JP2002541217A - 細胞内感染の処置 - Google Patents

細胞内感染の処置

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JP2002541217A JP2000610522A JP2000610522A JP2002541217A JP 2002541217 A JP2002541217 A JP 2002541217A JP 2000610522 A JP2000610522 A JP 2000610522A JP 2000610522 A JP2000610522 A JP 2000610522A JP 2002541217 A JP2002541217 A JP 2002541217A
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アーティモビッチ パセチュニック,ブラディミール
ダグラス グレン ロバーツ,アレン
ジェイムズ シャープ,リチャード
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Abstract

(57)【要約】 細胞内微生物感染と戦うための薬剤は、ファージ成分、およびそれと会合した、標的細胞に薬剤を向けそして標的細胞へのファージの送達を開始するターゲティング部分を含む。一旦標的細胞内に入ると、ファージは標的細胞内に存在する微生物の溶菌を引き起こす。マイコバクテリオファージは、トランスフェリンのターゲティング部分と結合される。この薬剤を含む組成物、この薬剤を調製する方法、および細胞内感染と戦うためのこの薬剤の使用も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、細胞内に存在する微生物の溶菌を引き起こすための薬剤、この薬剤
を調製する方法、この薬剤を含む組成物、およびこの薬剤の使用に関する。特に
、本発明の薬剤は、微生物による細胞内感染の処置に適切である。
【0002】 多くの微生物は、細胞内感染を形成し得る。これらには、Salmonella、Yersin
ia、Shigella、Campylobacter、およびChlamydiaの種によって引き起こされる感
染が含まれる。生菌SalmonellaおよびYersiniaは、胃腸管の粘膜の細胞および線
維芽細胞内で生存し、血液循環中に連続的に抗原性物質を提供し、そして慢性的
炎症を刺激し、そして関節炎;肺胞マクロファージおよび上皮細胞内でのLegion
ella pneumophilaの生存によって引き起こされる感染;細胞サイトゾル内でのLi
steria monocytogenesの生存によって引き起こされる感染;細胞内原生動物Toxo
plasma gondiiによって引き起こされる感染;およびボルデテラ種(マクロファ
ージ)、Staphylococcus aureus(上皮細胞)、およびB群連鎖球菌(マクロフ
ァージ)の細胞内生存によって引き起こされる感染;に導き得る。これらの感染
のいくつかは、専ら細胞内にあり、他は細胞内および細胞外成分の両方を含む。
しかし、細菌感染の細胞内生存サイクルが、疾患の進行の主な支援因子として疑
われる。
【0003】 一般的に、これらの微生物は、体内で、例えば、血流中で、自由に循環しない
。したがって、細胞内微生物は、薬物処置レジメにしばしば従わない。薬物が利
用可能である場合、この問題は、多剤耐性微生物の発生によって悪化されている
。同様の理由のため、ワクチン治療は、このような細胞内微生物に対して有効で
はない。また、細胞内でバイオアベイラビリティーを改善するために増加した抗
生物質の全身濃度により、重篤な副作用を生じ得る。
【0004】 細胞内疾患を引き起こす微生物の例としては、Mycobacteria tuberculosisが
参照される。この細菌は、世界中で1年につき3百万人を超える死亡原因の疾患
である結核を引き起こす原因である。M. tuberculosisは、体内でマクロファー
ジ細胞に感染する。マクロファージ感染後すぐに、ほとんどのM. tuberculosis
細菌が、細胞内のファゴソーム小胞内に入り、残存し、そして複製し、そこで細
菌は、宿主防御および細胞外因子から隔離される。
【0005】 多くの薬物治療レジメが、M. tuberculosis感染と戦うことを提案しており、
現在までの最良の結果は、薬物イソニアジドで達成されている。代替として、19
80年代初期に、M. bovis BSGおよびM. microtiに感染したウサギ、ならびにヒト
病原体M. tuberculosis H37Rv株に感染したモルモットを用いる実験的結核の処
置の結果に基づいて、バクテリオファージ治療が提案されている。しかし、バク
テリオファージで得られた最高の治療効果は、イソニアジドで達成された効果よ
りも高くなかった。
【0006】 ファージ、特にバクテリオファージは、多年にわたって知られており、そして
不完全または異常細胞に関連した症状を緩和するための従来の治療レジメにおけ
る送達ベヒクルとして用いられている。
【0007】 例えば、WO98/05344は、哺乳動物細胞に、治療用ポリヌクレオチドのような外
来遺伝子を送達するためのバクテリオファージの使用を教示している。予め選択
された細胞へのバクテリオファージのターゲティングは、バクテリオファージに
連結されたターゲティング部分の使用によって達成され、このターゲティング部
分は、結合を生じそして予め選択された細胞へのバクテリオファージのインター
ナリゼーションを開始する。一旦予め選択された哺乳動物標的細胞に送達される
と、外来遺伝物質は、転写および翻訳され得、それによって標的細胞において治
療用ポリヌクレオチドによってコードされた治療用分子の濃度を増加させる。
【0008】 WO98/05344に開示されるような異常な細胞の処置レジメは、従来、遺伝子治療
方法として知られている。しかし、このようなレジメは、微生物による細胞内感
染の問題および/または持続性には対応していない。
【0009】 WO97/29185は、組換えファージの調製、および細菌感染の処置または予防にお
けるその使用を教示している。WO97/29185によれば、抗細菌抗体は、バクテリオ
ファージの露出した表面から得られ、それによってバクテリオファージが、ター
ゲティングされた細菌細胞に結合しそしてその増殖を阻害し得る。しかし、WO97
/29185は、微生物による細胞内感染とどのように戦うかを教示していない。
【0010】 改変されたバクテリオファージに関する他のバックグラウンド技術を、以下に
提供する: WO99/10485、これは、細胞インターナリゼーションに感受性のリガンドを同定
するためのバクテリオファージシステムを教示している。このようなリガンドは
、バクテリオファージ遺伝子送達ベヒクルに適切な標的を提供し得る;および WO94/24959、これは、化学的に改変されたラムダ形のバクテリオファージを利
用することによって化合物を検出する方法を教示している。より詳細には、バク
テリオファージは、ファージ−標的分子複合体を形成するように改変され、この
複合体は、非感染性である。目的の分子でのチャレンジの際、標的分子は切断さ
れ、そしてバクテリオファージは感染性になる。したがって、目的の分子の存在
は、感染性バクテリオファージの存在によって検出され得る。
【0011】 WO99/10485およびWO94/24959のいずれも、微生物感染に関連する問題、特に細
胞内微生物感染と戦うという問題に応じていない。
【0012】 したがって、微生物による細胞内感染と戦うためのシステムの必要がある。特
に、マイコバクテリアによる細胞内感染と戦うためのシステムの必要がある。
【0013】 上記の問題は、本発明によって軽減され、本発明は、第1の局面によれば、標
的細胞内に存在する微生物の溶菌を引き起こすための薬剤を提供する。この薬剤
は、標的細胞に結合し得るターゲティング部分およびこのターゲティング部分と
会合したファージを含み、ターゲティング部分と細胞との結合の後、ファージは
標的細胞に入り、そして標的細胞内に存在する微生物の溶菌をもたらす。
【0014】 用語「ターゲティング部分」とは、目的の細胞に結合し得る任意の構造を意味
する。例としては、抗体またはそのフラグメント、目的の細胞上のリガンドに結
合し得るレセプター、および目的の細胞上のレセプターに結合し得るリガンドが
挙げられる。好ましくは、ターゲティング部分は、細胞表面レセプターに対する
リガンドである。ターゲティング部分としてトランスフェリン分子を用いる本発
明の特定の実施態様では、良好な結果を達成している。ターゲティング部分は、
目的の細胞に対して100%の特性を示す必要はないが、当然、高い有効性のシス
テムについてはある程度の特異性が所望される。ターゲティング部分は、結合お
よびインターナリゼーションをすることが可能であり得、その場合、ファージお
よびターゲティング部分は、複合体として(すなわち、会合して)標的細胞に送
達され得る。インターナリゼーションに感受性の潜在的なターゲティング部分の
同定は、例えば、WO99/10485に開示されるような従来の方法によって、または試
行錯誤に基づいて達成され得る。あるいは、ターゲティング部分は、結合できる
がインターナリゼーションできなくてもよく、この場合、ファージ単独が標的細
胞に送達され得る。
【0015】 用語「結合」には、ファージが細胞へ送達されることを可能にする、ターゲテ
ィング部分と目的の細胞との間の任意の相互作用が含まれる。この送達プロセス
は、ファージ全体が目的の細胞に入ることである。ターゲティング部分は、この
送達プロセス中、ファージから分離され得る。理論に縛られることは意図しない
が、結合は、薬剤と標的細胞に存在するレセプターとの間の複合体の形成を含む
と考えられる。複合体の形成は、天然の真核生物ウイルス(例えば、アデノウイ
ルス)によって利用されるようなレセプター媒介送達メカニズムによって、薬剤
のインターナリゼーションを誘導すると考えられる。
【0016】 用語「会合」とは、ターゲティング部分が、ファージを目的の細胞に向け得、
そしてそのように向けた場合にファージが細胞中に送達され得るような、ターゲ
ティング部分とファージとの間の任意の相互作用を意味する。どれか1つのファ
ージが1つ以上のターゲティング部分と会合し得る。所定のファージが1つより
多くのターゲティング部分と会合する場合、それぞれのこのような部分は、異な
る細胞タイプに結合し得る。あるいは、好ましくは、各ターゲティング部分は、
同じ細胞タイプに結合するが、それぞれは、同じ細胞タイプ上の異なる部位を認
識し得る。
【0017】 本明細書において使用される用語「溶菌」は、微生物細胞壁に対するダメージ
またはその破裂による微生物の破壊を含む。しかし、細胞内微生物の増殖および
/または繁殖を阻止させる任意のファージ作用を含むことも意図される。問題の
微生物の溶菌をもたらすことによって細胞内微生物感染と戦うために用いられる
本発明のファージとは対照的に、遺伝子治療レジメに用いられる従来技術のバク
テリオファージベクターは、微生物に対して非溶菌性である。従来の遺伝子治療
バクテリオファージベクターは、哺乳動物宿主の天然の細菌フローラが遺伝子移
入処置レジメ中にバクテリオファージによって影響を受けないことを確実にする
ために、微生物に対して非溶菌性である。これに関して、従来の遺伝子治療バク
テリオファージは、しばしば、遺伝子治療レジメにおける使用前に失敗して溶菌
性増殖する。この非溶菌性は、例えば、バクテリオファージが原核生物宿主にお
いて非機能的であるように天然ファージの形質導入に必要とされるバクテリオフ
ァージテイルタンパク質を改変することによって、または他にバクテリオファー
ジが真核生物宿主細胞への遺伝物質の注入を媒介し得ないようにすることによっ
て、達成され得る。逆に、本発明のファージは、天然ファージの形質導入、およ
び微生物の溶菌をもたらすことが可能である。
【0018】 本明細書全体を通して、ファージに関しては、微生物の溶菌を引き起こし得る
組換えファージおよびその誘導体を含む。
【0019】 より詳細に以下に記載される、本発明の特定の実施態様の操作において、ター
ゲティング部分は、細胞表面レセプターに対するリガンドであり、そしてファー
ジと物理的または化学的に会合する。このファージ−ターゲティング部分の組み
合わせは、細胞内微生物に感染した細胞に投与され、そしてファージは細胞に入
りそしてその細胞内で微生物を溶菌する。微生物が細胞内コンパートメントまた
は小胞内に位置する場合、ファージはまた、その内部コンパートメントまたは小
胞に入り得る。ターゲティング部分が細胞において内部コンパートメントまたは
小胞に結合し、そしてその中に微生物が存在し得ることがさらに好ましい。した
がって、ターゲティング部分は、細胞表面レセプターに対するリガンドであり得
、そしてまた内部コンパートメントまたは小胞の表面上のレセプターに対するリ
ガンドであり得る。標的細胞へのファージのインターナリゼーション後、内部コ
ンパートメントまたは小胞の表面上のレセプターに対するターゲティング部分の
存在は、内部コンパートメントまたは小胞へのファージの侵入を容易にし、一旦
中に入ると、内部コンパートメントまたは小胞内に存在する微生物に溶菌効果を
発揮し得る。
【0020】 細胞表面レセプターに対するターゲティング部分および内部コンパートメント
または小胞の表面上のレセプターに対するターゲティング部分は、同じかまたは
異なるものであり得る。後者の実施態様では、本発明の薬剤は、内部コンパート
メントまたは小胞上のレセプターに対するターゲティング部分が、標的細胞にフ
ァージが侵入した後にのみ機能的であるように改変され得る。これは、例えば、
内部コンパートメントまたは小胞の表面上のレセプターに対するターゲティング
部分が、ファージが特定の細胞タイプに送達された後にのみ発現されることを確
実にするために、細胞特異的プロモーターを用いることによって達成され得る。
あるいは、内部コンパートメントまたは小胞の表面上のレセプターに対するター
ゲティング部分は、本発明によるその使用の前に、ファージの表面上で(例えば
、立体障害によって)隔離され得る。しかし、内部コンパートメントまたは小胞
の表面上のレセプターに対するターゲティング部分は、標的細胞への薬剤の結合
後のインターナリゼーションプロセス中に(例えば、細胞表面レセプターに対す
るターゲティング部分の切断または他の改変によって)接近可能になり得る。
【0021】 本発明の1つの実施態様では、一旦本発明のファージが目的の標的細胞に送達
されると、これは別の実体として残存しそして標的細胞のゲノムに組み込まれな
い(またはその一部が組み込まれる)。
【0022】 他の実施態様では、ファージは、外来(すなわち、非ファージ)核酸を実質的
に含まない。さらなる実施態様では、ファージは、ターゲティング部分をコード
する核酸以外の外来核酸を実質的に含まない。
【0023】 1つの実施態様では、ファージは、ポリヌクレオチドまたはその産物のレシピ
エントにおいて治療利益を媒介し得る外来治療用ポリヌクレオチドを実質的に含
まない。「治療用ポリヌクレオチド産物」とは、治療用ポリヌクレオチドの転写
または翻訳の結果として生じた分子をいう。治療用ポリヌクレオチド産物として
は、治療用ポリヌクレオチドの転写産物(例えば、アンチセンスmRNAおよび
触媒RNA)、および翻訳産物(例えば、タンパク質またはペプチド)が挙げら
れる。
【0024】 ターゲティング部分は、ファージに化学的に連結され得る。これは、例えば、
リンカー分子(例えば、短いペプチド)を介して、または例えば、ジスルフィド
架橋による他の共有手段によって達成され得る。ターゲティング部分は、ファー
ジの任意の一部に結合され得る。ターゲティング部分とファージとの間の融合は
、細胞膜レセプターへのターゲティング部分の結合も、その細菌レセプターへの
ファージの結合も弱めるべきではない。ターゲティング部分に関して、化学的連
結手順は、例えば、そのコンフォメーションを変更することによってまたは構造
的剛性を与えることによって、細胞レセプターに対する結合部位を顕著に変更す
べきではない。本出願において例示したトランスフェリン化学的連結は、そのレ
セプターへの結合を抑制しない。選択されたターゲティング部分は、好ましくは
、コンフォメーション安定性を証明する。化学的連結構築物は、好ましくは、あ
る程度の回転可撓性を有するターゲティング部分を提供するために十分なファー
ジ体からの距離をおいてターゲティング部分を配置し、そのレセプターとターゲ
ティング部分との最大相互作用を保存するようにする。化学的連結の好ましい手
段は、ジスルフィド架橋による異種官能性架橋である。
【0025】 あるいは、ターゲティング部分は、ファージと物理的に混合され得る。この場
合、ターゲティング部分は、例えば、水素結合、疎水性/親水性結合、ファン・
デル・ワールス力、静電力、または他の電荷を有する会合によって、ファージに
物理的に吸着され得る。例えば、ファージは、負の表面電荷を有し得、そして次
いでターゲティング部分は、好ましくは正の表面電荷を有する。あるいは、選択
されたpH(例えば、pH7〜8、好ましくは約pH7.5)で、ファージは、
より負の電荷を有するターゲティング部分に結合するために十分な正の電荷を有
する。
【0026】 ジスルフィド架橋によるファージへのターゲティング部分の化学的連結にはい
くつかの方法があり、その例を以下に示す。トランスフェリン(Tf)をターゲ
ティング部分として以下に例示するが、同じ連結手段は、他のタイプのターゲテ
ィング部分も同様に適用可能である。
【0027】 1つの実施態様は、最初に、その天然状態で遊離のスルフヒドリル基(−SH
)を有さないトランスフェリンに遊離のスルフヒドリル基(−SH)を導入する
。これは、例えば、トランスフェリン分子の1つ以上の遊離のアミノ基のチオー
ル化によって行われ得、このアミノ基と試薬(例えば、2-イミノチオラン)とを
反応させてこれらの基を改変しそしてこれらの位置に−SH基を導入する(これ
はTf−SHに導く)。トランスフェリンと2-イミノチオランとの比、反応の温
度およびpHを変化させることによって、そのレセプターへのトランスフェリン
結合を弱めない改変が達成され得る。好ましくは、Tf分子あたり5〜10のSH
基がそのように改変される。次いで改変されたトランスフェリンは、例えば、Se
phadex G-50カラムでのゲル濾過によって低分子量試薬から精製され、そして30k
Daカットオフの精密濾過メンブラン上で約1〜3mg/mlまで濃縮される。
【0028】 ファージは、ファージ上の遊離の−NH2基に共有結合する異種二官能性架橋
剤(例えば、スルホ-SMCC、スルホスクシニルイミジル4-(N-マレイミドメチル)-
シクロヘキサン-1-カルボキシレート)と混合され、チオール化したトランスフ
ェリン由来の−SH基と反応し得る活性マレイミド基を有するファージを溶液中
に放出することによって前処理される。ファージ改変の程度は、架橋剤とファー
ジとの比によって制御され得る。この反応は、好ましくは、ファージ安定性を保
存するためにおよび良好な割合の改変を提供するために、4〜15℃の間の温度で
行うべきである。反応の最後では、改変されたファージは、Sepharose 6Bカラム
でのゲル濾過によって反応混合物から単離され、そしてメンブラン濾過によって
濃縮される。
【0029】 次の工程では、Tf−SHは、活性化されたファージと混合され、そして産物
(Tf−S−S−リンカー−ファージ)は、再度同じカラムでのゲル濾過によっ
てTf−SHから単離される。未反応ファージの存在は、最終調製物の生物学的
活性を増強し得るのみなので、問題はない。
【0030】 Tf−S−S−リンカー−ファージ産物を発現する他の方法は、Tfの遊離の
−NH2基の活性化工程およびファージ表面の−SH基と活性化したトランスフ
ェリンを架橋する工程を含み得る。このプロセスの結果は、ファージ表面での−
SH基の利用可能性および接近可能性に依存する。
【0031】 Tf−ファージの物理的凝集体の形成は、主として、混合物のpH(これは好
ましくは生理学的pHとみなされる)での静電的電荷に依存する。
【0032】 本発明は、細胞内の任意の微生物の処置に適用される。本発明の使用では、微
生物を溶菌し得るファージが同定され、そして感染した細胞に、好ましくは感染
性因子を含む感染した細胞の特定のコンパートメントに、このファージを向け得
るターゲティング部分と会合される。したがって、本発明の薬剤は、ウイルスに
よるまたは細菌による細胞内感染を処置するために用いられ得る。1つの実施態
様では、これは、目的とする感染性因子によって用いられるレセプターと同じタ
ーゲティング部分の選択によって達成され得る。本発明の薬剤は、次いで、感染
性因子と同じ細胞内経路を通る。例として、補体レセプターCR1およびCR3
は、M. tuberculosis感染に対するゲートとして知られており、したがって、C
2aおよびC3Bのような補体成分は、ファージ改変のためのターゲティング部
分候補である。CR3を介してインターナリゼーションし得る他の候補は、Bord
etella pertussis赤血球凝集素である。ターゲティング部分の他の群は、細胞内
持続中に感染性因子によって使用されるものおよび/またはその複製に必要とさ
れるものを含む。トランスフェリンは、このような部分の1つの例である。この
タンパク質は、細菌の細胞内生存に重要である鉄をM. tuberculosisに提供する
ために必要とされる。
【0033】 本発明は、多くの細胞内感染を処置するために適切である。これらには、Salm
onella、Yersinia、Shigella、Campylobacter、およびChlamidiaによって引き起
こされる感染が含まれる。生菌SalmonellaおよびYersiniaは、胃腸管の粘膜の細
胞および線維芽細胞内で生存し、血液循環中に連続的に抗原性物質を提供し、そ
して慢性的炎症を刺激し、そして関節炎に導き得る。また、肺胞マクロファージ
および上皮細胞内でのLegionella pneumophilaの生存によって引き起こされる感
染;細胞サイトゾル内でのListeria monocytogenesの生存によって引き起こされ
る感染;細胞内原生動物Toxoplasma gondiiによって引き起こされる感染;およ
びボルデテラ種(マクロファージ)、Staphylococcus aureus(上皮細胞)、お
よびB群連鎖球菌(マクロファージ)の細胞内生存によって引き起こされる感染
。これらの感染のいくつかは、専ら細胞内にあり、他は細胞内および細胞外成分
の両方を含む。しかし、細菌感染の細胞内生存サイクルが、疾患の進行のための
主な支援因子として疑われる。
【0034】 本発明はまた、例えば、Leishmania donovani、Legionella pneumophila、Bor
detella pertussisおよび他のボルデテラ種、B群連鎖球菌、Salmonella種、Chl
amydia、およびBorrelia burgdorferiのような他の細菌のマクロファージ内での
、細胞内持続の抑制に適用可能である。これは、マクロファージ特異的送達部分
および微生物に特異的な溶菌性バクテリオファージの使用により達成され得る。
【0035】 本発明は、細胞内ウイルスに対して使用され得る。例えば、特定のウイルスタ
ンパク質に対する抗体にまたは短いアンチセンスDNAフラグメントに連結した
ターゲティング部分を使用する点で、有利であり得る。このような融合構築物は
、既述のように標的細胞に送達され得る。
【0036】 微生物が細菌である場合、本発明の薬剤に使用するためのファージは、バクテ
リオファージである。バクテリオファージは、細菌に寄生するファージである。
これらは、代表的には、通常は中空テイル中に延長されたタンパク質の壁によっ
て封入された遺伝物質(通常DNA、しかし時にはRNA)を含むヘッドを含む
。バクテリオファージは、そのテイルでファージ自体を細菌細胞の壁に付着させ
ることによって感染を開始する。酵素作用によって、壁を貫通し、そしてバクテ
リオファージの遺伝物質が通過して、細菌細胞に入る。次いで、バクテリオファ
ージ遺伝物質は、細菌に、より多くのバクテリオファージ遺伝物質を作成させ、
バクテリオファージのヘッドおよびテイルをアセンブリして、アセンブリした粒
子を形成する。これらのアセンブリした粒子は、次いで、宿主細菌細胞の溶菌に
よって放出される。バクテリオファージは、代表的には、非常に特異的であり、
各種のバクテリオファージは代表的には1つの細菌種または株のみに感染する。
【0037】 1つの実施態様では、バクテリオファージは、好ましくは溶菌性バクテリオフ
ァージである。
【0038】 好ましくは、バクテリオファージは、マイコバクテリオファージである。マイ
コバクテリオファージは、好ましくは、マイコバクテリアの特定の種に特異的で
ある。最も好ましくは、マイコバクテリオファージは、溶菌性マイコバクテリオ
ファージL29、D34、DS−6Aからなる群より選択される。
【0039】 マイコバクテリアによる感染中、この細菌は、マクロファージ膜上のいくつか
のマイコバクテリア特異的レセプターに関連し得るレセプター媒介食菌作用によ
ってマクロファージに入る。1つまたは複数のレセプターとの最初の相互作用後
、マイコバクテリアは、初期ファゴソームに入り、その成熟を阻止し、そして最
終の食作用オルガネラ、例えば、リソソームから隔離する。これは、感染したフ
ァゴソームのリソソームとの融合、およびその後のマイコバクテリアのリソソー
ム指向性溶菌を抑制する。このメカニズムによって、マイコバクテリアは、マク
ロファージの小胞内に細胞内感染を形成し、そして宿主細胞の免疫系を避ける。
【0040】 マイコバクテリアは、単球およびマクロファージに感染する。したがって、マ
イコバクテリア細胞感染を処置するための薬剤での使用のためにターゲティング
部分を選択する場合、そのターゲティング部分は、単球および/またはマクロフ
ァージに結合すべきである。
【0041】 適切な標的部分としては、補体レセプターCR3に結合しそしてレセプター媒
介エンドサイトーシスメカニズムによってインターナリゼーションされ得るBord
etella pertussisの糸状赤血球凝集素;補体成分C3;ヒト血清においてC3に
結合しそしてCR3レセプターによってファージをインターナリゼーションさせ
得る薬剤を形成し得るC3に対する抗体;およびレセプターに結合しそしてイン
ターナリゼーションされ得るマイコバクテリアに特異的なマクロファージレセプ
ター(例えば、マンノースレセプター、界面活性タンパク質レセプター、CD1
4など)に対するリガンドが挙げられる。トランスフェリン分子またはその一部
あるいはその変異体もしくは誘導体が好ましいターゲティング部分である。トラ
ンスフェリンの配列の詳細については、以下を参照のこと:Uzan, G., Frain, M
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rrin from 17 animal species Comp. Biochem. Physiol.-B 97(3); 417-27。
【0042】 本発明の第2の局面によれば、上記の定義による薬剤を調製するための方法が
提供され、この方法は、ターゲティング部分がファージと会合するようにターゲ
ティング部分とファージとを接触させる工程を含む。
【0043】 ファージの大きなストックが容易に生成され得る。ここでは、マイコバクテリ
オファージの生成を参照するが、同様のスケールアップ手順が、他のファージに
も同様に適用可能である。
【0044】 ファージストックは、M. tuberculosisまたは他の補助マイコバクテリア株の
液体培養物の感染、遠心分離による細胞残渣の除去、ファージ濃縮(例えば、メ
ンブラン濾過、PEG沈殿、遠心分離などによる)、次いで化学的改変を妨害し
得る成分(例えば、タンパク質、ポリペプチド、塩など)からのファージ精製(
例えば、ゲル濾過、追加のメンブラン濾過などによる)によって調製され得る。
このプロセスは、濾過およびクロマトグラフデバイスを使用して、必要とされる
生産量に容易にスケールアップされ得る。
【0045】 ファージのストックは、次いで、目的のターゲティング部分と混合され得る。
【0046】 トランスフェリンは、ここでは、単にターゲティング部分の例として例示され
る。物理的吸着による結合形成は、十分に異なる等電点を有するファージおよび
ターゲティング部分を混合することのみを必要とする(例えば、トランスフェリ
ン、この分子はpI=5.5を有し、そしてファージは7以上のpIを有する)
。Tf−ファージ複合体は、生理学的条件下で安定なようであり、そして遊離の
Tfと容易に分離され得る。遊離のファージの存在は、調製物の生物学的活性を
増強するのみなので、問題はない。
【0047】 本発明の第3の局面によれば、薬剤は、ターゲティング部分をファージに連結
させることによって調製される。好ましい結合形成手順の例は、上述している。
【0048】 本発明の第4の局面によれば、細胞内の微生物の溶菌を引き起こし得るキメラ
ファージが提供され、これは、ファージのテイルまたはコートタンパク質の一部
として細胞に結合し得るターゲティング部分を含む。
【0049】 本発明の第5の局面によれば、上記のキメラファージを調製する方法が提供さ
れる。マイコバクテリオファージは、本発明のこの局面の例として説明される。
ゲノムが完全に配列決定されそして特徴付けられているマイコバクテリオファー
ジ(例えば、ファージL5またはd29)を使用して、プライマーを生成し、目
的のファージ内の「機能的にサイレント」な表面膜タンパク質をコードするDN
Aドメインを同定し得る。このDNAドメインは、切り出され、そしてレセプタ
ー結合部分をコードするDNAドメイン(例えば、トランスフェリンの結合ドメ
イン)と置き換えられ得る。したがって、新規な「設計した」キメラファージが
生成され得、これは複製機能およびレセプター結合機能を併せ持つ。ファージは
、上記のように蓄積され、そして細胞内病原体に対して治療剤として使用され得
る。
【0050】 本発明の第6の局面によれば、本発明の薬剤または本発明のキメラファージ、
および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物が提供される。この組成物は
、好ましくは、薬剤またはキメラファージと、ネブライザーでの貯蔵中にファー
ジを安定化する安定剤との液体混合物である。この混合物はまた、ファージ凝集
を抑制する他の薬剤を含み得る。
【0051】 微生物によって引き起こされる多くの細胞内感染は、吸入によって罹患する。
したがって、多くのこのような細胞内感染は、肺組織におよびその周りに集中す
る。特に、結核(M. tuberculosisによって引き起こされる)は、この様式で罹
患する。好ましい実施態様によれば、本発明による組成物は、エアロゾル形態で
提供される。
【0052】 ここで、以下の実施例を参照する。
【0053】 実施例1−結核の処置のための薬剤としての、改変された溶菌性抗M. tubercu
losisファージ この実施例は、表面ポリペプチドを有するように吸着によるかまたは化学的に
よるかのいずれかで改変された溶菌性抗M. tuberculosisファージ(ファージD
34)の調製を記載し、これは、感染した単球/マクロファージ内で、ファージ
結合、インターナリゼーション、およびファゴソームへの送達を提供する。一旦
ファゴソーム内に入ると、ファージは、その溶菌特徴を提示し、そしてファゴソ
ーム内のマイコバクテリアにダメージを与えるか溶菌するかのいずれかである。
【0054】 M. phleiに感染したヒト単球/マクロファージ細胞U937を、改変されたフ
ァージの試料で処置した場合(表1のカラム3および4)、マクロファージライ
セートからプレーティングされた細胞内の生存マイコバクテリアの数は、ファー
ジ処置なしまたは非改変ファージでの処置のライセート(表1のカラム5および
2)と比較して少なかった。最強の効果は、ターゲティング部分(トランスフェ
リン)を物理的吸着によってファージに付加した場合に達成した。物理的改変の
結果として、ファージは、非改変ファージと比較して2倍の効果があった。後者
のレベルは、抗生物質、例えば、イソニアジドで達成された最良の結果と、少な
くとも等しいことが知られている。
【0055】 これらのインビトロデータは、特定の送達ターゲティング部分を有するファー
ジ改変が、感染したマクロファージ内の細菌負荷を減少させるファージ能力を増
強することを示す。改変したファージでのファージ治療は、M. tuberculosis感
染に対して有効であり得、そして免疫系を中和する補助となり、そして感染およ
び最終的には結核を制御する。
【0056】
【表1】
【0057】 実施例1において上記M. phlei感染した単球/マクロファージを、ゲンタマイ
シン4mg/mlを含むRPMI培地中で1時間懸濁し、PBSで3回洗浄し、そし
てRPMIに再懸濁して、改変したファージで処置した。これは、表面に結合し
たまたは放出されたM. phlei細菌(すなわち、非細胞内マイコバクテリア)が実
施例の結果をマスクしないことを確実にするためであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 C12R 1:92 //(C12N 7/00 C12N 15/00 A C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 パセチュニック,ブラディミール アーテ ィモビッチ イギリス国 エスピー3 7エイチユー ウィルトシャー,ソールズベリー,シュル ートン,コッパー ビーチ クローズ 1 (72)発明者 ロバーツ,アレン ダグラス グレン イギリス国 エスオー16 5ディーアール サザンプトン,ケネディー ロード 17 (72)発明者 シャープ,リチャード ジェイムズ イギリス国 エスピー5 1アールジェイ ウィルトシャー,ソールズベリー,ウェ スト ウィンタースロウ,リバリー ロー ド,ザ ビーチズ (番地なし) Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA01 EA03 FA10 FA20 GA11 HA20 4B065 AA36X AA93X AA98Y AB01 BA02 CA23 CA44 4C076 AA24 BB27 CC31 EE59 FF68 4C087 AA01 AA02 BC29 CA12 MA05 MA13 NA14 ZB35

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的細胞に結合し得るターゲティング部分および該ターゲテ
    ィング部分と会合したファージを含む、標的細胞内に存在する微生物の溶菌を引
    き起こすための薬剤であって、該ターゲティング部分が該細胞と結合した後、該
    ファージが該標的細胞に入り、そして該標的細胞内に存在する微生物の溶菌をも
    たらす、薬剤。
  2. 【請求項2】 前記ターゲティング部分が、前記細胞の表面上のレセプター
    に対するリガンドである、請求項1に記載の薬剤。
  3. 【請求項3】 前記ターゲティング部分が、トランスフェリン分子、または
    前記細胞上のトランスフェリンレセプターに結合し得るその一部またはその変異
    体もしくは誘導体である、請求項2に記載の薬剤。
  4. 【請求項4】 前記微生物が細菌であり、そして前記ファージがバクテリオ
    ファージである、請求項1から3のいずれかに記載の薬剤。
  5. 【請求項5】 前記細菌が、Mycobacterium tuberculosisである、請求項4
    に記載の薬剤。
  6. 【請求項6】 前記バクテリオファージが、マイコバクテリオファージであ
    る、請求項4または5に記載の薬剤。
  7. 【請求項7】 前記マイコバクテリオファージが、L29、D34、および
    DS−6Aからなる群より選択される、請求項6に記載の薬剤。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の薬剤を調製する方法であ
    って、ターゲティング部分がファージと会合するようにターゲティング部分とフ
    ァージとを接触させる工程を含む、方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から7のいずれかに記載の薬剤を調製する方法であ
    って、ターゲティング部分をファージに連結させる工程を含む、方法。
  10. 【請求項10】 細胞内で微生物の溶菌を引き起こし得るキメラファージで
    あって、該細胞に結合し得るターゲティング部分を該ファージのテイルまたはコ
    ートタンパク質の一部として含む、キメラファージ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のキメラファージを調製する方法であっ
    て、ターゲティング部分をコードする核酸配列に作動可能に連結したファージ核
    酸配列の発現工程、および該キメラファージのアセンブリ工程を含む、方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のキメラファージをコードする核酸配列
    を含む、核酸構築物。
  13. 【請求項13】 請求項1から7のいずれかに記載の薬剤または請求項10
    に記載のキメラファージ、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
  14. 【請求項14】 エアロゾル送達のための、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 微生物による細胞内感染を処置するための医薬品の製造に
    おける、請求項1から7のいずれかに記載の薬剤の使用。
  16. 【請求項16】 細胞内の微生物への溶菌性ファージの送達のための医薬品
    の製造における、細胞に結合し得るターゲティング部分の使用。
  17. 【請求項17】 細胞内感染の処置および/または緩和のための医薬品の製
    造における、細胞に結合し得るターゲティング部分および該ターゲティング部分
    と会合した溶菌性ファージの使用。
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