JP2002502243A - トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター - Google Patents

トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター

Info

Publication number
JP2002502243A
JP2002502243A JP55077198A JP55077198A JP2002502243A JP 2002502243 A JP2002502243 A JP 2002502243A JP 55077198 A JP55077198 A JP 55077198A JP 55077198 A JP55077198 A JP 55077198A JP 2002502243 A JP2002502243 A JP 2002502243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
nucleic acid
complex
peptide
lipid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP55077198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4293292B2 (ja
JP2002502243A5 (ja
Inventor
ハート,スチーブン,ルイス
Original Assignee
インスティテュート オブ チャイルド ヘルス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インスティテュート オブ チャイルド ヘルス filed Critical インスティテュート オブ チャイルド ヘルス
Publication of JP2002502243A publication Critical patent/JP2002502243A/ja
Publication of JP2002502243A5 publication Critical patent/JP2002502243A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4293292B2 publication Critical patent/JP4293292B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
    • C12N15/88Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation using microencapsulation, e.g. using amphiphile liposome vesicle
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/902Specified use of nanostructure
    • Y10S977/904Specified use of nanostructure for medical, immunological, body treatment, or diagnosis
    • Y10S977/906Drug delivery
    • Y10S977/907Liposome

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (i)核酸,(ii)インテグリン結合成分、例えばインテグリン結合ペプチド,(iii)ポリカチオン性の核酸成分、例えばオリゴリジン,及び(iv)脂質成分、例えばカチオン性リポソームからなる複合体は、トランスフェクション活性を増大する。

Description

【発明の詳細な説明】 トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター 本願発明は、トランスフェクション活性が増大された、改変したインテグリン ーターゲッティングベクターに関する。 遺伝子治療及び遺伝子ワクチンは、アンチセンス治療のように、種々の状態の 治療及び/または予防のための興味深い可能性を提供する技術である。このよう な技術には、興味あるDNAの標的細胞への導入が要求される。未だに、十分なDNA を特定の標的細胞へ移入する能力が、遺伝子治療,アンチセンス治療及び遺伝子 ワクチンの発展に対する主要な制限の1つである。ウイルス及び非ウイルス性の DNA輸送系が提案されている。幾つかの場合には、RNAがDNAの代わりに用いられ る。 レセプター仲介の遺伝子輸送は、生理的な細胞プロセス,DNAを内在化させる ためのレセプター仲介のエンドサイトーシスを利用する非ウイルス性の遺伝子移 入法である。レセプター仲介の非ウイルスベクターは、ウイルス性ベクターに優 る幾つかの利点を有する。特に、それらに病原性がない点である。それらは、遺 伝子輸送を特定の細胞タイプに向けさせることを可能とし、封入される核酸分子 の大きさに限定されない。遺伝子発現は、核酸成分複合体がそのまま、エンドソ ームから細胞質に放出され、そして核膜を通過し、核転写機構に到達して初めて 成就する。しかしながら、トランスフェクション効率は一般に、核酸成分のエン ドゾームの分解,核酸が核に入り損なうこと及び約150nmより大きい凝集物のク ラスリン被覆小胞からの排除のため、ウイルス性ベクターに比べて劣っている。 インテグリンは、幾つかの異なったα及びβサブユニットからなるヘテロダイ マーの膜タンパク質のスーパーファミリーである。それらは、細胞の細胞外マト リックスへの接着,細胞−細胞相互作用及びシグナルトランスダクションにとっ て重要である。インテグリン仲介の細胞加入は、ティパノソーマ・クルジ(Typa nosoma cruzi )(Fernandezら,1993),アデノウイルス(Wickhamら,1993), エコウイルス(echovirus)(Bergelsonら,1992)及び口蹄疫ウイルス (Loganら,1993)、及び腸病原体・偽結核エルジニア菌(Isberg,1991)を含 む多くの細胞内病原体による細胞の接着及び加入に利用される。卵−精子の融合 もまたインテグリン仲介である。偽結核エルジニア菌の浸潤−インテグリン仲介 の内在化プロセスの集中的な研究によって、効率的な細胞加入に対して、インテ グリン−結合リガンドは、高結合親和性及び無極性の分布を有するものであるこ とが実証された(Isberg,1991)。インテグリン仲介の内在化プロセスは、直径 1〜2マイクロメーターのバクテリア細胞の内在化を許容ずる食作用様プロセスに よって進行する(Isberg,1991)。そのため、非ウイルス性ベクターのインテグ リンへのターゲッティングは、病原体による細胞の感染を最少とするプロセスに 細胞をトランスフェクトする潜在能力を有し、レセプター仲介のエンドサイトー シスにおけるクラスリン被覆小胞に負う大きさの限定を回避する。 インテグリン仲介のベクターの更なる利点は、インテグリンレセプターに対す る膨大な数のペプチドリガンドが記載されていることであり、天然のタンパク質 リガンド由来の配列を含み(Verfaille,1994 #635:Wang,1995 #645;Sta atz,1991 #539;Pierschbacher,1984 #314;Massia,1992 #86,Clemen tsら,1994及びLuら,1993)、またはファージディスプレーライブラリーから選 択される(Koivunenら,1995;1993;1994;O'Neilら,1992;Healyら,1995;P asqualaniら,1995)ことである。 保存されたアミノ酸配列アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)は、 多くの、しかし全てではない天然のインテグリン結合リガンド、例えば細胞外マ トリックスタンパク質及びウイルスキャプシドの進化学的に保存された特徴であ る。ペプチド、特に環状RGDドメインを含有するものもまた、インテグリンに結 合する。環状RGDドメインを含有するペプチドは、直鎖状ペプチドよりも高い親 和性でインテグリンに結合するので、ベクターに対する特に適したリガンドであ る(Koivunenら,1995)。Hartらは以前、約900nmの長さのfd糸状ファージ小胞 の主要被覆タンパク質サブユニット中に呈示される環状RGDペプチドの複数のコ ピーは、組織培養中の細胞により効率的に、インテグリン仲介の様式で内在化さ れることを実証している(Hartら,1994)。そのファージ小胞はおそらく、それ らの大きさによってエンドサイトースされた(endocytosed)小胞から放出され るように、食作用様プロセスによって内在化されたのであろう(Hartら,1994) 。 環状RGD含有ペプチドGGCRGDMFGCGG[K]16[SEQ.ID.NO.:1]は、プラスミド DNAとの複合体形成のための16のリジン尾部とともに合成される(Hartら,1995 )。顕著なレベルのインテグリン仲介の遺伝子発現は、上皮細胞系において、ベ クターGGCRGDMFGCG[K]16[SEQ.ID.NO.:2](Hartら,1995)及びベクターGG CRGDMFGC[K]16[SEQ.ID.NO.:3](WO96/15811)を用いて行われた。同類の ペプチド[K]16GACRGDMFGCA[SEQ.ID.NO.:4]は、N末端に16のリジンドメイ ンを有し、そのプロトタイプのペプチド(WO96/15811及びHartら,1997)より合 成が容易であり、より良いトランスフェクションレベルを生み出した。インテグ リン仲介の遺伝子発現は一般に、約1〜10%のレベルで行われた。トランスフェ クションメディウム中のクロロキノンの存在は、試験された、全てではないが幾 つかの細胞系においてトランスフェクションを幾分、増大させた。 本願発明は、オリゴリジン/−ペプチド/DNA複合体中の脂質成分の封入が、D NAのトランスフェクションレベルを約1〜10%から約50〜ほぼ100%まで増加させ るという驚くべき観察に基いている。トランスフェクションレベルが劇的に増加 するばかりでなく、過去の経験に反してその増加は、内皮,上皮及び腫瘍細胞系 を含む、試験された全ての細胞系において観察された。 本願発明は、 (i)核酸、特に興味ある配列をコードする核酸, (ii)インテグリン結合成分, (iii)ポリカチオン性核酸結合成分,及び (iv)脂質成分 からなる複合体を提供する。その複合体がトランスフェクションベクターである 。 核酸は、天然原料から得てもよく、また、組換えによってまたは化学合成によ って製造してもよい。それは例えば、核酸ターゲッティング分子などの、特定の 機能を有する分子を形作るために修飾されてもよい。核酸はDNAでもRNAでもよい 。DNAは、一本鎖でも二本鎖でもよい。核酸は、遺伝子治療,遺伝子ワクチンま たはアンチセンス治療での使用に適したものであってもよい。核酸は、特別な遺 伝子治療のための標的である遺伝子であっても、または関連していてもよく、ま た、 遺伝子ワクチンとしてまたはアンチセンス治療剤として機能することができる分 子であってもよい。 または、核酸は市販品として利用できる、例えば産業的にまたは科学的に有用 である酵素などのタンパク質;医薬として有用な、例えば治療上または予防上、 薬剤またはワクチンとして利用できるタンパク質;または診断上有用な、例えば ELISAでの使用のための抗原、をコードしていてもよい。市販品として有用なタ ンパク質を生産することができる宿主細胞は、場合によっては「細胞工場」と呼 ばれる。 適当な転写及び翻訳制御因子が一般的に提供される。遺伝子治療のために、核 酸成分は一般的に、プラスミドまたはベクター中の核酸挿入の形で呈示される。 しかしながら、幾つかの例においては、発現を達成するために核酸成分をベクタ ーに編入する必要はない。例えば、遺伝子による予防接種及びアンチセンス治療 は、裸の核酸を用いて達成することができる。 核酸は一般的に、DNAであるが、幾つかの場合、例えば癌の予防接種においてR NAを用いることができる。核酸成分は、プラスミド成分または成分“D”として 以下に参照される。 インテグリン結合成分とは、細胞表面に見出されるインテグリンに特異的に結 合することができるあらゆる成分である。インテグリン結合成分は、天然に生じ るインテグリン結合リガンド、例えば細胞外マトリックスタンパク質,ウイルス キャプシドタンパク質,細菌性タンパク質のインベーシン(invasin),蛇毒の ジスインテグリン(disintegrin)タンパク質またはこれらのタンパク質のイン テグリン結合フラグメントであってもよい。このようなインテグリン結合タンパ ク質及びそのフラグメントは、天然原料から、または組換え技術によって得ても よいが、それらは大量に合成・精製するのは難しく、DNAまたはRNAに直接、また はDNAまたはRNA結合のためのポリカチオン性因子への接合を必要とし、イン・ビ ボで免疫原性である。 インテグリン結合ペプチドを使用することは、特に合成,精製及び貯蔵の容易 さ、化学修飾の潜在能力及びイン・ビボでの潜在的な低免疫原性のため好ましい 。インテグリン結合ペプチドの例は、Verfaille,1994 #635;Wang,1995 # 645;Staatz,1991 #539;Pierschbacher,1984 #314;Massia,1992 #86 ;Clementsら,1994及びLuら,1993;及びKoivunenら,1995;1993;1994;O'Ne ilら,1992;Healyら,1995;及びPasqualaniら,1995に示されている。 上記に示されたように、保存されたアミノ酸配列アルギニン−グリシン−アス パラギン酸(RGD)を含有するペプチドは、高親和性でインテグリンに結合する 。従って、RGD配列からなるペプチドが特に有効である。インテグリン及びペプ チドリガンド間の親和性は、RGDドメインに並ぶアミノ酸配列によって影響され る。RGD配列の立体配置上の自由度が制限されている環状領域を有するペプチド は一般的に、直鎖状のものよりインテグリンレセプターに対して高い親和性を有 する。このような環状ペプチドが特に好ましい。環状ペプチドは、ペプチド中の 2つのシステイン残基の供給によって、ゆえにジスルフィド形成を可能とするこ とによって形成される。システイン残基は、RGD配列から1以上、例えば6残基ま での残基によって、離されていてもよく、また、好ましくは両システインがRGD 配列の両端に直接近接していない方がよいが、直接RGD配列に近接させてもよい 。 ジスルフィド結合の形成による環状化を許容するアミノ酸配列の例は、CRGDMF GC[SEQ.ID.NO.:5]である。この配列CRGDMFGCだけからなる、または構成分 とするペプチドが、本願発明によるインテグリン結合ペプチドとして優位に用い られてもよい。配列CRGDMFGCからなる及び効果的なインテグリン結合リガンドで あるペプチドの例は、ペプチドGGCRGDMFGC[SEQ.ID.NO.:6],GGCRGDMFGCG [SEQ.ID.NO.:7],GGCRGDMFGCA[SEQ.ID.NO.:8]及びGACRGDMFGCA[SEQ .ID.NO.:9]である。 ペプチドGACDCRGDCFCA[SEQ.ID.NO.:10]は、RGDループを安定化するため の2つのジスルフィド結合を形成する潜在能力を有する。このペプチド及び2つの RGD安定化ジスルフィド結合を形成する潜在能力を有する他のペプチドは、本願 発明によるインテグリン結合リガンドとして特に有用であると言える。 しかしながら、全てのインテグリン結合ペプチドが保存されたRGD配列を含有 するわけではない。例えば、ペプチドGACRRETAWACA[SEQ.ID.NO.:11]及びG ACRRETAWACG[SEQ.ID.NO.:12]は、インテグリン特異的なペプチドである。 配列CRRETTAWAC[SEQ.ID.NO.:13]からなる他のペプチドは、他の非RGDペプ チド、特にジスルフィド結合形成のための潜在能力を有ずるものと同様に用いら れてもよい。 ペプチド配列は、既知のリガンドに基いて、例えば天然に生じるインテグリン 結合リガンドのインテグリン結合ドメインに基いて、またはインテグリンに結合 する既知のペプチドに基いて設計されてもよい。 前記のように、インテグリンは、細胞表面に見出されるヘテロダイマーのタン パク質ファミリーである。それらは、幾つかの異なったα及びβサブユニットか らなる。多くのタイプの細胞に見出されるインテグリンもあり、また、より特異 的な、例えばα5及びαvインテグリンが一般的で、異なった範囲に見出されるも のもある。インテグリン結合リガンドは、種々のインテグリンに対する親和性に おいて様々に変化する。例えばGACRGDMFGCA[SEQ.ID.NO.:9](ペプチド1) は、α5及びαvインテグリンに対して親和性を有するが、非特異的である(O'Ne ilら,1992;Hartら,1997)。GACDCRGDCFCA[SEQ.ID.NO.:10](ペプチド5 )は、インテグリンαvに対して高親和性を有するが、αv特異的ではない(Koiv unenら,1995;Hartら,1997)。しかしながら、GACRRETAWACG[SEQ.ID.NO. :11](ペプチド6)は、保存されたRGD領域を含有していないが、α5β1特異的 である(Koivunenら,1995)。多くのインテグリン結合ペプチド及びそれらのイ ンテグリン特異性を、下記の表に示す。 ペプチド番号及び 配列 SEQ .ID.NO. インテグリン特異性 ペプチド1(αv,α5β1) GACRGDMFGCA SEQ.ID.NO.:9 ペプチド2(αv,α5β1) GACRGDMFGCGG SEQ.ID.NO.:12 ペプチド5(αv) GACDCRGDCFCA SEQ.ID.NO.:10 ペプチド6(α5β1) GACRRETAWACG SEQ.ID.NO.:11 ペプチド7(α4β1) GAGPEILDVPST SEQ.ID.NO.:13 ペプチド8(α4β1) GACQIDSPCA SEQ.ID.NO.:14 ペプチド9(α5β1) GACRRETAWACGKGACRRETAWACG SEQ.ID.NO.:15 本願発明による脂質成分の使用が、試験される全てのペプチド及び全ての細胞 のタイプに対してトランスフェクションを大きく増長する。これに対して、試行 されている他の増長技術、例えばクロロキンは、試験された全てではなく、幾つ かの細胞タイプにおいて小規模にしかトランスフェクションを増長しない。 ポリカチオン性核酸結合成分とは、DNAまたはRNAに結合できる、あらゆるポリ カチオンである。ポリカチオンは、DNAまたはRNAへの結合能力が保持されるなら ば、幾つものカチオン性モノマーを有していてもよい。例えば、3〜100のカチオ ン性モノマーが存在していてもよく、例えば10〜20、特に約16であってもよい。 オリゴリジンは、特に好ましくは、例えば10〜20のリジン残基、例えば15〜17残 基、特に16残基、即ち[K]16である。 ポリカチオン性DNAまたはRNA結合成分は、インテグリン結合成分に、優位に結 合もしくは付着されてもよい。結合されたインテグリン結合成分/ポリカチオン 性DNAまたはRNA結合成分は、成分“I”として下記に参照される。例えば、ポリ カチオン性DNAまたはRNA結合成分は、インテグリン結合成分に、例えば、オリゴ リジンの場合はペプチド結合によって、化学的に結合されてもよい。ポリカチオ ン性成分は、インテグリン結合成分の如何なる位置で結合していてもよい。イン テグリン結合成分及びポリカチオン性DNAまたはRMA結合成分の好ましい組み合わ せは、ペプチド結合を経てペプチド、例えば前記のペプチドに結合するオリゴリ ジン、特に[K]16である。 脂質成分は、カチオン性リポソームであってもよいし、形成してもよい。脂質 成分は、カチオン性脂質及び膜を不安定化する及びフゾジェニックな(fusogenic )性質を有する脂質から選択される1以上の脂質、特にカチオン性脂質及び膜を不 安定化する性質を有する脂質との組み合わせであってもよいし、構成されていて もよい。 好ましい脂質成分(“L”)は、中性脂質ジオレイルホスファチジルエタノー ルアミンであるか構成分とし、本願では“DOPE”として参照される。DOPEは、時 には“フゾジェニックな”性質として参照される、膜を不安定化する性質を有す る(Farhoodら,1995)。他の脂質、例えば中性脂質は、膜を不安定化する性質 、特にDOPEと同様な、膜を不安定化する性質を有し、DOPEの代わりに、または同 様 に用いられてもよい。 少なくとも1つの長鎖アルキル基を有する他のホスホリピド、例えば、ジ(ア ルキル長鎖)ホスホリピドが用いられてもよい。ホスホリピドは、ホスファチジ ル基、例えばホスファチジルアルカノールアミン基、例えばホスファチジルエタ ノールアミン基から構成されていてもよい。 さらに好ましい脂質成分は、本願では“DOTMA”として参照される、カチオン 性脂質・N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチル− アンモニウムクロライドであるかまたは構成される。DOTMAはカチオンの性質を 有している。他のカチオン性脂質を、DOTMAに付加して、またはDOTMAに対する選 択肢の1つとして用いてもよく、特にDOTMAに類似する性質を有するカチオン性脂 質であってもよい。このような脂質は、例えば3つの短鎖アルキル基と1つの長 鎖アルキル基によって置換された四級アンモニウム塩である。短鎖アルキル基は 、同じでも異なっていてもよく、メチル及びエチル基から選択されてもよい。少 なくとも1つ、そして3つまでの短鎖アルキル基がメチル基であってもよい。長鎖 アルキル基は、直鎖または分枝鎖、例えばジ(長鎖アルキル)アルキル基を有し ていてもよい。 もう1つの好ましい脂質成分は、本願では“DOSPA”として参照される、脂質・ 2,3−ジオレイル−N−[2−(スペルミジンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジ メチル−1−プロパンアミニウムトリフルオリドアセテート(2,3-dioleyloxy-N- [2-(spermidinecarboxamido)ethyl]-N,N-dimethyl-1-propanaminiumtrifluorido -acetate)であるかまたは構成される。類似の脂質は、DOSPAに付加して、また はDOSPAに対する選択肢の1つとして用いてもよく、特にDOSPAに類似する性質を 有するカチオン性脂質であってもよい。このような脂質は、例えばDOSPAの場合 とは異なった短鎖アルキル基を有する。 好ましい脂質成分は、DOPE及び、例えば上記のような、1以上の他の脂質成分 からなる。特に好ましくは、DOPE及びDOTMAの混合物からなる脂質成分である。 このような混合物は、カチオン性のリポソームを形成する。DOPEとDOTMAとの等 モル混合物が、特に有効であることが見出されている。このような混合物は、一 般に“リポフェクチン(lipofectin)”として知られており、“Lipofectin”の 名称で市販され利用可能となっている。“リポフェクチン(lipofectin)”とい う語は、本願においては通常、DOPEとDOTMAとの等モル混合物を示すのに用いら れる。リポフェクチンと類似の性質を有する、カチオン性のリポソームである他 の脂質混合物を用いてもよい。リポフェクチンが特に有用であり、試験された全 ての細胞タイプにおいて有効である。 さらに好ましい脂質成分は、DOPEとDOSPAとの混合物からなる。このような混 合物もまた、カチオン性のリポソームを形成する。重量比3:1のDOSPA:DOPEの 比であるDOPEとDOSPAとの混合物が、特に有効である。このような混合物は、膜 ろ過水において、“Lipofectamine”の名称で市販され利用可能となっている。D OPE,DOTMA及びDOSPAからなる混合物、例えばリポフェクチンとリポフェクタミ ンとの混合物を用いてもよい。 他のカチオン性脂質、例えばDOTAP(Boehringer-Mannheim)及びTfxレンジ内 の脂質(Promega)が市販され利用可能となっている。DOTAPは、N−[1−(2,3− ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムメチルスルフ ェートである。Tfx試薬は、合成カチオン性脂質[N,N,N',N-テトラメチル−N ,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,3−ジ(オレオイルオキシ)−1,4−ブ タンジアンモニウムヨーダイドとDOPEとの混合物である。全ての試薬が同量のカ チオン性の脂質成分を含有しているが、フゾジェニックな脂質,DOPEは、異なっ た量含有している。 しかしながら、リポフェクチン及びリポフェクタミンは、本願発明のLID複合 体における脂質成分として、DOPTA及びTfx剤よりも著しく効果的であると考えら れる。 想定されるインテグリン結合成分,ポリカチオン性DNAまたはRNA結合成分、ま たは脂質成分の有効性は、本願に記載される方法を用いて容易に決定される。 本願発明の複合体を用いるトランスフェクション効率は、脂質成分:インテグ リン結合成分:DNAまたはRNAの比率によって影響される。トランスフェクトされ る、如何なる特別なタイプの細胞に対する、選択された如何なる成分の組合せに 対しても、至適な比率が、成分を異なった比率で混合して、例えば本願に記載さ れているような細胞タイプに対するトランスフェクション率を測定するだけで決 定できる。 例えば、DNA成分(D)としてSV40プロモーター下のルシフェラーゼ(レポータ ー遺伝子)をコードするプラスミドであるpGL2プラスミド、組み込まれるインテ グリン結合成分/ポリカチオン性のDNA結合成分(I)としての[K]16GACRGDMFGC A[SEQ.ID.NO.:17]([K]16−ペプチド1)及び脂質成分(L)としてのリポ フェクチン(DOPE:DOTMA 1:1のモル比)からなる組み合わせが成分の至適な比 率を見つけるために試験された。1μgのプラスミド(D)当り1μgのリポフェク チン(L)及び4μgの[K]16−ペプチド(I)は、リポフェクチンを欠く複合体よ りも100倍活性であった。より多量のリポフェクチンの添加は、リポフェクチン の用量依存的にトランスフェクション活性を減少させた。 1μgのプラスミドDNAまたはRNA(核酸成分,D)当り4μgの[K]16−ペプチド・ インテグリン結合成分/ポリカチオン性のDNAまたはRNA結合成分(I)当り0.75 μgのリポフェクチン(L)の至適トランスフェクション比率が、3つの異なった 細胞系、メラノーマ細胞,内皮細胞及び上皮細胞に対して見出された。その比率 は後に、他の異なった細胞系及び他のオリゴリジン−ペプチドに対して有効であ ることが見出された。0.75:4:1のL:I:D重量比は、0.5nmolリポフェクチン: 1.25nmol[K]16−ペプチド6:0.25pmolプラスミドpGL2制御のモル比に対応する。 リポフェクチンが脂質成分として用いられているとき、0.75:4:1のL:I:D重 量比、または対応するモル比が好ましい。 リポフェクチンがリポフェクタミン(DOPE/DOSPA)に置き換わる、成分の組み 合わせに対して、至適な比率は、12μgのリポフェクタミン:4μgの[K]16−ペプ チド6:1μgのプラスミドDNAまたはRNAであることが見出された。12:4:1のL: I:D重量比、または対応するモル比が、リポフェクタミン含有複合体に対して適 当である。他の系に対する至適な比率を、同じように決定することができる。 リポフェクチン及びリポフェクタミンは、トランスフェクションを増大するの に特に効果的であると考えられる。リポフェクチンは、ほんの極微量で十分であ るという利点を有する。そのため、起こる可能性のあるあらゆる副作用が最少な ものとなる。上記に示したように、リポフェクタミンを用いるときのL:I:Dの 至適な重量成分比は、12:4:1である。リポフェクチンを用いると、その至適な 比率は0.75のみ:4:1である。 本願発明は、成分(i),(ii),(iii)及び(iv)を混合することからなる、本願発 明のトランスフェクション複合体を製造するプロセスを提供する。 成分はどのような順番で混合されても構わないが、脂質成分を最後に加えない 方が一般的に望ましい。組み合わされたインテグリン結合成分/ポリカチオン性 DNAまたはRNA結合成分が存在する場合は、成分を次の順番で組み合わせることが 一般的に望ましい:脂質成分;組み合わされたインテグリン結合/ポリカチオン 性DNAまたはRNA結合成分;DNAまたはRNA成分、例えばリポフェクチン,オリゴリ ジンペプチド成分,DNAまたはRNA成分の順。 本願発明はまた、インテグリン結合成分,ポリカチオン性核酸結合成分及び脂 質成分からなる混合物を提供する。 このような混合物は、本願発明の、核酸含有のトランスフェクション複合体を 、核酸の混合物との合体、例えば混合によって製造するために用いることができ る。または、本願発明の混合物は、核酸成分の代わりに、ポリカチオン性核酸結 合成分、例えばタンパク質に結合できる他の成分からなる複合体の製造に用いる ことができる。 本願発明はさらに、核酸を本願発明の混合物と混合することからなる、本願発 明の複合体の製造プロセスを提供する。 本願発明の混合物の個々の成分が、本願発明の複合体に関連して、各々上記さ れている。好ましい成分,好ましい成分の組み合わせ,好ましい成分比及び好ま しい混合する順番が、混合物及び複合体の製造に関して、本願発明の複合体に関 連して、上記されている。 本願発明の混合物は、好ましくは、脂質成分としてのDOPE及びDOMTAの等モル 混合物(リポフェクチン)、及び組み合わされたインテグリン結合/核酸結合成 分としてのオリゴリジンペプチド、特に[K]16−ペプチドからなる。好ましいリ ポフェクチン:オリゴリジンペプチドのモル比は、0.75:4である。 本願発明は、細胞をイン・ビトロまたはイン・ビボで本願発明の複合体と接触 させることからなる、細胞に核酸をトランスフェクトする方法を提供する。 本願発明はまた、細胞を本願発明の複合体と接触させることからなる、宿主細 胞で核酸を発現させるプロセスを提供する。そして宿主細胞は、細胞が核酸を発 現できるような条件下で培養される。 本願発明はさらに、宿主細胞をイン・ビトロまたはイン・ビボで本願発明の複 合体と接触させ、細胞にタンパク質を発現させ、タンパク質を得ることからなる 、タンパク質の製造プロセスを提供する。宿主細胞は、イン・ビトロで本願発明 の複合体を使用することによって核酸とトランスフェクトし、培養してもよく、 タンパク質は、宿主細胞または培養メディウムから得られる。 本願発明はさらに、本願発明の複合体でトランスフェクトされた細胞を提供し 、このような細胞の子孫も提供する。 本願発明はまた、医薬的に適した担体と混合または結合した、本願発明の複合 体からなる医薬組成物を提供する。その組成物はワクチンでもよい。 本願発明はまた、遺伝子における欠損及び/または欠陥によって、ヒトまたは 非ヒト動物において生じる状態の治療または予防の方法であって、本願発明の複 合体をヒトまたは非ヒト動物に投与することからなる方法を提供する。 本願発明はまた、ヒトまたは非ヒト動物の治療的または予防的免疫法であって 、本願発明の複合体をヒトまたは非ヒト動物に投与することからなる方法を提供 する。 本願発明はまた、ヒトまたは非ヒト動物のアンチセンス治療の方法であって、 アンチセンスDNAからなる本願発明の複合体がヒトまたは非ヒト動物に投与され る方法を提供する。 本願発明はさらに、薬物及び/またはワクチンとして使用するための、例えば ヒトまたは非ヒト動物において生じる状態の治療または予防のための,ヒトまた は非ヒト動物の治療的または予防的免疫のための,またはヒトまたは非ヒト動物 のアンチセンス治療のための本願発明の複合体を提供する。 本願発明はまた、遺伝子における欠損及び/欠陥によってヒトまたは非ヒト動 物において生じる状態の予防のための、ヒトまたは非ヒト動物の治療的または予 防的免疫化のための、またはヒトまたは非ヒト動物のアンチセンス治療のための 、薬物の製造のための本願発明の複合体の使用を提供する。 非ヒト動物は、例えば哺乳動物,鳥,魚,そして特に、市販品として飼育され た動物である。 本願発明の複合体中のDNAまたはRNAは、意図された遺伝子治療,遺伝子ワクチ ンまたはアンチセンス治療に適している。DNAまたはRNA及び引いてはその複合体 が、意図された目的のために有効な量で投与される。 さらなる態様において、本願発明は、本願発明の混合物を製造するために適し たキットを提供する。このようなキットは次のものからなる:(i)インテグリ ン結合成分;(ii)ポリカチオン性核酸結合成分及び(iii)脂質成分。 本願発明の複合体を製造するために適したキットは、上記の成分(i)〜(iii )及び(iv)核酸の発現に適した核酸またはプラスミドまたはベクターから構成 されていてもよく、プラスミドまたはベクターは空かまたは核酸からなる。 キットの成分は、例えば本願発明の複合体または混合物に関連して上記されて いる。好ましい成分は、上記されている通りである。 キットは一般的に、本願発明の複合体または混合物の製造のための説明書から なる。好ましくは、説明書は、例えば上記したような、好ましい成分比及び成分 を混合する好ましい順番を指示するものである。キットは、遺伝子治療,遺伝子 ワクチンまたはアンチセンス治療に適した複合体を製造するために使用すること ができる。または、宿主細胞を、市販品として利用可能なタンパク質をコードす る核酸でトランスフェクトするのに適した複合体を製造するために、言い換えれ ば、いわゆる「細胞工場」を製造するために用いることができる。 本願発明のキットは、ユーザーに、DNAかRNAかの選択を用いる本願発明の高効 率のトランスフェクション複合体を素早く容易に製造することを可能とする。 本願発明のキットを、次の成分から構成することができる:(a)インテグリ ン結合成分,(b)ポリカチオン性核酸結合成分,(c)脂質成分及び(d)核 酸。 このようなキットは、例えば遺伝子ワクチンまたはアンチセンス治療における 使用のための複合体の製造に適している。 本願発明のキットにおいて、好ましい成分を含む成分は、例えば本願発明の複 合体に関連して上記に示される通りである。 本願発明はまた、細胞の核酸,DNAまたはRNAでのトランスフェクション効率を 増大するのに使用するための上記したような脂質成分であって、インテグリン結 合成分及びポリカチオン性核酸結合成分と組み合わせて用いられる脂質成分を提 供する。 本願発明はまた、 (i)核酸、特に興味ある配列をコードする核酸、 (ii)インテグリン結合成分、 (iii)ポリカチオン性核酸結合成分、及び (iv)脂質成分 からなる薬剤の製造のための上記したような脂質成分の使用を提供する。 薬剤は、遺伝子治療,遺伝子ワクチンまたはアンチセンス治療のためであって もよい。 本願発明はまた、例えば上記したような脂質成分が複合体の付加的成分である ことを特徴とする、 (i)核酸、特に興味ある配列をコードする核酸、 (ii)インテグリン結合成分、及び (iii)ポリカチオン性核酸結合成分 からなるトランスフェクション複合体を提供する。 本願発明はまた、例えば上記したような脂質成分が複合体の付加的成分として 加入されることを特徴とする、 (i)核酸、特に興味ある配列をコードする核酸、 (ii)インテグリン結合成分、及び (iii)ポリカチオン性核酸結合成分 からなるトランスフェクションベクターの効率を増大させる方法を提供する。 各々の場合において、その多くの成分は上記されている通りである。脂質成分 は、例えばDOPEとDOSPAとの混合物、特にDOPEとDOTMAとの混合物、特にDOPEとDO TMAとの等モル混合物(リポフェクチン)である。 遺伝子治療のための標的はよく知られており、遺伝子性の障害、例えば嚢胞性 線維症,種々の癌,感染,例えばウイルス感染、例えばHIVでの感染を含む。例 えば、p53遺伝子でのトランスフェクションは、癌治療について大きな可能性を 提供する。遺伝子ワクチンのための標的もよく知られており、天然原料由来のワ クチンがヒトへの使用には非常に危険を伴うものであり、組換えワクチンが、例 えばB型肝炎ウイルス,HIV,HCV及び単純ヘルペスウイルスでは必ずしも有効で ない病原体に対するの予防接種を含む。アンチセンス治療のための標的も知られ ている。さらに、遺伝子治療及びアンチセンス治療は、疾患の遺伝学的基礎の知 識が増大するように、遺伝子による予防接種のための、さらなる標的となるよう に提案されている。 本願発明のトランスフェクション複合体が、内皮細胞及び上皮細胞を含む種々 の異なった細胞タイプ、及び腫瘍細胞をトランスフェクトするために明らかにさ れている。ほとんどのプラスミドトランスフェクションベクターでのトランスフ ェクションに特に抵抗性の細胞タイプ、例えば神経芽腫細胞、一次平滑筋細胞及 び心筋細胞、及び造血細胞を含む、試験された全ての細胞タイプのトランスフェ クションが、本願発明のトランスフェクション複合体を用いて、高効率で達成さ れている。これは、効率的な遺伝子治療,遺伝子による予防接種及びアンチセン ス治療を、細胞タイプに関する以前のような限定なしに可能とする。例えば、癌 治療のためのp53遺伝子を用いるトランスフェクションは、大きな可能性を秘め ているが、効率的なトランスフェクションが達成され得る細胞タイプの範囲によ って現在限定されている。 神経芽腫細胞の効率的なトランスフェクションは、本願発明の複合体が、重大 な、子供における悪性である神経芽腫のワクチンとしてまたは治療に使用するこ とができる。プラスミド仲介のトランスフェクションに特に抵抗性がある一次平 滑筋細胞及び心筋細胞の効率的なトランスフェクションは、筋肉及び循環系に影 響を与える疾患及び他の病理学的状態が現在、遺伝子治療によって治療され得る ことを実証している。このような状態の1つが再狭窄である。バルーン血管形成 後、30〜50%の場合にプラークが再形成される。血管壁での細胞増殖を防ぐ遺伝 子を、本願発明の複合体を用いて、再狭窄を減少させるために導入することがで きる。 造血細胞は、プラスミド仲介のトランスフェクションに特に抵抗性であるもう 1つの細胞タイプである。本願発明の複合体を用いるトランスフェクションの効 率は、60%を超えるが、造血細胞に関連する疾患、例えば白血病及び骨髄幹細胞 異常の、遺伝子治療,遺伝子による予防接種及びアンチセンス治療を現在可能な ものとしている。例えば、サイトカイン遺伝子のトランスフェクションを、アジ ュバント免疫療法に用いることができる。 本願発明の複合体は、細胞内輸送のための、及び抗ウイルス及び癌治療を可能 とする、アンチセンスオリゴヌクレオチドの送達のための効率的なベクターであ ることが証明されている。 さらに、本願発明の複合体は、慣用のベクターを用いるのが困難な、非常に大 きなDNA分子、例えば125kbより大きいDNAの細胞内輸送に有効であることが証明 されている。これによって人工の染色体の細胞への導入が可能となった。 高レベルでのトランスフェクションがイン・ビボで実証されており、本願発明 の複合体の遺伝子治療,アンチセンス治療及び遺伝子による予防接種への利用性 を確認している。気道の、例えば気管支上皮のトランスフェクションは、例えば 嚢胞性線維症及び喘息の遺伝子治療のための利用を証明する。角膜内皮のトラン スフェクションは、例えば緑内障における角膜または角膜器官の移植に影響を与 える眼疾患の治療のための利用性を証明する。 高レベルのトランスフェクションは、本願発明の複合体を、望むタンパク質を 生産することができる宿主細胞、いわゆる“細胞工場”の製造に特に適したもの とする。長期間の生産のため、導入された核酸が宿主細胞のゲノムに編入される にせよ、されないにせよ、安定に維持されることが望ましい。そのことは直ぐに 確認され得る。既に示されているように、このように生産されたタンパク質の範 囲は広く、特定の及び産業上の利用のための酵素,治療及び予防において使用す るためのタンパク質,ワクチンにおいて使用するための免疫原及び診断に使用す るための抗原を含む。 本願発明は、高効率のトランスフェクションを可能とする非ウイルス性ベクタ ーを提供する。好ましい態様において、ベクターは4つの規格単位(modular)要 素;オリゴリジン,特に[K]16、DNAまたはRNA結合要素;高親和性インテグリン 結合ペプチド、例えば本願明細書に記載されているペプチド;DNAまたはRNA配列 であって、プラスミド中でもよく、ウイルス性のプロモーター及び増幅する要素 によって制御されてもよい;カチオン性リポソームDOTMA/DOPE(リポフェクチン )からなる。カチオン性リポソーム製剤DOTMA/DOPEとオリゴリジン−ペプチド/D NAまたはRNA複合体との組み合わせは、効能ある組み合わせである。または、DOP E/DOSPA製剤は、DOTMA/DOPE製剤の代わりに、または加えて使用することができ る。複合体形成に関連する可変部、及びLID複合体によるトランスフェクション 様式の至適化が実証されている。加えて、アトミックフォースマイクロスコピー (atomic forces microscopy)による分析が、複合体の構造を評価するために実 行されている。 至適なLIDトランスフェクション複合体の形成において最も重要な可変部は、3 つの成分の比率及びそれらの混ぜ合わせる順番であると考えられる。同じ組成物 が、試験される全ての細胞系に対して至適であると考えられる。 本願発明の複合体の作用メカニズムは、予想されない高レベルのトランスフェ クション、及びその高効率でトランスフェクトされ得る、驚くべき広範囲の細胞 のために、未だに解明されていない。 しかしながら、本願発明の結果としてなされた以下の観察は、脂質成分の役割 が、オリゴリジン−ペプチド/DNAまたはRNA複合体によって仲介されるトランス フェクション効率を増大することであることを示す。 LID(リポフェクチン/[K]16−ペプチド/プラスミド)複合体でのトランスフ ェクションレベルは、同じ仕込み比率で調製されたLKD(リポフェクチン/[K]16 /プラスミド)複合体またはLD(リポフェクチン/プラスミド)複合体でのもの より、3〜6倍高かった。これは、インテグリン−ターゲッティング部位、つまり ペプチドが、これらの複合体のトランスフェクション効率における重要な因子で あることを示す。 至適化されたLIDトランスフェクション複合体は、LD複合体での至適なトラン スフェクションに必要なリポフェクチンのたった1/7しか含有されていない。[K ]16−ペプチドがない至適なLID複合体においてと同じ、[K]16−ペプチド/−プ ラスミドに対するリポフェクチンの比率を含有する低比率のLD複合体でのトラン スフェクションは、必ずしも全ての細胞をトランスフェクトするわけではない。 これは、LID複合体におけるリポフェクチンの役割が、インテグリン受容体 結合ペプチドによって仲介されるトランスフェクションを増大することであるこ とを支持している。 さらに、我々は、LID及びID複合体の両方が、同じ大きさの球体粒子を形成す ることを見出した。しかしながら、至適なLD複合体が、幾つかの管関連(tubule -associated)粒子をもつ管状の(tubular)ネットワークを形成し、LID及びID のトランスフェクションからの、異なったタイプの細胞相互作用及びトランスフ ェクション機構を示唆している。 プラスミドDNAまたはRNAのインテグリン−ターゲッティングオリゴリジンペプ チドのオリゴリジン要素による縮合、及びその複合体のカチオン性の帯電は、リ ポフェクチンと会合したとき、高レベルの発現につながり、インテグリンターゲ ッティング部位、即ちペプチドは無関係である。LKD複合体とのトランスフェク ション実験は、LID複合体と同じ順番で、同じ仕込み比率で混合し、LDまたはKD 複合体より効率的であった。オリゴリジン要素及び組み合わされたインテグリン 結合成分/ポリカチオン性DNAまたはRNA結合成分Iのインテグリンターゲッティ ングペプチドドメインの相対的重要性の寄与を評価するため、LID複合体による トランスフェクションは、[K]16及び[K]16インテグリンターゲッティングペプチ ド6,[K]16GACRRETAWACG[SEQ.ID.NO.:18]の割合の範囲を含んで調製され る。トランスフェクション発現データは、[K]16ペプチド6の増加する量が、[K]1 6 、及びインテグリン−ターゲッティング(リガンド結合)ドメイン、即ちペプ チド6の量への用量依存性に代わる、複合体でのより高い効率性を示す。 至適なトランスフェクション複合体を形成するために一緒に混合される成分の 比率はまた、リポフェクチン仲介の増幅の可能な機構に関して情報を提供する。 リポフェクチンのDOTMA要素はカチオン性であり、複合体の活性を増幅するが、D OPEは、エンドゾーム膜を不安定化する能力を有し(Farhoodら,1995)、プラス ミドDNAまたはRNAのエンドゾームの放出を増大する。LID複合体の成分は、定ま った至適比で一緒に混合される。形成される粒子はまた、これらの要素を同じ比 率で含有すると推定される。そのため、プラスミドDNAまたはRNAからの3nmolの 負のチャージは、[K]16−ペプチドからの約21nmolの正のチャージと会合する。 しかしながら、リポフェクチンは、さらなる0.25nmolの正のチャージしか提供し ない。これは、予想に反して、リポフェクチンのLID複合体における増幅効果は 、関連するチャージではなく、DOPE成分の膜不安定化効果に関連し得ることを示 唆する。 作用機構の次に示す理論に限定されないが、トランスフェクションプロセスの 初期段階の次に示すモデルは、本願明細書に記載される観察に基くものであり、 LID複合体によるトランスフェクションの驚くべき、そして予想できないほど高 い有効性を説明するために提案され、その高い有効性は調査された全ての細胞タ イプにおいて見出される。 複合体は、リポフェクチン,オリゴリジン−ペプチド及びプラスミドDNAまた はRNAのランダムな会合によって静電的に形成される。オリゴリジン−ペプチド の相対的に高い比率は、プラスミド分子当りのインテグリン−ターゲッティング リガンドの高比率を確保する。1以上のプラスミドを含有し、何千ものオリゴリ ジン−ペプチドと会合し、そのため非常に高濃度のインテグリン−ターゲッティ ングリガンドを含有する粒子が形成される。リポフェクチンをオリゴリジン−ペ プチドと混合し、その後プラスミドDNAまたはRNAを添加することによって、3つ の成分全てを含有する複合体が形成される。その粒子は、高密度のリガンドのた め、細胞表面のインテグリンに対して高アビディティ(avidity)を有し、結合 して、貪食プロセスによって内在化される(Hartら,1994)。その小胞は融合し てエンドソームを形成し、酸性条件下、粒子内に含有されるDOPE要素がエンドソ ーム膜の不安定化及びその後のプラスミドの細胞質への放出を仲介する。リポフ ェクチンを欠く、貴食された粒子は、エンドソーム内で分解される。インテグリ ン−ターゲッティング部位を欠く粒子は、細胞結合及び内在化においてより低い 効率である。オリゴリジン−ペプチドのリポフェクチン及びオリゴリジン([K]1 6 )要素は両方とも、LID複合体の相対的な有効性に寄与するが、オリゴリジン/ ペプチド成分のインテグリン−ターゲッティング能力は、複合体の至適なターゲ ッティング及び内在化にとって重要であると考えられる。 次に示す、非限定的な例は、本願発明を例示するものである。例は、それに付 随する、以下の図を引用する。 図1は、種々の量のリポフェクチン(DOTMA/DOPE)の、リポフェクチン,オリ ゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA[SEQ.ID.NO.:19])及びプラスミ ドpGL2からなる複合体を用いるECV304細胞のトランスフェクションの増幅におけ る影響を示す。 図2は、種々の量のリポフェクチン(DOTMA/DOPE)の、リポフェクチン,オリ ゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA)及びプラスミドpGL2からなる複合体 を用いる、A375M,COS−7及びECV−40細胞のトランスフェクションの増幅におけ る影響を示す。 図3は、リポフェクチン(L),オリゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA )(I)及びプラスミドpGL2(D)からなる複合体の成分を混合する順番の、ECV4 0細胞のトランスフェクションの増幅における影響を示す。 図4は、プラスミドpGL2及びオリゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA,pe pl)またはオリゴリジン−ペプチド5([K]16GACDCRGDCFCA[SEQ.ID.NO.:20 ],pep5)またはオリゴリジン−ペプチド6([K]16GACRRETAWACG[SEQ.ID.NO .:21],pep6)または[K]16(K16)を含有し、リポフェクチン(lip)があるも のとないものの複合体、及びプラスミドpGL2を、リポフェクチン:[K]16リジン −ペプチド1が重量比4:1(Lipo4対1)で含有する複合体の、リポフェクチンに よるトランスフェクチンの増幅の比較を示す。 図5は、インテグリン結合リガンドのアベイラビリティにおける、リポフェク チン,オリゴリジン−ペプチド6([K]16GACRRETAWACG)及びプラスミドpGL2を含 有する複合体の用量依存性を示す。 図6は、種々の複合体の構造を示すものであり、アトミックフォースマイクロ スコピーを用いて決定されるように、その複合体は、次に示す、プラスミドDNA (プラスミドpGL2),オリゴリジン−ペプチド([K]16−ペプチド6)及びリポフ ェクチン;A:[K]16−ペプチド6及びプラスミドpGL2;B:[K]16−ペプチド6,リ ポフェクチン及びプラスミドpGL2;C:リポフェクチン及びプラスミドpGL2,至 適な比率;D:リポフェクチン及びプラスミドpGL2,次善の比率、の種々の組み 合わせで形成される。 図7は、COS−7細胞及び神経芽細胞系IMR−32,KELLY及びSHSY−5Yの、リポフ ェクチン,オリゴリジン−ペプチド6([K]16GACRRETAWACG)及びIL−12の2つの ドメイン(MFGS−IL12)またはCMVプロモーター下の融合遺伝子,Flexi−12を含 有する1つのプラスミドをコードする2つのレトロウイルスプラスミド構築物の1 つを含有する複合体でのトランスフェクションの48時間後の11−12の発現レベル を示す。 図8は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)でのトロンビンレセプター(P AR−1)へのトランスフェクションの、ヒト胎児性肺線維芽細胞(HFL−1細胞) のトロンビン誘導増殖における効果を示す。 図9は、造血細胞系HL60,PLB985,TF1及びU937の、リポフェクチン,そのレポ ーター遺伝子pEGFP−N1及び[K]16−ペプチド6(pep6)または[K]16−ペプチド8 (GGCRGDMFGCA[SEQ.ID.NO.:8],pep8)を含有するLID複合体でのトランス フェクションの、無処理の細胞と比較した効果を示す。GFPポジティブ細胞の割 合は、蛍光活性化セルソーターを用いて決定された。 材料及び方法 細胞系 細胞系COS−7(サル腎上皮細胞)は、10%ウシ胎児血清(FCS),L−グルタミ ン,ペニシリン及びストレプトマイシンを付加した、ダルベッコの修飾イーグル 培地(DMEM;Life Technologies,Paisley,U.K.)でメインテインした。ECV3 04(自然形質転換ヒト臍静脈内皮細胞)は、199培地(DMEM;Life Technologies ,Paisley,U.K.)で成育した。HT1080線維肉腫細胞及びA375Mメラノーマ細胞 は、DMEM及び10%FCS中でメインテインした。IMR2神経芽腫細胞は、DMEMF 12栄 養ミックス(Nutrient Mix)(Life Technologies)で成育した。細胞系は全て 、5%CO2水飽和雰囲気の37℃インキュベーターで成育した。ペプチド合成 ペプチド6の配列,GACRRETAWACGは、ファージディスプレーライブラリー(Koi vunenら,1995)からのα5β1特異性ペプチドに基く。オリゴリジン−ペプチド[ K]16GACRRETAWACGは、以下のように合成した。 保護アミノ酸及びプレロードした(preload)Gly−Wangレジン(resin)は、C albiochem−Novabiochem(Nottingham,U.K.)から取得した。溶媒及びHBTU[2 -(1H-benzotriazol-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyluronium hexafluorophosphate] は、Perkin−Elmer Applied Biosystems,U.K.から取得した。ペプチドは、Mo del 431A updated Applied Biosystems Solid Phase Synthesiserにおいて、0.1 mmolのプレロードしたGly−Wangレジン(Calbiochem−Novabiochem,Nottingham ,U.K.)上で、基本的なフィードバックモニタリングサイクル、及びカップリ ング試薬としてHBTUを用いて合成した。9−フルオレニルメチルオキシ−カルボ ニル(9-fluorenylmethyloxy-carbonyl)は、一時的なα−アミノ酸保護のため に用いた。側鎖の保護基は、Lys及びTrpに対してはテトラ−ブチルオキシカルボ ニルであり、Cysに対してはトリチル(trityl),Argに対しては2,2,5,7,8−ペ ンタメチルクロマン−6−スルフォニル(2,2,5,7,8-pentamethylchroman-6-sulp honyl),Gluに対してはテトラ−ブチルエステル及びThrに対してはテトラ−ブ チルエーテルであった。ペプチドのレジンからの切断及び脱保護は、ペプチジル (peptidyl)−レジンを10mlトリフルオロ酢酸,0.25mlエタンジチオール(etha nedithiol),0.25mlトリイソプロピルシランを含有する混合物10mlと20℃,2時 間処理することによって行った。ペプチドは、氷冷ジエチルエーテルを用いて沈 殿し、その後、微細に焼結されたガラスフィルターロートを通して、軽く吸引し てろ過した。ペプチド沈殿物は、10%酢酸/水溶液に溶解し、凍結乾燥した。粗 ペプチドは、逆相HPLC及びmatrix assisted laser desorption ionisation time of flight mass spectroscopyによって分析した。粗ペプチドの精製度は、逆相 HPLCで約70%であり、Finnegan LaserMatを用いたマス分析は、MH+イオンとして 3331.5の分子量を示し、MH+イオンとしての計算による分子量3331.46と非常によ く一致していた。 オリゴリジン−ペプチド1:[K]16GACRGDMFGCA及びオリゴリジン−ペプチド 5:[K]16GACDCRGDCFCAは、Zinsser Analytic(Maidenhead,U.K.)から取 得した。プラスミドDNA プラスミドpGL2はルシフェラーゼレポーター遺伝子(Promega,Madison,WI, U.S.A.)を含有し、及びpCMVβはβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子(C lontech,Palo Alto,California,U.S.A.)を含有し、大腸菌DH5aで成育さ れ、細菌のアルカリ溶解後、Qiagenレジンカラム(Qiagen Ltd.,Crawley,U. K.)において、製造者の取扱い説明書によって精製した。イソプロパノールで 沈殿させたDNAペレットは、70%エタノールで洗浄後、水またはTEバッファ(10m MTris−Cl,pH8.0及び1mMEDTA)に溶解した。 プラスミド溶液の分光光度計による測定は、プラスミド濃度(A260)及び精製 度(A260/A280比)を評価するために使用した。プラスミド溶液は、1mg/mlの濃 度に調製し、4℃で貯蔵した。トランスフェクション複合体の形成 細胞は、24ウェルプレートにウェル当り5×104細胞で種付けし、その後完全成 長培地で37℃,一晩インキュベートした。翌日、トランスフェクション複合体は 、次に示すストック溶液から作成した:OptiMEM(Life Technologies,Paisley ,U.K.),リポフェクチン(カチオン性脂質N-[1-(2,3-dioleyloxy)propyl]-N ,N,N-trimethylammonium chloride(DOTMA)及び中性脂質dioleoyl phosphatidy lethnolamine(DOPE)の等モル混合物で、Life Technologies,Paisley,U.K. から“Lipofectin”として取得される)(1mg/ml),pGL2−コントロール(1mg/ 100ml)及び[K]16/インテグリン−ターゲッティングペプチド1,5または6(0 .1mg/ml)において全て調製された。 複合体は通常、3つの成分で作製した:オリゴリジン−ペプチド(I),プラス ミドDNAまたはRNA(D)及びリポフェクチン(L)を、種々の成分と共に自動ピペ ットで混合した。混合物LIDは、同じ方法で、至適な重量比0.75:4:1(L:I:D )で作製した。両タイプの混合物は、少なくとも30分間、凝固させたままにした 後、OptiMEMで0.5ml当り1マイクログラムDNAの濃度に希釈した。成長メディウム は、各ウェルから除去した後、0.5mlのトランスフェクション複合体を加えた。 その後、プレートはインキュベーターに戻して、4〜6時間、置いた。その後、ト ランスフェクションメディウムは除去し、1mlの完全成長メディウムに置換した 。 トランスフェクトされた細胞は、48〜72時間、インキュベートした後、レポータ ー遺伝子活性についてアッセイした。ルシフェラーゼアッセイ pGL2で形質転換した細胞は、PBSで2回洗浄し、血清を除去した後、100μlのレ ポーター溶解バッファ(Promega,Madison,WI,U.S.A.)を各ウェルに添加 し、40℃で15〜30分間靜置した。その後、細胞は、黄色のマイクロピペットチッ プでばらばらにすることによって取り除いた。その後、細胞の無い溶解物は、ル シフェラーゼアッセイキット(Promega,Madison,WI,U.S.A.)を用い、そ の製造者の取扱い説明書に従って、調製し、アッセイした。総光放射は、LKB125 1ルミノメーター(Labtech,Uckfield,U.K.)において60秒間測定した。次に 、各サンプルのタンパク質濃度をタンパク質アッセイ試薬(BioRad,Hercules, CA,U.S.A.)で決定し、ルシフェラーゼの酵素活性は、ミリグラムタンパク 質当りの相対的光ユニット(RLU/mg)という表現で表した。Lac Z アッセイ β−ガラクトシダーゼ活性は、X−galで染色することによって検出した。PBS で洗浄後、細胞は、PBS中0.5%グルタルアルデヒドの添加によってプラスチック プレートに40℃で20分間固定化した。ウェルはPBSで洗浄し、細胞はX−galを用 いて、37℃で6時間まで染色した。アトミックフォースマイクロスコピー(AFM) トランスフェクション複合体のアトミックフォースマイクロスコープ分析は、 以前記載(Wolfert & Seymour,1996)したように、NanoScope II(Digital Ins truments,Santa,Barbara,U.S.A.)の部品,AFM−2を用いて行った。リポ フェクチンを有する及び有さない、[K]16−ペプチド6/pGL2のトランスフェク ション複合体は、全ての成分に対する希釈剤として、水をOptiMEMの代わりに用 いる点を除いて、上記のように調製した。例1 :種々の量のリポフェクチン(DOTMA/DOPE)のトランスフェクションにおけ る効果 トランスフェクション複合体は、上記「材料及び方法」の項で記載したように 調製した。その複合体は、OptiMEM低血清組織培養メディウム中0.1mg/mlのオリ ゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA)の溶液を、OptiMEM中1〜10μg/100μ lの濃度範囲のリポフェクチン(上記DOTMA/DOPEカチオン性リポソーム)溶液と 混合することによって作製した。最後に、適当量のpGL2−コントロールプラスミ ドDNA(0.1mg/ml)を添加し、繰り返してピペッティングすることによって混合 した。各成分の混合比は、μgDNA当り4μgオリゴリジン−ペプチドで一定である が、リポフェクチンの比率は、μgDNA当り1〜10μgに変化させた。ECV304細胞は 、上記のように複合体でトランスフェクトし、48時間インキュベートした後、上 記のようにルシフェラーゼ発現についてアッセイした。その結果は、図1に示す 。 マイクログラムプラスミド当り1μgリポフェクチン及び4μgオリゴリジン−ペ プチドで形成された複合体は、リポフェクチンを欠く複合体よりほぼ100倍活性 であった。より多量のリポフェクチンの添加は、リポフェクチンの用量依存的に 、トランスフェクション活性を減少した。 同様な結果が、[K]16−ペプチド6で得られた。例2 :種々の量のリポフェクチンの、3つの異なった細胞系における形質転換に対 する効果 次に、LIDトランスフェクション複合体におけるリポフェクチンの至適量をさ らに正確にするため、3つの異なった細胞系A375M(メラノーマ細胞),COS−7( サル腎臓上皮細胞)及びECV304(ヒト臍静脈内皮細胞)を用いて実験を行った。 トランスフェクション複合体は、例1に記載したように作製したが、より狭い 範囲のリポフェクチン量を用いた。リポフェクチン/オリゴリジン−ペプチド/ DNA複合体は、一定量の[K]16−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA)(4μg)及 びpGL2(1μg)プラスミドDNA、及びある範囲のリポフェクチン量(1〜2.5マイ クログラム)で調製した。複合体は、A375M,COS−7及びECV304細胞をトラン スフェクトするために使用し、次に、それらの細胞は、ルシフェラーゼ発現分析 のために2日後、回収した。 結果は、図2に示す。各々の場合において、至適なトランスフェクション比は 、マイクログラムプラスミドDNA当り0.75μgのリポフェクチンにピークがあった 。この成分量の組み合わせは、この後の全ての例で維持した。 L:I:Dの重量混合比0.75:4:1は、モル比0.5nmolリポフェクチン:1.25nmol オリゴリジン−ペプチド1:0.25pmol pGL2コントロールに相当する。各成分のモ ルチャージは、リポフェクチン1モル当り0.5モルの正のチャージ,モル[K]16 −ペプチド1当り17モルの正のチャージ及びモルpGL2(6kb)当り12,000モルの負 のチャージである。そのため、至適なトランスフェクション複合体において、プ ラスミドからの3nmolの負のチャージは、オリゴリジン−ペプチド1からの21nmol の正のチャージ及びリポフェクチンからの0.25nmolの正のチャージと混合する。 それゆえ、ID複合体における正対負のチャージ約7:1のチャージ比は、リポフェ クチンからの0.25nmolの正のチャージの、高効率のLIDトランスフェクション複 合体への加入によってほとんど変化しない。そのため、LID複合体のトランスフ ェクション効率における改善は、チャージと関連していないようである。例3 :複合体成分を混合する順番の影響 至適なLIDトランスフェクション複合体の製造手順を決定するため、複合体成 分を種々の順番で加えることによって作成した複合体を用いて、トランスフェク ションを行った。全ての組み合わせは、同量及び濃度の成分を用いて調製した( 1μg pGL2プラスミドDNA,0.75μgのリポフェクチン及び4μgのオリゴリジン− ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA))。トランスフェクションは、ECV304細胞で行 い、ルシフェラーゼ活性は、上記のように評価した。 結果は、図3に示し、DはプラスミドベクターpGL2を表し、Iは[K]16−ペプチド 1及びLはリポフェクチンを表す。発現データは、LIDを混合する順番が至適であ ることを示す。顕著なこととして、リポフェクチンが添加される最後の成分であ った組み合わせは、最も効果が少なかった。混合する順番、LIDは、全ての後の トランスフェクション実験に利用する。例4 :トランスフェクション率 細胞は、例1及び2で記載されたように、LIDを混合する順番であるが、pGL2の 代わりにプラスミドベクター(成分D)としてpCMVβを用いて調製した至適化さ れたオリゴリジン−ペプチド/リポフェクチン/pCMVβ複合体でトランスフェク トした。細胞は、上記のように、β−ガラクトシダーゼ活性についてX−galで染 色した。多くの細胞タイプA375M,COS−7及びECV304は、オリゴリジン−ペプチ ド/DNA複合体のみで達成される1〜10%に比べて、50〜100%のトランシフェクシ ョン効率を示した。これは、トランスフェクション効率における非常に顕著な改 善を表している。例5 :リポフェクチンでの増幅と別のオリゴリジン−ペプチドでの増幅との比較 別のインテグリン−ターゲッティングオリゴリジン−ペプチドの効果を比較す るため、2セットの複合体は、プラスミドpGL2及び以下に示すもののうちの1つで 形成した: オリゴリジン−ペプチド1([K]16GACRGDMFGCA,pep1), オリゴリジン−ペプチド5([K]16GACDCRGDCFCA,pep5), オリゴリジン−ペプチド6([K]16GACRRETAWACG,pep6),及び[K]16。 あるセットの複合体はまた、リポフェクチン(lip)を含有し、あるものはリポ フェクチンを有していなかった。プラスミドpGL2を、重量比4:1のリポフェクチ ン及び[K]16リジン−ペプチド1と共に含有するコントロール複合体を調製した。 各複合体は、細胞系をトランスフェクトするために用い、ルシフェラーゼ発現 を決定した。複合体は、(lip)と共にリポフェクチンなしに作製した。至適化 された複合体は、比較のために実施した。全てのオリゴリジン−ペプチドは、同 じ至適化されたチャージ比及び混合する順番で、リポフェクチン及びプラスミド DNA(KLD)と共に混合した。 結果は、図4に示す。KLD複合体は、通常KDまたはLD複合体より良好なトランス フェクション剤であるけれども、LID複合体は、KLD複合体より3〜6倍のルシフェ ラーゼ発現レベルを発生させた。オリゴリジン−ペプチド5を含有するLID複合体 からの発現レベルは、オリゴリジン−ペプチド1またはオリゴリジン−ペプチド6 を含有するものより2倍低く、これは、異なっているインテグリンレセプターの ペプチド親和性を反映していると言える。LID複合体のトランスフェクション増 幅は、試験された全てのペプチドで観察され、そのうちの2つ(ペプチド1及び5 )は、保存されたRGD配列を含有し、そのうちの1つ(ペプチド6)は含有してい ない。例6 :特異性 インテグリン特異性を実証するため、LID複合体は、一定量のプラスミドpGL2 −コントロール及びリポフェクチン、及び[K]16−ペプチド6及び[K]16の、ある 範囲の組み合わせで調製した。[K]16で40μgとする、1,5,10,20,35,39μg の[K]16−ペプチドからなる、計40μgの[K]16−ペプチドを用いた。 トランスフェクションは、例1に記載したように実施し、ルシフェラーゼアッ セイは、48時間後に実施した。結果は、図5に示す。トランスフェクション効率 は、オリゴリジン−ペプチド6の量の増加とともに、明らかに指数関数的な増加 を示し、そのため有効なインテグリン結合リガンドの量に用量依存の応答を示し た。従って、両方の16−リジンドメイン、及びリポフェクチン成分が、それ自身 、トランスフェクションを仲介することができる一方、個々に及び[K]16/リポ フェクチンの組み合わせにおいて、最も高い効率のトランスフェクションは、有 効なインテグリン結合リガンドの量に直接比例する。例7 :アトミックフォースマイクロスコピー アトミックフォースマイクロスコピー実験は、4μgの[K]16ペプチド6及び1μg のpGL2−コントロールプラスミドDNA(ID複合体)を混合することによって形成 される構造を決定し、比較するために実施した。LID複合体は、[K]16−ペプチド 6(4μg)/リポフェクチン(0.75μg)/DNA(1μg)から、至適なトランスフ ェクション結果を生じるように示されたLIDの順番で形成した。リポフェクチン /DNA複合体(LD)は、2つの異なった比;マイクログラムのpGL2当り5μgのリポ フェクチンという至適なトランスフェクション比及びマイクログラムのプラ スミド当り0.75μgのリポフェクチンという、LID複合体に用いるのと同じ比で実 施した。 結果は、図6に示す。ID複合体は、オリゴリジン−ペプチド6及びプラスミドDN Aで構成されているが、2つの成分を混合する15分間内で、最初にAFMによって検 査した。複合体は、雲母のカバーガラス上で約200nmの直径を有する低多分散系 の粒子を形成した。コンピューターで生じた輪郭地図は、形成された粒子が不均 整の円錐形であることを明らかにした。AFMによって評価されたLID複合体は、ID 複合体と同様な大きさで形状の粒子を形成した。付加的なリポフェクチンは、明 らかに、粒子を分離しない。しかしながら、5:1の比で形成されたLD複合体は、 管(tube)と会合する臨時の粒子との管のネットワークのようであった。しかし ながら、より低い比率(0.75:1)で形成されたLD複合体は、短い管構造であっ た。このより低い比率で形成されたLD複合体は、トランスフェクション実験で不 活性であった。 上記のように形成したLID複合体はまた、一晩放置後、AFMによって分析した。 粒子は今回、約50〜100nmの直径をもつ、より小さい大きさであり、粒子が圧縮 していたことを示していた。コンピューターで生じたコンピューター地図は、こ れらの粒子が均等な円錐構造であることを表していた。錐体を測定し、それらの 体積を算出した。そして、粒子が溶液中で自由であるときに形成すると予想され る球体は、直径20〜60nmであると算出された。pGL2を用いるトランスフェクショ ン実験において、一晩、水中で形成した緊密な粒子は、用事調製した複合体の約 2倍高いルシフェラーゼ発現結果を生じた。例8 :神経芽腫細胞のトランスフェクション 3つの異なったヒト神経芽腫細胞系、SHSY−5Y,KELLY及びIMR−32、及び1つの マウス神経芽腫細胞系、Nb2Aのトランスフェクションは、上記の材料及び方法の 章、及び例に記載したように、[K]16−ペプチド6,リポフェクチン及びリポータ ー遺伝子としてルシフェラーゼまたはGFPを含有するLID複合体を用いて至適化し た。 次に、この3つのヒト神経芽腫細胞系及びCOS−7細胞は、リポーター遺伝子の 代わりに、2つの異なったIL−12発現ベクターの1つをもつ、同じLID複合体を用 いてトランスフェクトした。1つのベクターは、IL−12の2つの鎖、p35及びp40の 融合タンパク質を発現する(Flexi−12;Andersonら,1997)。この融合は、CMV プロモーターによって制御される。第2のIL−12発現系は、2つのレトロウイルス 構築物MFGS−p35及びMFGS−p40からなり、インターロイキン−12(IL−12)の2 つの分離した鎖をコードするレトロウイルスプラスミド構築物である。両遺伝子 とも、レトロウイルスの長い末端リピート(LTRs)によって制御される。ベクタ ーは、Mary Collins教授,UCL,ロンドンから取得した。 分泌されたIL−12発現は、トランスフェクション48時間後、ELISAによってモ ニターした。トランスフェクトした細胞が、図3に見るように、高レベルのサイ トカインを分泌することが見出された。Flexi−12構造が最も効率的であった。 これらの結果は、本願発明のトランスフェクション系が、神経芽腫、重要な幼 児期悪性腫に対するワクチンにおける使用、また他の癌に対するワクチンに適し ていることを実証する。例9 :肺気管支上皮のイン・ビボでのトランスフェクション 至適なL:I:D比0.75:4:1で、順番LIDで混合した[K]16−ペプチド6及びリポ フェクチンからなるLID複合体は、リン酸バッファ食塩水(PBS)中に1mg/mlの濃 度のオリゴリジン−ペプチド溶液を用いる以外、上記材料及び方法の章で記載し た通りに作製した。他の成分は、水溶液中、濃度1mg/mlのリポフェクチン,核に 局在するベータガラクトシダーゼリポーター遺伝子pAB11をコードする、濃度1mg /mlのDNAであった。複合体の終体積を最少にするためにオリゴリジン−ペプチド を高濃度で使用し、生物適合性(bio-compatibility)のためにPBSをOptiMEMの 代わりに使用した。 ルイスラットを麻酔した後、気管支を通して気道に、37.51のリポフェクチン ,PBS 200μl中200μgの[K]16−ペプチド6及び水50μl中50μgのpAB11からなる 複合体287.5μlを投与した。そのラットを24時間後に屠殺し、肺を切り取り、固 定化してX−galで染色し、その後、切片標本として検査した。強い染色が、上気 道の気管支上皮で見とめられた。 この結果は、本願発明のトランスフェクション複合体の、肺及び気道に関する 疾患、例えば嚢胞性線維症及び喘息の遺伝子治療についての利用性を実証する。例10 :角膜内皮のイン・ビボでのトランスフェクション LID複合体は、イン・ビボでの肺トランスフェクションのために、例10に記載 したように作製した。LID複合体含有溶液は、マウスの前眼房に投与した。各ケ ースにおいて投与された溶液の体積は2μlであり、よって約0.2μgのpAB11プラ スミドDNAを輸送した。角膜内皮への効率的な遺伝子移動は、X−gal染色によっ て実証した。 この高いトランスフェクション率は、本願発明のトランスフェクション複合体 の、角膜に影響する眼疾患の治療、及び角膜移植についての利用性を実証する。例11 :一次平滑筋細胞及び心筋細胞のトランスフェクション ラットの一次平滑筋細胞(大動脈平滑筋細胞)及び心筋細胞の組織培養は、標 準的な方法(Blankら,1988)に従って調製した。至適なLID比及び混合する順番 において、リポフェクチン,[K]16−ペプチド6及びリポーター遺伝子としてのGF PからなるLID複合体は、上記の材料及び方法の章及び例において記載したように 調製した。組織培養は、LID複合体で、上記の材料及び方法の章において記載し たようにトランスフェクトした。GFP発現細胞の蛍光発光イメージは、50%を上 回るトランスフェクション効率を実証した。 一次平滑筋細胞及び心筋細胞は、ほとんどの他の非ウイルス性ベクターを用い るプラスミド仲介のトランスフェクションに対して特に抵抗性を示した。対照的 に、本願発明のトランスフェクション複合体は、50%を上回るトランスフェクシ ョン効率を達成し、ゆえに、その複合体の、平滑筋及び心筋を含む筋肉に影響す る疾患の治療に対する利用性を実証した。例12 :高分子量構築物でのトランスフェクション 種々の大きさの構築物は、本願発明のトランスフェクション複合体と共に輸送 され得る。線維芽細胞培養は、材料及び方法の章に記載したように、[K]16−ペ プチド6,リポフェクチン及び130kBのDNA構築物からなるLID複合体でトランスフ ェクトした。複合体は、至適な比率及び混合する順番のLID成分からなり、上記 の方法及び材料の章、及び例に記載したように調製した。トランスフェクション は、2〜3%の効率で達成した。 本願発明の複合体を用いる、増幅したインテグリン仲介のDNAの内在化と関連 した細胞プロセスは、エンドサイトーシスより貪食作用に密接に関連し、ゆえに 、非常に大きなDNA分子を含有する複合体の輸送に特に適している。例13 :アンチセンスDNAでのトランスフェクション トロンビンは、ヒト肺線維芽細胞の増殖を刺激する。トロンビン処理したヒト 肺線維芽細胞(HFL−1細胞)は、トロンビンに対する応答において53%拡大する 。トロンビンとの処理の24時間前に、HFL−1細胞は、上記の材料及び方法の章、 及び例において記載したように調製された至適な比率及び混合する順番で、[K]1 6 −ペプチド6,リポフェクチン及び、トロンビンレセプターPAR−1に指向性の20 量体のアンチセンスオリゴヌクレオチドからなるLID複合体と処理した。アンチ センスオリゴヌクレオチド含有複合体は、4時間、細胞と接触させた。複合体と の処理の開始から24時間後、トロンビンとの処理を実行した。 トロンビン誘導の増殖は、LID複合体との前処理によって、76%±12%まで減 少した。トロンビンではなくて、アンチセンス含有複合体で処理した細胞は増殖 しなかった。 この結果は、本願発明の複合体の、アンチセンス療法に要求されるように、例 えば抗ウイルス及び抗癌療法ためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの効率的な 細胞内輸送への利用性を実証した。例14 :造血細胞のトランスフェクション 造血細胞は、ほとんどのプラスミド仲介ベクターでのトランスフェクションに 特に抵抗性を示す。 LID複合体は、上記の材料及び方法の章及び例に記載したように、リポフェク チン及び[K]16−ペプチド6を用いて調製し、α5β1インテグリンを、及びリポ ーター遺伝子としてのpEGFP−N1(Promega)を標的とする。複合体は、[K]16− ペプチド6の代わりに[K]16−ペプチド8([K]16−ペプチドGACQIDSPCA SEQ.ID .NO.:21)を用いて同様に調製し、α4β1インテグリンを標的とする。複合体 は、上記の材料及び方法の章及び例に記載したように、成分を至適な比及び混合 する順番で混合することによって調製した。 4つの異なった造血細胞系(HL60,PLB985,TF1及びU937)は、以下の修飾を 加えて、材料及び方法の章に記載したようにトランスフェクトした:トランスフ ェクション前に、細胞を処理しないか、またはTF1細胞に対してGm−CSF(10ng/m l)もしくは他の3つの細胞系に対してホルボールミリスチン酸(PMA)で処理し た。pEGFP−N1を含有するLID複合体でのトランスフェクションは、蛍光活性化セ ルソーターで測定したように、全ての4つの系において60%以上のトランスフェ クション効率を生じた(図8参照)。 これらの結果は、本願発明のトランスフェクション複合体の、例えば白血病及 び骨髄幹細胞障害の遺伝子治療などの造血細胞に関連する遺伝子治療のための利 用性を実証した。この事実は、上記で指摘したように、造血細胞がプラスミド仲 介のほとんどのベクターでのトランスフェクションに特に抵抗性であるため、特 に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (i) 核酸, (ii) インテグリン結合成分, (iii) ポリカチオン性核酸結合成分、及び (iv) 脂質成分 からなる複合体。 2. インテグリン結合成分がインテグリン結合ペプチドである、請求項1に記 載の複合体。 3. ペプチドが天然由来のインテグリンリガンドのインテグリン結合ドメイン の全てまたは一部からなる、請求項2に記載の複合体。 4. インテグリン結合ペプチドが保存されたアミノ酸配列アルギニン−グリシ ン−アスパラギン酸(RGD)からなる、請求項3に記載の複合体。 5. RGD配列からなるペプチドが、RGD配列の立体配座の自由が制限されている 環状領域を有する、請求項4に記載の複合体。 6. 環状ペプチドが、1以上のジスルフィド結合を形成する2以上のシステイ ン残基を有する、請求項5に記載の複合体。 7. ペプチドが、配列CRGDMFGC(配列番号5)からなる、請求項6に記載の複 合体。 8. ペプチドが、配列GGCRGDMFGC(配列番号6),GGCRGDMFGCG(配列番号7 ),GGCRGDMFGCA(配列番号8)またはGACRGDMFGCA(配列番号9)からなる、請 求項7に記載の複合体。 9. ペプチドが、配列GACDCRGDCFCA(配列番号10)からなる、請求項6に記載 のペプチド。 10.ペプチドが、配列CRRETAWAC(配列番号13)からなる、請求項2に記載の ペプチド。 11.配列GACRRETAWACA(配列番号11)またはGACRRETAWACG(配列番号12)から なる、請求項10に記載のペプチド。 12.配列GAGPEILDVPST(配列番号14),GACQTDSPCA(配列番号15)または GACRRETAWACGKGACRRETAWACG(配列番号16)からなる、請求項2記載のペプチド 。 13.核酸成分が、遺伝子治療,遺伝子ワクチンまたはアンチセンス治療である 遺伝子であるか、または関連する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複合体 。 14.核酸のための転写及び/または翻訳制御要素が提供され、核酸がファージ またはベクターに包まれていてもよい、請求項1〜13のいずれか一項に記載の複 合体。 15.核酸成分がDNAである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の複合体。 16.核酸成分がRNAである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の複合体。 17.核酸結合成分が、3から100のカチオン性モノマーを有する、請求項1〜1 6のいずれか一項に記載の複合体。 18.ポリカチオン性核酸結合成分が、オリゴリジンである、請求項1〜17のい ずれか一項に記載の複合体。 19.オリゴリジンが、10から20、特に16のリジン残基を有する、請求項18に記 載の複合体。 20.脂質成分が、カチオン性リポソームであるか、または形成することができ る、請求項1〜19のいずれか一項に記載の複合体。 21.脂質成分が、カチオン性脂質及び、膜を不安定化ずるまたはフソジェニッ クな(fusogenic)性質を有する脂質から選択される1以上の脂質であるか、ま たは構成される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の複合体。 22.脂質成分が、中性脂質ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE )または、膜を不安定化するまたはフソジェニックな(fusogenic)、同様な性 質を有する脂質であるか、または構成される、請求項21に記載の複合体。 23.脂質成分が、カチオン性脂質N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル] −N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)またはカチオンとしての 同様な性質を有する脂質であるか、または構成される、請求項21または22に記載 の複合体。 24.脂質成分が、DOPE及びDOTMAの混合物、特にその等モル混合物であるか、 または構成される、請求項23に記載の複合体。 25.脂質成分としてDOPE及びDOTMAの等モル混合物、インテグリン結合成分と してインテグリン結合ペプチド、ポリカチオン性核酸結合成分として[K]16から なる、請求項24に記載の複合体。 26.脂質成分:インテグリン結合/ポリカチオン性核酸結合成分:核酸の比が 、重量比0.75:4:1またはモルに基いて0.5nmol:1.25nmol:0.25nmolである 、請求項24または25に記載の複合体。 27.脂質成分が、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2−(スペルミジンカルボキサ ミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウム−トリフルオリドアセ テート(DOSPA)または、DOSPAと同様な性質を有する脂質であるか、または構成 される、請求項1〜24のいずれか一項に記載の複合体。 28.脂質成分が、DOPE及びDOSPAの複合体、特に、重量でDOPE1部に対して重 量でDOSPA3部の混合物であるか、または構成される、請求項27に記載の複合体 。 29.脂質成分としてDOPE及びDOSPAの混合物、インテグリン結合成分としてイ ンテグリン結合ペプチド、ポリカチオン性核酸結合成分として[K]16からなる、 請求項28に記載の複合体。 30.脂質成分:ポリカチオン性核酸結合成分:核酸の比が、重量で12:4:1 である、請求項29に記載の複合体。 31.成分(i),(ii),(iii)及び(iv)を混合することからなる、請求項1〜30の いずれか一項に記載の複合体を製造する方法。 32.成分が、次の順番:脂質成分,インテグリン結合成分/ポリカチオン性核 酸結合成分,核酸で混合される、請求項31に記載の方法。 33.請求項31または32に記載の方法によって得られる、請求項1〜30のいずれ か一項に記載の複合体。 34.インテグリン結合成分,ポリカチオン性核酸結合成分及び脂質成分からな る混合物。 35.インテグリン結合成分が、請求項2〜12のいずれか一項に規定の、請求項 34に記載の混合物。 36.ポリカチオン性核酸結合成分が、請求項17〜19のいずれか一項に規定の、 請求項34または35に記載の混合物。 37.脂質成分が、請求項20〜24,27及び28のいずれか一項に規定の、請求項34 〜36のいずれか一項に記載の混合物。 38.脂質成分としてDOPE及びDOTMAの等モル混合物、インテグリン結合成分と してインテグリン結合ペプチド、ポリカチオン性核酸結合成分として[K]16から なる、請求項34に記載の複合体。 39.脂質成分:組み合されたインテグリン結合/ポリカチオン性核酸結合成分 の比が、重量で0.75:4である、請求項38に記載の混合物。 40.核酸を、請求項34〜39のいずれか一項に記載の混合物に組み入れることか らなる、請求項1に記載の複合体を製造する方法。 41.細胞をイン・ビトロまたはイン・ビボで請求項1〜30または33のいずれが 一項に記載の複合体と接触させることからなる、細胞を核酸でトランスフェクト する方法。 42.医薬的に適した担体と混合または結合した、請求項1〜30または33のいず れか一項に記載の複合体からなる医薬組成物。 43.請求項1〜30または33のいずれか一項に記載の複合体をヒトまたは非ヒト の動物に投与することからなる、遺伝子における欠損及び/または欠失によって ヒトまたは非ヒトの動物において生じる状態の治療または予防のための方法。 44.請求項1〜30または33のいずれか一項に記載の複合体をヒトまたは非ヒト の動物に投与することからなる、ヒトまたは非ヒトの動物の治療的または予防的 免疫のための方法。 45.請求項1〜30または33のいずれか一項に記載の複合体をヒトまたは非ヒト の動物に投与することからなる、アンチセンス治療の方法。 46.薬剤またはワクチンとしての使用のための、請求項1〜30または33のいず れか一項に記載の複合体。 47.遺伝子における欠損及び/または欠失によってヒトまたは非ヒトの動物に おいて生じる状態の予防のための、または治療的または予防的な免疫のための、 またはアンチセンス治療のための薬剤の製造のための、請求項1〜30または33の いずれか一項に記載の複合体の使用。 48.成分(i)インテグリン結合成分,(ii)ポリカチオン性の核酸成分、及び(ii i)脂質成分からなるキット。 49.また、(a)核酸の発現に適したプラスミドまたはベクターであって、プラ スミドまたはベクターは空か、もしくは核酸からなり、または(b)核酸からなる 、請求項48記載のキット。 50.成分(i)〜(iii)が、請求項2〜29のいずれか一項に規定の、請求項48また は49に記載のキット。 51.(i)核酸,(ii)インテグリン結合成分,(iii)ポリカチオン性の核酸成分、 及び(iv)脂質成分からなる薬剤の製造のための請求項20〜24,27及び28のいずれ か一項に規定の脂質成分の使用。 52.(i)核酸,(ii)インテグリン結合成分,及び(iii)ポリカチオン性の核酸成 分を用いて細胞をトランスフェクトするための方法であって、脂質成分が、成分 (i)〜(iii)に加えて用いられることを特徴とする前記方法。 53.脂質成分が、請求項20〜24,27及び28のいずれか一項に規定の、請求項51 に記載の使用または請求項52に記載の方法。 54.細胞を、請求項1〜30または33のいずれか一項に記載の複合体と接触させ ることからなる、核酸を宿主細胞中で発現させるための方法。 55.細胞をイン・ビトロで、請求項1〜30または33のいずれか一項に記載の複 合体でトランスフェクトすることからなり、複合体の核酸成分がタンパク質をコ ードし、細胞にタンパク質を発現させ、タンパク質を取得する、タンパク質を製 造する方法。
JP55077198A 1997-05-29 1998-05-29 トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター Expired - Fee Related JP4293292B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9711115.7 1997-05-29
GBGB9711115.7A GB9711115D0 (en) 1997-05-29 1997-05-29 Integrin-targeting vectors having enhanced transfection activity
PCT/GB1998/001577 WO1998054347A1 (en) 1997-05-29 1998-05-29 Integrin-targeting vectors having transfection activity

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002502243A true JP2002502243A (ja) 2002-01-22
JP2002502243A5 JP2002502243A5 (ja) 2005-12-08
JP4293292B2 JP4293292B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=10813246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP55077198A Expired - Fee Related JP4293292B2 (ja) 1997-05-29 1998-05-29 トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター

Country Status (9)

Country Link
US (2) US6458026B1 (ja)
EP (1) EP1003898B1 (ja)
JP (1) JP4293292B2 (ja)
AT (1) ATE301722T1 (ja)
AU (1) AU7667398A (ja)
CA (1) CA2288840A1 (ja)
DE (1) DE69831156T2 (ja)
GB (1) GB9711115D0 (ja)
WO (1) WO1998054347A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530771A (ja) * 2002-05-08 2005-10-13 ユニバーシティ カレッジ ロンドン 生物学的活性物質の細胞への運搬に適した複合体

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100866666B1 (ko) 2000-04-12 2008-11-04 지이 헬스케어 에이에스 펩티드 기재 화합물
JP2003534804A (ja) * 2000-05-30 2003-11-25 アイシーエイチ プロダクションズ リミテッド トランスフェクションの改良方法
EP1178117A1 (en) * 2000-08-02 2002-02-06 Erasmus Universiteit Rotterdam Targeting through integrins
NO20004795D0 (no) 2000-09-26 2000-09-26 Nycomed Imaging As Peptidbaserte forbindelser
US8613907B2 (en) * 2000-10-12 2013-12-24 University Of Rochester Compositions that inhibit proliferation of cancer cells
GB0106315D0 (en) 2001-03-14 2001-05-02 Ich Productions Ltd Transfection complexes
JP4323949B2 (ja) * 2001-05-30 2009-09-02 ザ・スクリプス・リサーチ・インステイチユート 核酸用送達系
EP1404371B1 (en) 2001-07-10 2019-03-13 GE Healthcare UK Limited Peptide-based compounds for targeting intergin receptors
US7598421B2 (en) 2002-05-08 2009-10-06 Ucl Biomedica Plc Materials for the delivery of biologically-active material to cells
WO2004096140A2 (en) * 2003-04-25 2004-11-11 The Penn State Research Foundation Method and system for systemic delivery of growth arresting, lipid-derived bioactive compounds
GB0313132D0 (en) * 2003-06-06 2003-07-09 Ich Productions Ltd Peptide ligands
US8507277B2 (en) 2003-10-24 2013-08-13 Gencia Corporation Nonviral vectors for delivering polynucleotides
US8062891B2 (en) 2003-10-24 2011-11-22 Gencia Corporation Nonviral vectors for delivering polynucleotides to plants
US20090123468A1 (en) 2003-10-24 2009-05-14 Gencia Corporation Transducible polypeptides for modifying metabolism
US8133733B2 (en) 2003-10-24 2012-03-13 Gencia Corporation Nonviral vectors for delivering polynucleotides to target tissues
ES2411962T3 (es) 2003-10-24 2013-07-09 Gencia Corporation Métodos y composiciones para suministrar polinucleótidos
BRPI0707679A2 (pt) * 2006-02-01 2011-05-10 Tjhe Johns Hopkins University conjugado de polipetÍdeo - Àcido nuclÉico para imunoprofilaxia ou imunoterapia para distérbios neoplÁsticos ou infecciosos
US10034674B2 (en) * 2006-02-02 2018-07-31 Steven C Chudik Universal anterior cruciate ligament repair and reconstruction system
GB0610636D0 (en) * 2006-05-30 2006-07-05 Univ London Materials and complexes for the delivery of biologically-active material to cells
KR20100063048A (ko) * 2007-07-31 2010-06-10 더 존스 홉킨스 유니버시티 신생물성 또는 감염성 장애의 면역예방 또는 면역치료를 위한 폴리펩티드-핵산 접합체
DK2252627T3 (en) * 2008-01-24 2017-08-14 Esperance Pharmaceuticals MERGER CONSTRUCTION WITH LYTIC DOMAIN AND METHOD FOR PRODUCING AND USING SAME.
CN102265158A (zh) 2008-12-23 2011-11-30 通用电气健康护理有限公司 99mTc肽基化合物作为骨髓成像剂的应用
CN118271422A (zh) 2015-08-28 2024-07-02 分子传递有限公司 转染络合物和其使用方法
CN108779074A (zh) 2016-03-01 2018-11-09 分子传递有限公司 植物病毒移动蛋白和其使用方法
GB201604235D0 (en) 2016-03-11 2016-04-27 Ucl Business Plc Lipids and complexes for the delivery of biologically-active material to cells
GB201803419D0 (en) * 2018-03-02 2018-04-18 Ucl Business Plc Complex for the delivery of cas9 proteins guide RNA to cells

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5981478A (en) 1993-11-24 1999-11-09 La Jolla Cancer Research Foundation Integrin-binding peptides
JPH10509166A (ja) 1994-11-17 1998-09-08 インペリアル カレッジ オブ サイエンス,テクノロジー アンド メディシン ポリ−l−リシン及びインテグリンレセプターリガンドの複合体を用いた、dnaのインターナリゼーション
EP0874910A4 (en) 1995-06-07 1999-04-21 Life Technologies Inc ENHANCED CATIONIC LIPID TRANSFECTION BY PEPTIDES
US5908777A (en) 1995-06-23 1999-06-01 University Of Pittsburgh Lipidic vector for nucleic acid delivery

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530771A (ja) * 2002-05-08 2005-10-13 ユニバーシティ カレッジ ロンドン 生物学的活性物質の細胞への運搬に適した複合体

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998054347A1 (en) 1998-12-03
ATE301722T1 (de) 2005-08-15
GB9711115D0 (en) 1997-07-23
US20030013644A1 (en) 2003-01-16
CA2288840A1 (en) 1998-12-03
EP1003898B1 (en) 2005-08-10
DE69831156T2 (de) 2006-06-08
US6458026B1 (en) 2002-10-01
EP1003898A1 (en) 2000-05-31
JP4293292B2 (ja) 2009-07-08
DE69831156D1 (de) 2005-09-15
US20020042384A1 (en) 2002-04-11
AU7667398A (en) 1998-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002502243A (ja) トランスフェクション活性を有するインテグリン−ターゲッティングベクター
Kang et al. Peptide-based gene delivery vectors
Pichon et al. Histidine-rich peptides and polymers for nucleic acids delivery
Gigante et al. Non-viral transfection vectors: are hybrid materials the way forward?
Liang et al. Endosomal escape pathways for non-viral nucleic acid delivery systems
AU722700B2 (en) Lipophilic peptides for macromolecule delivery
US7514530B2 (en) Peptide carrier for delivering siRNA into mammalian cells
AU705035B2 (en) Nucleic acid transporters for delivery of nucleic acids into a cell
US20070255041A1 (en) Bioengineered Vehicles for Targeted Nucleic Acid Delivery
US7019113B2 (en) Reversible modification of membrane interaction
Cryan et al. Increased intracellular targeting to airway cells using octaarginine-coated liposomes: in vitro assessment of their suitability for inhalation
Heitz et al. Stereoselective pH responsive peptide dendrimers for siRNA transfection
US8137693B2 (en) Drug delivery nanocarriers targeted by landscape phage
EP1506218B1 (en) Reversible modification of membrane interaction
JP2003534804A (ja) トランスフェクションの改良方法
Aschmann et al. Lipid-Based Nanoparticle Functionalization with Coiled-Coil Peptides for In Vitro and In Vivo Drug Delivery
EP4238581A1 (en) Targeted delivery of oligonucleotides into eukaryotic cells using hybrid maltose/cyclodextrin polyplexes
US20040014217A1 (en) Methods of transfection
Midoux et al. Peptide-based gene delivery systems
JP2022173834A (ja) 人工ウイルスキャプシド
Kwon Multi-component peptide vehicles for neuronal gene delivery

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050513

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080123

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080303

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080222

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081001

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081104

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081215

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081201

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090331

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees