JP2002534168A - 改良されたバルーン配置をもつ胃のバルーンカテーテル - Google Patents

改良されたバルーン配置をもつ胃のバルーンカテーテル

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Abstract

(57)【要約】 改良されたバルーン配置をもつバルーンカテーテルであって、ヘッドと、このヘッドから延びるカテーテルセグメントと、ヘッドの反対側でカテーテルセグメント上に配置されたバルーンとを有している。好ましくは、バルーンは近位位置でカテーテルセグメントの外部に取り付けられ、遠位位置でカテーテルセグメントの内部に取り付けられ、それによって、膨張されたときにカテーテルセグメントの遠位端から遠位方向に延びるバルーンを形成する。このバルーンの改良された配置は、カテーテルセグメントの遠位端と使用者の解剖学的な構造組織との間の接触を防止するのに役立ち、それによって刺激を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には身体のキャビティにカテーテル法を導入するために使用
されるバルーンカテーテルに関する。より具体的には、本発明は、改良されたバ
ルーン配置をもつバルーンカテーテルであって、身体のキャビティにカテーテル
が入っている間に該カテーテルによって生じる不快な刺激を減少するようにバル
ーンが形成されたバルーンカテーテルに関する。
【０００２】
【技術の状況】
或る所望の医学的な目的を達成するために身体のキャビティ部分がカテーテル
法の処置を受けなければならない状況が多く存在する。最も頻繁には、カテーテ
ル法は身体に物質を注入するためか、あるいは身体から物質を除去するためのい
ずれかで遂行される。多くのこのような処置の間、所望の注入あるいは除去の遂
行のためにカテーテルは比較的安定な位置に保たれる必要がある。注入送り用カ
テーテル（即ち、栄養溶液を直接胃部あるいは腸に導入し得るカテーテル）の使
用の場合、例えば、カテーテルが不用意に胃部あるいは腸から抜き出されないの
を確保することが必要である。これは流体の実際の注入あるいは除去の間、およ
び送り込みにかかっている時間の双方にとって確かなことである。
【０００３】 カテーテルが適切な位置に維持されるのを確保するために、カテーテルシャフ
トの遠位（患者）端の近くに配置されたバルーンを使用することが普通である。
バルーンの膨張はバルーンを解剖学的な構造組織との接触を生じさせ（即ち、導
管あるいは胃壁）、そして、それによって、カテーテルが適切な位置から外れて
移動するのを防ぐ。注入送りの場合には、小穴が胃あるいは腸に連通するように
形成される。カテーテルは、小穴を通って延びるように配置され、これによって
、胃あるいは腸につながる溝を形成し、そこを通って注入送り溶液がポンプ作用
を受ける。
【０００４】 図１は従来技術にしたがって造られた全体として符号１０で示すバルーンカテ
ーテルの側面図である。バルーンカテーテル１０は近位端に配置されたヘッド１
４を有する。ヘッド１４はバルーンカテーテル１０を通る流体の流れを調整する
弁を含む。ヘッド１０はまたバルーンカテーテル１０が小穴を通って完全に前進
して使用者の胃あるいは腸に入るのを防いでいる。
【０００５】 カテーテルが胃／腸の壁から抜け出るのを防ぐために、バルーン１８がカテー
テルセグメント２２に沿って配置される。カテーテルセグメント２２は細長いカ
テーテルシャフト２６と、ヘッド１４の反対側の遠位端でカテーテルシャフトに
取り付けられた堅固な先端３０とを含む。カテーテルシャフト２６は、典型的に
は、医学的規格のシリコンで作られる。堅固な先端３０も同様に、典型的には、
医学的規格のシリコンで作られるが、通常はカテーテルシャフトよりも強直であ
るように形成される。堅固な先端３０は医者等がカテーテルセグメント２２を小
穴を通して挿入する際の助けとなる。
【０００６】 バルーン１８は、典型的には、近位端１８ａで接着剤の使用によってカテーテ
ルシャフト２６に取り付けられ、それによって、近位カフ（そで口状部分）３２
を形成している。同様に、バルーン１８の遠位端１８ｂは代表的には堅固な先端
３０に接着され、それによって遠位カフ３４を形成している。
【０００７】 バルーン１８は、該バルーンが膨張していないときにカテーテルセグメント２
２を小穴に挿入させることができるので好都合である。いったん、カテーテルセ
グメント２２が小穴に適切に配置されると、注入器（図示せず）がヘッド１４の
側部ポート３６に挿入され、そして流体がカテーテルの内腔（図１には図示せず
）を通ってバルーン１８内に注入される。流体はバルーンを膨張させ、それによ
ってバルーンがカテーテルシャフト２６および堅固な先端３０から外方へ延びる
。
【０００８】 バルーン１８が膨張状態に維持されている間、カテーテルセグメント２２は小
穴内に適切に配置されて留まる。もしカテーテルセグメント２２を除去する必要
があるときは、バルーン１８はカテーテルシャフト２６および堅固な先端３０の
引抜きと干渉しないように収縮される。このようにして、バルーンカテーテル１
０の位置は、その除去が必要となるまで維持される。
【０００９】 図１に示された形態のものは、バルーンカテーテル１０を適切な位置に維持す
るためには良い作用を行うが、このバルーンカテーテルは欠点を有する。その第
１の欠点は使用者に対して不快を与えることである。カテーテルセグメント２２
の挿入を可能とするためには、カテーテルシャフト２６、および、特に、その堅
固な先端３０は挿入圧力下で反り返りを防ぐように比較的剛固でなければならな
い。しかしながら、この同じ剛固さは、遠位の先端２６が、その堅固な先端３０
と接触する解剖学的な構造組織をより一層刺激するという傾向を生じる。これは
特に、解剖学的な構造組織の対向壁が身体的な努力の間に互いに潰し合う傾向に
ある胃および腸において、あるいは凹部に食べ物が僅かしか、または全くないと
きの胃および腸においてあてはまる。人が動くとき、堅固な先端３０は近接した
解剖学的な構造組織（胃壁のような）と繰り返し係合し、そして使用者に対して
かなりの刺激および不快を与える。
【００１０】 堅固な先端３０と任意の近接した解剖学的構造組織との接触を防ぐということ
は好都合であるが、バルーン１８は或る固有の限界を有する。バルーン１８は、
流体がバルーンと連通状態に内腔に注入されたときバルーンを密封状態に形成す
るように近位および遠位のカフ３２，３４を有しなければならない。さらに、こ
のカフ３２，３４は、バルーン１８と、使用者の動きによって生じる曲げや撓み
に耐えるカテーテルシャフト２２との間に緊密でかつ永続的な密封を有するよう
に充分な長さを有しなければならない。したがって、遠位先端２６（および潜在
的にはカフの遠位端）の数センチメートルが露出状態に残され、これが刺激に対
する重要な潜在性を残すことになる。
【００１１】 図１に示される形態の他の欠点は、遠位カフ３４がその遠位端で接合箇所３４
ａを形成することである。この接合箇所３４ａは、そこを通してカテーテルセグ
メント２２が配置される小穴を定める組織を引っ掛ける傾向となる急断的な縁部
を有し、それによってバルーンカテーテル１０の挿入が頓挫する。接合箇所３４
ａがこの組織を引っ掛けると、これがカテーテルセグメントを反り返えさせ、か
つ刺激を生じさせることになる。
【００１２】
【発明の概要】
したがって、剛固な遠位先端を身体内部の凹部表面から離隔させたバルーン配
置をもつ改良されたバルーンカテーテルの必要性が生じる。また、小穴を通した
カテーテルの配置と干渉するカテーテルセグメントに沿う接合箇所あるいは急断
的な縁部を有しない改良されたバルーンカテーテルの必要性が生じる。
【００１３】 したがって、本発明の目的は、使用中におけるカテーテルセグメントの遠位端
の堅固な先端と解剖学的な構造組織との間の接触を減少あるいは排除した改良さ
れたバルーン配置を有するバルーンカテーテルを提供することにある。
【００１４】 本発明の他の目的は、比較的安価に製造でき、また比較的容易に使用できるよ
うなバルーンを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、カテーテルセグメントを通る溶液の流れを妨げな
いバルーンカテーテルを提供することにある。 本発明のなおさらに他の目的は、挿入に際してカテーテル先端と干渉しないバ
ルーンカテーテルを提供することにある。
【００１５】 本発明のなおさらに他の目的は、小穴からのカテーテルセグメントおよびバル
ーンの挿入を容易にするために、近位カフから遠位側のカテーテルセグメントの
外部に沿って接合箇所のない縮小された外形を有するバルーンカテーテルを提供
することにある。
【００１６】 上述の目的、および特別に列挙されていない本発明の他の目的は、小穴あるい
は他の開口から身体の凹部への挿入を助けるための細長いカテーテルシャフトお
よび堅固な先端を含む改良された配置をもつバルーンカテーテルの代表的な実施
例において実現される。バルーンがカテーテルシャフトおよび堅固な先端と同軸
関係に配置され、このバルーンは、カテーテルシャフトの遠位端および堅固な先
端に配置される。このバルーンは、該バルーンが遠位の堅固な先端を覆うような
形態に膨張するように形成され、それによって、バルーンカテーテルが使用され
ているとき該バルーンを近接した解剖学的な構造組織から離隔する。
【００１７】 本発明の１つの観点によれば、バルーンは近位カフを有し、そこにおいてバル
ーンの近位端は密封係合状態にカテーテルシャフトに取り付けられる。典型的に
は、これは膠の使用によって達成される。バルーンの遠位端は、カテーテル先端
と解剖学的な構造組織との間の直接接触を防ぐために、カテーテルの堅固な先端
を越えて延びる。好適な実施例では、バルーンの遠位端は堅固な先端のまわりに
延び、次いで、堅固な先端の中に取付部のカフを形成するように堅固な先端の開
口内へ近位側へ延びる。このような形態において、バルーンは膨張によって堅固
な先端から外方へかつ僅かに遠位側へ延びるように形成され、これによって使用
中に堅固な先端と近接した解剖学的な構造組織との間の接触を防止する。さらに
、バルーンをカテーテルの堅固な先端を越えて引き延ばすと、カテーテルの挿入
中に堅固な先端と小穴との間に弾性的な緩衝体が得られる。
【００１８】 本発明の他の観点によれば、バルーンは、カテーテルセグメントの外径と実質
的に等しい内径をもつエラストマー性スリーブで形成される。このように、バル
ーンが膨張されないとき、カテーテルのエラストマー性物質はカテーテルセグメ
ントの外側をかかえ締め、これによって装置を心地よく挿入するのに必要な小穴
のサイズを最小にする。
【００１９】 本発明のさらに他の観点によれば、堅固な先端にはその遠位端に近接した環状
溝あるいは凹部が形成される。この環状の凹部は、好ましくはバルーンを形成す
る物質の厚みよりも僅かに深いのがよい。次いで、バルーンの遠位端は環状凹部
内の堅固な先端に接着で取り付けられ、その結果、取付部によって形成されたカ
フは堅固な先端の残部を貫通する溝と概ね同じ横断面サイズの溝を形成する。好
ましくは、このカフによって定められた溝はその内径が堅固な先端の残部を貫通
する内径と等しいか、あるいは、堅固な先端の残部を貫通する内径より大きい。
堅固な先端の残部と実質的に等しい内径の溝をもつカフを設けることにより、こ
のカフはバルーンカテーテルを通る流体の流れに対する拘束として作用すること
はない。
【００２０】
【発明の実施の形態】
本発明の上述の目的、および他の目的、態様および利点は図面に関連してなさ
れた以下の詳細な記載の考察から明らかになろう。 図面について参照がなされ、本発明の種々の要素には参照符号が付され、当業
者が本発明を製造しかつ本発明を使用することができるように、本発明を論述す
る。以下の記述は、本発明の原理の一例であるに過ぎず、添付の特許請求の範囲
を狭めるものとして受け取るべきでないことを理解すべきである。
【００２１】 図２を参照すれば、本発明の教示にしたがってなされた、全体として符号１１
０で示された、バルーンカテーテルの側面図が示されている。バルーンカテーテ
ル１１０は、それがヘッド１１４と、バルーン１１８を形成するエラストマー性
スリーブと、カテーテルセグメント１２２とを含む点では従来技術と同様である
。カテーテルセグメント１２２は、カテーテルシャフト１２６と、該カテーテル
シャフトの遠位端に取り付けられた堅固な先端（バルーン１１８のために目視さ
れない）とを含んでいる。ヘッド１１４内の第１の中央開口１４０により、カテ
ーテルセグメント１２２を通して使用者の内部へ注入送り溶液などの注入を可能
にする。プラグ１４２はヘッド１１４から延びるランヤード（索ひも）１４４上
に配置されている。プラグ１４２は、この第１の中央開口がバルーンカテーテル
１１０を通して流体を投与するのに使用されないときにはカテーテル１１０の汚
染を防止するために第１の中央開口１４０内に配置することができる。
【００２２】 第２の側部開口１４８はポートとして作用し、該ポートを通して流体がカテー
テルセグメント１２２内の内腔を経てバルーン１１８の中へ注入され、あるいは
バルーン１１８から除去される。このように、第２の側部開口１４８によって、
使用者あるいは医者などがバルーン１１８の膨張および収縮を選択的にコントロ
ールできる。第１の中央開口１４０および第２の側部開口１４８の双方の特別な
詳細は図３に示される横断面図に関しての論述において付加的に詳細に論述され
る。
【００２３】 図１に示された従来技術のバルーンカテーテル１０と同様に、バルーン１１８
はカテーテルシャフト１２６に沿って縦方向に延びる近位カフ１３２を含み、そ
れらは同軸線上にある。バルーンカテーテル１１０はまたバルーン１１８の遠位
端を装着する遠位カフ（図２には図示せず）を含む。しかしながら、図１の従来
技術のバルーンカテーテル１０と異なり、この遠位カフは堅固な先端の外部に沿
って、該堅固な先端の遠位端の近位側数ミリメートルについて配置されていない
。むしろ、バルーン１１８の遠位カフは、該バルーンが前記堅固な先端の遠位端
を覆うように配置され、それによって堅固な先端とそれに近接した解剖学的構造
組織との間の接触を防ぐようになっている。このような形態において、バルーン
１１８は従来技術の胃のバルーンカテーテルに関連した刺激を最小にする。
【００２４】 今、図３を参照すると、図２の長手方向中心線Ａ−Ａにおけるバルーンカテー
テル１１０の横断面図が示されている。バルーンカテーテル１１０はヘッド１１
４と、バルーン１１８と、カテーテルセグメント１２２とを含む。前述したよう
に、ヘッド１１４は第１の中央開口１４０と、第２の側部開口１４８とを含む。
第１の、中央開口１４０は栄養溶液などを使用者へ送るように構成された反逆流
弁１５２を含み、しかし、この反逆流弁は、注射器あるいは該反逆流弁に調和す
るニップルもつ他の標本取り装置によって適切に係合されない限り、流体が使用
者から流れ出すのを阻止する。反逆流弁１５２は、カテーテルシャフト１２６を
貫通する給送内腔１５６の形態の通路と、カテーテルシャフトの遠位端１２６ａ
に取り付けられた堅固な先端１３０を通る通路あるいは溝１６０と連通するよう
に配置される。流体が第１の中央開口１４０に注入されたとき、該流体は反逆流
弁１５２と、給送内腔１５６と、溝１６０とを通ってバルーンカテーテル１１０
の使用者の中へ流入する。
【００２５】 第２の側部開口１４８は膨張ポートを形成し、解放可能なワンウェイ弁１６４
が前記ポートに配置される。この解放可能なワンウェイ弁１６４は、カテーテル
シャフト１２６を貫通して給送内腔１５６と実質的に平行に延びる膨張内腔１６
８と連通するように配置される。膨張内腔１６８の遠位端１６８ａはふさがれ、
横開口１７２が設けられ、その結果、膨張内腔はカフ１３２，１３４間のエラス
トマー性スリーブと連通し、これによってバルーン１１８を形成する。注入内腔
１６８を通して流体圧（例えば、エアあるいは塩水溶液の注入）を与えることに
よって、流体はバルーン１１８のエラストマー性スリーブとカテーテルセグメン
ト１２２との間のキャビティを満たし、これによってバルーンを膨張させる。
【００２６】 図１に示すバルーンカテーテル１０と異なり、バルーン１１８の遠位カフ１３
４は堅固な先端１３０の遠位端１３０ａから数ミリメートル、堅固な先端１３０
の外部に沿って取り付けられていない。むしろ、バルーン１１８の遠位端１１８
ａは堅固な先端１３０の遠位端１３０ａを越えて包まれ、そしてカテーテルセグ
メントを通る通路を形成するカテーテルセグメント１２２の内壁に取り付けられ
ている。これは、バルーン１１８の遠位端１１８ａを堅固な先端１３０の内部に
取り付けることによって達成するのが好ましい。このようにして、バルーン１１
８の遠位端１１８ａは常に堅固な先端１３０の遠位端１３０ａを覆っている。い
いかえれば、バルーン１１８の遠位端１１８ａは堅固な先端１３０が、これに近
接して配置された解剖学的構造組織に直接突き当るのを防いでいる。
【００２７】 図２〜図５に示された形態の付加的な利点は、バルーン１１８を形成するエラ
ストマー性スリーブがいかなる接合部（図１における接合部３４ａのような）も
バルーンの近位端に形成されないような形態で取り付けられることである。発明
の背景の項で論述したように、従来技術の形態におけるバルーン１８の遠位端の
接合部３４ａ（図１）は縁部を有し、その縁部上に小穴のまわりの組織が引っ掛
かり、それによってカテーテル１０の挿入と干渉を起こす。さらに、この急断の
縁部はまた、それが繰り返し係合する解剖学的構造組織に対し刺激を生じさせる
こともある他の縁部を与えることになる。
【００２８】 対照的に、本発明におけるバルーン１１８を形成するエラストマー性スリーブ
は、カテーテルの挿入と干渉したり、解剖学的構造組織との反復接触による刺激
を生じたりするいかなる近位側接合部も有しない。反対に、バルーン１１８を形
成するエラストマー性スリーブの近位端はカテーテルセグメント１２２の外部を
かかえ締め、また接合部を形成するよりむしろ堅固な先端１３０の遠位端１３０
ａのまわりを包む。このように、エラストマー性スリーブは近位カフ１３２から
遠位端１３０ａまで滑らかな外側表面を与え、それによって小穴からのカテーテ
ルセグメントの挿入を一層容易にする。
【００２９】 好適な実施例においては、環状凹部１８０がその遠位端１３０ａに近接した堅
固な先端１３０に形成される。この環状凹部１８０はバルーン１１８の遠位端１
１８ａの厚みよりも深さが僅かに大きいのが好ましい。バルーン１１８の遠位端
１１８ａはこの環状凹部１８０内におさまっており、（好ましくは接着剤によっ
て）その環状凹部１８０に取り付けられる。環状凹部はバルーン１１８の遠位端
１１８ａの厚みより僅かに深いので、バルーンの遠位端は堅固な先端１３０を通
して近位側のそこに配置された溝１６０と直径が概ね同じサイズである溝１６０
ａを形成する。いいかえれば、バルーン１１８の遠位端１１８ａを堅固な先端１
３０の環状凹部１８０内に接着することによって形成されたカフ１３４は、溝１
６０から患者への流体の流れを潜在的に拘束するように半径方向の内方には延び
ない。
【００３０】 図４を参照すれば、図２のバルーンカテーテルでバルーンが膨張形態になった
ときの側面図が示されている。ヘッド１１４と、バルーン１１８と、カテーテル
セグメント１２２と、これらに関連した構造物は図２にしたがって示されかつ符
号が付されている。図４はバルーンが膨張したときのバルーン１１８の配置を説
明するために示されている。図１に示された従来技術の形態と異なり、バルーン
１１８は堅固な先端１３０（図３）の遠位端１３０ａ（図３）を越えて遠位側へ
延びる。これは、また、対峙した粘液物質のような解剖学的構造組織に堅固な先
端１３０が直接接触するのを防止することになる。
【００３１】 図５は本発明によって得られた重要な進歩をよりよく示したものであって、図
４の長手方向中心線Ｂ−Ｂにおけるバルーンカテーテルの横断面図である。バル
ーンカテーテル１１０は図２のバルーンカテーテルと実質的には同じであり（バ
ルーン１１８の膨張以外）、それ故それに応じて符号を付してある。
【００３２】
【発明の効果】
バルーン１１８および堅固な先端１３０に焦点を当てると、上述した形態は堅
固な先端が患者の解剖学的な構造組織から離隔することについて重要な改善を与
えていることが当業者にとって明らかである。特に、堅固な先端１３０の内側に
遠位カフ１３４（図３および図５）を形成することによって堅固な先端と近接し
た解剖学的構造組織との間に直接的な障壁（バルーンを形成する物質）を与える
。さらに、バルーン１１８が膨張したとき、バルーンは近位カフ１３２に向って
近位側へアーチ形になる前に僅かな距離遠位側へ延び、これによって堅固な先端
１３０と任意の近接した解剖学的構造組織との間の激しい接触を防止するような
幾分ドーナツ形を形成する。勿論、バルーン１１８が堅固な先端１３０の遠位側
へ延びる距離は、バルーンに使用された物質の柔軟性、物質の量および何らかの
囲いあるいは他の構造的な支持体がバルーンに沿って設けられるかどうかという
ような多くの要素に依存するであろう。バルーンが収縮するとき、バルーン１１
８はなお堅固な先端１３０と、近接した解剖学的な構造組織との間のいかなる直
接的な接触も阻止する。
【００３３】 本発明の他の利点は、刺激の潜在性を増大することなく、より確実な遠位側の
シールを可能にすることである。従来技術のカテーテルセグメントは膨張したバ
ルーンの遠位端に保護がないので、不快さを最小にするためにカテーテルセグメ
ントの遠位端で、そのカフの長さを減じることが要望される。もし、カフが長す
ぎるならば、かなりの量のカテーテルセグメントがバルーンを越えて延びるであ
ろう。これに対して、バルーン１１８の遠位端１１８ａを堅固な先端１３０の内
部に取り付けることにより、堅固な先端１３０の遠位端１３０ａは覆われ、そし
て、バルーンカテーテル１１０を作る者は、刺激を増大せずにシール性を高める
ために一層長いカフを形成することができる。より長いカフにより、改善された
シールを与え、それによってバルーンからのすぐれた漏れ防止を与える。図３お
よび図５には堅固な先端１３０の遠位端に近接して配置されるように示されてい
るが、遠位カフ１３４はカテーテルセグメント１２２内に更に近位側に配置する
こともできるであろう。
【００３４】 このように、改善されたバルーン配置をもつバルーンカテーテルが開示される
。当該技術に熟練した者にとって、本発明の範囲および精神から逸脱せずに多く
の修正がなされ得ることが理解されるであろう。例えば、カテーテルシャフトお
よび堅固な先端は接合される２つの異なった要素として示されているが、カテー
テルシャフトおよび堅固な先端の機能を遂行するために単一体のカテーテルチュ
ーブを利用したカテーテルセグメントを形成することも可能である。添付した特
許請求の範囲は、そのような修正形態も包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来技術の教示にしたがって作られたバルーンカテーテルの膨張された形態に
おける側面図である。
【図２】 本発明の教示にしたがって作られたバルーンカテーテルの側面図であって、該
バルーンカテーテルのバルーンが非膨張形態にあるときにカテーテルセグメント
の外部のまわりに配置されている状態を示す図である。
【図３】 長手方向中心線Ａ−Ａにおける図２のバルーンカテーテルの横断面図であって
、非膨張時のバルーンがカテーテルセグメントの外側に設置されている状態を示
す図である。
【図４】 バルーンが膨張形態になったときの図２に示すバルーンカテーテルの側面図で
ある。
【図５】 長手方向中心線Ｂ−Ｂにおける図４のバルーンカテーテルの横断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 クリスチャン ケリー ジェイ アメリカ合衆国 インディアナ州 83201 ポカテロ サッターフィールド ドライ ヴ 2390 Ｆターム(参考） 4C167 AA04 AA09 BB02 BB09 BB27 BB28 BB30 CC07 CC20 CC23 GG14 HH08 HH14

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 近位端および遠位端を有する細長いカテーテルセグメントと
    、 バルーンの近位端に近位カフおよび遠位カフを形成するように遠位端に近接し
    た細長いカテーテルチューブに取り付けられた膨張可能なバルーンとを含み、バ
    ルーンが膨張されないとき該バルーンがカテーテルセグメントの外部をかかえ締
    めるように近位カフがカテーテルセグメントの内部に取り付けられ、それによっ
    て小穴を通してバルーンカテーテルを挿入するのを容易にさせことを特徴とする
    バルーンカテーテル。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載のバルーンカテーテルであって、バルーンは
    遠位端を有し、カテーテルセグメントはカテーテルシャフトと、該カテーテルシ
    ャフトに取り付けられた堅固な先端とを有し、前記堅固な先端は通路を定める内
    部を有しており、バルーンの近位端はカテーテルシャフトに取り付けられ、バル
    ーンの遠位端は前記堅固な先端の内部に取り付けられることを特徴とするバルー
    ンカテーテル。
  3. 【請求項３】 請求項２に記載のバルーンカテーテルであって、前記堅固な
    先端は環状凹部を有し、バルーンの遠位端は前記凹部内におさまることを特徴と
    するバルーンカテーテル。
  4. 【請求項４】 請求項３に記載のバルーンであって、堅固な先端は遠位端を
    有し、前記環状凹部は前記堅固な先端の遠位端に直ぐ近くに近接して前記堅固な
    先端の内部に形成されることを特徴とするバルーン。
  5. 【請求項５】 請求項４に記載のバルーンであって、前記バルーンは或る厚
    みをもつエラストマー性スリーブで形成され、前記環状凹部はエラストマー性ス
    リーブの厚みより深いことを特徴とするバルーン。
  6. 【請求項６】 請求項２に記載のバルーンカテーテルであって、前記堅固な
    先端はその先端を貫通する溝を有し、前記堅固な先端へのバルーンの遠位端の取
    付部は前記堅固な先端を貫通する溝の横断面の直径を減少しないことを特徴とす
    るバルーンカテーテル。
  7. 【請求項７】 請求項２に記載のバルーンカテーテルであって、バルーンは
    遠位カフから遠位方向に延び、前記堅固な先端の遠位端のまわりを通り、それか
    ら近位カフの近位方向に延びることを特徴とするバルーンカテーテル。
  8. 【請求項８】 請求項１に記載のバルーンカテーテルであって、カテーテル
    セグメントは、その中に形成された凹部をもつ遠位端を有し、バルーンの遠位端
    は前記凹部内におさまることを特徴とするバルーンカテーテル。
  9. 【請求項９】 請求項１に記載のバルーンカテーテルであって、バルーンは
    近位端および遠位端を有するエラストマー性スリーブを含み、前記近位カフはエ
    ラストマー性スリーブの近位端に形成され、前記遠位カフはエラストマー性スリ
    ーブの遠位端に形成されることを特徴とするバルーンカテーテル。
  10. 【請求項１０】 溶液を患者の内臓と流体連通状態とさせる、少なくとも２
    つの開口を有するヘッドと、 前記ヘッドから延び、かつ前記少なくとも２つの開口と連通状態に配置された
    第１および第２の内腔を有するカテーテルセグメントと、 第１のカフを形成するようにカテーテルセグメントの外部に取り付けられた第
    １の端部、および、第２のカフを形成するようにカテーテルセグメントの内部に
    取り付けられた第２の端部を備えたスリーブによって形成されたバルーンとを含
    み、前記バルーンは膨張していないときカテーテルセグメント上に潰れており、
    これによって、小穴を通しての挿入が容易になることを特徴とするバルーンカテ
    ーテル。
  11. 【請求項１１】 請求項１０に記載のバルーンカテーテルであって、前記第
    １のカフは前記第２のカフの近位方向に配置されることを特徴とするバルーンカ
    テーテル。
  12. 【請求項１２】 請求項１１に記載のバルーンカテーテルであって、前記ス
    リーブはカテーテルセグメントの外部に取り付けられた近位端と、カテーテルセ
    グメントの内部に取り付けられた遠位端とを有することを特徴とするバルーンカ
    テーテル。
  13. 【請求項１３】 請求項１２に記載のバルーンカテーテルであって、前記カ
    テーテルセグメントは遠位端を有するカテーテルシャフトと、該カテーテルシャ
    フトの遠位端に取り付けられた堅固な先端とを含むことを特徴とするバルーンカ
    テーテル。
  14. 【請求項１４】 請求項１３に記載のバルーンカテーテルであって、前記ス
    リーブの近位端はカテーテルシャフトの外部に取り付けられ、前記スリーブの遠
    位端は前記堅固な先端の内部に取り付けられることを特徴とするバルーンカテー
    テル。
  15. 【請求項１５】 請求項１０に記載のバルーンカテーテルであって、前記ヘ
    ッドはバルーンカテーテルを通して流体の流れを選択的にコントロールするよう
    に形成された複数の弁を有することを特徴とするバルーンカテーテル。
  16. 【請求項１６】 請求項１０に記載のバルーンカテーテルであって、前記ヘ
    ッドは、前記カテーテルセグメントよりも大きな横断面の直径を有することを特
    徴とするバルーンカテーテル。
  17. 【請求項１７】 請求項１０に記載のバルーンカテーテルであって、前記カ
    テーテルセグメントは遠位先端を有し、バルーンは前記遠位先端を覆っているこ
    とを特徴とするバルーンカテーテル。
  18. 【請求項１８】 請求項１０に記載のバルーンカテーテルであって、前記カ
    テーテルセグメントは遠位先端を有し、バルーンは膨張したとき前記遠位先端の
    遠位方向に延びることを特徴とするバルーンカテーテル。
  19. 【請求項１９】 小穴内に維持されるように該小穴から身体の凹部へ配置さ
    れるように形成されたバルーンカテーテルであって、 流体を注入させる少なくとも１つの開口を有するヘッドと、 外部および、内部を貫通する通路を定める壁部を有し、かつヘッド部分から遠
    位先端まで延びるカテーテルセグメントと、 カテーテルセグメントの遠位先端を覆う膨張可能なバルーンを形成するように
    前記通路のまわりのカテーテルセグメントの内部に取り付けられ、カテーテルセ
    グメントの外部に取り付けられた延長スリーブとを含み、前記スリーブは、膨張
    していないときにカテーテルセグメントを緊密に囲包する潰された状態にあり、
    膨張されたときにカテーテルセグメントから半径方向外方へ延びることを特徴と
    するバルーンカテーテル。
  20. 【請求項２０】 請求項１９に記載のバルーンカテーテルであって、カテー
    テルセグメントの外部への細長いスリーブの取付部はバルーンの近位カフを形成
    しており、カテーテルセグメントの内部への細長いスリーブの取付部はバルーン
    の遠位カフを形成することを特徴とするバルーンカテーテル。
  21. 【請求項２１】 請求項２０に記載のバルーンカテーテルであって、遠位カ
    フはカテーテルセグメントを貫通する通路の一部分を定めることを特徴とするバ
    ルーンカテーテル。
  22. 【請求項２２】 請求項１９に記載のバルーンカテーテルであって、カテー
    テルセグメントはカテーテルシャフトと、前記ヘッドの反対側のカテーテルシャ
    フトの遠位端に取り付けられた堅固な先端とを含むことを特徴とするバルーンカ
    テーテル。
  23. 【請求項２３】 請求項２２に記載のバルーンカテーテルであって、前記ス
    リーブはカテーテルシャフトの外部と、前記堅固な先端の内部とに取り付けられ
    ることを特徴とするバルーンカテーテル。
  24. 【請求項２４】 請求項２３に記載のバルーンカテーテルであって、前記堅
    固な先端は環状凹部を含み、前記スリーブは前記環状凹部内に配置されることを
    特徴とするバルーンカテーテル。
  25. 【請求項２５】 請求項１９に記載のバルーンカテーテルであって、カテー
    テルセグメントの外部への前記スリーブの取付部はカテーテルセグメントの内部
    への前記スリーブの取付部に対して近位側であることを特徴とするバルーンカテ
    ーテル。
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