JPH0648974A - カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

カルボニル化合物の製造方法

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JPH0648974A
JPH0648974A JP5104735A JP10473593A JPH0648974A JP H0648974 A JPH0648974 A JP H0648974A JP 5104735 A JP5104735 A JP 5104735A JP 10473593 A JP10473593 A JP 10473593A JP H0648974 A JPH0648974 A JP H0648974A
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compound
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palladium
mmol
oxygen
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JP5104735A
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Hirotoshi Ishii
宏寿 石井
Masanori Tsuzuki
正則 都筑
Yoshinori Saito
吉則 斉藤
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィンを酸化してカルボニル化合物を製
造する方法において、パラジウム成分がパラジウム黒等
の形で沈降することによる、触媒活性の劣化を防止する
とともに、十分な活性を維持することができ、カルボニ
ル化合物を高収率で、生産性よく製造することができる
カルボニル化合物の製造方法を提供すること。 【構成】 パラジウム化合物および/または金属パラジ
ウムとポリオキソアニオン系化合物と有機リン化合との
存在下、含酸素系有機化合物、含硫黄系有機化合物およ
び含窒素系有機化合物よりなる群から選択される少なく
とも一種の有機溶媒、あるいはこれに水を加えた溶媒中
で、オレフィンを酸化してカルボニル化合物の製造する
ことを特徴とするカルボニル化合物の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボニル化合物の製
造方法に関し、より詳しく言うと、オレフィン類の酸化
により、溶剤や化学原料等として有用な種々のカルボニ
ル化合物、特に、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトン等の種々のケトン類やアセトアルデ
ヒド等のアルデヒド類を効率よく安定に製造することの
できるカルボニル化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケ
トン類やアセトアルデヒド等のアルデヒド類などのカル
ボニル化合物は、溶剤や化学原料等として有用である。
【0003】オレフィン類の直接酸化によるカルボニル
化合物の製造方法としては、古くからPdCl2 −Cu
Cl2 触媒によるワッカー法が知られている。しかし、
このワッカー法においては、原料オレフィンの炭素数が
増加するにつれて反応速度が著しく低下する点、また内
部オレフィンの反応性が低いなどの欠点がある。そのう
え、このワッカー反応においては、活性な塩素化合物を
比較的多量に使用する必要があるので、装置の腐食や塩
素化物の副生などの問題があるので、工業的にはアセト
アルデヒドやアセトン等の低級カルボニル化合物の製造
以外には用いられていない。
【0004】こういった問題を解決すべく、近年、触媒
系あるいは溶媒を工夫することによるいくつかの改良例
が提案されてきた。しかしながら、いずれの方法も工業
的方法としては未だ不十分である。
【0005】たとえば、特許公表公報63−50092
3号には、Pd−ポリオキソアニオン系にCu、Fe、
Mn等のレドックス金属および/または配位子(アセト
ニトリル等)を添加してなる触媒系を用いる方法が提案
されている。
【0006】しかしながら、この方法においては、前記
レドックス金属または配位子のうちのどちらか一方の添
加では触媒活性の向上効果は小さく、両者の相乗効果に
よるところが大きいので、触媒系が必然的に複雑とな
り、上記の方法と同様に触媒成分等の分離回収が厄介に
なるという問題点がある。また、この従来法において
は、初期の反応性が比較的よくても、反応の進行に伴っ
て触媒成分の沈降が起こり、反応速度が著しく低下する
という深刻な問題点もある。
【0007】また、特公昭49−024451号には、
Pd−ホスフィン錯体またはPt−ホスフィン錯体によ
りオレフィン類を酸素で酸化する方法が提案されてい
る。
【0008】しかしながら、この方法においては、触媒
的に反応は進行するが、触媒活性種であるPd2+の再生
が十分でなく活性が低いという問題点がある。また、速
やかに触媒成分の沈降が起こって失活するという問題点
もある。
【0009】さらに、フランス特許明細書第2,63
8,739号には、Pd−AgNO3−リン化合物系で
反応を行なう方法が開示されている。
【0010】しかしながら、この方法においては、活性
が十分に高くない上に、酸化剤として高価なAgNO3
が必要であるという問題点がある。
【0011】さらに、特開昭53−92333号公報に
は、Pd−リン化合物錯体−パ−オキサイド化合物での
反応による方法が開示されている。
【0012】しかしながら、この方法においては、活性
が低い上に酸化剤(例えばパーオキサイド化合物)が高
価であるという問題点がある。
【0013】さらに、米国特許明細書第4,532,3
62号には、Pd−(ヘテロポリ酸or Cu)−相間
移動触媒−パ−フルオロデカリン系で、溶媒としてハイ
ドロカーボン/水を用いて反応を行なう方法が開示され
ている。
【0014】しかしながら、この場合、活性が低いとい
う問題点がある。また、この方法においては、パラジウ
ムホスフィン錯体に関して記述されているが、その効果
については記されていない。
【0015】さらに、特開平3−106844号公報に
おいては、パラジウム化合物およびポリオキソアニオン
系化合物の存在下に、アルコール類からなる溶媒中で、
鎖状オレフィンを酸化することを特徴とするカルボニル
化合物の製造方法が記載されている。この製造方法は触
媒の初期活性に優れ、また同公報の実施例にも記載され
たように2時間もの長期間に渡る反応時間においても高
い触媒活性が維持されている。
【0016】しかしながら、近年、この種技術分野にお
いては同公報に記載された反応時間よりも更に長時間に
わたって触媒活性が維持されることが望まれるに至っ
た。
【0017】以上のように、パラジウム化合物とポリオ
キソアニオン系化合物からなる触媒系の場合には、活性
な塩素化合物(CuCl2 やHClなど)を多量に必要
とするワッカー触媒の場合に比べて、装置の腐食や塩素
化物の副生等の問題が低減され、触媒活性および原料オ
レフィンの反応性の改善を期待することができるもの
の、上記のように従来法では種々の問題点があるため、
未だに工業化に至っていない。そこで、これらの問題点
を解決し、工業化が容易に実現できる改善技術の開発が
強く望まれていた。
【0018】本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭
意研究を重ねた結果、パラジウム化合物およびヘテロポ
リ酸等のポリオキソアニオン系化合物からなる触媒系を
用いてオレフィン類を酸化してカルボニル化合物を製造
する際に、有機リン化合物を共存させることにより、P
d沈降に起因する触媒活性の劣化を著しく防止すること
ができ、触媒性能(活性および選択性)および反応速度
を高いレベルに安定に維持することができることを見出
した。
【0019】また、この方法によると、ポリオキソアニ
オン系化合物を大過剰に用いる必要もなく、装置の腐食
もなく、そのうえ、反応系からの生成物等の分離、溶媒
や触媒もしくはその成分等の分離回収および再利用も容
易であり、プロセス上著しく有利であることも見出し
た。
【0020】本発明は、前記事情に基づいてなされたも
のである。本発明の目的は、前記問題点を解決し、パラ
ジウム化合物および/またはパラジウム金属ならびにヘ
テロポリ酸やイソポリ酸等のポリオキソアニオン系化合
物からなる触媒系を用いてオレフィン類を酸化してカル
ボニル化合物(アルデヒド類やケトン類)を製造する際
に、Pd成分がPd黒等の形で沈降することによる活性
の劣化を防止するとともに、十分な活性を維持し、目的
とするカルボニル化合物を、効率よく、生産性よく製造
することのできるカルボニル化合物の製造方法を提供す
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0022】すなわち、本発明は、パラジウム化合物お
よび/または金属パラジウム、ポリオキソアニオン系化
合物および有機リン化合物の存在下に、含酸素系有機化
合物、含硫黄系有機化合物および含窒素系有機化合物よ
りなる群から選択される少なくとも一種の有機溶媒、あ
るいはこれに水を加えた溶媒中で、オレフィンと酸素ま
たは酸素を含むガスとを反応させることを特徴とするカ
ルボニル化合物の製造方法である。
【0023】−パラジウム化合物および金属パラジウム
− 前記パラジウム化合物としては、金属成分としてPdを
含有する化合物であれば、特に制限がなく、公知のこの
分野で常用されるものなど各種のものを使用することが
できる。
【0024】具体的にはたとえば、(1) 硫酸パラジウ
ム、硝酸パラジウム、炭酸パラジウム等のパラジウム無
機塩類や、塩化パラジウム、臭化パラジウム等のハロゲ
ン化物や、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テト
ラブロモパラジウム酸ナトリウム、テトラクロロパラジ
ウム酸カリウム、テトラブロモパラジウム酸カリウム等
のパラジウム酸塩類や、水酸化パラジウム、酸化パラジ
ウムなど各種の無機系パラジウム化合物、(2) Pd(N
3)4 Cl2 、Pd(NH3)2 Cl4 等のアンミン錯体
化合物等の無機系錯体類、(3) 酢酸パラジウム等のパラ
ジウム有機酸塩類や、パラジウムアセチルアセトナート
(Pd(acac)2 )、アルキルパラジウム化合物等
の有機系パラジウム化合物、(4) Pd(CH3 CN)2
Cl2 、Pd(PhCN)2 Cl2 等{ただし、Phは
フェニル基を示す。以下同様。}のパラジウムニトリル
錯体、Pd(edta){ただし、edtaはエチレン
ジアミン四酢酸を表す。以下同様。}、Pd(cod)
Cl2 {ただし、codはシクロオクタジエンを表す。
以下同様。}等の各種の有機系錯体類、(5) ヘテロポリ
酸パラジウム塩、イソポリ酸パラジウム塩等のパラジウ
ム含有ポリオキソアニオン系化合物などを挙げることが
できる。
【0025】これらの中でも、酸化反応の活性の面か
ら、通常、2価(酸化数が+2)のパラジウムを有する
パラジウム化合物が好適に使用され、パラジウムの無機
塩類特にPdSO4 ・2H2 O、および有機系錯体類特
にパラジウム有機酸塩類特に酢酸パラジウムなどが好適
に使用される。
【0026】なお、これらのパラジウム化合物は、無水
物であっても、結晶水含有物であっても良く、あるいは
水溶液や有機溶媒溶液等の各種溶液、懸濁液、さらに
は、たとえば活性炭等の担体に担持した状態などの種々
の形態で使用することができる。また、これら各種のパ
ラジウム化合物は、一種単独で使用してもよく、二種以
上を混合物、複合化合物、あるいは組成物などとして併
用してもよい。
【0027】この発明においては、前記パラジウム化合
物の代わりに、あるいは前記パラジウム化合物と共に金
属パラジウムあるいは担持金属パラジウムを使用するこ
とができる。この金属パラジウムについては特に制限が
なくそれ自体公知のパラジウムを使用することができ
る。
【0028】−ポリオキソアニオン系化合物− 本発明における前記ポリオキソアニオン系化合物として
は、触媒サイクルにおいて、還元されたPdを酸化型の
Pd特にPd2+に容易に酸化し、かつ、それによって生
じた還元型ポリオキソアニオン自身が酸素等の酸化剤に
よって容易に再酸化され得るポリオキソアニオン化合物
であれば、特に制限がなく、公知のこの分野で常用され
るものなど各種のものが使用可能である。
【0029】前記ポリオキソアニオン系化合物における
ポリオキソアニオンとしては、V、Mo、W、Nb、T
a等の金属成分を一種または二種以上含有するものを挙
げることができ、ヘテロポリオキソアニオンおよびイソ
ポリオキソアニオンのいずれであってもよい。なお、こ
れらのポリオキソアニオンの中でも、前記金属成分が一
種の場合には、MoまたはVを含有するものが好まし
く、また、金属成分を二種以上含有する混合配位型の場
合には、MoとV、MoとWまたはVとWの二種を含有
するもの、さらには、MoとWとVとの3種を含有する
ものなどが好ましい。
【0030】前記ヘテロポリオキソアニオンは、前記ポ
リオキソアニオンの骨格構造中に、たとえばP、Si、
As、Ge、B、Se、Teなど各種のヘテロ原子を有
するものである。
【0031】本発明の方法においては、ヘテロポリオキ
ソアニオンとして、これら各種のヘテロ原子を有するポ
リオキソアニオンを使用することができる、中でも特に
Pをヘテロ原子とするヘテロポリオキソアニオンが好ま
しい。
【0032】前記ポリオキソアニオンの好ましい具体例
としては、たとえば、(PMo12403-、(PV2
10405-、(PV3 Mo9406-、(PV4 Mo
8407-、(PV6 Mo6409-、(PMo66
403-、(P2 VMo215627-、(P2 VMo
512627-などのヘテロポリオキソアニオン、およ
び、たとえば、(V3 Mo3195-、(V2 Mo6
266-、(V4 Mo8364-、(V6 Mo6
366-、(V8 Mo4368-、(V2Mo37
362-などのイソポリオキソアニオンなどを挙げること
ができる。
【0033】前記ポリオキソアニオン系化合物として
は、前述のようなヘテロポリオキソアニオンまたはイソ
ポリオキソアニオンと一種または二種以上の陽イオン成
分(カウンターカチオン)とからなる化合物、すなわ
ち、ヘテロポリ酸またはその塩類およびイソポリ酸また
はその塩類を挙げることができる。
【0034】これらのポリオキソアニオン系化合物は、
結晶水を含有するものであってもよい。前記陽イオン成
分すなわちカウンターカチオンとしては、たとえば、H
+ 、NH4 +、Li+ 、Na+ 、K+ 、Rb+ 、Cs+
Cu2+、Ag+ 、Pd2+、Rh3+などを挙げることがで
きる。これらの中でも、特にH+ が好ましい。
【0035】前記ポリオキソアニオン系化合物は、前記
ポリオキソアニオンおよび前記陽イオン成分の種類およ
び組合せ等に応じて各種のものがあり、いずれも使用可
能であるが、中でも前記ヘテロポリオキソアニオンとH
+ からなるヘテロポリ酸が、触媒活性等の面から好まし
い。
【0036】特に、好ましいヘテロポリ酸の具体例とし
ては、たとえば、H3 (PMo1240)、H5 (PV2
Mo1040)、H6 (PV3 Mo940)、H7 (PV
4 Mo840)、H9 (PV6 Mo640)、H11(P
Mo4840)や、H3 (PMo6640)、H7
(P2 VMo21562)、H7 (P2 VMo512
62)などを挙げることができる。
【0037】なお、これらの各種のヘテロポリ酸等のポ
リオキソアニオン系化合物は、無水物であっても、結晶
水含有物であっても良く、あるいは水溶液や有機溶媒溶
液等の各種溶液、懸濁液、さらには、たとえば活性炭等
の担体に担持した状態などの種々の形態で前記触媒の調
製原料として使用することができる。また、これらの各
種のポリオキソアニオン系化合物は、一種単独で使用し
てもよく、二種以上を混合物、複合化合物、組成物等と
して併用することもできる。
【0038】−有機リン化合物− 本発明において重要な点は、前記パラジウム化合物とポ
リオキソアニオン化合物により、構成される触媒組成物
を用いて、オレフィン化合物からカルボニル化合物を製
造する際に、有機リン化合物を共存させる点である。
【0039】前記有機リン化合物としては、有機リン化
合物に属するものであれば特に制限されることなく用い
ることができる。
【0040】本発明において用いられる前記有機リン化
合物としては、たとえばホスフィン類およびホスフィン
オキサイド類が好ましい。
【0041】前記ホスフィン類の特に好ましい具体例と
しては、たとえばトリフェニルホスフィン、トリ−(o
−トリル)ホスフィン、トリ−(p−トリル)ホスフィ
ン、トリ−(m−トリル)ホスフィン、トリ−(o−ク
ロロフェニル)ホスフィン、トリ−(p−クロロフェニ
ル)ホスフィン、およびトリ−(m−クロロフェニル)
ホスフィンなどの、その芳香核にアルキル基およびハロ
ゲン原子よりなる群から選択される少なくとも一種を置
換しても良いトリアリールホスフィン、トリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリ−(n−プロピ
ル)ホスフィン、トリ−(iso−プロピル)ホスフィ
ン、トリ−(n−ブチル)ホスフィン、トリ−(iso
−ブチル)ホスフィン、およびトリ−(sec−ブチ
ル)ホスフィンなどのトリアルキルホスフィン、トリシ
クロヘキシルホスフィンなどのトリシクロアルキルホス
フィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,4−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン、および1,3−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのビス(ジアリ
ールホスフィノ)アルカン、ジフェニルホスフィノベン
ゼン−m−スルホン酸ナトリウムなどを挙げることがで
きる。
【0042】前記ホスフィンオキサイド類の特に好まし
い具体例としては、たとえばトリフェニルホスフィンオ
キサイド、トリ−(o−トリル)ホスフィンオキサイ
ド、トリ−(p−トリル)ホスフィンオキサイド、トリ
−(m−トリル)ホスフィンオキサイド、トリ−(o−
クロロフェニル)ホスフィンオキサイド、トリ−(p−
クロロフェニル)ホスフィンオキサイド、およびトリ−
(m−クロロフェニル)ホスフィンオキサイドなどの、
その芳香核にアルキル基およびハロゲン原子よりなる群
から選択される少なくとも一種を置換していても良いト
リアリールホスフィンオキサイド、トリメチルホスフィ
ンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ
−(n−プロピル)ホスフィンオキサイド、トリ−(i
so−プロピル)ホスフィンオキサイド、トリ−(n−
ブチル)ホスフィンオキサイド、トリ−(iso−ブチ
ル)ホスフィンオキサイド、およびトリ−(sec−ブ
チル)ホスフィンオキサイドなどのトリアルキルホスフ
ィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサ
イドなどのトリシクロアルキルホスフィンオキサイド、
並びに前記ホスフィン類の酸素酸化化合物などを挙げる
ことができる。
【0043】なお、前記各種の有機リン化合物は、一種
単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0044】本発明の方法においては、カルボニル化合
物の製造に際し、少なくとも、一種または二種以上の前
記パラジウム化合物と一種または二種以上の前記ポリオ
キソアニオン系化合物と一種または二種以上の有機リン
化合物とを使用する。これらはあらかじめ混合して反応
系へ供給してもよく、また別々に反応系へ供給してもよ
い。また、有機リン化合物の使用方法としては、前記パ
ラジウムの錯体たとえばPd(PPh34 、Pd(O
Ac)2 (PPh32 、PdCl2 (PPh32
{ただし、Phはフェニル基を表す。}等の形で反応系
へ添加することを挙げることができる。なお、ヘテロポ
リ酸のパラジウム塩やイソポリ酸のパラジウム塩を使用
する場合には、これらは、前記パラジウム化合物として
使用してもよく、前記ポリオキソアニオン系化合物とし
て使用してもよく、あるいは双方を兼用する形で使用す
ることもできる。
【0045】−使用量− 前記ポリオキソアニオン系化合物と前記パラジウム成分
すなわちパラジウム化合物および/または金属パラジウ
ムとの使用割合は、使用するそれぞれの種類および組合
せ等に応じて適宜に選定すればよく、通常は、ポリオキ
ソアニオンがパラジウム成分1モル当たり、通常0.5
〜1,000モル、好ましくは1〜600モルの範囲に
なる割合に選定するのが適当である。
【0046】前記ポリオキソアニオンの使用量がパラジ
ウム成分1モル当たり0.5モル未満であると触媒サイ
クルにおける還元型パラジウム成分の酸化型パラジウム
成分への再酸化が十分に行われず、高レベルの触媒活性
が維持できないことがあり、一方、パラジウム成分1モ
ル当たり1,000モルを超えると好ましくない副生物
が生成しやすくなり、また、経済的にも不利となる。
【0047】なお、前記触媒には、所望に応じて本発明
の目的に支障のない範囲で、他の助触媒成分たとえば配
位子成分を適宜に含有させてもよい。
【0048】前記パラジウム化合物に対する有機リン化
合物の使用割合は、パラジウム成分1モル当たり、通常
0.001〜50モル、好ましくは0.01〜10モル
の範囲になる割合に選定するのが適当である。
【0049】前記有機リン化合物の使用量がパラジウム
成分1モル当たり0.001モル未満であると有機リン
化合物を添加した効果があらわれない、一方、パラジウ
ム成分1モル当たり10倍モルを超えると反応の誘導期
が長くなり単位時間あたりの活性が低下する。
【0050】本発明の方法において、前記パラジウム化
合物、ポリオキソアニオン化合物および有機リン化合物
の三成分は、前記有機溶媒あるいはこれに水との共存下
で用いるならば、均一状態、不均一状態、あるいはその
組合せ状態のいずれの形態で用いてもよい。たとえば、
前記三成分を前記有機溶媒あるいはこれに水を加えた混
合溶媒に溶解させた均一溶液として用いてもよく、ある
いは、三成分の一部のみを前記溶媒に溶解させたり、前
記三成分の一部を前記溶媒に分散させる形で用いてもよ
い。また、前記三成分の一部または全部をたとえば活性
炭、シリカ、ポリマー等の適当な担体に担持もしくは固
定化した形で用いてもよい。
【0051】−溶媒− 本発明において重要な点のひとつは、前記三成分の存在
下による鎖状オレフィンの酸化を、含酸素系有機化合
物、含硫黄系有機化合物および含窒素系有機化合物より
なる群から選択される少なくとも一種の有機溶媒、ある
いはこれに水を加えた溶媒中で行ない、カルボニル化合
物を製造する点である。
【0052】前記含酸素系有機化合物としては、たとえ
ばエ−テル類、アルコ−ル類、ケトン類、エステル類等
を挙げることができ、含硫黄系有機化合物としては、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることがで
き、含窒素系有機化合物としては、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ニトロベンゼン等を挙げることができる。
【0053】本発明においては、含酸素系有機化合物が
好ましい。
【0054】前記含酸素系有機化合物の特に好ましい具
体例としては、たとえば、 前記エーテル類としては、
たとえば、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロフラ
ンなどの環状エーテル、エチレングリコ−ルジメチルエ
−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエーテルなどを
挙げることができる。
【0055】これらの中でも特に、環状エーテルが好ま
しく、特に1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランな
どが好ましい。
【0056】前記アルコ−ル類としては、たとえば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペ
ンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数が1〜6程度
の一価のアルコール類、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール等の炭素数が1〜6程度の多価のアルコー
ル類などを挙げることができる。
【0057】前記ケトン類としては、たとえば、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどを挙げる
ことができる。
【0058】前記エステル類としては、たとえば、γ−
ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなどを挙げること
ができる。特にこれらの分子内エステルが好ましい。
【0059】なお、前記エーテル、アルコール、ケト
ン、エステル類などの中から選ばれた一種を単独で使用
してもよいし、少なくとも一種以上の混合溶媒として使
用することができる。
【0060】本発明に用いられる前記溶媒としては、前
記有機溶媒、あるいはこれに水を加えた混合溶媒を使用
することができる。
【0061】本発明の方法は、前記有機溶媒、あるいは
有機溶媒に水を加えた混合溶媒を溶媒として用い、前記
有機溶媒、あるいはこれに水を加えた混合溶媒中で、オ
レフィン化合物の酸化を行なう。
【0062】有機溶媒に水を加えた混合溶媒を用いるこ
とにより、触媒特にポリオキソアニオン系化合物の溶媒
に対する溶解度が増し、触媒がより有効に機能するよう
になる。
【0063】前記溶媒の使用量は、触媒が溶解する程度
の量であれば十分であり特に制限されないが、通常、使
用するパラジウム化合物1モルに対して1〜10,00
0リットル程度、好ましくは10〜5,000リットル
程度の量とすればよい。
【0064】前記溶媒における、前記有機溶媒と水との
割合としては、特に制限はなく、任意の割合に選定する
ことができるが、下記の点等を考慮して適宜に適当な割
合に選定するのがよい。この有機溶媒と水との好適な割
合は、使用するパラジウム化合物、ポリオキソアニオン
化合物および有機リン化合物の種類、原料オレフィン類
の種類、有機溶媒の種類、反応方式、反応条件等に応じ
て異なるので一律に規定することができないが、水分の
含量が極端に少ないと触媒成分の溶解度が低くなった
り、あるいは、反応機構的な理由によって反応速度が遅
くなることがある。一方、水分含量が極端に多いと、P
d成分が金属パラジウム(Pd0 )として沈降したり、
あるいは凝集し、触媒活性の低下を招きやすくなり、ま
た、原料オレフィンの水への溶解度は低いので、特に液
相反応の場合、原料オレフィンと触媒もしくは触媒液と
の接触効率が下がり十分な反応速度が得られないなどの
問題を生じることがある。このような点から、溶媒中の
水の割合は、通常、溶媒全体の0.1〜50容量%の範
囲に選定するのが好適である。
【0065】−原料オレフィン類− 本発明の方法におけるオレフィン類としては、少なくと
も1個のオレフィン性二重結合(C=C)を有する限り
特に制限がなく、モノオレフィン類だけでなく、ジエン
類、トリエン類等の複数のオレフィン性二重結合を有す
るオレフィン類も使用することができる。前記オレフィ
ン類は、前記C=C結合を分子末端に有する末端オレフ
ィン類でも、分子内部に有する内部オレフィン類であっ
てもよく、分子末端および内部に共にC=C結合を有す
るものであってもよい。
【0066】前記オレフィン類は、鎖状アルケン、鎖状
アルカジエン等の鎖状オレフィン類だけでなく、たとえ
ば、シクロアルケン、シクロアルカジエン等の環状オレ
フィン類、シクロアルキル基や芳香族基等の環状の置換
基を有するオレフィン類などの環状構造を有するオレフ
ィン類なども使用することができる。
【0067】前記オレフィン類の炭素数としては、炭素
数が2以上であれば特に制限はないのであるが、通常
は、炭素数が2〜20であり、好ましくは炭素数が2〜
10程度である。
【0068】前記鎖状オレフィンは、直鎖状であって
も、分岐状であってもよく、その具体例としては、たと
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、trans
−2−ブテン、cis−2−ブテン、イソブテン、1−
ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、2
−メチル−2−ブテン等のイソペンテン、1−ヘキセ
ン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、3−メチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−2−
ペンテン等のイソヘキセン、ネオヘキセン、1−ヘプテ
ン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、4−メチル−1−ヘ
キセン等のイソヘプテン、1−オクテン、2−オクテ
ン、3−オクテン、4−オクテン、イソオクテン、1−
ノネン、2−ノネン、イソノネン、1−デセン、2−デ
セン、3−デセン、4−デセン、5−デセン、イソデセ
ン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセ
ン、ヘキサデセンなどのモノオレフィン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、デカ
ジエン等のジエン類などを挙げることができる。
【0069】前記環状オレフィン類の具体例としては、
たとえば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオ
クテン、シクロデセン等のシクロアルケン、シクロヘキ
サジエン、シクロオクタジエン等のシクロアルカジエ
ン、さらにはこれらのシクロアルケンやシクロアルカジ
エンにアルキル基等の置換基が置換されたものなどを挙
げることができる。
【0070】前記芳香族基を有するオレフィン類として
は、前記例示の各種の鎖状オレフィン類や環状オレフィ
ン類にフェニル、アルキルフェニル基等のアリ−ル基が
置換した各種の化合物を挙げることができる。その典型
的な化合物として、たとえば、スチレン、p−メチルス
チレン、β−メチルスチレン等のスチレン系炭化水素な
どを挙げることができる。
【0071】その他の環状構造を有するオレフィン類と
しては、たとえば、ビニルシクロヘキサン、ビニルシク
ロヘキセン、アリルシクロヘキサンなどを挙げることが
できる。
【0072】前記各種のオレフィン類の中でも特に好適
に使用される化合物の具体例としては、たとえば、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、trans−2−ブテ
ン、cis−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテ
ン、イソペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のイソヘキセ
ン、ネオヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−
オクテン、2−オクテン、およびイソオクテンなどの、
炭素数が2〜10の鎖状オレフィン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、およびシクロオクテンなどの、炭素数
が4〜10の環状オレフィン、並びにスチレンなどを例
示することができる。
【0073】このように、本発明の方法においては、α
−オレフィン類だけでなく、2−ブテン等の内部オレフ
ィン類やシクロペンテン等の環状オレフィン類などに対
しての高い反応性を実現することができる。
【0074】なお、本発明の方法においては、原料オレ
フィン類として通常は炭化水素であるオレフィン類が使
用されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
本発明の阻害しない限り、ヘテロ原子を含有するオレフ
ィン類を原料オレフィン類として使用してもよい。
【0075】本発明の方法において、前記各種のオレフ
ィン類は、一種単独で使用してもよく、あるいは、二種
以上を混合物等として併用してもよい。また、使用する
原料オレフィン類には、本発明の目的に支障のない範囲
で、他の成分を含有していてもよい。前記原料オレフィ
ン類は、必要に応じて、水や溶媒を混合してから反応系
に供給してもよい。
【0076】前記原料オレフィン類の触媒に対する使用
割合は、触媒の活性や他の反応条件等に依存するので一
概に規定することができないが、通常、使用するパラジ
ウム成分1モルに対して、1〜10,000モルの範囲
内である。この割合が、あまり小さすぎると触媒当たり
の生産性が低下して経済的に不利であり、一方、あまり
大きすぎると十分な転化率が得られなかったり、反応時
間が長くなったりすることがあり生産性が低いものとな
る。
【0077】−酸化− 本発明の方法においては、前記原料オレフィン類と酸素
または酸素を含むガスとを反応させてカルボニル化合物
を製造する。
【0078】本発明の方法において、前記オレフィン類
の酸化に使用する酸化剤としては、通常、酸素ガス、あ
るいは空気等の酸素ガスと希釈ガスとの混合ガスが好適
に使用される。この希釈ガスとしては、通常、窒素ガス
が使用されるが、これに限定されるものではなく、たと
えば、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素なども使用する
ことができる。また、使用する酸素ガスや酸素を含むガ
スには、本発明目的に支障のない範囲で他の成分を含有
していてもよい。また、これらの酸素または酸素を含む
ガスには、必要に応じて、水分や溶媒成分などの成分を
添加含有させて反応系に供給してもよい。
【0079】反応方式としては、特に制限なく、回分方
式、半回分方式、半連続方式、連続流通方式、あるいは
これらの組合せ等の種々の方式が採用可能である。
【0080】なお、パラジウム化合物および/または金
属パラジウム、ポリオキソアニオン化合物および有機リ
ン化合物の三成分は、前記したように、溶媒に溶解させ
た均一状態、あるいは、その一部のみを前記溶媒に溶解
させ、残りを前記溶媒に分散させた状態、さらには、担
体やポリマーに担持もしくは固定化した状態等の不均一
な固体状態など種々の形態で使用することができる。
【0081】また、前記原料オレフィン類および前記溶
媒は、いずれも、液状で供給して用いてもよく、あるい
は、気体状で供給して用いてもよい。すなわち、反応方
式としては、たとえば、前記パラジウム化合物、ポリオ
キソアニオン化合物および有機リン化合物の三成分と前
記溶媒とを混合して得られる混合液あるいはこれとオレ
フィン類との混合液を液相とする液相での回分方式、前
記混合液中へガス状オレフィン類および酸素ガスもしく
は酸素を含むガスを流通させたり、あるいはオレフィン
類と前記パラジウム化合物、ポリオキソアニオン化合物
および有機リン化合物との混合液中に酸化剤ガスを流通
させる方式、前記パラジウム化合物、ポリオキソアニオ
ン化合物および有機リン化合物とオレフィン類と酸化剤
ガスとを同時に反応領域に流通させる方式、さらには、
前記パラジウム化合物、ポリオキソアニオン化合物およ
び有機リン化合物を担体やポリマー等に担持もしくは固
定化するなどしてこれら三成分を不均一な固体状態にし
て用い、これにガス状オレフィン類、酸素または酸素を
含むガスおよび溶媒蒸気を流通させるなどの気相流通方
式などを適宜に採用することができる。
【0082】流通方式の場合、前記原料オレフィン類あ
るいは酸化ガス流量は、特に制限はないが、通常パラジ
ウム成分1モルに対して10〜5,000モル/時間の
範囲から適宜に選択される。
【0083】反応温度は、液相反応の場合には、通常、
0〜200℃、好ましくは20〜100℃の範囲の温度
に適宜に設定するのが適当である。この場合、反応温度
が0℃未満であると反応速度が不十分となることがあ
り、一方、200℃を超えると副反応が起こりやすくな
る。
【0084】また、気相反応の場合には、反応温度を、
通常、50〜700℃、好ましくは、100〜500℃
の範囲の温度に適宜に選定するのが適当である。この場
合、反応温度が50℃未満では反応速度が不十分となる
ことがあり、一方、700℃を超えると副反応が起こり
やすくなる。
【0085】反応圧力は、常圧〜高圧までの広い範囲の
中から適宜に選定することができ、経済的には、通常、
常圧〜100kg/cm2 程度の範囲に適宜に選定する
のがよい。
【0086】−反応生成物− 以上のようにして、前記各種のオレフィン類から対応す
るアルデヒド類やケトン類あるいは場合によりこれらの
混合物などのカルボニル化合物を効率よくかつ安定に得
ることができる。
【0087】たとえば、原料オレフィンとしてエチレン
を用いる場合にはアセトアルデヒドが得られ、プロピレ
ンを用いる場合にはアセトンが得られ、1−ブテン、2
−ブテンあるいはこれらの混合物からはメチルエチルケ
トンが得られる。また、4−メチル−1−ペンテンから
はメチルイソブチルケトンが得られる。
【0088】以上のようにして、得られたカルボニル化
合物は、常法にしたがって分離・精製され、所望の純度
もしくは組成の単独化合物または混合物として取得する
ことができる。未反応の原料が残留する場合には、この
未反応の原料を回収して反応系にリサイクルして使用す
ることもできる。使用した触媒は、必要に応じて適宜に
再生し、もしくは分離して、繰り返して使用してもよ
い。
【0089】本発明の方法により、高収率のカルボニル
化合物が得られ、かつ触媒成分の沈降がない。
【0090】また、使用した溶媒もしくは共存物質、特
にその成分である環状エーテル類等は、常法に従って容
易に分離回収することができ、必要に応じて、繰り返し
利用することができる。
【0091】このようにして製造された、各種のカルボ
ニル化合物は、たとえば、溶媒、化学薬品として、合成
化学などの種々の分野において好適に利用することがで
きる。
【0092】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
さらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例
に限定されることはなく、本発明の要旨を変更しない限
りにおいて様々に変形して実施することができる。
【0093】(実施例1)25mlの1,4−ジオキサ
ンと5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)
のPdSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.08
19g,含水率25.3重量%)のH6 PV3 Mo9
40を溶解し、さらに0.8mmol(0.2098g)
のトリフェニルホスフィンを添加した混合物をオートク
レーブに仕込み、50℃で534mmolのtrans
−2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2 (ゲージ
圧)の条件(酸素供給により保圧)にて6時間かけて反
応させたところ、138mmolのメチルエチルケトン
(以下、MEKと表記することがある。)が生成した。
この場合、反応時間1時間、パラジウム量1mol当た
りのMEKの生成量(mol)すなわちMEKについて
のTON(ターンオーバー数)は、115mol/(m
ol−Pd・hr) であった。MEK生成の経時変化を
図1に示す。また、反応終了後に触媒成分の沈殿はまっ
たく回収されなかった。なお、反応条件を表1に、反応
結果を表3に示した。
【0094】(参考例1)25mlの1,4−ジオキサ
ンと5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)
のPdSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.08
19g,含水率25.3重量%)のH6 PV3 Mo9
40を溶解した混合物をオートクレーブに仕込み、50℃
で538mmolのtrans−2−ブテンと酸素とを
圧力8kg/cm2 の条件(酸素供給により保圧)で6
時間反応させた。MEK生成の経時変化を図1に示す。
なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に示した。
【0095】(実施例2)上記実施例1において、H6
PV3 Mo940の添加量を5.4mmol(12.2
457g)に、反応温度を75℃に、酸素を圧力10k
g/cm2 の条件(酸素供給により保圧)にした外は、
前記実施例1と同様の操作で反応を行った。なお、反応
条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0096】(実施例3)上記実施例2において、tr
ans−2−ブテンの仕込み量を360mmolにし、
反応時間を3時間にした外は、実施例2と同様の操作で
反応を行った。なお、反応条件を表1に、反応結果を表
3に示した。
【0097】(実施例4)上記実施例3において、トリ
フェニルホスフィンの添加量を0.1mmol(0.0
262g)にした外は、実施例3と同様の操作で反応を
行った。なお、反応条件を表1に、反応結果を表3に示
した。
【0098】(実施例5)上記実施例3において、トリ
フェニルホスフィンの代わりに0.8mmol(0.2
916g)のジフェニルホスフィノベンゼン−m−スル
ホン酸ナトリウムを使用した外は、実施例3と同様の操
作で反応を行った。なお、反応条件を表1に、反応結果
を表3に示した。
【0099】(実施例6)上記実施例3において、トリ
フェニルホスフィンの代わりに0.8mmol(0.2
435g)の(o−トリル)ホスフィンを使用した以外
は、実施例3と同様の操作で反応を行った。なお、反応
条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0100】(実施例7)上記実施例3において、1,
4−ジオキサンと水との量をそれぞれ20mlと10m
lにした外は、実施例3と同様の操作で反応を行った。
なお、反応条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0101】(実施例8)上記実施例3において、Pd
SO4・2H2 Oおよびトリフェニルホスフィンの量をそ
れぞれ0.1mmol(0.0264g)、0.4mm
ol(0.1048g)にした外は、実施例3と同様の
操作で反応を行った。なお、反応条件を表1に、反応結
果を表3に示した。
【0102】(実施例9)上記実施例3において、Pd
SO4・2H2 Oとトリフェニルホスフィンとの代わりに
Pdのトリフェニルホスフィン錯体であるPd(OA
c)2 (PPh32 を0.2mmol(0.1498
g)を用いた外は、実施例3と同様の操作で反応を行っ
た。なお、反応条件を表1に、反応結果を表3に示し
た。
【0103】(実施例10)上記実施例3において、H
6 PV3 Mo940の代わりに1.8mmol(5.0
117g、含水率15.5%)のH3 PW6 Mo640
を用いた外は、実施例3と同様の操作で反応を行った。
なお、反応条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0104】(実施例11)上記実施例3において、
1,4−ジオキサンの代わりにジメチルホルムアミドを
用いた外は、実施例3と同様の操作で反応を行った。な
お、反応条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0105】(実施例12)上記実施例3において、
1,4−ジオキサンの代わりにジメチルスルホキシドを
用いた外は、実施例3と同様の操作で反応を行った。な
お、反応条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0106】(実施例13)上記実施例3において、
1,4−ジオキサンの代わりにγ−ブチロラクトンを用
いた外は、実施例3と同様の操作で反応を行った。な
お、反応条件を表1に、反応結果を表3に示した。
【0107】(実施例14)上記実施例3において、
1,4−ジオキサンの代わりにMEKを用いた外は、実
施例3と同様の操作で反応を行った。なお、反応条件を
表1に、反応結果を表3に示した。
【0108】(実施例15)上記実施例3において、t
rans−2−ブテンの代わりに1−ブテンを用いて圧
力8Kg/cm2 (酸素供給により保圧)にした外は、
実施例3と同様の操作で反応を行った。なお、反応条件
を表1に、反応結果を表3に示した。
【0109】(実施例16)上記実施例3において、t
rans−2−ブテンの代わりに178mmolの1−
オクテンを用いて酸素含有ガス(N2 /O2 容量比=7
4/26)により圧力8Kg/cm2 (酸素供給により
保圧)にした以外は、実施例3と同様の操作で反応を行
った。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に示し
た。
【0110】(実施例17)上記実施例16において、
1−オクテンの代わりにシクロペンテンを用いた外は、
実施例16と同様の操作で反応を行った。なお、反応条
件を表2に、反応結果を表3に示した。
【0111】(実施例18)上記実施例3において、ト
リフェニルホスフィンの代わりにトリフェニルホスフィ
ンオキサイドを用いた外は、実施例3と同様の操作で反
応を行った。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3
に示した。
【0112】(実施例19)上記実施例18において、
トリフェニルホスフィンオキサイドの代わりにトリ(n
−ブチル)ホスフィンオキサイドを用いた外は、実施例
18と同様の操作で反応を行った。なお、反応条件を表
2に、反応結果を表3に示した。
【0113】(実施例20)100mlの1,4−ジオ
キサンと20mlの水とに0.025mmol(0.0
066g)のPdSO4・2H2 Oおよび7.2mmol
(16.3276g,含水率25.3重量%)のH6
3 Mo940を溶解し、さらに0.1mmol(0.
0262g)のトリフェニルホスフィンを添加した混合
物をオートクレーブに仕込み、50℃で267molの
trans−2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2
(ゲージ圧)の条件(酸素供給により保圧)で1時間反
応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に
示した。
【0114】(実施例21)実施例20において、反応
温度を120℃、反応時間を1時間30分に代えた外
は、実施例20と同様の操作で反応を行った。なお、反
応条件を表2に、反応結果を表3に示した。
【0115】(実施例22)実施例20において、Pd
SO4・2H2 O、トリフェニルホスフィンおよびH6
3 Mo940の量をそれぞれ0.05mmol(0.
0132g)、0.2mmol(0.0525g)およ
び0.45mmol(1.020g,含水率25.3重
量%)とした外は、実施例20と同様の操作で反応を行
った。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に示し
た。
【0116】(実施例23)25mlの1,4−ジオキ
サンと5mlの水とに0.02mmol(0.0527
g)のPdSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.
0819g,含水率25.3重量%)のH6 PV3 Mo
940を溶解し、さらに0.8mmol(0.1618
g)のトリ(n−ブチル)ホスフィンを添加した混合物
をオートクレーブに仕込み、1時間30分かけて予備加
熱した後、80℃で267molのtrans−2−ブ
テンと酸素とを圧力8kg/cm2 の条件にて30分間
反応を行った。なお、反応条件を表2に、反応結果を表
3に示した。
【0117】(実施例24)実施例23において、Pd
SO4・2H2 Oとトリフェニルホスフィンの代りにPd
担持ジフェニルホスフィノプロパン修飾シリカ0.05
mmol(0.1209g)を用い、反応時間を2時間
にした外歯は、実施例23と同様な操作で反応を行なっ
た。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に示し
た。
【0118】(比較例1)5mlのアセトニトリルと2
5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)のP
dSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.0819
g)のH6 PV3Mo940を溶解し、さらに2.0m
mol(0.4999g)のCuSO4 ・5H2 Oを添
加した混合物をオートクレーブに仕込み、50℃でン2
00mmolのtrans−2−ブテンと酸素とを圧力
6kg/cm2 の条件(酸素供給により保圧)で2時間
反応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3
に示した。
【0119】(比較例2)25mlの1,4−ジオキサ
ンと5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)
のPdSO4・2H2 Oおよび0.8mmol(0.20
99g)のトリフェニルホスフィンを溶解した混合物を
オートクレーブに仕込み、75℃で350mmolのt
rans−2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2
条件(酸素供給により保圧)で3時間反応させた。な
お、反応条件を表2に、反応結果を表3に示した。
【0120】(比較例3)30mlのエタノ−ルに0.
4mmol(0.0709g)のPdCl2 および2.
0mmol(0.3410g)のCuCl2 ・2H2
を溶解し、さらに0.8mmol(0.2099g)の
トリフェニルホスフィンを添加した混合物をオートクレ
ーブに仕込み、75℃で200mmolのtrans−
2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2 の条件(酸素
供給により保圧)で2時間反応させた。なお、反応条件
を表2に、反応結果を表3に示した。
【0121】(比較例4)30mlのエタノ−ル30m
lに0.4mmol(0.0955g)のPdSO4・2
2 Oおよび2.0mmol(0.4657g VOS
4 :70%)のVOSO4・xH2 Oを溶解し、さらに
0.8mmol(0.2099g)のトリフェニルホス
フィンを添加したものをオートクレーブに仕込み、75
℃で200mmolのtrans−2−ブテンと酸素と
を圧力8kg/cm2 の条件(酸素供給により保圧)で
3時間反応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果
を表3に示した。
【0122】(比較例5)25mlのn−オクタンと5
mlの水とに0.2mmol(0.0527g)のPd
SO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.0819
g)のH6 PV3 Mo940を溶解し、さらに0.8m
mol(0.2099g)のトリフェニルホスフィンを
添加したものをオートクレーブに仕込み、75℃で27
0mmolのtrans−2−ブテンと酸素とを圧力8
kg/cm2 の条件(酸素供給により保圧)で2時間反
応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に
示した。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【発明の効果】本発明によると、触媒成分の沈降を防止
することができるので、触媒活性を反応初期だけでなく
長時間、高いレベルで安定して維持することができ、し
たがって、カルボニル化合物を高収率で、生産性よく製
造することができるカルボニル化合物の製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1および参考例1におけるMEK
生成の経時変化を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボニル化合物の製
造方法に関し、より詳しく言うと、オレフィン類の酸化
により、溶剤や化学原料等として有用な種々のカルボニ
ル化合物、特に、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトン、シクロペンタノン等の種々のケト
ン類やアセトアルデヒド等のアルデヒド類を効率よく安
定に製造することのできるカルボニル化合物の製造方法
に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】前記ホスフィン類の特に好ましい具体例と
しては、たとえばトリフェニルホスフィン、トリ−(o
−トリル)ホスフィン、トリ−(p−トリル)ホスフィ
ン、トリ−(m−トリル)ホスフィン、トリ−(o−ク
ロロフェニル)ホスフィン、トリ−(p−クロロフェニ
ル)ホスフィン、およびトリ−(m−クロロフェニル)
ホスフィンなどの、その芳香環にアルキル基およびハロ
ゲン原子よりなる群から選択される少なくとも一種を置
換しても良いトリアリールホスフィン、トリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリ−(n−プロピ
ル)ホスフィン、トリ−(iso−プロピル)ホスフィ
ン、トリ−(n−ブチル)ホスフィン、トリ−(iso
−ブチル)ホスフィン、およびトリ−(sec−ブチ
ル)ホスフィンなどのトリアルキルホスフィン、トリシ
クロヘキシルホスフィンなどのトリシクロアルキルホス
フィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン、および1,−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのビス(ジアリ
ールホスフィノ)アルカン、ジフェニルホスフィノベン
ゼン−m−スルホン酸ナトリウムなどを挙げることがで
きる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】前記ホスフィンオキサイド類の特に好まし
い具体例としては、たとえばトリフェニルホスフィンオ
キサイド、トリ−(o−トリル)ホスフィンオキサイ
ド、トリ−(p−トリル)ホスフィンオキサイド、トリ
−(m−トリル)ホスフィンオキサイド、トリ−(o−
クロロフェニル)ホスフィンオキサイド、トリ−(p−
クロロフェニル)ホスフィンオキサイド、およびトリ−
(m−クロロフェニル)ホスフィンオキサイドなどの、
その芳香環にアルキル基およびハロゲン原子よりなる群
から選択される少なくとも一種を置換していても良いト
リアリールホスフィンオキサイド、トリメチルホスフィ
ンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ
−(n−プロピル)ホスフィンオキサイド、トリ−(i
so−プロピル)ホスフィンオキサイド、トリ−(n−
ブチル)ホスフィンオキサイド、トリ−(iso−ブチ
ル)ホスフィンオキサイド、およびトリ−(sec−ブ
チル)ホスフィンオキサイドなどのトリアルキルホスフ
ィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサ
イドなどのトリシクロアルキルホスフィンオキサイド、
並びに前記ホスフィン類の酸素酸化化合物などを挙げる
ことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】前記有機リン化合物の使用量がパラジウム
成分1モル当たり0.001モル未満であると有機リン
化合物を添加した効果があらわれない、一方、パラジウ
ム成分1モル当たり50倍モルを超えると反応の誘導期
が長くなり単位時間あたりの活性が低下する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】(実施例1)25mlの1,4−ジオキサ
ンと5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)
のPdSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.08
19g,含水率25.3重量%)のH6 PV3 Mo9
40を溶解し、さらに0.8mmol(0.2098g)
のトリフェニルホスフィンを添加した混合物をオートク
レーブに仕込み、50℃で534mmolのtrans
−2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2 (ゲージ
圧)の条件(酸素供給により保圧)にて6時間かけて反
応させたところ、138mmolのメチルエチルケトン
(以下、MEKと表記することがある。)が生成した。
この場合、反応時間1時間、パラジウム量1mol当た
りのMEKの生成量(mol)すなわちMEKについて
TOF(ターンオーバー数)は、115mol/(m
ol−Pd・hr) であった。MEK生成の経時変化を
図1に示す。また、反応終了後に触媒成分の沈殿はまっ
たく回収されなかった。なお、反応条件を表1に、反応
結果を表3に示した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正内容】
【0113】(実施例20)100mlの1,4−ジオ
キサンと20mlの水とに0.025mmol(0.0
066g)のPdSO4・2H2 Oおよび7.2mmol
(16.3276g,含水率25.3重量%)のH6
3 Mo940を溶解し、さらに0.1mmol(0.
0262g)のトリフェニルホスフィンを添加した混合
物をオートクレーブに仕込み、80℃で267mmol
のtrans−2−ブテンと酸素とを圧力8kg/cm
2 (ゲージ圧)の条件(酸素供給により保圧)で1時間
反応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3
に示した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】(実施例23)25mlの1,4−ジオキ
サンと5mlの水とに0.2mmol(0.0527
g)のPdSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.
0819g,含水率25.3重量%)のH6 PV3 Mo
940を溶解し、さらに0.8mmol(0.1618
g)のトリ(n−ブチル)ホスフィンを添加した混合物
をオートクレーブに仕込み、1時間30分かけて予備加
熱した後、80℃で267mmolのtrans−2−
ブテンと酸素とを圧力8kg/cm2 の条件にて30分
間反応を行った。なお、反応条件を表2に、反応結果を
表3に示した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正内容】
【0117】(実施例24)実施例23において、Pd
SO4・2H2 Oとトリフェニルホスフィンの代りにPd
担持ジフェニルホスフィノプロパン修飾シリカ0.05
mmol(0.1209g)を用い、反応時間を2時間
にした外は、実施例23と同様な操作で反応を行なっ
た。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に示し
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正内容】
【0118】(比較例1)5mlのアセトニトリルと2
5mlの水とに0.2mmol(0.0527g)のP
dSO4・2H2 Oおよび1.8mmol(4.0819
g)のH6 PV3Mo940を溶解し、さらに2.0m
mol(0.4999g)のCuSO4 ・5H2 Oを添
加した混合物をオートクレーブに仕込み、50℃で20
mmolのtrans−2−ブテンと酸素とを圧力6
kg/cm2 の条件(酸素供給により保圧)で2時間反
応させた。なお、反応条件を表2に、反応結果を表3に
示した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】
【表1】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正内容】
【0124】
【表2】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正内容】
【0125】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/403 A 7457−4H // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム化合物および/または金属パ
    ラジウム、ポリオキソアニオン系化合物および有機リン
    化合物の存在下に、含酸素系有機化合物、含硫黄系有機
    化合物および含窒素系有機化合物よりなる群から選択さ
    れる少なくとも一種の有機溶媒、あるいはこれに水を加
    えた溶媒中で、オレフィンと酸素または酸素を含むガス
    とを反応させることを特徴とするカルボニル化合物の製
    造方法。
JP5104735A 1992-05-29 1993-04-30 カルボニル化合物の製造方法 Withdrawn JPH0648974A (ja)

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JP13878592 1992-05-29
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1025998A2 (en) 1994-07-06 2000-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Ink container, ink jet head having ink container, ink jet apparatus having ink container, and manufacturing method for ink container
JP2007185656A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Sumitomo Chemical Co Ltd シクロアルカノンの製造方法
JP2010163413A (ja) * 2008-03-19 2010-07-29 Sumitomo Chemical Co Ltd カルボニル化合物の製造法

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EP1025998A2 (en) 1994-07-06 2000-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Ink container, ink jet head having ink container, ink jet apparatus having ink container, and manufacturing method for ink container
JP2007185656A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Sumitomo Chemical Co Ltd シクロアルカノンの製造方法
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