JP2002534481A - 抗癌ワクチン接種のための抗体の使用 - Google Patents

抗癌ワクチン接種のための抗体の使用

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Abstract

(57)【要約】 癌疾患に対するワクチン接種のためのヒト細胞膜の抗原に対する抗体の使用を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 癌に対するワクチン接種のための抗体の使用 本発明は、癌に対するワクチン接種用の薬学的組成物調製のためのヒトの細胞
膜抗原に対する抗体の使用に関する。
【0002】 ハイブリドーマ技術の発見で、多種多様な抗原に対するモノクローナル抗体(M
AB)の作出が可能になった。一般的にすべての生物学的問題に適用されうるこの
技術は、癌研究においても重要な役割を果たす。過去20年以上、多くの腫瘍関連
抗原(TAA)に対するMABが、作製されている。TAAは、主に腫瘍細胞の細胞膜上
で発現し、したがって悪性ではない組織と区別される構造を持つ。したがって、
それらは、特異的なMABもしくはこれらのMAB由来の誘導体に基づく、診断上、ま
たは治療上の適用のための標的として考えられる。
【0003】 TAAに対するMABの直接的な治療上の適用は、受動免疫療法に基づいている。す
なわち、MABまたはその誘導体は、癌患者へ適当な量で全身に適用され、生物体
内濃度が十分高くありさえすれば治療の効果がある。そのような薬剤の生物学的
半減期は、薬剤の構造に依存し、ほんの数時間から数日までの間である。したが
って適用を繰り返す必要がある。しかしながら、異種抗体(例えば、マウスMAB
)を用いる場合には、これは好ましくない免疫反応を引き起こし、可能性のある
治療効果がなくなり、危険な副作用(アナフィラキシーショック)を導くことが
ある。したがって、そのような免疫療法は、限られた期間だけ投与されなければ
いけない。
【0004】 癌の免疫療法のための他の方法は、悪性細胞と闘うように癌患者の免疫系の選
択的活性化に基づいており、この方法では、多くの多様な種類の癌ワクチンが用
いられる。これらは、自己腫瘍細胞または同種腫瘍細胞を用いたワクチンの接種
、化学修飾または遺伝子工学技術によって改変された自己腫瘍細胞または同種の
腫瘍細胞を用いたワクチン接種、化学的方法または遺伝子工学的方法で作製され
た単離TAAもしくはそれ由来のペプチドを用いたワクチン接種、ならびに最近で
はTAAまたはそれらに由来の構造をコードするDNAのワクチン接種などが含まれる
。別の方法では、癌に対するワクチン接種のための抗イディオタイプ抗体の使用
に基づいている。適当な抗イディオタイプ抗体は、免疫学的にTAAによく似てい
ることがある。異種タンパク質(例えば、マウス抗体、ヤギ抗体など)は、それ
自体の構造について、しばしば低程度にだけ免疫原性である適当なヒトの腫瘍抗
原と対照的に、ワクチン接種後のヒトにおける強い免疫反応を誘導する。したが
って、抗イディオタイプ抗体を、腫瘍抗原の免疫原性の代用物として、ワクチン
接種のために用いることができる。
【0005】 能動特異的癌免疫療法における抗腫瘍抗体を用いた受動免疫療法とは対照的に
、かなり少量の適当なワクチンでさえも、原則的に何ヶ月あるいは何年も免疫性
が続き、そして、それが弱くなった場合には繰返しワクチン接種することによっ
て増す免疫性を誘発するためには十分である。さらに、能動免疫法は、体液免疫
性、ならびに細胞免疫性を誘発させ、その免疫性の共同作用が有効な防御を誘導
する方法である。
【0006】 概して、これまでに記述されてきた癌に対する免疫療法のための抗体またはそ
れらの誘導体の使用は、本質的に以下の2つの基本方針に基づいている: ・ TAAに対する抗体またはそれらの誘導体を用いた受動療法、 ・ TAAに特異性を有する抗体のイディオタイプに対する抗体またはそれらの誘
導体を用いた能動免疫化(ワクチン接種)。
【0007】 多くの多様なTAAの発見とその後の特徴づけの際に、それらは癌細胞に関して
重要な機能を持つことがわかってきた。それらによって、変性した細胞は、転移
する際に重要な役割を果たす接着能力の増大のような悪性の表現型に特有の性質
を示すことができる。しかしながら、そのような抗体はまた、正常な細胞の正常
な機能を担っている特定の段階において正常な細胞に発現できる。特許請求の範
囲を完全にすることなく、そのような抗体のいくつかの例を以下に列挙する: ・ ニューロン起源の腫瘍にしばしば発現し、同種親和性接着をもたらすN-CAM
(神経細胞接着分子(Neuronal Cell Adhension Molecule))(J.Cell Biol.11
8(1992)、937)。 ・ 上皮起源の大部分の腫瘍に見いだされるが、そのうえ胎児の上皮組織分化の
際にも重要な機能を持つ、ルイスY炭化水素抗原。ルイスY陽性癌細胞は、明らか
に転移の可能性がより高いので、肺癌においてこの抗体の発現は、好ましくない
予後に強く関係していることが示されている(N.Engl.J.Med.327(1992)、
14)。 ・ 胃腸管における上皮腫瘍にしばしば見いだされ、自己接着分子として同定さ
れている、CEA(癌胎児性抗原(Carcino Embryonic Antigen))(Cell 57(198
9)、327)。 ・ 上皮起源のほとんどすべての腫瘍に発現するが、正常な上皮の多くにおいて
も見いだされる、Ep-CAM(上皮細胞接着分子(Epithelial Cell Adhension Molecu
le))。これは、自己接着分子として特徴づけられ、それによって全上皮接着抗原
として分類されるうる(J.Cell Biol.125(1994)、437)。
【0008】 本発明の根本的な技術的問題は、癌疾患に対する有効な予防または治療となる
さらなる手段と方法を提供するであろう。
【0009】 この問題は、特許請求の範囲で特徴づけられるので、態様の提示によって解決
されている。
【0010】 よって、本発明は、癌に対する予防用および/または治療用のワクチン接種の
ための薬学的組成物調製のためのヒト細胞膜抗原に対する抗体の使用に関する。
本文脈において、「細胞膜抗原」という用語は、細胞の細胞膜上に存在する構造
体に関する。これらは、特に、トランスフェリンレセプターのようなレセプター
、またはEカドヘリンまたはEp-CAMのような他の分子を含む。
【0011】 好ましい態様においては、そのような細胞膜抗原は、腫瘍関連抗原である。本
文脈においては、「腫瘍関連抗体」という用語は、腫瘍細胞に主に存在し、それ
によって悪性ではない組織と区別される構造体を意味する。好ましくは、そのよ
うな腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の細胞膜上、または細胞膜中に局在する。しかし
ながら、これは、そのような抗原がまた非変性細胞においても見いだされる可能
性を除外しない。例えば、腫瘍関連抗原は、ポリペプチド、特にグリコシル化タ
ンパク質であるか、またはポリペプチドのグリコシル化された型のものである。
腫瘍関連抗原を示す可能性がある他の構造は、例えば糖脂質である。これらは例
えば、GM2のようなガングリオシドを含む。さらに、腫瘍関連抗原は、癌細胞の
特徴となる細胞膜の脂質組成の変化によって示される可能性がある。
【0012】 腫瘍関連抗原の例は、ずでに上記したN-CAM、ルイスY炭化水素抗原、CEA、お
よびEp-CAMである。さらに例としては、シアリルTn炭化水素、ガルボH炭化水素
、GD2/GD3/GM2のようなガングリオシド、前立腺特異的抗原(Prostate Specific
Antigen)(PSA)、CA 125、CA 19-9、CA 15-3、TAG-72、EGFレセプター、Her2/N
euレセプター、p97、CD20、及びCD21がある。全てのこれらの抗原に対するモノ
クローナル抗体は、入手できる。さらに、腫瘍関連抗原は、例えばデヴィータ(
DeVita)らによって記述されている(編集、「癌の生物学的治療(Biological T
herapy of Cancer)」、第2版、第3章、腫瘍抗原の生物学(Biology of Tumor A
ntigen)、リッピンコット社、ISBN 0-397-51416-6(1995))。
【0013】 「抗体」という用語は、全てのありうる種類の抗体、特にポリクローナル抗体
またはモノクローナル抗体に関し、または化学的、生化学的もしくは遺伝子工学
的方法によって作製される抗体にも関する。そのような分子の作製法は、当業者
に周知である。抗体作製法は重要ではない。細胞膜抗原の関係のあるエピトープ
に対するその結合特異性だけが需要である。好ましくは、モノクローナル抗体が
用いられ、最も好ましくは、動物由来、特にマウス由来のモノクローナル抗体で
ある。特に好ましくは、記載のように作製されうるマウスモノクローナル抗体HE
-2、またはHE2と同様の高い結合特異性を持つ抗体が用いられる。本発明の意図
することろにおいて、「抗体」という用語は、TAAを認識する抗体の断片または
誘導体もまた含む。TAAに対する適当な抗体を用いたワクチン接種によって誘発
される治療上有効な免疫反応は、このような抗体の結合領域によって、すなわち
、それらのイディオタイプによって決定される。それによって、これらの誘導体
が各々の元の抗体のイディオタイプを含む限りは、成功したワクチン接種のため
に、完全な抗体の代わりにこれらの抗体の断片または誘導体を、原則的には用い
ることもできる。例として、以下のものが制限的ではなく列挙されうる:既知の
生化学的手法(酵素触媒による切断)または既知の分子生物学手法のどちらかに
よって作製されうる、F(ab) 2'断片、F(ab)'断片、Fv断片。さらに例としては、
既知の化学的、生化学的、または遺伝子工学的手法に従って作製されうる抗体の
誘導体がある。本文脈においては、「誘導体」という用語はまた、破傷風トキソ
イド、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、脂質Aの誘導体、GM-CSF、IL-2の
ような免疫反応を増大できる分子と抗体(抗体断片)との化学的結合によって、
またはリポソーム製剤へよりよい組み込みのための脂質と抗体(抗体断片)との
化学的結合によって作製されうる産物を含む。「誘導体」という用語はまた、GM
-CSF、IL-2、IL-12、C3dなどのような免疫反応を増大できるポリペプチドを用い
た遺伝子工学的に作製される、抗体(抗体断片)の融合タンパク質を含む。本発
明に従って、抗体は当然ながら互いに組み合わせて適用することもできる。これ
は、様々な膜抗原または同じ膜抗原の異なるエピトープを認識する2つまたはそ
れ以上の抗体を投与できることを意味する。異なる抗体を、同時に(一緒にまた
は別々に)または連続的に投与することができる。癌細胞は、いくつかのTAAを
同時に発現することがあり、それらTAAに対するワクチン接種のための適当な抗
体は入手可能であるか、または作製可能であるかのいずれかである。誘発された
免疫反応における高められた相乗効果または可能な相乗効果を得るため、抗原に
陰性である変異型を選抜する危険性を最小にするため、ならびに起こりうる腫瘍
細胞の異質性(heterogenity)をうち消すために、2つまたはそれ以上の適当な抗
体またはそれらの断片または誘導体の組み合わせでワクチン接種のために同時に
用いることが利点となる可能性がある。
【0014】 本明細書の文脈においては、「ワクチン接種」という用語は、能動免疫法、す
なわち、適当な免疫原性の製剤において、少量の抗原(外因性物質、およびそれ
による免疫原性の物質として、ワクチンを接種された個体によって認識される物
質)投与(例えば、皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、可能な経口投与、鼻孔投
与)による特異的な免疫反応の誘発を意味する。抗原は、このように抗原に対す
る特定の免疫反応を生ずるために免疫系に対する「引き金」として用いられる。
原則的には、抗原の必要量は、かなり少なくてよい(ワクチンは、ワクチン接種
の1用量当たり約5μgから10μgの抗原を含むだけのものもある)。
【0015】 用量作用曲線が幅広い範囲に対して、投与される抗原の量に少ししか依存しな
い能動免疫化が特徴となる。これは、免疫反応が広範囲の用量に多少は一致する
ことを意味する。結果として、ワクチン接種の場合には、所望の作用、すなわち
免疫反応の誘発はすでにかなり少量の抗原で成し遂げられる。しかしながら、そ
れは、実質的により大量の抗原を用いた類似の方法でも成し遂げられる。当然な
がら一般的には特に、ワクチン接種に関して重要である副作用や材料費などの点
において、できる限り少ない投与量で用いることが望ましい。
【0016】 本発明の意義においては、原則的にワクチン接種は、治療学的意義ならびに予
防上の意義(すべての抗菌ワクチンに関する場合)のどちらかを達成することが
できる。これは、本発明に係る癌に対するワクチン接種が治療上および予防的な
両適用として理解されうることを意味する。従って、癌を罹患していない個体の
ワクチン接種によって任意の癌疾患の突発に対する予防的防御となりうる。その
ような予防上のワクチン接種が適用されうる個体は、癌疾患を発生する危険性が
増加している個体であるが、この適用はそのような個体に限定されることはない
【0017】 本発明による使用は、周知で以前に記述されている癌の治療のための抗体の治
療上適用の基本的な可能性と実質的に異なり、予想外の有効な治療となる。
【0018】 TAAに対する抗体の結合領域は、「錠と鍵」の原理に従って各々のTAAの結合エ
ピトープの構造的な相補的図(complymentary picture)で表すことができる。
これは、そのような抗体が、抗体のイディオタイプにおいて、抗体に対するTAA
のエピトープの構造上の情報を有することを意味する。このように、癌患者がTA
Aに対する適当な免疫原性抗体(すなわち、例えば、TAAに対するマウスMAB)を
用いてワクチン接種する場合には、患者内で産生されるそれらの抗体は、部分的
にワクチンとして用いられる抗体のイディオタイプに対して指向され、その抗体
は「錠と鍵」の原理に従ってTAAエピトープに構造的に模倣することができる。
これは、そのようなワクチン接種による、いわばTAAエピトープの可溶性の変異
型が癌患者において産出されるということを意味し、この可溶性の変異型は、長
期間、能動誘発された自己抗体として作用を持つことができ、その力価を、適当
な間隔で繰り返しワクチン接種することによって増加することができる。
【0019】 好ましい態様においては、ヒトの細胞膜抗体は、接着過程において働く構造体
である。本文脈においては、接着過程は、好ましくは、細胞表面上のリガンドま
たはレセプターを含む細胞間相互作用である。このように、接着分子は、細胞間
相互作用に機能する細胞表面上のリガンドまたはレセプターである。そのような
接着分子のサブグループは、自己接着分子である。これらは、それら自身と結合
することができるという特性を有する。
【0020】 TAAに対する抗体をワクチン接種することによって誘発される免疫反応の生理
学的作用は、本質的にはそれぞれのTAAの機能に依存する。例えば、TAAが、特に
脈管系の内皮細胞上のリガンドに対する、腫瘍細胞接着のためのレセプターの機
能(そのような性質は、播種性の腫瘍細胞が脈管系から出るため、および転移を
形成するために組織を安定させるために重要である)を持つ場合には、接着のた
めのこの能力は、このTAAに対する適当な抗体をワクチン接種することによって
減少する。なぜなら、誘導された抗体が、可溶性の形態でTAAに似ている場合、T
AAとそのリガンドの相互作用と競合し、その抗体は、循環系と組織において永続
して存在するからである。
【0021】 概して、上記の説明に従って、誘発された免疫反応が、リガンドとの相互作用
におけるTAAの機能を干渉し、且つこの相互作用を阻害する、または妨げること
は、悪性の腫瘍細胞に関して作用するTAAに対する適当な抗体をワクチン接種す
ることによって成し遂げることができる。これは、癌細胞が、悪性の表現型に重
要である性質を示さないか、または十分に示さないことを意味し、これは、病気
の発生を遅らせるか、または停止し、特に、初期段階において、転移の発生を抑
制することができる。
【0022】 さらに好ましい態様においては、細胞膜抗原は、自己接着でき、すなわち、抗
原のある特定のエピトープは、他の細胞における同じ抗原への同種親和結合に役
割を果たしている。そのような抗原の例は、とりわけN-CAM(神経細胞接着分子)
、CEA(癌胎児性抗原)、およびEp-CAM(上皮細胞接着分子)である。この機能に関
わる自己接着抗原のエピトープに対する抗体は、上記のように、そのようなエピ
トープに対する補体の構造上の情報を含む。したがって、そのような抗体をワク
チン接種することによって、上記のように、結合反応におけるこの自己接着の性
質を持つ抗体の形成を誘導することができる。これは、そのような場合において
は、レセプターとリガンドが一致するので、そのように誘導された抗体は、順次
に自己接着抗原と結合できることを意味する。前記の免疫反応が、このように、
腫瘍細胞に順次に直接結合し、それによって治療上の作用を引き起こす、自己接
着性抗原に対する適当な抗体を癌患者にワクチン接種することによって免疫反応
を誘発することができる。一方では、悪性細胞に重要な自己接着力は妨げられ、
且つ一方では、細胞毒エフェクター細胞の活性化による、補体依存的渙散および
/または渙散のようなヒトのエフェクター機能は、腫瘍細胞へ誘導された抗体の
結合によって引き起こされることができ、腫瘍細胞の破壊を導く。
【0023】 上記のすべての作用機構と効果によって、TAAに対する適当な抗体を用いた癌
患者のワクチン接種のために、新しい転移形成を抑制でき、疾患の内転移を少な
くとも衰えさせることができる。疾病の初期段階において、例えば初期の腫瘍(
アジュバント期)の手術が成功した後に、残っている渙散した腫瘍細胞を、その
ようなワクチン接種によって新しい転移として腫瘍細胞自体を確立することを防
ぐ。これは、再発のない生存期間とそれによるそのような患者の寿命を長くさせ
る。適当な間隔で行うそのようなワクチン接種とブースターワクチン接種によっ
て、転移形成に対して任意に一生防御できる可能性がある。特に、自己接着性TA
Aに対する適当な抗体を癌患者へワクチン接種することは、これらの場合におい
ては上記のように、腫瘍細胞における誘発された免疫反応の付加的な直接的攻撃
による治療上の作用を増加させることができるために興味深い。
【0024】 さらに好ましい態様においては、本発明の使用に従って調製された薬学的組成
物は、抗体とは別のワクチンの製剤において一般的に用いられる、少なくとも1
つのアジュバントを含む。免疫反応をそのようなアジュバントによって増大する
ことができる。アジュバントの例としては、これらに限定されることはないが、
以下に列挙されうる:水酸化アルミニウム(Aluゲル)、リポ多糖類誘導体、カ
ルメット-ゲラン桿菌(Bacillus Calmette Guerin)(BCG)、リポソーム調製品
、免疫系が例えば破傷風トキソイド、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、
またはインフルエンザウイルスの構成物のような強い免疫反応を既に作り出して
いる付加的な抗原を用いた製剤、選択的に、リポソーム調製品中に、顆粒球マク
ロファージ刺激因子(Granulocyte Macrophage Stimulationg Factor)(GM-CSF
)、インターロイキン 2(IL-2)、またはガンマインターフェロン(IFNγ)の
ような生物学的アジュバントを含む。
【0025】 他の好ましい態様においては、本発明の使用に従って調製された薬学的組成物
は、抗体0.01 mgから4 mg、好ましくは抗体0.5 mgの1用量におけるワクチン接種
のための投与に適している。
【0026】 ワクチン接種は、上記の用量の1回の適用によって実行されうる。しかしなが
ら、好ましくは、ワクチン接種は繰返し適用することによって実行される。繰返
しの回数は、1年につき1回から12回の範囲内で、より好ましくは1年につき4回か
ら8回の範囲内である。用量は、同一であるか、または減少させることができる
【0027】 ブースターワクチン接種は、一定の間隔で、原則として生涯において実行され
うる。適当な間隔は、6ヶ月から24ヶ月の範囲で、誘導された抗体の力価をモニ
ターすることによって決定されうる(誘導された抗体の力価が有意に下がるとす
ぐに、ブースターワクチン接種を行うべきである)。
【0028】 抗体の投与が、当業者に周知の方法に従って実行されうる。好ましくは、抗体
を含む薬学的組成物は、皮下、皮内または筋肉内の投与が適当である。
【0029】 本発明は、さらに、癌疾患に対するワクチン接種のための腫瘍関連抗原を認識
する抗体の使用と、1つのTAAを認識する1つまたはそれ以上の抗体がワクチン接
種のために十分な量で患者に投与される、ワクチン接種による癌疾患の治療方法
とに関する。
【0030】 ワクチンとしての、TAAに対する抗体の使用、またはそれらの抗体の誘導体も
しくは断片の使用は、受動免疫療法のためのそのような抗TAA抗体の既知の適用
とは実質的に異なる。受動抗体免疫療法と比較した、本発明に係る使用の本質的
な利点のいくつかを、以下にまとめる。
【0031】 癌の受動免疫療法のためのTAAに対する抗体: ・ 高用量(100mg以上/静脈内注入) ・ 効果的な薬剤放出による短期の作用 ・ 免疫原性による好ましくない異種抗体 治療の継続時間は、特に異種抗体の場合には、免疫反応の誘導と繰返して適用す
る場合に、それによって生じるアナフィラキー反応の危険性のために限定される
【0032】 癌に対する予防および/または治療のワクチン接種のためのTAAに対する抗体: ・ 低用量(1mg未満/ワクチン接種;皮下注射、皮内注射、筋肉内注射) ・ 直接誘導される免疫反応の長い持続効果 ・ 作用が免疫原性に基づく望ましい異種抗体 ・ 無限の治療期間(常にブースターワクチン接種が可能)
【0033】 以下に、自己接着性のTAA EP-CAMに対する特定のマウスMAB(HE2)、またはF(
ab)'2断片を用いたワクチン接種が、この抗原を発現しているヒト腫瘍細胞に選
択的に結合する抗体を直接誘導することを示す実験を記述している。これは、い
かなる限定もしないが、例として、癌疾患における治療作用を持つ免疫反応が、
自己接着性TAAに対する適当な抗体、または少なくとも最初の抗体のイディオタ
イプを含むそれらのTAA誘導体をワクチン接種することによって誘導されること
を示している。
【0034】 この目的のために、マウスモノクローナル抗体HE2は、記載のハイブリドーマ
技術の標準的な手順にしたがって、産生された(例として、H. ゾーラ(Zola.) 「モノクローナル抗体:技術マニュアル(Monoclonal Antibodies : A Manual
of Techniques)」、CRC出版社、Inc. ISBN 0-8493-6476-0;1988を参照のこと
)。Balb/c マウスは、標準的なプロトコールに従ってヒトの結腸直腸癌細胞で
免疫化された。脾臓細胞は、マウスのメラノーマ系統P3X63Ag8と融合され、メ
ラノーマ細胞ではなくヒト結腸直腸癌細胞に選択的に結合する抗体を産生するハ
イブリドーマが選抜された。最終的には、IgG2a/κ抗体を分泌するハイブリドー
マを選抜した。例えば、比較として既知の抗Ep-CAM抗体(KS1-4)を用いたKATO
III胃癌細胞由来の膜調製品についてのウェスタンブロット解析によって示され
るように、この抗体(HE2)はEp-CAMに結合する。
【0035】 MAB HE2の可変領域のアミノ酸配列は以下である。 重鎖: 軽鎖:
【0036】 以下の実施例は、本発明をさらに説明するためのもので、本発明を限定するも
のではない。
【0037】 マウスMAB HE2は、同種親和性結合に関係する自己接着性抗原Ep-CAMのエピト
ープに結合することを示すために、ヒト細胞系統SW2の自己接着能力に及ぼすHE2
の影響が研究された。この小細胞肺癌系統は、1回の接種の後、数時間以内にイ
ンビトロ培養において細胞塊を形成する傾向がある。実験の説明を、実施例1で
見出すことができる。図1および図2から明らかなように、HE2を加えることによ
って、細胞塊が大きく広がって形成することを妨ぐ。これは、HE2がこの膜タン
パク質の同種親和性結合に関わるEp-CAMのエピトープに結合することを証明して
いる。
【0038】 マウスMAB HE2のF(ab)'2断片のワクチン接種に対する直接的な体液免疫反応を
調査できるように、ヤギをこの断片により免疫化した。断片を、既知の記載の方
法に従って、ペプシンによるHE2の切断によって調製し、精製した。ヤギの免疫
化を、実施例2に記載する。
【0039】 最初に、回収され、プールされたヤギの免疫血清を、ワクチン接種されたヤギ
のすべての免疫反応を決定するためにMAB HE2に対する免疫グロブリンについて
、免疫化前の血清と比較し、調べた。この試験を、実施例3において実験の説明
がなされているELISAアッセイ法の助けを借りて実行した。本実験の結果を図3に
示す;ヤギは、MAB HE2のF(ab)'2断片を用いたワクチン接種によって強い免疫反
応が生じたが、HE2に対する抗体は免疫化前の血清においては検出できなかった
【0040】 続いて、MAB HE2に対するTAA(Ep-CAM)を発現するヒトの癌細胞に結合するヤ
ギの免疫血清中で免疫グロブリンを検出できるかどうか調べた。この目的のため
に、胃癌細胞系統KATO IIIが用いられた。Ep-CAMを発現しないヒト細胞系統(WM
9 メラノーマ細胞)への結合もまた、対照として試験された。これらの試験は、
実施例4において実験の説明がなされている細胞ELISAアッセイ法の助けを借りて
行われた。これらの実験結果は、図4および図5に示されている:ヤギの免疫血清
は、Ep-CAM陽性KATO III細胞に強く結合する免疫グロブリンを含むが、Ep-CAM陰
性WM9細胞においてはその結合は検出されない。免疫化前の血清は、これらの細
胞へ結合する抗体を含まない。このかなり驚くべき結果は、HE2-(ab)'2断片をワ
クチン接種することによって産生される抗体が、HE2によって認識されるTAAを発
現する細胞へ再びそれら自体を実際に結合できることを示している。その結果、
自己接着におけるTAAの機能を、前に詳細に記述されているように、HE2のワクチ
ン接種によって産生される抗体へ移すことができる。
【0041】 HE2のF(ab)'2断片のワクチン接種のためにヤギで産生され、このMABのイディ
オタイプに対する抗体が、実際にKATO細胞へ結合するものであるということを証
明するために、これらの誘導された抗体の抗イディオタイプ部分が、主に記載さ
れているように(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81(1984)、216)、一連の免疫
アフィニティークロマトグラフィーの助けを借りて、ヤギ免疫血清から特異的に
精製された。一連の精製段階を、再び実施例5に要約した。
【0042】 これらのアフィニティー精製されたヤギの抗体は、Ep-CAM陽性KATO細胞、並び
に、Ep-CAM陰性WM9細胞への結合について再び試験された。実験の説明は、実施
例6に示されている。これらの実験結果は、図6および図7に示されている: HE2
のイディオタイプに対するヤギIgGは、Ep-CAM陽性KATO細胞へ強く結合するが、
非特異的なヤギのIgGはほとんど結合しない。しかしながら、アフィニティー精
製された特異的ヤギIgGとEp-CAM陰性WM9細胞との結合は、非特異的なヤギIgGの
結合とは異ならない。このように、HE2のF(ab)'2断片のワクチン接種のために直
接的に形成された抗体であって、この抗体のイディオタイプに対する抗体の断片
がHE2によって認識されるTAAを発現する癌細胞へ結合する抗体を含むことが証明
される。この実験によって、HE2のワクチン接種によって誘導されるEp-CAM陽性
細胞に対する抗体は、いくつかの出版物(例として、Cancer Immunol. Immunoth
er. 42(1996)、81-87を参照のこと)において仮定されているように、2重の自
己イディオタイプネットワークカスケードの結果として生じたものではないとい
うことも、そのような抗イディオタイプ抗体(Ab3)が、イディオタイプのネッ
トワークに従って、Ab1(= HE2)だけでなくAb2にも結合できなかったため、Ab1カ
ラムアフィニティークロマトグラフィーによって全く精製できなかったことから
決定的に示されている。
【0043】 HE2のF(ab)'2断片を用いたヤギの免疫化の上記の結果を考慮して、ワクチン接
種の研究はまた、ヒトの近縁種における免疫学的結果を確認するために、アカゲ
ザルを用いてなされた。これらの実験に関しては、完全なマウスMAB HE2が免疫
原として用いられた。多くの異種タンパク質としてマウスFC部がまた、イディオ
タイプに対する免疫反応を増大する(担体効果)であろうと推測された。起こり
うる局所的な副作用を避けるために、水酸化アルミニウムが刺激性の少ないアジ
ュバントとして用いられた。これらのワクチン接種実験のための製剤の調製は、
実施例7において記述されている。
【0044】 実施例7に記載の製剤を、4個体のアカゲザルの背中に皮下注射した(1回のワ
クチン接種につき0.5 mg HE2 = 0.5 mlで、4週間の間隔で2回投与された)。血
清の回収については、血液は数回採取された。
【0045】 最初に、HE2に対する免疫反応をELISA法で測定した。実験の説明は実施例8に
示されている。図8に示されているように、HE2に対する抗体の有意な力価を、既
に、29日目において測定することができる。
【0046】 さらに、KATO III細胞へ結合する抗体がワクチン接種によって誘導されるかど
うか調べられた。これらの試験については、細胞ELISA法が用いられた。実験の
説明を、実施例9に示す。図9に示すように、Ep-CAM陽性KATO III腫瘍細胞へ結合
する抗体は、既にすべての動物において29日目に誘導されている。
【0047】 続いて、4個体の動物を、アカゲザルに対する毒性試験に関して水酸化アルミ
ニウムへ吸着されるHE2でワクチン接種した。4個体の他のアカゲザルは、偽薬と
して水酸化アルミニウムを受け入れた。製剤の調製は、実施例10および実施例11
に記載される。合計で、アカゲザルは0.5 mlの各々の製剤(有用な薬剤または偽
薬)を4回(1日目、15日目、29日目、57日目)、背中に皮下注射された。血清の
回収については、血液が、研究が始まる前と処理の間に様々な回数で採取された
【0048】 再び、HE2に対する免疫反応は、最初にELISA法で決定された。実験の説明を、
実施例8に示す。図10に示すように、HE2群の4個体すべてのアカゲザルは、1回の
ワクチン接種後に既にHE2に対する有意な体液免疫反応を生じ、その反応は2回目
のワクチン接種によってさらに増大されたのに対して、偽薬群のアカゲザルは、
HE2に対する抗体の力価が全く増加していないことを示している。
【0049】 これらの所見は、HE2群のアカゲザルの43日目における血清の免疫アフィニテ
ィー精製によって、さらに確認された。実験の説明は、実施例12に示す。以下の
表に示されるように、4個体全てのサルは、43日目の血清において、HE2に対して
IgGの強い免疫反応(2回目の免疫反応)を生じているのに対して、IgM部分は、
接種前の血清と同等である。
【0050】 Ep-CAM陽性Kato III細胞に対する抗体の誘導もまた調べられた。再び、細胞EL
ISA法がこれらの試験のために用いられた。実験の説明を、実施例9に示す。図11
に例示的に示すように、HE2群のアカゲザルは、29日目において既にKato III細
胞に対する抗体を産生した。
【0051】 上記のヤギとアカゲザルのワクチン接種の結果に関して、転移による腸癌に罹
患している患者(デューク D)は、逸話的な場合に、水酸化アルミニウムに吸着
されるMAB HE2で、以下のようにワクチン接種された。製剤の調製は実施例7に記
載する。合計で、患者は、0.5 mlのこの製剤を上肢に4回(1日目、50日目、78日
目、114日目)皮下注射された。血液は、各々のワクチン接種前と128日目に血清
回収のために採取された。はじめに、KATO III細胞へ結合する抗体が、ワクチン
接種によって誘導されたかどうか調べた。細胞ELISA法は、これらの試験のため
に再び用いられた。実験の説明は、実施例9に示す。これらの実験結果は、図12
に示す。KATO III細胞へ結合する高い力価の抗体は、ワクチン接種のためにこの
癌患者において明らかに誘導される。
【0052】 HE2でワクチン接種することによって誘導される抗体が、エクスビボでKATO II
I癌細胞に対する細胞毒性作用を調節するかどうかをさらに調べた。この目的の
ために、誘導された抗体によって調節される補体依存的な渙散を証明する目的で
、KATO III細胞を癌患者の免疫化前の血清と免疫血清とともにインキュベートし
た。実験の説明は実施例13に示す。
【0053】 結果は、図13に示す。HE2でワクチン接種することによって誘導される抗体は
、患者の自己血清中に補体依存的な渙散を介してEp-CAM陽性KATO III細胞を明ら
かに壊すことができる。
【0054】 上記の例示的な実験において、Ep-CAMのような自己接着性TAAに対する適当な
抗体、または各々の最初の抗体と同じイディオタイプを含む抗体の誘導体により
ワクチン接種することで、体液免疫反応を引き起こし、これらの抗体とその誘導
体が、この自己接着性TAAを発現する腫瘍細胞上に選択的に結合することが示さ
れる。誘導された抗体は、そのような腫瘍細胞に対して細胞毒性を示す可能性が
ある。そのような抗体を用いたワクチン接種は、それによって、癌疾患における
治療的効果をもたらすことがある。
【0055】 実施例 用いた材料: マイクロタイタープレート: ELISA用イムノプレート F96 MaxSorp(Nunc) 細胞ELISA用細胞培養クラスター(コースター;カタログ番号3598) 細胞系統: SW2:ヒト小細胞肺癌系統、Ep-CAM陽性 KATO III:ヒト胃癌細胞系統、Ep-CAM陽性(ATCC HTB 103) WM9:ヒトメラノーマ細胞系統、Ep-CAM陰性 カップリングバッファー: 0.1M NaHCO3 0.5 M NaCl pH値 8.0 精製用バッファーA: PBS def 0.2 M NaCl pH値 7.2 精製用バッファーB: 0.1 M グリシン / HCl 0.2 M NaCl pH値 2.9 培地A: RPMI 1640 + 2 g/l NaHCO3 100 U/ml ペニシリン G 100 μg/ml ストレプトマイシン硫酸塩 4 mM グルタミン 10 % ウシ胎児血清(熱不活性化) 結合バッファー: 15 mM Na2CO3 35 mM NaHCO3 3 mM NaN3 pH値:9.6 PBSディフィシエント(deficient): 138 mM NaCl 1.5 mM KH2PO4 2.7 mM KCl 6.5 mM Na2HPO4 pH値:7.2 固定液: 0.1 % グルタルジアルデヒドを含む生理食塩水 洗浄バッファーA: 2 % NaCl 0.2 % トライトン(Triton)X-100 を含むPBSディフィシエント 洗浄バッファーB: 0.05 % トゥイーン 20(Tween 20)を含むPBSディフィシエント ブロッキングバッファーA: 5 % 胎児ウシ血清(熱不活化)を含むPBSディフィシエント ブロッキングバッファーB: 1 % ウシ血清アルブミンおよび0.1% NaN3を含むPBSディフィシエント 希釈バッファーA: 2 % ウシ胎児血清(熱不活化)を含むPBSディフィシエント 希釈バッファーB: PBSディフィシエント 染色バッファー: 24.3 mM クエン酸 51.4 mM Na2HPO4 pH値:5.0 基質: 40 mg o-フェニレンジアミン二塩酸塩 100 ml 染色バッファー 20 μl H2O2 (30%) 停止溶液: 4 N H2SO4
【0056】 実施例1: インビトロで培養されたSW2細胞を遠心分離し、沈殿物を培地Aで懸濁し、7x10 4 細胞/mlに調整する。ラブテック(LabTek)のチャンバー内で、0.1 ml PBS def
を0.3mlの細胞懸濁液と混合するか、または0.1 ml PBS defを40 μgのHE2と混合
してから、0.3 mlの細胞懸濁液と混ぜ合わせる(HE2の最終濃度は100 μg/ml)
。細胞懸濁液を最後の構成成分として添加する直前に、細胞をピペットを用いて
分離する。混合後すぐに、各々の細胞懸濁液を倒立顕微鏡(倍率100倍)で撮影
する。続いて、細胞懸濁液を37℃ / 5% CO2で4時間培養し、その後再び撮影した
【0057】 実施例2: 2個体のヤギは、1.5 mgのF(ab)'2断片を含む3 mlのPBS deficient、並びに、3
mlのフロイント完全アジュバンド(ディフコ社)を用いて、多くの部位におい
て皮内へ各々ワクチン接種される。しかしながら、8日目において、1日目のよう
にフロイント完全アジュバンド(ディフコ社)を用いた最初のブースターワクチ
ン接種が行われる。29日目において、2回目のブースターワクチン接種が同様の
様式で行われる。しかしながら、アジュバンドは加えられない。血液は、引き起
こされた免疫反応の解析用の血清を回収するために、ワクチン接種開始前と54日
目において採取される。
【0058】 実施例3: MAB HE2(10 μg/mlの濃度で含む結合バッファーの溶液)のうち100μlアリコ
ートを、37℃で1時間マイクロタイタープレートのウェル中でインキュベートす
る。洗浄バッファー Aでプレートを6回洗浄した後で、200μlのブロッキングバ
ッファー Aを各々のウェルに加え、プレートを37℃で30分間インキュベートする
。上記の様にプレート洗浄後、検査のためのヤギ血清の100μlアリコートを希釈
バッファー Aで1:100から1:1 000 000までの希釈度で、37℃で1時間インキュ
ベートする。上記の様にプレート洗浄後、100 μlのペルオキシダーゼ結合ウサ
ギ抗ヤギIg抗体(ザイメド社)を、希釈バッファー Aで1:1000の希釈度で各ウ
ェルへ添加し、37℃で30分間インキュベートする。プレートを、4回洗浄バッフ
ァー Aで洗浄し、染色バッファーで2回洗浄する。抗体の結合を、各々のウェル
へ100μlの特異的基質を添加することによって検出し、染色反応を、50μlの停
止溶液の添加によって約10分後に停止する。その評価を、490nmにおける吸光度
(OD)測定によって行う(基準測定の波長は620nmである)。
【0059】 実施例4: マイクロタイタープレートのウェルを、100μlの細胞系統の細胞懸濁液ととも
に、一晩+4℃でインキュベートし、培地Aにおいて2x106細胞/mlの濃度で試験し
た。上清を取った後、プレートを室温で5分間、1ウェルにつき50μlの固定液で
インキュベートする。上清を取った後、200μlのブロッキングバッファー Bを各
ウェルへ添加し、プレートを37℃で1時間インキュベートする。200μlの洗浄バ
ッファー Bで2回洗浄した後で、検査用のヤギの血清の100μlアリコートを希釈
バッファー Bで1:10から1:100 000の希釈度で、37℃で1時間、インキュベート
する。氷冷した100μlの洗浄バッファー Bで2回プレートを洗浄した後で、100μ
lのペルオキシダーゼ結合ウサギ抗ヤギIg抗体(ザイメド社)を、希釈バッファ
ーAで1:1000の希釈度で添加し、37℃で45分間インキュベートする。プレートを
、氷冷した100μlの洗浄バッファーで3回洗浄する。抗体の結合を、1ウェルにつ
き100μlの特異的基質の添加によって検出し、染色反応を、50μlの停止溶液の
添加によって約10分後に停止する。その評価を、490nmにおける吸光度(OD)測
定によって行う(基準測定波長は620nmである)。
【0060】 実施例5: 精製は、主にProc. Natl. Acad. Sci. USA 81:216、1984年に記載され、以下
に要約される:第一段階において、ヤギ血清に含まれる全IgGの精製を、DEAE陰
イオン交換カラムによる既知の方法に従って行う。その後、HE2のF(ab)'2断片の
一定の領域に対するヤギの抗体を、関係のないマウスIgG2aがカップリングされ
ている免疫アフィニティーカラム(CH-セファロース 4B、ファルマシア社)へ結
合するが、抗イディオタイプのヤギ抗体画分はこのカラムへは結合しない。その
結果、最終段階において、この免疫アフィニティークロマトグラフィーのフロー
スルーは、HE2がカップリングされた免疫アフィニティーカラム(CH-セファロー
ス 4B、ファルマシア社)へ結合する。このカラムへ特異的に結合する画分を、p
H 2.8のバッファー(0.1 M グリシン/HCl)で溶出し、中和する。このようにし
て得られたヤギのIgG画分は、HE2のイディオタイプに対して指向される。
【0061】 実施例6: この細胞ELISA法を、基本的に実施例4に記載される同様の方法で行う。血清を
希釈する代わりに、濃度が100μg/mlから0.031μg/mlまでの免疫アフィニティー
精製ヤギIgGと非特異性精製ヤギIgGを各々用いる。
【0062】 実施例7: 0.83mlのAluゲル懸濁液(セルバ社製Aluゲル、2% 懸濁液、良質:ワクチン調
製品のためのアジュバント)を、10 mg/ml HE2を含むPBS(pH 5.5)の0.5 mlの
溶液、並びに、3.67 mlのPBS defを一緒にして滅菌条件下において室温で1時間
、注意深く攪拌する。その後、懸濁液は、0.5 mlアリコートで注入用バイアル中
に無菌的に充填される。
【0063】 実施例8: このELISA法は、基本的には、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIg抗体(ザイ
メド社)を、結合したアカゲザル抗体の検出のために用いること以外は、実施例
3に記載されているのと同様の方法で行われる。ヒト抗体とアカゲザル抗体の定
常領域における配列の相同性は約98%であることから、この試薬に関して、アカ
ゲザル抗体を、ヒトの抗体と同様の方法で検出することができる。
【0064】 実施例9: 細胞ELISA法は、基本的に、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIg抗体(ザイメ
ド社)を細胞へ結合するアカゲザル抗体(またはヒト抗体)の検出のために用い
ること以外は、実施例4記載の同様の方法で行われる。ペルオキシダーゼ結合ヤ
ギ抗マウスIgG抗体(ザイメド社)は対照としてマウスHE2の検出に使用される。
【0065】 実施例10: 3.5mlのHE2溶液(PBS def.中に10 mg/mlの濃度で含まれる(PH5.5))を、滅菌
条件下で0.35 mlの水溶性チメローサル溶液(10mg/ml、シグマ社)、並びに27.2
5 mlの生理食塩水と混合し、注意深く攪拌しながら3.9 mlの水酸化アルミニウム
懸濁液(水中に3%の濃度で含まれる、アルハイドロゲル、スーパーフォス・バイ
オセクター社、デンマーク)を添加する。その後、このように得られた0.6 mlの
懸濁液を、アルミニウムキャップのついたゴム栓で密栓した発熱物質を含まない
ガラス管に滅菌条件下で入れる。
【0066】 実施例11: 偽薬剤は、0.35 ml生理食塩水が抗体溶液と3.5 mlのPBS def (pH=5.5)の代
わりに、およびチメローサル溶液の代わりに用いられること以外は、実施例10に
記載の同様の方法で調製される。
【0067】 実施例12: 1 gのCH-セファロース 4B(ファルマシア社)を、30mlの1 ml HClで、15分間
懸濁する。その後、ゲルを、1リットルの1 mM HClを用いて焼結されたガラスAG3
のフィルター上で洗浄し、続いて200 mlのカップリングバッファーで洗浄する。
10 mg HE2(ストック溶液 10mg/ml)を、約0.5リットルのカップリングバッファ
ーに対して透析する。この溶液を、密栓した容器中でゲル懸濁液と混合する。1
:2のゲル:バッファーの比で、カップリングに適した懸濁液となる。この懸濁
液を、室温で5.5時間、攪拌する。その後、余剰なリガンドを、30 mlのカップリ
ングバッファーで3回洗浄することによって除去する。残っている反応基を1 M
エタノールアミンと1時間室温でインキュベートすることによってブロッキング
する。その後、ゲルを、0.1 M トリス-HClバッファー(pH=8)とともに1時間室
温で攪拌する。最後に、ゲルを、pHを変化させながらバッファーで3サイクル洗
浄する。各サイクルは、0.5 M NaClを含む0.1 M 酢酸ナトリウムバッファー(pH
4)、その後0.5 M NaClを含む0.1 M トリス-HClバッファーからなる。ゲルは4
℃に維持する。
【0068】 アカゲザル血清由来のHE2に対する抗体画分の免疫アフィニティー精製を、以
下の説明に従って行う:免疫アフィニティー精製を、FPLCシステム(ファルマシ
ア社)で行う。上記の説明に従って得られた1 ml のゲルを、ファルマシア社製H
R5/5カラムへ充填する。0.5 mlの血清を、精製用バッファー Aで1:10に希釈す
る。この溶液を、1 ml/分の速度でカラムへ注入し、検出器のUVベースラインに
再び達するまで(280 nm)、精製用バッファー Aで洗浄する。その後、結合した
免疫グロブリンを、精製用バッファー Bで溶出し、その画分を、溶出後すぐに0.
5 M Na2HPO4で中和し、0.02% NaN3を添加する。このように精製した抗体画分の5
0μlを、サイズ分画カラム(SEC社、ゾルバックス(Zorbax)250 GF)で分析し
、IgGとIgM部分を定量する。SEC 220 mM リン酸バッファー(pH7)については、
+10% アセトニトリルを溶離液として用いる。ヒトIgGとヒトIgMは、標準検量線
(ピーク面積 対 濃度)を確立するためにいくつかの濃度においてそれぞれクロ
マトグラフで分析するSECのための標準品として提供される。アカゲザル由来の
アフィニティー精製抗体画分におけるIgG濃度とIgM濃度の計算は、標準曲線を用
いた線形回帰分析によって行われる。それらの濃度は、使用したサル血清1 ml当
たりのμg(μg/ml)として表す。
【0069】 実施例13: 試験を行う1日前に、KATO III細胞を、新しい培地 Aへ移し換え、細胞培養用
フラスコで37℃/5% CO2で維持する。次の日、まず、細胞は51クロムで標識する
。5x106個の細胞を、100 μCi Na251CrO4とともに37℃/5% CO2で800μlの培地A
中でインキュベートする。その後、細胞を培地 Aで洗浄し、2.5x105細胞/mlに調
整する。この細胞懸濁液の100μlアリコートを、マイクロタイタープレートのウ
ェルへピペットで分注する。試験用の患者の血清の100μlアリコートを添加し、
37℃/5% CO2で3時間インキュベートする(血清を-80℃で保存し、補体の活性を
損なわないために、このアッセイ法のために1度だけ融解する)。上清を、スカ
トロン・ハーベスティング・プレス(Skatron-Harvesting-Press)を用いて回収
し、ガンマ線量子カウンターで測定する。結果として、「実験的解離」の値が得
られる。「全解離」の決定については、血清を2% SDS溶液、50 mM Na2CO3、およ
び10 mM EDTAの溶液によって置き換える上記と同様に細胞を処理する。「自然解
離」の値は、血清を培地 Aによって置き換えることによって得られる。結果を、
以下のように計算する: 試験は3回行い、1つの結果の平均値と標準偏差を示す。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 インビトロでMAB HE2による小細胞肺癌系統SW2の自己接着の阻害
を示す。
【図2】 図1に示す実験に対する対照としてインビトロでMAB HE2の影響
を受けないヒト小細胞肺癌系統SW2の自己接着を示す。
【図3】 ELISA法で測定した場合のHE2のF(ab)'2の断片でヤギにワクチン
接種した後のHE2に対する抗体免疫反応の誘導を示す。
【図4】 細胞ELISA法で測定した場合の、HE2のF(ab)'2断片をヤギにワク
チン接種した後のEP-CAM陰性ヒト胃癌細胞(Kato III)に対する抗体免疫反応の
誘導を示す。
【図5】 図4に示す実験に対する対照として行われた、細胞ELISA法で測定
した場合の、HE2のF(ab)'2断片でヤギにワクチン接種した後のEp-CAM陰性ヒトメ
ラノーマ細胞(WM9)に対する抗体免疫反応がないことを示す。
【図6】 細胞ELISA法で測定した場合の、HE2のF(ab)'2断片でワクチン接
種されたヤギ血清からのアフィニティー精製抗体画分が、Ep-CAM陽性ヒト胃癌細
胞(Kato III)へ結合することを示す。
【図7】 図6に示す実験に対する対照として行われた、細胞ELISA法で測定
した場合に、ヤギ血清からのアフィニティー精製抗体画分が、Ep-CAM陰性ヒトメ
ラノーマ細胞(WM9)へ結合しないことを示す。
【図8】 ELISA法で測定した場合の、水酸化アルミニウムに吸着される0.5
mg HE2でアカゲザルをワクチン接種した後のHE2に対する抗体免疫反応の誘導を
示す。
【図9】 細胞ELISA法で測定した場合の、水酸化アルミニウムに吸着され
る0.5 mg HE2でアカゲザルをワクチン接種した後のEp-CAM陽性ヒト胃癌細胞(Ka
to III)に対する抗体免疫反応の誘導を示す。
【図10】 ELISA法で測定した場合の、水酸化アルミニウムへ吸着される0
.5 mg HE2でアカゲザルの1群にワクチン接種した後のアカゲザルについての毒性
調査に関して検出されるHE2に対する抗体免疫反応の誘導、並びに、抗体のない
の水酸化アルミニウム製剤(偽薬)でアカゲザルの他の1群に処理した後のHE2に
対する抗体反応の欠如を示す。
【図11】 細胞ELISA法で測定した場合の、アカゲザルの毒性検査に関連
してHE2について検出されるEp-CAM陽性ヒト胃癌細胞(Kato III)に対する抗体
免疫反応の誘導の例示である。
【図12】 細胞ELISA法で測定した場合の、水酸化アルミニウムへ吸着さ
れる0.5 mg HE2を用いた腸癌に罹患した患者のワクチン接種を繰り返した後の、
Ep-CAM陽性ヒト胃癌細胞(Kato III)に対する抗体免疫反応の誘導を示す。
【図13】 細胞の渙散実験で測定される場合の、水酸化アルミニウムに吸
着される0.5 mg HE2を用いた腸癌に罹患した患者のワクチン接種を繰り返した後
の、Ep-CAM陽性ヒト胃癌細胞(Kato III)に対する血清の細胞毒性の誘導を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 16/30 ZNA C07K 16/30 ZNA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C085 AA03 AA13 AA14 BB01 CC03 CC05 CC23 EE01 EE06 FF24 GG03 GG04 GG05 4H045 AA11 AA20 AA30 CA40 DA75 DA76 EA22 EA28 EA51 FA71 FA72 GA26 【要約の続き】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌に対する予防的および/または治療的ワクチン接種用の薬
    学的組成物調製のためのヒト細胞膜抗原に対する抗体の使用。
  2. 【請求項2】 細胞膜抗原が腫瘍関連抗原である、請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 細胞膜抗原が接着過程に役割を果たす、請求項1または2記載
    の使用。
  4. 【請求項4】 細胞膜抗原が上皮細胞の抗原である、請求項1から3のいずれ
    か一項記載の使用。
  5. 【請求項5】 細胞膜抗原が自己接着できる、請求項1から4のいずれか一項
    記載の使用。
  6. 【請求項6】 細胞膜抗原がEp-CAM、N-CAM、またはCEAである、請求項5記
    載の使用。
  7. 【請求項7】 抗体が動物起源のものである、請求項1から6のいずれか一項
    記載の使用。
  8. 【請求項8】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項1から7のいずれか
    一項記載の使用。
  9. 【請求項9】 抗体がマウスモノクローナル抗体HE2である、請求項8記載の
    使用。
  10. 【請求項10】 抗体がHE2抗体と同様の高い結合特異性を有する、請求項1
    から8のいずれか一項記載の使用。
  11. 【請求項11】 様々な細胞膜抗原または1つの膜抗原の様々なエピトープ
    に対する2つまたはそれ以上の抗体が、互いに組み合わせて用いられる、請求項1
    から10のいずれか一項記載の使用。
  12. 【請求項12】 薬学的組成物が少なくとも1つのワクチンアジュバントも
    さらに含む、請求項1から11のいずれか一項記載の使用。
  13. 【請求項13】 薬学的組成物が、1用量において0.01 mgから4 mgまでの範
    囲の抗体の投与に適当である、請求項1から12のいずれか一項記載の使用。
  14. 【請求項14】 薬学的組成物が、皮下注射、皮内注射、または筋肉内注射
    による投与に適している、請求項1から13のいずれか一項記載の使用。
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