JP2002536011A - 繊 維 - Google Patents

繊 維

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JP2002536011A
JP2002536011A JP2000598616A JP2000598616A JP2002536011A JP 2002536011 A JP2002536011 A JP 2002536011A JP 2000598616 A JP2000598616 A JP 2000598616A JP 2000598616 A JP2000598616 A JP 2000598616A JP 2002536011 A JP2002536011 A JP 2002536011A
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cell
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クリストファー・ルイス・アイブズ
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Abstract

(57)【要約】 その口のところまたはその内部で細胞が付着し培養条件下で生育する、少なくともひとつの上部開放型の溝を形成した繊維を用いて培養を効果的なものとする真核細胞の培養方法。溝の深さが繊維直径の2/3以下、且つ未展開細胞の幅(通常10〜20μm)以上であり、溝の幅が繊維半径の1/2以下である上部開放型の溝を有する繊維。種々の大きさと勾配タイプの生育因子が、生育を制御するように表面への拡散を許容しつつトラップされている上記繊維。生育細胞が生体内で機能組織更新物を産生するように上記繊維を含んでなる細線維細胞足場(scaffold)組成物。透過性の平らな表面(即ち、半透膜)に平行に配列され細胞が植え付けられる上記繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は繊維に関する。特に限定的ではないが、より詳細には、本発明は、例
えば、組織の修復、生体外での細胞培養および/または臓器培養のための細胞増
殖もしくは細胞培養に使用するための繊維および該繊維を含有する材料に関する
【0002】 (背景技術) 創傷治癒において損傷皮膚に移植または適用する医療器具には、周辺組織と血
液との相互作用における予測性が随意に要求される。該器具が細胞増殖用テンプ
レートとして機能する場合があり、また、場合によっては、該器具に細胞が既に
接種されていてもよい。固定化のために強い組織増殖が要求される器具があり、
また、別の器具は最小の相互作用のときに最良の機能を発揮する。生体用材料と
細胞表面を理解することは、どのようなタンパク質の吸着が発生し、また、細胞
がどのようにして接着し、移動し、または活性/不活性な反応/変換を示すかを予
測するのに明らかに重要である。生体用材料表面に対する重要な決定要素は疎水
性/親水性バランス、表面電荷、サイズ、方向、対イオン、巨視的もしくは微視
的な物理的サイズ、幾何学的形態、表面の粗さ/平滑性および機械的特性(弾性
)に関連する表面化学的特性である。
【0003】 創傷の治療における組織の増殖用基体または培養細胞移送用キャリヤーとして
機能する基体は、通常はコラーゲンを基材とするものである。この場合、コラー
ゲン基体は、通常は要求される細胞の増殖型と表現型に対して特異的でなければ
ならず、また、該基体上で増殖する細胞の分泌および複製状態は要求されるよう
にならないことがある。
【0004】 細胞の遺伝子発現と表現型を決定するのは特異的および非特異的な物理化学的
な力であり、細胞発現はその状態適応性を決定する。例えば、特定の基体上で増
殖させた細胞の末端分化は阻害される。この例は、アダムスとワットによって、
角化細胞について指摘されている。従って、人工的な細胞用基体として非コラー
ゲン表面を使用することの関心は、移動性遺伝子型機能を保持することである。
基体がコラーゲン、ビトロネクチンまたは血栓スポンジンであろうと、細胞への
付着はインテグリンを介する細胞-表面レセプターとなる。
【0005】 三次元構造の表面に接種された細胞は二次元的にしか増殖せず、また、基体に
応じて逆のことも言える。ある場合、例えば、神経の再生の場合には、付着と増
殖の予測性だけでなく、方向性があることも望ましい。神経の再生の場合、この
ことは、軸索がその元の鞘の方向へ増殖することができることを意味する。同様
に、細胞は特定の方向へ増殖するだけでなく、細胞群が同じ方向へ増殖するのが
望ましい。随意筋の場合、筋腹は長軸方向に平行配列した筋細胞から構成される
。血管のような臓器は、先行層に対して90°の方向に配列された異層を有する
筋繊維層に依存する。
【0006】 歴史的には、細胞案内に関する研究によれば、細胞は、表面の変形方向(スク
ラッチ)に沿って移動させることができる。カーターら(ハプトラクシス)は流
体剪断作用(エスキンらおよびイヴェスら)および軸方向歪(イヴェスら)に関
する研究の影響を受けている。他の研究者によれば、細胞増殖はFn分子の配列
によって方向づけられることが明らかにされている。
【0007】 米国特許第5610148号(出願人:ロバート ブラウン;発明の名称:巨
視的に配列された細胞接着性タンパク質)明細書には、細胞接着性タンパク質で
あるフィブロネクチン(Fn)の原繊維を含む繊維の製造法が記載されている。
該タンパク質は、変性されてポリマー鎖が凝集と沈殿をもたらす一方向の剪断作
用によって配列されたタンパク質である。この種の繊維に接種された細胞は、細
胞接着結合部位が長手方向に配列される結果、方向性のある細胞増殖を示す。
【0008】 (発明の開示) 本発明の第一の観点によれば、真核細胞の培養法であって、少なくとも一つの
開口経路(channel)または溝を有する繊維を用いて該細胞の培養を行い、該溝
の口部上または口部内において、個々の細胞を培養条件下で接着させて増殖また
は生育させることを含む真核細胞の培養法が提供される。
【0009】 (発明を実施するための最良の形態) 繊維は、以下においてさらに詳述するするような細胞増殖用構造を有する形態
で使用してもよい。
【0010】 本発明の第一の観点によれば、真核細胞の培養は開口経路を有する繊維上で行
う。この場合、繊維の材質は細胞が付着できるものである。この種の経路は細胞
増殖において種々の有利な効果をもたらす。従って、以下においてさらに詳述す
るように、細胞の大きさと経路の大きさは、細胞が経路の内部に完全に位置して
繊維材料に付着するように関連づけられる。ここでは、この種の経路は「トラフ
(trough)」とも呼ぶ。この場合、細胞は、繊維が供給されるバルク相の環境か
ら保護される。さらに、経路の表面は、細胞増殖に対して特別な効果がもたらさ
れるように処理してもよい。細胞の増殖方向は経路の長手方向に沿っていてもよ
い。あるいは、細胞が経路の口部上に位置するように、細胞の大きさを経路の大
きさに関連付けてもよい。この種の経路はここでは「溝(groove)」とも呼ぶ。
この場合、細胞増殖は経路によって案内されてもよい。
【0011】 常套の生体外細胞培養は、非多孔質で、表面積対体積比が小さく、平坦な二次
元的硬質基体上において伝統的に行われている。繊維は、体積に対して大きな表
面積を有する表面上での細胞増殖の機会をもたらして取扱い性を改良する。培養
条件および繊維表面の化学的特性と幾何学的特性を調整することによって、細胞
の相互作用を予測することができる。
【0012】 細胞は、例えば、軟骨細胞、心筋細胞、造血細胞、筋原細胞、上皮細胞、内皮
細胞、線維芽細胞および間葉由来細胞から選択してもよい。
【0013】 必ずしも必要ではないが、繊維は円形断面を有していてもよい。経路は繊維軸
に対して平行直線状に延びているのが一般的であるが、経路は繊維の長手方向に
沿って延びる他の形態、例えば、螺旋状形態を有していてもよい。経路は繊維の
全長にわたって伸びていてもよく、あるいは経路の一端または両端は繊維の全長
よりも短い部位に存在していてもよい。繊維は、例えば、一般的には相互に平行
に延びた2本またはそれよりも多くの経路を有していてもよい。あるいは、経路
は繊維の軸を横切って延びていてもよい。
【0014】 繊維の長さは1〜1000mm、より好ましくは5〜500mmであり、また
、繊維の好ましい直径は10〜100μmである。
【0015】 経路は、繊維の直径(最大断面の大きさ)の2/3よりも大きくはなく、かつ
、非拡散細胞の幅(一般的には10〜20μm)よりも小さくはない深さを有す
るのが好ましい。経路の深さは半径の半分よりも大きくないのが好ましい。この
種の繊維は本発明の別の観点を提供する。
【0016】 繊維の一つの態様においては、経路の深さはその幅よりも小さくてもよい。別
の態様においては、経路の深さはその幅よりも大きくてもよく、または該幅と等
しくてもよい。
【0017】 本発明による繊維の好ましい態様においては、経路はそれぞれ少なくとも20
μmの幅と深さを有する。この種の繊維は本発明の別の観点を提供する。
【0018】 繊維の経路はいずれかの所望の形態、例えば、U形形態、長方形状もしくは正
方形状のU形形態またはV形形態を有していてもよい。繊維はその断面において
、複数(例えば、3)の、好ましくは対称に配置されたローブ(lobe)を含んで
いてもよく、経路は隣接するローブ間に限定される。
【0019】 30μmの繊維の好ましい寸法を以下の表1および表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】 上記の好ましい寸法は、幅が30μm以外の繊維に対しても容易に適合させる
ことができる。
【0023】 繊維は生分解性のバイオポリマーまたはこれらの混合物を含有するのが好まし
い。この種のポリマーとしては次のポリマーが例示される:アルギン酸塩(例え
ば、アルギン酸カルシウム)、カルボキシメチルセルロース、メトキシペクチン
、キトサン、キトサン誘導体(例えば、キトサングルタメート)およびヒアルロ
ン酸。
【0024】 繊維の経路はタンパク質被覆層を有していてもよい。
【0025】 本発明による繊維は、繊維の製造材料の溶液を凝固浴中へオリフィスを通して
紡糸することによって調製してもよい。オリフィスは、経路を有する形態の繊維
が固化するように改造してもよい。あるいは、オリフィスを彫刻装置と併用する
ことによって、形成される経路を切断した繊維にしてもよい。いずれの場合にお
いても、凝固浴は繊維の表面へ吸着/吸収される成分を含有していてもよい。繊
維の別の製造法としては静電紡糸法、溶剤蒸発法および溶融押出法が挙げられる
【0026】 経路(「溝」もしくは「トラフ」)は次の工程によって形成してもよい。 (1)溝もしくはトラフは、多数の孔を有する紡糸口金またはオリフィスを通過
させる溶液の押出しによって形成させる。オリフィスは1個もしくは複数個の溝
および/またはトラフを有する円形状オリフィスであってもよい。溝は1個の細
胞の大きさ(幅:5〜10μm)または複数個の細胞の大きさを有するのが好ま
しい。
【0027】 溝またはトラフは鋭利なブレードもしくは彫刻具を用いて繊維を彫刻すること
によって形成させてもよい。あるいは、繊維の粗面上の通過によって切込みを形
成させてもよい。表面の粗さは、溝/トラフの形態を有する微小突起(ピーク凸
状部)によって表面に付与してもよい。これらは、種々の繊維を彫刻するのに適
当な間隔で配置される。切込みは繊維製造過程の種々の段階、即ち、フィラメン
トの沈殿後、延伸後、洗浄後または乾燥後に形成させてもよい。フィラメントを
短時間凝固浴中へ沈殿させた後、繊維に溝を形成させるのが望ましい。次いで、
繊維は彫刻された構造を有する状態で別の浴中において再凝固させる。
【0028】 溝/トラフはエッチングによって形成させることができる。
【0029】 繊維は構造体に加工してもよい。このような構造体としては、例えば、ランダ
ムマトリックス(例えば、不織フェルト、不織フリース)、配向マトリックス(
例えば、ある程度の相対整列度を有する繊維)、メリヤス構造体(例えば、メリ
ヤス生地)、編組構造体(例えば、編組糸)、集束構造体、およびカード梳きス
ライバー等が挙げられる。
【0030】 好ましい態様においては、微小繊維製足場を使用する。該足場は、細胞の付着
を支持するように設計されて細胞の運動性と増殖を方向付ける繊維から構成され
る。これらの繊維の利点は、表面電荷や対イオンの量、増殖因子の存否、幾何学
的形態、繊維の配向および軸方向歪を変化させることによって特異的な細胞と組
織の性能的特徴を強化するように設計できることである。種々の態様の繊維は予
定されるマトリックス、束およびチューブ等であってもよい。これらの繊維から
形成されるマトリックスの利点は、繊維をランダム状にするか、または種々の配
向度を有するようにすることができ、また、種々の細胞型に適合するように設計
された種々の繊維層が使用できることである。繊維は生分解性と安定性を併有し
ていてもよく、また、密度も異なっていてもよい。該繊維は、分解が発生したと
きに適当な組織増殖によって拮抗的に調整される機械的で機能的な負荷の一部が
予測できるテンプレートを形成する形態を有していてもよい。コラーゲンを基材
とする基体に比べてこのような構造体が有利な点は、種子細胞はいったん接着す
ると分泌して自身の細胞外マトリックスを繊維に定着させることである。繊維の
一端に位置する細胞を同一繊維に沿った点まで確実に移動させる細胞用の軌道ま
たはトラフを具有する態様の繊維は、損傷軸索が元の末端まで増殖しなければな
らない神経の再生に使用してもよい。不織マトリックス以外の態様の場合には、
シートまたはチューブを形成する編物構造体または織物構造体は組織の修復また
は置換、例えば、代用皮膚および血管組織移植等において有用である。これらの
繊維上および繊維製足場での細胞増殖の配向的/方向的特性を利用する態様は、
筋細胞の増殖が繊維に対して平行な一方向でおこなわれてもよい筋肉の生体外増
殖であってもよい。
【0031】 上述の原理に従えば、細胞の種類によって特異的であってもよい細胞の付着と
増殖がおこなわれるように設計された繊維を用いて多様な器具類を製造してもよ
く、この態様は、繊維構造体が細胞を繊維の下方へ増殖させて繊維に沿ったいず
れかの点または繊維の他端まで移送させる点で特有のものである。このような態
様は「ガイドワイヤ細胞増殖」と呼ぶ。このような細胞応答を予測できる点で特
有の繊維構造体は、繊維の長手方向に沿って形成された溝を有する別の態様に関
連して説明したアルギン酸カルシウムまたは他の材料からバルク繊維が製造され
てもよい構造体である。繊維の溝の幅は、通常は細胞の未拡散外周の約1/20
であり、該溝の大きさは、通常は非付着細胞の直径に対応する大きさである。こ
の大きさは細胞の種類によって左右されるが、該溝内に保持されている間に細胞
が付着して拡散するのに十分な大きさである。細胞の輪郭を溝の内部に完全に収
容させ、繊維の外輪郭よりも大きくさせないようにすることも可能である。
【0032】 従来から中空繊維構造体を用いて細胞を増殖させることによって、繊維のみの
表面上での細胞増殖に関連する問題を解決しようとする種々の方法が提案されて
おり、実際にも利用されている。溝付き繊維構造体は次の点で、繊維と中空繊維
の両方の利点をもたらす。即ち、細胞は潜在的に透過性の固定された物質上で媒
体と直接的に接触し、表面上では流体の剪断作用または機械的剪断作用を受ける
。繊維壁を通る拡散のみによって細胞を供給する中空繊維の内部に細胞を存在さ
せるならば、分子量カットオフの問題および主要な繊維の内腔が細胞増殖によっ
て閉塞されて拡散能が低下するという問題をもたらす。このような状況下では、
くぼみはトラフのように十分深くしてもよい。細胞に対する溝の大きさに応じて
、細胞は溝に沿った移動性を示す。
【0033】 コラーゲン以外の接着性基体を使用することの利点は、付着して増殖する細胞
がその基底膜と細胞外マトリックスのタンパク質を定着させることであり、これ
によってコラーゲン特異性の必要性とこれに関連する問題は解消される。適当な
化学的性質を有する合成物質を使用することによって、細胞の状態とその表現型
対遺伝子型発現を調整することが可能となる。
【0034】 繊維の対イオンの化学的性質を調整することにより、種々のタイプの細胞を繊
維に対して優先的に吸着させるか、またはより早く移動もしくは拡散するか、ま
たはより強く付着する挙動を促進させてもよい。この繊維構造体を使用すること
により、細胞を三次元的マトリックス内へ案内することができ、あるいは細胞が
特定の位置へ達するのを促進することができる。異なる種類の細胞を繊維構造体
の異なる部分に接種して増殖させることができる。このようにして細胞を繊維上
に配向させることができるが、繊維自体を配向させることによって、繊維構造体
中の全ての細胞を配向させてもよい。応答速度を高めるためには、走化性/移動
性勾配を繊維の長手方向に沿って形成させてもよい。
【0035】 軸方向応力を受けた細胞は応力方向を横切って整列することも判明した。従っ
て、細胞が弾性繊維上での増殖によって、繊維に対する軸方向応力の印加により
三次元細胞構造体が形成された点までの繊維間を移動する態様においては、繊維
を横断する細胞整列が促進されて露出量は最小になる。この技法を使用すること
のより、例えば、筋繊維を接種した構造体を形成させることができるので、筋細
胞の収縮によって方向性の収縮と短縮がもたらされる。環境条件によっては、要
求される活性に応じて、他の単数もしくは複数のタンパク質溶液中に含まれるタ
ンパク質媒体中の繊維上に細胞を接種するのが適当である。同様に、繊維は生分
解性材料、例えば、アルギン酸塩、キトサン、ゼラチンおよびグアルゴム等のバ
イオポリマーもしくは合成ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等)
または非分解性材料(例えば、ポリウレタン等)から製造されていてもよい。
【0036】 本発明による細胞増殖法の使用を以下に説明する。 創傷治療 創傷治療のための一態様においては、トラフを有する繊維の束に角化細胞を接
種し、これを培地中に懸濁させて増殖させ、繊維を一本づつ創傷部を横断する状
態で該患部に載置した。トラフ内の細胞は培養と取扱い操作による剪断作用と損
傷から保護され、創傷部に載置したときに新しい基底膜を容易に形成した。
【0037】 バイオリアクター バイオリアクターの一態様においては、トラフを有する繊維を使用することに
よって、理想的な哺乳類細胞のバイオリアクターを提供する構造体が得られる。
細胞は繊維の外輪郭の下方に保持することができるので、該細胞は栄養素の拡散
を受けるために培地と接触するが、表面剪断作用は受けない。一部の細胞に対し
ては、適当な基体を用い、軸方向応力を利用することによって、細胞を延伸量に
応じて刺激し、整列させ、分離し、または離脱させる。
【0038】 神経案内 神経案内のための一態様においては、軸索に対して適当なサイズのトラフを有
する繊維を形成させ、平行に配向させた繊維束の各繊維の端部が隣接位置と末端
位置において同じ位置に存在するようにする。繊維束を固定することにより、該
繊維束の端部を切断神経の両端と並置させ、これによって神経の方向性再生と位
置性再生をおこなわせる。
【0039】 血管組織移植 溝を有する繊維をマンドレルに巻きつけるか、または編成することによってチ
ューブを形成させた。トラフを有する繊維と溝を有する繊維を併用する場合には
、細胞の整列は繊維の方向と軸方向応力によって調整することができるので、所
望の配向層を得ることができる。
【0040】 本発明を以下の非制限的な実施例および該実施例の結果を示す添付図に基づい
て説明する。 実施例のために、次の調製操作をおこなった。
【0041】 細胞培養 実験で使用するためのL929マウスの線維芽細胞を増殖させて融合させ、次
いでヘペス食塩水を用いて組織培養皿を洗浄することによって増殖細胞を取り出
した後、0.25%トリプシン溶液を用いて処理した。得られた上澄みを遠心分
離処理に付し、細胞のペレットをダルベッコ変性イーグル培地(10%ウシ胎児
血清、5%ペニシリン/ストレプトマイシおよび1%ITS(インシュリントラ
ンスフェリンセレナイト)を含有)中に再懸濁させた。二次培養する場合には、
細胞を1:5倍に希釈して組織培養皿上で培養した。
【0042】 各々の繊維を秤量し(15mg)、12個のウェルを有する組織培養皿の各々
のウェル内へ移した。全ての実験において、繊維は培地含有血清中で24時間洗
浄した。実験の対照としては組織培養プラスチック上で培養した細胞を用いた。
繊維試験に用いた細胞は80,000細胞/ウェルの密度で培養した。全ての実
験は72時間で終了させた。
【0043】 固定および染色 細胞と繊維をリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中で2回洗浄した後、ホルマリン
溶液(中性に緩衝化した10%溶液)を用いる固定化処理に10分間付した。固
定液を除去し、細胞と繊維をPBS中で2回以上洗浄した。次いで、細胞をゲイ
ムサ(Geimsa)を用いる染色処理に10分間付した後、PBS中での5分間洗浄
に3回付した。細胞を「ニコン・ダイアフォト(Nikon Diaphot)」顕微鏡を用
いて観察し、画像をJVC DV1 デジタルカムコーダで捕獲した。画像を「
アップル・マッキントッシュ・パワーPCパフォーマ6400/200」にダウ
ンロードし、画像解析はパブリック・ドメイン・プログラムNIHオメージを用
いて行なった。走査型電子顕微鏡での観察をおこなうために、固定化試料を10
0%エタノール中での脱水処理に2時間付した。試料は「デントン・ヴァキュー
ム・デスク(Denton Vacuum desk)1」を用いてスパッタ被覆した。得られた試
料をスタブ上に載せ、ヒタチ製S-510走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
画像はJVCカメラを用いて撮影し、画像解析はNIHイメージを用いるマッキ
ントッシュ・コンピュータによっておこなった。
【0044】実施例 1 「クラビオン」は商品として入手できる繊維(オーミケンシ社製;大阪)であ
り、多糖類であるキチンとキトサンを公知のビスコース法によってセルロース(
レーヨン)と共紡糸することによって製造されたものである。レーヨンに対する
キチンおよびキトサンの割合を変え、また繊維の寸法を変えることによって多数
のグレードのクラビオンを入手することができる。低キチン/キトサン含量(5
0%未満)で平均繊維長38mm、直径8〜15μmの一つのグレードを走査型
電子顕微鏡下で観察したところ、繊維の長さ方向の沿って幅1〜2μmの連続し
た溝が存在することがわかった(図1a参照)。クラビオン繊維の細胞付着性能
を、上記で概説した方法によってL929マウスの繊維芽細胞を用いて評価した
。クラビオン繊維への細胞の付着は1〜2時間後に観察され、多くの細胞は伸長
され、繊維溝に沿って配列した。72時間後には、細胞の付着と伸長ははるかに
多く観察された(図1b)。 クラビオンに付着して配列した細胞および丸くなった細胞の数は、付着した細
胞の数を5つの視野について平均することによって測定した(結果は図1cに示
した)。
【0045】実施例 2 綿繊維(セルロース)を電子顕微鏡下で観察し、繊維は10〜20μmの直径
を持ち、少ししか表面凹凸のない平滑で平らな表面状態をしていることを観察し
た(図2)。次いで、繊維の細胞付着特性を上記で概説した方法によってL92
9マウスの繊維芽細胞を用いて評価した。2時間後の繊維への細胞付着は非常に
わずかで、48時間後でさえ非常にわずかしか細胞付着は観察されず、細胞の伸
長、配列および広がりは明瞭には見られなかった。
【0046】実施例 3 脱アセチル化度が70%を越えるキトサン(ニゲリアン・フィッシェリーズか
ら入手)を、2%氷酢酸中の3重量/重量%水溶液から繊維を紡糸した。溶液を
直径150μの穴を20,000備えた紡糸口金から、水酸化ナトリウム(5重
量/重量%)の凝固液中へ吐出し、得られた繊維を乾燥した。繊維を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、繊維は10〜20μmの直径を持ち、少ししか表面凹
凸のない平滑で円筒状であることがわかった(図3a)。次いで繊維の細胞付着
特性を上記で概説した方法によってL929マウスの繊維芽細胞を用いて評価し
た。2時間後の繊維への細胞付着は相当なものであり、その広がりは明瞭であっ
たが、細胞の伸長と配列は全く観察されなかった。48時間後、付着細胞の数は
大幅に増加したが、伸長と配列の証拠は明瞭でなかった(光学顕微鏡でとった写
真、図3bを参照)。
【0047】実施例 4 キトサンの溶液(実施例3に記載の通り)を1ml容のインシュリン注射器か
ら外径35μmの注射針を通して水酸化ナトリウム(5重量/重量%)の凝固液
中へ吐出しキトサン繊維を実験室で製造し、得られた繊維を乾燥した。繊維を走
査型電子顕微鏡で観察したところ、繊維は40〜100μmの直径を持ち、少し
しか表面凹凸のない平滑で円筒状であることがわかった(図4)。次いで繊維の
細胞付着特性を上記で概説した方法によってL929マウスの繊維芽細胞を用い
て評価した。実施例3と同様の結果が得られ、多数の細胞は繊維に付着していた
が、細胞の伸長と配列は全く観察されなかった。
【0048】実施例 5 キトサンの溶液(実施例3に記載の通り)を50ml容の注射器からその先端
を(繊維に溝を形成する意図で)曲げた外径500μmの注射針を通して水酸化
ナトリウム(5重量/重量%)の凝固液中へ吐出しキトサン繊維を実験室で製造
し、得られた繊維を乾燥した。繊維を走査型電子顕微鏡で観察したところ、繊維
は200〜300μmの直径を持ち、中心に幅100〜150μmの溝があるこ
とが観察された。次いで繊維の細胞付着特性を上記で概説した方法によってL9
29マウスの繊維芽細胞を用いて評価した。細胞は溝の内部で繊維に付着してい
ることが観察された(図5b)。
【0049】実施例 6 キトサンの溶液(実施例3に記載の通り)を50ml容の注射器から70μm
直径の穴20個を有する直径1.2cmの紡糸口金を通して水酸化ナトリウム(
5重量/重量%)の凝固液中へ吐出し実験室で小規模紡糸装置を用いてキトサン
繊維を製造し、得られた繊維を乾燥した。繊維を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、繊維は20〜50μmの直径を持ち、繊維を横切って幅5〜20μmの溝
があることが観察された。次いで繊維の細胞付着特性を上記で概説した方法によ
ってL929マウスの繊維芽細胞を用いて評価した。細胞は溝の内部で繊維に付
着していることが観察された(図6)。
【0050】実施例 7 キトサンの溶液(実施例4に記載の通り)を20ml容の注射器から756個
の3つ葉型の穴を備えた直径1.2cmの紡糸口金を通して水酸化ナトリウム(
5重量/重量%)の凝固液中へ吐出しキトサン繊維を実験室で製造し、得られた
繊維を乾燥した。紡糸口金の大きさは、それぞれの長さが70μm、幅が25μ
mの3個の対称の脚を持つもの(エンカ・テクニカ・コンベントリー(英国)か
ら入手)であった。繊維を走査型電子顕微鏡で観察したところ、3つ葉型紡糸口
金の形と類似の形状の溝があることが観察された(図7a)。次いで繊維の細胞
付着特性を上記で概説した方法によってL929マウスの繊維芽細胞を用いて評
価した。2時間後細胞は高度に付着しておりいくつかの細胞が広がっているのが
観察された。しかし、細胞の伸長と配向は全く観察されなかった。72時間後、
繊維への細胞の高度の付着が観察された(図7b)。
【0051】実施例 8 細胞付着性能を評価する前に繊維を水和状態(脱イオン水)に保持した以外は
実施例8の方法を繰返した。2時間後高度の細胞付着が観察され、多量の細胞が
広がっており、いくつかの細胞は繊維の溝に沿って伸長し、配向しているのが観
察された。72時間後、細胞の繊維への高度の付着があった。実施例1、3、7
および8に記載した繊維への細胞付着の数の比較を2時間後と72時間後とで行
った。3つ葉の溝構造を有するキトサン繊維はより付着性を有することがわかっ
た(結果を図8に描いている)。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 レーヨン−キチン−キトサン繊維(オーミケンシ社製の「クラ
ビオン」)。繊維は直径8〜15μmで円筒状。表面状態は幅1〜2μmの縦方
向溝。
【図1b】 レーヨン−キチン−キトサン繊維(オーミケンシ社製の「クラ
ビオン」)。繊維は直径8〜15μmで円筒状。表面状態は幅1〜2μmの縦方
向溝。L929繊維芽細胞が繊維に付着しているのを見ることができる。一つの
細胞は溝の長軸方向には移行しており、他のものは球状のままであるがよく付着
している。
【図1c】 グラフは、レーヨン−キチン−キトサン繊維(オーミケンシ社
製の「クラビオン」)に付着した細胞の72時間時点での形態を描いている。細
胞は繊維表面で長手方向溝に沿って支配的に並ぶことを示している。データは5
つの視野の平均を示す。誤差を示す線は標準偏差を表す。
【図2】 セルロース繊維からなるコットンウール(アスダスーパーストア
から入手)。繊維は平らで滑らかな形態。繊維直径は10〜20μm。
【図3a】 通常の市販品である脱アセチル化率70%超のキトサン繊維(
エイ・エム・エス社製、MF2)。繊維は円筒形で滑らかな形態である。繊維直
径は10〜20μm。
【図3b】 直径は10〜20μmのキトサン繊維(エイ・エム・エス社製
、MF2)上へのL929繊維芽細胞の付着。細胞はよく付着し広がっているが
、繊維の長手軸への配列を全く示さない。
【図4】 実験室で製造した70%以上の脱アセチル化率のキトサン繊維。
繊維は形が円筒状で表面はほとんど凹凸がない。繊維直径は50〜100μm。
繊維芽細胞が繊維表面に付着しているのが観察される。
【図5a】 実験室で製造した70%以上の脱アセチル化率のキトサン繊維
。繊維の凹凸は長軸に沿って走る100μm幅の溝である。繊維直径は200〜
300μmである。
【図5b】 100μmの実験室製造キトサン繊維へのL929繊維芽細胞
の付着。
【図6】 実験室で製造した70%以上の脱アセチル化率のキトサン繊維。
繊維は横方向に走る溝を持っている。繊維直径は20μmと50μmの間である
。細胞は繊維への良好な付着を示し、繊維を横切って走る溝への配向を示した。
【図7a】 実験室で製造した70%以上の脱アセチル化率のキトサン繊維
。繊維は3つ葉の形をしていることが観察される。繊維直径は150μmと20
0μmの間であり、葉の幅は70μmであった。
【図7b】 70%以上の脱アセチル化率の3つ葉型キトサン繊維へのL9
29繊維芽細胞の付着。細胞は繊維表面によく付着しているのが見られる。
【図8】 異なる形態を有するキトサン繊維へのL929繊維芽細胞の付着
程度を示すグラフ。72時間後、脱水3つ葉型キトサン繊維は一番高い細胞付着
を有する。水和3つ葉型キトサン繊維も脱水和円形キトサンおよびクラビオン繊
維よりも高い付着レベルを示している。
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Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口部上または口部内で真核細胞が培養条件下で付着して増殖
    する、少なくともひとつの開口溝を形成した繊維を用いて該細胞の培養をおこな
    うことを含む真核細胞の培養方法。
  2. 【請求項2】 繊維が5mm〜500mmの長さを有する請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 繊維が5μm〜1000μmの直径を有する請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 溝の深さが少なくとも1μmで且つ繊維の直径(または最大
    断面直径)の2/3以下である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 溝の幅が繊維半径の半分以下である請求項1〜4のいずれか
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 溝が繊維に沿って長さ方向に伸びている請求項1〜5のいず
    れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 溝の形成が繊維の縦方向の軸を横切って伸びている請求項1
    〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 溝の断面形状がU型、正方形のU型、長方形のU型またはV
    型である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 繊維の横断面において、繊維が複数の突起を含んでなり、上
    記溝形成が繊維の突起と突起の間に画定される請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 細胞が溝の開口部に存在する請求項1〜9のいずれかに記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 上記溝が、細胞が溝に沿って生育するためのガイドとして
    働く請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 細胞の全体が溝の内部に入るように溝の大きさが決められ
    ている請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 細胞の一部が溝の中にそして一部が繊維の輪郭上に存在す
    るように溝の大きさが決められている請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 繊維が足場の形状である請求項1〜13のいずれかに記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 繊維が特定の方向を向いている請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 異なる組成の繊維が積層されている請求項15に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 繊維が透過性のある平面に平行に配列されている請求項1
    〜13のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 上記細胞が、軟骨細胞、心筋細胞、骨芽細胞、筋芽細胞、
    上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞または間葉起源の細胞類から選ばれる請求項1
    〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 溝の深さが繊維直径の2/3以下、且つ未拡散細胞の幅(
    通常10〜20μm)以上であり、溝の幅が繊維半径の1/2以下である上部開
    放型の溝を有する繊維。
  20. 【請求項20】 細胞の付着、細胞の誘導移動、および生育を可能にする請
    求項19に記載の繊維。
  21. 【請求項21】 少なくとも幅が20ミクロンで深さが20ミクロンのトラ
    フの形をした上部開放型の溝を有する繊維。
  22. 【請求項22】 トラフが繊維の長さ方向に沿って伸びている請求項21に
    記載の繊維。
  23. 【請求項23】 種々の大きさと勾配タイプの生育因子が、生育を制御する
    ように表面への拡散を許容しつつトラップされている請求項19〜22のいずれ
    かに記載の繊維。
  24. 【請求項24】 生育細胞が生体内で機能性組織更新物を産生するように請
    求項19〜23のいずれかに記載の繊維を含んでなる微小繊維製細胞用足場組成
    物。
  25. 【請求項25】 繊維が配向している請求項24に記載の足場組成物。
  26. 【請求項26】 異なる組成の繊維が積層されている請求項24に記載の足
    場組成物。
  27. 【請求項27】 透過性の平らな表面(即ち、半透膜)に平行に配列され細
    胞が植え付けられる請求項19〜24のいずれかに記載の繊維。
  28. 【請求項28】 細胞の凍結および解凍のためにもバイオリアクター中で使
    用される細胞培養基材としての請求項19〜24のいずれかに記載の繊維。
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