JP7351073B2 - ポリコハク酸イミドの製造方法、及びポリコハク酸イミド - Google Patents

ポリコハク酸イミドの製造方法、及びポリコハク酸イミド Download PDF

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Description

本開示は、ポリコハク酸イミドの製造方法、及びポリコハク酸イミドに関する。
ポリコハク酸イミドは、ポリアスパラギン酸等のポリアミノ酸誘導体の製造において、好適な前駆体又は中間体である。ポリコハク酸イミドは、例えば、L-アスパラギン酸を重縮合反応させて得られる(例えば、特許文献1を参照)。
特表平10-504850号公報
本開示の一の目的は、ポリコハク酸イミドを安定的に製造する方法を提供することである。本開示の他の目的は、不純物の少ないポリコハク酸イミドを提供することである。
なお、ポリコハク酸イミドに含まれる不純物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸等が挙げられる。
本開示のポリコハク酸イミドの製造方法及びポリコハク酸イミドには、以下の態様が含まれる。
<1>
アスパラギン酸を不活性ガス存在下で固相重合することを含み、前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L~1.8Lの体積である、ポリコハク酸イミドの製造方法。
<2>
前記アスパラギン酸が、L-アスパラギン酸である、<1>に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
<3>
前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.4L以上の体積である、<1>又は<2>に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
<4>
前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり1.7L以下の体積である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
<5>
マレイン酸の含有量が0.10質量%~0.22質量%であるポリコハク酸イミド。
本開示の一の態様によれば、ポリコハク酸イミドを安定的に製造する方法が提供される。また、本開示の他の態様によれば、不純物の少ないポリコハク酸イミドが提供される。
以下、本開示の好ましい実施形態の一例について詳細に説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。本開示は、本開示の要旨を逸脱せず、本開示の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得る。
本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法は、アスパラギン酸を不活性ガス存在下で固相重合することを含む。そして、不活性ガスの流量が、アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L~1.8Lの体積である。
また、本開示に係るポリコハク酸イミドは、マレイン酸の含有量が0.10質量%~0.22質量%である。
以下、本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法とともに、本開示に係るポリコハク酸イミドについて説明する。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
アスパラギン酸(例えば、L-アスパラギン酸)を重縮合反応させてポリコハク酸イミドを得るとき、ポリコハク酸イミドは、不純物としてマレイン酸を含むことがある。マレイン酸は、例えば、アスパラギン酸の脱アンモニア反応、ポリコハク酸イミドの熱分解などより発生することにより、ポリコハク酸イミドに混入されると考えられる。一方で、アスパラギン酸を重縮合反応させたとき、得られたポリコハク酸イミドが凝集することにより、反応容器内の壁面に付着することがある。このように、アスパラギン酸を重縮合反応させてポリコハク酸イミドを製造する方法において、不純物として混入するマレイン酸の発生を抑えるとともに、重縮合反応により得られたポリコハク酸イミドの反応容器内の壁面に対する付着を抑えることが求められていた。
これに対し、本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法によれば、上記構成により、安定的にポリコハク酸イミドが製造される。これは、不活性ガス存在下で固相重合を行うに当たり、不活性ガスの流量を、アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L~1.8Lの体積とすることで、反応容器内のアンモニア濃度が適度な状態となると考えられる。このため、マレイン酸の発生が増加しすぎず、マレイン酸の発生を適度に抑制されると考えられる。また、反応容器内の水分が追い出され、ポリコハク酸イミドの凝集が抑えられることにより、反応容器内の壁面に対する付着が抑制されると考えられる。したがって、本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法では、マレイン酸の発生を適度に抑制され、かつ、反応容器内の壁面に対する付着が抑制されるため、安定的にポリコハク酸イミドが製造されると考えられる。
本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法では、アスパラギン酸を、固相状態で、直接熱重縮合反応させることにより、ポリコハク酸イミドが得られる。例えば、下記の反応式のように、アスパラギン酸を固相重合することにより、ポリコハク酸イミドが得られる。固相重合は、アスパラギン酸を直接熱重縮合反応させることによりポリコハク酸イミドが得られるため、コスト面で有利である。同様に、本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法では、触媒は添加しないでポリコハク酸イミドが得られるため、コスト面で有利である。
アスパラギン酸は、L体、D体、及びDL体のいずれであってもよい。アスパラギン酸は、L体であるL-アスパラギン酸であることが好ましい。アスパラギン酸は、市販品でもよく、製造してもよい。アスパラギン酸を製造する場合は、公知の方法で製造すればよい。なお、本開示において、単に「アスパラギン酸」と記載する場合、アスパラギン酸は、L体、D体、及びDL体のいずれであってもよい。
固相重合を行うときにおける不活性ガスは、特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等が挙げられる。不活性ガスは、1種類のガスを単独で用いてもよく、2種類以上のガスを混合して用いてもよい。これらの中でも、ポリコハク酸イミドを安定的に製造する観点で、不活性ガスは、窒素ガス及びアルゴンガスの少なくとも一方であることが好ましい。
固相重合を行うときにおける不活性ガスの流量は、L-アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L~1.8Lの体積である。ポリコハク酸イミドを安定的に製造する観点で、固相重合時における不活性ガスの量は、L-アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.4L以上であることが好ましく、0.5L以上であることがより好ましい。また、L-アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり1.7L以下であることが好ましく、1.6L以下であることがより好ましい。不活性ガスの流量は、L-アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L以上であると、固相重合により得られるポリコハク酸イミドの反応容器内の壁面に対する付着が抑制される。また、不活性ガスの量が、1分間当たり1.8L以下であると、不純物としてのマレイン酸の生成が抑制される。
不活性ガスは、再生処理を経て、再使用されてもよい。再生処理は、例えば、不活性ガス中に含有される、水分及び不純物(反応副生成物等)の少なくとも一方の濃度を低減するために実施される。
具体的操作としては、例えば、吸着操作、吸収操作、冷却操作、加熱操作、集塵操作等から選択される少なくとも一つ以上の操作を実施し、水分及び不純物(反応副生成物等)の少なくとも一方の濃度を低減することが好ましい。ここで吸着操作においては、ゼオライト類、親水性架橋樹脂類(例えば、イオン交換樹脂等)等を吸着剤に用いてもよい。不活性ガス中における水分及び不純物(反応副生成物等)の濃度は、いずれも低いことが好ましく、0体積%であることがより好ましいが、製造コストの観点で、0体積%超でもよい。また、水分濃度の別の基準としては、不活性ガスの露点を用いることもできる。本開示では、不活性ガスの露点が、-20℃以下であることが好ましく、-30℃以下であることがより好ましく、-40℃以下であることがさらに好ましく、-50℃以下であることがさらに好ましく、-60℃以下であることが特に好ましい。
固相重合を行うときの温度は、特に限定されず、例えば、180℃~250℃であることが挙げられる。固相重合を行う時間は、粗合成ポリコハク酸イミドを安定的に製造する観点で、200℃以上であることが好ましく、220℃以上であることがより好ましい。また、同様の観点で、240℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましい。
固相重合を行うときの時間は、特に限定されず、例えば、1時間~40時間であることが挙げられる。固相重合を行う時間は、粗合成ポリコハク酸イミドを安定的に製造する観点で、4時間以上であることが好ましい。また、同様の観点で、20時間以下であることが好ましい。
固相重合を行うときの圧力は、特に限定されず、負圧下、又は常圧下のいずれでもよい。圧力は、例えば、0.001MPa~0.10MPaであってもよい。固相重合を行う時間は、粗合成ポリコハク酸イミドを安定的に製造する観点で、0.01MPa以上であることが好ましい。また、同様の観点で、0.04MPa以下であることが好ましい。
固相重合を行う装置は、アスパラギン酸を不活性ガス存在下で固相重合する装置を備えていればよい。
固相重合を行う装置は、特に限定されず、バッチ式又は連続式装置が挙げられる。バッチ式の装置及び連続式の装置は、それぞれ、縦型の装置又は横型であってもよい。固相重合を行う装置としては、例えば、連続式操作又は回分式操作を行う装置が挙げられる。固相重合は、例えば、熱風移送型乾燥器、材料攪拌型乾燥器(流動層乾燥機等)、材料搬送及び静置型乾燥器、円筒乾燥器、赤外線乾燥器、マイクロ波乾燥器、並びに過熱蒸気乾燥器からなる群より選択される、少なくとも一つの装置を用いて行ってもよい。また、固相重合は、例えば、流動層反応器、移動層反応器、固定層反応器、及び撹拌乾燥機型反応機からなる群より選択される、少なくとも一つの装置を用いて行ってもよい。
固相重合を行うときに、水も生成する。このため、固相重合を行う装置には、生成した水を留去するための装置が設けられていることが好ましい。
本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法では、ポリコハク酸イミドに含まれるマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不純物の含有量を低減することが可能である。
本開示に係るポリコハク酸イミドにおけるマレイン酸の含有量は、0.10質量%~0.22質量%である。ポリコハク酸イミドに含有されるマレイン酸の含有量は少ないほうが好ましく、マレイン酸の含有量を0質量%に近い値とすることが理想であるが、製造効率の点から、マレイン酸の含有量の下限は、0.10質量%とする。マレイン酸の含有量の好ましい含有量の上限は0.22質量%であり、より好ましい上限は、0.21質量%である。ポリコハク酸イミドを精製して、マレイン酸の含有量を上記範囲としてもよい。このようなポリコハク酸イミドを得る方法は特に限定されない。本開示に係るポリコハク酸イミドを得るための好ましい方法の一例としては、上述した本開示に係るポリコハク酸イミドの製造方法が挙げられる。
ここで、マレイン酸の含有量は、ポリコハク酸イミドとマレイン酸との合計量に対するマレイン酸の含有量の質量比を百分率で表したものである。なお、マレイン酸の含有量は、例えば、液体クロマトグラフ法によって求められる。具体的な測定方法は、後述の実施例で記述するとおりである。
本開示に係る製造方法で得られるポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されず、例えば、1000~120000である。ポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)は4000~80000であってもよく、8000~60000であってもよく、12000~40000であってもよく、16000~35000であってもよく、20000~27000であってもよい。また、ポリコハク酸イミドの数平均分子量(Mn)は、特に限定されず、例えば、1000~80000である。ポリコハク酸イミドの数平均分子量(Mn)は4000~50000であってもよく、7000~30000であってもよく、12000~20000であってもよく、13000~16000であってもよい。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて測定することができる。
本開示に係るポリコハク酸イミドは、そのまま、ポリコハク酸イミドとして使用してもよい。また、本開示に係るポリコハク酸イミドを誘導化して、ポリアスパラギン酸誘導体として使用してもよい。ポリアスパラギン酸誘導体としては、アルカリ、アミン等によって加水分解したポリアスパラギン酸塩、一部に架橋構造を有する吸水性ポリマーである架橋ポリアスパラギン酸、疎水基と親水基を導入した界面活性能を有するポリアスパラギン酸誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ポリアスパラギン酸塩は、化粧料の原料として使用することができる。化粧料としては、スキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、ヘアケア化粧料、ボディケア化粧料などが挙げられ、例えば、化粧水、美容液、乳液、クリーム、パック、アイライナー、アイシャドー、マスカラ、アイブロー、ファンデーション、ファイスパウダー、メイクアップベース、チーク、洗顔料、ヘアスタイリング剤、染毛剤、染毛料、脱色剤、育毛剤、シャンプー、トリートメント、コンディショナー、クレンジング、口紅、グロス、歯磨き剤、歯ホワイトニング、日焼け止め、ボディパウダー、ボディーソープ、ハンドソープ、デオドラント、入浴剤などが挙げられる。
以下、実施例によって本開示に係る樹脂組成物を具体的に説明するが、本開示に係る樹脂組成物は、これら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
<ポリコハク酸イミドの重合率(単位:%)>
L-アスパラギン酸を固相状態で重縮合反応させて得られたポリコハク酸イミドを、液体クロマトグラフ法により、以下の分析条件で分析した。
分析試料調製:ポリコハク酸イミドを20mg秤量し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.5ml添加して溶解させた後に、0.1mol/l NaCl水溶液で10mlまで希釈する。
解析装置:LC-Solution(株式会社島津製作所製)、
検出器:RID-10A(株式会社島津製作所製)、
デガッサー:DGU-20A(株式会社島津製作所製)、
ポンプ:LC-20AD(株式会社島津製作所製)、
オートサンプラー:SIL-20A(株式会社島津製作所製)、
送液ユニット:CTO-20A(株式会社島津製作所製)、
カラム:Shodex Asahipak GF-7M HQ(昭和電工株式会社製)
ガードカラム:Shodex Asahipak GF-1G7B(昭和電工株式会社製)
オーブン温度:45℃
移動相:0.1mol/l NaCl水溶液
試料注入量:50μl
得られた液体クロマトグラフのL-アスパラギン酸の面積値とポリコハク酸イミドの面積値とから、下記(式1)によりポリコハク酸イミドの重合率を算出した。
(式1) 重合率=A1/(A1+A2)
A1:ポリコハク酸イミドの面積値
A2:L-アスパラギン酸の面積値
<ポリコハク酸イミド中のマレイン酸濃度(単位:質量%)>
純度99.0質量%のマレイン酸を用い、以下の液体クロマトグラフ法による分析条件で、得られた液体クロマトグラフの面積値から検量線を作成した。検量線は、既知のマレイン酸濃度の液体クロマトグラフから、マレイン酸の濃度とピーク面積値との間の検量線を作成した。この検量線を参照して、反応で得られたポリコハク酸イミドにおけるマレイン酸の濃度を求めた。
分析試料調製:ポリコハク酸イミドを500mg秤量し、内部標準物質としてp-トルエンスルホン酸ナトリウムを20mg、水を5ml添加する。その後、32質量%水酸化ナトリウム水溶液をpH12となるまで添加する。このときポリコハク酸イミドはポリアスパラギン酸ナトリウムとなって水溶液となる。そして10質量%リン酸水溶液をpH7となるまで添加して中和する。次にメタノールを35ml添加してポリアスパラギン酸ナトリウムを析出させた後、0.45μmのシリンジフィルタで濾過して濾液を分析試料として得る。
カラム:Hydrosphere C18;L250mm×φ4.6mm 粒子径5μm 細孔径12nm (YMC製)
オーブン温度:40℃
移動相:アセトニトリル/水/85%リン酸 =800ml/1200ml/1.41g
検出方法:UV 230nm
試料注入量:5μl
<反応器壁への付着率(単位:質量%)>
加熱開始1時間後において、ナスフラスコをロータリーエバポレーターから取り外してナスフラスコ内の粉体を別の容器に回収し、下記(式2)により付着率を求めた。
(式2) 付着率=W1/(W1+W2)
W1:フラスコ内に付着した粉体の重量
W2:フラスコ内より回収できた粉体の重量
<実施例>
500mlのナスフラスコとロータリーエバポレーターとを反応装置として使用した。また、不活性ガスとして、窒素ガスを用いた。ナスフラスコ内には、窒素導入ライン及び温度計を設けた。ナスフラスコに、反応原料として、L-アスパラギン酸176.0質量部を仕込んだ。次いで、ナスフラスコを、ロータリーエバポレーターによって、25rpmの回転数で撹拌した。その後、表1に示す流量で、窒素ガスを装入し、窒素ガス気流化において、250℃に加熱したオイルバスに浸漬して大気圧(0.1MPa)下で、ナスフラスコ内のL-アスパラギン酸を加熱した。なお、表1に記載の単位[L/kg・min]は、L-アスパラギン酸1kgに対する、1分間当たりの窒素ガスの流量(L)を示す。
L-アスパラギン酸の重縮合により生成した水は、留出受器に回収してナスフラスコ内より留去させた。5時間加熱した後に、ナスフラスコ内を冷却して、ポリコハク酸イミドの反応マスを得た。このとき、前述の加熱時間で内容物を採取して、ポリコハク酸イミドの重合率、ポリコハク酸イミド中のマレイン酸濃度、及び反応器壁への付着率を測定した。結果を表1に示す。なお、表1中、比較例2は、特表平10-504850号公報に開示されている、L-アスパラギン酸を重縮合反応した条件に相当するものである。
表1より、実施例におけるポリコハク酸イミドの製造方法は、マレイン酸の発生が抑制されており、かつ、反応容器内の壁面に対する付着が抑制されていることがわかる。一方、比較例におけるポリコハク酸イミドの製造方法は、マレイン酸の発生、及び反応容器内の壁面に対する付着のいずれか一方が抑制されていなかった。以上のように、本開示によれば、ポリコハク酸イミドを安定的に製造する方法が提供される。また、本開示によれば、不純物の少ないポリコハク酸イミドが提供される。

Claims (4)

  1. アスパラギン酸を不活性ガス存在下で固相重合することを含み、前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.3L~1.8Lの体積であ
    前記固相重合を行う装置には、水を留去するための装置が設けられている、ポリコハク酸イミドの製造方法。
  2. 前記アスパラギン酸が、L-アスパラギン酸である、請求項1に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
  3. 前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり0.4L以上の体積である、請求項1又は請求項2に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
  4. 前記不活性ガスの流量が、前記アスパラギン酸の質量1kgに対して、1分間当たり1.7L以下の体積である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
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