持たないアルキル基、アラルキル基、アリール基
であってもよい。これらのペンダント基は、好ましく
は、ポリアミノ酸誘導体の主鎖構造部分とアミド結合、
エステル結合、チオエステル結合等で結合したものであ
る。
【0015】側鎖部分にカルボキシル基を有する場合に
ついては、フリーの状態でも塩を形成していてもよい。
塩を形成するイオンの具体例としては、例えば、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等の金属イオン;アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニ
ウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシ
ルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリ
メチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモ
ニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルト
リメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアン
モニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチ
ルプロピルアンモニウム、トリエチルブチルアンモニウ
ム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキ
シルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニ
ウム、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン等のアン
モニウムイオン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペン
チルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、
トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメ
チルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミ
ン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン等のアミンイオン等を挙げることができる。
【0016】例えば、ポリアミノ酸誘導体の1つである
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側鎖は、架橋ポリコハ
ク酸イミドのイミド環を加水分解により開環した構造を
有し、この加水分解により生成したカルボキシル基を含
む。また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、上記他の
置換基を有する側鎖を含んでいてもよい。
【0017】また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂、架
橋ポリグルタミン酸系樹脂等の側鎖にカルボン酸を有す
るポリアミノ酸誘導体を吸水性材料として用いる場合に
は、イオンの原子量又は分子量が大きくなると相対的に
単量体単位当たりの分子量が大きくなるので、通常、イ
オンの分子量は小さい方が好ましい。また、人の肌等に
触れる可能性がある場合は、毒性が無いか、又は、毒性
が低い方が好ましい。これらの点から、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、アンモニウム、トリエタノールアミ
ンを用いることが好ましく、ナトリウム、カリウムを用
いることが、特に好ましい。
【0018】ポリアミノ酸誘導体の架橋部分は、その分
子構造について特に限定されない。ポリアミノ酸誘導体
の架橋部分は、ポリマー主鎖基本骨格との「結合部分」
と、それらを橋架けする「連結部分」に分けて理解する
ことができる。
【0019】ここで、架橋部分の量は特に限定されない
が、架橋部分を有する繰り返し単位の数は、重合体全体
の繰り返し単位の総数を基準として、0〜80%が好ま
しく、0.1〜10%がより好ましい。
【0020】ポリアミノ酸誘導体の架橋部分の「結合部
分」は、特に限定されない。その具体例としては、アミ
ド結合、エステル結合、チオエステル結合を含んで成る
構造を挙げることができる。これらは単独でもよいし、
複数の構造が混在していても構わない。
【0021】ポリアミノ酸誘導体の架橋部分の「連結部
分」は特に限定されない。連結部分は、無置換のもので
も、置換基により置換したものでもよい。この置換基と
しては、炭素原子数1から18の分岐していてもよいア
ルキル基、炭素原子数3から8のシクロアルキル基、ア
ラルキル基、置換していてもよいフェニル基、置換して
いてもよいナフチル基、炭素原子数1から18の分岐し
ていても良いアルコキシ基、アラルキルオキシ基、フェ
ニルチオ基、炭素原子数1から18の分岐していても良
いアルキルチオ基、炭素原子数1から18の分岐してい
ても良いアルキルアミノ基、各アルキル基が炭素原子数
1から18の分岐していても良いジアルキルアミノ基、
各アルキル基が炭素原子数1から18の分岐していても
良いトリアルキルアンモニウム基、水酸基、アミノ基、
メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基並びにホ
スホン酸基及びこれらの塩、アルコキシカルボニル基、
アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0022】例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル等のアルキル基、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブ
チル等のアラルキル基、フェニル、トリル、キシリル、
クロロフェニル、ビフェニル等のフェニル基、ナフチ
ル、メチルナフチル等のナフチル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキ
シ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオ
キシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキ
サデシルオキシ、ヘプチルデシルオキシ、オクチルデシ
ルオキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、ベンジルオキ
シ、トリルオキシ等のアラルキルオキシ基、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチル
チオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノ
ニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチ
オ、トリデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシル
チオ、ヘキサデシルチオ、ヘプチルデシルチオ、オクチ
ルデシルチオ等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、ベ
ンジルチオ、トリルチオ等のアラルキルチオ基、メチル
アミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミ
ノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミ
ノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウ
ンデシルアミノ、ドデシルアミノ、トリデシルアミノ、
テトラデシルアミノ、ペンタデシルアミノ、ヘキサデシ
ルアミノ、ヘプチルデシルアミノ、オクチルデシルアミ
ノ等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチル
アミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオク
チルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、ジウン
デシルアミノ、ジドデシルアミノ、ジトリデシルアミ
ノ、ジテトラデシルアミノ、ジペンタデシルアミノ、ジ
ヘキサデシルアミノ、ジヘプチルデシルアミノ、ジオク
チルデシルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピ
ルアミノ等のジアルキルアミノ基、トリメチルアンモニ
ウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニ
ウム、トリブチルアンモニウム、トリペンチルアンモニ
ウム、トリヘキシルアンモニウム、トリヘプチルアンモ
ニウム、トリオクチルアンモニウム、トリノニルアンモ
ニウム、トリデシルアンモニウム、トリウンデシルアン
モニウム、トリドデシルアンモニウム、トリテトラデシ
ルアンモニウム、トリペンタデシルアンモニウム、トリ
ヘキサデシルアンモニウム、トリヘプチルデシルアンモ
ニウム、トリオクチルデシルアンモニウム、ジメチルエ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム、メ
チルジベンジルアンモニウム等のトリアルキルアンモニ
ウム基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ
ル基、又は、スルホン酸基、又はホスホン酸基及びこれ
らの塩、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボ
ニル、プロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボ
ニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカル
ボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカ
ルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカル
ボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシ
カルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシ
ルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、
ヘキサデシルオキシカルボニル、ヘプタデシルオキシカ
ルボニル、オクタデシルオキシカルボニル等のアルキル
オキシカルボニル基、メチルカルボニルオキシ、エチル
カルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチル
カルボニルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ヘキシ
ルカルボニルオキシ、ヘプチルカルボニルオキシ、オク
チルカルボニルオキシ、ノニルカルボニルオキシ、デシ
ルカルボニルオキシ、ウンデシルカルボニルオキシ、ド
デシルカルボニルオキシ、トリデシルカルボニルオキ
シ、テトラデシルカルボニルオキシ、ペンタデシルカル
ボニルオキシ、ヘキサデシルカルボニルオキシ、ヘプタ
デシルカルボニルオキシ、オクタデシルカルボニルオキ
シ等のアルキルカルボニルオキシ基等を挙げることがで
きる。
【0023】これらの中から分子量が大きいものを選択
すると、架橋部分の分子量が大きくなり、相対的に繰り
返し単位当たりの分子量が大きくなる。例えば、ポリア
ミノ酸誘導体を吸水性材料に用いる場合には、単位質量
当たりの吸水量が小さくなるので、分子量が小さいもの
を選択する方が好ましい。また、一般的に製造工程が複
雑でないものを選択することも好ましい。例えば、無置
換のもの、又は、置換基(例えば、メチル、エチル、メ
トキシ、メチルオキシカルボニル及び/又はメチルカル
ボニルオキシ基;並びに/又は水酸基、アミノ基、メル
カプト基、カルボキシル基、スルホン酸基及び/又はホ
スホン酸基及び又はこれらの塩等)により置換されたも
のが好ましい。
【0024】さらに、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂、
架橋ポリグルタミン酸系樹脂等のポリアミノ酸誘導体を
吸水性材料の用途に使用する場合は、樹脂分子内に極性
基が存在することが好ましいので、架橋部分は、無置換
の状態で極性基を含むもの、又は、極性基を含む置換基
(例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキ
シル基、スルホン酸基及びホスホン酸基並びに/又はこ
れらの塩)により置換されたものが特に好ましい。
【0025】本発明において使用する架橋剤は、未架橋
ポリアミノ酸誘導体の少なくとも一部と反応し、架橋構
造を生成させる多官能性化合物であれば、特に限定され
ない。具体的には、例えば、未架橋ポリアミノ酸誘導体
がポリコハク酸イミドである場合には、少なくとも一部
のイミド環部分と反応する多官能性化合物を、架橋剤と
して使用する。
【0026】例えば、ポリアミン、ポリチオール等の多
官能性化合物を挙げることができる。その具体例として
は、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ド
デカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、
ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−2,2−ビ
ス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメタン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族
ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4−ジアミノ
シクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン、フェニ
レンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン
等の芳香族ポリアミン、塩基性アミノ酸もしくはそれら
のエステル類、シスタミン等のモノアミノ化合物の分子
1個又はそれ以上が1個又はそれ以上のジスルフィド結
合により結合した化合物及びその誘導体等のポリアミ
ン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオ
ール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチ
オール、ペンタエリスリチオール等の脂肪族ポリチオー
ル、シクロヘキサンジチオール等の脂環式ポリチオー
ル、キシリレンジチオール、ベンゼンジチオール、トル
エンジチオール等の芳香族ポリチオール、トリメチロー
ルプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロー
ルプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)ペ
ンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)ポリチオール等のエステル類が挙げられ
る。また、リジン、シスチン、オルニチンに代表される
タンパク質構成アミノ酸又はそれらの塩又はエステル類
が挙げられる。
【0027】例えば、ポリコハク酸イミドと反応する場
合には、これらの中では、臭気が小さく、ポリコハク酸
イミドのイミド環との反応性が高い、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、リジ
ン、オルニチン、シスタミンが好ましい。
【0028】[不純物]本発明において、不純物とは、
ポリアミノ酸誘導体中の不必要な成分であり、その範囲
は特に限定されるものでは無い。具体的には、例えば、
ポリアミノ酸誘導体製造の過程で使用された有機溶剤、
触媒、未反応原料、低分子量成分、副生成物等が挙げら
れる。不純物は、ポリアミノ酸誘導体中に1種以上含有
される場合もある。また、本発明の方法により得られる
高純度ポリアミノ酸誘導体中の不純物濃度は、通常は1
000ppm以下であり、特に200ppm以下である
ことが好ましい。
【0029】不純物としては、より具体的には、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N'
−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等の炭素原子数1〜30を有する非プロトン
性極性溶媒類;キシレン、クレゾール等の炭素原子数6
〜30を有する芳香族炭化水素類;メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−
ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール等の炭素原子数1〜30を有するアルコール類;ア
セトン等の炭素原子数3〜30を有するケトン類;ギ
酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リ
ンゴ酸等の炭素原子数1〜30を有するカルボン酸類及
びそのエステル類(例えば、メチルエステル等);リン
酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン
酸トリメチルエステル等の炭素原子数1〜30を有する
リン酸エステル類;アクリロニトリル、アクリルアミ
ド、アクリル酸、アクリル酸エステル等の重合性モノマ
ー類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエン
スルホン酸等の炭素原子数1〜30を有する有機スルホ
ン酸類;塩酸、硫酸、リン酸等の酸類及びその塩類;ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミ
ン、ヘキサンジアミン等の炭素原子数1〜30を有する
有機塩基類及びその塩類;が挙げられる。
【0030】[亜臨界流体及び超臨界流体]本発明にお
いては、ポリアミノ酸誘導体を、亜臨界流体及び/又は
超臨界流体と接触させることにより、含有する不純物を
除去するので、従来技術におけるような、多量の溶剤を
用いた抽出操作や、高温、高真空条件下での乾燥操作が
必ずしも必要では無くなる。しかも、流体の温度及び/
又は圧力を調整することによって、ポリアミノ酸誘導体
及び/又はポリアミノ酸誘導体中に含有される不純物の
流体への溶解性や除去速度を簡易に調整することがで
き、その除去速度を速くすることが可能であり、このよ
うな点において非常に効率の良い方法である。また、非
常に高純度のポリアミノ酸誘導体が得られるので、高純
度材料が求められる分野(例えば、衛生材料、医療用材
料、食品関連材料等)に使用するポリアミノ酸誘導体を
得る方法としても非常に有用である。
【0031】本発明において、亜超臨界流体とは、臨界
温度未満及び/又は臨界圧力未満の条件下にある流体で
ある。また、超臨界流体とは、臨界温度以上かつ臨界圧
力以上の条件下にある流体である。亜臨界流体及び超臨
界流体として具体的に用いる流体の種類は特に限定され
ず、従来から知られている種々の流体を使用できる。ま
た、亜臨界流体及び超臨界流体は、複数種を併用しても
構わない。複数種を併用する場合は、混合して同時に用
いても、単独で順に用いても構わない。
【0032】亜臨界流体、超臨界流体としては、例え
ば、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物(例えば、亜
酸化窒素等)、アンモニア、飽和炭化水素(メタン、エ
タン、プロパン、ブタン等)、不飽和炭化水素(エチレ
ン、プロピレン、ブテン等)、窒素、水素、酸素、ハロ
ゲン化炭化水素(フロンガス等)及びジメチルエーテル
からなる群より選択される少なくとも1種以上の流体が
好ましく用いられる。また、これらに加え、『改訂六版
化学工学便覧』(編者:社団法人 化学工学会、発行
所:丸善株式会社、1999年)の『1.物性および熱
力学』(第17頁〜第46頁)に記載の物質、又は、
『化学便覧基礎編 改訂3版』(編者:社団法人 日本
化学会、発行所:丸善株式会社、1984年)の『8.
相平衡』(第II−108頁〜第II−111頁)に記載の
1種以上の物質を用いても構わない。
【0033】上述した流体のうち、使用後のポリアミノ
酸誘導体との分離の容易さから、常温・常圧(10℃、
大気圧)条件下においては気体である物質が好ましい。
さらに使用後の分離性や安定性から、二酸化炭素、一酸
化炭素、亜酸化窒素、アンモニア、メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ジメチルエーテルが好ましい。特に、
二酸化炭素は、温和な臨界温度を有し、かつ安全性や安
定性に優れるので、本発明において好ましく使用され
る。
【0034】ポリアミノ酸誘導体中の不純物を除去する
為に使用した後の亜臨界流体及び超臨界流体は、精製操
作(例えば、蒸留操作、吸着操作、吸収操作等)を経
て、あるいは精製操作を経ること無く再使用しても構わ
ない。
【0035】[抽出助剤]本発明において「抽出助剤」
とは、必要に応じて、亜臨界流体及び/又は超臨界流体
に添加され、ポリアミノ酸誘導体に含有される不純物の
溶解力を向上させる機能及び/又はポリアミノ酸誘導体
に含有される不純物を分離する際の選択性を向上させる
機能を有する物質である。抽出助剤は特に限定されず、
対象とする不純物や使用する亜臨界流体及び/又は超臨
界流体に対する親和性、回収の容易さ、安全性、安定性
等の観点から選定すれば良い。
【0036】抽出助剤としては、例えば、有機溶媒、
水、及び、有機溶媒と水の混合液が挙げられる。有機溶
媒の具体例としては、炭素数1〜30のアルコール類、
炭素数3〜30のケトン類、炭素数2〜30のエーテル
類、炭素数3〜30の酢酸エステル類、炭素数1〜30
の炭化水素類、炭素数3〜30のカーボネート類、炭素
数6〜30の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0037】さらに具体的には、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノー
ル、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、4−メ
チル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキ
サノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1
−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール
等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノ
ン、2−ペンタノン、3−ペンタノン等のケトン類;ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸
プロピル、酪酸ブチル等の酢酸エステル類;メタン、エ
タン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン等の炭化水素類;エチレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニル
カーボネート等のカーボネート類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;などが挙げられ
る。
【0038】これらのうち、抽出助剤としての効果、回
収の容易さから、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、アセトン、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸
メチル、酢酸エチル、メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタンが好ましく、特に、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、
ジメチルエーテルがより好ましい。
【0039】抽出助剤は、1種を単独で、あるいは2種
以上を以上を混合して用いても構わない。複数種を用い
る場合には、混合して同時に用いても、単独で順に用い
ても構わない。
【0040】抽出助剤は、亜臨界流体及び/又は超臨界
流体とポリアミノ酸誘導体を接触させる全ての過程にお
いて用いても構わないし、亜臨界流体及び/又は超臨界
流体とポリアミノ酸誘導体を接触させる一部の過程にお
いて用いても構わない。具体的には、例えば、(1)抽
出助剤を添加した亜臨界流体及び/又は超臨界流体とポ
リアミノ酸誘導体を接触させた後、抽出助剤を含有しな
い亜臨界流体及び/又は超臨界流体とポリアミノ酸誘導
体とを接触させる方法や、(2)抽出助剤を含有しない
亜臨界流体及び/又は超臨界流体とポリアミノ酸誘導体
を接触させた後、抽出助剤を添加した亜臨界流体及び/
又は超臨界流体とポリアミノ酸誘導体とを接触させる方
法等が挙げられる。
【0041】使用した後の抽出助剤は、精製操作(例え
ば、蒸留操作、吸着操作等)を経て再使用しても構わな
い。また精製操作を経ること無く再使用しても構わな
い。
【0042】抽出助剤を用いる場合、その添加量は、亜
臨界流体及び/又は超臨界流体100質量部に対し、
0.0001〜100質量部が好ましく、0.001〜3
0質量部がより好ましく、0.01〜10質量部が特に
好ましく、0.1〜3質量部が最も好ましい。ここでい
う添加量は、複数種の抽出助剤を用いる場合はその合計
質量である。上述の各範囲の各上限値のように、抽出助
剤の使用量を適度に少なくすれば、回収負荷を低減でき
る。また、各下限値のように適度に多くすれば、抽出効
果を十分発揮する。
【0043】[ポリアミノ酸誘導体の前処理]ポリアミ
ノ酸誘導体を亜臨界流体及び/又は超臨界流体と接触さ
せる前に、必要に応じて、ポリアミノ酸誘導体に対して
前処理操作を実施しても構わない。
【0044】前処理操作として、例えば、固体状である
ポリアミノ酸誘導体の粒子サイズの調整を、乾式又は湿
式の粉砕装置を用いて、連続式又は回分式操作で行うこ
とができる。また、分級が必要な場合には、乾式又は湿
式の分級装置を用いて、連続式又は回分式操作で分級を
行ってもよい。ここで、粉砕機構と分級機構を併せ持っ
た装置を用いてもよい。また、逆に、ポリアミノ酸誘導
体の粒子サイズが過度に小さ過ぎて操作に困難が生じる
場合には、自足造粒系又は強制造粒系の造粒操作を行っ
ても構わない。
【0045】ポリアミノ酸誘導体の粒子サイズ(平均粒
子直径)を把握する方法としては、例えば、標準ふるい
を用いた測定方法がある。具体的には、標準ふるいを機
械式振とう機と共に使用し、乾式又は湿式でふるい分け
を行い、粒径分布を測定することができる。また、ポリ
アミノ酸誘導体の粒子サイズ(平均粒子直径)を把握す
る他の方法としては、レーザー回折・散乱法による測定
方法がある。具体的には、ポリアミノ酸誘導体に対する
貧溶媒中で、ポリアミノ酸誘導体を分散させ、レーザー
回折・散乱法により粒径分布を測定することができる。
固体状のポリアミノ酸誘導体を扱う場合は、通常、粒径
は小さい方が好ましい。具体的には、固体状のポリアミ
ノ酸誘導体の最大粒子直径は、通常、10cm以下が好
ましく、1cm以下がより好ましく、1mm以下が特に
好ましく、500μm以下が最も好ましい。
【0046】また、前処理操作として、不純物を含有す
るポリアミノ酸誘導体の予備洗浄操作を行ってもよい。
例えば、ポリアミノ酸誘導体に変性等が生じない温度条
件下において、常温・常圧条件下では液体又は固体であ
る洗浄溶媒(例えば、水、メタノール等)を用いて洗浄
しても構わない。予備洗浄後のポリアミノ酸誘導体中の
不純物(残存洗浄溶媒も含む)については、本発明の方
法に従い、亜臨界流体及び/又は超臨界流体を用いてポ
リアミノ酸誘導体から分離できる。また、予備洗浄操作
の実施前及び実施後におけるポリアミノ酸誘導体の相状
態(固体状、液体状、ゲル状等)は、特に限定されな
い。
【0047】また、前処理操作として、ポリアミノ酸誘
導体の予備乾燥操作を行うことにより、ポリアミノ酸誘
導体に含有される反応溶媒、洗浄溶媒等の少なくとも一
部を除去することができる。予備乾燥操作は、真空系、
常圧系、加圧系のうち少なくとも1つ以上の圧力条件下
において実施できる。乾燥温度は、ポリアミノ酸誘導体
に変性が生じない範囲内で、予備乾燥効果が得られる温
度条件(例えば200℃以下)とすれば良い。予備乾燥
操は、具体的には、例えば、熱風移送型乾燥器、材料攪
拌型乾燥器(流動層乾燥機等)、材料搬送及び静置型乾
燥器、円筒乾燥器、赤外線乾燥器、マイクロ波乾燥器、
過熱蒸気乾燥器等のうちの少なくとも1つの装置を用い
て、連続式又は回分式の操作により行うことができる。
また、予備乾燥操作の実施前及び実施後におけるポリア
ミノ酸誘導体の相状態(固体状、液体状、ゲル状等)
は、特に限定されない。
【0048】[接触条件]ポリアミノ酸誘導体と亜臨界
流体及び/又は超臨界流体を接触させる際には、抽出助
剤の有無にかかわらず、ポリアミノ酸誘導体中に含有さ
れる不純物の少なくとも一部が溶解する温度・圧力条件
を選択し、適度な時間接触させればよい。
【0049】温度条件は、抽出助剤の有無にかかわら
ず、好ましくは臨界温度の0.1〜10倍、より好まし
くは臨界温度の0.7〜5倍、特に好ましくは臨界温度
の0.9〜3倍、最も好ましくは臨界温度の0.95〜2
倍、の温度である。上記各範囲の上限値はポリアミノ酸
誘導体の変性を抑制する点などにおいて意義が有り、下
限値は冷却に要する負荷を小さくする点などにおいて意
義が有る。
【0050】圧力条件は、抽出助剤の有無にかかわら
ず、好ましくは臨界圧力の0.1〜100倍、より好ま
しくは臨界圧力の0.5〜10倍、特に好ましくは臨界
圧力の0.9〜5倍、最も好ましくは臨界圧力の0.95
〜3倍、の圧力である。上記各範囲の上限値は、高耐圧
を要し装置設計が困難になることを避ける点などにおい
て意義が有り、下限値は、亜臨界流体及び/又は超臨界
流体に対する不純物の溶解性の点などにおいて意義が有
る。
【0051】接触時間は、通常は50時間以下、好まし
くは10時間以下、より好ましくは2時間以下、特に好
ましくは30分以下、最も好ましくは1分以下である。
上記各範囲の上限値は、大型の装置が必要となり装置設
計が困難になることを避ける点などにおいて意義が有
り、下限値は、ポリアミノ酸誘導体から十分に不純物の
除去を行う点などにおいて意義が有る。
【0052】亜臨界流体及び/又は超臨界流体の使用量
は、特に限定されない。ポリアミノ酸誘導体中の不純物
の濃度に応じて、目的とする高純度ポリアミノ酸誘導体
が得られる使用量とすればよい。その使用量は、具体的
には、ポリアミノ酸誘導体1質量部に対し、500質量
部以下が好ましく、300質量部以下がより好ましく、
100質量部以下が特に好ましく、50質量部以下が最
も好ましい。上記各範囲の上限値は、回収負荷の低減な
どにおいて意義が有り、下限値は不純物の除去効果を十
分発揮する点などにおいて意義が有る。
【0053】ポリアミノ酸誘導体と亜臨界流体及び/又
は超臨界流体とを接触させる操作は、連続式操作、半回
分式操作、回分式操作の何れでも構わない。連続多段抽
出操作を行い、ポリアミノ酸誘導体と亜臨界流体及び/
又は超臨界流体とを、向流又は並流で接触させることも
好ましい。
【0054】ポリアミノ酸誘導体と亜臨界流体及び/又
は超臨界流体とを接触させる装置は特に限定されない。
ポリアミノ酸誘導体の性状(固体状、液体状、ゲル状、
スラリー状等)に応じて、好ましい装置を選択すればよ
い。具体的には、例えば、液液抽出操作や固液抽出操作
で使用される装置等を採用することもできる。さらに具
体的には、例えば、撹拌槽、固定床型装置、移動床型装
置、混練装置、単軸又は二軸混練機等が挙げられる。ま
た、亜臨界流体及び/又は超臨界流体との接触の前後に
おけるポリアミノ酸誘導体の相状態(固体状、液体状、
ゲル状等)は、特に限定されない。
【0055】[ポリアミノ酸誘導体と亜臨界流体及び/
又は超臨界流体を接触させた後の処理]本発明では、ポ
リアミノ酸誘導体と亜臨界流体及び/又は超臨界流体を
接触させた後の処理については、特に限定されない。
【0056】例えば、ポリアミノ酸誘導体、不純物、抽
出助剤、亜臨界流体及び/又は超臨界流体を、所望の成
分及び/又は成分群に分離しても構わない。具体的な分
離方法としては、例えば、温度及び/又は圧力の調節に
よって、ポリアミノ酸誘導体、不純物、抽出助剤、亜臨
界流体及び/又は超臨界流体のうち、少なくとも一部が
実質的に分離される条件に設定する方法が挙げられる。
設定する温度条件及び/又は圧力条件は、複数段階であ
っても構わない。分離された成分及び/又は成分群は、
その少なくとも一部を再度使用しても構わない。また再
使用前に、さらなる分離操作(例えば、蒸留操作、吸着
操作等)を行っても構わない。
【0057】[ポリアミノ酸誘導体の形状]ポリアミノ
酸誘導体の形状は、不定形破砕状、球状、粒状、顆粒
状、造粒状、リン片状、塊状、パール状、微粉末状、繊
維状、棒状、フィルム状、シート状等、用途によって好
ましい形状を選択しても構わない。また、繊維状基材や
多孔質状や発泡体あるいは造粒物であってもよい。
【0058】ポリアミノ酸誘導体が粒子状の場合、その
粒子サイズ(平均粒子径)は特に限定されないが、用途
に応じて調整することも好ましい。例えば、ポリアミノ
酸誘導体を吸水性材料として用いる場合は、高い吸水速
度とゲル・ブロッキングが起こらないことが望まれるの
で、通常、その平均粒子径は50〜1000μmが好ま
しく、100〜600μmがより好ましい。また、ポリ
アミノ酸誘導体を止水材、他の樹脂への練り混み等に用
いる場合は、通常、1〜10μmが好ましく、農園芸用
の保水材等に用いる場合には、土中への混合性を考慮す
ると、通常、100μm〜5mmが好ましい。
【0059】上述した各形状のポリアミノ酸誘導体を得
るための方法・操作は、特に限定されない。特に、粉
砕、分級、及び、造粒からなる群より選択される少なく
とも1つ以上の操作を実施することが好ましい。これら
の操作は、連続式及び/又は回分式で実施することがで
きる。
【0060】[ポリアミノ酸誘導体の使用の形態]ポリ
アミノ酸誘導体の使用の形態は特に限定されず、単独で
使用してもよいし、他の素材と組み合わせて使用しても
よい。例えば、他の樹脂と組合せて用いる場合、熱可塑
性樹脂に混練して成形する方法、他の樹脂を構成する為
のモノマーとポリアミノ酸誘導体及び必要により開始剤
を混合し、これを光もしくは熱等で重合する方法、樹脂
とポリアミノ酸誘導体を溶剤に分散し、これをキャスト
し、溶剤を除去する方法、プレポリマーとポリアミノ酸
誘導体を混合し、これを架橋する方法、樹脂とポリアミ
ノ酸誘導体を混合し、これを架橋する方法等がある。
【0061】ポリアミノ酸誘導体の成型品としては、特
に限定されないが、固形物、シート、フィルム、繊維、
不織布、発泡体、ゴム等として使用できる。また、その
成型方法も特に限定されない。
【0062】また、ポリアミノ酸誘導体を他の素材との
組み合わせて複合体として使用する場合、その複合体の
構造は特に限定されないが、例えば、パルプ層、不織布
等にはさみ、サンドイッチ構造にする方法、樹脂シー
ト、フィルムを支持体として多層構造とする方法、樹脂
シートにキャストし、二層構造とする方法等がある。例
えば、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂をシート状に成形
加工すれば、吸水性シート(吸水性フィルムも包含す
る)が得られる。
【0063】ポリアミノ酸誘導体は、所望により、1種
以上の他の吸水性樹脂と混合して用いてもよい。また、
所望により、食塩、コロイダルシリカ、ホワイトカーボ
ン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無機化合
物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構わない。
さらに、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、
抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭剤、顔料
等を混合しても構わない。
【0064】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂や架橋ポリ
グルタミン酸系樹脂は、ゲル状でも固形物としても使用
できる。例えば、農園芸用保水材、切り花延命剤、ゲル
芳香剤、ゲル消臭剤等に使用する場合はゲルとして用
い、紙おむつ用吸収体等は固形状として用いる。
【0065】[ポリアミノ酸誘導体の用途]ポリアミノ
酸誘導体の用途は特に限定されない。具体的には、例え
ば、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット等の医療用品、ペット用シート、携帯用トイ
レ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨てカ
イロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェル剤、保
湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水材、切り
花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固定化
材)、育苗用苗床、水耕栽培植生シート、種子テープ、
流体播種用媒体、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、電子機器、光ファイバー等のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪、
徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤、湿度調整材、帯
電防止剤等が挙げられる。
【0066】また、例えば、固形製剤(賦形剤、結合
剤、崩壊剤、カプセル剤)用の基剤、半固形製剤(軟膏
剤、ローション剤、坐剤、パップ剤)用の基剤、液状製
剤(液剤、シロップ、乳剤、懸濁剤、エリキシル)用の
基剤、コーティング剤、マイクロカプセル化剤、DDS
用補助剤、増粘剤、金属イオン補足剤、再汚染防止剤、
界面活性剤、乳化剤、皮膜形成剤、洗濯糊、保湿剤、凝
集剤、増泡剤、抗菌剤等、ゲル化剤、弾性改善剤、結着
剤、ゆでロス防止剤、粘度調整剤、接着改善剤、こく改
善剤、乾燥保形剤、乾燥補助剤、浸透防止剤、油吸収調
整剤、乳化安定剤、分散安定剤、泡沫安定剤、沈殿防止
剤、結晶析出防止剤、ヒートショック防止剤、食品老化
防止剤、ドウ改善剤、組織改善剤、焼物表面調整剤、味
覚改善剤、凝集沈殿剤、カチオン電着用樹脂、外面用水
性塗料、エマルジョン塗料、親水化処理剤、抗菌塗料、
水溶性接着剤、高分子凝集剤、スケール防止剤、脱色
剤、キレート剤、飼料用添加剤、水溶性フィルム基剤、
泥水安定液、注入剤、コンクリート用添加剤、泥土処理
剤、土壌改良剤、法面緑化剤、法面被覆剤、廃棄物固化
剤、押出成形建材用増粘剤、繊維糊付剤、染色加工助
剤、封緘用接着剤、塗型用添加剤等が挙げられる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0068】[ポリアミノ酸誘導体中の溶媒濃度の評
価]ポリアミノ酸誘導体中の残存溶媒濃度は、下記装置
を含んで構成される分析装置を用いて評価した。分析
は、ポリアミノ酸誘導体を下記加熱脱着装置にて急速昇
温し、含有される溶媒を揮発させ分離、定量することに
より行った。ポリアミノ酸誘導体中の溶媒濃度は、溶媒
を含んだポリアミノ酸誘導体質量を基準とする値であ
る。
【0069】(分析装置) 加熱脱着装置:TDS2/TDSA/CIS4(ゲステ
ル社) GC/MS分析装置:HP6890/HP5973(ヒ
ューレットパッカード社) モード:SIM [分子量の評価]ポリコハク酸イミドの重量平均分子量
は、ポリスチレンを標準試料に用いてGPC分析により
評価した。また、ポリアスパラギン酸塩の重量平均分子
量は、ポリエチレンオキシドを標準試料に用いてGPC
分析により評価した。
【0070】[吸水量の評価]吸水性樹脂の吸水量は、
ティーバッグ法にて測定した。このティーバッグ法によ
る吸水量の測定は、生理食塩水及び蒸留水を対象として
行った。まず、乾燥した吸水性樹脂(粒子径100〜5
00μmを有する乾式分級品)0.02gを、不織布製
のティーバッグ(80mm×50mm)に入れ、過剰の
溶液(生理食塩水又は蒸留水)中に浸して、この樹脂を
40分間膨潤させた。次いで、ティーバッグを引き上げ
て10秒間水切りを行い、さらに24枚重ねのティッシ
ュペーパー上で10秒間水切りを行い、その膨潤した樹
脂を含むティーバッグの質量を測定した。その質量から
同様な操作をティーバッグのみで行った場合のブランク
質量と乾燥時の吸水性樹脂の質量を減じた値を、さらに
吸水性樹脂の質量で除した値、即ち、吸水性樹脂の単位
質量当たり吸水質量(g/g−吸水性樹脂)を算出し
た。なお、生理食塩水としては、0.9質量%塩化ナト
リウム水溶液を用いた。
【0071】[製造例1:ポリコハク酸イミド]攪拌装
置を備えた反応器に、L−アスパラギン酸133.1g
と、85質量%リン酸水溶液80.7g(リン酸68.6
g、水12.1g)を装入し、200℃、10mmHg
下で、8時間加熱した。冷却後、反応マスが固化してい
たためDMFを添加し、50℃に加温して溶解し、その
後メタノールに排出し、ろ過し、さらにメタノールで洗
浄した。得られたウェットケーキを50℃で真空乾燥
し、100.1gの粉状生成物を得た。この粉状生成物
のNMR分析及びGPC分析を行い、Mw16万を有す
るポリコハク酸イミドであることを確認した。また、元
素分析を行ったところ、リン分は検出されなかった。た
だし、この粉状生成物(ポリコハク酸イミド)には、D
MF1.1質量%、メタノール2.0質量%が含有されて
いた。
【0072】[製造例2:ポリコハク酸イミド]攪拌装
置を備えた反応器に、スルホラン250.0g、L−ア
スパラギン酸100.0g、85質量%リン酸水溶液2
6.0g(リン酸22.1g、水3.9g)を装入し、1
50〜180℃、100〜10mmHg下で6時間加熱
した。冷却後、反応マスをメタノールに排出し、ろ過を
行って固体を回収し、さらにメタノールで洗浄した。得
られたウェットケーキを60℃で真空乾燥し、99.5
gの粉状生成物を得た。この粉状生成物のNMR分析及
びGPC分析を行い、Mw7万を有するポリコハク酸イ
ミドであることを確認した。また、元素分析を行ったと
ころ、リン分は検出されなかった。ただし、この粉状生
成物(ポリコハク酸イミド)中には、スルホラン0.4
質量%、メタノール2.6質量%が含有されていた。
【0073】[製造例3:ポリアスパラギン酸塩]製造
例1で得た粉状生成物(ポリコハク酸イミド)から1
0.0gを取り出し、蒸留水70gに懸濁させた。室温
下、そのpHが11〜12の範囲内となるように20質
量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下していくと、懸濁液
は均一溶液に変化した。pH低下が無くなった時点で、
水酸化ナトリウム水溶液の滴下を終了した。得られた均
一溶液をメタノール中に排出し、ろ過を行って固体を回
収し、さらにメタノールで洗浄した。得られたウェット
ケーキを50℃で真空乾燥し、14.3gの粉状生成物
を得た。この粉状生成物のNMR分析及びGPC分析を
行い、Mw5万を有するポリアスパラギン酸ナトリウム
塩であることを確認した。この粉状生成物(ポリアスパ
ラギン酸ナトリウム塩)中には、DMF900ppm、
メタノール5質量%が含有されていた。
【0074】[製造例4:リジン架橋ポリコハク酸イミ
ド]ポリコハク酸イミド(Mw14万)を20質量%含
有したDMF溶液[溶液A]150.0gを調製した。
一方、L−リジン1塩酸塩8.47gを、18.8質量%
水酸化ナトリウム水溶液に添加し、架橋剤水溶液[溶液
B]23.25gを調製した。反応器中で溶液Aを攪拌
下、溶液Bを30秒間かけて添加したところ、約5分間
攪拌を継続した時点で反応マスはゲル化し、弾性を有し
た固体状生成物であるリジン架橋ポリコハク酸イミド1
73.2g(DMF濃度69.3質量%)が得られた。
【0075】[製造例5:リジン架橋ポリアスパラギン
酸塩]製造例4で得たリジン架橋ポリコハク酸イミドか
ら20.0gを取り出し、メタノール中で湿式粉砕を行
った。粉砕したポリマーをフラスコに入れ、60質量%
メタノール水溶液中で分散させた。次いで、攪拌下、2
5℃で水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃
度:25質量%)を、pH11.5〜12に維持される
ように添加したところ、反応マスはやや粘性のある固体
粒子となった。3時間後、10%塩酸溶液でpH7まで
中和し、反応マスを大過剰のメタノール中に導入して固
化させた。次いで、ろ過を行って固体を回収し、さらに
メタノールで洗浄し、50℃下で真空乾燥し、粉状の吸
水性樹脂(リジン架橋ポリアスパラギン酸塩)5.2g
を得た。この吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水量は11
00[g/g−ポリマー]、生理食塩水に対する吸水量
は70[g/g−ポリマー]であった。この吸水性樹脂
(リジン架橋ポリアスパラギン酸塩)には、メタノール
6質量%、DMF0.2質量%が含有されていた。
【0076】[実施例1:高純度ポリコハク酸イミド]
製造例1で得た粉状生成物(ポリコハク酸イミド)のう
ち1.0gを、管型耐圧セルに仕込んだ。二酸化炭素
(純度99.999%、以下の実施例では全て同じ純度
の二酸化炭素を使用。)を、流量2g/分で管型耐圧セ
ルに1時間連続供給し、40℃、15MPaの条件下、
固定床方式で、ポリマーと超臨界二酸化炭素を接触させ
た。この処理後、回収した白色のポリコハク酸イミド中
の溶剤濃度を測定したところ、DMFは60ppm、メ
タノールは200ppmであった。
【0077】[実施例2:高純度ポリコハク酸イミド]
製造例2で得た粉状生成物(ポリコハク酸イミド)のう
ち1.0gを、管型耐圧セルに仕込んだ。抽出助剤とし
てエタノールを0.2質量%含有した二酸化炭素を、流
量2g/分で管型耐圧セルに1時間連続供給し、40
℃、18MPaの条件下、固定床方式で、ポリマーと超
臨界二酸化炭素を接触させた。その後、さらにエタノー
ルを含有しない二酸化炭素を、流量2g/分で2時間連
続供給し、同様にポリマーと超臨界二酸化炭素を接触さ
せた。この処理後、回収した白色のポリコハク酸イミド
中の溶剤濃度を測定したところ、スルホランは6pp
m、メタノールは60ppmであった。
【0078】[実施例3:高純度ポリアスパラギン酸
塩]製造例3で得た生成物(ポリアスパラギン酸塩)の
うち1.0gを、管型耐圧セルに仕込んだ。二酸化炭素
を流量2.5g/分で管型耐圧セルに2時間連続供給
し、30℃、18MPaの条件下、固定床方式で、ポリ
マーと亜臨界二酸化炭素を接触させた。この処理後、回
収した白色のポリアスパラギン酸塩中の溶剤濃度を測定
したところ、メタノールは140ppm、DMFは不検
出であった。
【0079】[実施例4:高純度架橋ポリコハク酸イミ
ド]製造例4で得た固体状のリジン架橋ポリコハク酸イ
ミドを約0.5〜1mmの立方体状に切り取り、そのう
ち1.0gを管型耐圧セルに仕込んだ。二酸化炭素を流
量2g/分で管型耐圧セルに7時間連続供給し、35
℃、20MPaの条件下、固定床方式で、ポリマーと超
臨界二酸化炭素を接触させた。この処理後、回収した白
色の架橋ポリコハク酸イミド中の溶剤濃度を測定したと
ころ、DMFは3ppmであった。
【0080】[実施例5:高純度ポリコハク酸イミド→
リジン架橋ポリアスパラギン酸塩]実施例4で得た高純
度リジン架橋ポリコハク酸イミド4.0gを、60質量
%メタノール水溶液中で分散させた。以降は製造例5と
同様の操作を行い、吸水性樹脂(リジン架橋ポリアスパ
ラギン酸塩)4.3gを得た。ここで得られた吸水性樹
脂の蒸留水に対する吸水量は900[g/g−ポリマ
ー]、生理食塩水に対する吸水量は、60[g/g−ポ
リマー]であった。
【0081】[実施例6:高純度リジン架橋ポリアスパ
ラギン酸塩]製造例5で得た吸水性樹脂(リジン架橋ポ
リアスパラギン酸塩)のうち1.0gを、管型耐圧セル
に仕込んだ。二酸化炭素を流量2g/分で管型耐圧セル
に4時間連続供給し、35℃、20MPaの条件下、固
定床方式で、ポリマーと超臨界二酸化炭素を接触させ
た。この処理後、回収した白色のリジン架橋ポリアスパ
ラギン酸塩中の溶剤濃度を測定したところ、メタノール
は100ppm、DMFは不検出であった。また、この
吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水量は1000[g/g
−ポリマー]、生理食塩水に対する吸水量は70[g/
g−ポリマー]であった。
【0082】[比較例1]製造例4で得た固体状のリジ
ン架橋ポリコハク酸イミドを約0.5〜1mmの立方体
状に切り取り、そのうち1.0gを乾燥器に導入し、窒
素雰囲気での圧力10mmHg下、180℃に加熱し、
16時間、乾燥操作を行った。その後、回収したリジン
架橋ポリコハク酸イミドポリマー中の溶剤濃度を測定し
たところ、DMFが6質量%が検出された。また、ポリ
マーは赤褐色に変色していた。さらに、このポリマー
4.0gを60質量%メタノール水溶液中で分散させ、
製造例5と同様の操作を繰り返し、吸水性樹脂(リジン
架橋ポリアスパラギン酸塩)3.5gを得た。この吸水
性樹脂の蒸留水に対する吸水量は210[g/g−ポリ
マー]、生理食塩水に対する吸水量は40[g/g−ポ
リマー]であった。
【0083】[比較例2]製造例5で得た吸水性樹脂
(リジン架橋ポリアスパラギン酸塩)のうち1.0gを
乾燥器に導入し、窒素雰囲気での圧力10mmHg下、
100℃に加熱し、16時間、乾燥操作を行った。その
後、回収した淡黄色のリジン架橋ポリアスパラギン酸塩
中の溶剤濃度を測定したところ、DMFが0.2質量
%、メタノールが4質量%が検出された。
【0084】[実施例と比較例の比較・考察]比較例1
及び2は、高温下、長時間の真空乾燥操作により、ポリ
アミノ酸誘導体から不純物の分離を試みた例であり、真
空乾燥後のポリマー中に残存する不純物濃度は高かっ
た。また比較例1のポリアミノ酸誘導体から成る吸水性
樹脂の吸水性は低かった。
【0085】対照的に、実施例1〜4及び実施例6で
は、亜臨界流体及び/又は超臨界流体とポリアミノ酸誘
導体とを接触させることにより不純物を除去する方法を
実施しているので、不純物濃度が顕著に低減された高純
度ポリアミノ酸誘導体を、温和な温度条件下、短時間で
得ることができた。さらに、実施例5及び6では、良好
な吸水性を有するポリアミノ酸誘導体を得ることができ
た。
【0086】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、不
純物含有量が高度に低減された高純度ポリアミノ酸誘導
体を、高効率で製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑本 英治 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 助川 誠 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 EA36 FA03 GD01 GD02 GD03 GD07 4J043 PA02 PA15 QB06 RA05 RA34 SA05 SA62 SB01 UA761 XA03 XA12 XA19 YA01 ZB47 ZB51 ZB60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミノ酸誘導体を、亜臨界流体及び
    /又は超臨界流体と接触させることにより、含有する不
    純物を除去することを特徴とする高純度ポリアミノ酸誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミノ酸誘導体を、超臨界流体と接
    触させることにより、含有する不純物を除去する請求項
    1記載の高純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリアミノ酸誘導体が、ポリコハク酸イ
    ミド、ポリアスパラギン酸(塩)、ポリグルタミン酸
    (塩)、架橋ポリコハク酸イミド、架橋ポリアスパラギ
    ン酸(塩)及び架橋ポリグルタミン酸(塩)からなる群
    より選択された1種以上のポリマーを含んでなるもので
    ある請求項1又は2記載の高純度ポリアミノ酸誘導体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 亜臨界流体及び/又は超臨界流体が、二
    酸化炭素、一酸化炭素、窒素、酸素、水素、アルゴン、
    ヘリウム、炭化水素ガス及びハロゲン化炭化水素ガスか
    らなる群より選択された1種以上の流体を含んでなるも
    のである請求項1〜3の何れか一項記載の高純度ポリア
    ミノ酸誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 亜臨界流体及び/又は超臨界流体が、分
    離助剤を含んでなるものである請求項1〜4の何れか一
    項記載の高純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミノ酸誘導体に含有される不純物
    が、有機化合物である請求項1〜5の何れか一項記載の
    高純度ポリアミノ酸誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか一項記載の製造方
    法により得られた高純度ポリアミノ酸誘導体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか一項記載の製造方
    法により得られた高純度架橋ポリコハク酸イミド又は架
    橋ポリアスパラギン酸(塩)。
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