JP2009039401A - 綿状エラスチン架橋体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 人工靭帯または人工腱などの医療材料などに用いるための、綿状のエラスチン繊維構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、静電紡糸技術と綿状化専用装置および水溶性エラスチンの架橋技術により、水中で不溶化した綿状エラスチン構造体の製造方法、およびそれを用いる細胞培養方法、また人工靭帯、人工腱および人工筋肉組織が得られる医療用材料である。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は、静電紡糸技術と綿状化専用装置および水溶性エラスチンの架橋技術により、水中で不溶化した綿状エラスチン構造体の製造方法、およびそれを用いる細胞培養方法、また人工靭帯、人工腱および人工筋肉組織が得られる医療用材料である。
【選択図】図1
Description
本発明は綿状のエラスチン繊維構造体の製造方法であり、静電紡糸技術と綿状化専用装置および水溶性エラスチンの架橋技術からなり、詳しくは水中で不溶化した綿状エラスチン架橋体の製造方法と、それを用いる細胞培養方法に関わる。また本発明は人工靭帯、人工腱および人工筋肉組織を製造するための綿状エラスチン架橋体の適用にも関わる。
靭帯損傷治療の患者は国内でも年間2万人を超える。特にスポーツや加齢による影響および交通事故等により受ける膝靭帯の損傷がその多くを占めている。靭帯は骨と骨をつないで、前後、左右にうごかす運動や、ひねり運動を行う膝を安定させるために重要で、力学的な刺激のバランスが組織の修復と損傷に影響する組織である。従って、再生医療や組織工学的手法で、組織再生と運動刺激との関連性が研究されている。
靭帯は生体中の骨と骨の間には必ず存在し骨の動きを調節しているため、組織量としても極めて多い生体組織である。その構成成分は骨の動き方に依存した細胞外基質タンパク質含有比率を有している。即ち、伸縮性が大きな部位ではエラスチンが多く、伸縮性が小さな部位ではコラーゲンが多いとされる。こうした細胞外基質タンパク質から形成される数μm程度の繊維が数多く集合し束状構造を形成し、その繊維を産生・補強あるいは再構成するために、繊維束を取り囲むように線維芽細胞が存在する構造を有している。更に靭帯と骨との接合部分に近づくに従って、徐々に骨芽細胞様の細胞分布が高まり、強固に骨と接着している構造を有している。
こうした繊維状の靭帯は自然には再生されにくいとされる生体組織で知られる。靭帯損傷の治療としては、以前はポリエステルなどの合成繊維による人工靭帯が主な再建方法として行われたが、生体内に移植した材料の変性や断裂などで長期の結果は必ずしも良好ではなく、現在ではほとんど行われていないのが現状である。その方法に代わって、自家の腱組織などの移植で靭帯化させる方法が多くとられている。しかしながら、本来別の目的で使われている患者自身の腱を生体から採取することで、膝の不安定性が増し、加えて疼痛などの影響から患者によっては自家腱が利用できない例も多い。腱の組成は靭帯と異なり、そのほとんどがコラーゲンで構成されることも、靭帯細胞が生着しにくい原因と考えられる。加えてコラーゲン繊維は、本来剛直な腱の力学特性を担うことから、腱組織の利用による膝可動域が減少し運動障害などの問題を生じている。こうした方法に替わるべく生体組織工学的な手法による靭帯再生への要望は大きい。
生体組織工学的な研究開発の現状は、例えば、細胞を播種した膝前十字靭帯(ACL)再建のためのコラーゲン繊維やポリ乳酸、ポリグリコール酸などの生体吸収性材料との複合体による靭帯組織へのリモデリングの報告(非特許文献1、特許文献1)や、コラーゲン糸の靭帯修復能を述べている(特許文献2)などがある。こうした材料は靭帯として即使用できることを優先的に考慮する傾向から、材料の引っ張り張力を向上させるため、繊維径が比較的太く剛直な素材を用いているのが特徴である。
Dunnら Journal of orthopaedic research、12巻、128−137頁、1994年
特表2003−530912
WO95/2550
一般に、人工靭帯に用いる材料の形状加工法には、生体組織構造を模倣した繊維構造であることが多く、コラーゲンなどで繊維状の構造体を製造する方法においても種々の工夫がなされてきた。例えば、溶解したコラーゲン溶液をアルコールなどの貧溶媒に細いノズルから押し出すことにより、析出、脱水することで繊維化し、その後、化学架橋する方法(特許文献3)などが報告されているが、繊維直径が数十〜数百μm程度で、実際の靭帯繊維に比較すると太い。
近年、ナノサイズからサブミクロンサイズの繊維直径を有する医療用繊維として、合成高分子を用いたエレクトロスピニング法を応用する方法が数多く報告されている。またコラーゲンやエラスチンなどを用いて極細繊維を製造する方法などが報告されている。しかしながら、これらに記載の繊維径の太さは十分使用できるレベルではあるが、繊維の密度が高いことと繊維の方向性および伸縮性に関しては適したものがなかった。特に、コラーゲンやエラスチンの繊維化は電極板上にスプレーした状態の繊維であり、靭帯組織様の繊維束に用いるには利用しにくい。また伸縮性を有するためには、コラーゲン以外の靭帯のマトリックスであるエラスチンを用いた構造体が適しているが、従来の方法ではエラスチンの綿状構造は製造出来ない。
綿状構造のメリットとしては、綿状成形体に細胞を播種し、全ての材料内部の細胞密度を均等にした状態で、両端を引き伸ばし繊維性組織構造に成形し、靭帯組織を作成する方法に適するのがその理由である。綿状構造を作成する方法に関しては、一部発明がなされており、特許文献4に公開されている方法でも良いが、綿状繊維の密度が高い点が細胞を複合化させる組織工学的な靭帯の作製には不向きである。また特許文献5に公開されている繊維集合体捕集装置でも可能と思われるが、該方法は気流を利用して捕集する方法で、見かけ密度が高いのに加えて繊維の方向性が制御できない点が利用しにくい点である。すなわち、細胞を播種し、繊維束の内部に均一に浸透させるに適する繊維密度は既存の方法で作成する繊維集合体よりも小さいことが操作上好適である。
本発明において解決しようとする課題は、上述の公知の技術が抱える問題点を解決することであり、具体的には生体組織と同様の組成、構造を有する細胞接着性で伸縮性の綿状繊維の束を作成し、繊維性組織である靭帯由来細胞、腱由来細胞などの成育を促進する医療材料を提供することである。
本発明者は上記の課題を解決するため、線維芽細胞や筋系細胞が綿状エラスチン架橋体を足場として生育するという知見を応用するものであり、加えて本発明者が従来から研究開発しているエラスチン架橋体(特許文献6)を基本技術として、これを改良することにより本発明に到達した。
エラスチンは、動脈や肺、靭帯など生体の伸縮性やひねりの運動が機能につながっている器官に多く存在する細胞外基質タンパク質として知られる。上述したように、靭帯再生用材料としての適用は無く、現状で試みられている組織工学的素材は、コラーゲンやキチンなどの動物組織由来物質や、ポリ乳酸などの生体吸収性の合成高分子素材と極めて限られている。本発明者らは、エラスチンを抽出しこれを静電紡糸法と綿状製造する装置を持って、繊維化することに成功した。ここでいう静電紡糸法(エレクトロスピニング法)とは高電圧、低電流で電極付きシリンジから溶液を一定速度で押し出すと同時に放電処理をすることで、ファイバー捕集電極で繊維状に堆積させる方法で、近年再生医療用マトリックス作成法として注目されているが、通常電極板上に繊維が堆積するのみで方向性が統一した、繊維状組織用構造にはならない。
また、水溶性エラスチンそのものを繊維化しただけでは、再度水に投入した際に溶解するため、不溶化する工程が必要になる。従来から発明者らが行っている方法にその架橋方法があり、その詳細は特許文献6に公開されている。即ち通常の市販架橋剤による架橋では、エラスチンの力学特性が硬く、脆くなりやすく、伸縮性を付加させることが無理であった点を改善できる。
即ち、本発明は、高電圧を負荷するための正極並びに負極からなる一対の電極、及び該電極間の中間部上方または下方に設置されたエラスチン繊維捕集装置を備えたマイナスイオン発生装置とで構成される静電紡糸用容器中に、溶媒に溶解した水溶性エラスチンと架橋剤の混合溶液を正極側から吐出して、繊維状水溶性エラスチンをマイナスイオン発生装置側で捕集する第1工程と、該繊維状水溶性エラスチンを50〜130℃に加熱して架橋反応させ、その乾燥直径が0.1〜10μm、繊維密度が0.1〜10mg/cm3である綿状エラスチン架橋体を作製する第2工程とからなる綿状エラスチン架橋体の製造方法に関わる。
より詳しくは、水溶性エラスチンと架橋剤を、トリフロロエタノールもしくはヘキサフロロプロパノールを溶媒として溶解し、シリンジポンプにて0.1〜10ml/時間の速度で送出し、同時に5〜30kVの高電圧発生装置およびマイナスイオン発生装置に囲まれアース電極をつないだ筒内で電圧をかける事で、水溶性エラスチンの繊維化および筒中央部に浮遊させ堆積化を誘導することで製造でき、その後50〜130℃に加熱することで架橋反応するエラスチン繊維の乾燥直径が0.1〜10μmで、好適には繊維密度が0.1〜10mg/cm3の綿状エラスチン架橋体である。
次に本発明は、綿状構造体を作成するために、水溶性エラスチンの濃度を5〜40%で調整することが望ましく、この範囲以外では例えば5%以下では溶液の粘性が低く、エレクトロスピニングに不適であること、40%以上では逆に粘性が高すぎて、均一な押し出しが不可能であることがその理由である。
更に本発明は、綿状エラスチン架橋体の繊維が、同一方向に束ねられて成形される繊維束構造を有してなる細胞培養用支持担体、および細胞を複合化してなる人工靭帯、人工腱、人工筋肉などの医療用材料に関する。
綿状エラスチン架橋体を用いて線維芽細胞を培養することにより、繊維構造上に接着させ細胞の分化誘導を促し、靭帯様構造を形成させる。更には、こうして培養した繊維系生体組織を用いることで、人工靭帯、人工腱、人工筋肉などの組織を製造することができ、生体組織置換治療を目的とした医療用材料を製造することができる。
本発明による綿状エラスチン架橋体を製造させる場合の、システム概念図を図1に示す。この図は高電圧発生装置とマイナスイオン発生装置の位置関係を表している。この2つの高電圧発生装置は、各々個別に用意し適切な位置に設置することもできるが、図1に示すように、帯電可能な円筒状の装置と交差する一体型とするほうが、綿状繊維を発生させ、その繊維方向をそろえるために合理的である。本装置は、公知の改良型エレクトロスピニング装置に見られる高電圧発生装置と溶液中の高分子が帯電している部分にイオナイザーで電荷を打ち消す方法では繊維方向をそろえる事が難しく、そのため図1に示すような円筒状に交差した帯電可能な構造を用いることで、丁度交差する部位において繊維末端を固定させることが出来、その繊維を核に連鎖的に会合していく現象の発見を応用した製造装置である点が特徴である。特に、綿状捕集部位は捕集電極とマイナスイオン発生電極の中央に位置し、円筒の空間で製造される点が特徴である。こうすることで、従来法よりも遥かに繊維密度が低い綿状繊維を作成することが可能になる。
また、水溶性エラスチンにあらかじめ架橋剤を混合させた場合は、綿状エラスチンを加熱することで、容易に水不溶化することが可能になり、このことは細胞培養や、再生医療材料として用いる場合は必須の技術である。また本方法を応用すると、エラスチンにコラーゲンを複合化させた靭帯様繊維や腱様繊維の製造が可能になる。更には、組織再生に有用な薬理活性を有する薬剤を保持させる事を目的とした、ドラッグデリバリーシステムに応用することも可能になる。
本発明の第一の主題は、水溶性エラスチンを上述の綿状構造体製造装置により綿状エラスチン架橋体に製造することを特徴とする医用材料の製造方法に関する。その一つの態様は、水溶性エラスチンと架橋剤を、トリフロロエタノールもしくはヘキサフロロプロパノールを溶媒として溶解しシリンジポンプにて0.1〜10ml/時間の速度で送出し、同時に5〜30kVの高電圧発生装置およびマイナスイオン発生装置に囲まれアース電極をつないだ筒内で電圧をかける事で、水溶性エラスチンの繊維化および筒中央部に浮遊させ空中で堆積化を誘導することである。その際、マイナスイオン発生装置との電極間距離が繊維の集合形態を変えてしまうため、望ましくは1〜30cm程度の距離が必要で、より望ましくは10〜20cm程度であるが、当然電圧の大きさや、シリンジポンプからの溶液の排出速度、溶液の粘性の条件などが関与することから必ずしも記載した条件でなくても良い。ただし、綿状繊維を捕集するための筒状構造体は必要であり、材質に関しては特に限定しないが、一般的なプラスチックであれば利用が可能である。例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などが好適に用いることが出来る。
靭帯、腱および筋肉由来細胞などを、綿状エラスチン架橋体に接着させて細胞培養を行う場合は、細胞のサイズおよび配向性を考慮すると、作成する繊維の直径は0.1〜10μmであることが望ましく、初期の繊維密度は0.1〜10mg/cm3であることが望ましい。繊維直径はこれより細いと細胞が接着できなく、またこの範囲より太い場合は細胞が繊維方向とは別の向きを向く可能性があり、そうなった場合は繊維性組織構造を作成するさいに不向きであることがその理由である。繊維密度に関しては、この範囲より高くても細胞培養には問題ないが、繊維性組織を構築するための手段として細胞を繊維の周囲に配置させることが必要であることから、そのための余裕が必要なことが条件にある。また繊維密度がこの範囲より小さい場合には、あまりに強度が弱く、その後の材料作成に適さない。
本発明の第二の主題は、綿状エラスチン架橋体を作成する場合に用いる水溶性エラスチンが、残存する架橋構造を有する水溶性エラスチンに関する。通常、入手可能な水溶性エラスチンには、生体から抽出した不溶性エラスチンをシュウ酸分解などの加水分解したα―エラスチンやβ―エラスチンおよびアルカリエタノール処理したκ―エラスチン、トロポエラスチンなどがある。また人工的に作成したエラスチン模倣分子も水溶性エラスチンと見なすことも出来る。本発明には、こうした全ての水溶性エラスチンの利用が可能であるが、不溶性エラスチンをシュウ酸分解して得ることが出来る水溶性エラスチンが、好適に用いることができる。より望ましくは、エラスチンの架橋構造として知られるデスモシンあるいはイソデスモシン誘導アミノ酸含有率が2〜4モル%含まれる水溶性エラスチンであり、残存架橋構造を有する水溶性エラスチンからなる繊維構造体は、伸縮性、弾性に優れ、本発明の課題である、繊維性組織の力学強度を発揮するのに好適であるからである。
更に本発明において用いられる水溶性エラスチンを、架橋剤で架橋するエラスチン架橋体は、公知の方法で製造できる。なお、好適な水溶性エラスチンの架橋剤は、下記の化1〜5式で表される。
式中、 R1、R3は下記の構造式で表される<A>または<B>の何れかであり、R1とR3とは同じであっても異なっていてもよく、
(R4、R5はH、CH3、C2H5のいずれかであり、R4とR5とは同じであっても異なっていてもよい)
(R2は下記の構造式で表される<C>または<D>の何れかで表される化合物であり)
(nは1〜20までの整数である)
(m、lは0〜15までの整数であり、X、Yは、CH2またはOの何れかであり、XとYとは同じであっても異なっていてもよく、ZはCまたはNの何れかであり、R6、R7、R8、R9は、H、CH3、C2H5の何れかであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い)。
また本発明の綿状エラスチン架橋体は、製造するエラスチン溶液に同時にコラーゲンなどを添加し同一溶液することにより、容易に複合繊維構造の綿状架橋体を製造することも出来る。また高電圧発生装置を2台にし2種類の溶液を、それぞれ異なる流速で押し出すことで組成比率の異なる繊維混合物を作成することも出来る。
作成した綿状エラスチン架橋体は50〜130℃の加熱処理を行うことで、容易に水不溶性に変換することも可能である。温度範囲は50℃以下でも可能であるが、水溶性エラスチンの特徴のひとつであるコアセルべーション現象を利用して架橋を行うことで、繊維の強度が付加できることを考慮して温度範囲を設定することが望ましい。
上述のように作成した綿状エラスチン架橋体は、通常の細胞培養条件で細胞を播種して培養することが可能である。繊維性組織に用いるための細胞は基本的にあらゆる入手可能な細胞が含まれるが、好ましくは生体中での構造が繊維性組織である、靭帯由来線維芽細胞、腱由来線維芽細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、神経細胞、微小血管系細胞などである。
以下に綿状エラスチン架橋体を用いた靭帯細胞の培養を例にして説明する。長さ数cmに加工した平均膨潤直径5〜10μmの繊維からなる綿状繊維構造の末端を固定した培養器を作成し、細胞培養液を浸したシャーレ内で、線維芽細胞を播種して、エラスチン繊維表面に接着させ、その状態でCO2インキュベーター内にて37℃、5%CO2濃度条件で培養させる。その際、静置させた状態での静的培養でもよいが、より生体と同様の条件下で生育させるためには動的培養方法が好適である。具体的には、繊維の両端を固定でき、かかる状態で培養液に浸すことの出来る動的培養装置を用いて、靭帯の動きでもある左右に動かす運動や、ひねり運動を細胞に与えながら培養する、動的培養法で組織培養を行う。こうした動的培養装置は、ひねりを発生させることが可能であればいかなるものでも使用可能である。例えば、2台のロータリーアクチュエーターとその回転制御装置を組み合わせ、中央部で繊維構造を固定する装置を持ち、その状態が培養液中でかつ無菌状態で維持できる構造に配置させる。2台のロータリーアクチュエーターをそれぞれ逆方向に回転させることで、線維にひねりを与えることが可能になる。こうした装置を37℃、5%CO2濃度条件で用いることで、容易に動的培養が可能になる。
上述のようにして靭帯由来細胞を培養して得られた、靭帯再生用綿状線維材料を、膝関節へ移植する方法としては、スポーツなどで特に損傷しやすい部位である例えば、膝の前十字靭帯、後十字靭帯などに対して以下の手技で導入することが考えられる。例えば損傷した膝関節の十字靭帯の近くの骨にドリルで穴をあけ、細胞を組み込んだ靭帯再生用材料の末端をはめ込むことで人工靭帯の結合部位を作成し、関節をはさんでもう片側の骨にも同様に穴を開けて、繊維を組み込む方法が考えられる。こうした方法で移植できる箇所としては、全十字靭帯に限らずあらゆる部位がその対象として適当と思われる。
更に、この移植に先立ち、穴をあけた骨に接合する繊維部分には、靭帯由来細胞とは別に骨芽細胞などの骨自体との適合性が良好と思われる細胞を接着させ、培養すると、骨と骨をつなぐ部位および靭帯として機能する部位など、その位置特異的に担当細胞を組み込む方法も考えられ、このようにして作成された人工靭帯繊維であれば、移植した生体へ生着速度が速いことは再生医療関連など当該研究従事者であれば考えることは容易であるものと思われる。
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、以下よって示される方法は、作用確認において用いたものであり、これに限定されるものではなく、その要旨を変更することなく様々に改変して実施することができる。
(製造例1−水溶性エラスチンの作製)
豚大動脈由来の不溶性エラスチン(細胞外基質研究所社製)10gに対し0.25Mシュウ酸を45mL加え100℃で1時間加熱した。分解反応液を氷水で冷やした後3000rpmで10分間遠心分離し不溶部分を集めた。この不溶部分に0.25Mシュウ酸を30ml加え100℃で1時間加熱した。加熱度同様に溶液を冷却し、遠心分離した後不溶部分を集めた。以上の操作を繰り返し、不溶部分がシュウ酸水溶液を含み膨潤する状態になるまで、可溶部分を除いた。5〜6回程度でこの状態になる。その状態に再度0.25Mシュウ酸を加え100℃に加熱することで分解した分画を、同様に冷却後、遠心分離して上澄み液を集め、分子量10,000〜14,000の透析チューブを用い4℃に冷却した脱イオン水に対し、外液のpHが5〜6程度になるまで透析を行ってシュウ酸を除去した。上澄み液を孔サイズが0.45μmのフィルターで吸引ろ過し、ろ液を凍結乾燥して水溶性エラスチン(約2g)を得た。
豚大動脈由来の不溶性エラスチン(細胞外基質研究所社製)10gに対し0.25Mシュウ酸を45mL加え100℃で1時間加熱した。分解反応液を氷水で冷やした後3000rpmで10分間遠心分離し不溶部分を集めた。この不溶部分に0.25Mシュウ酸を30ml加え100℃で1時間加熱した。加熱度同様に溶液を冷却し、遠心分離した後不溶部分を集めた。以上の操作を繰り返し、不溶部分がシュウ酸水溶液を含み膨潤する状態になるまで、可溶部分を除いた。5〜6回程度でこの状態になる。その状態に再度0.25Mシュウ酸を加え100℃に加熱することで分解した分画を、同様に冷却後、遠心分離して上澄み液を集め、分子量10,000〜14,000の透析チューブを用い4℃に冷却した脱イオン水に対し、外液のpHが5〜6程度になるまで透析を行ってシュウ酸を除去した。上澄み液を孔サイズが0.45μmのフィルターで吸引ろ過し、ろ液を凍結乾燥して水溶性エラスチン(約2g)を得た。
(製造例2−架橋剤の製造)
水溶性エラスチンを用いてエラスチン構造体を作製するための化学架橋剤を以下のように作製した。この方法は、ドデカンジカルボン酸のカルボキシル基を4−ヒドロキキシフェニルジメチル−スルホニウムメチルサルフェート(以下DSP)により活性エステル化させるものである。具体的には1モルのドデカンジカルボン酸と2モルのDSPおよび2モルのジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCD)をアセトニトリルに溶解し25℃で5時間撹拌し反応させる。反応過程で生じたジシクロヘキシル尿素をガラスフィルターで除去した。更に反応溶液(ろ液)をエーテルに滴下して固化させた。該固形物を減圧乾燥して目的の架橋剤を得た。化学構造および純度は1H−NMRにより確認した。
水溶性エラスチンを用いてエラスチン構造体を作製するための化学架橋剤を以下のように作製した。この方法は、ドデカンジカルボン酸のカルボキシル基を4−ヒドロキキシフェニルジメチル−スルホニウムメチルサルフェート(以下DSP)により活性エステル化させるものである。具体的には1モルのドデカンジカルボン酸と2モルのDSPおよび2モルのジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCD)をアセトニトリルに溶解し25℃で5時間撹拌し反応させる。反応過程で生じたジシクロヘキシル尿素をガラスフィルターで除去した。更に反応溶液(ろ液)をエーテルに滴下して固化させた。該固形物を減圧乾燥して目的の架橋剤を得た。化学構造および純度は1H−NMRにより確認した。
[実施形態1]
図1を参照して、本発明に関わる綿状エラスチン架橋体の製造方法およびその製造装置の好適な実施形体について詳細に説明する。なお図面の寸法比は必ずしも、説明のものと一致していない。図1の綿状架橋体製造装置は、高電圧発生装置1をエラスチン水溶液噴出器2の金属ノズル部分に接続し、2つの円筒構造が十字型に構成された繊維捕集室6を持ち、その上部に静電気がたまりにくい素材で構成された円筒4に組み込まれたマイナスイオン発生装置3を配置する。その経路の中央に綿状架橋体捕集用のネット5を有する。エラスチン水溶液噴出器2のノズルより噴霧されたエラスチン溶液は、マイナスイオン発生装置の電源を入れない場合は、電極7をターゲットに繊維が噴霧され堆積する。また、綿状架橋体の捕集室6の素材は、静電気がたまりやすい素材を用いる。特に限定はしないが、例えばアクリル樹脂や静電気除去シートなどが静電気をためやすい素材として用いることが出来る。筒状の捕集室6の上下は通気性を確保してあれば良く、特に強制的に風を流してもよいし、そうで無くても綿状構造の製造には影響が無い。
図1を参照して、本発明に関わる綿状エラスチン架橋体の製造方法およびその製造装置の好適な実施形体について詳細に説明する。なお図面の寸法比は必ずしも、説明のものと一致していない。図1の綿状架橋体製造装置は、高電圧発生装置1をエラスチン水溶液噴出器2の金属ノズル部分に接続し、2つの円筒構造が十字型に構成された繊維捕集室6を持ち、その上部に静電気がたまりにくい素材で構成された円筒4に組み込まれたマイナスイオン発生装置3を配置する。その経路の中央に綿状架橋体捕集用のネット5を有する。エラスチン水溶液噴出器2のノズルより噴霧されたエラスチン溶液は、マイナスイオン発生装置の電源を入れない場合は、電極7をターゲットに繊維が噴霧され堆積する。また、綿状架橋体の捕集室6の素材は、静電気がたまりやすい素材を用いる。特に限定はしないが、例えばアクリル樹脂や静電気除去シートなどが静電気をためやすい素材として用いることが出来る。筒状の捕集室6の上下は通気性を確保してあれば良く、特に強制的に風を流してもよいし、そうで無くても綿状構造の製造には影響が無い。
綿状架橋体の捕集原理は、以下の通りと考えられる。まずエラスチン水溶液に高電圧をかけ電極7に向け繊維状構造体が飛ぶ過程でプラスに帯電した水溶性エラスチンイオンが、マイナスイオン発生電極にむかい上昇する。その途中で溶媒が乾燥し、帯電性も中和され徐々に飛行中のイオンが失速する。捕集用ネットあるいは側壁に繊維末端が緩やかに接着し、連鎖的に繊維が初めの繊維に接着または絡みつくことで成長していく。捕集ネットは絶縁性が高い素材であれば、いかなる構造でも適用できるが、ネットが無い場合でも綿状架橋体の捕集室6の側壁が静電気で帯電するため繊維の足場として接着し、そこから綿状構造が成長する。この素材は静電気がたまりにくい筒4と同様な素材(例えばポリエチレンテレフタレート)の場合は綿状化せずに、マイナスイオン発生装置の電極に集積されるのみである。また、紡糸用ノズルには金属製のパイプであれば、特に指定はしないが注射針として用いられている口径0.01m〜1m程度のものが利用できる。
(実施例1−綿状エラスチン架橋体の製造−1)
製造例1で作製した水溶性エラスチンおよび製造例2で作製した架橋剤およびそれらを溶解させる溶媒(量)を表1に示した種々の濃度で混合して、実施形態1で示した綿状繊維製造装置を用いて繊維化した。各試料の量や溶媒濃度をまとめて示す。溶液の噴出速度は3.6ml/hで電圧は15kVとした。繊維ノズルは金属製注射針G21(テルモ社製)を用いた。比較例1として、架橋剤を加えないものと、比較例2として触媒を加えないものを作成した。全ての条件で、綿状エラスチン繊維が製造できた。(図2)に実施例1の綿状エラスチン架橋体の写真を示す。
製造例1で作製した水溶性エラスチンおよび製造例2で作製した架橋剤およびそれらを溶解させる溶媒(量)を表1に示した種々の濃度で混合して、実施形態1で示した綿状繊維製造装置を用いて繊維化した。各試料の量や溶媒濃度をまとめて示す。溶液の噴出速度は3.6ml/hで電圧は15kVとした。繊維ノズルは金属製注射針G21(テルモ社製)を用いた。比較例1として、架橋剤を加えないものと、比較例2として触媒を加えないものを作成した。全ての条件で、綿状エラスチン繊維が製造できた。(図2)に実施例1の綿状エラスチン架橋体の写真を示す。
以上より、水溶性エラスチンのみでは加熱しても架橋反応が進行しないので、綿状エラスチン架橋体は水溶液中で溶解することがわかった。図3に水中での様子を示す。水中では水を吸収して膨潤するため、直径は乾燥時に比べて大きく、約5〜10μm程度であった。
(実施例2〜7−綿状エラスチン架橋体の製造−2)
水溶性エラスチンおよびゼラチン(新田ゼラチン社製)を用いて、混合比率の検討(実施例2、3)、高分子濃度の検討(実施例4、5)、溶媒種の検討(実施例6、7)を行った。溶媒はHFP(ヘキサフロロプロパノール)またはTFE(トリフロロエタノール)を用いた。以上の結果をまとめて表3に示す。また実施例2の外観を図4に示す。電圧は15kV、溶液の流速は1.2ml/hで総時間は30〜60分要した。
水溶性エラスチンおよびゼラチン(新田ゼラチン社製)を用いて、混合比率の検討(実施例2、3)、高分子濃度の検討(実施例4、5)、溶媒種の検討(実施例6、7)を行った。溶媒はHFP(ヘキサフロロプロパノール)またはTFE(トリフロロエタノール)を用いた。以上の結果をまとめて表3に示す。また実施例2の外観を図4に示す。電圧は15kV、溶液の流速は1.2ml/hで総時間は30〜60分要した。
実施例2および3では高分子濃度が10%で水溶性エラスチンとゼラチンの重量組成比を50:50および88:12で作製した。エラスチンの含有率が高いほうが綿としての柔軟性が向上した。実施例4および5では溶媒をHFPとした場合の濃度の影響を検討した。その結果6%程度では濃度が低く溶媒の乾燥前に噴霧した液滴が落下して綿化は出来なかった。また14%では溶液の粘度が高すぎて繊維が液体表面からイオン化しながった。この状態は実施例6および7で溶媒の検討としてTFEを用いることで溶液の粘度を下げることができ、その結果17、33%程度の溶液でも綿化させることが可能であった。
(実施例8−エラスチンコーティングシャーレに対する線維芽細胞の接着・伸展)
エラスチンのコーティングは市販の浮遊細胞培養用シャーレ表面に対し90秒間コロナ放電処理を行い、その後製造例1にて作製した水溶性エラスチン溶液100μg/mlを1ml加え、6時間以上4℃の状態で静置して行った。その後、脱イオン水で洗浄を繰り返し、結合していないエラスチンを除いたものを使用した。まず市販の正常ヒト線維芽細胞をそれぞれ無血清の専用培地と共に、1.0×104(cells/ml)で、エラスチンコーティングシャーレ上に播種した。5%CO2培養装置(OLIMPUS
MI−IBC)で培養しながら、光学顕微鏡(OLIMPUS IMT−2)でパソコンのXCAPソフトに画像を取り込み、撮影枚数や撮影インターバルを設定した。播種した時間を0とし、撮影した画像はAdobe Photoshopにて解析処理した。細胞接着率および接着した細胞は、撮影した画像の解析より算出した。これは経時間的に撮影した細胞画像から各時間における細胞接着総数を測定し、接着率(%)=(接着細胞数 /全細胞数)×100として算出した。
エラスチンのコーティングは市販の浮遊細胞培養用シャーレ表面に対し90秒間コロナ放電処理を行い、その後製造例1にて作製した水溶性エラスチン溶液100μg/mlを1ml加え、6時間以上4℃の状態で静置して行った。その後、脱イオン水で洗浄を繰り返し、結合していないエラスチンを除いたものを使用した。まず市販の正常ヒト線維芽細胞をそれぞれ無血清の専用培地と共に、1.0×104(cells/ml)で、エラスチンコーティングシャーレ上に播種した。5%CO2培養装置(OLIMPUS
MI−IBC)で培養しながら、光学顕微鏡(OLIMPUS IMT−2)でパソコンのXCAPソフトに画像を取り込み、撮影枚数や撮影インターバルを設定した。播種した時間を0とし、撮影した画像はAdobe Photoshopにて解析処理した。細胞接着率および接着した細胞は、撮影した画像の解析より算出した。これは経時間的に撮影した細胞画像から各時間における細胞接着総数を測定し、接着率(%)=(接着細胞数 /全細胞数)×100として算出した。
また、接着の判定は、以下のように行った。播種直後の細胞は球状の形をしているが、第1の変化としてまず接着斑の発生である。細胞がマトリックスに対して偽足を出し表面レセプターであるインテグリンがマトリックスに接着すると、インテグリンが集合して接着斑が形成される。この状態を接着とした。結果を図5に示す。水溶性エラスチンコーティングシャーレに線維芽細胞は接着することがわかり、水溶性エラスチン自体の細胞適合性は良好であるといえる。
(実施例9−綿状エラスチン繊維に接着し培養した平滑筋細胞の分化誘導マーカーのFACS定量)
綿状エラスチン架橋体に接着し3日間培養した状況での、平滑筋細胞の分化誘導状況をその分子マーカーのひとつであるSM−αアクチンの定量結果を、同一条件下で通常の市販シャーレで3日培養した平滑筋細胞を基準に発現量の相対値で示した。比較として市販シャーレに水溶性エラスチンをコーティングした表面に接着した平滑筋細胞のSM−αアクチン量を測定した。詳しくは、市販の正常ヒト線維芽細胞をそれぞれ10%血清を含む専用培地と共に、1.0×105(cells/ml)で2mlを綿状エラスチン繊維上に播種し、5%CO2培養装置で3日間培養した。0.1Mリン酸塩緩衝液で洗浄後、トリプシン溶液を2ml加え1分間静置し、細胞を剥離した。100G(800rpm)で1分間遠心分離し、上澄みを除き70%エタノールを加え5分間固定した。1%ウシ血清アルブミン/リン酸塩緩衝液(0.1%Triton−X100を含む)を加え5分間静置した後、遠心分離し上澄みを除去した。調整した細胞懸濁液に抗SM−αアクチン抗体-FITC(SIGMA社製)を2ml加え、暗所、室温で30分間反応させた。その後、0.1Mリン酸塩緩衝液で洗浄し、FACSCalibur(Becton Dickinson社製)の装置で、アクチン量を測定した。
綿状エラスチン架橋体に接着し3日間培養した状況での、平滑筋細胞の分化誘導状況をその分子マーカーのひとつであるSM−αアクチンの定量結果を、同一条件下で通常の市販シャーレで3日培養した平滑筋細胞を基準に発現量の相対値で示した。比較として市販シャーレに水溶性エラスチンをコーティングした表面に接着した平滑筋細胞のSM−αアクチン量を測定した。詳しくは、市販の正常ヒト線維芽細胞をそれぞれ10%血清を含む専用培地と共に、1.0×105(cells/ml)で2mlを綿状エラスチン繊維上に播種し、5%CO2培養装置で3日間培養した。0.1Mリン酸塩緩衝液で洗浄後、トリプシン溶液を2ml加え1分間静置し、細胞を剥離した。100G(800rpm)で1分間遠心分離し、上澄みを除き70%エタノールを加え5分間固定した。1%ウシ血清アルブミン/リン酸塩緩衝液(0.1%Triton−X100を含む)を加え5分間静置した後、遠心分離し上澄みを除去した。調整した細胞懸濁液に抗SM−αアクチン抗体-FITC(SIGMA社製)を2ml加え、暗所、室温で30分間反応させた。その後、0.1Mリン酸塩緩衝液で洗浄し、FACSCalibur(Becton Dickinson社製)の装置で、アクチン量を測定した。
結果を図6に示す。エラスチン上に接着し培養した平滑筋細胞のSM−αアクチン発現量はコントロールの約3倍であり、細胞骨格構造の発達速度が速いことから、分化誘導が促進されていることがわかり、これはコーティングシャーレと同等の効果であることから、綿状エラスチン架橋体繊維の表面はエラスチンコーティングシャーレとほぼ同等の細胞応答性を有しているといえる。
Claims (5)
- 高電圧を負荷するための正極並びに負極からなる一対の電極、及び該電極間の中間部上方または下方に設置されたエラスチン繊維捕集装置を備えたマイナスイオン発生装置とで構成される静電紡糸用容器中に、溶媒に溶解した水溶性エラスチンと架橋剤の混合溶液を正極側から吐出して、繊維状水溶性エラスチンをマイナスイオン発生装置側で捕集する第1工程と、該繊維状水溶性エラスチンを50〜130℃に加熱して架橋反応させ、その乾燥直径が0.1〜10μm、繊維密度が0.1〜10mg/cm3である綿状エラスチン架橋体を作製する第2工程とからなる綿状エラスチン架橋体の製造方法。
- 前記混合溶液の吐出速度が0.1〜10ml/時間、負荷電圧が5〜30kVであることを特徴とする請求項1に記載の綿状エラスチン架橋体の製造方法。
- 前記溶媒が、水、トリフロロエタノールもしくはヘキサフロロプロパノールの何れかまたは混合物である請求項1乃至2に記載の綿状エラスチン架橋体の製造方法。
- 前記水溶性エラスチンの濃度が5〜40%である請求項1乃至3に記載の綿状エラスチン架橋体の製造方法。
- 請求項1乃至4に記載の方法によって得られる綿状エラスチン架橋体の繊維が、同一方向に束ねられて成形される繊維束構造を有してなる細胞培養用支持担体、および細胞を複合化してなる人工靭帯、人工腱、人工筋肉などの代替医療用材料。
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---|---|---|---|---|
WO2011021558A1 (ja) | 2009-08-17 | 2011-02-24 | 株式会社オーガンテクノロジーズ | バイオ人工臓器作製方法 |
JP2012192061A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Mie Univ | 前十字靭帯組織およびその製造方法 |
KR20160002672A (ko) * | 2012-12-10 | 2016-01-08 | 엘라스타겐 피티와이 리미티드 | 확장 가능한 3-차원 탄성 구조물 제조 |
US11369465B2 (en) | 2013-01-14 | 2022-06-28 | Scripps Health | Tissue array printing |
US11497830B2 (en) | 2014-03-14 | 2022-11-15 | Scripps Health | Electrospinning of cartilage and meniscus matrix polymers |
-
2007
- 2007-08-10 JP JP2007209110A patent/JP2009039401A/ja active Pending
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