JP2000212282A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JP2000212282A
JP2000212282A JP11018666A JP1866699A JP2000212282A JP 2000212282 A JP2000212282 A JP 2000212282A JP 11018666 A JP11018666 A JP 11018666A JP 1866699 A JP1866699 A JP 1866699A JP 2000212282 A JP2000212282 A JP 2000212282A
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lens
benzotriazole
compound
ultraviolet absorber
hydroxyphenyl
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JP11018666A
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Shuji Naito
修二 内藤
Toru Saito
徹 斉藤
Mikito Nakajima
幹人 中島
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個
以上有する化合物を主成分として含む組成物を重合硬化
して得られるプラスチックレンズに、優れた耐光性と紫
外線吸収能を付与する。 【解決手段】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも
1個以上有する化合物を主成分として含む組成物に対し
て、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い屈折率とアッ
ベ数を有し、かつ優れた紫外線吸収能および耐光性を有
するプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、従来のガラスレ
ンズに比べ軽量で割れにくく、また染色が容易であるこ
とから、近年視力矯正用レンズおよびサングラス等の眼
鏡レンズとして広く用いられている。光学材料、特に眼
鏡レンズに要求される性能は、低比重に加えるに、光学
性能としては高屈折率と高アッベ数であり、物理的性質
としては高耐熱性と高強度である。高屈折率はレンズの
薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減
し、高耐熱性および高強度は二次加工を容易にするとと
もに安全性等の観点から重要である。従来技術における
高屈折率を有する材料は、ポリチオール化合物とポリイ
ソシアネート化合物との反応により得られるチオウレタ
ン構造を有する熱硬化性光学材料(特公平4−5848
9号公報、特開平5−148340号公報)等に提案さ
れている。
【0003】これに対し、近年になってプラスチックレ
ンズの更なる軽量化および薄肉化の要望が高まってお
り、従来よりも高い屈折率を有する光学材料の開発が盛
んに行われるようになってきている。特開平9−110
979号公報、特開平9−255781号公報、特開平
10−298287号公報では、高屈折率と高アッベ数
のバランスに優れる光学材料として、エピスルフィド基
を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物が提案さ
れている。該化合物を重合硬化した樹脂は、従来技術に
おいて高屈折率材料であるチオウレタン樹脂よりも更に
高屈折率であり、また一般にアッベ数は屈折率の上昇に
伴い低下する傾向があるが、該樹脂では従来のチオウレ
タン樹脂とほぼ同等のアッベ数を実現しており、光学性
能の非常に優れた材料である。
【0004】一方、近年になって眼鏡レンズに紫外線吸
収能を付与し、400nm以下の有害な紫外線から眼球
あるいは皮膚を保護しようとする要望が強くなってきて
いる。そこでプラスチックレンズに紫外線吸収能を付与
するために、種々の製造方法が提案されている。
【0005】一般に練り混み法と呼ばれる方法として、
例えば紫外線吸収剤を重合性単量体および重合開始剤を
含む組成物中に混合溶解した後、成型用の型に注入して
重合硬化させ、レンズ生地自体に紫外線吸収能を付与す
る方法がある。元来紫外線吸収剤を重合性単量体および
重合開始剤を含む組成物中に混合することは広く一般的
に行われていたが、その目的は主にプラスチックレンズ
自体の耐光性を向上させることに限られており、紫外線
吸収能については考慮されていなかった。よってここで
いう練り込み法とは、耐光性および紫外線吸収能を同時
に満足させることを目的とした手法である。
【0006】この練り込み法を用いて従来からチオウレ
タン構造を持つ熱硬化性光学材料をはじめ様々なプラス
チックレンズに紫外線吸収能を付与することが行われて
おり、これと同様の手法により前記エピスルフィド基を
1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を主成分と
して含む組成物を重合硬化して得られる樹脂に対して耐
光性および紫外線吸収能を同時に付与することが望まれ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで従来チオウレタ
ン樹脂に対して使用していたベンゾフェノン系紫外線吸
収剤を前記エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1
個以上有する化合物を主成分として含む組成物を重合硬
化して得られる樹脂に対して同様に使用すると、該紫外
線吸収剤が組成物中に溶解しない、また重合硬化前に溶
解していた場合でも、重合硬化後にレンズ全体に析出し
てレンズ外観が不良になるといた問題点があった。よっ
て、前記エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個
以上有する化合物を主成分として含む組成物を重合硬化
して得られる樹脂に耐光性および紫外線吸収能を同時に
付与する際に、該組成物への溶解性に優れ、かつレンズ
外観を損なうことのない紫外線吸収剤を探索する必要が
あった。
【0008】本発明は、エピスルフィド基を1分子中に
少なくとも1個以上有する化合物を含む組成物を重合硬
化して得られるプラスチックレンズにおいて、レンズの
外観性等を損なうことなく優れた耐光性と紫外線吸収能
を付与する手法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するべく
本発明者らは鋭意研究を続けた結果、エピスルフィド基
を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物を主成分
として含む組成物中に特定の紫外線吸収剤を添加するこ
とにより、優れた耐光性と紫外線吸収能が同時に得られ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明のプラスチックレンズは、
エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有す
る化合物を主成分として含み、かつ紫外線吸収剤を含む
重合性組成物を重合硬化して製造されるレンズにおい
て、前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系であるこ
とを特徴とする。
【0011】また、前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤として2−(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールまたは、2
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾールのいずれか1種あるいは両
方を用いることを特徴とする。
【0012】また本発明のプラスチックレンズは、前記
エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上有す
る化合物を主成分として含む組成物100重量部に対
し、前記紫外線吸収剤を0.2〜3.0重量部含むこと
を特徴とする。
【0013】さらに本発明のプラスチックレンズは、4
00nm透過率が10%以下であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用される紫外線吸収剤
は、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1個以上
有する化合物を主成分として含む組成物への溶解性、紫
外線吸収能力、耐久性、吸収波長範囲の広さ等の点か
ら、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いることが
好ましい。具体例としては2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(5’−t−オクチル−2’−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(4’−オクチル
オキシ−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等が挙げられる。
【0015】このうちより好ましくは2−(3’,5’
−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールであ
る。特にこれら2種の化合物では他の化合物を用いた場
合に比べ、少ない添加量で紫外線吸収能が発現されるの
で、眼鏡レンズ等大量生産を必要とする場合に原料費を
削減することが可能である。
【0016】本発明において、十分な耐光性および紫外
線吸収能を得るために複数の紫外線吸収剤を同時に使用
することは非常に効果的である。
【0017】本発明においては、エピスルフィド基を1
分子中に少なくとも1個以上有する化合物を主成分とし
て含む組成物100重量部に対して紫外線吸収剤を0.
2〜3.0重量部添加することが好ましい。添加量が
0.2重量部よりも小さい場合、十分な耐光性が得られ
ない、または耐光性は得られるものの、紫外線吸収能が
十分に発現されない。また0.3重量部を超える場合、
レンズが著しく黄色化する、またはレンズの外観性が得
られない。
【0018】また、本発明のプラスチックレンズは、矯
正用レンズ、ファッションレンズ等に用いることができ
る。
【0019】本発明において使用されるエピスルフィド
基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物につい
ては特に制限はなく、公知のエピスルフィド基を有する
化合物が何ら制限なく使用できる。エピスルフィド基を
有する化合物の具体例としては、既存のエポキシ化合物
のエポキシ基の一部あるいは全てをエピスルフィド化し
て得られるエピスルフィド化合物が挙げられる。また、
プラスチックレンズの高屈折率化と高アッベ数化のため
にはエピスルフィド基以外にも分子中に硫黄原子を含有
する化合物が好ましい。具体例としては、1,2−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス−(β−エ
ピチオプロピル)スルフィド、1,3および1,4−ビ
ス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,
4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼ
ン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)
−1,4−ジチアン等が挙げられる。
【0020】また、本発明ではエピスルフィド基と反応
可能な官能基を有する化合物、あるいは1分子中にエピ
スルフィド基と反応可能な官能基1個以上と他の単独重
合可能な官能基1個以上を有する化合物、これらの単独
重合可能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物、
更にはエピスルフィド基と反応可能でかつ単独重合も可
能な官能基を1分子中に1個以上有する化合物を添加し
て重合硬化することにより、得られるレンズの光学性
能、物理特性等を向上させることも可能である。具体的
には、エポキシ基、多価カルボン酸基、メタクリル基、
アクリル基、アリル基、ビニル基、芳香族ビニル基、水
酸基、メルカプト基等の官能基を有する化合物である。
尚、これらの化合物は単独でも、2種以上を混合して使
用してもかまわない。
【0021】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも
1個以上有する化合物を主成分として含む重合性組成物
の重合硬化に際しては、1種類以上の硬化触媒の存在下
で重合硬化を行い、プラスチックレンズを製造すること
ができる。硬化触媒としては特に制限はないが、エポキ
シ樹脂用として知られている公知の化合物を使用するこ
とができる。具体例としては、エチルアミン、エチレン
ジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,
N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル
エタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン等のアミ
ン類、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィ
ン、トリ−iso−プロピルフォスフィン等のフォスフ
ィン類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の鉱酸類お
よびこれらの半エステル類、3フッ化ホウ素、3フッ化
ホウ素のエ−テラ−ト等に代表されるルイス酸類、カル
ボン酸に代表される有機酸類およびこれらの半エステル
類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類等が挙げられる。以上
の触媒は、エピスルフィド基を1分子中に少なくとも1
個以上有する化合物1モルに対して通常0.0001モ
ルから0.5モル使用することが好ましい。より好まし
くは0.0001モルから0.1モル未満、最も好まし
くは0.0001モルから0.05モルである。硬化触
媒の量はこの範囲より多いと硬化物の屈折率、耐熱性が
低下し、また得られるレンズが著しく着色する。またこ
の範囲より少ないと十分に重合硬化せず耐熱性が十分に
得られない。
【0022】また、本発明では重合硬化前の重合性組成
物中に必要に応じて紫外線安定剤を添加して重合硬化を
行いプラスチックレンズを製造することによって、得ら
れるプラスチックレンズの耐候性を向上させることが可
能である。紫外線安定剤の具体例としては、ヒンダード
アミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防
止剤等を挙げることができる。
【0023】本発明のプラスチックレンズは優れた紫外
線吸収能を有している。波長400nm以下の紫外線は
ほとんど吸収されており、380〜390nm以下の紫
外線はほぼ100%吸収される。すなわち、400nm
の透過率は10%以下であり、380〜390nm以下
の透過率はほぼ0%である。
【0024】本発明によるプラスチックレンズを視力矯
正用レンズやファッションレンズとして用いる場合に
は、光線透過率を高め、表面反射によるちらつきを防止
するために反射防止膜を施すことが好ましく、さらにレ
ンズ基材と反射防止膜の密着性を高め、表面の傷防止の
ためにハードコート層を設けることが特に好ましい。
【0025】ハードコート層の好ましい例としては、下
記(イ)および(ロ)を主成分とするコーティング組成
物を塗布し硬化させたものが挙げられる。
【0026】(イ)少なくとも一種以上の反応基を有す
るシラン化合物の一種類以上。
【0027】(ロ)酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、
酸化タングステン、酸化アルミニウムなどの金属微粒
子;酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニア、酸化
ケイ素、酸化鉄のうちの2つ以上を用いた複合金属微粒
子;酸化スズと酸化タングステンの複合金属微粒子で酸
化スズ微粒子を被覆した複合金属微粒子から選ばれる一
種以上。
【0028】(ロ)の成分は、ハードコートの屈折率を
調整し、かつ硬度を高めるのに有効な成分であり、単独
または混合して用いることができる。しかし、(ロ)の
成分だけでは成膜性が悪く、(イ)の成分を併用するこ
とによって透明で強靱な膜が得られる。(イ)の成分は
そのまま使用することも可能であるが、加水分解して使
用する方が膜の耐水性や硬度を向上させることができる
ことからより好ましい。
【0029】ハードコート層の厚さは通常0.2μm〜
10μm程度が好ましく、より好ましくは、1μm〜3
μm程度である。また本発明では、レンズ生地とハード
コート層の間にプライマー層を設けるようなハードコー
トも使用できる。このプライマー層は、レンズ生地とハ
ードコート層の密着性をより向上させたり、ハードコー
ト処理後のレンズの耐衝撃性を向上させる効果がある。
【0030】ハードコート層ならびにプライマー層のコ
ーティングに際しては、好ましくは各層の原料成分をア
ルコール系または水系等適当な溶媒系に希釈して、ディ
ップ、スピン、スプレー等の一般的なコーティング法を
用いて塗布し、加熱硬化することで行うことができる。
硬化は、単に加熱するだけでも可能であるが、適当な硬
化触媒を添加することで短時間で硬い膜を形成すること
が可能になる。硬化触媒の具体例としては、過塩素酸マ
グネシウムや過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸塩、ア
ルミニウムアセチルアセトネート等のキレート化合物等
が挙げられる。
【0031】ハードコート層として上記(イ)および
(ロ)の成分は、両者のみでも十分な塗膜性能を得るこ
とはできるが、ハードコート層の外観や耐久性および他
の機能を付加させるために、他の成分を添加することも
可能である。例えば、ハードコート層の耐水性を向上さ
せ、あるいは染色性を付与するためには、多価アルコー
ル、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、またはエ
ポキシ化合物を添加すると効果的である。使用できる多
価アルコールとしては、例えば、(ポリ)エチレングリ
コール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、カテコール、レゾルシノール、アルカンジ
オール等の二官能性アルコール、またはグリセリン、ト
リメチロールプロパン等の三官能性アルコール、または
ポリビニルアルコール等が挙げられる。多価カルボン酸
としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、マレイン酸、o−フタル酸、テレフタル酸、フマ
ル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸等が挙げられる。多価
カルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、1,2−ジメチルマレイン酸無
水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無
水ナフタル酸等が挙げられる。また、エポキシ化合物と
しては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコー
ル、レゾルシノール、アルカンジオール等の二官能性ア
ルコールのジグリシジルエーテル、またはグリセリン、
トリメチロールプロパン等の三官能性アルコールのジま
たはトリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの
添加剤を添加した場合には、特に硬化触媒を添加した方
が硬度の高い膜を得ることができる。
【0032】さらに、ハードコート層の紫外線による劣
化を防止するためには、コーティング組成物に紫外線吸
収剤または酸化防止剤・光安定剤等を使用することがで
きる。紫外線吸収剤または酸化防止剤・光安定剤として
は、例えば、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケ
ル錯塩系、フェノール系、ヒンダードアミン系、および
ヒンダードフェノール系の化合物などが使用できる。
【0033】また、塗布時のユズ肌やハジキ等のコーテ
ィング不良を解消するためには、界面活性剤・フローコ
ントロール剤を使用することができる。中でも、シリコ
ーン系あるいはフッ素系の界面活性剤が有効である。
【0034】矯正用レンズとしての使用では、前述の如
くハードコート層表面に反射防止膜を施すことによっ
て、光学性能が更にアップする。反射防止膜としては、
屈折率の異なる薄膜を積層して得られる多層膜であり、
反射率の低減されるものであれば、無機物でも有機物で
も可能である。しかし、表面の硬度や干渉縞の防止を重
視するためには、無機物からなる単層または多層の反射
防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無機物
としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウ
ム、フッ化マグネシウム等の酸化物あるいはフッ化物が
挙げられ、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタ
リング等のいわゆるPVD法によって施すことができ
る。
【0035】以下本発明の詳細について実施例に基づき
説明するが、これらに限定されるものではない。尚、得
られた硬化物の評価は以下の方法で行った。
【0036】屈折率 : アッベ屈折率計により20℃
でD線(589.3nm)の屈折率を測定した。
【0037】アッベ数 : アッベ屈折率計により20
℃でD線(589.3nm)のアッベ数を測定した。
【0038】紫外線吸収能 : 分光光度計CP−30
00(日立)を用いて、レンズ中心部(レンズ厚が一番
薄くなる部分)の透過スペクトルを測定し、波長400
nmにおける透過率を求めた。この結果をもとに以下の通
り分類した。
【0039】○ 紫外線がほぼ吸収されている。(波長
400nm透過率 10%以下) △ 紫外線の吸収が不十分である。(波長400nm透
過率 10〜50%) × 紫外線がほとんど吸収されていない。(波長400
nm透過率 50%以上) 耐光性 : JIS B 7753に規定するサンシャ
インカーボンアーク灯式耐候性試験機を使用し、80時
間加速試験後レンズの色調(b*)を測定し、初期と比
べてb*の変化量が2未満のものを○、2以上のものを
×とした。
【0040】外観性 : 目視により得られたレンズの
外観を観察した。
【0041】○ 良好 △ レンズが若干黄色化している。もしくは若干紫外線
吸収剤の析出が見られる。
【0042】× レンズが著しく黄色化している。もし
くは著しく紫外線吸収剤の析出が見られる。
【0043】(実施例1)ビス(β−エピチオプロピ
ル)スルフィド 95重量部、ビス(2−メルカプトエ
チル)スルフィド 5重量部の合計100重量部に対し
て、紫外線吸収剤として2−(3’,5’−ジ−t−ペ
ンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル(商品名 SEESORB704 : シプロ化成工
業株式会社製) 0.4重量部、および触媒としてN,
N−ジエチルエタノールアミン 0.2重量部を混合、
室温で攪拌し均一液とした。ついでこの組成物を中心厚
1.2mmとしたレンズ用モールド中に注入し、大気重
合炉中で30℃から120℃まで24時間かけて昇温
し、重合硬化させた。その後モールドより離型し、10
0℃で2時間加熱してアニール処理を行った。
【0044】得られたレンズは中心厚が1.0mmであ
り、優れた耐光性と紫外線吸収能を示した。また優れた
光学性能を有するとともに、レンズの外観性は良好であ
り、レンズが著しく黄色化するようなことはなかった。
【0045】(実施例2)ビス(β−エピチオプロピ
ル)スルフィド 95重量部、チオフェノール 5重量
部の合計100重量部に対して、紫外線吸収剤として2
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB
705 : シプロ化成工業株式会社製) 0.45重
量部、および触媒としてトリエチルアミン 0.2重量
部を混合、室温で攪拌し均一液とした。ついでこの組成
物を中心厚1.2mmとしたレンズ用モールド中に注入
し、大気重合炉中で30℃から100℃まで28時間か
けて昇温し、重合硬化させた。その後モールドより離型
し、100℃で2時間加熱してアニール処理を行った。
【0046】得られたレンズは中心厚が1.0mmであ
り、優れた耐光性と紫外線吸収能を示した。また優れた
光学性能を有するとともに、レンズの外観性は良好であ
り、レンズが著しく黄色化するようなことはなかった。
【0047】(実施例3)紫外線吸収剤として2−
(4’−オクチルオキシ−2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB707
: シプロ化成工業株式会社製) 1.0重量部を用
いる以外は実施例1と同様の操作を行いレンズを製造し
た。得られたレンズは中心厚が1.0mmであり、優れ
た耐光性と紫外線吸収能を示した。また優れた光学性能
を有するとともに、レンズの外観性は良好であり、レン
ズが著しく黄色化するようなことはなかった。
【0048】(実施例4)紫外線吸収剤として2−
(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB
704 : シプロ化成工業株式会社製) 0.4重量
部、および2−(5’−t−オクチル−2’−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESO
RB709 :シプロ化成工業株式会社製) 0.1重
量部を用いる以外は実施例1と同様の操作を行いレンズ
を製造した。得られたレンズは中心厚が0.98mmで
あり、優れた耐光性と紫外線吸収能を示した。また優れ
た光学性能を有するとともに、レンズの外観性は良好で
あり、レンズが著しく黄色化するようなことはなかっ
た。
【0049】(実施例5)紫外線吸収剤として2−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB7
05 : シプロ化成工業株式会社製) 0.5重量
部、および2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB7
01 : シプロ化成工業株式会社製) 0.15重量
部を用いる以外は実施例2と同様の操作を行いレンズを
製造した。得られたレンズは中心厚が0.99mmであ
り、優れた耐光性と紫外線吸収能を示した。また優れた
光学性能を有するとともに、レンズの外観性は良好であ
り、レンズが著しく黄色化するようなことはなかった。
【0050】(比較例1)紫外線吸収剤として2−ヒド
ロキシ−4−n−オクチロキシベンゾフェノン(商品名
SEESORB102 : シプロ化成工業株式会社
製) 1.0重量部を使用する他は実施例1と同様の操
作を行った。得られたレンズの耐光性および紫外線吸収
能は十分なレベルではなかった。
【0051】(比較例2)紫外線吸収剤として2−
(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB
704 : シプロ化成工業株式会社製) 0.1重量
部を使用する他は実施例1と同様の操作を行った。得ら
れたレンズの耐光性および紫外線吸収能は十分なレベル
ではなかった。
【0052】(比較例3)紫外線吸収剤として2−
(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(商品名 SEESORB
704 : シプロ化成工業株式会社製) 3.5重量
部を使用する他は実施例1と同様の操作を行った。得ら
れたレンズは著しく黄色化しており、また紫外線吸収剤
の析出が見られた。
【0053】上記実施例1〜5及び比較例1〜3の評価
結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高屈折率、高アッベ数
で、かつ優れた耐光性および紫外線吸収能を有するプラ
スチックレンズを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 幹人 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CN011 EU176 FD056 GP01 4J030 BA03 BA04 BB03 BC16 BC19 BC33 BC36 BE04 BG25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エピスルフィド基を1分子中に少なくとも
    1個以上有する化合物を主成分として含み、かつ紫外線
    吸収剤を含む重合性組成物を重合硬化して製造されるレ
    ンズにおいて、前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール
    系であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と
    して2−(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒド
    ロキシフェニル)ベンゾトリアゾールまたは、2−
    (3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェ
    ニル)ベンゾトリアゾールのいずれか1種あるいは両方
    を用いることを特徴とする請求項1記載のプラスチック
    レンズ。
  3. 【請求項3】前記エピスルフィド基を1分子中に少なく
    とも1個以上有する化合物を主成分として含む組成物1
    00重量部に対し、前記紫外線吸収剤を0.2〜3.0
    重量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の
    プラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】400nm透過率が10%以下であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の
    プラスチックレンズ。
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