JP2002541227A - 一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法 - Google Patents

一重項酸素を用いた有機基質の酸化方法

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JP2002541227A
JP2002541227A JP2000610802A JP2000610802A JP2002541227A JP 2002541227 A JP2002541227 A JP 2002541227A JP 2000610802 A JP2000610802 A JP 2000610802A JP 2000610802 A JP2000610802 A JP 2000610802A JP 2002541227 A JP2002541227 A JP 2002541227A
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オウブリー・ジャン−マリー
ラタヤ−ナルデロ・ベロニク
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デーエスエム・ファイン・ケミカルズ・オーストリア・ナッハフォルゲル・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト
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Abstract

(57)【要約】 不均一系または均一系触媒の存在下に有機溶媒中において、1O2 と反応する疎水性有機基質を30〜70%濃度のH2O2と反応させ、この際、水及び1O2 を与えるH2O2の接触的分解に次いで、対応する酸化生成物を与える酸化が起こる、 1O2 を用いた有機基質の酸化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
現在工業的に行われている唯一の一重項酸素酸化(1O2-Ox)法は、1O2 を光化学
的な手段によって発生させる光化学的な1O2-Ox法である。この方法の欠点として
は、必要とされる光化学的装置が高額なこと、及び耐用年数が短いことが挙げら
れる。必要とされるランプは、ガラスの表面の汚れのために、酸化の間に比較的
短時間で劣化する。加えて、この方法は、有色の基質には適していない。実際上
は、この方法は、比較的小規模で製造されるファインケミカルにしか適さない。
(La Chimica e l'Industria, 1982, Vol. 64, 156 頁) このため、水不溶性の疎水性有機基質の1O2-Oxに適した他の1O2-Ox法を見出す
試みが為されてきた。
【0002】 J.Am.Chem.Soc.,1968, 90, 975には、例えば、1O2 を光化学的にではなく、化
学的に発生させる従来からの“ダーク(dark)”1O2-Ox法が記載されている。この
方法では、水と有機溶媒との混合溶媒中で次亜塩素酸塩/H2O2 系によって疎水性
の基質を酸化する。しかし、必要とされる上記の媒体に対し多くの基質が難溶性
であるために、この方法が適用される合成例は僅かしかない。加えて、次亜塩素
酸塩と基質もしくは溶媒との副反応があるために、この方法を使用する可能性は
かなり制限される。更に、多くの1O2 が気相中で不活性化される。また更には、
有機媒体中においてH2O2への次亜塩素酸塩の付加が生じ、次亜塩素酸塩と基質と
の副反応を抑えるために大過剰のH2O2が必要とされるため、工業的規模で行うの
には適していない。更に別の欠点は、化学量論量の塩が形成することによって生
じる。
【0003】 次亜塩素酸塩に基づかず、それゆえ上記の欠点の一部を避ける“ダーク”1O2-
Ox法の変法は、例えばJ.Org.Chem.,1989,54,726 またはJ.Mol.Cat.,1997,117,43
9 から公知であり、この方法では、溶媒としての水中で、幾つかの水溶性有機基
質をH2O 及びモリブデン酸塩触媒で酸化する。Membrane Lipid Oxid.Vol.II,199
1,65によると、モリブデン酸塩によって触媒される、水及び1O2 へのH2O2の不均
化反応を維持するには慣用の溶媒のいずれも適さないとされており、モリブデン
酸塩/H2O2系での水不溶性有機基質の1O2-Oxは困難である。Membrane Lipid Oxi
d.Vol.II,1991,65に記載のように、α- テルピネンまたはβ- シトロネロールな
どの水不溶性基質は、MeOH/水混合物(70/30) 中でモリブデン酸塩/H2O2系を用
いた場合は、70%の比較的低い収率でしか酸化することができない。MeOH/水を
用いて得られる上記の平凡な収率に加えて、この方法は、J.Am.Chem.Soc.,1997,
119,5286から明らかなように、幾らか親水性の基質または低分子量の疎水性基質
にしか使用できないため、水性溶媒混合物に基づくこの方法の非常に狭い適用範
囲がもう一つの欠点である。
【0004】 J.Am.Chem.Soc.,1997,119,5289及びヨーロッパ特許出願公開第0 288 337 号に
は、水溶液としてのモリブデン酸塩によって触媒することにより、H2O2から1O2 を発生させることを可能とするが、それでもなお比較的広い分子量範囲からの疎
水性基質に適している方法が開示されている。この方法では、マイクロエマルシ
ョンが反応媒体として使用される。しかし、マイクロエマルションからの生成物
の単離が困難であるため、工業規模でのこの方法の使用には困難が伴う。加えて
、基質に対しかなり多量の界面活性剤を使用しなければならないのでこの方法は
比較的費用のかかる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、本発明の課題は、工業的規模において、簡単に、費用効果高くかつ
環境に優しく使用することができ、及び数多くの基質に適した“ダーク”1O2-Ox
法の改良された方法を見出すことであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
予期できないことには、共溶媒としての水を加えることなく及び界面活性剤を
用いることなく、“ダーク”1O2-Ox法を、反応媒体としてのある種の有機溶媒中
で高い収率をもって極めて効果的に行い得ることが見出された。
【0007】 それゆえ、本発明の対象は、1O2 と反応する疎水性有機基質を、不均一系また
は均一系触媒の存在下に有機溶媒中で、30〜70%濃度のH2O2と混ぜ、この際、水
及び1O2 を与えるH2O2の接触的分解に続いて、対応する酸化生成物を与える酸化
が起こることを特徴とする、1O2 による有機基質の酸化方法である。
【0008】 本発明の方法は、1O2 と反応する疎水性有機基質の酸化に適している。
【0009】 それゆえ、基質としては以下の化合物が使用し得る:1つまたはそれ以上、す
なわち10個までの、好ましくは6個までの、特に好ましくは4個までのC=C 二重
結合を含むオレフィン; 電子豊富芳香族化合物、例えばC6-C50、好ましくはC3 0 まで、特に好ましくはC20 までのフェノール類、ポリアルキルベンゼン類、ポ
リアルコキシベンゼン類; 2〜10個、好ましくは6個まで、特に好ましくは4
個までの芳香族環を有する多環式芳香族化合物; 硫化物類、例えば、硫黄原子
上に一つまたは二つの置換基を有する硫化アルキル類、硫化アルケニル類、硫化
アリール類; 及び環中にO、NまたはS原子を有する複素環式化合物、例えば
C4-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのフラン類、C4-C50、好
ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのピロール類、C4-C60、好ましくは
C30 まで、特に好ましくはC20 までのチオフェン類。ここで、基質は、一つまた
はそれ以上の置換基、例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、シアニド、カルボニ
ル基、ヒドロキシル基、C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 まで
のアルコキシ基、C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアル
キル基、C6-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアリール基、
C2-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアルケニル基、C2-C50 、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC20 までのアルキニル基、カルボン酸基
、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ基、ス
ルホン基、スルホキシド基を有していてもよい。更に、基質は、一つまたはそれ
以上のNR1R2 基によって置換されていてもよく、この際、式中、R1及びR2は、同
一または異なっていてもよく、H; C1-C50、好ましくはC30 まで、特に好まし
くはC20 までのアルキル; ホルミル; C2-C50、好ましくはC30 まで、特に好
ましくはC20 までのアシル; C7-C50、好ましくはC30 まで、特に好ましくはC2 0 までのベンゾイルであり、またはR1及びR2は、例えばフタルイミド基などにお
いて、一緒になって環を形成していてもよい。
【0010】 適当な基質の例は、2-ブテン; イソブテン; 2-メチル-1- ブテン; 2-ヘ
キセン; 1,3-ブタジエン; 2,3-ジメチルブテン; D9,10-オクタリン; 2-
フタルイミド-4- メチル-3- ペンテン; 2,3-ジメチル-1,3- ブタジエン; 2,
4-ヘキサジエン; 2-クロロ-4- メチル-3- ペンテン; 2-ブロモ-4- メチル-3
- ペンテン; 1-トリメチルシリルシクロヘキセン; 2,3-ジメチル-2- ブテニ
ル- パラ- トリルスルホン; 2,3-ジメチル-2- ブテニル- パラ- トリルスルホ
キシド; N-シクロヘキセニルモルホリン; 2-メチル-2- ノルボルネン; テ
ルピノレン; α- ピネン; β- ピネン; β- シトロネロール; オシメン
; シトロネロール; ゲラニオール; ファルネソール; テルピネン; リ
モネン; トランス-2,3- ジメチルアクリル酸; α- テルピネン; イソプレ
ン; シクロペンタジエン; 1,4-ジフェニルブタジエン; 2-エトキシブタジ
エン; 1,1'- ジシクロヘキセニル; コレステロール; エルゴステロールア
セテート; 5-クロロ-1,3- シクロヘキサジエン; 3-メチル-2- ブテン-1- オ
ール; 3,5,5-トリメチルシクロヘキセ-2- エン-1- オール; フェノール、1,
2,4-トリメトキシベンゼン; 2,3,6-トリメチルフェノール; 2,4,6-トリメチ
ルフェノール; 1,4-ジメチルナフタレン; フラン; フルフリルアルコール
; フルフラール; 2,5-ジメチルフラン; イソベンゾフラン; 硫化ジベン
ジル; (2- メチル-5-tert-ブチル)フェニルスルフィドなどである。
【0011】 本発明による酸化によって、基質から対応する酸化生成物が得られる。アルケ
ン類、(多環式)芳香族化合物または複素環式化合物からは、特に、ヒドロペル
オキシド類または過酸化物類が得られ、これらは──不安定な場合には──反応
条件下に更に反応してアルコール類、エポキシド類、アセタール類またはカルボ
ニル化合物、例えばケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類またはエステル類と
なり得る。
【0012】 本発明の酸化法は有機溶媒中で行われる。適当な溶媒は、C1-C8-アルコール類
、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホルムアミ
ド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、スルホラン、プロピレンカ
ーボネートである。好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホルムアミド、N-
メチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミド、特に好ましくはメタノール、
エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホルムアミドまたは
ジメチルホルムアミドが溶媒として使用される。場合によっては、25%までの水
を有機溶媒に混ぜてもよい。しかし、水の添加は反応に何の利点ももたらさない
。それゆえ、好ましくは、水は添加されない。
【0013】 1O2 による酸化に適しており、そして例えばJ.Am.Chem.Soc.,1985,107,5844ま
たはMembrane Lipid Oxid. Vol.II, 1991, 65 に記載されている金属が、溶媒/
基質混合物に対し不均一系もしくは均一系無機触媒として加えられる。
【0014】 ここで、金属は、1O2 による酸化にとって慣用の如何なる形でもよく、例えば
酸化物、オキソ錯体、硝酸塩、カルボン酸塩、水酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ
化物、硫酸塩、四フッ化ホウ酸塩などがある。好ましくは、モリブデン、タング
ステン、スカンジウム、バナジウム、チタン、ジルコニウム、プラセオジム、ネ
オジム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ホルミウム
、エルビウム、イットリウム及びルテチウムに基づく触媒である。特に好ましく
は、モリブデン触媒である。
【0015】 触媒の使用量は使用する基質に依存し、1〜50モル%、好ましくは5〜25モル
%である。
【0016】 これに次いで、30〜70%濃度、好ましくは40〜60%濃度のH2O2が添加される。
好ましくは、H2O2は、溶媒、基質及び触媒を含む反応混合物中にゆっくりとまた
は少しずつ分けて加えられ、この際、反応混合物は攪拌される。
【0017】 本発明の方法において、H2O2の消費量は、使用する基質に依存する。反応性が
高い基質の場合は、好ましくは2〜3当量のH2O2が必要とされ、一方、反応性が
比較的弱い基質の場合は、好ましくはこれを3〜10当量のH2O2と反応させる。
【0018】 反応温度は0〜50℃、好ましくは15〜35℃である。
【0019】 場合によっては、触媒の活性化を高めるために、慣用の塩基性または酸性添加
物を反応混合物に加えることが有利であり得る。
【0020】 反応の進行は、UV分光法またはHPLCによって監視することができる。反応が完
了したら、すなわち反応条件に依存して1〜30時間後に、反応混合物を仕上げ処
理する。特にモリブデン酸塩触媒、例えばモリブデン酸ナトリウムを幾つかの溶
媒中で使用した場合には、触媒の除去が予期できないほど特に簡単であることが
わかった。モリブデン酸塩触媒、例えばNa2MoO4 ・2H2O を、モノヒドロキシルア
ルコール溶媒、即ち例えばメタノールまたはエタノールなどの一価アルコール中
で使用した場合は、H2O2を添加している間は反応は完全に均一系で進行するが、
全てのH2O2が添加された後は、触媒が反応混合物から析出し、その結果、触媒を
簡単な遠心分離または濾過によって分離、リサイクルできる。
【0021】 残る最終生成物は、必要に応じて、再結晶化、抽出または蒸留によって精製す
ることができる。
【0022】 本発明の方法は、数多くの疎水性化合物の酸化を可能とし、そして特には、従
来公知の化学的方法では高収率で酸化することができなかった水不溶性基質の酸
化に有利である。それゆえ、本発明の方法は、特に、テルペン類、例えばα- テ
ルピネン及びシトロネロール、芳香族多環式化合物、ステロイド類、フラン類、
シクロペンタジエン類、フェノール類などの不飽和の有機化合物の酸化に、並び
に一般的に、1O2 と反応する全ての化合物の酸化に適している。
【0023】 本発明の方法によって、高純度及び100 %までの高い収率で所望とする最終生
成物が得られる。本発明の方法は、簡素な多目的プラントにおいて簡単な仕上げ
段階を用いて行うことができ、また幅広い範囲の物質に使用することができるの
で、工業的規模に最適な簡素なプロセス運用を特徴とする。
【0024】
【実施例】
例1: a) 2mol /L のNa2MoO4 水溶液0.2ml または b) 2当量のNa2MoO4 0.4mmol を、有機溶媒4ml中の有機基質(α- テルピネンまたはβ- シトロネロール)2
mmolの温度調節した溶液(25 ℃) に加えた。H2O2(50%)0.08ml をこの混合物に加
えた。反応混合物が再び黄色に変わった後、更に、H2O2(50 %) をそれぞれ0.08
mlづつ2度加えた。反応の進行は、α- テルピネンの場合はUV分光法(266nm) に
より、そしてβ- シトロネロールの場合はHPLC(MeOH/H2O 70/30) により監視し
た。 例2: a) 2mol /L のNa2MoO4 水溶液0.2ml または b) 2当量のNa2MoO4 0.4mmol を、有機溶媒4ml中の有機基質(α- テルピネンまたはβ- シトロネロール)2
mmolの温度調節した溶液(25 ℃) に加えた。この混合物にH2O2(50%)0.25mlを
一度に加えた。反応の進行は、α- テルピネンの場合はUV分光分析(266nm) によ
って、そしてβ- シトロネロールの場合はHPLC(MeOH/H2O 70/30)によって監視し
た。
【0025】 使用した溶媒、及びアスカリドールへのα- テルピネンの転化率、並びに対応
するヒドロペルオキシドの1/1 混合物へのβ- シトロネロールの転化率を表1に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】 例3:溶媒としてメタノールを含む反応混合物からの生成物の単離 表1に示した時間の経過後、析出した触媒を、遠心分離することによって反応
混合物から除去した。析出物を無水エタノールで二度洗浄し、そして一緒にした
溶媒の各バッチ(メタノール及びエタノール)をロータリー蒸発器で除去した。
残った酸化生成物を、NMR 分析のためにCDCl3 中に溶解した。α- テルピネンの
場合は、分析により、95%濃度を超える純度のアスカリドールの実質的に定量的
な量での生成が確認された。β- シトロネロールの場合は、おおよそ80%の生成
物が得られ、これは、NMR 分析によると、二種の対応するヒドロペルオキシドの
1/1 混合物からなるものであった。 例4: メタノール4ml中にα- テルピネン 325μl 及びNa2MoO4.2H2O 48.5mg からな
る溶液にH2O2(50 %)45 μl を35℃で加えた。赤色の反応混合物が再び黄色に変
わったら直ぐに、この混合物に更にH2O2(50 %) をそれぞれ45μl づつ5度加え
た。1.5 時間後、反応混合物をHPLCによって分析した。分析は、アスカリドール
の定量的な生成を示した。 例5: エチレングリコール4ml中にシトロネロール 365μl 及びNa2MoO4.2H2O 97mg
からなる溶液にH2O2(50 %) 80μl を25℃で加えた。1時間、2時間及び19時間
後に、この混合物に更にH2O2(50%)をそれぞれ80μl づつ加えた。HPLC分析は
、38%の第二ヒドロペルオキシドの収率及び62%の第三ヒドロペルオキシドの収
率で、100 %の転化率を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AU,BA,BB, BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR ,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK,MN, MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,S L,TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ラタヤ−ナルデロ・ベロニク フランス国、ビレヌーヴュ・デュ・アス ク、プラス・カデ・ルセル、11−11 (72)発明者 アルスターズ・パウル オランダ国、カーツェー・マーストリヒ ト、オランジェプライン、273 Fターム(参考) 4C071 AA03 BB01 BB05 CC12 EE06 FF16 GG01 KK01 LL10 4G069 AA06 BB06B BC02B BC59B CB07 DA02 4H006 AA02 AC40 AD17 BA08 BA10 BA12 BA14 BA29 BA30 BA31 BA32 BA34 BA36 BA37 BA83 BB10 BB14 BB20 BC10 BC31 BD36 BD51 BE32 4H039 CA64 CC40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1O2 と反応する疎水性有機基質を、不均一系もしくは均一系
    触媒の存在下に有機溶媒中で、30〜70%濃度のH2O2と混合し、その際、水及び1O 2 を生ずるH2O2の接触的分解に次いで、対応する酸化生成物を与える酸化が起こ
    ることを特徴とする、1O2 による有機基質の酸化方法。
  2. 【請求項2】 1O2 と反応する基質として、1〜10個のC=C 二重結合を含む
    オレフィン; C6-C50フェノール類、ポリアルキルベンゼン類、ポリアルコキシ
    ベンゼン類; 2〜10個の芳香族環を有する多環式芳香族化合物; 硫黄原子上
    に一つまたは二つの置換基を有する硫化アルキル、硫化アルケニル、硫化アリー
    ル; または環中にO、NまたはS原子を有するC4-C60複素環式化合物が使用さ
    れ、これらの化合物は、また、置換されていなくともよいし、あるいはハロゲン
    、シアニド、カルボニル基、ヒドロキシル基、C1-C50アルコキシ基、C1-C50アル
    キル基、C6-C50アリール基、C2-C50アルケニル基、C2-C50アルキニル基、カルボ
    ン酸基、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ
    基、スルホン基、スルホキシド基によって、あるいは一つまたはそれ以上のNR1R 2 基によってモノ置換またはポリ置換されていてもよく、ここで、上記式中、R1 及びR2は同一でも異なっていてもよく、H; C1-C50アルキル; ホルミル;
    C2-C50アシル; C7-C50ベンゾイルであるか、またはR1及びR2は一緒になって環
    を形成していてもよいことを特徴とする、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 溶媒として、C1-C8 アルコール類、ホルムアミド、N-メチル
    ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、スルホラン、プロピレンカーボネートが
    使用されることを特徴とする、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
    プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ホルムアミド、N-
    メチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミドが使用されることを特徴とする
    、請求項4の方法。
  5. 【請求項5】 モリブデン、タングステン、スカンジウム、バナジウム、チ
    タン、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、テ
    ルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イットリウムまたはルテ
    チウムに基づく、酸化物、オキソ錯体、硝酸塩、カルボン酸塩、水酸化物、炭酸
    塩、塩化物、フッ化物、硫酸塩または四フッ化ホウ酸塩の形の触媒を使用するこ
    とを特徴とする、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 使用する基質に依存して、2〜10当量のH2O2を使用すること
    を特徴とする、請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 反応温度が0〜50℃であることを特徴とする、請求項1の方
    法。
  8. 【請求項8】 モリブデン酸塩触媒の存在下、溶媒としての一価C1-C8 アル
    コール中における、1O2 と反応する疎水性有機基質と30〜70%濃度のH2O2との、
    対応する酸化生成物を与える反応に次いで、反応の完了後に、析出した触媒の除
    去及びリサイクルを簡単な遠心分離または濾過によって行うことを特徴とする、
    請求項1の方法。
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