JP2003001643A - プラスチックレンズの製造方法および当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズ - Google Patents
プラスチックレンズの製造方法および当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズInfo
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Abstract
以上有する化合物を主成分として含む組成物を重合硬化
して得られるプラスチックレンズにおいて、レンズの度
数安定性と、レンズの黄色着色の防止、重合時の作業性
の向上に効果があるプラスチックレンズの製造方法と、
当該製造方法によって製造されたプラスチックレンズを
提供する。 【解決手段】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも
1個以上有する化合物を主成分として含む組成物を重合
硬化させプラスチックレンズを製造するにあたり、加熱
重合時の最高温度が125℃以上140℃以下であるこ
とを特徴とする重合パターンを用いて、プラスチックレ
ンズを製造する。
Description
ベ数を有し、かつ、レンズの度数安定性に優れ、レンズ
が黄色く着色することもなく、重合時の作業性に優れた
プラスチックレンズの製造方法に関する。
ンズに比べ軽量で割れにくく、また染色が容易であるこ
とから、近年視力矯正用レンズおよびサングラス等の眼
鏡レンズとして広く用いられている。光学材料、特に眼
鏡レンズに要求される性能は、低比重に加えるに、光学
性能としては高屈折率と高アッベ数であり、物理的性質
としては高耐熱性と高強度である。高屈折率はレンズの
薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減
し、高耐熱性および高強度は二次加工を容易にするとと
もに安全性等の観点から重要である。従来技術における
高屈折率を有する材料は、ポリチオール化合物とポリイ
ソシアネート化合物との反応により得られるチオウレタ
ン構造を有する熱硬化性光学材料(特公平4−5848
9号公報、特開平5−148340号公報)等に提案さ
れている。
ンズの更なる軽量化および薄肉化の要望が高まってお
り、従来よりも高い屈折率を有する光学材料の開発が盛
んに行われるようになってきている。特開平9−110
979号公報、特開平9−255781号公報、特開平
10−298287号公報、特開平11−322930
号公報では、高屈折率と高アッベ数のバランスに優れる
光学材料として、エピスルフィド基を有する化合物が提
案されている。該化合物を重合硬化した樹脂は、従来技
術において高屈折率材料であったチオウレタン樹脂より
も更に高屈折率であり、また一般にアッベ数は屈折率の
上昇に伴い低下する傾向があるが、該樹脂では従来のチ
オウレタン樹脂とほぼ同等のアッベ数を実現しており、
光学性能の非常に優れた材料である。
しては、原料となる重合性組成物を加熱重合することに
よってレンズを成形することが一般的に行われており、
チオウレタン系、(メタ)アクリル系またはアリル系な
どのプラスチックレンズを製造する際に使われている。
これらの製造方法は、一般に以下の様な手順によって製
造される。
種以上の他の重合性化合物と混合した後、必要に応じて
紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、染料などを添加
し、十分に撹拌して溶解させる。その後、アミン類、ホ
スフィン類などの硬化触媒や、有機過酸化物などのラジ
カル重合開始剤を加えて混合する。混合後の原料を、ガ
スケットまたはテープによって保持された2枚のガラス
型よりなるモールド内に注入し、このモールドを大気重
合炉内に入れて、重合硬化させる。この際の重合パター
ンは、一般に、0℃〜50℃からスタートし、70℃〜
120℃まで10時間〜40時間かけて昇温する様なパ
ターンを用いることが多い。重合パターンの終了後、大
気重合炉からガラス型を取り出し、さらに、ガラス型か
ら硬化した樹脂をはずすことによって、プラスチックレ
ンズが作製される。なお、この時ガラス型からはずした
レンズに対して、必要に応じてアニール等の処理行い、
さらにハードコートや反射防止膜といった表面処理を施
されることによって、眼鏡レンズとして市場に出される
ことになる。
スチック眼鏡レンズを製造する場合にも、上記のような
加熱重合によるレンズの製造方法が取られる。例えば、
特開平9−71580号公報には、新規な分岐アルキル
スルフィド型エピスルフィド化合物を用いて、最高温度
80℃で重合硬化させることにより、プラスチックレン
ズを製造する手法が示されている。また、特開平10−
298287号公報には、エピスルフィド基を持つ化合
物を含む樹脂組成物を用いて、最高温度120℃の重合
パターンで重合硬化させることにより、プラスチックレ
ンズを製造する手法が示されている。また、特開平11
−322930号公報には、エピスルフィド基を持つ化
合物を用いて、最高温度120℃の重合パターンで重合
硬化させることにより、プラスチックレンズを製造する
手法が示されている。
いた、プラスチックレンズの製造方法が、従来より提案
されているが、実際には、プラスチックレンズを製造し
ようとした場合に、以下の2点の問題点が発生する。第
1に、ガラス型からはずしたレンズにアニール処理を行
うと、レンズの度数が変化し続けるという問題である。
他のチオウレタン系等のレンズでは、一旦100℃〜1
30℃で1時間〜3時間ほどアニールを行うと、レンズ
の度数は安定し、その後は再度100℃〜130℃で1
時間〜3時間程度の熱処理を行っても、レンズ度数の変
化は起こらない。ところが、エピスルフィド系の化合物
を原料とした場合には、通常は、重合後の熱処理を繰り
返すと、レンズの度数が変化し続けるため、例えば、ハ
ードコート処理時の焼成温度と時間によってレンズの度
数が変化してしまうといった問題点が発生する。
合中に完全に硬化せず、重合後のガラス型に高粘度の液
体として付着することよって、作業者の手指を汚染し、
さらに悪臭の発生源になることから、作業性が低下する
点である。したがって、エピスルフィド系の化合物を原
料にしてプラスチックレンズを製造するにあたっては、
重合後のレンズ度数の安定性を増す為の対策と、モール
ドに付着した原料による作業性の低下に対する対策をと
る必要性があった。
ィド基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を
含む組成物を重合硬化してプラスチックレンズを製造す
るにあたり、重合後のレンズ度数を1回のアニールで安
定させ、かつ、モールドに付着した原料による作業性の
低下を防ぐ、プラスチックレンズの製造手法を提供する
事を目的とする。
く、本発明者らは鋭意研究を続けた結果、エピスルフィ
ド基を1分子中に少なくとも1個以上含む化合物を含む
組成物を重合硬化してプラスチックレンズを製造するに
あたり、加熱重合時の最高温度が、125℃以上140
℃以下にすることによって、レンズ度数の安定化を達成
し、かつ、モールドに付着した原料による作業性の低下
を防ぐことが可能であることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
造方法は、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1
個以上有する化合物を含む組成物を重合硬化させてプラ
スチックレンズを製造する際に、加熱重合時の最高温度
が、125℃以上140℃以下であることを特徴とす
る。
法は、前記プラスチックレンズの製造方法において、加
熱重合時に125℃以上140℃以下の温度範囲での熱
処理時間が、0.5時間以上8時間以下であることを特
徴とする。
いずれかのプラスチックレンズの製造方法によって製造
されることを特徴とする。
法を用いると、重合後のレンズ度数は、100℃〜13
0℃の温度で、1時間〜3時間程度の1回のアニールを
行うことによって安定し、その後の熱処理によって変化
することはほとんどなくなる。また、本発明によるプラ
スチックレンズの製造方法を用いることによって、モー
ルドに付着した原料は、重合中に完全に硬化することか
ら、重合終了後には悪臭を発生する事もなく、作業者の
手指を汚染することがなくなるため、作業性の低下を防
ぐことができる。
ンズの度数は重合後の1回のアニールでは安定せず、そ
の後の熱処理によってレンズ度数は変化し続ける現象を
示す。マイナスレンズの場合には、例えば、130℃×
2時間のアニールを繰り返すと、どんどんマイナス強度
側に変化していく。また、重合時の最高温度が125℃
未満のときのもう一つの悪影響として、モールドに付着
した原料が重合終了後も硬化せず、悪臭の原因になり、
また、作業者の手指を汚染することから、作業性が低下
する。
る場合は、重合後のレンズ色調において黄色が強くな
り、無色透明が望まれる眼鏡レンズ用としては、使用で
きなくなる。
5℃以上140℃以下の温度範囲での熱処理時間の合計
が、0.5時間以上8時間以下であることが望ましい。
この時間が0.5時間未満では、例え重合時の最高温度
が125℃以上140℃以下だとしても、レンズ度数の
安定化や、漏れたモノマーを硬化させる為には有効な対
策とはならない。また、この時間が8時間を越えると、
重合時の最高温度が140℃を越えなくても、重合後の
レンズ色調が黄色くなってしまう。
温付近または室温以下の温度で、重合を開始し、一定温
度を維持または徐々に昇温を行うことを1回以上行うこ
とにより、重合の最高温度に到達させ、最高温度を一定
時間維持、または徐々に降温しながら、離型可能となる
温度まで下げ、離型を行いプラスチックレンズを取り出
す。重合パターン全体の時間は、2時間〜100時間で
あり、好ましくは6時間〜48時間、さらに好ましく
は、10時間〜30時間である。重合のスタート温度は
−10℃〜50℃であり、好ましくは0℃〜40℃であ
る。離型可能となる温度は、一般には100℃以下であ
り、より好ましくは70℃以下である。
クレンズを再加熱しアニール処理を行うことは、レンズ
度数の安定化やレンズの光学歪みを取り除くために、好
ましい処理方法である。このときの処理温度は70℃〜
160℃であり、好ましくは、80℃〜140℃、さら
に好ましくは、100℃〜130℃である。また処理時
間は10分〜6時間であり、好ましくは1時間〜3時間
である。
基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物につい
ては特に制限はなく、公知のエピスルフィド基を有する
化合物が何ら制限なく使用できる。エピスルフィド基を
有する化合物の具体例としては、既存のエポキシ化合物
のエポキシ基の一部あるいは全てをエピスルフィド化し
て得られるエピスルフィド化合物が挙げられる。また、
プラスチックレンズの高屈折率化と高アッベ数化のため
にはエピスルフィド基以外にも分子中に硫黄原子を含有
する化合物が好ましい。具体例としては、ビス−(2,
3エピチオプロピル)ジスルフィド、1,2−ビス(β
−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス−(β−エピチ
オプロピル)スルフィド、1,3および1,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4
−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、
2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
1,4−ジチアン等が挙げられる。
可能な官能基を有する化合物、あるいは1分子中にエピ
スルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重
合可能な官能基1個以上を有する化合物、これらの単独
重合可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物、
更にはエピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可
能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物を添加し
て重合硬化することにより、得られるレンズの光学性
能、物理特性等を向上させることも可能である。具体的
には、エポキシ基、多価カルボン酸基、メタクリル基、
アクリル基、アリル基、ビニル基、芳香族ビニル基、水
酸基、メルカプト基等の官能基を有する化合物である。
尚、これらの化合物は単独でも、2種以上を混合して使
用してもかまわない。
1個以上有する化合物を主成分として含む重合性組成物
の重合硬化に際しては、1種類以上の硬化触媒の存在下
で重合硬化を行い、プラスチックレンズを製造すること
ができる。硬化触媒としては特に制限はないが、エポキ
シ樹脂用として知られている公知の化合物を使用するこ
とができる。具体例としては、エチルアミン、エチレン
ジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,
N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル
エタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン等のアミ
ン類、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィ
ン、トリ−iso−プロピルフォスフィン等のフォスフ
ィン類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の鉱酸類お
よびこれらの半エステル類、3フッ化ホウ素、3フッ化
ホウ素のエ−テラ−ト等に代表されるルイス酸類、カル
ボン酸に代表される有機酸類およびこれらの半エステル
類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類等が挙げられる。以上
の触媒は、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1
個以上有する化合物1モルに対して通常0.0001モ
ルから0.5モル使用することが好ましい。より好まし
くは0.0001モルから0.1モル未満、最も好まし
くは0.0001モルから0.05モルである。硬化触
媒の量はこの範囲より多いと硬化物の屈折率、耐熱性が
低下し、また得られるレンズが著しく着色する。またこ
の範囲より少ないと十分に重合硬化せず耐熱性が十分に
得られない。
物中に必要に応じて酸化防止剤や光安定剤等を添加して
重合硬化を行いプラスチックレンズを製造することによ
って、得られるプラスチックレンズの耐候性を向上させ
ることが可能である。酸化防止剤や光安定剤の具体例と
しては、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ
エーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。
正用レンズやファッションレンズとして用いる場合に
は、光線透過率を高め、表面反射によるちらつきを防止
するために反射防止膜を施すことが好ましく、さらにレ
ンズ基材と反射防止膜の密着性を高め、表面の傷防止の
ためにハードコート層を設けることが特に好ましい。ハ
ードコート層の好ましい例としては、下記(イ)および
(ロ)を主成分とするコーティング組成物を塗布し硬化
させたものが挙げられる。
ン化合物の一種類以上。(ロ)酸化ケイ素、酸化アンチ
モン、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化
タンタル、酸化タングステン、酸化アルミニウムなどの
金属微粒子;酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ア、酸化ケイ素、酸化鉄のうちの2つ以上を用いた複合
金属微粒子;酸化スズと酸化タングステンの複合金属微
粒子で酸化スズ微粒子を被覆した複合金属微粒子から選
ばれる一種以上。
調整し、かつ硬度を高めるのに有効な成分であり、単独
または混合して用いることができる。しかし、(ロ)の
成分だけでは成膜性が悪く、(イ)の成分を併用するこ
とによって透明で強靱な膜が得られる。(イ)の成分は
そのまま使用することも可能であるが、加水分解して使
用する方が膜の耐水性や硬度を向上させることができる
ことからより好ましい。ハードコート層の厚さは通常
0.2μm〜10μm程度が好ましく、より好ましく
は、1μm〜3μm程度である。また本発明では、レン
ズ生地とハードコート層の間にプライマー層を設けるよ
うなハードコートも使用できる。このプライマー層は、
レンズ生地とハードコート層の密着性をより向上させた
り、ハードコート処理後のレンズの耐衝撃性を向上させ
る効果がある。
ーティングに際しては、好ましくは各層の原料成分をア
ルコール系または水系など、適当な溶媒系に希釈して、
ディップ、スピン、スプレー等の一般的なコーティング
法を用いて塗布し、加熱硬化することで行うことができ
る。硬化は、単に加熱するだけでも可能であるが、適当
な硬化触媒を添加することで短時間で硬い膜を形成する
ことが可能になる。硬化触媒の具体例としては、過塩素
酸マグネシウムや過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸
塩、アルミニウムアセチルアセトネート等のキレート化
合物等が挙げられる。
(ロ)の成分は、両者のみでも十分な塗膜性能を得るこ
とはできるが、ハードコート層の外観や耐久性および他
の機能を付加させるために、他の成分を添加することも
可能である。例えば、ハードコート層の耐水性を向上さ
せ、あるいは染色性を付与するためには、多価アルコー
ル、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、またはエ
ポキシ化合物を添加すると効果的である。使用できる多
価アルコールとしては、例えば、(ポリ)エチレングリ
コール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、カテコール、レゾルシノール、アルカンジ
オール等の二官能性アルコール、またはグリセリン、ト
リメチロールプロパン等の三官能性アルコール、または
ポリビニルアルコール等が挙げられる。多価カルボン酸
としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、マレイン酸、o−フタル酸、テレフタル酸、フマ
ル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸等が挙げられる。多価
カルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、1,2−ジメチルマレイン酸無
水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無
水ナフタル酸等が挙げられる。また、エポキシ化合物と
しては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコー
ル、レゾルシノール、アルカンジオール等の二官能性ア
ルコールのジグリシジルエーテル、またはグリセリン、
トリメチロールプロパン等の三官能性アルコールのジま
たはトリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの
添加剤を添加した場合には、特に硬化触媒を添加した方
が硬度の高い膜を得ることができる。
化を防止するためには、紫外線吸収剤または酸化防止剤
・光安定剤等を使用することができる。紫外線吸収剤ま
たは酸化防止剤・光安定剤としては、例えば、サリチル
酸エステル、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系、フェノー
ル系、ヒンダードアミン系、およびヒンダードフェノー
ル系の化合物などが使用できる。
ィング不良を解消するためには、界面活性剤・フローコ
ントロール剤を使用することができる。中でも、シリコ
ーン系あるいはフッ素系の界面活性剤が有効である。
くハードコート層表面に反射防止膜を施すことによっ
て、光学性能が更にアップする。反射防止膜としては、
屈折率の異なる薄膜を積層して得られる多層膜であり、
反射率の低減されるものであれば、無機物でも有機物で
も可能である。しかし、表面の硬度や干渉縞の防止を重
視するためには、無機物からなる単層または多層の反射
防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無機物
としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウ
ム、フッ化マグネシウム等の酸化物あるいはフッ化物が
挙げられ、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタ
リング等のいわゆるPVD法によって施すことができ
る。
に基づき説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。実施例および比較例で使用する物質の略称
は以下の通りである。 略称 : 物質名 A−1:ビス−(2,3エピチオプロピル)ジスルフィド B−1:4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメル カプト−3,6,9−トリチアウンデカン B−2:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド (実施例1)レンズ原料モノマーとして、表1に示す品
を表1に示す組成比で混合した後、紫外線吸収剤として
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−
ベンゾトリアゾール(商品名 シーソーブ701 シプ
ロ化成株式会社製)を1.0g添加した後、十分に撹拌
して、完全に溶解させた。その後、触媒としてN,N−
ジメチルシクロヘキシルアミン 0.10gを混合、室
温で十分に撹拌して均一液とした。ついでこの組成物を
中心厚1.2mmとしたプラスチックレンズ用ガラスモ
ールド中に注入し、大気重合炉中で、表2に示す重合パ
ターンを用いて、重合硬化させた。このときに使用した
ガラスモールドは、できあがりのレンズ度数が約−5.
0Dになるように作られた物である。その後ガラスモー
ルドよりレンズを離型し、130℃で2時間加熱して1
回目のアニール処理を行った。このようにして製造した
プラスチックレンズを、下記の方法で品質評価を行っ
た。その結果を表3に示す。 (屈折率)アッベ屈折率計により20℃でD線(58
9.3nm)の屈折率を測定した。 (アッベ数)アッベ屈折率計により20℃でD線(58
9.3nm)のアッベ数を測定した。 (度数安定性)レンズ度数を測定した後、そのレンズに
130℃×2時間の2回目のアニール処理を行い、その
後レンズの度数を再び測定した。2回のレンズ度数測定
のずれ量によって、レンズの度数安定性を以下の様に評
価し、分類した。 ○ レンズの度数ずれ量が、0.02以下 × レンズの度数ずれ量が、0.03以上 (色調)目視により得られたレンズの色調を目視で観察
し、黄色さのレベルによって以下のように分類した。 ○ 良好 △ レンズが若干黄色化している。 × レンズが著しく黄色化している。 (作業性)ガラスモールドに付着した原料の重合後の性
状を観察し、以下の様に分類した。 ○ 付着した原料が硬化し、作業者の手指に再付着せ
ず、臭気も少ない。 × 付着した原料は未硬化のままで、作業者の手指に再
付着し、臭気も大きい。
ンを、表1および表2に示すように変更した以外は、実
施例1と同条件でレンズを作製し、実施例1と同様の品
質評価を行った。評価結果を表3に示す。 (比較例1〜4)原料組成と、重合パターンを、表1お
よび表2に示すように変更した以外は、実施例1と同条
件でレンズを作製し、実施例1と同様の品質評価を行っ
た。評価結果を表3に示す。
造方法を用いると、高屈折率、高アッベ数のプラスチッ
クレンズを、レンズの度数安定性に優れ、黄色く着色す
ることもなく、かつ、重合時の作業性に優れた方法で製
造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも
1個以上有する化合物を含む組成物を重合硬化させてプ
ラスチックレンズを製造する際に、加熱重合時の最高温
度が、125℃以上140℃以下であることを特徴とす
る、プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載のプラスチックレンズの製
造方法において、加熱重合時に125℃以上140℃以
下の温度範囲での熱処理時間が、0.5時間以上8時間
以下であることを特徴とするプラスチックレンズの製造
方法。 - 【請求項3】請求項1ないし2のいずれかに記載の製造
方法によって製造されたプラスチックレンズ。
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