JP2002543049A - 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法 - Google Patents

一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法

Info

Publication number
JP2002543049A
JP2002543049A JP2000613796A JP2000613796A JP2002543049A JP 2002543049 A JP2002543049 A JP 2002543049A JP 2000613796 A JP2000613796 A JP 2000613796A JP 2000613796 A JP2000613796 A JP 2000613796A JP 2002543049 A JP2002543049 A JP 2002543049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
solvent
substrate
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000613796A
Other languages
English (en)
Inventor
オウブリー・ジャン−マリー
ラタヤ−ナルデロ・ベロニク
アルスターズ・パウル
Original Assignee
デーエスエム・ファイン・ケミカルズ・オーストリア・ナッハフォルゲル・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デーエスエム・ファイン・ケミカルズ・オーストリア・ナッハフォルゲル・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト filed Critical デーエスエム・ファイン・ケミカルズ・オーストリア・ナッハフォルゲル・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト
Publication of JP2002543049A publication Critical patent/JP2002543049A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/08Bridged systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B41/00Formation or introduction of functional groups containing oxygen
    • C07B41/14Formation or introduction of functional groups containing oxygen of peroxy of hydroperoxy groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C407/00Preparation of peroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C409/00Peroxy compounds
    • C07C409/02Peroxy compounds the —O—O— group being bound between a carbon atom, not further substituted by oxygen atoms, and hydrogen, i.e. hydroperoxides
    • C07C409/04Peroxy compounds the —O—O— group being bound between a carbon atom, not further substituted by oxygen atoms, and hydrogen, i.e. hydroperoxides the carbon atom being acyclic

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 触媒としてのランタノイドの存在下、水、有機溶媒またはこれらの混合物中で、1O2 と反応する有機基質を30〜70%濃度のH2O2と反応させ、この際、水及び1O2 を与えるH2O2の接触分解に次いで、対応する酸化生成物を与える酸化が起こる、1O2 により有機基質を酸化する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
現在工業的に行われている唯一の一重項酸素酸化(1O2-Ox)法は、1O2 を光化学
的な手段によって発生させる光化学的な1O2-Ox法である。この方法の欠点として
は、必要とされる光化学的装置が高額なこと、及び耐用年数が短いことが挙げら
れる。必要とされるランプは、ガラスの表面が汚れるために、酸化の間に比較的
短時間で劣化する。加えて、この方法は、有色の基質には適していない。実際上
は、この方法は、比較的小規模で製造されるファインケミカルにしか適さない。
(La Chimica e l'Industria, 1982, Vol. 64, 156 頁) このため、水不溶性の疎水性有機基質の1O2-Oxに適した他の1O2-Ox法を見出す
試みが為されてきた。
【0002】 J.Am.Chem.Soc.,1968, 90, 975には、例えば、1O2 を光化学的にではなく、化
学的に発生させる従来からの“ダーク(dark)”1O2-Ox法が記載されている。この
方法では、水と有機溶媒との混合溶媒中で次亜塩素酸塩/H2O2 系によって疎水性
の基質を酸化する。しかし、必要とされる上記の媒体に対し多くの基質が難溶性
であるために、この方法が適用される合成例は僅かしかない。加えて、次亜塩素
酸塩と基質もしくは溶媒との副反応があるために、この方法を使用する可能性は
かなり制限される。更に、多くの1O2 が気相中で不活性化される。また更には、
有機媒体中においてH2O2への次亜塩素酸塩の付加が生じ及び次亜塩素酸塩と基質
との副反応を抑えるために大過剰のH2O2が必要とされるため、工業的規模で行う
のには適していない。更に別の欠点は、化学量論量の塩が形成することによって
生じる。
【0003】 次亜塩素酸塩に基づかず、それゆえ上記の欠点の一部を避ける“ダーク”1O2-
Ox法の変法は、例えばJ.Org.Chem.,1989,54,726 またはJ.Mol.Cat.,1997,117,43
9 から公知であり、この方法では、溶媒としての水中で、幾つかの水溶性有機基
質をH2O2及びモリブデン酸塩触媒で酸化する。Membrane Lipid Oxid.Vol.II,199
1,65によると、モリブデン酸塩によって触媒される、水及び1O2 へのH2O2の不均
化反応を維持するには慣用の溶媒のいずれも適さないとされており、モリブデン
酸塩/H2O2系での水不溶性有機基質の1O2-Oxは困難である。しかし、モリブデン
触媒の使用は他の不利益も招く。例えば、モリブデン触媒は、H2O2の不均化反応
の他に、かなりの種類の基体の場合に他の不所望な酸化反応をも触媒する。例え
ば、アリルアルコールは、モリブデン酸塩/H2O2系を用いては効果的に過酸化す
ることができない。なぜならば、この種の物質は、H2O2の存在下にモリブデンに
よってエポキシ化されるからである。この触媒の更に別の欠点は、それが機能し
得るpH範囲が比較的低いことである。この触媒は、9〜12の塩基性pH範囲でしか
使用できず、それゆえ、この系の使用は、酸性条件には適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、本発明の課題は、広いpH範囲、特に酸性範囲において有効で、かつ
H2O2の不均化反応の他は、不所望な副反応、例えばアリル性アルコールのエポキ
シ化などを触媒しない、“ダーク”1O2-OxのためのH2O2不均化反応用の触媒を見
出すことであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
予期できないことには、ランタノイドが、塩基性範囲並びに酸性範囲の両方に
おいて触媒として有効であり、この際、それの使用の下には、不所望な副反応は
全く生じないかまたはかなり低い程度でしか生じないことが見出された。予期で
きないことには、この触媒は不均一系の形でも活性であり、これにより、反応混
合物からのこの触媒の回収を簡単に行うことができる。
【0006】 それゆえ、本発明の対象は、触媒としてのランタノイドの存在下、水、有機溶
媒または水/溶媒混合物中で、1O2 と反応する有機基質を30〜70%濃度のH2O2
混合し、この際、水及び1O2 を与えるH2O2の接触的分解に次いで、対応する酸化
生成物を与える酸化が起こることを特徴とする、1O2 による有機基質の酸化方法
である。
【0007】 本発明の方法は、1O2 と反応する有機基質の酸化に適している。
【0008】 それゆえ、基質としては以下の化合物が使用し得る:1つまたはそれ以上、す
なわち10個までの、好ましくは6個までの、特に好ましくは4個までのC=C 二重
結合を含むオレフィン; 電子豊富芳香族化合物、例えばC6-C50、好ましくはC3 0 まで、特に好ましくはC20 までのフェノール類、ポリアルキルベンゼン類、ポ
リアルコキシベンゼン類; 2〜10個、好ましくは6個まで、特に好ましくは4
個までの芳香族環を有する多環式芳香族化合物; 硫化物類、例えば、硫黄原子
上に一つまたは二つの置換基を有する硫化アルキル類、硫化アルケニル類、硫化
アリール類; 及び環中にO、NまたはS原子を有する複素環式化合物、例えば
C4-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのフラン類、C4-C50、好
ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのピロール類、C4-C60、好ましくは
C30 まで、特に好ましくはC20 までのチオフェン類。この際、基質は、一つまた
はそれ以上の置換基、例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、シアニド、カルボニ
ル基、ヒドロキシル基、C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 まで
のアルコキシ基、C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアル
キル基、C6-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアリール基、
C2-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアルケニル基、C2-C50 、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアルキニル基、カルボン酸基
、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ基、ス
ルホン基、スルホキシド基を有していてもよい。更に、基質は、一つまたはそれ
以上のNR1R2 基によって置換されていてもよく、この際、式中、R1及びR2は、同
一または異なっていてもよく、H; C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好まし
くはC20 までのアルキル; ホルミル; C2-C50、好ましくはC30 まで、特に好
ましくはC20 までのアシル; C7-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC2 0 までのベンゾイルであり、またはR1及びR2は、例えばフタルイミド基などにお
いて、一緒に環を形成していてもよい。
【0009】 適当な基質の例は、2-ブテン; イソブテン; 2-メチル-1- ブテン; 2-ヘ
キセン; 1,3-ブタジエン; 2,3-ジメチルブテン; Δ9,10- オクタリン;
2-フタルイミド-4- メチル-3- ペンテン; 2,3-ジメチル-1,3- ブタジエン;
2,4-ヘキサジエン; 3-メチル-2- ブテン-1- オール; 4-メチル-3- ペンテン
-2- オール; 2-アミノ-4- メチル-3- ペンテン; 2-クロロ-4- メチル-3- ペ
ンテン; 2-ブロモ-4- メチル-3- ペンテン; 1-トリメチルシリルシクロヘキ
セン; 2,3-ジメチル-2- ブテニル- パラ- トリルスルホン; 2,3-ジメチル-2
- ブテニル- パラ- トリルスルホキシド; N-シクロヘキセニルモルホリン;
2-メチル-2- ノルボルネン; テルピノレン; α- ピネン; β- ピネン;
β- シトロネロール; オシメン; シトロネロール; ゲラニオール; ファ
ルネソール; テルピネン; リモネン; トランス-2,3- ジメチルアクリル酸
; α- テルピネン; イソプレン; シクロペンタジエン; 1,4-ジフェニル
ブタジエン; 2-エトキシブタジエン; 1,1'- ジシクロヘキセニル; コレス
テロール; エルゴステロールアセテート; 5-クロロ-1,3- シクロヘキサジエ
ン; 3-メチル-2- ブテン-1- オール; 3,5,5-トリメチルシクロヘキセ-2- エ
ン-1- オール; フェノール、1,2,4-トリメトキシベンゼン; 2,3,6-トリメチ
ルフェノール; 2,4,6-トリメチルフェノール; 1,4-ジメチルナフタレン;
フラン; フルフリルアルコール; フルフラール; 2,5-ジメチルフラン;
イソベンゾフラン; 硫化ジベンジル; (2- メチル-5-tert-ブチル)フェニル
スルフィドなどである。
【0010】 本発明による酸化によって、基質から対応する酸化生成物が得られる。アルケ
ン類、(多環式)芳香族化合物または複素芳香族化合物からは、特に、ヒドロペ
ルオキシド類または過酸化物類が得られ、これらは──不安定な場合には──反
応条件下に更に反応してアルコール類、エポキシド類、アセタール類またはカル
ボニル化合物、例えばケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類またはエステル類
となり得る。
【0011】 本発明の酸化法は水または有機溶媒中で行われる。適当な溶媒は、水、C1-C8-
アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール; エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、スルホラン
、プロピレンカーボネートである。好ましくは、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホ
ルムアミド、N-メチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミド、特に好ましく
はメタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホル
ムアミドまたはジメチルホルムアミドが溶媒として使用される。反応は、水/溶
媒混合物、あるいは上記有機溶媒の混合物中でも行うことができる。
【0012】 金属、すなわちランタノイドは、不均一系もしくは均一系無機触媒として溶媒
/基質混合物に添加される。適当なランタノイドは、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、
ジスプロジウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム及びルテチウム、並
びに所謂プソイドランタノイドのスカンジウム及びイットリウムである。好まし
くはランタンを使用する。
【0013】 ここで、上記金属は、1O2 による酸化に慣用の形、例えば酸化物、オキソ錯体
、硝酸塩、カルボン酸塩、水酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ化物、硫酸塩、四フ
ッ化ホウ酸塩などの形であることができる。場合によっては、水酸化物、例えば
NaOH、KOH などを、この触媒の均一系の可溶性の形のものに添加して、不均一系
の活性触媒を得ることができる。
【0014】 触媒の使用量は使用する基質に依存し、1〜50モル%、好ましくは5〜25モル
%である。
【0015】 これに次いで、30〜70%濃度、好ましくは40〜60%濃度のH2O2が添加される。
好ましくは、H2O2は、溶媒、基質及び触媒を含む反応混合物中にゆっくりとまた
は少しずつ分けて加えられ、この際、反応混合物は攪拌される。また、先ず、選
択された触媒の可溶性の形のものに一部のH2O2のみを加え、次いで例えばNaOH、
KOH などの水酸化物を加え、その後に残りのH2O2を加えることもできる。
【0016】 本発明の方法において、H2O2の消費量は、使用する基質に依存する。反応性が
高い基質の場合は、好ましくは2〜3当量のH2O2が必要とされ、一方、反応性が
比較的弱い基質の場合は、好ましくはこれを3〜10当量のH2O2と反応させる。
【0017】 反応温度は0〜50℃、好ましくは15〜35℃である。反応を水中で行う場合は、
反応混合物のpH値は、選択された基質に依存する。pH値は0〜14、好ましくは4
〜14である。反応混合物のpH値は、必要に応じて、慣用の塩基性もしくは酸性添
加剤を用いて要求通りに調節することができる。
【0018】 反応の進行は、UV分光法またはHPLCによって監視することができる。反応が完
了したら、すなわち反応条件に依存して1〜30時間後に、反応混合物を仕上げ処
理し、触媒を慣用の方法で分離する。不均一系触媒を使用する場合には特に、触
媒の分離は簡単な濾過または遠心分離によって非常に簡単に行うことができ、そ
の結果、触媒のリサイクルも簡素化される。
【0019】 残る最終生成物は、場合によっては、再結晶化、抽出または蒸留によって精製
することができる。
【0020】 本発明の方法は、数多くの化合物の酸化を可能とする。それゆえ、本発明の方
法は、特に、不飽和有機化合物、例えばアリルアルコール、不飽和アミン、例え
ばアリルアミン、テルペン類、例えばα- テルピネン及びシトロネロール、芳香
族多環式化合物、ステロイド類、フラン類、シクロペンタジエン類、フェノール
類などに、及び一般的に、1O2 と反応する全ての化合物に適している。
【0021】 本発明の方法によって、高純度及び100 %までの収率で所望とする最終生成物
が得られる。本発明の方法は、簡素な多目的プラントにおいて簡単な仕上げ段階
を用いて行うことができ、また幅広い範囲の物質に使用することができるので、
工業的規模に最適な簡素なプロセス運用を特徴とする。
【0022】
【実施例】
例1: α- テルピネンの酸化
【0023】
【化1】
【0024】 メタノール4ml中にα- テルピネン 325μl 及びLa(NO3)3.xH2O 143.6mg を含
む溶液に対し、H2O2(50 %) 230 μl 及び5M NaOH 200 μl を30℃で順次添加し
た。この際、白色の析出物が生じた。3.5 時間後と21時間後に、更にH2O2(50 %
) を230 μl づつこの混合物に加えた。24.5時間後、反応混合物を遠心分離にか
け、そして溶液部分を注ぎ出して触媒から分離した。溶媒を蒸発させ、そして残
留物をCDCl3 中に溶解し、NMR により分析した。上記反応混合物は、HPLC(MeOH
/H2O 90/10; 260nm )によっても分析した。分析により、100 %の転化率及び90
%を超えるアスカリドールの収率が確認された。 例2: β- シトロネロールの酸化
【0025】
【化2】
【0026】 メタノール5ml中にβ- シトロネロール 391mg及びLa(NO3)3.xH2O 163mg を含
む溶液に対し、H2O2(50 %) 300 μl 及び5M NaOH 200 μl を25℃で順次添加し
た。この際、白色の析出物が生じた。1.3 時間後と4.0 時間後に、更にH2O2(50
%) を300 μl づつこの混合物に加えた。5.75時間後、この反応混合物を、HPLC
(MeOH/H2O 70/30 v/v; 200nm )によって分析した。分析により、24%の第二ヒ
ドロペルオキシドの収率及び37%の第三ヒドロペルオキシドの収率をもって、61
%の転化率が確認された。 例3: 2-メチル-2- ブテン酸ナトリウム塩の酸化
【0027】
【化3】
【0028】 D2O 4ml中に2-メチル-2- ブテン酸ナトリウム塩 50mg 及びLa(NO3)3.xH2O 13
8mg を含む溶液に対し、H2O2(50 %) 150 μl を25℃で加えた。この際、白色の
析出物が生じた。0.75時間後と2.0 時間後に、更にH2O2(50 %) を150 μl づつ
この混合物に加えた。3.3 時間後、この反応混合物をNMR により分析した。分析
により、48%のヒドロペルオキシドの収率をもって48%の転化率が確認された。 例4: 3-メチル-2- ブテン-1- オールの酸化
【0029】
【化4】
【0030】 メタノール5ml中に3-メチル-2- ブテン-1- オール 215mg及びLa(NO3)3.xH2O
163mg を含む溶液に対し、H2O2(50 %) 300 μl 及び5M NaOH 200 μl を25℃で
順次加えた。この際、白色の析出物が生じた。1.0 時間後と4.3 時間後に、更に
H2O2(50 %) を300 μl づつこの混合物に加えた。6.0 時間後、この反応混合物
を遠心分離にかけ、そしてその溶液部分を注ぎだして触媒から分離した。溶剤を
蒸発させ、そして残留物をCDCl3 中に溶解し、NMR で分析した。分析により、70
%のヒドロペルオキシドの収率をもって100 %の転化率が確認された。 例5: メシチロールの酸化
【0031】
【化5】
【0032】 メタノール5ml中にメシチロール 257mg及びLa(NO3)3.xH2O 163mg を含む溶液
に対し、H2O2(50 %) 300 μl 及び5M NaOH 200 μl を25℃で順次加えた。この
際、白色の析出物が生じた。1.0 時間後と4.3 時間後に、更にH2O2(50 %) を30
0 μl づつこの混合物に加えた。6.0 時間後、この反応混合物を遠心分離にかけ
、そしてその溶液部分を注ぎ出して触媒から分離した。溶媒を蒸発させ、そして
残留物をCDCl3 中に溶解し、NMR で分析した。分析により、62%のヒドロペルオ
キシドAの収率及び38%のヒドロペルオキシドBの収率をもって100 %の転化率
が確認された。 比較例: 触媒としてモリブデン酸ナトリウムを用いた、3-メチル-2- ブテン-1
- オールの酸化
【0033】
【化6】
【0034】 メタノール5ml中に3-メチル-2- ブテン-1- オール 100ml及びNa2MoO4.4H2O 1
21mlを含む懸濁液に対し、H2O2(50 %) 100 μl を25℃で加えた。この際、透明
なオレンジ赤色の溶液が生じた。21分後、42分後、60分後、86分後、120 分後、
144 分後、206 分後、224 分後、270 分後、300 分後及び333 分後に、更にH2O2 (50 %) を100 μl づつこの混合物に加えた。6.5 時間後に、この反応混合物を
遠心分離にかけ、そしてその溶液部分を注ぎ出して触媒から分離した。溶媒を蒸
発させ、そして残留物をCDCl3 中に溶解し、NMR で分析した。分析により、31%
のヒドロペルオキシドの収率、59%のエポキシアルコールの収率及び10%のエポ
キシアルデヒドの収率をもって100 %の転化率が確認された。 比較例:メシチロールの光酸化
【0035】
【化7】
【0036】 Naランプで照射しながら、CD3OD 4ml中にメシチロール 40mg 及び痕跡量のメ
チレンブルーを含む溶液に−10℃で酸素を通した。3.0 時間後、この溶液をNMR
で分析した。分析により、65%のヒドロペルオキシドAの収率及び35%のヒドロ
ペルオキシドBの収率をもって100 %の転化率が確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AU,BA,BB, BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR ,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK,MN, MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,S L,TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ラタヤ−ナルデロ・ベロニク フランス国、ビレヌーヴュ・デュ・アス ク、プラス・カデ・ルセル、11−11 (72)発明者 アルスターズ・パウル オランダ国、カーツェー・マーストリヒ ト、オランジェプライン、273 Fターム(参考) 4C071 AA03 BB01 CC12 EE06 FF16 GG01 KK01 LL07 4H006 AA02 AC40 BA08 BA34 BB14 BB20 BB22 BB31 BC10 BC16 BE32 4H039 CC30 CD10 CJ90

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒としてのランタノイドの存在下に、水、有機溶媒または水
    /溶媒混合物中で、1O2 と反応する有機基質を30〜70%濃度のH2O2と混合し、こ
    の際、水及び1O2 を与えるH2O2の接触的分解に次いで、対応する酸化生成物を与
    える酸化が起こることを特徴とする、1O2 による有機基質の酸化方法。
  2. 【請求項2】 1O2 と反応する基質として、1〜10個のC=C 二重結合を含む
    オレフィン; C6-C50フェノール類、ポリアルキルベンゼン類、ポリアルコキシ
    ベンゼン類; 2〜10個の芳香族環を有する多環式芳香族化合物; 硫黄原子上
    に一つまたは二つの置換基を有する硫化アルキル、硫化アルケニル、硫化アリー
    ル; または環中にO、NまたはS原子を有するC4-C60複素環式化合物が使用さ
    れ、これらの化合物は、また、置換されていなくともよいし、あるいはハロゲン
    、シアニド、カルボニル基、ヒドロキシル基、C1-C50アルコキシ基、C1-C50アル
    キル基、C6-C50アリール基、C2-C50アルケニル基、C2-C50アルキニル基、カルボ
    ン酸基、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ
    基、スルホン基、スルホキシド基によって、あるいは一つまたはそれ以上のNR1R 2 基によってモノ置換またはポリ置換されていてもよく、ここで、上記式中、R1 及びR2は同一でも異なっていてもよく、H; C1-C50アルキル; ホルミル;
    C2-C50アシル; C7-C50ベンゾイルであるか、またはR1及びR2は一緒になって環
    を形成していてもよいことを特徴とする、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 溶媒として、水、C1-C8 アルコール類、エチレングリコール
    、プロピレングリコール、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホル
    ムアミド、スルホラン、プロピレンカーボネートまたはこれらの混合物が使用さ
    れることを特徴とする、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
    プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホルムアミド、N-
    メチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミドが使用されることを特徴とする
    、請求項4の方法。
  5. 【請求項5】 酸化物、オキソ錯体、硝酸塩、カルボン酸塩、水酸化物、炭
    酸塩、塩化物、フッ化物、硫酸塩または四フッ化ホウ酸塩の形の、ランタノイド
    に基づく触媒が使用されることを特徴とする、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 ランタノイドとして、ランタン、セリウム、プラセオジム、
    ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシ
    ウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム及びルテチウム、並びにプソイ
    ドランタノイドのスカンジウム及びイットリウムが使用されることを特徴とする
    、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 触媒の均一系の可溶性の形を、水酸化物を添加することによ
    って、触媒の不均一系の活性形に変えることを特徴とする、請求項5の方法。
  8. 【請求項8】 使用する基質に依存して、2〜10当量のH2O2が使用されるこ
    とを特徴とする、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 反応温度が0〜50℃である、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 使用する溶媒、基質及び触媒に依存して、0〜14のpH値を
    設定することを特徴とする、請求項1の方法。
JP2000613796A 1999-04-26 2000-03-23 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法 Withdrawn JP2002543049A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AT730/99 1999-04-26
AT0073099A AT408440B (de) 1999-04-26 1999-04-26 Singlet sauerstoff oxidation von organischen substanzen
PCT/EP2000/002553 WO2000064842A1 (de) 1999-04-26 2000-03-23 Singlet sauerstoff oxidation von organischen substraten

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002543049A true JP2002543049A (ja) 2002-12-17

Family

ID=3498300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000613796A Withdrawn JP2002543049A (ja) 1999-04-26 2000-03-23 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6486360B1 (ja)
EP (1) EP1173396B1 (ja)
JP (1) JP2002543049A (ja)
AT (1) AT408440B (ja)
AU (1) AU4108100A (ja)
CA (1) CA2369829C (ja)
DE (1) DE50006504D1 (ja)
ES (1) ES2220455T3 (ja)
IL (1) IL145599A0 (ja)
WO (1) WO2000064842A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100792716B1 (ko) * 2000-06-19 2008-01-11 엘지전자 주식회사 기울어진 세탁기

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10064064A1 (de) * 2000-12-21 2002-07-18 Fraunhofer Ges Forschung Verfahren zur Beschleunigung biokatalytischer und/oder hormoneller Prozesse und dessen Verwendung
CN1319451C (zh) * 2002-09-11 2007-06-06 路易斯安那州大学及农业和机械学院管理委员会 杀生物剂组合物以及有关方法
AT413098B (de) * 2002-09-26 2005-11-15 Dsm Fine Chem Austria Gmbh Verbessertes verfahren zur singlet sauerstoff oxidation von organischen substraten
AT413099B (de) * 2002-11-26 2005-11-15 Dsm Fine Chem Austria Gmbh Singlet sauerstoff oxidation von organischen substanzen in einer mehrphasen-mikroemulsion
AT412206B (de) * 2003-02-12 2004-11-25 Dsm Fine Chem Austria Gmbh Verfahren zur oxidation von organischen substraten mittels singulett sauerstoff
CN102481014B (zh) 2009-09-03 2013-12-25 埃科莱布美国股份有限公司 可用于工业用途的电解降解系统和方法
US8957260B2 (en) 2011-02-07 2015-02-17 Basf Se Process for the oxidation of mesitol

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4022841A (en) 1967-12-26 1977-05-10 Sun Company, Inc. Organometallic complexes as alkylaromatic oxidation catalysts
FR2612512B1 (fr) 1987-03-20 1989-06-30 Lille 11 Universite Droit Sant Procede d'oxydation de composes organiques par l'eau oxygenee en presence d'un catalyseur
FR2744720B1 (fr) 1996-02-09 1998-04-10 Rhone Poulenc Chimie Procede d'hydroxylation de composes phenoliques
AT408546B (de) * 1999-04-13 2001-12-27 Dsm Fine Chem Austria Gmbh Singlet sauerstoff oxidation von organischen substraten

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100792716B1 (ko) * 2000-06-19 2008-01-11 엘지전자 주식회사 기울어진 세탁기

Also Published As

Publication number Publication date
CA2369829A1 (en) 2000-11-02
ES2220455T3 (es) 2004-12-16
AU4108100A (en) 2000-11-10
EP1173396A1 (de) 2002-01-23
IL145599A0 (en) 2002-06-30
ATA73099A (de) 2001-04-15
WO2000064842A1 (de) 2000-11-02
AT408440B (de) 2001-11-26
EP1173396B1 (de) 2004-05-19
US6486360B1 (en) 2002-11-26
CA2369829C (en) 2007-07-24
DE50006504D1 (de) 2004-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2003055600A1 (fr) Catalyseurs renfermant des composes d'acyluree cycliques, et procedes d'elaboration de composes organiques reposant sur l'utilisation de ces catalyseurs
EP1237836B1 (fr) Procede de preparation de melanges alcools/cetones
JP2002543049A (ja) 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法
RU2296743C2 (ru) Способ получения адипиновой кислоты
US20110098488A1 (en) Process for Oxidizing Organic Substrates By Means of Singlet Oxygen Using a Modified Molybdate LDH Catalyst
JP2002541227A (ja) 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法
JP4934025B2 (ja) 不飽和ラクトンの調製方法
US5245059A (en) Method for the preparation of 2,3,5-trimethylbenzoquinone
EP0299893A2 (fr) Procédé d'hydroxylation de phénols et d'éthers de phénols
JP2001039913A (ja) ビナフトールの精製方法
US3865856A (en) Process for the preparation of carboxylic acids from vicinal diols
JP3968427B2 (ja) カルボン酸の製造方法
US20040156776A1 (en) Singlet oxygen oxidation of organic substrates
JP2005002027A (ja) 異種元素置換ヘテロポリオキソメタレート化合物
EP1259521B1 (fr) Procede de preparation du tris-trifluoromethanesulfonate de bismuth
KR19980702350A (ko) 방향족 퍼옥시카르복실산을 사용하는 에폭시드의 제조 방법
JP2020059671A (ja) ジアルデヒドの製造方法
FR2663023A1 (fr) Procede de transformation de n-oxydes d'amines tertiaires en aldehydes.
JP3526345B2 (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法
JPH05148177A (ja) カルボニル化合物の製造方法
JPS63310839A (ja) ヒドロキシナフタレンの製造方法
JPH01246241A (ja) 2,3,5‐トリメチルベンゾキノンの製造方法
JPH08245568A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法
JPH0363241A (ja) 3,3―ジメチル―2―ブタノンの製造方法
JPH08169873A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080724